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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172622
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】クッションソール付きバッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 13/36 20060101AFI20231129BHJP
   A45C 3/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
A45C13/36 E
A45C3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084564
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】501275020
【氏名又は名称】山田 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100101432
【弁理士】
【氏名又は名称】花村 太
(72)【発明者】
【氏名】山田 博文
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045CB01
3B045DA43
3B045DA44
3B045HA00
3B045HB06
3B045LA10
3B045LB01
(57)【要約】
【課題】クッションソール付きバッグの全体の重量を軽減すると共に、バッグの強度を保ちつつ収納性やクッション性などの有効な点も向上させることである。
【解決手段】バッグ本体の底部に設けられた弾性変形可能なクッションソールとを備えたクッションソール付きバッグであって、前記クッションソールを、板状に形成されたミッドソールと前記ミッドソールを挟み込むように一方の面に固着されたアウトソールと、他方の面に固着されたジョイントソールとから構成し、前記ミッドソールの板状平面の内周領域には、ハニカム構造に配された複数の正六角柱の中空を設ける。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書類・小物などを収納部に収納して持ち運び可能なバッグ本体と、このバッグ本体の底部に設けられた弾性変形可能なクッションソールとを備えたクッションソール付きバッグであって、
前記クッションソールは、板状に形成されたミッドソールと前記ミッドソールを挟み込むように一方の面に固着されたアウトソールと、他方の面に固着されたジョイントソールとから構成されてなり、
前記ミッドソールの板状平面の内周領域には、ハニカム構造に配された複数の正六角柱の中空を設けたことを特徴とするクッションソール付きバッグ。
【請求項2】
前記クッションソールは、バッグ本体の底面に固着された床革にジョイントソールが固着されていることを特徴とする請求項1に記載のクッションソール付きバッグ。
【請求項3】
前記ミッドソールは、前記ジョイントソール及び前記アウトソールよりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクッションソール付きバッグ。
【請求項4】
前記ミッドソールの板状平面の長辺側の端から内側にかけての外周領域の幅は、前記内周領域に設けられた正六角柱の中空の正六角形の中心を通る対角線に相当する幅よりも幅広に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクッションソール付きバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッションソール付きバッグのクッションソールの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在のバッグは、持ち歩きたい物を収納する袋状の物であり、バッグ自体を握る、背負う、肩に掛ける、ウエスト部分に巻き付けるなど、移動時の装着方法に関してそのスタイルに合ったデザイン分けがされている。更に、ビジネスやレジャーなどの使用するシーンも細分化され、様々な用途別に考え出された形態のバッグが展開されている。
【0003】
ところで、バッグ自体については収納の利便性も向上し、またバッグに使用する素材も進化してきたが、バッグ自体を置くことの視点が見落とされていた。即ち、バッグを使用する者は、ピクニックやキャンプに出かけた際にバッグを芝生や地面に直接置くことや、スポーツ観戦の際にバッグを座席の下のコンクリート面や地面に置くことや、待合せなどの待機時にバッグを地面や床面に置くことを考えるものである。
【0004】
しかしながら、従来のバッグのデザインではバッグ自体を直接地面などに置くことが想定されていないため、バッグの使用者の多くは、バッグが地面などに触れて汚れることを考え、バッグを地面や床面に直接置くことを躊躇していた。
【0005】
そこで、バッグを地面や床面等に直接置くことを想定した、スニーカーのソールと同種のデザイン及び素材を使用したクッションソールを底面に配したトートバッグが考えられ製品化され販売されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、スニーカーのソールと同種のデザイン及び素材を使用したクッションソールをバッグ底面全体に採用した場合には、同種サイズのバッグよりも重量が増加し持ち運びには少々不便であった。更に、当該クッションソールを一般的なスニーカーの底面よりも大きなバッグ底面に採用するとなると、バッグ全体の重量が更に重くなり実用的ではないため、実際に採用することは難しかった。そのため、このようなクッションソール付きバッグの大きさは、その底面の大きさが一般的なスニーカーと同じ程度の大きさ迄のバッグに限られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3083571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、クッションソール付きバッグの全体の重量を軽減すると共に、バッグの強度を保ちつつ収納性やクッション性などの有効な点も向上させることによって、より利便性の高い使いやすいクッションソール付きバッグ提供することであり、更には従来よりも大きなサイズのクッションソール付きバッグをも提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係るクッションソール付きバッグは、書類・小物などを収納部に収納して持ち運び可能なバッグ本体と、このバッグ本体の底部に設けられた弾性変形可能なクッションソールとを備えたクッションソール付きバッグであって、前記クッションソールは、板状に形成されたミッドソールと前記ミッドソールを挟み込むように一方の面に固着されたアウトソールと、他方の面に固着されたジョイントソールとから構成されてなり、前記ミッドソールの板状平面の内周領域には、ハニカム構造に配された複数の正六角柱の中空を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明に係るクッションソール付きバッグの前記クッションソールは、バッグ本体の底面に固着された床革に前記ジョイントソールが固着されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明に係るクッションソール付きバッグの前記ミッドソールは、前記ジョイントソール及び前記アウトソールよりも厚く形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明に係るクッションソール付きバッグの前記ミッドソールの板状平面の長辺側の端から内側にかけての外周領域の幅は、前記内周領域に設けられた正六角柱の中空の正六角形の中心を通る対角線に相当する幅よりも幅広に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のクッションソール付きバッグは、ミッドソールを板状に形成し、その板状平面の内周領域にハニカム構造に配された複数の正六角柱の中空を設けたため、ミッドソールの重量を軽減することができた。そのため、クッションソール付きバッグの全体の軽量化が可能となり、従来よりも大きなクッションソール付きバッグを作成することができるようになった。また、ハニカム構造に配された複数の正六角柱の中空を設けたことから、バッグ自体の軽量化を図りつつも、クッションソールの構造上の強度を保ちつつ、バッグの内底面のクッション性をも高めることが可能となった。また、ミッドソールがジョイントソール及びアウトソールよりも厚く形成されるため、クッション性をを高めつつもバッグ全体の軽量化も図ることが可能となった。また、ミッドソールの板状平面の長辺側の端から内側にかけての外周領域の幅を前記内周領域に設けられた正六角柱の中空の正六角形の中心を通る対角線に相当する幅よりも幅広とすることにより、ミッドソールの接着面積を確保しつつ、バッグ使用時に重量がかかる長辺側の側面近傍の接着強度を高めることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係るトートバッグの正面図である。
図2】本発明の実施の形態に係るトートバッグの左側面図である。
図3】本発明の実施の形態に係るトートバッグのクッションソールの構造を示した一部分解斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係るトートバッグのミッドソールの平面図である。
図5】本発明の実施の形態に係るトートバッグのミッドソールにおける内周領域及び外周領域を示す平面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るトートバッグの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づき詳述する。図1乃至図5は、本発明の実施の形態に係るクッションソール付きバッグを示し、本発明がトートバッグ1に適用されている。
【0016】
前記トートバッグ1は、図1及び図2に示すように、上部が開口した有底ボックス状に形成されたバッグ本体2と、このバッグ本体2の上端開口部に取り付けられたカバー部8と一対の手提部3と、前記バッグ本体2の底部の外周面に縫製により固着された床革5と、この床革5に固着された弾性変形可能なクッションソール4とを主体に構成され、前記バッグ本体2は、内部に書類・小物などを収納する収納部を有している。
【0017】
前記バッグ本体2は、所定形状に裁断された複数のナイロン地を縫製接合して形成されるとともに、図1及び図2に示すように、前後対称且つ左右対称に形成されている。
【0018】
図1及び2に示すように、バッグ本体上部の開口部周縁外側には、補強部7が帯状に縫製されている。また、バッグ本体の左右側面の中央部に補強部7から床革5近傍に掛けて、生地を内側に折り込んで縫製した縫製部6が形成されている。
【0019】
前記カバー部8にはファスナー81が設けられ、ファスナー81により開閉が可能となっている。
【0020】
前記各手提部3は、図1に示すように、一本状に形成され、その両端がバッグ本体2の同じ面側にバッグ本体2と補強部7で挟み込むように固定されている。
【0021】
当該補強部7及び各手提部3は、ベルトテープで形成されている。当該ベルトテープの素材としては、ポリエステル製、アクリル製、ポリプロビレン製、ナイロン製、綿製などの所望の素材のベルトテープを用いることができる。
【0022】
前記クッションソールは、図1図2図4図5及び図6に示すように、前記バッグ本体2の底部と相似形で肉厚に形成されている。
【0023】
具体的には、前記クッションソール4は、図3に示すように、クッションソール4を床革5に固着するために設けられたジョイントソール41と、主にクッション特性を有するミッドソール42と、耐摩耗性を有するアウトソール43とから形成され、ジョイントソール41上面が前記バッグ本体2の底面に設けられた床革5に夫々の素材同士の接着に適した接着剤により固着されている。
【0024】
前記クッションソール4を構成する前記ジョイントソール41と前記ミッドソール42と前記アウトソール43は、平面形状が相似に形成された平板状に形成され、夫々の素材同士の接着に適した接着剤により接着され一体に形成されている。
【0025】
前記ミッドソール42は、クッション性を考慮して、前記ジョイントソール41及び前記アウトソール43よりも肉厚の弾性体により構成されている。また、ミッドソール42の素材としては、適度なクッション性と強度を有し比較的軽量な素材となる合成樹脂材やゴム材を用いることができる。
【0026】
なお、本実施の形態のジョイントソール41及びミッドソール42は、軽量で柔らかく弾性があり丈夫で千切れにくいEVA(Ethylene-Vinyl Acetate:エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)を主原料とした発泡体をクッションソールの素材として使用した。EVAは、水を吸わない性質からビーチサンダルや靴底、バスマットなどに多く使用されている素材である。
【0027】
図3乃至図5に示すように、前記ミッドソール42の板状平面の内周領域Aには、ハニカム構造に配された複数の正六角柱の中空が設けられている。当該内周領域Aに正六角柱の中空を設けたのは、ミッドソール42の外周領域Bはバッグを持ち上げた際に収納物の重量が特にかかる部分であるため接着強度を上げる必要があること、バッグ本体2の袋部分を支えるために強度が必要なこと、バッグ本体の内底面の内周領域が物が収納され内底面に触れる部分であって収納物保護の為の弾力性が必要であること、ミッドソール42とジョイントソール41及びアウトソール43との接着力を確保するためには直接触れるある程度の平面部分も必要であることのためである。
【0028】
一方、前記アウトソール43は、図1乃至図3に示すように、前記ミッドソール42よりも薄肉状に形成されると共に前記ジョイントソール41よりも厚肉状に形成されており、また地面や床面等に直接置かれることを考慮して、耐摩耗性が良好であって適度な弾性を有した前記ミッドソール42よりも硬質な素材となっている。このアウトソール43には、適度なクッション性と強度を有し比較的軽量な素材となる合成樹脂材やゴム材を用いることができる。
【0029】
なお、本実施の形態のアウトソール43は、前記ミッドソール42と同様に、軽量で柔らかく弾性があり丈夫で千切れにくいEVA(Ethylene-Vinyl Acetate:エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)を主原料とした発泡体をクッションソールの素材として使用した。また、スニーカーのソールに使用されるラバー樹脂などを使用しても良い。
【0030】
また、前記アウトソール43の底面側には、図5に示すように、ほぼ中央部にブランドロゴが施されていると共に、図1乃至図3に示すように、靴底同様のトレッド10を有している。
【0031】
このドレッド10は、前記アウトソール43の底面側に断面逆V字状の溝を形成してなり、図1及び図3に示すように、断面V字状の山部11と断面逆V字状の谷部12とが、左右に凹凸連続して、前記山部11の頂点のみが床面などに接触するようになっている。また、図5に示すように、また、前記トレッド10は、平面状ではリブ型パターンを形成している。
【0032】
また、前記ジョイントソール41は、前記ミッドソール42及び前記アウトソール43よりも薄肉状に形成されている。前記ジョイントソール41は、クッションソール4をバッグ本体2に接着剤により接着する際に、接着の強度を高めるため使用される。ミッドソール42の内周領域に、ハニカム構造に配された複数の正六角柱の中空を設けたことから、ミッドソール42の接着領域が狭くなったため、異なる素材を接着し固定するための強度を十分に確保できなくなった。そこで、ミッドソール42と同種の素材を使用したジョイントソール41を使用することで、床革5との接着面を確保し接着強度を高めている。
【0033】
床革5は、バッグ本体に縫製により固着され、その床革5にクッションソール4が固着されているが、これはクッションソール4の素材とバッグ本体2の素材を接着により固着することが難しいため、クッションソール4の素材と接着した際に接着力の強度を保てる床革5をバッグ本体2に縫製により固着したものである。
【0034】
なお、床革5とジョイントソール41、ジョイントソール41とミッドソール42、ミッドソール42とアウトソール43の接着方法としては、接着面に接着剤を塗り、1度乾かした後に、熱により接着剤をもう一度柔軟にして接着面を貼り合わせ、その後完全に乾燥させる方法で行われる。夫々の接着に使用される接着剤は、接着する材質にあった接着剤であって、接着の強度が保てるものであれば何れの接着剤を使用しても良いものである。
【0035】
また、本実施の形態では、比較的大きなトートバッグ1を作成することが可能となった。具体的には、バッグ本体2の高さを320mm、横幅(長辺)を370mm、奥行き(短辺)を150mmで形成している。バッグ本体2の底部に床革5を介して固着される平面形状が角丸長方形状に形成されたクッションソール4も、バッグ本体2と同じ寸法で形成され、長辺が370mm、短辺が150mmに形成され、クッションソール4の厚さは25mmとしている。クッションソール4を形成するジョイントソール41、ミッドソール42及びアウトソール43は、夫々3mm、15mm、7mmの厚さで形成されている。
【0036】
なお、本実施の形態では、クッションソール4を形成するジョイントソール41、ミッドソール42及びアウトソール43の厚さを上記の通りとしたが、バッグを作成する際には、作成するバッグの大きさに伴いクッションソール4の厚みのバランスをとる必要があることは勿論である。本発明者が試行錯誤を繰り返した経験から、クッションソール4の厚みは20mm~30mm程度に納めることがクッションソール4の厚さとバッグ全体の重さのバランスがとれることが判明した。
【0037】
まず、クッションソールを構成するジョイントソール41は、バッグ本体2とミッドソール42を接着するパーツであるため、薄すぎては裂け剥がれる恐れがある一方、厚すぎてはバッグ自体の重量が重くなってしまうため、ジョイントソール41の厚さは3mm~5mm程度の範囲とするのが適切であった。
【0038】
次に、ミッドソール42は、バッグ本体2を支えるクッションパーツとなるため、薄すぎてはクッションの役割を十分に果たさない一方、厚すぎるとバッグ自体の重量が重くなってしまうため、12mm~18mm程度の範囲とするのが適切であった。
【0039】
最後に、アウトソール43は、本実施の形態で使用した素材であるEVAを主原料とした発泡体やその他ラバー樹脂などを使用されることが想定されるため、その重さを考慮すると、5~7mm程度の範囲とするのが適切であった。
【0040】
なお、床革5も角丸長方形状に形成されるが、バッグ本体2及びクッションソール4よりもその長辺及び短辺が1mm程度小さく形成されている。
【0041】
ミッドソール42は、図4及び図5の平面図に示すように、正六角柱の中空hが複数設けられハニカム構造となっている内周領域Aと、正六角柱の中空hが設けられていない外周領域Bとから構成されている。この内周領域Aに設けられた正六角柱の中空hは、ミッドソール42の板状平面の端側から20個、21個の列で交互に設けられ合計9列から構成されている。また、この内周領域Aに設けられた正六角柱の中空hは、正六角形の中心を通る対角線に相当する幅w1を11mmで形成し、隣り合う正六角柱の中空同士の幅w2を4mmで形成している。ミッドソール42の板状平面の長辺側の端から内側にかけての外周領域の幅w3は20mm、ミッドソール42の板状平面の短辺側の端から内側にかけての外周領域の幅w4は40mmで構成されている。また丸角長方形状のミッドソール42の丸角部では、長辺側の20mmの幅から短辺側の40mmの幅に徐々に幅が広がるように構成されている。
【0042】
本実施の形態では上記ミッドソール42の板状平面の長辺側の端から内側にかけての外周領域の幅w3を20mmとしたが、前記幅w3はミッドソール42に設けた正六角柱の中空hの正六角形の中心を通る対角線に相当する幅w1よりも幅広に構成すれば、トートバッグとして使用可能な程度の接着強度が得られるものであるため、前記幅w3は少なくとも前記幅w1の11mmを越える幅構成とすれば良いものである。
【0043】
ただし、当該正六角柱の中空hの大きさや、隣り合う正六角柱の中空hとの幅や、ミッドソール42に設ける外周領域Bの長辺側の幅w3及び短辺側の幅w4は、ミッドソール42の厚さや大きさ、作成するトートバッグを含むクッションソール付きバッグの大きさや必要な強度などにより、変更可能であることは勿論である。
【0044】
また、本実施の形態に係るトートバッグ1のクッションソール4は、平板状でほぼ同一の厚みで形成されているが、両端部や外周部を上方にそり上がった板状などに形成しても良いことは勿論である。
【0045】
本実施の形態に係るトートバッグ1は、ミッドソール42を板状に形成し、その板状平面の内周領域Aにハニカム構造に配された複数の正六角柱の中空hを設けたため、ミッドソールの重量を凡そ27~28%程度軽減することができた。それにより、トートバッグ1の全体の軽量化が可能となり、従来よりも大きなトートバッグ1を作成することができるようになった。また、ハニカム構造に配された複数の正六角柱の中空hを設けたことから、これらを設けなかった場合よりも、クッションソール4の構造上の強度を保ちつつも、バッグの内底面のクッション性を高めることが可能となった。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えばバッグ本体2の材質に、ナイロン地のほか、キャンパス地やメッシュ地などを用いることもできる。また、バッグ本体2内部の構造は、クッションソールの効果を奏する構造であればよく、自由に構成することができる。
【0047】
本発明はトートバッグのほか、デイパック、ショルダーバッグ、ビジネスバッグなどの種々のバッグに適用することができる。また、クッションソール部分は、その底面が滑りにくい構造であり、収納物を保護するクッション性も高く、軽量化を図ることによりバッグ自体を大きく作成することが可能であるため、梱包用の収納バッグやパソコン・ディスプレイ・ワインボトルなどの保護バッグなど多用途で利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 トートバッグ
2 バッグ本体
3 手堤部
4 クッションソール
41 ジョイントソール
42 ミッドソール
43 アウトソール
5 床革
6 縫製部
7 補強部
8 カバー部
81 ファスナー
10 トレッド
11 山部
12 谷部
w1 正六角形の中心を通る対角線に相当する幅
w2 隣り合う正六角柱の中空同士の幅
w3 ミッドソール42の板状平面の長辺側の端から内側にかけての外周領域の幅
w4 ミッドソール42の板状平面の短辺側の端から内側にかけての外周領域の幅
h 正六角柱の中空
A 内周領域
B 外周領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6