(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172638
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】原稿搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 11/00 20060101AFI20231129BHJP
B65H 31/00 20060101ALI20231129BHJP
B65H 1/04 20060101ALI20231129BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20231129BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231129BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B65H11/00 N
B65H31/00 Z
B65H1/04 320A
H04N1/12 Z
H04N1/00 567Q
G03G15/00 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084590
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】坂根 康太
【テーマコード(参考)】
2H076
3F054
3F063
3F343
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
2H076BA16
2H076BA17
2H076BA24
2H076BA37
2H076BA39
3F054AA02
3F054BA04
3F054BA14
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3F343LC04
5C062AA05
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5C072RA02
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5C072XA04
(57)【要約】
【課題】部品点数が少なく、処理が迅速な原稿搬送装置を提供する。
【解決手段】U字型に湾曲した搬送路と、原稿Sを積載する原稿載置台12と、原稿載置台12上の原稿を給紙する給紙部材14と、給紙部材14と対向して配置され、原稿Sを一枚ずつに分離する分離部材30と、給紙部材14よりも下流側に配置され、原稿Sを搬送する搬送部材16(17)と、搬送部材16(17)よりも下流側に配置され、原稿Sを排紙する排紙部材22(23)と、排紙部材22(23)により排紙された原稿を積載する第1積載面33と、原稿載置台12に設けられ、前記原稿載置台に載置される原稿Sの左右端を規制する原稿規制面31a(32a)を有する原稿規制部材31(32)とを備え、原稿規制部材31(32)は、第1積載面33の下流端よりも下流側に、排紙部材22により排紙された原稿Sを積載する第2積載面31a(31b)を有することを特徴とする
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
U字型に湾曲した搬送路と、
原稿を積載する原稿載置台と、
前記原稿載置台上の原稿を給紙する給紙部材と、
前記給紙部材と対向して配置され、前記原稿を一枚ずつに分離する分離部材と、
前記給紙部材よりも下流側に配置され、前記原稿を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材よりも下流側に配置され、前記原稿を排紙する排紙部材と、
前記排紙部材により排紙された原稿を積載する第1積載面と、
前記原稿載置台に設けられ、前記原稿載置台に載置される原稿の幅方向の端部を規制する原稿規制面を有する原稿規制部材と
を備え、
前記原稿規制部材は、前記第1積載面よりも下流側に、前記排紙部材により排紙された原稿を積載する第2積載面を有することを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項2】
前記原稿規制部材は原稿の幅方向の端部をそれぞれ規制する右規制部材と左規制部材とで構成されており、
前記原稿規制部材の前記第2積載面が、原稿の排紙方向において前記右規制部材と前記左規制部材とで互い違いになるような櫛歯形状になっていることを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
前記原稿規制部材の前記第2積載面が、原稿の排紙方向に沿って延在するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項4】
前記第1積載面は、その上流端に、前記排紙部材により排紙された原稿の後端を受けることが可能な後端当接面を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。
【請求項5】
前記第1積載面よりも上流側に設けられ、上流側の端部を回動中心として回動されることで前記排紙部材により排紙された原稿の後端を受けることが可能な後端当接部材を有することを特徴とする請求項4に記載の原稿搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメントスキャナ、ファクシミリ、プリンタ、複写機等の原稿搬送装置
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の原稿搬送装置の構成について、ドキュメントスキャナを例にして説明する。
【0003】
特許文献1に記載されている従来技術では、原稿トレイに載置される原稿を、第1搬送路を介して読み取り位置に搬送して片面の画像情報を読み取り、スイッチバック部でスイッチバックさせてから第2搬送路を介して再び読み取り位置に搬送して裏面の画像情報を読み取り、こうして両面の画像情報が読み取られた原稿を第1搬送路出口から原稿トレイに排出する技術が開示されている。ここで、この原稿トレイ上には載置されている画像情報読み取り前の原稿と画像情報読み取り後の原稿とを区分けすることによって識別する識別機構部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術の原稿読取装置はリサイクルレバーを用いて画像読み取り前の原稿と画像読み取り後の原稿とを仕分けている。リサイクルレバーはリサイクルモータによって駆動されている。ユーザーが操作開始スイッチを押すとリサイクルモータが駆動し、リサイクルレバーが回転し、原稿トレイに載置されている画像読み取り前の原稿の上方に配置される。このときリサイクルレバーを原稿の上まで回動させるまで、1枚目の原稿を排紙できない為、スキャン開始からスキャン完了までのトータルの処理時間が長くなってしまう。また、原稿トレイ上に載置されている画像情報読み取り前の原稿と画像情報読み取り後の原稿とを区分けするためにリサイクルレバー、リサイクルモータを使用することで部品点数が多くなっている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、部品点数を削減することができ、かつ処理時間を短縮することが出来る技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記を鑑み、本発明に係る原稿搬送装置は、
U字型に湾曲した搬送路と、
原稿を積載する原稿載置台と、
前記原稿載置台上の原稿を給紙する給紙部材と、
前記給紙部材と対向して配置され、前記原稿を一枚ずつに分離する分離部材と、
前記給紙部材よりも下流側に配置され、前記原稿を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材よりも下流側に配置され、前記原稿を排紙する排紙部材と、
前記排紙部材により排紙された原稿を積載する第1積載面と、
前記原稿載置台に設けられ、前記原稿載置台に載置される原稿の幅方向の端部を規制する原稿規制面を有する原稿規制部材と
を備え、
前記原稿規制部材は、前記第1積載面よりも下流側に、前記排紙部材により排紙された原稿を積載する第2積載面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原稿載置台上の原稿規制部材の第2積載面に排紙積載することで、排紙積載するための部品点数を削減できるとともに、原稿のセットからスキャン完了までのスキャン処理にかかる時間を短縮することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る原稿搬送装置の概略断面図。
【
図2】本発明の実施形態に係る原稿搬送装置の制御ユニットのブロック図。
【
図3】本発明の実施形態に係る原稿搬送装置のA矢視図。
【
図4】本発明の実施形態に係る原稿搬送装置の概略断面図(原稿排紙積載状態)。
【
図5】本発明の実施形態に係る原稿搬送装置の斜視図(原稿規制部材を開いた状態)。
【
図6】本発明の実施形態に係る原稿搬送装置の斜視図(原稿規制部材を閉じた状態)。
【
図7】本発明の実施形態に係る原稿搬送装置の他の態様を示す斜視図。
【
図8】本発明の実施形態に係る原稿搬送装置の他の態様を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る原稿搬送装置の実施形態について、
図1~5を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置の一例である、原稿を搬送しながら原稿の画像を読み取る画像読取装置10の概略断面図である。
<装置の構成>
【0011】
図1に示す画像読取装置10では、原稿Sを積載する原稿載置台である給紙トレイ12が装置本体10Aに対して開閉可能に支持されている。給紙トレイ12は、開いた状態(
図1の状態)で原稿Sが積載される。給紙トレイ12は、原稿Sの幅方向両端に当接して、原稿Sの幅方向位置を規制する原稿規制部材31、32を有する。なお、
図1は、説明のために原稿規制部材31、32を大きく描画した模式図となっている。
【0012】
給紙トレイ12上に積載された複数枚の原稿Sは、給紙ローラ14と分離パッド30とによって最も上の原稿から一枚ずつ分離されて搬送路に送り出され、搬送路に送り出された原稿Sは、第1搬送ローラ対(駆動ローラ16、従動ローラ17)により下流に搬送される。搬送路を下流に搬送された原稿Sは、画像読取ユニット18、19内の読み取りセンサにより表裏両面の画像が読み取られ、その後、第2搬送ローラ対(駆動ローラ20、従動ローラ21)によってさらに下流に搬送される。搬送路を下流に搬送された原稿Sは、U字型に湾曲した搬送路によって進行方向を変えられ、その後、排紙ローラ対(駆動ローラ22、従動ローラ23)によって排出される。なお、給紙ローラ14、分離パッド30、第1搬送ローラ対、第2搬送ローラ対、排紙ローラ対はそれぞれ、給紙部材、分離部材、搬送部材、排紙部材の一例であり、これらの態様に限られず、他の態様であっても良い。例えば、給紙部材として給紙ベルトを用いてもよいし、分離部材として分離ローラを用いてもよい。
【0013】
原稿Sには、例えば、OA紙、チェック、小切手、名刺などが含まれるが、これらに限定されない。
<給紙>
図1に示すように、搬送路に沿って原稿Sを給送する給送機構としての第1搬送部が設けられている。第1搬送部は本実施形態の場合、給紙ローラ14と、給紙ローラ14に対向して配置された分離パッド30と、を備え、給紙トレイ12上の原稿Sを搬送方向に一枚ずつ順次搬送する。
【0014】
<分離構造>
給紙ローラ14に対向して配置された分離パッド30は、原稿Sを1枚ずつ分離するためのパッドであり、給紙ローラ14に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離パッド30は圧縮バネ(不図示)に当接し、給紙ローラ14側に付勢されている。
【0015】
なお、本実施形態では給紙ローラ14と分離パッド30とで分離機構を構成したが、このような分離機構は必ずしも設けなくてもよく、搬送路に原稿Sを1つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離機構を設ける場合においては、分離パッド30のような構成の代わりに、分離ローラを給紙ローラ14に圧接させて、同様の分離作用が発揮できるようにしてもよい。
【0016】
<搬送構造>
図1に示すように、給紙ローラ14と分離パッド30の搬送方向下流側にある搬送機構としての第2搬送部は、駆動ローラ16と、駆動ローラ16に従動する従動ローラ17とを備え、給紙部から搬送されてきた原稿Sをその下流側へ搬送する。駆動ローラ16にはモータ等から駆動力が伝達され、回転駆動される。従動ローラ17は駆動ローラ16に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ16に連れ回る。この従動ローラ17は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ16に対して付勢された構成としてもよい。
【0017】
上述の第2搬送部よりも搬送方向下流側にある第3搬送部は、駆動ローラ20と、駆動ローラ20に従動する従動ローラ21とを備え、第2搬送部から搬送されてきた原稿Sをさらに搬送方向下流側へ搬送する。駆動ローラ20にはモータ等から駆動力が伝達され、回転駆動される。従動ローラ21は駆動ローラ20に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ20に連れまわる。この従動ローラ21は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ20に対して付勢された構成としてもよい。
【0018】
<重送検出>
第1搬送部と第2搬送部との間に配置される重送検出センサ40は、静電気等で紙などの原稿S同士が密着し、第1搬送部を通過してきた場合(つまり重なって搬送される重送状態の場合)に、これを検出するための検出センサ(原稿の挙動や状態を検出するセンサ)の一例である。重送検出センサ40としては、種々のものが利用可能であるが本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備え、紙等の原稿Sが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、原稿Sを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。
【0019】
<レジストセンサ>
このような重送検出センサ40よりも搬送方向下流側に配置される媒体検出センサ50は、第2搬送部よりも上流側で、第1搬送部よりも下流側に配置された上流側の検出センサ(原稿の挙動や状態を検出するセンサ)としての一例であり、第1搬送部により搬送される原稿Sの位置、詳細には、媒体検出センサ50の検出位置に原稿Sの端部が到達又は通過したか否かを検出する。媒体検出センサ50としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、原稿Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として原稿Sを検出する。
【0020】
本実施形態の場合、原稿Sの先端が媒体検出センサ50で検出されると、原稿Sが重送検出センサ40により重送を検出可能な位置に到達しているように、媒体検出センサ50は重送検出センサ40の近傍においてその下流側に設けられている。なお、この媒体検出センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、原稿Sの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、搬送経路に突出したレバー型のセンサでもよい。
【0021】
<CISの配置>
媒体検出センサ50よりも下流側にある画像読取ユニット18、19は、例えば、光学的に原稿を走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るものであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。本実施形態の場合、画像読取ユニット18、19は搬送経路の両側に一つずつ配置されており、原稿Sの表裏面を読み取る。しかし、搬送経路の片側にのみ一つ配置して、原稿Sの片面のみを読み取る構成としてもよい。また、本実施形態では、画像読取ユニット18、19を搬送経路の両側に対向配置した構成としているが、例えば、搬送経路の方向に間隔をあけて配置してもよい。
【0022】
また、2つの画像読取ユニット18、19のうち少なくとも一方を原稿Sの厚み方向に揺動可能に支持した構成であってもよい。例えば、一方の画像読取ユニット19は下部ユニットに固定し、もう一方の画像読取ユニット18は、上部ユニットの中で搬送面に対して垂直な方向に揺動可能に支持され、バネ等で付勢されることで対向する画像読取ユニット19に突き当てる。この構成にすることで、原稿が通過するとき上部ユニット側の画像読取ユニット18が原稿の厚さに応じてフロートするので、薄紙から厚紙までの画像読取が可能になる。
【0023】
<レジストセンサの出力に応じた読取開始>
制御部(不図示)は、媒体検出センサ50の検出結果に基づくタイミングで、第2搬送部により搬送されてきた原稿Sの、画像読取ユニット18、19による画像の読み取りを開始し、読み取った画像を一次記憶して順次外部パソコンへ送信する。画像が読み取られた原稿Sは第3搬送部、第4搬送部により排出されてその原稿Sの画像読取処理が終了する。
【0024】
<給紙・搬送制御>
ここで、本実施形態の画像読取装置10では、第2搬送部と第3搬送部との間に配置される画像読取ユニット18、19によって画像の読み取りを行うため、第2搬送部及び第3搬送部は原稿Sを定速搬送する。第1搬送部の搬送速度は、第2搬送部及び第3搬送部の速度より速い速度に設定すると、搬送原稿が第1搬送部と第2搬送部の両方にニップした状態の時に原稿が撓んでしまうため、第2搬送部及び第3搬送部の速度と同じかそれ以下の設定であればよい。本実施形態の場合、第1搬送部の搬送速度は第2搬送部及び第3搬送部の搬送速度と同じとする。
【0025】
<排紙>
上述の第3搬送部よりも搬送方向下流側にある第4搬送部は、駆動ローラ22と、駆動ローラ22に従動する従動ローラ23とを備え、第3搬送部から搬送されてきた原稿Sを装置上面側へ排出する。駆動ローラ22にはモータ等から駆動力が伝達され、回転駆動される。従動ローラ23は駆動ローラ22に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ22に連れまわる。この従動ローラ23は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ22に対して付勢された構成としてもよい。駆動ローラ22、従動ローラ23によって排出された原稿Sは、装置上面に設けられた第1積載面33に積載される。
【0026】
また、本実施形態に係る画像読取装置10は、後述するように、第1積載面33の排紙方向長さよりも長い原稿Sが排出される場合に原稿Sが着地する、あるいは第1積載面33上を摺動しながら排紙される原稿Sの先端が当接可能な位置には、原稿規制部材31、32上に設けられた第2積載面31b、32bが位置しており、排紙された原稿Sの整列性を向上させることができる。
【0027】
<ブロック図の説明>
図2を参照して制御部80について説明する。
図2は画像読取装置10の制御部80のブロック図である。
【0028】
制御部80はCPU81、記憶部82、操作部83、通信部84及びインターフェース部85を備える。CPU81は記憶部82に記憶されたプログラムを実行することにより、画像読取装置10全体の制御を行う。記憶部82は例えばRAM、ROM等から構成される。操作部83は、例えば、スイッチやタッチパネル等で構成され、操作者からの操作を受け付ける。
【0029】
通信部84は、外部装置との情報通信を行うインターフェースである。外部装置としてPC(パソコン)を想定した場合、通信部84としては、例えば、USBインターフェースやSCSIインターフェースを挙げることができる。また、このような有線通信のインターフェースの他、無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。
【0030】
インターフェース部85はアクチュエータ86やセンサ87とのデータの入出力を行うI/Oインターフェースである。アクチュエータ86には、駆動部15、伝達部等が含まれる。センサ87には、重送検出センサ40、媒体検出センサ50、画像読取ユニット18、19等が含まれる。
【0031】
<PCからの開始指示受信による駆動>
画像読取装置10の基本的な動作について説明する。制御部80は、例えば画像読取装置10が接続された外部パソコンから画像読み取りの開始指示を受信すると、第1搬送部から第3搬送部の駆動を開始する。給紙トレイ12に積載されたシートSはその最も上に位置するシートSから1つずつ搬送される。
【0032】
また、後述するように、画像読取装置10の操作部83に設けられたスタートキーによって画像の読み取りを開始し、その後画像読取の開始を外部パソコンに通知するようにしてもよい。
【0033】
<レジストセンサの出力に応じた読取開始>
制御部80は、媒体検出センサ50の検出結果に基づくタイミングで、画像読取ユニット18、19によるシートSの画像の読み取りを開始し、読み取った画像を一次記憶して順次外部パソコンへ送信する。画像が読み取られたシートSは第3搬送部により装置外へ排出されてそのシートSの画像読取処理が終了する。
【0034】
<原稿規制部材>
図3は、画像読取装置10の
図1におけるA矢視図である。原稿規制部材31、32は
図3のように給紙トレイ12の載置面に対して垂直で給紙積載中の原稿の幅方向(左右方向)の端部を規制する原稿規制面31a、32aと、給紙トレイ12の載置面に対して略平行な第2積載面31b、32bとを有する。
【0035】
図4は、画像読取装置10の第2積載面31b、32bに原稿Sが積載された状態の断面図である。
図4のように第1積載面33よりも長い原稿Sが排出された時、原稿規制部材31、32の第2積載面31b、32bで原稿Sを支えることが出来る。なお、このとき原稿Sの後端は第1積載面33の排紙方向上流端で第1積載面33から上方に突出した後端当接面33aによって支持される。
【0036】
ここで、第1積載面33は外装カバーの役割、第2積載面31b、32bは原稿規制板の役割も担っているため排紙積載のための部品を追加する必要がなく、装置の部品点数を削減することが出来る。
【0037】
図5、
図6は、画像読取装置10の斜視図であり、
図5は原稿規制部材31、32を最大原稿幅に対応する位置に移動させた状態、
図6は原稿規制部材31、32を最小原稿幅に対応する位置に移動させた状態を示している。これらの図に示すように、原稿規制部材31、32の第2積載面31b、32bは櫛歯形状になっており、給紙トレイ12に積載した原稿Sの幅に合わせて原稿規制部材31、32の位置を変更しても排出した原稿を積載するのに十分な面が形成される。そのため様々な幅の原稿を排紙積載することが出来る。
【0038】
なお、この櫛歯形状に構成される第2積載面31bと32bとを有する右規制部材と左規制部材のそれぞれに設けられた櫛歯形状の部分同士が排紙方向で重なるように構成されることが好ましい。また、この櫛歯形状に構成された第2積載面31b、32bを構成するそれぞれの部分は、排紙方向に向かうにつれて給紙トレイ12の積載面との距離が短くなるように階段状に構成されることが好ましい。この構成によれば、排紙される原稿が引っ掛かることを防止することができる。
【0039】
また、給紙トレイ12に原稿Sを積載し、原稿規制部材31、32を原稿Sの幅に合わせるだけで排紙積載をする準備が整うため、排紙延長トレイを伸ばす等の作業がいらない。そのため、原稿のセットからスキャン完了までのスキャン処理にかかる時間を短縮することができる。
【0040】
また、
図3に示すように、原稿規制面31a、32aと同様に原稿Sの幅方向の端部を規制する排紙原稿規制面31c、32cが、第2原稿積載面31b、32bよりも製品上側(
図4中のB方向)に設けられている。この面で排紙積載原稿の幅方向を規制して排紙整列性を向上することが出来る。排紙原稿規制面31c、32cは、原稿規制面31a、31bと、原稿Sの幅方向に対する位置が同じになるように(第2原稿積載面31b、32bを挟んで面一に)設けられている。
【0041】
以上説明した実施形態は、本発明に係る原稿搬送装置の一例であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0042】
例えば、
図7は第2原稿積載面31b、32bの他の態様を示す画像読取装置10の斜視図である。この図に示す通り、第2原稿積載面31b、32bは、原稿規制部材31、32に沿って搬送方向(排紙方向)に延在するように設けられていても良い。この場合、原稿規制部材31、32を最小原稿幅に対応する位置に移動させたときに、第2原稿積載面31b、32b同士が衝突しない程度に原稿の幅方向に突出させて第2原稿積載面31b、32bを設ければよい。この構成であれば、少なくとも排紙された原稿Sの幅方向の端部を第2原稿積載面31b、32b上に積載させることができる。
【0043】
また、
図8の概略断面図に示すように、後端当接面33aに対し、排紙方向の上流側を回動中心として第1積載面33側から回動することで展開可能な後端当接部材33bを設けてもよい。後端当接部材33bを設けることにより、排紙された原稿の積載量が多くなってきた場合に、後端が上流側に戻されてその原稿の下に次に排紙される原稿が入り込むことによる順狂いや、ジャムの発生を防止することができる。なお、この後端当接部材33bを展開すると、排紙ローラ対から排紙される原稿が第1積載面33に排紙されにくくなるため、後端当接部材33bの排紙方向における長さは、最小原稿長さの1/4以下程度であることが好ましい。また、後端当接部材33bを排紙された原稿が乗り越えやすくするように、排紙ローラ対における原稿の搬送速度が搬送ローラ対における搬送速度よりも速く設定されていてもよい。なお、後端当接部材33bが
図8の状態に展開されていることを検出する検出センサを設け、検出センサによる検出時にのみ排紙速度を速く変更するように制御してもよい。
【符号の説明】
【0044】
S 原稿
10 画像読取装置
10A 装置本体
12 給紙トレイ
14 給紙ローラ
16 駆動ローラ
17 従動ローラ
18 (上部)画像読取ユニット
19 (下部)画像読取ユニット
20 駆動ローラ
21 従動ローラ
22 駆動ローラ
23 従動ローラ
30 分離パッド
31 原稿規制部材(右規制部材)
32 原稿規制部材(左規制部材)
33 第1積載面
33a 後端当接面
40 重送検出センサ
50 媒体検出センサ