(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172643
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】時計、制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G04G 21/02 20100101AFI20231129BHJP
G04G 9/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G04G21/02 Z
G04G9/00 308
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084596
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】502366745
【氏名又は名称】セイコーウオッチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】中村 征幸
(72)【発明者】
【氏名】井橋 朋寛
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002AA06
2F002EA01
2F002EB01
2F002EE00
2F002EH04
2F002GA04
(57)【要約】
【課題】センサの測定結果が表示画面に表示される時計における測定結果の視認性の向上を図る。
【解決手段】時計は、センサの測定結果を表示する表示部(LCD)と、前記表示部の表示画面を照らす照明部(LED)と、前記照明部を所定周期で点滅させると共に前記表示部の前記測定結果の表示を制御する制御部(マイクロコンピュータ)と、を備え、前記制御部は、前記照明部の点灯中に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサの測定結果を表示する表示部と、
前記表示部の表示画面を照らす照明部と、
前記照明部を所定周期で点滅させると共に前記表示部の前記測定結果の表示を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記照明部の点灯中に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない、
時計。
【請求項2】
前記制御部は、前記照明部の消灯後に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、
請求項1に記載の時計。
【請求項3】
前記制御部は、前記照明部の消灯後に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、且つ前記照明部の点灯前に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、
請求項1に記載の時計。
【請求項4】
前記制御部は、前記照明部の消灯後に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、且つ前記照明部の点灯前に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない、
請求項1に記載の時計。
【請求項5】
前記制御部は、前記照明部の点灯期間を消灯期間よりも短い時間にする、
請求項1に記載の時計。
【請求項6】
前記制御部は、前記表示部の前記測定結果の表示を更新する時間間隔を等間隔にする、
請求項1に記載の時計。
【請求項7】
第1動作モードは、前記照明部の消灯後に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、且つ前記照明部の点灯前に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、
であり、
第2動作モードは、前記照明部の消灯後に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、且つ前記照明部の点灯前に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない、
であり、
前記制御部は、前記時計の状態に応じて前記第1動作モードと前記第2動作モードとを切り替える、
請求項1に記載の時計。
【請求項8】
前記時計の状態は、前記時計の電池残量である、
請求項7に記載の時計。
【請求項9】
センサの測定結果を表示する表示部と、
前記表示部の表示画面を照らす照明部と、
を備える時計に対して、前記照明部を所定周期で点滅させると共に前記表示部の前記測定結果の表示を制御する制御装置であって、
前記照明部の点灯中に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない、
制御装置。
【請求項10】
センサの測定結果を表示する表示部と、
前記表示部の表示画面を照らす照明部と、
を備える時計に対して、前記照明部を所定周期で点滅させると共に前記表示部の前記測定結果の表示を制御する制御方法であって、
前記照明部の点灯中に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば気圧や方位や加速度や重力方向等の物理量を測定し、測定結果をデジタル表示する電子時計が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載された電子時計は、測定結果のデジタル表示の更新タイミングによっては、測定結果が視認し難い場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、測定結果の視認性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、センサの測定結果を表示する表示部と、前記表示部の表示画面を照らす照明部と、前記照明部を所定周期で点滅させると共に前記表示部の前記測定結果の表示を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記照明部の点灯中に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない、時計である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の時計において、前記制御部は、前記照明部の消灯後に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の時計において、前記制御部は、前記照明部の消灯後に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、且つ前記照明部の点灯前に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の時計において、前記制御部は、前記照明部の消灯後に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、且つ前記照明部の点灯前に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない。
【0010】
本発明の一態様は、上記の時計において、前記制御部は、前記照明部の点灯期間を消灯期間よりも短い時間にする。
【0011】
本発明の一態様は、上記の時計において、前記制御部は、前記表示部の前記測定結果の表示を更新する時間間隔を等間隔にする。
【0012】
本発明の一態様は、上記の時計において、第1動作モードは、前記照明部の消灯後に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、且つ前記照明部の点灯前に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、であり、第2動作モードは、前記照明部の消灯後に前記表示部の前記測定結果の表示を更新する、且つ前記照明部の点灯前に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない、であり、前記制御部は、前記時計の状態に応じて前記第1動作モードと前記第2動作モードとを切り替える。
【0013】
本発明の一態様は、上記の時計において、前記時計の状態は、前記時計の電池残量である。
【0014】
本発明の一態様は、センサの測定結果を表示する表示部と、前記表示部の表示画面を照らす照明部と、を備える時計に対して、前記照明部を所定周期で点滅させると共に前記表示部の前記測定結果の表示を制御する制御装置であって、前記照明部の点灯中に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない、制御装置である。
【0015】
本発明の一態様は、センサの測定結果を表示する表示部と、前記表示部の表示画面を照らす照明部と、を備える時計に対して、前記照明部を所定周期で点滅させると共に前記表示部の前記測定結果の表示を制御する制御方法であって、前記照明部の点灯中に前記表示部の前記測定結果の表示を更新しない、制御方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、測定結果の視認性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態に係る時計の外観の一例を示す外観図である。
【
図2】一実施形態に係る時計の電子回路部分の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る制御方法の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図4】一実施形態に係る制御方法の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図5】従来の技術を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0019】
図1は、本実施形態に係る時計の外観の一例を示す外観図である。
図1に示すように、本実施形態の時計1は、図示しない時計ケース裏蓋およびガラスからなる時計ケース内に、時計の駆動部分および電子回路部分を含むムーブメント(図示せず)と、目盛りを有する文字板5と、時針6、分針7および秒針8と、LCD10(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)およびLCD10の表示画面を照らすLED20(Light Emitting Diode;発光ダイオード)と、図示しないセンサとを備えている。
【0020】
図2は、本実施形態に係る時計の電子回路部分の構成の一例を示すブロック図である。同図を参照しながら、時計1の電子回路部分の構成について説明する。時計1は、発振回路50と、マイクロコンピュータ100(制御装置(制御部))と、LCD10(表示部)と、LED20(照明部)と、センサ30と、入力部40とを備える。
【0021】
マイクロコンピュータ100は、コアCPU101(中央演算処理装置)と、ROM102(リードオンリメモリ)と、RAM103(ランダムアクセスメモリ)と、LCD制御回路104と、LCDドライバ105と、LED制御回路106と、LEDドライバ107と、センサ制御回路108と、入力制御回路109とを備える。コアCPU101は、ROM102からデータを読み出しが可能にROM102に接続されている。また、コアCPU101は、RAM103との間でデータを書き込みおよび読み出しが可能にRAM103に接続されている。また、コアCPU101は、LCD制御回路104、LED制御回路106、センサ制御回路108および入力制御回路109との間でデータを送受可能に接続されている。LCD制御回路104は、LCDドライバ105に接続されている。LED制御回路106は、LEDドライバ107に接続されている。
【0022】
発振回路50は、コアCPU101が用いる動作周波数のクロック信号を発生する。コアCPU101は、発振回路50が発生したクロック信号を用いて動作する。
【0023】
ROM102は、コアCPU101で実行されるコンピュータプログラムを記憶する。コアCPU101がROM102に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータ100の制御機能が実現される。なお、ROM102の代わりに又はさらに追加して、書き込み可能な不揮発性メモリであるEEPROMやフラッシュメモリなどが備えられてもよい。RAM103は、コアCPU101からアクセスされるデータ一時記憶用のメモリである。
【0024】
LCD制御回路104は、LCDドライバ105を介してLCD10を制御する。コアCPU101は、LCD10に表示する表示データをLCD制御回路104へ送信する。LCD制御回路104は、コアCPU101から受信した表示データをLCD10に表示させる制御を行う。これにより、LCD10の表示画面に表示データが表示される。
【0025】
LED制御回路106は、LEDドライバ107を介してLED20を制御する。コアCPU101は、LED20の点灯および消灯をLED制御回路106に指示する。LED制御回路106は、コアCPU101からの点灯および消灯の指示に従って、LED20を点灯させたり消灯させたりする。これにより、LED20が点滅する。
【0026】
センサ制御回路108は、センサ30を制御する。センサ30は、例えば水深や高度や気圧や方位や加速度や重力方向等の物理量を測定するセンサである。また、センサ30は、人の腕等に装着可能な時計1を装着した利用者の心拍数や歩数等を測定するセンサであってもよい。コアCPU101は、センサ30の初期化や測定開始や測定停止等をセンサ制御回路108へ指示する。センサ制御回路108は、コアCPU101からの指示に従って、センサ30を初期化したり測定を開始させたり測定を停止させたりする。これにより、センサ30が測定の初期化を行い、測定を開始し、測定を停止する。
【0027】
センサ30が測定した結果の測定データは、センサ制御回路108を介してコアCPU101へ送信される。コアCPU101は、センサ制御回路108から受信した測定データに示されるセンサ30の測定結果をLCD10に表示させる測定結果表示データを、LCD制御回路104へ送信する。LCD制御回路104は、コアCPU101から受信した測定結果表示データをLCD10に表示させる制御を行う。これにより、LCD10の表示画面に測定結果表示データ(つまり、センサ30の測定結果)が表示される。
【0028】
次に
図3を参照しながら、本実施形態に係る制御方法の一例を説明する。
図3は、本実施形態に係る制御方法の一例を説明するためのタイミングチャートである。
図3に示されるように、コアCPU101は、LCD10の表示画面を照らすLED20を所定周期で点滅させる。
図3の例では、LED20は、2秒周期(0.8秒間点灯した後に1.2秒間消灯する)で点滅を繰り返している。このようにLED20が所定周期で点滅を繰り返すことにより、LED20を点灯させ続ける場合に比べて消費電力を低減することができる。
【0029】
LED制御回路106は、パルス幅変調(PWM)による電流をLED20に供給することで、LED20の点灯状態を制御する。具体的には、LED制御回路106は、コアCPU101からLED20の点灯を指示されると、所定のデューティー比の電流をLED20に供給する。この結果、LED20は所定のデューティー比で点灯する。LED制御回路106は、コアCPU101からLED20の消灯を指示されると、LED20への電流供給を停止する(または、デューティー比をゼロにする)。この結果、LED20は消灯する。LED20に供給される電流のデューティー比によって、LCD10の表示画面を照らす明るさが調節される。
時計1がダイバーズウオッチ等のように水中で利用される場合、水中等の暗所においてもLCD10の表示画面を視認し易くするように、LED20の点滅の周期、点灯期間と消灯期間の比率、および点灯期間におけるデューティー比が調節される。LED20の点滅の周期、点灯期間と消灯期間の比率、および点灯期間におけるデューティー比は、設定パラメータとして、予めROM102に格納される。
【0030】
LED20の点滅の周期は、センサ30の測定の周期のN倍(Nは2以上の整数)であってもよい。
図3の例では、LED20の点滅の周期は、センサ30の測定の周期(1秒)の2倍(2秒)である。
【0031】
また、LED20の点灯期間の長さは、センサ30の測定の周期の長さ以下であってもよい。
図3の例では、LED20の点灯期間の長さは、センサ30の測定の周期(1秒)以下の0.8秒である。
【0032】
また、
図3に示されるように、LED20の点灯期間を消灯期間よりも短い時間にすることによって、LED20の消費電力を低減し、時計1の電池寿命を延ばすことができる。
【0033】
コアCPU101は、センサ30により一定の周期で測定された測定結果をLCD10に表示させる。ここでの一例としてセンサ30は水深を1秒間隔で測定している。コアCPU101は、1秒間隔でセンサ30の測定結果を受信する。コアCPU101は、1秒間隔で受信するセンサ30の測定結果をLCD10に表示させる際に、LED20の点灯中にはLCD10の測定結果の表示を更新しない。
【0034】
図3に示されるように、コアCPU101は、LED20の消灯後にLED20の測定結果の表示を更新する。より具体的には、コアCPU101は、LED20の点滅が実行されている状態において、LED制御回路106にLED20の消灯を指示してから、LCD制御回路104に測定結果表示データを送信する。これにより、LED20が点灯から消灯に切り替わってから、LCD10の測定結果の表示が更新される。
【0035】
また、
図3に示されるように、コアCPU101は、LED20の消灯後にLED20の測定結果の表示を更新する、且つLED20の点灯前にLED20の測定結果の表示を更新してもよい。より具体的には、コアCPU101は、LED20の点滅が実行されている状態において、LED制御回路106にLED20の消灯を指示してからLCD制御回路104に測定結果表示データを送信する。次いで、コアCPU101は、LED制御回路106にLED20の点灯を指示する前に、LCD制御回路104に次の測定結果表示データを送信する。次いで、コアCPU101は、当該測定結果表示データを送信してから、LED制御回路106にLED20の点灯を指示する。
【0036】
次に
図4を参照しながら、本実施形態に係る制御方法の他の一例を説明する。
図4は、本実施形態に係る制御方法の一例を説明するためのタイミングチャートである。
図4においても
図3と同様に、コアCPU101は、LCD10の表示画面を照らすLED20を所定周期で点滅させる。
図3の例では、LED20は、2秒周期(0.8秒間点灯した後に1.2秒間消灯する)で点滅を繰り返している。
【0037】
コアCPU101は、センサ30により一定の周期で測定された測定結果をLCD10に表示させる。ここでの一例として
図3と同様にセンサ30は水深を1秒間隔で測定している。コアCPU101は、1秒間隔でセンサ30の測定結果を受信する。コアCPU101は、1秒間隔で受信するセンサ30の測定結果をLCD10に表示させる際に、LED20の点灯中にはLCD10の測定結果の表示を更新しない。
【0038】
図4に示されるように、コアCPU101は、LED20の消灯後にLED20の測定結果の表示を更新する、且つLED20の点灯前にLED20の測定結果の表示を更新しない。より具体的には、コアCPU101は、LED20の点滅が実行されている状態において、LED制御回路106にLED20の消灯を指示してからLCD制御回路104に測定結果表示データを送信する。次いで、コアCPU101は、LED制御回路106にLED20の点灯を指示する前に、LCD制御回路104に次の測定結果表示データを送信しない。次いで、コアCPU101は、LED制御回路106にLED20の点灯を指示する。したがって、LCD10の測定結果の表示は、LCD10の消灯後にのみ更新され、LCD10の点灯前には更新されない。
【0039】
なお、コアCPU101からLCD制御回路104に送信されない測定結果表示データに関するセンサ30の測定A1,A2は、実施されなくてもよい。具体的には、コアCPU101は、測定A1,A2が実施される前のタイミングでセンサ制御回路108にセンサ30の測定停止を指示した後に、元の測定タイミングでセンサ制御回路108にセンサ30の測定開始を指示する。
【0040】
また、
図4に示されるように、コアCPU101は、LCD10の測定結果の表示を更新する時間間隔を等間隔にしてもよい。
図4の例では、LCD10の測定結果の表示を更新する時間間隔は、2秒間隔である。LCD10の測定結果の表示の更新間隔が等間隔であると、視認性が向上する。
【0041】
なお、時計1の動作モードとして第1動作モードおよび第2動作モードを設け、時計1の状態に応じて第1動作モードと第2動作モードとを切り替えてもよい。第1動作モードは、
図3に示されるように、LED20の消灯後にLCD10の測定結果の表示を更新する、且つLED20の点灯前にLCD10の測定結果の表示を更新する、である。第2動作モードは、
図4に示されるように、LED20の消灯後にLCD10の測定結果の表示を更新する、且つLED20の点灯前にLCD10の測定結果の表示を更新しない、である。
【0042】
コアCPU101は、時計1の状態に応じて第1動作モードと第2動作モードとを切り替える。例えば、コアCPU101は、時計1の電池残量に応じて、第1動作モードと第2動作モードとを切り替える。より具体的には、コアCPU101は、時計1の電池残量が所定閾値以上である場合に第1動作モードで動作し、一方、時計1の電池残量が所定閾値未満である場合に第2動作モードで動作する。
【0043】
ここで、
図5を参照して従来の技術について説明する。
図5は、従来の技術を説明するためのタイミングチャートである。従来は、
図5に示されるように、測定完了の直後に、LCDに表示される測定結果(
図5の例は水深)を更新する。ここで、水中等の暗所においてもLCDの表示画面を視認し易くするために、
図5に示されるように、LCDの表示画面を照らすLEDを所定周期で点滅させる場合がある。すると、従来の技術では、
図5に示されるように、LEDの点灯中にも、LCDに表示される測定結果が更新される。LEDの点灯中は、利用者がLCDの表示画面に表示された測定結果を視認している最中である可能性が大きいが、この時にLCDに表示される測定結果が変わると、表示のちらつき感を利用者に与えてしまい、利用者が測定結果を読み取りにくい状況になるという問題があった。
【0044】
上述したように本実施形態によれば、マイクロコンピュータ100(制御装置、制御部)は、LED20(照明部)の点灯中にLCD10(表示部)の測定結果の表示を更新しない。
例えば、水中等の暗所においては、LED20の点灯中はLCD10の表示画面に表示された測定結果を利用者が視認し易く、LED20の消灯中はLCD10の表示画面に表示された測定結果を利用者が視認しにくい。
本実施形態の時計1は、利用者がLCD10の表示画面に表示された測定結果を視認し易い状況であるLED20の点灯中には、LCD10に表示される測定結果が変化しない。このため、LCD10の表示のちらつき感が低減することから、画面に表示された測定結果を利用者が読み取り易くなり、LCD10の表示画面に表示される測定結果の視認性が向上するという効果が得られる。
【0045】
なお、上述した時計1が備える機能の全部又は一部は、プログラムとしてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、このプログラムがコンピュータシステムにより実行されてもよい。コンピュータシステムは、OS、周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置、インターネット等のネットワーク上のサーバ等が備える揮発性メモリ(Random Access Memory:RAM)である。なお、揮発性メモリは、一定時間プログラムを保持する記録媒体の一例である。
【0046】
また、上述したプログラムは、伝送媒体、例えば、インターネット等のネットワーク、電話回線等の通信回線により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【0047】
また、上記プログラムは、上述した機能の全部又は一部を実現するプログラムであってもよい。なお、上述した機能の一部を実現するプログラムは、上述した機能をコンピュータシステムに予め記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるプログラム、いわゆる差分プログラムであってもよい。
【0048】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明したが、具体的な構成が上述した実施形態に限られるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1…時計、10…LCD、20…LED、30…センサ、40…入力部、50…発振回路、100…マイクロコンピュータ、101…コアCPU、102…ROM、103…RAM、104…LCD制御回路、105…LCDドライバ、106…LED制御回路、107…LEDドライバ、108…センサ制御回路、109…入力制御回路