(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172673
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】農業支援システムおよび農業支援用コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20231129BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20231129BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084638
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】594183255
【氏名又は名称】株式会社ユニリタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深水 桂輔
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】農業に関する記録を残すための入力作業の支援に好適な農業支援システムに関し、圃場現場での電子的な情報入力が容易になるように農業従事者の入力作業を支援することを目的とする。
【解決手段】ネットワークを介して互いに通信可能なサーバ装置とユーザ端末とを含む。前記サーバ装置は、圃場と作業内容と作業時間の情報を含む作業スケジュールを前記ユーザ端末から受け付けて前記メモリ装置に登録する(S100)。前記ユーザ端末から提供される起動操作を受け付ける(S102)。前記ユーザ端末から提供される登録操作を受け付ける(S104)。前記起動操作を受けて、前記メモリ装置に登録されている作業スケジュールの中から当該起動操作の受け付け時間に予定されている作業スケジュールに含まれる圃場を作業圃場として選び出し、前記起動操作に続く前記登録操作を受けて、前記作業圃場における前記作業内容の開始または終了を登録する。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して互いに通信可能なサーバ装置とユーザ端末とを含む農業支援システムであって、
前記サーバ装置は、
プロセッサと、メモリ装置と、通信インターフェースを備え、
圃場と作業内容と作業時間の情報を含む作業スケジュールを前記ユーザ端末から受け付けて前記メモリ装置に登録する処理と、
前記ユーザ端末から提供される起動操作を受け付ける処理と、
前記ユーザ端末から提供される登録操作を受け付ける処理と、
前記起動操作を受けて、前記メモリ装置に登録されている作業スケジュールの中から当該起動操作の受け付け時間に予定されている作業スケジュールに含まれる圃場を作業圃場として選び出す処理と、
前記起動操作に続く前記登録操作を受けて、前記作業圃場における前記作業内容の開始または終了を登録する処理と、
を更に実行するように構成されている農業支援システム。
【請求項2】
ネットワークを介して互いに通信可能なサーバ装置とユーザ端末とを含む農業支援システムであって、
前記サーバ装置は、プロセッサと、メモリ装置と、通信インターフェースを備え、
前記ユーザ端末は、位置情報を取得するGPSユニットを備え、
前記サーバ装置は、
前記メモリ装置に、複数の圃場のそれぞれについての位置情報を記憶させる処理と、
前記ユーザ端末から提供される位置情報を受け付ける処理と、
前記ユーザ端末から提供される登録操作を受け付ける処理と、
前記位置情報を受けて、前記メモリ装置に登録されている圃場の中から当該位置情報に対応する圃場を作業圃場として選び出す処理と、
前記位置情報に続く前記登録操作を受けて、前記作業圃場における作業の開始または終了を登録する処理と、
を更に実行するように構成されている農業支援システム。
【請求項3】
前記ユーザ端末と有線または無線で通信することができ、かつ、プッシュ操作の受け付け機能を備える操作デバイスを含み、
前記登録操作は、前記プッシュ操作で実施される請求項1または2に記載の農業支援システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
圃場と作業内容と作業時間の情報を含む作業スケジュールを前記ユーザ端末から受け付けて前記メモリ装置に登録する処理と、
前記作業圃場が選び出された後に、当該作業圃場で実施するべき作業内容を、音声信号で前記ユーザ端末に提供する処理と、を実行し、
前記ユーザ端末と有線または無線で通信することができ、当該ユーザ端末から提供される音声信号を音声に変換する機能を有するスピーカーデバイスを含み、
前記ユーザ端末は、前記サーバ装置からの前記音声信号を前記スピーカーデバイスに転送する処理を実行する請求項1または2に記載の農業支援システム。
【請求項5】
前記ユーザ端末と有線または無線で通信することができ、音声を音声信号に変換して当該ユーザ端末に提供する機能を有するマイクデバイスを含み、
前記ユーザ端末は、前記マイクデバイスから提供される前記音声信号を前記サーバ装置に転送する処理を実行し、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末から提供される音声信号をテキスト情報に変換する処理と、
前記テキスト情報を、前記作業圃場についての情報として前記メモリ装置に記録する処理と、
を実行するように構成されている請求項1または2に記載の農業支援システム。
【請求項6】
ネットワークを介してユーザ端末と通信可能なサーバ装置において実行される農業支援用コンピュータプログラムであって、
前記サーバ装置は、プロセッサと、メモリ装置と、通信インターフェースを備え、
前記プロセッサに、
圃場と作業内容と作業時間の情報を含む作業スケジュールを前記ユーザ端末から受け付けて前記メモリ装置に登録する処理と、
前記ユーザ端末から提供される起動操作を受け付ける処理と、
前記ユーザ端末から提供される登録操作を受け付ける処理と、
前記起動操作を受けて、前記メモリ装置に登録されている作業スケジュールの中から当該起動操作の受け付け時間に予定されている作業スケジュールに含まれる圃場を作業圃場として選び出す処理と、
前記起動操作に続く前記登録操作を受けて、前記作業圃場における前記作業内容の開始または終了を登録する処理と、
を実行させるプログラムを含む農業支援用コンピュータプログラム。
【請求項7】
ネットワークを介してユーザ端末と通信可能なサーバ装置において実行される農業支援用コンピュータプログラムであって、
前記サーバ装置は、プロセッサと、メモリ装置と、通信インターフェースを備え、
前記メモリ装置は、複数の圃場のそれぞれについての位置情報を記憶しており、
前記ユーザ端末は、位置情報を取得するGPSユニットを備え、
前記プロセッサに、
前記ユーザ端末から提供される位置情報を受け付ける処理と、
前記ユーザ端末から提供される登録操作を受け付ける処理と、
前記位置情報を受けて、前記メモリ装置に登録されている圃場の中から当該位置情報に対応する圃場を作業圃場として選び出す処理と、
前記位置情報に続く前記登録操作を受けて、前記作業圃場における作業の開始または終了を登録する処理と、
を実行させるプログラムを含む農業支援用コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、農業支援システムおよび農業支援用コンピュータプログラムに係り、特に、農業に関する記録を残すための入力作業の支援に好適な農業支援システムおよび農業支援用コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、農業支援システムに関する発明が開示されている。具体的には、特許文献1は、圃場エリアをメッシュ状に分割して、区画毎に散布物の散布量が妥当であるか否かを判断するシステムを開示している。散布量が妥当であるか否かは、作物の収量、食味、倒伏度、土壌成分、作土深、及び耕深等との関係に基づいて判断される。散布量が妥当でないと判断された区画は画面に表示される。
【0003】
上記の農業支援システムによれば、圃場エリアのうち、妥当な散布量が得られていない区画を適切にユーザに認知させることができる。散布量が妥当でない区画が判れば、ユーザは、その区画における散布量を修正することができる。このため、このシステムによれば、個々の区画における作物の収量や品質が改善されるように、ユーザを支援することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のシステムに散布量の適否を判断させるためには、作物の収量や食味、倒伏度、土壌成分など、様々な情報をシステムに入力する必要がある。これらの情報の一部は、圃場現場で収集する必要がある。また、農業従事者には、農作業の記録や、収穫物の量および品質の記録等も求められる。そして、この種の情報の記録は、圃場現場で実施するのが合理的である。
【0006】
一方で、圃場では、様々な作業の実施に伴って作業者の手が土や泥で汚れやすい。このため、ノートPCやタブレット、或いはスマートフォンといった携帯電子端末の利用は敬遠されがちである。このような背景事情のもと、農業従者は、一般的に紙のノートに筆記具で記録を残すという方法で圃場での記録を行っている。
【0007】
紙のノートに記録された情報は、記入者本人がメモ情報として利用するうえでは有用であるが、活用可能な範囲が限られている。例えば、莫大な紙情報が残されていても、その中から所望の情報を見つけ出すことは、記入者本人にとってすら容易ではない。このため、農業従事者が、手の汚れなどに気兼ねすることなく、電子的な情報入力を圃場の現場で実施できる環境を整えることが必要である。
【0008】
この開示は、上述のような点に着目してなされたものであり、圃場現場での電子的な情報入力が容易になるように農業従事者の入力作業を支援する農業支援システムを提供することを第一の目的とする。
また、この開示は、圃場現場での電子的な情報入力が容易になるように農業従事者の入力作業を支援するための農業支援用コンピュータプログラムを提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様は、上記の目的を達成するため、ネットワークを介して互いに通信可能なサーバ装置とユーザ端末とを含む農業支援システムであって、
前記サーバ装置は、
プロセッサと、メモリ装置と、通信インターフェースを備え、
圃場と作業内容と作業時間の情報を含む作業スケジュールを前記ユーザ端末から受け付けて前記メモリ装置に登録する処理と、
前記ユーザ端末から提供される起動操作を受け付ける処理と、
前記ユーザ端末から提供される登録操作を受け付ける処理と、
前記起動操作を受けて、前記メモリ装置に登録されている作業スケジュールの中から当該起動操作の受け付け時間に予定されている作業スケジュールに含まれる圃場を作業圃場として選び出す処理と、
前記起動操作に続く前記登録操作を受けて、前記作業圃場における前記作業内容の開始または終了を登録する処理と、
を更に実行するように構成されていることが望ましい。
【0010】
また、第2の態様は、ネットワークを介して互いに通信可能なサーバ装置とユーザ端末とを含む農業支援システムであって、
前記サーバ装置は、プロセッサと、メモリ装置と、通信インターフェースを備え、
前記ユーザ端末は、位置情報を取得するGPSユニットを備え、
前記サーバ装置は、
前記メモリ装置に、複数の圃場のそれぞれについての位置情報を記憶させる処理と、
前記ユーザ端末から提供される位置情報を受け付ける処理と、
前記ユーザ端末から提供される登録操作を受け付ける処理と、
前記位置情報を受けて、前記メモリ装置に登録されている圃場の中から当該位置情報に対応する圃場を作業圃場として選び出す処理と、
前記位置情報に続く前記登録操作を受けて、前記作業圃場における作業の開始または終了を登録する処理と、
を更に実行するように構成されていることが望ましい。
【0011】
また、第3の態様は、ネットワークを介してユーザ端末と通信可能なサーバ装置において実行される農業支援用コンピュータプログラムであって、
前記サーバ装置は、プロセッサと、メモリ装置と、通信インターフェースを備え、
前記プロセッサに、
圃場と作業内容と作業時間の情報を含む作業スケジュールを前記ユーザ端末から受け付けて前記メモリ装置に登録する処理と、
前記ユーザ端末から提供される起動操作を受け付ける処理と、
前記ユーザ端末から提供される登録操作を受け付ける処理と、
前記起動操作を受けて、前記メモリ装置に登録されている作業スケジュールの中から当該起動操作の受け付け時間に予定されている作業スケジュールに含まれる圃場を作業圃場として選び出す処理と、
前記起動操作に続く前記登録操作を受けて、前記作業圃場における前記作業内容の開始または終了を登録する処理と、
を実行させるプログラムを含むことが望ましい。
【0012】
また、第4の態様は、ネットワークを介してユーザ端末と通信可能なサーバ装置において実行される農業支援用コンピュータプログラムであって、
前記サーバ装置は、プロセッサと、メモリ装置と、通信インターフェースを備え、
前記メモリ装置は、複数の圃場のそれぞれについての位置情報を記憶しており、
前記ユーザ端末は、位置情報を取得するGPSユニットを備え、
前記プロセッサに、
前記ユーザ端末から提供される位置情報を受け付ける処理と、
前記ユーザ端末から提供される登録操作を受け付ける処理と、
前記位置情報を受けて、前記メモリ装置に登録されている圃場の中から当該位置情報に対応する圃場を作業圃場として選び出す処理と、
前記位置情報に続く前記登録操作を受けて、前記作業圃場における作業の開始または終了を登録する処理と、
を実行させるプログラムを含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
第1乃至第4の態様によれば、圃場現場での電子的な情報入力が容易になるように農業従事者の入力作業を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施の形態1の農業支援システムの概要を説明するための図である。
【
図2】本開示の実施の形態1の農業支援システムの構成を説明するための図である。
【
図3】
図2に示す農業支援システムに含まれるサーバ装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【
図4】
図2に示す農業支援システムに含まれるユーザ端末に関わるハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【
図5】本開示の実施の形態1においてユーザ端末に表示されるダッシュボードの一例である。
【
図6】本開示の実施の形態1においてユーザ端末が複数の圃場の収支を対比して表示する一例を示す図である。
【
図7】本開示の実施の形態1においてユーザ端末が複数の圃場の収支達成率を対比して表示する一例を示す図である。
【
図8】本開示の実施の形態1においてユーザ端末が複数の圃場の収支を対比して提供する他の例を示す図である。
【
図9】本開示の実施の形態1においてユーザ端末が複数の圃場の収支をグラフの形式で対比して表示する一例を示す図である。
【
図10】本開示の実施の形態1においてユーザ端末が複数の圃場の特徴的な条件を対比して表示する一例を示す図である。
【
図11】本開示の実施の形態1において情報入力の起点としてユーザ端末に表示されるカレンダー画面の一例を示す図である。
【
図12】本開示の実施の形態1においてユーザ端末に表示される作業記録の入力画面の一例を示す図である。
【
図13】本開示の実施の形態1においてユーザ端末がカレンダー画面での指定に応じて作業に関する情報を表示する一例を示す図である。
【
図14】本開示の実施の形態1においてユーザ端末に表示される収穫記録の入力画面の一例を示す図である。
【
図15】本開示の実施の形態1においてユーザ端末がカレンダー画面での指定に応じて収穫に関する情報を表示する一例を示す図である。
【
図16】本開示の実施の形態1においてユーザ端末に表示される出荷記録の入力画面の一例を示す図である。
【
図17】本開示の実施の形態1においてユーザ端末がカレンダー画面での指定に応じて出荷に関する情報を表示する一例を示す図である。
【
図18】本開示の実施の形態1の農業支援システムが提供する第一の入力支援の概要を説明するための図である。
【
図19】
図18に示す第一の入力支援の詳細を説明するための図である。
【
図20】本開示の実施の形態1の農業支援システムが提供する第二の入力支援の概要を説明するための図である。
【
図21】
図20に示す第二の入力支援に含まれる第一の機能の詳細を説明するための図である。
【
図22】
図20に示す第二の入力支援に含まれる第二の機能の詳細を説明するための図である。
【
図23】
図20に示す第二の入力支援に含まれる第三の機能の詳細を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
[実施の形態1の概要]
図1は、本開示の実施の形態1の農業支援システムの概要を説明するための図である。
図1に示すように本実施形態の農業支援システムは、サーバ装置10を備えている。サーバ装置10は、農業支援システムを運営する管理者が各種の処理を行うために用いられる。
【0016】
農業支援システムには、ユーザ端末14、16が含まれている。これらは、農業従事者であるユーザが各種の入出力を行うために用いられる。以下、ユーザ端末14は、事務スペース等に設置された非携帯式の固定端末であり、ユーザ端末16は、圃場等に持ち込んで用いるための携帯端末であるものとする。ここでは、便宜上、ユーザが、固定端末と携帯端末を使い分けることとしているが、本開示はこれに限定されるものではない。ユーザは、携帯用のユーザ端末16で全ての処理を実行することとしてもよい。
【0017】
[実施の形態1の構成]
以下、
図2乃至
図23を参照して、
図1に示す各種の機能を順次詳細に説明する。
【0018】
図2は、本実施形態の農業支援システムの構成を説明するための図である。上記の通り、このシステムは、管理者が使用するサーバ装置10を備えている。サーバ装置10は、インターネット等のネットワーク12に接続されている。ネットワーク12には、ユーザ端末14、16が接続されている。特に、ユーザ端末16は、無線区間を介してネットワーク12に接続されている。ユーザ端末14,16は、何れもネットワーク12を介してサーバ装置10と通信することができる。
【0019】
図3は、サーバ装置10のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
図3に示すように、サーバ装置10は、通信バス18を備えている。通信バス18にはCPU20が接続されている。また、通信バス18には、ROM22、RAM24、ストレージ26等のメモリ装置が接続されている。メモリ装置には、CPU20において実行されるコンピュータプログラムが格納されている。サーバ装置10の機能は、CPU20が、メモリ装置に格納されているプログラムに従って処理を進めることにより実現される。
【0020】
図4は、携帯型のユーザ端末16のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。非携帯型のユーザ端末14については、サーバ装置10と基本的な構成は同じであるため、ここでは重複した説明を省略する。また、
図4において、サーバ装置10の構成要素と機能が共通するものについては、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図4に示すように、携帯型のユーザ端末16は、GPSユニット32を備えている。GPSユニット32は、GPS信号を受信して、自身の位置を特定するための処理を実行する。このため、ユーザ端末16は、野外において自身の位置を正確に検知することができる。
【0022】
ユーザ端末16は、ワイヤレスイヤホン34と共に用いられることがある。ユーザ端末16は、通信インターフェースを介して、例えばBluetooth(登録商標)の機能を用いてワイヤレスイヤホン34と通信することができる。
【0023】
ワイヤレスイヤホン34は、オン/オフを切り替えるプッシュボタンを備えている。また、ワイヤレスイヤホン34は、ユーザ端末16から送信されてくる音声データを音声に変換してユーザに提供する機能に加えて、ユーザが発する音声を、音声データに変換してユーザ端末16に送信する機能を備えている。
【0024】
尚、ここでは、ワイヤレスイヤホン34を用いることとしているが、本開示はこれに限定されるものではない。有線、無線を問わず、ユーザ端末16との間で音声データを交換することができ、かつ、ユーザ端末16にオン/オフの指令を与え得るデバイスであれば、スピーカーデバイスやマイクデバイスをワイヤレスイヤホン34に置き換えて用いてもよい。
【0025】
[実施の形態1の機能]
図5は、ユーザ端末14、16に表示される基本の画面レイアウトを示す。以下、このレイアウトを「ダッシュボード」と称す。ダッシュボードに表示可能な各種ウィジェットは、システムの管理者が設定する。ユーザは、自身の好みに応じて、ダッシュボードに表示するアプリを選択し、また、ダッシュボードの配置を変更することができる。
【0026】
図6には、本実施形態農業支援システムが有する第一の特徴が表れている。
図6に示すように、本実施形態のシステムは、ユーザ端末14,16のダッシュボードに、複数の圃場に関する各種の情報を一覧表示させることができる。
【0027】
図6に示す画面例には、「きゅうりハウス」「ミニトマトハウス」「ほうれん草」「大根」の各圃場についての収支情報が一覧で表示されている。このような表示によれば、ユーザは、収支結果の優れた圃場と、その結果が芳しくなかった圃場とを容易に見分けることができる。
【0028】
図7は、ダッシュボードの表示を、利益達成状況の比較に切り替えた場合の画面例を示す。利益達成状況の数値は、予定の利益に対する実積の利益の割り合いを表している。収支に関する情報としては、
図6に示す「収入」「支出」「収支」の各数値や、
図7に示す「利益達成状況」を提供することができる。更には、収入と支出の割り合い等を表示することとしてもよい。
【0029】
図8は、複数の圃場の収支を対比して提供する他の例を示す。また、
図9は、複数の圃場の収支をグラフの形式で表示する例を示す。このように、複数の圃場に関する情報の比較は、ダッシュボードのレイアウトではなく、
図8または
図9に示すように、他の形式で提供してもよい。
【0030】
図10は、ダッシュボードの一部、具体的には、ダッシュボードの右下のエリアに、収支ランキングのウィジェットを配置した画面例を示す。
図10の右側上部の欄には、その拡大図を示している。ここには、収支ランキングが一位~四位となった圃場の情報が示されている。そして、それぞれの圃場の行には、主要なコスト項目についてのランキングが示されている。更に、収支を改善するうえで注目するべき項目には、表示を目立たせるためのマーキングが施されている。
【0031】
例えば、収支ランキングが一位のA圃場については、唯一二位に甘んじている「動力光熱費」にマークが付されている。また、C圃場について「農薬衛生費」、E圃場については「動力光熱費」、D圃場については「雇用費」にマークが付されている。これらは、収支改善のためにそれぞれの圃場で優先的に改善すべきものとして農業支援システムが選択した項目である。このように、本実施形態のシステムは、個々の圃場の収支を改善するために着手するべき項目を、他の圃場との比較に基づいてユーザに提供することができる。従って、ユーザは、圃場毎に改善するべき項目を容易に見い出すことができる。
【0032】
図10の右側下部の欄は、各圃場の情報をコストの内訳から作付け情報に切り替えた状態を示す。このように、農業支援システムは、複数の圃場の優劣を一覧で表示すると共に、圃場夫々の特徴を表す情報を、同様に一覧で表示することができる。このため、ユーザは、圃場の優劣の原因がどこにあるのかを、容易に見つけ出すことができる。
【0033】
図11は、情報入力の起点としてユーザ端末14,16に表示されるカレンダー画面の一例を示す。ユーザは、農作業の実施に先立って、ユーザ端末14,16に、作業予定等の情報を入力しておくことができる。
図11は、ユーザが、2021年10月15日を指定した後、画面右上のアイコンをクリックした様子を示している。ユーザは、この操作を行うことで、指定日とリンクさせるべき作業、収穫、出荷に関する情報を登録するための画面を呼び出すことができる。
【0034】
図12は、情報登録のための入力画面の一例を示す。画面左上には、「作業記録」「収穫記録」「出荷記録」のタブが示されている。所望のタブを選択することで、ユーザは、所望の入力画面を呼び出すことができる。
【0035】
図12に示す入力画面は、「作業」に関する情報を入力するためのものである。ラジオボタンを選択することで、「予定」と「実積」を切り換えることができる。ユーザは、圃場毎の「予定」の情報として、作付けの対象、圃場、作業者、作業時間、使用する機械、散布する農薬等の情報を予め登録しておくことができる。また、「実積」の情報として、圃場毎の実積記録を残しておくことができる。尚、作業情報には、天候、温度、湿度等の外的要因を付加してもよい。
【0036】
図13は、カレンダー画面で指定された作業に関する情報を表示する画面例を示す。
図12を参照して説明した情報登録が行われると、カレンダー画面に、その情報に対応する項目が表れる。ユーザは、その項目をクリックすることで、その項目に関する登録情報を呼び出すことができる。
図13は、画面右側に、「薬剤散布」について登録した予定の作業情報が表示されている。「薬剤散布」の実積が記録されている場合は、その記録も同時に表示される。
【0037】
図14は「収穫記録」に関する情報入力のための画面である。収穫記録には、日付や作付けに加えて、数量を計測したタイミングや、品質毎の数量等の情報が含まれる。
図15は、登録した収穫記録の情報を呼び出した画面の例を示す。更に、
図16および
図17は、「出荷記録」についての登録画面および情報表示画面を示す。出荷記録には、収穫日や、出荷先毎の出荷情報が含まれる。出荷情報には、品質毎の数量、売り上げ総額、および売り上げ単価等が含まれる。ユーザは、ユーザ端末14、16において、
図11~
図17に示す画面を適宜切り替えることにより、情報の登録と確認を適宜行うことができる。
【0038】
[実施の形態1の特徴]
上記の通り、本実施形態の農業支援システムは、複数の圃場に関する情報を一覧としてユーザに提供することができる。そして、このシステムは、天候や気温のような外的環境、作業の内容や作業者や作業時間のような作業条件、作付けの対象物やハウスと野外の別のような基本条件等を条件とする様々な絞り込み機能を有している。
【0039】
例えば、
図6に示す例では、「同時期に稼働した複数の圃場」で絞り込みを行い、抽出された複数の圃場の情報を対比して表示している。このような表示の手法によれば、天候や気温といった外的要因の影響が揃った複数の圃場を比較することができる。そして、このような比較の結果は、ユーザが、外的要因を除く要因から収穫結果に差を生じさせた要因を探し出すうえで極めて有用である。
【0040】
農業支援システムには、絞り込み機能の一つとして、同じ区画についての異なる時期の情報を、複数圃場の情報として抽出する機能を備えている。具体的には、例えば、複数年に亘る情報から、同じ区画の圃場についての複数年度の情報を、複数保証の情報として抽出する機能が備わっている。この絞り込み機能は、更に、作付けの対象物を同一物に絞る条件と組み合わせてもよい。
【0041】
農業支援システムは、絞り込み機能により、栽培計画が予定通りに進んだ圃場と、予定通りに進まなかった圃場を対比して表示させることもできる。このような表示によれば、作業項目等を比較することで、ユーザは、予定通りに進まなかった圃場の原因を容易に見い出すことができる。
【0042】
農業支援システムには、イレギュラーなイベントの有無について情報を整理する機能も備わっている。例えば、台風、長雨、干ばつ、病気の発生等のイレギュラーなイベントの有無、回数、時期などを複数の圃場の収穫結果と共に対比して一覧表示させることができる。このような表示は、ユーザが、イレギュラーなイベントが与える影響の大きさ、その影響を増長または縮小させるうえで有効な要因などを探し出すうえで有用である。
【0043】
また、農業支援システムには、上記項目の他にも様々な項目について情報を整理する機能が備わっている。例えば、収穫までの積算温度、収穫までの積算日射量、農薬の散布回数、農薬の散布量、施肥の回数、施肥の量、播種/定植の開始日付、栽培期間中の悪天候の有無、総作業時間、作付け面積、作付け期間、病気発生有無等を、複数の圃場の収穫結果と共に対比して一覧表示させることができる。
【0044】
農業支援システムには、更に、上記のような各種の絞り込みに関するメニュー、つまり、収穫結果に差をもたらした要因を特定するうえで有益な絞り込みの手法に関するメニューが搭載されている。メニューには、絞り込みに用いる項目や、それらをAND条件で組み合わるかOR条件で組み合わせるかの別等がそれぞれ結び付けられている。そして、このメニューは、システムの管理者により予め設定されている。ユーザは、適切なメニューを選択して絞り込みの機能を作動させるだけで、複数の圃場について、収穫結果の差と、各種要因の差とを一覧により視認することができる。このため、ユーザは、個々の圃場の収穫結果の改善に必要な要素を、他の圃場との比較に基づいて容易かつ正確に探し出すことができる。
【0045】
尚、上記の説明では、収穫結果情報の一例として、圃場毎の収支ランキングを例示しているが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、収支結果に代えて食味に関する評価結果や、農作物の収量を収穫結果情報として用いてもよい。
【0046】
また、上記の説明では、収支ランキングの一覧、つまり収穫結果情報の一覧と共に表示する作業情報として、主なコスト項目を例示しているが、本開示はこれに限定されるものではない。収穫結果情報の一覧と共に表示する作業情報は、作業予定や作業実積に記録されている如何なる情報であってもよい。
【0047】
[入力支援に関する特徴]
次に、
図18乃至
図23を参照して、本開示の農業支援システムの入力支援に関する特徴を説明する。
[AIOCRを利用した入力支援]
図18は、農業支援システムが提供する第一の入力支援の概要を示す。本実施形態の農業支援システムにより、複数の圃場を比較するためには、作業記録、収穫記録および出荷記録等を圃場毎に入力することが必要である。この入力は、上記の通り、ユーザ端末14、16を用いて行うことができる(
図12、
図14および
図16参照)。
【0048】
しかしながら、農業従事者は、このようなシステムを目前にすると、
図18の左側に示す通り「使いたいけど入力が面倒くさい」、「誰か登録してくれないか?」と感じるのが通常である。作業実積の記録、収穫の記録、および出荷の記録などは、事務スペースではなく現場で実施する必要があることから、そのような環境下での入力作業は特に敬遠されがちである。
【0049】
一方で、農業従事者の間では、紙のノートにペンで記録を付けることは一般に行われており、作業内容や収穫の記録を紙面に残すことについては抵抗が少ない。そこで、本実施形態では、システムの使用者に、フォーマットを整えたノートと、支援システムとを提供することとした。
【0050】
ユーザは、そのノートに、既定のフォーマットに従って各種の記録を書き込む。支援システムは、画像を取り込む機能と、AI(Artificial Intelligence)機能を搭載したOCR(Optical Character Reader)機能とを備えている。AIOCRは、ノートに書きこまれた手書きの文字を適切にテキスト情報に変換する。そして、支援システムは、既定のフォーマットを理解しているため、ノートの各所に記入されている情報が、それぞれ否かる情報であるかを理解する。
【0051】
図19は、
図18に示す入力支援の詳細を説明するための図である。ユーザは、圃場や出荷場で、既定のフォーマットに従って各種の記録をノートに記入する。ユーザ端末16でノートの画像を取り込むと、その画像がサーバ装置10に送信される。サーバ装置10では、送られてきた画像データをAIOCRで処理して、テキスト化されたデータをデータベースに格納する。このように、上記の入力支援によれば、入力画面を用いた各種の情報の入力からユーザを開放することができる。
【0052】
[ノート省略のための入力支援]
図20は、本実施形態の農業支援システムが備える第二の入力支援の概要を説明するための図である。本実施形態のシステムは、上記の入力支援に加えて、ノートへの記入を省略するための入力支援を提供する。
図20は、この支援の概要を示している。
【0053】
図20に示すように、第二の入力支援を稼働させるためには、圃場で行う作業の予定をサーバ装置10に事前登録しておく必要がある(S100)。この予定には、例えば、下記のような作業スケジュールの情報が含まれる。
<作業スケジュール>
・日付
・作業項目(例、薬剤散布)
・作付け物(例、きゅうり)
・圃場(例、きゅうりハウス)
・作業者
・時間(開始時刻、終了時刻、休憩時間等)
・使用する機械(例、動噴)
・使用する農薬(例、カヤククロールピクリン)
【0054】
ユーザは、圃場現場に到着する前に、ユーザ端末16にインストールされている入力支援アプリケーションを起動する(S102)。これにより、入力支援アプリケーションがスタンバイ状態となる。
【0055】
図20に示す第二の入力支援には、三つの特徴が含まれている。一つ目の特徴は、ワイヤレスイヤホン34の接続ボタンのプッシュ操作に反応することである(S104)。二つ目の特徴は、ユーザ端末16が取得するGPS情報が示す現在位置から圃場を感知することである(S106)。そして、三つ目の特徴は、それらに続いて音声を利用した入力支援が開始されることである(S108)。
【0056】
図21は、第一の特徴(
図20、S104)を利用する入力支援の一例の流れを示す。
図21に示す例では、圃場に到着したユーザがワイヤレスイヤホン34の接続ボタンをプッシュすることにより、作業予定の確認処理が開始される(S110)。具体的には、上記のプッシュ操作の実施が、ユーザ端末16を経由してサーバ装置10に伝えられる。
【0057】
サーバ装置10のデータベースには、一つ以上の作業スケジュールが事前登録されている。上記のプッシュ操作を検知すると、サーバ装置10は、現在の日時に対応する作業スケジュールを特定して、作業予定の確認処理を開始する(S112)。具体的には、先ず、「圃場確認」、「作付け確認」、「作業確認」、「作業開始」に関する音声案内がユーザ端末16に提供される。音声案内は、ユーザ端末16を経由して、ワイヤレスイヤホン34からユーザに提供される。これにより、ユーザは、上記のプッシュ操作を行うだけで、実施するべき作業の詳細を正確に確認することができる。
【0058】
上記の処理に続いて、サーバ装置10では、作業の開始が登録される(S114)。具体的には、現在時刻が作業の開始時刻として登録される。作業開始時刻は、作業記録として残しておくべき重要な情報である。本ステップの支援によれば、作業開始の登録作業からユーザを開放することができる。これにより、ユーザは、圃場現場での作業が軽減されるメリットに加えて、登録忘れが回避できるというメリットを得ることができる。
【0059】
実施するべき作業が終了したら、ユーザは、ワイヤレスイヤホン34の接続ボタンを再びプッシュする(S116)。作業が開始された後、この操作が実施されるまでの時間を、ユーザ端末16は、作業時間として計測する。そして、本ステップのプッシュ操作は、作業終了の登録に用いられる。つまり、プッシュ操作が実施された時刻が、作業終了の時刻としてサーバ装置10に登録される。
【0060】
以上説明した通り、
図21に示す入力支援によれば、圃場においてユーザに求める操作を、ワイヤレスイヤホン34の接続ボタンのプッシュ操作だけに限定することができる。圃場での作業中は、ユーザの手が土や泥で汚れるため、精密機器が操作し難い状況となる。上記の入力支援によれば、そのような状況下でユーザがユーザ端末16に触れなければならない機会を最小限に抑えることが可能である。
【0061】
図22は、第二の特徴(
図20、S106)を利用する入力支援の一例の流れを示す。
図22に示す例では、ユーザは、圃場に到着した時点でGPSによる入力支援を起動する(S112)。起動の操作は、ユーザ端末16に対して直接行っても良いが、ワイヤレスイヤホン34の接続ボタンにより行うこととしてもよい。
【0062】
GPSによる入力支援が起動されると、ユーザ端末16は、現在位置のGPS情報を取得して、その情報をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、受信したGPS情報に基づいてユーザが到着した圃場を特定する(S122)。
【0063】
圃場で実施するべき作業が一つだけであれば、ユーザは、作業開始の登録と、作業終了の登録を行うことで、作業実積の記録を終えることができる(S124)。また、この場合は、
図21に示す場合と異なり、作業スケジュールの事前登録を省略することが可能である。
【0064】
以上説明した通り、
図22に示す入力支援によれば、ユーザは、圃場においてGPS入力支援を起動し、作業の開始と終了を登録するだけで、圃場において実施するべき単一作業についての実積記録を残すことができる。このため、この機能によれば、圃場毎に実施すべき作業が単一である場合に、ユーザに求める操作を極めて簡素化することができる。
【0065】
ところで、GPS機能を用いる入力支援は、圃場で実施するべき作業が複数である場合にも活用することができる。この場合は、
図21を参照して説明した場合と同様に、作業スケジュールを事前登録しておき、GPS情報により圃場が特定された後に、作業予定の確認等を実施してもよい。また、複数の作業のそれぞれについて、開始と終了を登録してもよい。
【0066】
図23は、第三の特徴(
図20、S108)の詳細を説明するための図である。農業支援装置は、上記の通り、作業予定の確認に音声案内を用いる機能を有している。この機能に加えて、農業支援システムは、ユーザによる音声入力を受け付ける機能を有している。
【0067】
図23において、入力支援アプリケーションの起動は、音声入力により実施することができる(S130)。つまり、ユーザは、ユーザ端末16またはワイヤレスイヤホン34のマイクに向かって起動を呼びかけることにより、入力支援アプリケーションを起動させることができる。
【0068】
図23に示す例では、また、収穫記録の内容が音声入力されている(S132)。ここでは、ユーザが、収穫記録の情報として「計測タイミング」、「作付・圃場」、「収穫データ」等を音声でマイクに向けて提供する。マイクが拾った音声は、ユーザ端末16を介してサーバ装置10に送信される。
【0069】
サーバ装置10は、受信した音声信号を解析し、テキスト情報に変換したうえで、収穫記録として登録する(S134)。以上の入力支援によれば、ユーザは、ユーザ端末16やワイヤレスイヤホン34に一切触れることなく必要な情報の入力を簡易に完了させることができる。尚、音声入力を利用した入力支援(第三の特徴)は、単独で実施してもいが、プッシュ操作による情報入力(第一の特徴)およびGPS情報の利用(第二の特徴)の一方または双方t、適宜組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 サーバ装置
12 ネットワーク
14、16 ユーザ端末
32 GPSユニット
34 ワイヤレスイヤホン