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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172676
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】足湯方法、足湯装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 35/00 20060101AFI20231129BHJP
   A47K 3/022 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
A61H35/00 F
A47K3/022
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084642
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】512023683
【氏名又は名称】株式会社ヒューマンウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 貴朗
【テーマコード(参考)】
4C094
【Fターム(参考)】
4C094AA02
4C094BB01
4C094DD12
4C094EE20
4C094GG03
(57)【要約】
【課題】利便性の高い足湯方法、足湯装置を提供する。
【解決手段】人の足部HFを挿入可能に上部に開口が形成されて源泉水Oを貯留可能な袋体20を、上方が開放された加熱水槽10に取り付け、袋体20の加熱水槽10への取り付け後または取り付けに先立って、加熱水槽10に水Wを供給し、袋体20に貯留された源泉水Oと、加熱水槽10に貯留された水Wとを袋体20を介して接触させ、源泉水Oと水Wとにおいて熱交換を行わせた。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の足部を挿入可能に上部に開口が形成されて第1液体を貯留可能な袋体を、上方が開放された容器に取り付け、
前記袋体の前記容器への取り付け後または取り付けに先立って、前記容器に第2液体を供給し、
前記袋体に貯留された第1液体と、前記容器に貯留された第2液体とを前記袋体を介して接触させ、前記第1液体と前記第2液体とにおいて熱交換を行わせる
ことを特徴とする足湯方法。
【請求項2】
前記袋体の前記容器への取り付けは、前記袋体の底部を前記容器に挿入した後、前記容器の縁部を覆うように前記袋体の上部を前記容器の外に折り返し、折り返された前記袋体の開口の径が小さくなるように該開口を絞ることによりなされる
ことを特徴とする請求項1記載の足湯方法。
【請求項3】
前記袋体を前記容器に取り付けた後、前記第1液体を前記袋体内に供給することにより、前記袋体を介して前記第1液体と前記第2液体とを接触させる
ことを特徴とする請求項1記載の足湯方法。
【請求項4】
前記袋体は、該袋体内に前記第1液体を密封するための密封部が設けられ、
前記密封部を破くことにより、前記袋体の開口が形成されて前記第1液体が外部に露出する
ことを特徴とする請求項1記載の足湯方法。
【請求項5】
前記袋体は、前記第1液体を密封する第1収容袋と、開口を有して前記第1収容袋を収容可能な第2収容袋とを有し、
前記袋体を前記容器に取り付ける場合、前記第2収容袋を前記容器に取り付け、該取り付け後または該取り付けに先立って、前記第1収容袋を破くことにより、前記第2収容袋内に前記第1液体を流入させる
ことを特徴とする請求項1記載の足湯方法。
【請求項6】
前記第1収容袋と前記第2収容袋とは分離しており、前記第1収容袋を破くことにより前記第2収容袋内に前記第2液体を流入させる
ことを特徴とする請求項5記載の足湯方法。
【請求項7】
前記第1収容袋は、一端部が前記第2収容袋に連結されており、
前記第1収容袋が前記第2収容袋内に位置するように前記第2収容袋を裏返し、該裏返した状態にある第2収容袋を前記容器に取り付ける
ことを特徴とする請求項5記載の足湯方法。
【請求項8】
輸送用の収容箱に複数の前記第1液体が密封された袋体が収容されており、使用者が前記収容箱から、1つの前記袋体を取り出し、前記容器に取り付ける
ことを特徴とする請求項4~請求項7のいずれか一項記載の足湯方法。
【請求項9】
人の足部を挿入可能に上部に開口が形成され、第1液体を貯留する袋体と、
上方が開放され、第2液体を貯留すると共に該液体を加熱可能な容器と、
を備え、
前記袋体が前記容器に取り付けられることにより、前記袋体を介して前記第1液体と前記第2液体とが接触し、前記第1液体と前記第2液体とにおいて熱交換が生じる
ことを特徴とする足湯装置。
【請求項10】
貯留する湯水により人の足を温める足湯機に対し、前記湯水を覆うように袋体を取り付け、
前記袋体には液体が貯留されており、前記袋体を介して接触する前記液体と前記湯水との間で熱交換を行わせ、
前記熱交換された液体に前記足を浸ける
ことを特徴とする足湯方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、足湯に用いる足湯装置、足湯装置を使用した足湯方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の足を温める足湯装置が広く使用されており、このような足湯装置としては、下記特許文献1に記載のものが知られている。これに示される足湯装置は、外容器に内蔵され上面が開口した内容器と、該内容器内に入れたお湯を加熱するため該内容器の外側底面または外側側面に設けた発熱体と、前記内容器上部の開口部の一部を覆う蓋とを備えた足温浴器において、前記蓋には、前記内容器の上面の一辺に設けた回動部で回動自在に係止し、前記内容器側に突出して前記内容器に内在するお湯に水没する突起部を備えたことを特徴としている。この足湯装置によれば、足の出し入れを容易にし、且つ、使用時の湯の給排水の労力を少なくできるという効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-151054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の高い足湯方法、足湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る入浴具は、人の足部を挿入可能に上部に開口が形成されて第1液体を貯留可能な袋体を、上方が開放された容器に取り付け、前記袋体の前記容器への取り付け後または取り付けに先立って、前記容器に第2液体を供給し、前記袋体に貯留された第1液体と、前記容器に貯留された第2液体とを前記袋体を介して接触させ、前記第1液体と前記第2液体とにおいて熱交換を行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、利便性の高い足湯方法、足湯装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る足湯装置が備える加熱水槽を示す概略平面図である。
図2】第1の実施形態に係る加熱水槽を示す概略側面図である。
図3】第1の実施形態に係る加熱水槽の運搬形態を示す概略側面図である。
図4】第1の実施形態に係る足湯装置の使用状態を示す概略縦断面図である。
図5】第1の実施形態に係る足湯装置の使用方法を説明するための図である。
図6】第1の実施形態に係る足湯装置の使用方法を説明するための図である。
図7】第1の実施形態の変形例に係る足湯装置を示す概略側面図である。
図8】第1の実施形態の変形例に係る袋体を加熱水槽に取り付けた後における、袋体の折り返し部分の概略縦断面図である。
図9】第2の実施形態に係る足湯装置の構成と使用方法とを説明するための図である。
図10】第2の実施形態の変形例に係る袋体を示す概略正面図である。
図11】第3の実施形態に係る袋体を説明するための図である。
図12】第4の実施形態に係る袋体を説明するための図である。
図13】第5の実施形態に係る袋体を示す概略正面図である。
図14】第5の実施形態に係る袋体の使用状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0009】
<第1の実施形態>
(全体構成)
先ず、本実施形態に係る足湯装置の構成について説明する。図1図2は、本実施形態に係る足湯装置が備える加熱水槽を示す概略平面、概略側面図である。図3は、本実施形態に係る加熱水槽の運搬形態を示す概略側面図である。なお、図1における上側を足湯装置の正面、下側を背面とし、左右側を側面として以後説明を行う。図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る足湯装置1(図4参照)は、上方が開放された箱状の加熱水槽10を備える。
【0010】
加熱水槽10は、内部に水を貯留可能に構成されており、その上部に位置するプラスチック部材等により構成される環状の縁部11と、その下方に位置して同じくプラスチック部材等により構成される底部12とを有し、縁部11と底部12との間には防水性の布やプラスチック部材等の可撓性を有して上下方向長さが可変な薄厚の伸縮部13が設けられている。
【0011】
縁部11には、正面側に可動プレート111が設けられている。可動プレート111は、その正面側端部に開口112が設けられることにより把持部114が形成され、図2に示されるように左右方向両端部が支軸113により回動可能となっている。したがって、図3に示されるように、足湯装置1の使用者は可動プレート111を上方に回動させ、把持部114を把持することにより容易に加熱水槽10を持ち運ぶことができる。
【0012】
縁部11の左右方向両端部下面には、加熱水槽10を設置面に対して支持する脚部14が着脱自在に取り付けられている。図3に示されるように加熱水槽10を持ち運ぶ場合、脚部14を取り外し、伸縮部13を上下方向に縮めることにより加熱水槽10をコンパクトな運搬形態とすることができ、持ち運びや保管がより容易となる。
【0013】
底部12は、その上面に人の両足裏の形状を模るように複数の隆起部121が設けられており、左右方向中央に隆起部121よりも上方に突出する仕切り122が設けられている。なお、仕切り122は加熱水槽10の左右で水を貯留する空間を完全には仕切らないように上下方向長さが当該空間よりも短く形成されている。これにより使用者は、足湯装置1の使用時にどのように足を位置付ければよいかが直感的に理解できる。
【0014】
底部12内には、温度調節可能なヒータ123が設けられており、当該ヒータ123により加熱水槽10内に貯留された水を加熱し、湯水とすることができる。底部12には、ヒータに通電するための電源コードと、ON/OFF用及び温度設定用のスイッチとが設けられている。これらは底部12の両側面のうちの一方、正面、または背面のいずれかに設けることが好ましい。縁部11に設けてもよいが、その場合はヒータ123に通電及び駆動信号を送信可能に縁部11と底部12とを接続させればよい。また、ヒータ123は、底部12に設けられていると説明したが、伸縮部13を底部12と同様の厚みを有する壁部として構成し、そこに設けるようにしてもよく、仕切り122の内部に設けられてもよい。さらに、縁部11や底部12に対し、貯留する水の温度または設定温度を表示可能な温度表示パネルが設けられるようにしてもよい。
【0015】
図4は、本実施形態に係る足湯装置の使用状態を示す概略縦断面図である。図4に示されるHFは人の足部、Wは水(常温水または湯水)、Oは源泉水をそれぞれ示している。なお、図4では説明上、脚部14が省略されている。
【0016】
図4に示されるように、本実施形態に係る足湯装置1は、袋体20を更に備え、袋体20が加熱水槽10に取り付けられることにより使用される。袋体20は、軸方向に長い略円筒形状をなして長手方向一方側(上方側)に開口を有し、他方側(下方側)が閉じられた袋状物であり、内部に液体、本実施形態においては温泉水などの人体に有用な成分を含む源泉水Oを貯留することができる。袋体20は、その下部が加熱水槽10内に収容されるように加熱水槽10に取り付けられ、その状態において使用者の足部HFがその内部に入る、つまり源泉水Oに浸かることができるサイズとなっている。このことから袋体20は、柔軟性且つ強度があり、熱伝導率、水密性に優れるポリエチレンやポリ塩化ビニル等の樹脂素材より形成することが好ましい。その他、防水コーティングした不織布等の布生地などが挙げられる。
【0017】
袋体20は、図4に示されるように、その上方側端部(開口縁部近傍)21を加熱水槽10の縁部11を覆うように加熱水槽10の外方に折り曲げることで加熱水槽10に取り付けられる。このように袋体20を取り付けることにより、袋体20が加熱水槽10から容易に外れることを防止することができる。したがって少なくとも袋体20の上方側端部21の外周は、加熱水槽10の縁部11の外周よりも大きいことが取り付け時の容易性の観点から好ましい。足湯装置1を使用する場合は、加熱水槽10内に水Wを貯留させてヒータ123で加熱することで水Wを湯水とし、加熱水槽10に取り付けられた袋体20に源泉水Oを貯留させて水Wと熱交換させる。これにより使用者は、湯水である水Wにより適度な水温となった源泉水Oに足部HFを浸けることができ、使用者に対して自宅や職場、公共施設等で簡単に源泉水Oを用いた足湯を提供することができる。
【0018】
次に、本実施形態に係る足湯装置1の使用方法について図5及び図6を用いて詳細に説明する。図5及び図6は、本実施形態に係る足湯装置の使用方法を説明するための図である。図5及び図6においては、足湯装置1を側方から見た図が示されており、加熱水槽10のみが縦断面で示されている。
【0019】
図5に示されるように、先ず、袋体20を上方から少なくとも加熱水槽10の内部を覆うように加熱水槽10に取り付ける。取り付け後、袋体20の上方側端部21の一部を加熱水槽10の縁部11から取り外し、その箇所から例えばペットボトルPや蛇口に取り付けたホース等から水を加熱水槽10と袋体20との間に給水する。給水する水の量は例えば4リットル(L)程度が好ましい。なお、これに限定するものではなく、加熱水槽10のサイズに応じて適宜決めればよい。
【0020】
給水後、図6(a)に示されるように、バックインボックス等の貯留箱30に貯留されている源泉水Oを、給水器具40を用いて袋体20内に給水する。給水器具40は、第1導管41と第2導管42とを有し、ポンプ43の繰り返しの圧縮といった操作を行うことでサイフォンの原理を利用して第1導管41から液体を吸引し、第2導管42に吸引した液体を導入させて第2導管42から排出する、所謂灯油ポンプである。なお、第1導管41の中腹には、貯留箱30の供給口31に対して嵌合または螺合するなどして着脱自在に連結する連結部44が設けられている。給水の際は、供給口31と連結部44とを連結させ、第1導管41先端を貯留箱30内に挿入し、第2導管42の先端を袋体20の内部に挿入した状態においてポンプ43を操作することにより、貯留箱30内の源泉水Oを袋体20内に給水する。給水量は、足の甲が源泉水Oに没入する程度とすることが好ましく、例えば4リットル~8リットル程度が好ましい。なお、これに限定するものではなく、加熱水槽10のサイズに応じて適宜決めればよい。また、源泉水Oの給水は、貯留箱30を傾ける等して直接行うようにしてもよい。
【0021】
源泉水Oの給水後、底部12に設けられたヒータ123を駆動させ、加熱水槽10内に給水された水Wを加熱する。この加熱により、水Wを湯水にすると共に、袋体20を介して水Wと源泉水Oとが接触させて熱交換を生じさせる。その後、使用者は袋体20に足部HFを入れ、適度な温度となった源泉水Oに足部HFを浸すことができる。使用後、図6(b)に示されるように、袋体20における上方側端部21の折り返しを元の状態にし、袋体20を加熱水槽10から取り外すことにより、源泉水Oのみを容易に加熱水槽10から取り出すことができ、源泉水Oの破棄も容易である。なお、加熱水槽10内の水Wは、給水器具40を用いて外部に排水してもよく、バケツや桶を用いてある程度水Wを排水し、手で持てる程度軽くなった後に加熱水槽10を運搬形態にして傾ける等して排水してもよい。
【0022】
以上に説明した本実施形態によれば、湯水のみならず源泉水Oといった人体に有効な成分を有する液体を足湯に用いることができるため、利便性の向上を実現することができる。また、源泉水Oを袋体20が貯留するため、源泉水Oと加熱水槽10内の水Wとが混ざることがなく、純度の高い源泉水Oを利用することができる。人の使用後に源泉水Oに皮脂が混流したとしても、袋体20内に付着するのみで加熱水槽10に影響はない。源泉水Oが加熱水槽10に接触することがないため、例えば源泉水Oが強い酸性やアルカリ性を有していても加熱水槽10に影響はない。
【0023】
さらに、源泉水Oを袋体20が貯留するため、源泉水Oの破棄も袋体20を加熱水槽10から取り外すのみでよく、極めて便利である。また、湯水となった水Wと源泉水Oとが混ざることがなく、水Wに足部が浸されることもないため、水Wを清潔な状態で維持することができる。そのため、次回の使用に水Wを流用することもでき、コスト低減の効果も奏する。同様に袋体20は、源泉水Oの破棄後に再度使用することができ、コストを抑えることもできる。
【0024】
<第1の変形例>
図7は、本変形例に係る足湯装置を示す概略側面図であり、図8は、本変形例に係る袋体を加熱水槽に取り付けた後における、袋体の折り返し部分の概略縦断面図である。なお、説明上、図8では脚部14が省略されている。
【0025】
図7に示されるように、本変形例に係る袋体20Aは、その上方側端部21全周に袋体20Aの周長よりも長い紐部材22が環状となって取り付けられている。紐部材22は、袋体20の上方側端部21に位置付けられ、図8に示されるように紐部材22を巻き込むように当該上方側端部21を折り返すことにより、上方側端部21に挟持される形で袋体20Aに取り付けられている。なお、紐部材22の両端部は、袋体20Aの折り返し部分に形成された切れ込みからそれぞれ外部に露出されており、ストッパ23内に挿通されてロックされることにより、ストッパ23に固定可能となっている。
【0026】
袋体20Aを加熱水槽10に取り付けた後、紐部材22の両端部をストッパ23を介して牽引することにより、袋体20Aの上方側端部21を加熱水槽10の縁部11の外径より小さくなるまで縮径するように絞ることができる。したがって袋体20Aの上方側端部21は加熱水槽10が抜け出ることが不能な径となるため、袋体20Aの加熱水槽10からの脱落を防止できる。一方、ストッパ23のロックを解除して紐部材22による絞りを緩めることにより、袋体20Aを加熱水槽10から取り外し易くすることができる。なお、紐部材22を巻き込んだ上方側端部21の折り返し部分は、接着剤やテープ等の接着部材により接着させてもよく、熱溶着させてもよい。
【0027】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、袋体20のいずれかの部分を把持して取り扱うが、使用者が把持する把持部を設けるようにしてもよい。図9は、本実施形態に係る足湯装置の構成と使用方法とを説明するための図である。図9では、加熱水槽10、袋体20B、貯留箱30、給水器具40の側面が模式的に示されており、加熱水槽10のみ縦断面で示されている。
【0028】
図9に示されるように、本実施形態に係る袋体20Bは、第1の実施形態に係る袋体20と比較して、孔部24が形成されている点で異なる。孔部24は、本実施形態においては小判状(楕円状)に形成されており、袋体20Bの上方側端部21近傍に対向するように一対設けられている。一対の孔部24が形成されることにより、袋体20Bにおける一対の孔部24のそれぞれの上部に、使用者が把持可能な一対の把持部241が形成されることとなる。
【0029】
以上に説明した本実施形態によれば、袋体20Bに把持部241が形成されることにより、袋体20Bの取り扱いがし易くなる。例えば、使用者は把持部241を把持することにより移送が容易となるため、袋体20Bを加熱水槽10に取り付けるに先立って、袋体20Bに源泉水Oを給水し、その後に加熱水槽10に取り付けることも容易となり、また把持部241により袋体20Aを確実に把持できるため、重みによる袋体20Bの落下やそれによる源泉水Oの漏出を防止できる。このことから、加熱水槽10から離れた場所で袋体20B内に源泉水Oを給水し、源泉水Oが貯留された袋体20Bをその状態を維持して加熱水槽10まで移送し、取り付けるようにすることもできる。また、使用後の袋体20Bを加熱水槽10から取り外す際も、把持部241を把持すれば取り外し及び移送が容易となる。
【0030】
<第2の変形例>
図10は、本変形例に係る袋体を示す概略正面図である。図10に示されるように、袋体20Bを、一対の孔部24及び把持部241に代わり、前後方向に対向する一対の取手242が上方側端部21の外周に熱溶着等の任意の固着方法により取り付けられた袋体20Cとして構成してもよい。
【0031】
<第3の実施形態>
第2の実施形態では、袋体20Bを加熱水槽10に取り付ける前に源泉水Oを給水することができると説明したが、予め袋体20に源泉水Oが貯留されているようにしてもよい。図11は、本実施形態に係る袋体を説明するための図である。図11では、袋体20B及び輸送箱50が模式的に示されており、袋体20Bのみ正面から見た図が示されている。
【0032】
図11に示されるように、本実施形態に係る袋体20Bは、内部に源泉水Oを密封する密封袋25が取り出し可能、即ち別体として収容されており、結果として袋が二重となっている。密封袋25は、その上方隅部に内部空間(源泉水Oが収容されている空間)と連通する口部251が設けられており、口部251は源泉水Oの漏出を防止するよう熱溶着されている。なお、熱溶着に限定するものではなく、口部251に着脱自在なキャップを取り付けて源泉水Oの漏出を防止するようにしてもよい。このような袋体20Bを用いる足湯装置1を使用する場合は、加熱水槽10に袋体20Bを取り付けた後、密封袋25を破く、例えば口部251を裂く等して内部の源泉水Oを袋体20B内に流入させればよい。
【0033】
以上に説明した本実施形態によれば、袋体20B内に予め密封袋25が収容されていることから、使用者が別途源泉水Oを袋体20Bに給水する必要がなく、給水作業を省くことができ効率化を実現できる。また、足湯を行う場合は、加熱水槽10に袋体20Bを取り付けた後に密封袋25を破くため、袋体20Bの移送時に源泉水Oが漏出することを防止することができ、さらに使用時までは源泉水Oが外気に触れないため、雑菌が極めて少ない清潔な状態の源泉水Oを使用することができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、それぞれ密封袋25を収容する複数の袋体20Bを、輸送箱50に直接収納させることができる。したがって使用者は、自宅等に宅配された輸送箱50から密封袋25が収容された袋体20Bを1つ取り出し、そのまま加熱水槽10に取り付ければよいため、使用時に貯留箱30、給水器具40などを用意するといった煩雑な準備作業を行うことがなく極めて効率的である。
【0035】
<第4の実施形態>
第3の実施形態では、袋体20Bに密封袋25が収容され、袋が二重構造となっていると説明したが、袋体が一重構造として直接源泉水Oを貯留し密封するようにしてもよい。図12は、本実施形態に係る袋体を説明するための図である。図12(a)には、本実施形態に係る袋体の概略正面図が示されており、図12(b)にはその縦断面を側方から見た概略図が示されている。
【0036】
図12(a)及び図12(b)に示されるように、本実施形態に係る袋体20Dは、密封袋25に代わり、袋体20D内部に源泉水Oが貯留されており、上方側端部21、好ましくは開口縁部において左右方向に延在するシール部26が設けられている点、一対の孔部24及び把持部241に代わり一対の取手242が上方側端部21外周に取り付けられている点で第3の実施形態に係る袋体20Bと異なる。シール部26は、袋体20Dにおいて対向する内周面が熱溶着等により接着されることにより形成されている。したがってシール部26が形成されている部分より下方に位置する袋体20Dの内部空間は、密閉空間として画成されることとなり、この密閉空間に源泉水Oが貯留される。なお、源泉水Oは、袋体20Dの製造段階において、シール部26の形成に先立って袋体20D内に給水すればよい。
【0037】
このような袋体20Dを用いる足湯装置1を使用する場合は、例えば一対の取手242を前後に強い力で開く等して袋体20Dを開くことによりシール部26を裂く、またはカッターやナイフ等の刃物を用いてシール部26を切り開き、その状態で加熱水槽10に袋体20Dを取り付ければよい。このことから、シール部26は、袋体20Dを開く程度の力で裂けるようにする、換言すれば、シール部26の接着力よりも強い力が加わったとしても袋体20Dの生地が裂けないよう、袋体20Dの生地の厚みや素材を考慮することが好ましい。なお、刃物でシール部26を切り開く場合は、その限りではない。また、袋体20Dには、シール部26を開いた際に、源泉水Oが袋体Dから溢れ出ないように、シール部26下方に源泉水Oが無い範囲261が形成されることが好ましい。
【0038】
以上に説明した本実施形態によれば、第3の実施形態に係る効果と同様の効果を奏することができると共に、袋を二重構造とする必要がないため、低コスト化を実現できる。なお、シール部26に代わり、袋体20Dの開口を覆うシート状の蓋部材を袋体20Dとは別体として設け、源泉水Oを密封するようにしてもよい。この場合、蓋部材はシール部26と同様に袋体20Dを開く程度の力で裂けるようにすることが好ましい。また、蓋部材はカッターやナイフ等の刃物を用いて切り開く形状にしてもよい。また、取手242に代わり孔部24及び把持部241を設け、蓋部材を孔部24よりも下方に設けるようにすることもできる。
【0039】
<第5の実施形態>
第3の実施形態では、袋体20Bと密封袋25とが別体として構成されると説明したが、袋体と密封袋とが一体的に連結された状態としてもよい。図13は、本実施形態に係る袋体を示す概略正面図であり、図14は、本実施形態に係る袋体の使用状態を説明するための図である。
【0040】
図13に示されるように、本実施形態に係る袋体20Eは、密封袋25に代わり、袋体20Eが上下方向に長尺に形成され、その上下方向略中腹位置に左右方向に延在する上方シール部26aが設けられ、その下端部に同じく左右方向に延在する下方シール部26bが設けられている点で第3の実施形態に係る袋体20Bと異なる。シール部26a,26bは、第4の実施形態に係る袋体20Dが備えるシール部26と同様、対向する内周面が熱溶着等により接着されることにより形成されている。
【0041】
シール部26が袋体20Eの略中腹位置に設けられることにより、袋体20Eは、上方シール部26aの下側が内部に密封空間が画成されて源泉水Oが貯留された密封袋部27となり、上方シール部26aの上側が上方側端部21に開口を有して内部に収容空間が画成された収容袋部28となる。収容袋部28は、密封袋部27よりも上下方向が長尺に形成されており、上述した各実施形態に係る袋体20~20Dと略同一のサイズとすることが好ましい。
【0042】
袋体20Eは、図14に示されるように、収容袋部28を裏返すことにより、収容袋部28内に密封袋部27を位置付けることが可能となり、第3の実施形態のように密封袋25が内部に収容された袋体20Eと略同一の形態となる。このような袋体20Eを用いる足湯装置1を使用する場合は、収容袋部28を裏返して密封袋部27を収容袋部28内に位置付け、その状態で加熱水槽10に袋体20Dを取り付けた後、下方シール部26bを破くなどすればよい。なお、源泉水Oは、袋体20Eの製造段階において、上方シール部26aを形成した後、下方シール部26bの形成に先立って開放された状態にある密封袋部27内に給水すればよい。
【0043】
以上に説明した本実施形態によれば、第4の実施形態と同様の効果を奏することができると共に、収容袋部28を不用意に開けてしまったとしても下方シール部26bに直接の影響がないため、下方シール部26bが誤って裂けてしまうことがない。
【0044】
本発明の各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 足湯装置
10 加熱水槽(容器、足湯機)
11 縁部
12 底部
20、20A~20E 袋体(袋体、第2収容袋)
241 把持部
242 取手(把持部)
25 密封袋(第1収容袋)
26 シール部(密封部)
27 密封袋部(第1収容袋)
28 収容袋部(第2収容袋)
50 輸送箱(収容箱)
W 水(第2の液体)
O 源泉水(第1の液体)
図1
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