(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172684
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】ドア搭載ハンドレスト
(51)【国際特許分類】
B60R 13/02 20060101AFI20231129BHJP
B60N 3/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B60R13/02 B
B60N3/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084657
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 和人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩介
(72)【発明者】
【氏名】眞谷 健汰
【テーマコード(参考)】
3B088
3D023
【Fターム(参考)】
3B088BA03
3B088BA04
3D023BA01
3D023BB08
3D023BC01
3D023BD03
3D023BD32
3D023BE02
3D023BE06
(57)【要約】
【課題】車両の乗員がスマートフォン等の携帯端末を手にもって使用する際の手や腕の疲労を軽減する。
【解決手段】ドア搭載ハンドレスト10は、車両のサイドドア12のドアアームレスト20よりも車両上方側でサイドドア12から車室内側へ突出し、ドアアームレスト20に肘を置く乗員の手の甲を支持可能とされている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のサイドドアのドアアームレストよりも車両上方側で前記サイドドアから車室内側へ突出し、前記ドアアームレストに肘を置く乗員の手の甲を支持可能なドア搭載ハンドレスト。
【請求項2】
前記乗員の手の甲を弾力的に支持するクッション材を有する請求項1に記載のドア搭載ハンドレスト。
【請求項3】
前記サイドドアから車室内側へ突出した突出状態と、前記サイドドア内に格納される格納状態とを取り得る請求項1又は請求項2に記載のドア搭載ハンドレスト。
【請求項4】
前記乗員の手の甲を支持するハンドレスト本体と、
前記突出状態と前記格納状態との間で前記ハンドレスト本体を前記サイドドアに対して車両鉛直方向に沿った軸線回りに回転可能とする鉛直回転ヒンジと、
を有する請求項3に記載のドア搭載ハンドレスト。
【請求項5】
前記乗員の手の甲を支持するハンドレスト本体と、
前記ハンドレスト本体を前記サイドドアに対して車両幅方向に沿った軸線回りに回転可能とする水平回転ヒンジと、
を有する請求項1又は請求項2に記載のドア搭載ハンドレスト。
【請求項6】
前記乗員の手の甲を支持するハンドレスト本体と、
前記ハンドレスト本体を前記サイドドアに対して車両前後方向にスライドさせるスライド機構と、
を有する請求項1又は請求項2に記載のドア搭載ハンドレスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のサイドドアに搭載されるドア搭載ハンドレストに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両のスライドドアのドアトリムに取付けられる車両用テーブルが開示されている。この車両用テーブルでは、スライドレールとヒンジを組み合わせることで、テーブル本体の展開・格納や、前後位置調整および角度調整を可能としている。これにより、テーブル本体の使用位置の自由度が高まるため、乗員は、テーブル本体を単に物品を置くための位置だけでなく、例えば本や雑誌などの印刷物、タブレットやパソコンなどのビジュアル機器等を乗員が見やすい位置に変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の乗員がスマートフォンを使用する場合、乗員はスマートフォンを手に持って使用することが多いため、手や腕の疲労が大きくなるという課題がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車両の乗員がスマートフォン等の携帯端末を手にもって使用する際の手や腕の疲労を軽減することができるドア搭載ハンドレストを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様のドア搭載ハンドレストは、車両のサイドドアのドアアームレストよりも車両上方側で前記サイドドアから車室内側へ突出し、前記ドアアームレストに肘を置く乗員の手の甲を支持可能である。
【0007】
第1態様では、車両のサイドドアのドアアームレストよりも車両上方側で前記サイドドアから車室内側へ突出するドア搭載ハンドレストによって、ドアアームレストに肘を置く乗員の手の甲を支持することができる。これにより、携帯端末を手に持って使用する乗員の手と腕の両方が支持されるので、手や腕の疲労を軽減することができる。
【0008】
第2の態様のドア搭載ハンドレストは、第1の態様において、前記乗員の手の甲を弾力的に支持するクッション材を有する。
【0009】
第2の態様では、ドア搭載ハンドレストが有するクッション材によって乗員の手の甲を弾力的に支持することができる。これにより、手の血流が阻害されることを抑制できると共に、車両の走行振動がサイドドアから手に伝わることを抑制できる。
【0010】
第3の態様のドア搭載ハンドレストは、第1の態様又は第2の態様において、前記サイドドアから車室内側へ突出した突出状態と、前記サイドドア内に格納される格納状態とを取り得る。
【0011】
第3の態様によれば、ドア搭載ハンドレストの不使用時には、ドア搭載ハンドレストをサイドドア内に格納することができる。
【0012】
第4の態様のドア搭載ハンドレストは、第3の態様において、前記乗員の手の甲を支持するハンドレスト本体と、前記突出状態と前記格納状態との間で前記ハンドレスト本体を前記サイドドアに対して車両鉛直方向に沿った軸線回りに回転可能とする鉛直回転ヒンジと、を有する。
【0013】
第4の態様のドア搭載ハンドレストでは、乗員の手の甲を支持するハンドレスト本体を、鉛直回転ヒンジによって、突出状態と格納状態との間でサイドドアに対して車両鉛直方向に沿った軸線回りに回転させることができる。これにより、例えばハンドレスト本体をサイドドアの車室内側面に沿わせて格納することが可能となる。
【0014】
第5の態様のドア搭載ハンドレストは、第1の態様~第4の態様の何れか1つの態様において、前記乗員の手の甲を支持するハンドレスト本体と、前記ハンドレスト本体を前記サイドドアに対して車両幅方向に沿った軸線回りに回転可能とする水平回転ヒンジと、を有する。
【0015】
第5の態様のドア搭載ハンドレストでは、乗員の手の甲を支持するハンドレスト本体を、水平回転ヒンジによって、サイドドアに対して車両幅方向に沿った軸線回りに回転させることができる。これにより、携帯端末を持つ乗員の手の甲に沿う角度にハンドレスト本体を回転させることができる。
【0016】
第6の態様のドア搭載ハンドレストは、第1の態様~第5の態様の何れか1つの態様において、前記乗員の手の甲を支持するハンドレスト本体と、前記ハンドレスト本体を前記サイドドアに対して車両前後方向にスライドさせるスライド機構と、を有する。
【0017】
第6の態様のドア搭載ハンドレストでは、乗員の手の甲を支持するハンドレスト本体を、スライド機構によってサイドドアに対して車両前後方向にスライドさせることができる。これにより、乗員が着座する車両用シートの車両前後方向の位置等に応じて、ハンドレスト本体の車両前後方向の位置を調節することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明に係るドア搭載ハンドレストでは、車両の乗員がスマートフォン等の携帯端末を手にもって使用する際の手や腕の疲労を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係るドア搭載ハンドレストが搭載されたサイドドアを示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係るドア搭載ハンドレストの構成を示す部分断面図である。
【
図3】
図2のF3-F3線に沿った切断面を示す断面図である。
【
図4】サイドドアのドアアームレストに肘を置く乗員の手がドア搭載ハンドレストによって支持されている状態を示す側面図である。
【
図5】比較例に係るアームレストによって乗員の前腕部が支持されている状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1~
図5を参照して本発明の一実施形態に係るドア搭載ハンドレスト10(以下、単に「ハンドレスト10」と称する)について説明する。なお、各図中においては、図面を見易くする関係から一部の符号を省略している場合がある。また、各図中に適宜記載された矢印FR、LH、RH及びUPは、車両の前方、左方、右方及び上方をそれぞれ示している。
【0021】
図1に示されるように、本実施形態に係るハンドレスト10は、車両のサイドドア12に搭載されている。このサイドドア12は、一例として車両右方側のフロントサイドドアであり、ドア本体14と、ドアガラス16と、ドアトリム18とを備えている。ドア本体14は、例えば板金によって構成されており、ドアガラス16は、ドア本体14に対して昇降可能に支持されている。ドアトリム18は、例えば樹脂によって構成されており、ドア本体14の車室内側(ここでは車両左方側)に取り付けられている。なお、以下に記載する前後左右上下の方向は、サイドドア12が閉じた状態での方向である。また、本実施形態は、ハンドレスト10が搭載されたサイドドア12の発明の実施形態としても捉えることができる。
【0022】
ドアトリム18の上下方向中間部には、車室内側へ突出したドアアームレスト20が設けられている。ドアアームレスト20は、一例としてサイドドア12の前部から後端部にかけて延在している。ドアアームレスト20の上面の後部は、
図4に示されるように、車両右方側のフロントシート22に着座した乗員Pが肘を置く肘置き部20Aとされている。ドアアームレスト20の上面の前部には、図示しないパワーウインドウスイッチ等が配設されている。
【0023】
ドアアームレスト20の車両上方でドアトリム18の上端部には、本実施形態に係るハンドレスト10が配設されている。
図2に示されるように、ハンドレスト10は、乗員Pの手Hの甲を支持するハンドレスト本体30と、ハンドレスト本体30をサイドドア12に対して車両鉛直方向に沿った軸線V回りに回転可能とする鉛直回転ヒンジ38と、ハンドレスト本体30をサイドドア12に対して車両幅方向に沿った軸線H回りに回転可能とする水平回転ヒンジ40と、ハンドレスト本体30をサイドドア12に対して車両前後方向にスライドさせるスライド機構42とを備えている。
【0024】
図3に示されるように、ハンドレスト本体30は、土台部32と、クッション材34と、表皮材36とによって構成されている。土台部32は、例えば樹脂によって矩形板状に形成されている。クッション材34は、ウレタンフォーム等の発泡体によって矩形板状に形成されており、土台部32の板厚方向片側面に重ね合わされている。表皮材36は、布材、合成皮革、皮革等からなり、クッション材34の表面を覆っている。表皮材36の周縁部は、例えば接着、フック等の手段で土台部32に固定されている。
【0025】
上記構成のハンドレスト本体30は、鉛直回転ヒンジ38及び水平回転ヒンジ40を介してスライド機構42に連結されている。スライド機構42は、スライドレール44と、スライダ46とを有している。スライドレール44は、例えば金属によって長尺状に形成されており、車両前後方向を長手方向とする姿勢でドア本体14の上端部の車室内側面に固定されている。このスライドレール44は、車両前後方向から見て車室内側に開口した断面略C字状をなしており、ドアトリム18(
図1参照;
図2では図示省略)によって車室内側から覆われている。ドアトリム18には、スライドレール44の開口と対向する位置に車両前後方向に延びるスリット24が形成されている。
【0026】
スライダ46は、例えば金属によってブロック状に形成されてスライドレール44の内側に配置されており、スライドレール44に対して車両前後方向にスライド可能に支持されている。このスライダ46は、例えばスライドレール44との間に生じる摩擦抵抗によって任意のスライド位置で保持可能とされている。このスライダ46には、鉛直回転ヒンジ38が取り付けられている。
【0027】
鉛直回転ヒンジ38は、スライダ46に取り付けられており、スライドレール44の開口及びドアトリム18のスリット24を介して車室内側へ延びている。この鉛直回転ヒンジ38は、スライダ46に固定された固定部48と、固定部48に対して車両鉛直方向に沿った軸線V回りに回転可能に連結された第1回転部50とを有している。
【0028】
水平回転ヒンジ40は、上記の第1回転部50と、上記の第1回転部50に対して固定部48とは反対側に配置された第2回転部52とによって構成されている。つまり、第1回転部50は、鉛直回転ヒンジ38及び水平回転ヒンジ40の構成要素として兼用されている。第2回転部52は、第1回転部50に対して車両水平方向に沿った軸線H回りに回転可能に連結されている。
【0029】
上記の鉛直回転ヒンジ38及び水平回転ヒンジ40は、各々が有する図示しないヒンジ軸を摩擦抵抗によって任意の回転位置で停止可能に構成された周知のトルクヒンジ(所謂フリーストップヒンジ)である。これらの鉛直回転ヒンジ38及び水平回転ヒンジ40によって、ハンドレスト本体30を任意の回転位置で保持可能とされている。なお、鉛直回転ヒンジ38及び水平回転ヒンジ40は、トルクヒンジに限らず、フリクション機能付きのラチェットヒンジであってもよい。その場合、ハンドレスト本体30を複数の回転位置で段階的に保持可能となる。また、上記の「鉛直」及び「水平」は厳密なものである必要はなく、「略鉛直」及び「略水平」であってもよい。
【0030】
上記構成のハンドレスト10では、
図4に示されるように、サイドドア12のドアアームレスト20よりも車両上方側でサイドドア12から車室内側へ突出した突出状態(
図1及び
図2に示される状態)を取り得る。この突出状態では、ハンドレスト本体30がドアアームレスト20の肘置き部22Aに対して車両前方斜め上方に配置される。この突出状態において、ドアトリム18の表面からのハンドレスト10の突出量は、例えば100ミリメートルから200ミリメートルの範囲内に設定されている。
【0031】
突出状態のハンドレスト10は、ドアアームレスト20の肘置き部20Aに肘Eを置く乗員Pの手Hの甲を車両前方斜め下方側から支持可能である。詳細には、突出状態のハンドレスト10は、水平回転ヒンジ40回りのハンドレスト本体30の回転により、表皮材36が車両後方斜め上方を向く回転位置へと回転可能である。この回転位置のハンドレスト本体30により、乗員Pの手Hの甲を、表皮材36を介してクッション材34により弾力的に支持可能とされている。なお、上記の乗員Pは、例えばAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)又はJM50(日本人成人男性の50パーセンタイル)のダミー人形と同等の体格を有する。
【0032】
また、本実施形態では、サイドドア12のドアトリム18において、前述したスリット24の車両前方側には、ハンドレスト本体30を収容するための凹部26が形成されている。この凹部26は、車室内側へ向けて開口しており、前述したスリット24に連通している。ハンドレスト本体30がスライド機構42のスライド範囲の最前端位置にスライドされた状態で鉛直回転ヒンジ38回りに回転されることにより、ハンドレスト本体30が上記の凹部26に格納されるように構成されている。つまり、本実施形態に係るハンドレスト10は、サイドドア12から車室内側へ突出した突出状態と、サイドドア12内に格納される格納状態とを取り得る構成とされている。上記の格納状態では、土台部32及びクッション材34の板厚方向が車両幅方向に沿う姿勢となり、表皮材36の表面がドアトリム18の表面と略同一面上に配置される。
【0033】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0034】
本実施形態では、車両のサイドドア12のドアアームレスト20よりも車両上方側でサイドドア12から車室内側へ突出するハンドレスト10によって、ドアアームレスト20に肘を置く乗員Pの手Hの甲を支持することができる。これにより、
図4に示されるように、スマートフォンSPを手Hに持って使用する乗員Pの手Hと腕Aの両方が支持されるので、手Hや腕Aの疲労を軽減することができる。
【0035】
つまり、例えば
図5に示される比較例のように、スマートフォンSPを手Hに持って使用する乗員Pの腕A(前腕部)を、サイドドア等に搭載されるテーブル100によって支持する場合、乗員Pの手首の疲労が蓄積する。また図示は省略するが、スマートフォンSPを持つ手Hを上記のテーブル100によって支持する場合、前腕部や上腕部の疲労が蓄積する。これに対し、本実施形態では、手Hと肘Eの両方が支持されるので、手Hと腕Aの両方の疲労を軽減することができる。
【0036】
また、上記の比較例では、車両の走行時に、スマートフォンSPに振動や揺れが発生するため、スマートフォンSPの画面を乗員Pが見づらくなり、車酔いの原因となる。これに対し、本実施形態では、スマートフォンSPを持つ手Hの甲がハンドレスト10によって支持されることにより、スマートフォンSPの振動や揺れが少なくなるため、スマートフォンSPの画面を乗員Pが見やすくなり、車酔いが抑制される。
【0037】
しかも、本実施形態では、ハンドレスト10のハンドレスト本体30が有するクッション材34によって乗員Pの手Hの甲を弾力的に支持することができる。これにより、手Hの血流が阻害されることを抑制できると共に、車両の走行振動がサイドドア12から手Hに伝わることを抑制できる。その結果、スマートフォンSPの画面を乗員Pが一層見やすくなり、車酔いが一層抑制される。
【0038】
さらに、本実施形態では、ハンドレスト10は、サイドドア12から車室内側へ突出した突出状態と、サイドドア12内に格納される格納状態とを取り得る。このため、ハンドレスト10の不使用時には、ハンドレスト10をサイドドア12内に格納することができる。
【0039】
また、本実施形態では、乗員Pの手Hの甲を支持するハンドレスト本体30を、鉛直回転ヒンジ38によって、突出状態と格納状態との間でサイドドア12に対して車両鉛直方向に沿った軸線V回りに回転させることができる。これにより、ハンドレスト本体30をサイドドア12の車室内側面に沿わせて格納(すなわち車両幅方向に薄く格納)することができる。
【0040】
また、本実施形態では、ハンドレスト本体30を水平回転ヒンジ40によってサイドドア12に対して車両幅方向に沿った軸線回りに回転させることができる。これにより、スマートフォンSPを持つ乗員Pの手Hの甲に沿う角度にハンドレスト本体30を回転させることができる。
【0041】
さらに、本実施形態では、ハンドレスト本体30をスライド機構42によってサイドドア12に対して車両前後方向にスライドさせることができる。これにより、乗員Pが着座するフロントシート22の車両前後方向の位置等に応じて、ハンドレスト本体30の車両前後方向の位置を調節することができる。
【0042】
以上のことから、本実施形態では、スマートフォンSPを手Hに持って使用する乗員Pの肘Eと手Hを、ドアアームレスト20の肘置き部22Aとハンドレスト本体30とによって(すなわち角度の異なる2つの面によって)、それぞれ最適な位置及び角度で同時に支持することができる。その結果、乗員Pは、手首や肩の力を抜いた楽な姿勢でスマートフォンSPを使用することが可能となる。
【0043】
なお、上記実施形態では、ハンドレスト本体30が車両鉛直方向に沿った軸線V回りに回転されて、ドアトリム18の凹部26に格納される構成にしたが、これに限るものではない。例えばハンドレスト本体30がサイドドア12に対して車両幅方向外側へスライドされてサイドドア12に格納される構成にしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、ハンドレスト本体30がクッション材34を有する構成にしたが、これに限るものではない。例えばハンドレスト本体の表面形状を、乗員の手の甲にフィットするインバース形状としてもよい。
【0045】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
10 ドア搭載ハンドレスト
12 サイドドア
20 ドアアームレスト
22 フロントシート
30 ハンドレスト本体
34 クッション材
38 鉛直回転ヒンジ
40 水平回転ヒンジ
42 スライド機構