IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 川崎重工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-伝送システム 図1
  • 特開-伝送システム 図2
  • 特開-伝送システム 図3
  • 特開-伝送システム 図4
  • 特開-伝送システム 図5
  • 特開-伝送システム 図6
  • 特開-伝送システム 図7
  • 特開-伝送システム 図8
  • 特開-伝送システム 図9
  • 特開-伝送システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172744
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】伝送システム
(51)【国際特許分類】
   F15B 19/00 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
F15B19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084760
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二
(72)【発明者】
【氏名】田中 辰喜
(57)【要約】
【課題】電気信号以外の態様で情報を伝送することができる伝送システムを提供すること
【解決手段】伝送システムは、液通路に液体を吐出するポンプと、液通路を流れる液体の状態量を変化させることによって送信信号を送信する少なくとも1つの送信機を含む送信装置と、液通路を流れる液体の状態量を検出することによって、送信機から送信される送信信号を受信する少なくとも1つの受信機を含む受信装置と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液通路に液体を吐出するポンプと、
前記液通路を流れる液体の状態量を変化させることによって送信信号を送信する少なくとも1つの送信機を含む送信装置と、
前記液通路を流れる液体の状態量を検出することによって、前記送信機から送信される送信信号を受信する少なくとも1つの受信機を含む受信装置と、を備える伝送システム。
【請求項2】
前記送信装置は、前記液通路を遮断する遮断弁を含む前記送信機である遮断型送信機を少なくとも1つ有し、
前記受信機は、前記遮断弁の下流側において前記液通路に接続されている、請求項1に記載の伝送システム。
【請求項3】
前記送信装置は、前記液通路から分岐し且つ前記液通路をドレンに繋ぐドレン通路を開閉する開閉弁を含む前記送信機であるドレン型送信機を少なくとも1つ含んでいる、請求項1に記載の伝送システム。
【請求項4】
前記送信装置は、前記液通路に圧源通路を介して接続され且つ圧液を貯える圧液源と、前記圧源通路を開閉する開閉弁と、を含む前記送信機である圧源型送信機を少なくとも1つ含んでいる、請求項1に記載の伝送システム。
【請求項5】
前記送信装置は、前記液通路に液体を供給する圧液供給源と、前記圧液供給源から供給される液体の状態量を変化させる信号発生器と、を含む前記送信機である供給型送信機を少なくとも1つ含んでいる、請求項1に記載の伝送システム。
【請求項6】
前記送信装置は、前記液通路を介して前記ポンプに接続されるアクチュエータを含む前記送信機であるアクチュエータ型送信機を少なくとも1つ有し、
前記アクチュエータは、作動することによって前記液通路の液体の状態量を変化させて送信信号を送信する、請求項1に記載の伝送システム。
【請求項7】
前記液通路において前記受信装置より下流側に設けられ、前記送信装置から送信される送信信号を除去する信号除去部を備える、請求項1に記載の伝送システム。
【請求項8】
前記受信装置は、複数の前記受信機を有し、
前記送信装置は、前記複数の受信機の各々に応じた多重化した送信信号を送信する、請求項1に記載の伝送システム。
【請求項9】
前記送信装置は、前記液通路に夫々接続される複数の前記送信機を有し、前記複数の送信機の各々から送信される個別信号を多重化した送信信号を送信する、請求項1に記載の伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置と受信装置と間で送信信号を送受信する伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
舶用機械及び建設機械等の産業用機械の他、様々な分野において、情報等を伝送するために電気信号が用いられている。電気信号は、例えば特許文献1のような電気配線構造に電気を流すことによって送信機から受信機へと伝送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-135381号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気信号は、電気配線に電気を流す必要があるので、防爆エリアにおいて用いることは好ましくない。また、油圧機器等において、情報伝送を行うべく新たに電気配線を敷設しなければならない場合には、部品点数が増加する。それ故、前述する場合には、必ずしも電気配線が敷設されることが好ましくなく、電気信号以外の態様で情報を伝送することが求められている。
【0005】
そこで本発明は、電気信号以外の態様で情報を伝送することができる伝送システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の伝送システムは、液通路に液体を吐出するポンプと、前記液通路を流れる液体の状態量を変化させることによって送信信号を送信する少なくとも1つの送信機を含む送信装置と、前記液通路を流れる液体の状態量を検出することによって、前記送信機から送信される送信信号を受信する少なくとも1つの受信機を含む受信装置と、を備える。
【0007】
本発明に従えば、液通路を流れる液体を介して送信装置から受信装置に信号を伝送することができる。これにより、電気信号以外の態様で情報を伝送することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気信号以外の態様で情報を伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態の伝送システムを示す回路図である。
図2図1の伝送システムに備わる送信機を示す回路図である。
図3図1の伝送システムにおいて送信信号を送信した際の液通路の液圧の経時変化を示すグラフである。
図4】本発明の第2実施形態の伝送システムに備わる送信機を示す回路図である。
図5】本発明の第3実施形態の伝送システムに備わる送信機を示す回路図である。
図6】本発明の第4実施形態の伝送システムに備わる送信機を示す回路図である。
図7】本発明の第5実施形態の伝送システムを示す回路図である。
図8】本発明の第6実施形態の伝送システムを示す回路図である。
図9】本発明の第7実施形態の伝送システムを示す回路図である。
図10】本発明の第8実施形態の伝送システムを示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る第1乃至第8実施形態の伝送システム1,1A~1Gについて前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する伝送システム1,1A~1Gは、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0011】
<第1実施形態>
伝送システム1は、舶用機械及び建設機械等の産業用機械の他、様々な分野の機械及び設備に備わっている。そして、伝送システム1は、前述する機械や設備において油及び水等の液体を介して情報等を伝送する。より詳細に説明すると、前述する機械や設備は、図1に示すような液圧機器2及び液圧駆動装置3を備えている。液圧機器2は、液体、例えば作動液の給排によって作動する。これにより、機械及び設備は様々な作業を行うことができる。液圧機器2は、例えば液圧シリンダ及び液圧モータである。本実施形態において、液圧機器2は、液圧シリンダ2である。液圧シリンダ2は、液体の一例である作動液の供給を受けて伸長する。液圧駆動装置3は、液圧シリンダ2に作動液を供給することによって、液圧シリンダ2を伸縮させる。そして、液圧駆動装置3は、伝送システム1を備えている。以下では、まず液圧駆動装置3が詳しく説明される。
【0012】
<液圧駆動装置>
液圧駆動装置3は、液圧ポンプ11、液通路12、及び方向制御弁13を含んでいる。液圧ポンプ11は、後で詳述するように作動液を吐出する。また、液圧ポンプ11は、液通路12を介して液圧機器2に接続されている。方向制御弁13は、液通路12に介在している。そして、方向制御弁13は、入力される指令信号に応じて、液圧ポンプ11から吐出される作動液の液圧シリンダ2への流れを制御する。即ち、液圧駆動装置3は、方向制御弁13によって作動液の流れを制御することによって液圧シリンダ2を伸縮させる。本実施形態において、方向制御弁13は、ノーマルクローズ型の遮断弁である。なお、方向制御弁13は、遮断弁に限定されない。方向制御弁13は、作動液の流れる方向を液圧シリンダ2のロッド側ポート及びヘッド側ポートの何れかに切り替える方向切換弁であってもよく、ロータリーバルブ等であってもよい。
【0013】
<伝送システム>
伝送システム1は、前述の通り作動液を介して情報等を伝送する。より詳細に説明すると、伝送システム1は、前述する液圧ポンプ11及び液通路12と、送信装置14と、受信装置15と、を備えている。また、伝送システム1は、絞り16と、リリーフ弁17と、制御装置18とを更に備えている。
【0014】
液圧ポンプ11は、前述の通り作動液を吐出する。本実施形態において、液圧ポンプ11は、可変容量形の斜板ポンプである。但し、液圧ポンプ11は、固定容量形の斜板ポンプ、斜軸ポンプ、ギヤポンプ、及びピストンポンプ等であってもよい。即ち、液圧ポンプ11は、作動液を吐出可能な液圧ポンプであればよい。液圧ポンプ11は、前述の通り、方向制御弁13が介在する液通路12を介して液圧シリンダ2に接続されている。
【0015】
送信装置14は、送信機21を含んでいる。送信機21は、液通路12を流れる作動液の状態量を変化させることによって送信信号を送信する。より詳細に説明すると、送信機21は、液通路12の作動液の液圧を変化させることによって送信信号を送信する。本実施形態において、送信機21は、図2に示すような遮断型送信機であって、遮断弁21aを有している。遮断弁21aは、液通路12に介在している。より詳細に説明すると、遮断弁21aは、液通路12において、方向制御弁13より上流側に設けられている。遮断弁21aは、例えばピエゾアクチュエータ型バルブである。但し、遮断弁21aは、電磁遮断弁であってもよい。
【0016】
また、遮断弁21aは、入力される指令信号に応じて液通路12の連通及び遮断を切換える。そして、遮断弁21aは、液通路12の連通及び遮断を切換えることによって液通路12の液圧を変化させる。これにより、指令信号に応じた送信信号が液通路12の液圧に印加される(図3のグラフ参照)。例えば、遮断弁21aは、液通路12を遮断することによって液通路12の液圧を低下させる。なお、図3において、実線が液通路12の液圧であって2点鎖線が吐出圧である。その後、遮断弁21aが液通路12を連通させることによって液通路12の液圧を復帰させる。これにより、送信機21は、パッシブ型の流体デジタル信号を液通路12の液圧に印加させることができる。なお、印加させるデジタル信号の変調方式としては、例えばパルス密度変調がある。但し、デジタル信号の変調方式としては、例えば輻輳方式及びゲイン方式があってもよく。また、送信信号は、アナログ信号であってもよい。
【0017】
受信装置15は、受信機31を有している。受信機31は、液通路12を流れる作動液の状態量を検出することによって、送信機21から送信される送信信号を受信する。より詳細に説明すると、受信機31は、液通路12の液圧を検出することによって、送信信号を受信する。本実施形態において、受信機31は、圧力センサである。受信機31は、液通路12に接続されている。より詳細に説明すると、受信機31は、遮断弁21aの下流側において液通路12に接続されている。そして、受信機31は、液通路12において遮断弁21aの下流側の液圧を検出することによって、液圧に印加された送信信号を受信する。
【0018】
また、受信機31は、本実施形態において方向制御弁13に電気的に接続されている。そして、受信機31は、方向制御弁13に切換信号を出力する。より詳細に説明すると、受信機31は、受信する送信信号に応じて切換信号を方向制御弁13に出力する(図3の「開」参照)。
【0019】
信号除去部である絞り16は、液通路12に介在している。より詳細に説明すると、絞り16は、液通路12において、送信装置14及び受信装置15の下流側であって液圧シリンダ2の上流側に設けられている。本実施形態において、絞り16は、受信機31との接続点12aと方向制御弁13との間に設けられている。絞り16は、例えば可変絞りである。但し、絞り16は、固定しぼりであってもよい。絞り16は、液通路12を流れる作動液の流量を絞る。
【0020】
リリーフ弁17は、液通路12に接続されている。より詳細に説明すると、リリーフ弁17は、液通路12において、絞り16と方向制御弁13との間に設けられている。リリーフ弁17は、液通路12において絞り16より下流側が所定圧以上になると作動液をドレン19に排出する。そして、リリーフ弁17は、液通路12であって絞り16より下流側において、絞り16と共に液圧から印加される送信信号を除去する。
【0021】
制御装置18は、送信装置14に電気的に接続されている、そして、制御装置18は、送信装置14に送信信号を送信させる。より詳細に説明すると、制御装置18は、送信機21に電気的に接続されている。そして、制御装置18は、予め定められるプログラム又は図示しない操作装置に対する操作(以下、「プログラム等」という)に応じて送信機21を作動させる。例えば、制御装置18は、プログラムに応じて送信機21の遮断弁21aに指令信号を出力する。これにより、送信機21の遮断弁21aが液通路12の連通及び遮断を切換える。それ故、制御装置18は、図3に示すように液通路12の作動液に送信信号を印加することができる。
【0022】
<伝送システムの動作>
液圧駆動装置3では、方向制御弁13が液通路12を閉じている閉状態にある。閉状態において、伝送システム1が送信信号を送信することによって、方向制御弁13が液通路12を開く。これにより、液圧シリンダ2が作動する。より詳細に説明すると、伝送システム1の制御装置18は、プログラム等に応じた指令信号を遮断弁21aに出力する。これにより、遮断弁21aが作動するので、液通路12の遮断及び連通が切換えられる。それ故、液通路12の遮断弁21aの下流側において送信信号が液通路12の液圧に印加される。送信信号は、液通路12の作動液を伝播することによって、受信機31に到達する。受信機31は、液通路12の液圧の変動として送信信号を受信する。そして、受信機31は、送信信号を受信すると、受信機31は、方向制御弁13に切換信号を出力する。そうすると、方向制御弁13が作動するので、液通路12が開く。これにより、液圧シリンダ2が伸長する。
【0023】
第1実施形態の伝送システム1は、液通路12を流れる作動液の液圧を変化させる送信機21を含む送信装置14と、液通路12を流れる作動液の液圧を検出する受信機31を含む受信装置15を備えている。それ故、液通路12を流れる作動液を介して送信装置14から受信装置15に信号を伝送することができる。これにより、電気信号以外の態様で情報を伝送することができる。
【0024】
また、第1実施形態の伝送システム1では、遮断弁21aによって液通路12を遮断することによって遮断弁21aの下流側を流れる作動液の圧力を変化させることができる。これにより、遮断型の送信機21によって送信信号を送信することができる。
【0025】
第1実施形態の伝送システム1では、送信装置14から送信される送信信号を除去する絞り16が液通路12において受信装置15より下流側に設けられている。これにより、送信装置14から送信される送信信号が液通路12において下流側にある機器に影響を与えることを抑制することができる。
【0026】
<第2実施形態>
第2実施形態の伝送システム1Aは、第1実施形態の伝送システム1と構成が類似している。従って、第2実施形態の伝送システム1Aの構成については、主に第1実施形態の伝送システム1と異なる点が説明され、同一の構成については同一の符号を付して説明が省略される。なお、第3乃至第7実施形態の伝送システム1B~1Fについても同様に、同一の構成については同一の符号を付して説明が省略される。
【0027】
第2実施形態の伝送システム1Aは、液圧駆動装置3に備わっており、液圧ポンプ11と、液通路12と、送信装置14Aと、受信装置15と、絞り16と、リリーフ弁17と、制御装置18とを備えている。送信装置14Aは、図4に示すように送信機21Aを含んでいる。また、送信機21Aは、ドレン型送信機であって、ドレン通路21bと開閉弁21Aaとを有している。本実施形態において、送信機21Aは、抵抗器21dを更に有している。
【0028】
ドレン通路21bは、液通路12から分岐し且つ液通路12をドレン19に繋がっている。より詳細に説明すると、ドレン通路21bは、液通路12において絞り16より上流側に接続されている。本実施形態において、ドレン通路21bは、液通路12において接続点12aより上流側に接続されている。なお、ドレン通路21bは、液通路12において接続点12aより下流側に接続されてもよい。そして、ドレン通路21bは、液通路12の作動液をドレン19に排出させることができる。
【0029】
開閉弁21Aaは、ドレン通路21bに介在している。開閉弁21Aaは、例えばピエゾアクチュエータ型バルブである。但し、開閉弁21Aaは、電磁遮断弁であってもよい。開閉弁21Aaは、入力される指令信号に応じてドレン通路21bを開閉することによって液通路12からドレン19への作動液の排出の有無を切換える。これにより、液通路12の液圧を変化させることができるので、指令信号に応じた送信信号を液通路12に印加させることができる。例えば、開閉弁21Aaは、ドレン通路21bを開くことによって液通路12から作動液の一部を排出させる。これにより、開閉弁21Aaは、液通路12の液圧を低下させる。その後、開閉弁21Aaは、ドレン通路21bを閉じることによって液通路12からの作動液の排出を止める。これにより、開閉弁21Aaは、液通路12の液圧を復帰させる。それ故、送信機21Aは、パッシブ型の流体デジタル信号を液通路12の液圧に印加させることができる。
【0030】
抵抗器21dは、ドレン通路21bに介在している。より詳細に説明すると、抵抗器21dは、ドレン通路21bにおいて開閉弁21Aaよりドレン19側に設けられている。そして、抵抗器21dは、ドレン通路21bの圧力を立てることができる。これにより、開閉弁21Aaによってドレン通路21bを開いた際に液通路12の液圧が過度に低下することを抑制できる。本実施形態において、抵抗器21dは、絞りである。但し、抵抗器21dは、チェック弁及びリリーフ弁であってもよく、ドレン通路21bにおいて所定の液圧を発生させることできるものであればよい。また、伝送システム1Aにおいて、抵抗器21dは必ずしも必要ではなく、含まなくてもよい。
【0031】
第2実施形態の伝送システム1Aは、開閉弁21Aaを開くことによって液通路12を流れる作動液の一部をドレン19に排出することができる。これにより、液通路12を流れる作動液の圧力を変化させることができるので、ドレン型の送信機21Aから送信信号を送信することができる。
【0032】
その他、第2実施形態の伝送システム1Aは、第1実施形態の伝送システム1と同様の作用効果を奏する。
【0033】
<第3実施形態>
第3実施形態の伝送システム1Bは、液圧駆動装置3に備わっており、液圧ポンプ11と、液通路12と、送信装置14Bと、受信装置15と、絞り16と、リリーフ弁17と、制御装置18とを備えている。送信装置14Bは、図5に示すように送信機21Bを含んでいる。また、送信機21Bは、圧源型送信機であって、圧源通路21Bbと、圧液源21eと、開閉弁21Baとを有している。
【0034】
圧源通路21Bbは、分岐するように液通路12に繋がっている。より詳細に説明すると、圧源通路21Bbは、液通路12において絞り16より上流側に接続されている。本実施形態において、圧源通路21Bbは、液通路12において接続点12aより上流側に接続されている。なお、圧源通路21Bbは、液通路12において接続点12aより下流側に接続されてもよい。
【0035】
圧液源21eは、液通路12に圧源通路21Bbを介して接続されている。圧液源21eは、圧液を貯え、また圧源通路21Bbを介して液通路12に圧液を供給することができる。ここで、圧液は、作動液と同じ液体である。そして、圧液源21eは、液圧ポンプ11の吐出圧より高い圧の圧液を貯めている。本実施形態において、圧液源21eは、アキュムレータである。なお、圧液源21eは、液圧シリンダであってもよい。
【0036】
開閉弁21Baは、圧源通路21Bbに介在している。より詳細に説明すると、開閉弁21Baは、圧源通路21Bbにおいて圧液源21eより液通路12側に設けられている。また、開閉弁21Baは、例えばピエゾアクチュエータ型バルブである。但し、開閉弁21Baは、電磁遮断弁であってもよい。開閉弁21Baは、入力される指令信号に応じて圧源通路21Bbを開閉する。これにより、液通路12の液圧を変化させることができるので、指令信号に応じた送信信号を液通路12に印加させることができる。例えば、開閉弁21Baは、圧源通路21Bbを開くことによって圧液源21eから液通路12に圧液が供給される。これにより、液通路12の液圧が上昇する。その後、開閉弁21Baは、圧源通路21Bbを閉じることによって液通路12への圧液の供給を止める。そうすると、液通路12の液圧が低下する。これにより、アクティブ型の流体デジタル信号を液通路12の液圧に印加させることができる。
【0037】
第2実施形態の伝送システム1Bは、開閉弁21Baによって圧源通路21Bbを開くことによって、圧液源21eから液通路12に作動液を供給することができる。これにより、液通路12を流れる作動液の圧力を変化させることができる。これにより、圧源型の送信機21Bから送信信号を送信することができる。
【0038】
その他、第3実施形態の伝送システム1Bは、第1実施形態の伝送システム1と同様の作用効果を奏する。
【0039】
<第4実施形態>
第4実施形態の伝送システム1Cは、液圧駆動装置3に備わっており、第1液圧ポンプ11と、液通路12と、送信装置14Cと、受信装置15と、絞り16と、リリーフ弁17と、制御装置18とを備えている。送信装置14Cは、図6に示すように送信機21Cを含んでいる。送信機21Cは、供給型送信機であって、供給通路21Cbと、第2液圧ポンプ21fと、開閉弁21Caとを有している。
【0040】
供給通路21Cbは、分岐するように液通路12に繋がっている。より詳細に説明すると、供給通路21Cbは、液通路12において絞り16より上流側に接続されている。本実施形態において、供給通路21Cbは、液通路12において接続点12aより上流側に接続されている。なお、供給通路21Cbは、液通路12において接続点12aより下流側に接続されてもよい。
【0041】
圧液供給源の一例である第2液圧ポンプ21fは、液通路12に供給通路21Cbを介して接続されている。そして、第2液圧ポンプ21fは、作動液を吐出する。より詳細に説明すると、第2液圧ポンプ21fは、第1液圧ポンプ11より高い吐出圧で作動液を吐出する。第2液圧ポンプ21fは、供給通路21Cbを介して液通路12に作動液を供給する。本実施形態において、第2液圧ポンプ21fは、可変容量形の斜板ポンプである。但し、第2液圧ポンプ21fは、固定容量形の斜板ポンプ、斜軸ポンプ、及びギヤポンプ等であってもよい。
【0042】
信号発生器の一例である開閉弁21Caは、供給通路21Cbに介在している。より詳細に説明すると、開閉弁21Caは、供給通路21Cbにおいて第2液圧ポンプ21fより液通路12側に設けられている。また、開閉弁21Caは、入力される指令信号に応じて供給通路21Cbを開閉する。これにより、液通路12の液圧を変化させることができるので、指令信号に応じた送信信号を液通路12に印加させることができる。例えば、開閉弁21Caは、供給通路21Cbを開くことによって第2液圧ポンプ21fから液通路12に作動液が供給される。これにより、液通路12の液圧が上昇する。その後、開閉弁21Caは、供給通路21Cbを閉じることによって液通路12への圧液の供給を止める。そうすると、液通路12の液圧が元に戻る。これにより、アクティブ型の流体デジタル信号を液通路12の液圧に印加させることができる。また、開閉弁21Caは、例えばピエゾアクチュエータ型バルブである。但し、開閉弁21Caは、電磁遮断弁であってもよい。
【0043】
第4実施形態の伝送システム1Cは、開閉弁21Caによって第2液圧ポンプ21fから供給される作動液の液圧を変化させることで、液通路12を流れる作動液の液圧を変化させることができる。これにより、供給型の送信機21Cから送信信号を送信することができる。
【0044】
その他、第4実施形態の伝送システム1Cは、第1実施形態の伝送システム1と同様の作用効果を奏する。
【0045】
なお、第4実施形態の伝送システム1Cでは、必ずしも送信機21Cが開閉弁21Caを備えている必要はない。例えば、送信機21Cの第2液圧ポンプ21fが可変容量形の斜板ポンプ斜板の場合、信号発生器の一例であるレギュレータ装置によって斜板の傾転角を変える。これにより、第2液圧ポンプ21fの吐出圧を変えることができるので、液通路12の液圧を上昇させることができる。それ故、液通路12の液圧に送信信号を印加させることができる。
【0046】
<第5実施形態>
第5実施形態の伝送システム1Dは、液圧ポンプ11と、液通路12と、送信装置14Dと、受信装置15と、制御装置18と、を備えている。送信装置14Dは、図7に示すように送信機21Dを含んでいる。送信機21Dは、アクチュエータ型送信機であって、アクチュエータ21gと、駆動装置21hとを含んでいる。アクチュエータ21gは、例えば液圧機器2であって、液通路12を介して液圧ポンプ11に接続されている。そして、アクチュエータ21gは、液圧ポンプ11から供給される作動液によって駆動させる。また、アクチュエータ21gは、作動させることによって液通路12の液圧を変動させることができる。なお、アクチュエータ21gは、必ずしも液圧機器2と同一である必要はなく、別の液圧機器やピエゾ素子等であってもよい。
【0047】
駆動装置21hは、アクチュエータ21gに接続されている。また、駆動装置21hは、制御装置18に電気的に接続されている。駆動装置21hは、第1制御装置18から出力される指令信号に応じてアクチュエータ21gを作動させる。例えば、アクチュエータ21gが液圧シリンダである場合、駆動装置21hは、第1制御装置18から出力される指令信号に応じてアクチュエータ21gを伸縮させる。これにより、液通路12の液圧を変動させることができるので、指令信号に応じた送信信号を液通路12に印加することができる。本実施形態において、駆動装置21hは、直動アクチュエータである。但し、駆動装置21hは、別の液圧シリンダ及びエアシリンダ等であってもよい。即ち、駆動装置21hは、アクチュエータ21gを駆動できるものであればよい。
【0048】
<伝送システムの動作>
伝送システム1Dでは、制御装置18が送信する情報に応じた指令信号を駆動装置21hに出力する。そうすると、駆動装置21hは、指令信号に応じてアクチュエータ21gを作動させる。本実施形態において、駆動装置21hは、指令信号に応じてアクチュエータ21gを伸縮させる。これにより、液通路12の液圧が振動するので、指令信号に応じた送信信号が液通路12の液圧に印加される。送信信号は、液通路12の作動液を伝播することによって、受信機31に到達する。受信機31は、液通路12の液圧の変動として送信信号を受信する。これにより、受信機31に前述する情報を送信することができる。なお、伝送システム1Dでは、液圧ポンプ11によってアクチュエータ21gが作動されている場合及びアクチュエータ21gが停止している場合の何れであっても、アクチュエータ21gから送信信号を送信することができる。
【0049】
第5実施形態の伝送システム1Dは、アクチュエータ21gによって液通路12の作動液の圧力を変化させることによって、送信信号を送信することができる。
【0050】
その他、第5実施形態の伝送システム1Dは、第1実施形態の伝送システム1と同様の作用効果を奏する。
【0051】
<第6実施形態>
第6実施形態の伝送システム1Eは、液圧駆動装置3に備わっており、図8に示すように液圧ポンプ11と、液通路12と、送信装置14Eと、受信装置15と、絞り16と、リリーフ弁17と、制御装置20を備えている。なお、説明の便宜上、図8において絞り16及びリリーフ弁17については図示が省略されている。後述する、第7及び第8実施形態の伝送システム1F、1Gについても同様に絞り16及びリリーフ弁17が省略される。
【0052】
液圧ポンプ11は、前述の通り可変容量形のポンプであって、レギュレータ装置11aを有している。レギュレータ装置11aは、入力される容量信号に応じて液圧ポンプ11の吐出容量を変える。より詳細に説明すると、液圧ポンプ11は、前述の通り斜板ポンプであって、レギュレータ装置11aが液圧ポンプ11の斜板11bの傾転角を容量信号に応じて変える。これにより、液圧ポンプ11の吐出容量が変更される。
【0053】
送信装置14Eは、第2実施形態の送信装置14Aと同様に送信機21Aを含む。また、送信機21Aは、ドレン型送信機であって、ドレン通路21bと、開閉弁21Aaと、抵抗器21dとを有している。そして、送信装置14Eでは、ドレン通路21bが液通路12であって受信装置15の下流側且つ絞り16の上流側に設けられている。
【0054】
また、伝送システム1Eは、更に圧力センサ41と、位置センサ42と、信号生成器43とを備えている。圧力センサ41は、液圧シリンダ2の液圧を検出している。位置センサ42は、液圧シリンダ2のロッド2aの位置を検出する。信号生成器43は、圧力センサ41及び位置センサ42に電気的に接続されている。そして、信号生成器43は、圧力センサ41で検出されるシリンダ圧及び位置センサ42で検出されるロッド位置を含む検出結果に基づいて指令信号を生成する。そして、信号生成器43は、生成された指令信号を開閉弁21Aaに出力する。これにより、シリンダ圧及びロッド位置を示す送信信号が送信機21Aによって液通路12の液圧に印加される。なお、本実施形態においても、液圧シリンダ2は、液圧機器2の一例に過ぎず、液圧機器2は、液圧モータ等の他のものであってもよい。
【0055】
制御装置20は、受信装置15の受信機31と電気的に接続されている。そして、制御装置20は、受信装置15の受信機31で受信する送信信号に基づいて液圧ポンプ11の吐出容量を制御する。より詳細に説明すると、制御装置20は、送信信号に基づいて液圧シリンダ2のシリンダ圧及びロッド位置を取得する。また、制御装置20は、例えばプログラム等に基づいて得られるシリンダ圧及びロッド位置と、取得したシリンダ圧及びロッド位置とを比較する。そして、制御装置20は、比較結果に基づいてレギュレータ装置11aに容量信号を出力することによって、液圧ポンプ11の吐出容量を変える。これにより、液圧シリンダ2のシリンダ圧及びロッド位置等が所望の値へと制御される。また、制御装置20は、取得したシリンダ圧及びロッド位置をディスプレイ等の表示装置(図示せず)に表示することができる。
【0056】
第6実施形態の伝送システム1では、液圧シリンダ2において検出される状態値(例えばシリンダ圧及びロッド位置)を送信装置14から受信装置15に送信信号によって伝送することができる。そして、伝送される状態値に基づいて液圧ポンプ11の動きを制御することができる。それ故、電気信号以外の態様で情報を伝送して液圧ポンプ11を制御することができる。
【0057】
その他、第6実施形態の伝送システム1Eは、第1実施形態の伝送システム1と同様の作用効果を奏する。
【0058】
<第7実施形態>
第7実施形態の伝送システム1Fは、液圧駆動装置3Fに備わっており、図9に示すように液圧ポンプ11と、液通路12と、送信装置14と、受信装置15Fと、絞り16と、リリーフ弁17と、制御装置18とを備えている。液圧駆動装置3Fは、複数の液圧シリンダ2に繋がっている。本実施形態において、液圧駆動装置3Fは、3つの液圧シリンダ4~6に繋がっている。但し、液圧駆動装置3Fは、2つ又は4つ以上の液圧シリンダに繋がっていてもよく、液圧シリンダ4~6以外の液圧機器に繋がっていてもよい。より詳細に説明すると、液圧駆動装置3Fは、液圧ポンプ11と、液通路12Fと、複数の方向制御弁25~27を備えている。
【0059】
液通路12Fは、互いに並列するように3つの液圧シリンダ4~6に接続されている。即ち、液通路12Fは、複数の分岐通路(本実施形態において3つの分岐通路)12b~12dを含んでいる。そして、各々の分岐通路12b~12dに液圧シリンダ4~6が夫々繋がっている。また、複数の方向制御弁25~27の各々は、各液圧シリンダ4~6に対応させて各々の分岐通路12b~12dに介在している。そして、複数の方向制御弁25~27の各々は、他の実施形態の方向制御弁13と同様に構成されており、対応する液圧シリンダ4~6への作動液の流れを制御する。
【0060】
受信装置15Fは、複数の受信機32~34を含んでいる。複数の受信機32~34の各々は、複数の方向制御弁25~27の各々に対応付けられている。本実施形態において、受信装置15Fは、方向制御弁25~27の数と同数、即ち3つの受信機32~34を含んでいる。3つの受信機32~34は、液通路12Fに夫々接続されている。より詳細に説明すると、3つの受信機32~34は、例えば対応する方向制御弁25~27が介在する分岐通路12b~12dに夫々接続されている。但し、3つの受信機32~34は、液通路12Fのどの位置に接続されてもよい。また、受信機32~34は、前述の通り圧力センサであって、液通路12Fの作動液の液圧を検出することによって送信信号を受信する。
【0061】
また、複数の受信機32~34の各々は、本実施形態において対応する方向制御弁25~27に電気的に接続されている。各受信機32~34は、送信信号に基づいて対応する方向制御弁25~27に切換信号を出力する。これにより、対応する液圧シリンダ4~6を作動せることができる。
【0062】
送信装置14は、送信機21を含んでいる。なお、伝送システム1Fは、送信装置14に限定されず、送信装置14A~14E及び後述する送信装置14Gの何れを備えていてもよい。制御装置18は、送信装置14の送信機21に送信信号を送信させる。より詳細に説明すると、制御装置18は、複数の受信機32~34の各々に応じた多重化した送信信号を送信機21に送信させる。例えば、制御装置18は、予め定められる多重化方式に基づいて多重化した送信信号を送信機21によって液通路12の液圧に印加させる。多重化された送信信号には、各受信機32~34の各々に対する情報及び指令が含まれている。制御装置18は、送信機21から多重化された送信信号を送信することによって受信機32~34の各々に対応する情報及び指令を送ることができる。なお、多重化方式は、例えば周波数分割多重方式、時分割多重方式、符号分割多重方式、及び波長分割多重方式である。
【0063】
<伝送システムの動作>
伝送システム1Fでは、制御装置18が送信機21に指令信号を出力することによって、多重化された送信信号が送信機21によって液通路12の液圧に印加される。3つの受信機32~34は、多重化された送信信号において対応する情報及び指令を受け取る。例えば、多重化された送信信号において、液圧シリンダ4,5を作動させる指令と、液圧シリンダ6を停止させる指令が含まれている場合について説明する。この場合、3つの受信機32~34のうち2つの受信機32,33が方向制御弁25に切換信号を出力する。これにより、2つの液圧シリンダ4,5を作動させることができる。
【0064】
第7実施形態の伝送システム1Fは、送信装置14から複数の受信機31に送信信号を送信することができる。
【0065】
その他、伝送システム1Fは、第1実施形態の伝送システム1と同様の作用効果を奏する。
【0066】
<第8実施形態>
第8実施形態の伝送システム1Gは、液圧駆動装置3Fに備わっており、図10に示すように液圧ポンプ11と、液通路12と、送信装置14Gと、受信装置15と、絞り16と、リリーフ弁17と、制御装置20とを備えている。また、液圧シリンダ4~6の各々には、位置センサ44~46が設けられている。これにより、液圧シリンダ4~6のロッド4a~6aの位置を検出することができる。
【0067】
送信装置14Gは、複数の送信機22~24を有している。複数の送信機22~24は、例えば送信機21と同様に構成されている。なお、複数の送信機22は、送信機21A~21Cの何れかと同一の構成とされてもよく、液通路12の液圧を変動させることによって液通路12の液圧に送信信号を印加できるものであればよい。なお、送信装置14Gは、本実施形態において3つの送信機21を含んでいる。3つの送信機22~24は、液圧シリンダ4~6に夫々対応付けられている。そして、3つの送信機22~24は、対応する液圧シリンダ4~6の位置センサ44~46と電気的に接続されている。位置センサ44~46は、ロッド位置を検出する。そして、送信機22~24の各々は、対応する位置センサ44~46で検出されるロッド位置を個別信号として出力することができる。
【0068】
送信装置14Gは、予め定められる多重化方式で各個別信号を多重化した送信信号を送信する。より詳細に説明すると、送信装置14Gは、例えば3つの送信機22~24の各々が個別信号の周波数を変えること(周波数分割多重方式)によって多重化した送信信号を液通路12の液圧に印加する。但し、送信装置14Gは、3つの送信機22~24の各々が異なるタイミングで個別信号を送信すること(時分割多重方式)によって多重化した送信信号を液通路12の液圧に印加する。その他、多重化方式は、符号分割多重方式、及び波長分割多重方式であってもよい。
【0069】
受信装置15の受信機31は、液通路12の液圧を検出することによって多重化された送信信号を受信する。受信機31は、制御装置18に受信した送信信号を出力する、制御装置18は、送信信号から各々の個別信号を取り出す。これにより、制御装置18は、各送信機22~23から送信される個別信号に含まれる各液圧シリンダ4~6のロッド位置を取得することができる。
【0070】
<伝送システムの動作>
伝送システム1Gでは、送信装置14Gから各送信機22~24によって個別信号を多重化した送信信号が液通路12の液圧に印加される。受信機31は、多重化された送信信号を受信する。そして、制御装置18は、受信機31が受信した送信信号から個別信号を取得する。制御装置18は、各液圧シリンダ4~6のロッド位置を取得することができる。
【0071】
第8実施形態の伝送システム1Gは、複数の送信機21から送信される送信信号を受信機31にて受信することができる。
【0072】
その他、伝送システム1Gは、第1実施形態の伝送システム1と同様の作用効果を奏する。
【0073】
<その他の実施形態>
第1乃至第8実施形態の伝送システム1,1A~1Gは、必ずしも液圧駆動装置3に備わっている必要はなく、単体で機械及び設備に備わっていてもよい。また、伝送システム1,1A~1Gの液圧ポンプ11は、必ずしも液圧機器2に接続されている必要はない。例えば、液圧ポンプ11は、液通路12を介して絞り、チェック弁、及びリリーフ弁等の抵抗器に接続されていてもよい。即ち、液圧ポンプ11は、液通路12の液体に所定の圧力を発生させることができるものに接続されていればよい。更に、伝送システム1,1A~1Gが送信信号を印加する液体もまた作動液に限定されない。更に、伝送システム1,1A~1Gにおいて、送信信号を送信すべく変化させる液体の状態量は、圧力に限定されず、流量であってもよい。この際、受信機31~34は、流量を検出することによって送信信号を受信する。更に、伝送システム1,1A~1Gの送信機21,21A~21Cは、あくまで一例であって、液通路12の液圧を変動できる構成であればよい。
【0074】
また、第1乃至第8実施形態の伝送システム1,1A~1Gの方向制御弁13は、前述の通り方向切換弁であってもよい。この場合、方向制御弁13のポジションに関する指令を含む送信信号が液通路12の作動液に印加される。これにより、方向制御弁13によって液圧シリンダ2への作動液の流れを切換えることができるので、液圧シリンダ2を伸縮させることができる。更に、絞り16は、印加される送信信号を除去できる信号除去部であってもよい。信号除去部は、例えば液通路12の断面積より十分に大きい信号除去空間、及びホルムヘルツ型のサイレンサーであってもよい。
【0075】
<例示的な実施形態>
第1の局面における伝送システムは、液通路に液体を吐出するポンプと、前記液通路を流れる液体の状態量を変化させることによって送信信号を送信する少なくとも1つの送信機を含む送信装置と、前記液通路を流れる液体の状態量を検出することによって、前記送信機から送信される送信信号を受信する少なくとも1つの受信機を含む受信装置と、を備える。上記局面によれば、液通路を流れる液体を介して送信装置から受信装置に信号を伝送することができる。これにより、電気信号以外の態様で情報を伝送することができる。
【0076】
第2の局面における伝送システムは、第1の局面における伝送システムにおいて、前記送信装置は、前記液通路を遮断する遮断弁を含む前記送信機である遮断型送信機を少なくとも1つ有し、前記受信機は、前記遮断弁の下流側において前記液通路に接続されている。上記局面によれば、遮断弁によって液通路を遮断することによって遮断弁の下流側を流れる液体の状態量を変化させることができる。これにより、遮断型送信機によって送信信号を送信することができる。
【0077】
第3の局面における伝送システムは、第1又は2の局面における伝送システムにおいて、前記送信装置は、前記液通路から分岐し且つ前記液通路をドレンに繋ぐドレン通路を開閉する開閉弁を含む前記送信機であるドレン型送信機を少なくとも1つ含んでいる。上記局面によれば、開閉弁を開くことによって液通路を流れる液体の一部をドレンに排出することができる。これにより、液通路を流れる液体の状態量を変化させることができるので、ドレン型送信機から送信信号を送信することができる。
【0078】
第4の局面における伝送システムは、第1乃至3の局面における伝送システムにおいて、前記送信装置は、前記液通路に圧源通路を介して接続され且つ圧液を貯える圧液源と、前記圧源通路を開閉する開閉弁と、を含む前記送信機である圧源型送信機を少なくとも1つ含んでいる。上記局面によれば、開閉弁によって圧源通路を開くことによって、圧液源から液通路に液体を供給することができる。これにより、液通路を流れる液体の状態量を変化させることができる。これにより、圧源型送信機から送信信号を送信することができる。
【0079】
第5の局面における伝送システムは、第1乃至4の局面における伝送システムにおいて、前記送信装置は、前記液通路に液体を供給する圧液供給源と、前記圧液供給源から供給される液体の状態量を変化させる信号発生器と、を含む前記送信機である供給型送信機を少なくとも1つ含んでいる。上記局面によれば、信号発生器によって圧液供給源から供給される液体の状態量を変化させることで、それが供給される液通路を流れる液体の状態量を変化させることができる。これにより、供給型送信機から送信信号を送信することができる。
【0080】
第6の局面における伝送システムは、第1乃至5の局面における伝送システムにおいて、前記送信装置は、前記液通路を介して前記ポンプに接続されるアクチュエータを含む前記送信機であるアクチュエータ型送信機を少なくとも1つ有し、前記アクチュエータは、作動することによって前記液通路の液体の状態量を変化させて送信信号を送信する。上記局面によれば、アクチュエータによって液通路の液体の状態量を変化させることによって、送信信号を送信することができる。
【0081】
第7の局面における伝送システムは、第1乃至6の局面における伝送システムにおいて、前記液通路において前記受信装置より下流側に設けられ、前記送信装置から送信される送信信号を除去する信号除去部を備える。上記局面によれば、送信装置から送信される送信信号を除去する信号除去部が液通路において受信装置より下流側に設けられている。これにより、送信装置から送信される送信信号が液通路の下流側にある機器に影響を与えることを抑制することができる。
【0082】
第8の局面における伝送システムは、第1乃至7の局面における伝送システムにおいて、前記受信装置は、複数の前記受信機を有し、前記送信装置は、前記複数の受信機の各々に応じた多重化した送信信号を送信する。上記局面によれば、送信装置から複数の受信機に送信信号を送信することができる。
【0083】
第9の局面における伝送システムは、第1乃至8の局面における伝送システムにおいて、前記送信装置は、前記液通路に夫々接続される複数の前記送信機を有し、前記複数の送信機の各々から送信される個別信号を多重化した送信信号を送信する。上記局面によれば、複数の送信機から送信される送信信号を受信機にて受信することができる。
【符号の説明】
【0084】
1,1A~1G 伝送システム
11 液圧ポンプ
12,12F 液通路
14,14A~14G 送信装置
15,15F 受信装置
19 ドレン
21,21A~21D 送信機
21a 遮断弁
21Aa 開閉弁
21b ドレン通路
21Ba 開閉弁
21Bb 圧源通路
21Ca 開閉弁(信号発生器)
21e 圧液源
21f 第2液圧ポンプ(圧液供給源)
21g アクチュエータ
22~24 送信機
31~34 受信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10