(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172769
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】容器及び位置決め部材
(51)【国際特許分類】
B65D 21/06 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
B65D21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084813
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】鷲見 浩史
【テーマコード(参考)】
3E006
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA02
3E006CA01
3E006DA04
3E006DB03
3E006JA02
(57)【要約】
【課題】容器のネスティングの浅さを、設定自在とする。
【解決手段】容器1は、底壁部21と、底壁部21の周縁部から上方に立設された周壁部23と、周壁部23に装着された位置決め部材5とを備える。位置決め部材5は、容器1を、これとは別の下側の容器1Lに対してネスティングしたときに、下側の容器1Lの一部に当接して、下側の容器1Lとのネスティングを浅く保つように構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁部と、
前記底壁部の周縁部から上方に立設された周壁部と、
前記周壁部に装着された位置決め部材と、を備えた容器であって、
前記位置決め部材は、
前記容器を、これとは別の下側の容器に対してネスティングしたときに、前記下側の容器の一部に当接して、前記下側の容器とのネスティングを浅く保つように構成されている、
容器。
【請求項2】
前記位置決め部材は、前記周壁部に対する上下移動を規制する規制凸部を有する、
請求項1の容器。
【請求項3】
前記周壁部に装着されたスタッキング用の金具を、更に備え、
前記金具は、前記容器に対してこれとは別の上側の容器を載せたときに、前記上側の容器の下端部に当接して、前記上側の容器とのスタッキング状態を保つように構成されており、
前記容器を、前記下側の容器に対してネスティングしたときに、前記金具は、前記下側の容器との間に収容される、
請求項1又は2の容器。
【請求項4】
容器本体に装着可能な位置決め部材であって、
前記容器本体は、
底壁部と、
前記底壁部の周縁部から上方に立設された周壁部と、を備え、
前記位置決め部材は、
前記周壁部に装着可能に構成されているとともに、
前記位置決め部材が装着された前記容器本体を、これとは別の下側の容器に対してネスティングしたときに、前記位置決め部材が前記下側の容器の一部に当接して、前記下側の容器とのネスティングを浅く保つように構成されている、
位置決め部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器及び位置決め部材に関する。
【背景技術】
【0002】
上方に開放された容器を、いわゆるネスティング状態となるように上下に積み重ねることが、従来知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この種の容器においては、容器を上下に積み重ねたときに、どの程度の浅さでのネスティングされるのかについて、予め設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の容器においては、例えば、経年劣化によって容器の寸法形状に変化が生じたときに、上下の容器の嵌合がきつくなり、上下の容器を分離することが困難となる場合がある。これは、当初設定されたネスティングの設定が、経年劣化後の容器においては不適切であることに起因する。
【0006】
本開示が解決しようとする課題は、容器のネスティングの浅さを自在に設定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一様態に係る容器は、底壁部と、前記底壁部の周縁部から上方に立設された周壁部と、前記周壁部に装着された位置決め部材と、を備えた容器であって、前記位置決め部材は、前記容器を、これとは別の下側の容器に対してネスティングしたときに、前記下側の容器の一部に当接して、前記下側の容器とのネスティングを浅く保つように構成されている。
【0008】
本開示の一様態に係る位置決め部材は、容器本体に装着可能な位置決め部材であって、前記容器本体は、底壁部と、前記底壁部の周縁部から上方に立設された周壁部と、を備え、前記位置決め部材は、前記周壁部に装着可能に構成されているとともに、前記位置決め部材が装着された前記容器本体を、これとは別の下側の容器に対してネスティングしたときに、前記位置決め部材が前記下側の容器の一部に当接して、前記下側の容器とのネスティングを浅く保つように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、容器のネスティングの浅さを自在に設定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態の容器の全体斜視図である。
【
図2】
図2Aは、同上の容器の要部を拡大した正面図であり、
図2Bは、同上の要部の背面図である。
【
図3】
図3Aは、同上の容器が備える位置決め部材の斜視図であり、
図3Bは、同上の位置決め部材の別の斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の位置決め部材を容器本体に装着する途中段階を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の容器を上下にネスティングした正面図である。
【
図6】
図6は、同上の容器をスタッキング用にセッティングした斜視図である。
【
図7】
図7は、第1変形例の容器を上下にネスティングした正面図である。
【
図8】
図8Aは、第2変形例の位置決め部材の斜視図であり、
図8Bは、同上の位置決め部材を備える容器の要部背面図であり、
図8Cは、
図8BのA-A線断面図である。
【
図9】
図9Aは、第3変形例の位置決め部材の斜視図であり、
図9Bは、同上の位置決め部材を備える容器の要部背面図であり、
図9Cは、
図9BのB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)実施形態
(1-1)容器の全体構造
図1には、一実施形態の容器1の全体を示している。容器1は、容器本体2と、容器本体2に装着された4つの位置決め部材5と、2つの金具6とを備える。2つの金具6は、いわゆるスタッキング用の金具である。
【0012】
以下の説明において用いる上下、左右等の各方向は、容器1が水平面上に置かれた状態を基準とする。容器1が水平面上に置かれた状態で、容器1(つまり容器本体2)は、上方に向けて開放されている。
【0013】
(1-2)容器本体
容器本体2は、底壁部21と、底壁部21の周縁部から上方に立設された周壁部23と、周壁部23の上端部を構成するフランジ部25とを備える。
【0014】
容器本体2の底壁部21と周壁部23は、合成樹脂によって一体に形成されている。容器本体2の各構成について、以下に説明する。
【0015】
(1-2-1)底壁部
底壁部21は、矩形平板状である。底壁部21は、互いに平行である一対の長辺部と、互いに平行である一対の短辺部とを有する。底壁部21の周方向において、長辺部と短辺部とは交互に位置する。
【0016】
なお、本文中で用いる平行の文言は、厳密な意味での平行に限定されず、当該分野において平行とみなし得る程度のものを含む。
【0017】
底壁部21の外形は、容器本体2の上端開口よりもひと回り小さく設けられている。
【0018】
(1-2-2)周壁部
周壁部23は、互いに対向して位置する一対の第1側壁31と、互いに対向して位置する一対の第2側壁32とを含む。周壁部23の周方向において、第1側壁31と第2側壁32とは、交互に位置する。
【0019】
周壁部23において、一対の第1側壁31と一対の第2側壁32とは、合成樹脂によって一体に形成されている。
【0020】
一対の第1側壁31は、底壁部21が有する一対の長辺部から、上方に立設されている。一対の第1側壁31は、真上に立設されていない。一対の第1側壁31は、それぞれ上側の部分ほど外側方に位置するように、傾斜している。言い換えれば、一対の第1側壁31は、上側の部分ほど互いの距離が広がるように、傾斜している。
【0021】
一対の第2側壁32は、矩形状である底壁部21の一対の短辺部から、上方に立設されている。一対の第2側壁32は、真上に立設されていない。一対の第2側壁32は、それぞれ上側の部分ほど外側方に位置するように、傾斜している。言い換えれば、一対の第2側壁32は、上側の部分ほど互いの距離が広がるように、傾斜している。
【0022】
したがって、周壁部23は、上側の部分ほど開口面積が漸次大きくなるように、全体が傾斜している。ここでの開口面積は、水平断面における開口面積である。
【0023】
周壁部23には、標準のスタッキングに用いられる位置決め構造27が、設けられている。ここでの標準のスタッキングは、容器本体2に位置決め部材5を装着しないときのスタッキングを意味する。
【0024】
位置決め構造27は、一対の第1側壁31及び一対の第2側壁32のそれぞれに、設けられている。
【0025】
一対の第1側壁31に設けられた位置決め構造27は、横方向に距離をあけて位置する複数の縦リブ状の突片271で、構成されている。複数の突片271の下端は、互いに同一の高さに位置する。一実施形態における複数の突片271は、互いに平行な2つの突片271である。
【0026】
一対の第2側壁32に設けられた位置決め構造27は、横方向に距離をあけて位置する複数の縦リブ状の突片272で、構成されている。複数の突片272の下端は、互いに同一の高さに位置する。一実施形態における複数の突片272は、互いに平行な4つの突片272である。
【0027】
これら複数の縦リブ状の突片271,272は、容器本体2を、これとは別の下側の容器に対してネスティングするときに、下側の容器の上端部に当接するように構成されている。ここでの下側の容器には、一実施形態の容器本体2と同一の構成を備えたものが想定される。
【0028】
(1-2-3)複数の貫通孔
周壁部23は、複数の貫通孔24を有する。周壁部23の全体に設けられた複数の貫通孔24を、以下では「多数の貫通孔24」という。
【0029】
多数の貫通孔24は、それぞれ上下に長い貫通孔24である。各貫通孔24の上端縁は、上に凸の円弧状であり、各貫通孔24の下端縁は、下に凸の円弧状である。各貫通孔24の上端縁と下端縁とをつなぐ左右の側端縁は、上下に伸びる直線状である。
【0030】
周壁部23の多数の貫通孔24は、一対の第1側壁31に設けられた複数の貫通孔24と、一対の第2側壁32に設けられた複数の貫通孔24とを含む。
【0031】
一対の第1側壁31に設けられた複数の貫通孔24と、一対の第2側壁32に設けられた複数の貫通孔24は、それぞれ第1列目、第2列目、第3列目、第4列目及び第5列目の貫通孔群を含む。第1列目、第2列目、第3列目、第4列目及び第5列目の貫通孔群は、この順で上から下に位置する。最も上に位置する貫通孔群が、第1列目の貫通孔群であり、これの下に位置する貫通孔群が、第2列目の貫通孔群である。
【0032】
第1列目、第2列目、第3列目、第4列目及び第5列目の貫通孔群は、それぞれ横方向に並ぶ複数の貫通孔24で構成されている。各列において、上下に長い複数の貫通孔24は、互いに平行である。
【0033】
一実施形態では、一対の第1側壁31の第1列目の貫通孔群のうち、横方向に並んだ3つの貫通孔24が、1つの位置決め部材5の装着に用いられる(
図2B参照)。
【0034】
より詳細には、横方向に並んだ3つの貫通孔24のうち、横方向の両端の2つの貫通孔24(以下、符号24a,24bを付す。)が、位置決め部材5の係止に用いられる。3つの貫通孔24のうち、2つの貫通孔24a,24bの間に位置する1つの貫通孔24(以下、符号24cを付す。)が、位置決め部材5の上下の移動規制に用いられる。
【0035】
これら3つの貫通孔24a,24b,24cは、第1側壁31の第1列目の貫通孔群に含まれる複数の貫通孔24のうちから、適宜に選択され得る。
【0036】
(1-2-4)フランジ部
周壁部23の上端部を構成するフランジ部25は、容器本体2のフランジ部25を除いた部分よりも、外側方に突出している。
【0037】
フランジ部25は、平面視において矩形枠状状である。フランジ部25の内側に形成される矩形状の開口は、底壁部21の矩形状の外形よりも、一回り大きい。
【0038】
フランジ部25は、一対の第1側壁31のそれぞれの上端部を構成する一対の第1部分251と、一対の第2側壁32のそれぞれの上端部を構成する一対の第2部分252とを含む。一対の第1部分251と一対の第2部分252とは、一体に形成されている。
【0039】
フランジ部25の周方向において、直線状である第1部分251と、同じく直線状である第2部分252とが、交互に位置する。フランジ部25において第1部分251と第2部分252とが交差する部分が、コーナー部分である。フランジ部25は、コーナー部分を4箇所に有する。
【0040】
フランジ部25には、4つの凹み255が設けられている。4つの凹み255は、それぞれ下方に向けて円弧状に凹んでいる。
【0041】
4つの凹み255のうち2つの凹み255は、一方の第1部分251の上面に設けられ、4つの凹み255のうち別の2つの凹み255は、他方の第1部分251の上面に設けられている。各第1部分251において、2つの凹み255は、第1部分251の長手方向に距離をあけて位置している。
【0042】
更に、フランジ部25には、2つの金具6を回転可能に装着するための二対の穴26が、設けられている。二対の穴26(つまり4つの穴26)は、フランジ部25に含まれる4つのコーナー部分に、設けられている。
【0043】
二対の穴26のうち一対は、2つの金具6のうち1つの金具6を装着するために用いられる。この一対の穴26は、フランジ部25の互いに隣接するコーナー部分において、互いに反対側に向けて開放されている。
【0044】
二対の穴26のうち別の一対は、2つの金具6のうち別の金具6を装着するために用いられる。別の一対の穴26は、フランジ部25の互いに隣接するコーナー部分において、互いに反対側に向けて開放されている。
【0045】
(1-3)位置決め部材
位置決め部材5は、容器本体2の周壁部23の外周面に対して装着可能に構成された、合成樹脂製の部材である。位置決め部材5は、周壁部23に対して着脱が可能である。
【0046】
一実施形態において、位置決め部材5は、周壁部23に設定された複数の箇所のうち任意の箇所に、装着が可能である。より具体的に述べると、位置決め部材5は、一対の第1側壁31に設定された複数の箇所のうち任意の箇所に、装着が可能である。
【0047】
図1等に示すように、一実施形態では、容器本体2の周壁部23に、都合4つの位置決め部材5が装着されている。より具体的に述べると、一対の第1側壁31のそれぞれにおいて、横方向に距離をあけた2つの箇所に位置決め部材5が装着されている。位置決め部材5の詳細な配置については、後述する。
【0048】
図3A、
図3Bに示すように、位置決め部材5は、正面視において矩形状の外形を有する部材本体51と、部材本体51と一体に設けられた係止部53及びフック部55とを含む。
【0049】
部材本体51は、互いに反対側を向く正面512及び背面514を有する。位置決め部材5を容器本体2に装着した状態で、部材本体51の正面512は外側方を向き、部材本体51の背面514は内側方を向く。
【0050】
更に、部材本体51は、平坦な下端面516を有する。位置決め部材5を容器本体2に装着した状態で、部材本体51の下端面516は下方を向く。
【0051】
係止部53は、部材本体51の背面514に設けられている(
図3B参照)。係止部53は、周壁部23に対して弾性的に係止する機能を有する。
【0052】
係止部53は、2つの貫通孔24a,24bにそれぞれ弾性的に係止する2つの係止体54を、含む。各係止体54は、横方向に距離をあけて位置する一対の弾性片541を有する。一対の弾性片541の先端部分は、互いに離れる向きに屈曲している。
【0053】
フック部55は、部材本体51の背面514に設けられている。フック部55は、周壁部23に対して引っ掛かる機能を有する。
【0054】
フック部55は、2つの貫通孔24a,24bの下端縁に対してそれぞれ上方から引っ掛かる2つのフック56を、含む。2つのフック56の先端部分は、それぞれ下方に向けてL字型に屈曲している。
【0055】
位置決め部材5は、部材本体51と一体に設けられた規制凸部57を、更に含む。規制凸部57は、容器本体2に対する位置決め部材5の上下移動を規制する機能を、有する。一実施形態において、規制凸部57は、容器本体2に対する位置決め部材5の横方向の移動を規制する機能を、更に有する。
【0056】
規制凸部57は、上下に並んだ2つの突起58を含む。2つの突起58は、それぞれ円柱状である。2つの突起58のうち上側の突起58が、容器本体2に対する位置決め部材5の上移動を規制する機能を有する。2つの突起58のうち下側の突起58が、容器本体2に対する位置決め部材5の下移動を規制する機能を有する。
【0057】
一実施形態において、位置決め部材5の係止部53は、フック部55の上方に位置する。
【0058】
係止部53に含まれる2つの係止体54は、横方向(言い換えれば左右方向)に距離をあけて位置している。
【0059】
フック部55に含まれる2つのフック56は、横方向(言い換えれば左右方向)に距離をあけて位置している。
【0060】
2つのフック56のうち左側のフック56は、2つの係止体54のうち左側の係止体54の下方に、位置している。2つのフック56のうち右側のフック56は、2つの係止体54のうち右側の係止体54の下方に、位置している。
【0061】
規制凸部57に含まれる2つの突起58は、横方向において、左右2つの係止体54の間に位置している。また、2つの突起58は、横方向において、左右2つのフック56の間に位置している。
【0062】
位置決め部材5を第1側壁31に装着した状態において、3つの貫通孔24a,24b,24cのうち両端の2つの貫通孔24a,24bに、2つの係止体54と2つのフック56とが差し込まれる(
図2B参照)。
【0063】
より具体的には、左側の貫通孔24aに、左側の係止体54と左側のフック56とが差し込まれる。右側の貫通孔24bに、右側の係止体54と右側のフック56とが差し込まれる。
【0064】
左側の係止体54が有する一対の弾性片541は、左側の貫通孔24aの左右の側端縁に当たり、第1側壁31に対して内側から係止する。右側の係止体54が有する一対の弾性片541は、右側の貫通孔24bの左右の側端縁に当たり、第1側壁31に対して内側から係止する。
【0065】
左側のフック56は、左側の貫通孔24aの下端縁に当たり、第1側壁31に対して内側から引っ掛かる。右側のフック56は、右側の貫通孔24bの下端縁に当たり、第1側壁31に対して内側から引っ掛かる。
【0066】
位置決め部材5を第1側壁31に装着した状態において、3つの貫通孔24a,24b,24cのうち中間に位置する1つの貫通孔24cには、規制凸部57が差し込まれる。つまり、中間に位置する1つの貫通孔24cに、上下2つの突起58が差し込まれる。
【0067】
上下2つの突起58のうち上側の突起58が、貫通孔24cの上端縁に当たることで、周壁部23に対する位置決め部材5の上移動が規制される。上下2つの突起58のうち下側の突起58が、貫通孔24cの下端縁に当たることで、周壁部23に対する位置決め部材5の下移動が規制される。
【0068】
一実施形態において、位置決め部材5は、金型を用いた上下抜きの手法で、成形されている。位置決め部材5の係止部53は、金型の合わせ面に対応した段差部分535を有している(
図3B参照)。
【0069】
(1-4)位置決め部材の取付方法
位置決め部材5の容器本体2への取付方法は、以下の第1及び第2工程を含む。
【0070】
第1工程では、例えば
図4に示すように、第1側壁31の外側方から、装着に利用する左右2つの貫通孔24に対して、左右のフック56を差し込む。
【0071】
第2工程では、第1工程の後に、部材本体51を第1側壁31に向けて押し込む。つまり、左右のフック56が2つの貫通孔24に引っ掛かり、かつ、左右の係止体54が係止していない状態で、部材本体51の正面512を内側方に向けて押し込む。これにより、左右の係止体54の先端部分が、2つの貫通孔24に係止する。
【0072】
加えて、第2工程では、上下2つの突起58が、左右2つの貫通孔24の間に位置する別の貫通孔24に、差し込まれる。
【0073】
(1-5)位置決め部材の詳細な配置
一実施形態において、容器本体2の各第1側壁31には、2つの位置決め部材5がフランジ部25の下面と当接するように配置されている。横方向に並んで位置する左右2つの位置決め部材5は、フランジ部25の下面と当接可能な上面を有している。
【0074】
そのため、第1側壁31に対して位置決め部材5が上方に移動することは、フランジ部25に当たることで規制される。つまり、フランジ部25が、周壁部23に対する位置決め部材5の上移動を規制する機能を、有する。
【0075】
加えて、後述のネスティング時に、位置決め部材5には上向きに負荷が掛かるが、この負荷をフランジ部25によって受けることが可能である。また、開口が下を向く姿勢で容器1を複数積み重ねて置いたときにも位置決め部材5には負荷が掛かるが、この負荷をフランジ部25で受けることが可能である。
【0076】
つまり、フランジ部25は、位置決め部材5の負荷を受ける規制する機能を、有する。この機能により、位置決め部材5の破損や脱落が抑制される。第1側壁31に、位置決め部材5の下側や周辺に位置するように縦リブが更に設けられていると、剛性が一層高まり、より高負荷を受けることが可能となる。
【0077】
また、一実施形態において、左右2つの位置決め部材5は、周壁部23のコーナー部分の近傍に配置されている。例えば、第1側壁31を横方向において3等分したとき、中央の区分を除いた左右両側の区分に位置するように、左右2つの位置決め部材5が配置されることが好ましい。また、第1側壁31を横方向において4等分したとき、左右両端の区分に位置するように、左右2つの位置決め部材5が配置されることも好ましい。
【0078】
周壁部23は、全体が膨らむような変形を生じやすい部分であるが、その場合でも周壁部23のコーナー部分の近傍は比較的に変形を生じにくいので、この配置によれば位置決め部材5の脱落が抑制される。
【0079】
また、一実施形態において、左右2つの位置決め部材5は、左右2つの突片271に隣接して配置されている。左右2つの位置決め部材5は、横方向において左右2つの突片271に挟まれる位置に、配置されている。
【0080】
第1側壁31を横方向において3等分したとき、左側の区分において、左側の突片271と位置決め部材5とが隣接し、位置決め部材5は突片271の右側に位置する。右側の区分においては、右側の突片271と位置決め部材5とが隣接し、位置決め部材5は突片271の左側に位置する。
【0081】
位置決め部材5の近傍に突片271が位置することで、第1側壁31のうち位置決め部材5が配置される部分での変形が生じにくくなり、位置決め部材5の脱落が抑制される。
【0082】
一実施形態において、第1側壁31の位置決め部材5の近傍には、更に縦リブ28が設けられている(
図2A参照)。縦リブ28は、突片271と位置決め部材5との間に位置する。突片271と位置決め部材5とは、互いに平行である。
【0083】
位置決め部材5の近傍に、上下に長い突片271と縦リブ28とが位置することで、第1側壁31のうち位置決め部材5が配置される部分での変形が更に生じにくくなり、位置決め部材5の脱落が抑制される。
【0084】
(1-6)金具
2つの金具6は、以下の共通の構成を備える。
【0085】
金具6は、一本の金属製の線材が複数箇所で屈曲した構造を有する。
【0086】
金具6は、両端に位置する一対のピン状の接続端部61と、一対の接続端部61からそれぞれ延長された一対の棒状の延長部63と、一対の延長部63同士をつなぐ折れ曲がった棒状の主体部65とを含む。
【0087】
一対の接続端部61は、一対の穴26に対してそれぞれ回転可能に嵌まり込むように、設けられている。一対の接続端部61は、互いに近づく向きに突出している。
【0088】
一対の延長部63は、一対の接続端部61からそれぞれL字をなすように延長されている。一対の延長部63は、互いに平行である。
【0089】
主体部65は、一直線状である把持部652と、把持部652の両端を一対の延長部63にそれぞれつなぐ一対の連結部654とを含む。使用者は、把持部652を手で掴んで容器1を運搬することが可能である。
【0090】
連結部654は、延長部63の端からL字をなすように延長された第1部分と、把持部652の端からL字をなすように延長された第2部分とを含む。連結部654の第1部分と第2部分とは、内側に凸のL字をなすように連続している。連結部654の第1部分は、接続端部61に対して平行である。
【0091】
図1に示すように金具6が自重で垂下した姿勢(以下「垂下姿勢」という。)において、連結部654の第2部分は、第1部分から外側方に向けて延長されている。金具6の垂下姿勢において、把持部652は、周壁部23の上端部よりも外側方に位置している。金具6の垂下姿勢において、把持部652は、フランジ部25の下方に位置する。
【0092】
一実施形態において、直線状である把持部652の軸方向の長さは、該軸方向における一対の延長部63間の幅よりも、短く設けられている。また、把持部652の軸方向の長さは、該軸方向におけるフランジ部25の幅よりも、短く設けられている。
【0093】
(1-7)ネスティング
図5には、一実施形態の容器1を、これとは別の下側の容器1に対してネスティングしたときの様子を示している。
【0094】
上下の容器1は、同一の構成を備えている。以下においては、下側の容器1が備える構成の符号の末尾に、Lの文字を付加する。
【0095】
上記したように、一実施形態の容器1が備える一対の第1側壁31には、それぞれ横方向に距離をあけて2つの位置決め部材5が装着されている。
【0096】
都合4つの位置決め部材5の下端面516は、互いに同一の高さに位置している。各位置決め部材5の下端面516は、容器本体2が有する縦リブ状の突片271,272の下端面よりも、低く位置している。
【0097】
各位置決め部材5の下端面516と、縦リブ状の突片271,272の下端面との高さの差は、例えば1mm以上で設定することが好ましく、また、上記高さの差を、容器1の高さ(つまり容器本体2の高さ)の2/3以下となるように設定することが好ましい。一実施形態では、上記高さの差は、例えば8mmから12mmの範囲内で設定することが好ましい。これらの範囲は一例に過ぎず、他の範囲で設定することも可能である。
【0098】
各位置決め部材5の装着に用いられる3つの貫通孔24a,24b,24c(
図2B参照)は、周壁部23の第1列目の貫通孔群に含まれている。
【0099】
図5に示すように上下の容器1,1Lがネスティングした状態(以下「ネスティング状態」という。)において、容器1が備える4つの位置決め部材5のそれぞれの下端面516が、下側の容器1Lの上端部に当接する。下側の容器1Lの上端部は、具体的には、容器本体2Lのフランジ部25Lの上面である。
【0100】
4つの位置決め部材5を備えた一実施形態の容器1においては、4つの位置決め部材5を備えない場合と比較して、下側の容器1Lとのネスティングが、浅く保たれる。
【0101】
言い換えると、一実施形態の容器1では、位置決め部材5を備えていることで、位置決め部材5を備えない場合と比較して、ネスティング状態における下側の容器1Lとの高さの差D1が、標準よりも広く設定される。
【0102】
なお、例えば上下の寸法が異なる複数種類の位置決め部材5を用意しておけば、そのうち1種類の位置決め部材5を選択して容器本体2に装着することによって、ネスティングの浅さを適宜に選択することが可能である。
【0103】
また、例えば第2列目以降の貫通孔群に含まれる3つの貫通孔24を利用して、位置決め部材5を装着することによっても、ネスティングの浅さを適宜に選択することは可能である。
【0104】
一実施形態の容器1では、一対の第1側壁31に、それぞれ2つの位置決め部材5を装着しているが、位置決め部材5の数や装着箇所は適宜に選択可能である。一対の第1側壁31に、それぞれ1つ又は3つ以上の位置決め部材5を装着することも可能であるし、一対の第2側壁32に、それぞれ1つ以上の位置決め部材5を装着することも可能である。
【0105】
(1-8)スタッキング
図6には、一実施形態の容器1を、スタッキング可能な状態にセットしたときの様子を示している。
【0106】
一実施形態においては、垂下姿勢にあった2つの金具6(
図1等参照)を、それぞれ一対の接続端部61まわりに回転させ、フランジ部25の上面に当接する位置にセットすることで、容器1をスタッキング可能な状態にセットすることができる。
【0107】
スタッキング可能な状態において、各金具6の一部は、フランジ部25の対応する2つの凹み255に、嵌まり込む。ここでの金具6の一部は、具体的には、一対の連結部654の第1部分である。
【0108】
スタッキング可能な状態において、各金具6に含まれる棒状の把持部652は、一対の第1部分251間に架け渡される。把持部652は、平面視においてフランジ部25の内側に位置し、また、フランジ部25の上面よりも低く位置する。
【0109】
容器1がスタッキング可能な状態にあるとき、図示略の上側の容器を、2つの金具6の把持部652の上に乗せることができる。これにより、一実施形態の容器本体2に内容物が収容された状態で、その上に別の容器をスタッキングすることが可能である。
【0110】
(2)変形例
以下においては、容器1の変形例について説明する。なお、各変形例において、上記した一実施形態と共通の機能を有する構成については、同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0111】
(2-1)第1変形例
図7に示す第1変形例では、容器1が備える4つの位置決め部材5の上下寸法が、一実施形態よりも長く設定されている。
【0112】
第1変形例では、一実施形態と比較して(
図5参照)、下側の容器1Lとのネスティングが、更に浅く保たれる。
【0113】
つまり、第1変形例の容器1では、一実施形態と比較して、ネスティング状態における下側の容器1Lとの高さの差D1が、更に広く設定される。この高さの差D1に設定されているとき、金具6は、ネスティング状態において下側の容器1Lとの間に収容可能である。
【0114】
金具6が、下側の容器1Lとの間に収容される状態(以下「収容状態」という。)にあることは、すなわち、第1側壁31を正面視したときに、金具6が、容器本体2のフランジ部25よりも外側方に突出しない状態にあることを意味する。
【0115】
第1変形例では、金具6の一部(例えば把持部652)が、下側の容器1Lの周壁部23Lの上面(つまりフランジ部25Lの上面)に当たることで、金具6は収容状態で保持される。
【0116】
金具6が収容状態にあるとき、金具6は、垂下姿勢にあるときよりも、内側方に振れた姿勢となっている。金具6が収容状態にあるとき、金具6の延長部63の下端部は、上端部よりも内側方に位置する。
【0117】
一実施形態においては、金具6が収容状態にあるとき、把持部652は、容器本体2が有する縦リブ状の突片272の下方に位置している。
【0118】
なお、位置決め部材5の上下寸法が更に長く設定された場合には、金具6が下側の容器1Lと接触せずに垂下姿勢をとることも有り得る。この場合には、垂下姿勢の金具6が、収容状態で保持される。
【0119】
(2-2)第2変形例
図8A、
図8B及び
図8Cに示す第2変形例では、位置決め部材5が、一実施形態とは別異の構成を備えている。
【0120】
第2変形例において、位置決め部材5は、正面視において矩形状の外形を有する部材本体51と、部材本体51と一体に設けられた係止部53及びフック部55とを含む。
【0121】
第2変形例の係止部53を構成する2つの係止体54は、それぞれ屈曲した先端部分543と、先端部分543と反対側に位置する基端部分545と、先端部分543と基端部分545との間に位置する中間部分544とを、一体に有する。
【0122】
各係止体54の中間部分544は、弾性変形可能な連結部分546を介して、部材本体51に対して一体につながっている。各係止体54は、外力を付与することで、連結部分546を支点としてシーソー状に揺動が可能である。
【0123】
横方向に並んで位置する2つの係止体54の先端部分543は、互いに同一の側に向けて突出するとともに、互いに近づく向けてL字型に屈曲している。
【0124】
2つの係止体の基端部分545は、互いに同一の側に向けて突出している。第2変形例では、2つの係止体の基端部分545が、位置決め部材5が有する2つの操作部547を構成している。
【0125】
第2変形例のフック部55を構成する2つのフック56は、それぞれ下方に向けて屈曲した先端部分を有し、横方向(言い換えれば左右方向)に距離をあけて位置している。
【0126】
フック部55は、係止部53の下方に設けられている。具体的には、左側の係止体54の下方に、左側のフック56が位置し、右側の係止体54の下方に、右側のフック56が位置している。
【0127】
第2変形例では、位置決め部材5を周壁部23に装着した状態において、第1列目の貫通孔群に含まれる2つの貫通孔24に、2つの係止体54が差し込まれ、第2列目の貫通孔群に含まれる2つの貫通孔24に、2つのフック56が差し込まれる(
図8B参照)。
【0128】
位置決め部材5の容器本体2への取付方法は、以下の第1、第2及び第3工程を含む。
【0129】
第1工程では、第1側壁31の外側方から、第2列目の貫通孔群に含まれる左右2つの貫通孔24に対して、左右のフック56を差し込む。
【0130】
第2工程では、横方向に並んだ2つの操作部547を手で摘み、互いに近づく向きに移動させる。これに伴い、2つの係止体54の先端部分543は、互いに離れる向きに移動する。
【0131】
第3工程では、第2工程の後に、2つの係止体54の先端部分543を、互いに離れた状態を維持しながら第1列目の貫通孔群の2つの貫通孔24に、差し込む。その後に、2つの操作部547から手を離す。2つの係止体54の先端部分543は、互いに近づく向きに移動し、第1側壁31に対して内側から係止する。
【0132】
第2変形例においても、位置決め部材5の係止部53は、上下抜きの金型の合わせ面に対応した段差部分535を有している(
図8A参照)。
【0133】
(2-3)第3変形例
図9A、
図9B及び
図9Cに示す第3変形例では、位置決め部材5が、一実施形態や第1及び第2変形例とは別異の構成を備えている。
【0134】
第3変形例において、位置決め部材5は、正面視において矩形状の外形を有する部材本体51と、部材本体51と一体に設けられた係止部53と、規制凸部57とを含み、フック部55は含んでいない。
【0135】
係止部53は、上側の2つの係止体54と、下側の2つの係止体54とで、構成されている。
【0136】
図9A等に示すように、上側の2つの係止体54は、横方向に距離をあけて位置しており、互いに離れる方向に屈曲した先端部分を有する。下側の2つの係止体54は、横方向に距離をあけて位置しており、互いに離れる方向に屈曲した先端部分を有する。
【0137】
図9Bに示すように、第3変形例では、上側の2つの係止体54が、第1列目の貫通孔群に含まれる2つの貫通孔24にそれぞれ弾性的に係止し、下側の2つの係止体54が、第2列目の貫通孔群に含まれる2つの貫通孔24にそれぞれ弾性的に係止している。
【0138】
規制凸部57は、左右に並んだ2つの突起585を含む。2つの突起585は、それぞれ下に凸の円弧状である。2つの突起585が、2つの貫通孔24の下端縁にそれぞれ当たることで、容器本体2に対する位置決め部材5の下移動が規制される。
【0139】
更に、第3変形例における位置決め部材5は、第2の係止部59を含んでいる。
【0140】
第2の係止部59は、2つの孔592を有する平板状のベース591と、ベース591と部材本体51とを連結させる連結部593と、ベース591の一部分から突出したフック状の係止体595と、ベース591の別の部分から突出した規制部597とを含む。連結部593は、外力を付与することで屈曲変形可能な薄肉部分である。
【0141】
位置決め部材5の容器本体2への取付方法は、以下の第1、第2及び第3工程を含む。
【0142】
第1工程では、第2の係止部59を、例えば第1列目の貫通孔群に含まれる1つの貫通孔24を通じて、容器本体2の内側に差し入れる。ここでの1つの貫通孔24は、係止対象となる上側の2つの貫通孔24と隣接する貫通孔24dである。
【0143】
第2工程では、第1側壁31の外側方から、係止対象となる上側の2つの貫通孔24に、上側の2つの係止体54を差し込むとともに、係止対象となる下側の2つの貫通孔24に、下側の2つの係止体54を差し込む。これにより、上側の2つの貫通孔24に対して、上側の2つの係止体54が係止するとともに、下側の2つの貫通孔24に対して、下側の2つの係止体54が係止する。加えて、第2工程では、左右の2つの突起585が、上側の2つの貫通孔24の下部に差し込まれる。
【0144】
第3工程では、第2工程の後に、第2の係止部59に外力を与えて連結部593を屈曲変形させ、容器本体2の内側において、第2の係止部59を部材本体51に近づく向きに折り畳む。このとき、第2の係止部59の2つの孔592には、上側の2つの係止体54が差し通される。これらの孔592は、係止体54との干渉を避けるための孔である。
【0145】
第3工程では、第2の係止部59の係止体595を、第1列目の貫通孔群に含まれる別の貫通孔24に、係止させる。ここでの別の貫通孔24は、係止対象となる上側の2つの貫通孔24に隣接する貫通孔24eである。
【0146】
第3工程では、貫通孔24eに、規制部597が更に嵌め込まれる。規制部597は、貫通孔24eの上端部分に嵌め込まれる上側規制部598と、貫通孔24eの下端部分に嵌め込まれる下側規制部599とを含む。
【0147】
上側規制部598と下側規制部599とは、上下に離れて位置している。上下方向において、上側規制部598と下側規制部599との間に、係止体595が位置している。
【0148】
(2-4)その他の変形例
上記の一実施形態及び各種変形例においては、位置決め部材5が、容器1の周壁部23のうちフランジ部25よりも下方の箇所に装着されているが、位置決め部材5がフランジ部25に装着されてもよい。
【0149】
フランジ部25に装着された位置決め部材5は、フランジ部25の下方に位置してもよいし、或いは、フランジ部25の外側方に位置してもよい。
【0150】
位置決め部材5をフランジ部25の下方に設ける場合には、例えば、フランジ部25に孔を設け、この孔に係止可能な係止部を位置決め部材5に設け、フランジ部25に位置決め部材5が係止された状態で、位置決め部材5がフランジ部25から垂下した姿勢をとるように設けることが可能である。
【0151】
また、位置決め部材5をフランジ部25の外側方に設ける場合には、例えば、フランジ部25に孔を設け、この孔に係止可能な係止部を位置決め部材5に設け、フランジ部25に位置決め部材5が係止された状態で、位置決め部材5がフランジ部25の外側方に位置するように設けることが可能である。
【0152】
なお、既述のようにフランジ部25は周壁部23の上端部を構成するので、位置決め部材5がフランジ部25に装着されることは、位置決め部材5が周壁部23に装着されることに含まれる。
【0153】
また、上記の一実施形態及び各種変形例では、下側の容器1Lのうち位置決め部材5が当接する部分を、下側の容器1Lの上端部に設定しているが、下側の容器1Lの上端部以外の部分に設定することも可能である。例えば、位置決め部材5が、下側の容器1Lの周壁部23Lの内面に当接するように設定してもよい。
【0154】
位置決め部材5は、貫通孔24に対して無理嵌めされてもよい。この場合、位置決め部材5に、貫通孔24に対して圧入可能な突起を少なくとも1つ設けることが好ましい。
【0155】
また、上記の一実施形態では、規制凸部57を構成するための突起58を2つ設けているが、突起58は少なくとも1つであればよい。つまり、規制凸部57を構成する突起58が1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0156】
また、上記の一実施形態及び各種変形例では、位置決め部材5が縦長であるが、横長の部材であってもよい。
【0157】
位置決め部材5は、複数の部品で構成されてもよい。例えば、位置決め部材5を、2部品で構成することが可能である。この場合、周壁部23の外側から装着される第1部品と、周壁部23の内側から装着される第2部品とを、一方が有する孔に対して他方が有する突起を係止させる等の手段で、連結させることが好ましい。
【0158】
位置決め部材5を、ねじ具を用いて周壁部23に固定することも可能である。
【0159】
(3)作用効果
以上、一実施形態とこれの各種変形例に基づいて説明したように、本開示の第1態様に係る容器1は、底壁部21と、底壁部21の周縁部から上方に立設された周壁部23と、周壁部23に装着された位置決め部材5とを備える。位置決め部材5は、容器1を、これとは別の下側の容器1Lに対してネスティングしたときに、下側の容器1Lの一部に当接して、下側の容器1Lとのネスティングを浅く保つように構成されている。
【0160】
この態様によれば、容器本体2に位置決め部材5を装着することで、下側の容器1Lとの間でのネスティングの浅さを、自在に設定することができる。例えば、経年劣化によって容器本体2の寸法形状に変化が生じたときに、容器本体2に位置決め部材5を装着することでネスティングを浅くし、下側の容器1Lから容易に分離可能とすることができる。
【0161】
本開示の第2態様に係る容器1では、第1の態様に加えて、位置決め部材5は、周壁部23に対する上下移動を規制する規制凸部57を有する。
【0162】
この態様によれば、容器1における位置決め部材5のがたつきが抑えられ、ひいては、ネスティング状態の上下の容器1,1Lのがたつきが抑えられる。
【0163】
本開示の第3態様に係る容器1は、第1又は第2の態様に加えて、周壁部23に装着されたスタッキング用の金具6を、更に備える。金具6は、容器1に対してこれとは別の上側の容器を載せたときに、上側の容器の下端部に当接して、上側の容器とのスタッキング状態を保つように構成されている。容器1を、下側の容器1Lに対してネスティングしたときに、金具6は、下側の容器1Lとの間に収容される。
【0164】
この態様によれば、上下の容器1,1Lをネスティングしたときに、容器1が備えるスタッキング用の金具6が邪魔になることが抑えられ、ネスティング状態の容器1,1Lの配置スペースを確保しやすくなる。
【0165】
本開示の第4態様に係る位置決め部材5は、容器本体2に装着可能である。容器本体2は、底壁部21と、底壁部21の周縁部から上方に立設された周壁部23とを備える。位置決め部材5は、周壁部23に装着可能に構成されているとともに、位置決め部材5が装着された容器本体2を、これとは別の下側の容器1Lに対してネスティングしたときに、位置決め部材5が下側の容器1Lの一部に当接して、下側の容器1Lとのネスティングを浅く保つように構成されている。
【0166】
この態様によれば、容器本体2に位置決め部材5を装着することで、下側の容器1Lとの間でのネスティングの浅さを、自在に設定することができる。例えば、経年劣化によって容器本体2の寸法形状に変化が生じたときに、容器本体2に位置決め部材5を装着することでネスティングを浅くし、下側の1Lから容易に分離可能とすることができる。
【符号の説明】
【0167】
1 容器
1L 下側の容器
2 容器本体
21 底壁部
23 周壁部
5 位置決め部材
57 規制凸部
6 金具