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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172776
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】端子構造及び配線機器
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/36 20060101AFI20231129BHJP
   H01R 9/24 20060101ALI20231129BHJP
   H01H 9/02 20060101ALI20231129BHJP
   H01H 23/24 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H01R4/36
H01R9/24
H01H9/02 B
H01H23/24 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084826
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中西 哲也
(72)【発明者】
【氏名】吉村 庸
【テーマコード(参考)】
5E012
5E086
5G035
5G052
【Fターム(参考)】
5E012BA23
5E086CC02
5E086DD05
5E086DD33
5E086LL04
5E086LL16
5G035AA09
5G035CA01
5G035CB01
5G052BB03
5G052HA02
(57)【要約】
【課題】電線を挿入孔に容易に挿入することができる端子構造及び配線機器を提供する。
【解決手段】端子装置7は、ハウジング5に形成された挿入孔32から挿入された電線90と電気的に接続するための端子構造であって、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とを有し、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とがこの順に連なっている導電性の端子部材50を備える。また、第2の部分52の少なくとも一部は、挿入孔32から露出している。また、第2の部分52の少なくとも一部には、端子部材50における厚み方向に凹んだ凹部54が形成されている。そして、挿入孔32に挿入されている電線90と第3の部分53とが押圧部材41により押圧されることで、端子部材50は、挿入孔32から挿入された電線90と接触して電線90と電気的に接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに形成された挿入孔から挿入された電線と電気的に接続するための端子構造であって、
第1の部分と第2の部分と第3の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分と前記第3の部分とがこの順に連なっている導電性の端子部材を備え、
前記第2の部分の少なくとも一部は、前記挿入孔から露出し、
前記第2の部分の少なくとも一部には、前記端子部材における厚み方向に凹んだ凹部が形成されており、
前記挿入孔に挿入されている前記電線と前記第3の部分とが押圧部材により押圧されることで、前記端子部材は、前記挿入孔から挿入された前記電線と接触して前記電線と電気的に接続される、
端子構造。
【請求項2】
前記第1の部分は、前記ハウジングの第1の面と接触し、
前記第2の部分は、前記第1の部分に対して曲げられ、
前記凹部は、前記第2の部分において、前記第1の面から離間した位置まで形成されている、
請求項1に記載の端子構造。
【請求項3】
前記第2の部分は、前記凹部の端部よりも前記第1の部分に近い部分で、前記第1の部分に対して曲げられ、
前記第2の部分における前記凹部の端部は、前記ハウジングの前記第1の面から離間している、
請求項2に記載の端子構造。
【請求項4】
前記凹部は、前記第2の部分から前記第3の部分に亘って形成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の端子構造。
【請求項5】
前記ハウジングは、スイッチのハウジング又はコンセントのハウジングである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の端子構造。
【請求項6】
前記挿入孔は、開口部分が広がるようにテーパー状に形成された第1傾斜面を有し、
前記第2の部分は、前記挿入孔の開口部分が広がるような第2傾斜面を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の端子構造。
【請求項7】
ハウジングと、
前記ハウジングに形成された挿入孔から挿入された電線と電気的に接続される導電性の端子部材であって、第1の部分と第2の部分と第3の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分と前記第3の部分とがこの順に連なっている端子部材と、
前記挿入孔に挿入されている前記電線を前記第3の部分に押圧する押圧部材と、
前記端子部材と連結部材とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材と、を備え、
前記第2の部分の少なくとも一部は、前記挿入孔から露出し、
前記第2の部分の少なくとも一部には、前記端子部材における厚み方向に凹んだ凹部が形成されており、
前記挿入孔に挿入されている前記電線と前記第3の部分とが前記押圧部材により押圧されることで、前記端子部材は、前記挿入孔から挿入された前記電線と接触して前記電線と電気的に接続される、
配線機器。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか1項に記載の端子部材と、
前記ハウジングと、
前記挿入孔に挿入されている前記電線を前記第3の部分に押圧する押圧部材と、
前記端子部材と連結部材とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材と、を備え、
前記接続部材は、前記第1の部分における前記挿入孔側と反対側に位置し、前記第1の部分と電気的に接続されている、
配線機器。
【請求項9】
ハウジングと、
前記ハウジングに形成された挿入孔から挿入された電線と電気的に接続される導電性の端子部材であって、第1の部分と第2の部分と第3の部分とを有し、第1の部分と第2の部分と第3の部分とがこの順に連なっている端子部材と、
前記挿入孔に挿入されている前記電線を前記第3の部分に押圧する押圧部材と、
前記端子部材と連結部材とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材と、
操作ハンドルと、を備え、
前記第2の部分の少なくとも一部は、前記挿入孔から露出し、
前記第2の部分の少なくとも一部には、前記端子部材における厚み方向に凹んだ凹部が形成されており、
前記挿入孔に挿入されている前記電線と前記第3の部分とが前記押圧部材により押圧されることで、前記端子部材は、前記挿入孔から挿入された前記電線と接触して前記電線と電気的に接続され、
前記接続部材は、前記操作ハンドルに対する外部からの操作により、前記端子部材と前記連結部材とを電気的に接続又は電気的に遮断する、
配線機器。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか1項に記載の端子部材と、
前記ハウジングと、
前記挿入孔に挿入されている前記電線を前記第3の部分に押圧する押圧部材と、
前記端子部材と連結部材とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材と、
操作ハンドルと、を備え、
前記接続部材は、前記第1の部分における前記挿入孔側と反対側に位置し、前記第1の部分と電気的に接続され、
前記接続部材は、前記操作ハンドルに対する外部からの操作により、前記端子部材と前記連結部材とを電気的に接続又は電気的に遮断する、
配線機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子構造及び配線機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の特許文献1には、ハウジングに形成された挿入孔から挿入された電線をコンセント刃受けに電気的に接続するためのコンセントの速結端子が開示されている。コンセントの速結端子は、電線に弾性接触して電気的に接続される連結部、及び、電線の抜け止めを図る抜け止め片を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6814618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のコンセントの速結端子では、電線を挿入孔に挿入する際の挿入のし易さについて課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、電線を挿入孔に容易に挿入することができる端子構造及び配線機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る端子構造は、ハウジングに形成された挿入孔から挿入された電線と電気的に接続するための端子構造であって、第1の部分と第2の部分と第3の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分と前記第3の部分とがこの順に連なっている導電性の端子部材を備え、前記第2の部分の少なくとも一部は、前記挿入孔から露出し、前記第2の部分の少なくとも一部には、前記端子部材における厚み方向に凹んだ凹部が形成されており、前記挿入孔に挿入されている前記電線と前記第3の部分とが押圧部材により押圧されることで、前記端子部材は、前記挿入孔から挿入された前記電線と接触して前記電線と電気的に接続される。
【0007】
また、本開示の一態様に係る配線機器は、ハウジングと、前記ハウジングに形成された挿入孔から挿入された電線と電気的に接続される導電性の端子部材であって、第1の部分と第2の部分と第3の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分と前記第3の部分とがこの順に連なっている端子部材と、前記挿入孔に挿入されている前記電線を前記第3の部分に押圧する押圧部材と、前記端子部材と連結部材とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材と、を備え、前記第2の部分の少なくとも一部は、前記挿入孔から露出し、前記第2の部分の少なくとも一部には、前記端子部材における厚み方向に凹んだ凹部が形成されており、前記挿入孔に挿入されている前記電線と前記第3の部分とが前記押圧部材により押圧されることで、前記端子部材は、前記挿入孔から挿入された前記電線と接触して前記電線と電気的に接続される。
【0008】
また、本開示の一態様に係る配線機器は、ハウジングと、前記ハウジングに形成された挿入孔から挿入された電線と電気的に接続される導電性の端子部材であって、第1の部分と第2の部分と第3の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分と前記第3の部分とがこの順に連なっている端子部材と、前記挿入孔に挿入されている前記電線を前記第3の部分に押圧する押圧部材と、前記端子部材と連結部材とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材と、を備え、前記第2の部分の少なくとも一部は、前記挿入孔から露出し、前記第2の部分の少なくとも一部には、前記端子部材における厚み方向に凹んだ凹部が形成されており、前記挿入孔に挿入されている前記電線と前記第3の部分とが前記押圧部材により押圧されることで、前記端子部材は、前記挿入孔から挿入された前記電線と接触して前記電線と電気的に接続される。
【0009】
また、本開示の一態様に係る配線機器は、ハウジングと、前記ハウジングに形成された挿入孔から挿入された電線と電気的に接続される導電性の端子部材であって、第1の部分と第2の部分と第3の部分とを有し、第1の部分と第2の部分と第3の部分とがこの順に連なっている端子部材と、前記挿入孔に挿入されている前記電線を前記第3の部分に押圧する押圧部材と、前記端子部材と連結部材とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材と、操作ハンドルと、を備え、前記第2の部分の少なくとも一部は、前記挿入孔から露出し、前記第2の部分の少なくとも一部には、前記端子部材における厚み方向に凹んだ凹部が形成されており、前記挿入孔に挿入されている前記電線と前記第3の部分とが前記押圧部材により押圧されることで、前記端子部材は、前記挿入孔から挿入された前記電線と接触して前記電線と電気的に接続され、前記接続部材は、前記操作ハンドルに対する外部からの操作により、前記端子部材と前記連結部材とを電気的に接続又は電気的に遮断する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の端子構造によれば、電線を挿入孔に容易に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A図1Aは、実施の形態に係る配線機器の外観を示す斜視図である。
図1B図1Bは、実施の形態に係る配線機器の挿入孔に電線を挿入する様子を示す配線機器の斜視図である。
図1C図1Cは、実施の形態に係るコンセントタイプの配線機器の外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る配線機器を示す分解斜視図である。
図3A図3Aは、図1AのA-A線において、実施の形態に係る配線機器のスイッチをONの状態にした場合を示す断面図である。
図3B図3Bは、実施の形態に係る配線機器のスイッチをOFFの状態にした場合を示す断面図である。
図4図4は、別の端子部材を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0014】
また、以下の実施の形態において、略90°又は矩形状等の表現を用いている。例えば、略90°又は矩形状は、完全に90°又は矩形であることを意味するだけでなく、実質的に90°又は矩形である、すなわち数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略90°又は矩形状は、本開示による効果を奏し得る範囲において90°又は矩形という意味である。他の「略」、「状」を用いた表現についても同様である。
【0015】
また、以下の実施の形態では、本体カバー及び本体ケースの重なる方向をZ軸方向と規定し、配線機器の長手方向をX軸方向とし、Z軸向及びX軸方向と垂直な方向をY軸方向とする。また、X軸方向において連結部材に対する端子部材側をプラス側の方向とし、Y軸方向において図1Aの奥行側をプラス側の方向とし、Z軸方向において挿入孔に電線を挿入する方向をプラス側の方向とする。
【0016】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0017】
(実施の形態)
<構成:配線機器1>
まず、配線機器1の構成について図1A図4を用いて説明する。
【0018】
図1Aは、実施の形態に係る配線機器1の外観を示す斜視図である。図1Bは、実施の形態に係る配線機器1の挿入孔32に電線90を挿入する様子を示す配線機器1の斜視図である。図1Cは、実施の形態に係るコンセントタイプの配線機器1aの外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る配線機器1を示す分解斜視図である。図3Aは、図1AのA-A線において、実施の形態に係る配線機器1のスイッチをONの状態にした場合を示す断面図である。図3Bは、実施の形態に係る配線機器1のスイッチをOFFの状態にした場合を示す断面図である。図4は、別の端子部材50aを示す側面図である。
【0019】
図1A及び図1Bに示すように、配線機器1は、例えば、施設に設置される照明装置、送風装置等の設備システムに電力を供給したり、供給している電力を遮断したりする接続機器である。配線機器1は、例えば、コンセント又はスイッチである。このような配線機器1は、天井、壁等の造営物に埋め込み設置される。
【0020】
図1A図2に示すように、配線機器1は、ハウジング5と、端子装置7とを備えている。
【0021】
[ハウジング5]
ハウジング5は、端子装置7を収容する筐体であり、一部が天井、壁等の造営物に埋め込み設置される。ハウジング5は、図1A及び図1Bに示すようなスイッチのハウジングであるが、図1Cに示すようなコンセントのハウジング5aであってもよい。本実施の形態のハウジング5では、主にスイッチのハウジングについて説明する。図1Cのコンセントのハウジング5aには、操作ハンドル20と、コンセントプラグが挿入されるプラグ差込口8とを含んでいる。
【0022】
図1A図2に示すように、ハウジング5は、本体カバー10と、コイルばね21と、操作ハンドル20と、本体ケース30とを有している。
【0023】
本体カバー10は、矩形状をなしたカバーであり、直接的に又は支持枠等を介して造営物に固定される。これにより、配線機器1が造営物に固定される。また、本体カバー10は、本体ケース30におけるZ軸プラス方向側の開口部を覆うように、本体ケース30のZ軸プラス方向側に配置され、本体ケース30と連結して固定されている。具体的には、本体カバー10の側面に形成されている係合部11が本体ケース30の側面に形成されている被係合部30aと係合することで、本体カバー10が本体ケース30と連結する。本体カバー10は、ハウジング5の外郭の一部を構成している。
【0024】
操作ハンドル20は、ユーザが操作する操作体である。操作ハンドル20は、本体カバー10と連結することで本体カバー10に対して揺動可能に支持されている。これにより、操作ハンドル20は、ユーザによる外部からの操作によって、本体カバー10に対して回動することで、スイッチをOFFの状態にさせたり、スイッチをONの状態にさせたりすることができる。
【0025】
具体的には、操作ハンドル20は、裏面であるZ軸マイナス方向側の面に形成された揺動部22を有している。揺動部22は、長尺な筒状をなし、操作ハンドル20の裏面からZ軸方向に沿って延びている。揺動部22の内部には、コイルばね21が挿入されている。
【0026】
コイルばね21は、接続部材43と操作ハンドル20との間に設けられている。コイルばね21の上端(Z軸プラス方向側の端部)は、操作ハンドル20の揺動部22の内部に嵌め込まれた状態で、揺動部22に支持されている。また、コイルばね21の下端(Z軸マイナス方向側の端部)は、接続部材43の上端に支持されている。コイルばね21は、操作ハンドル20への圧操作による揺動に伴い、揺動部22がコイルばね21を揺動させることで接続部材43を回動させることができる。
【0027】
本体ケース30は、立方体状の外形をなしている。本体ケース30には、Z軸マイナス方向側に底部31が形成され、Z軸プラス方向側に開口部が形成されている。また、本体ケース30の底部31には、電線90を挿抜するための挿入孔32が形成され、本体ケース30の底部31に対して立設する側壁33には、端子装置7の押圧部材41を配置するための切り欠き部33aが形成されている。
【0028】
図2図3A及び図3Bに示すように、挿入孔32には、連結部材42と電気的に接続するための電線90が挿入される。本実施の形態では、挿入孔32は、ハウジング5に複数形成されている。
【0029】
挿入孔32の開口部分には、電線90を案内することが可能な第1傾斜面32aが形成されている。第1傾斜面32aは、挿入孔32の開口面の径が挿入孔32内部の径よりも大きくなるように、つまり挿入孔32の開口径が広がるように傾斜している。このため、挿入孔32の開口部分は、テーパー状に形成されていると言える。これにより、第1傾斜面32aは、電線90を案内することができる。
【0030】
切り欠き部33aは、本体ケース30において、X軸プラス方向側の側壁33及びX軸マイナス方向側の側壁33に形成されている。本実施の形態では、切り欠き部33aは、ハウジング5に複数形成されているが、ハウジング5に1つだけ形成されていてもよい。
【0031】
本体ケース30には、端子装置7を収容する収容室37が形成されている。収容室37は、挿入孔32と切り欠き部33aとに連通している。
【0032】
[端子装置7]
端子装置7は、ハウジング5内に配置され、ハウジング5に形成された挿入孔32から挿入された電線90と電気的に接続することができる。
【0033】
端子装置7は、導電体40と、押圧部材41と、端子部材50と、連結部材42と、接続部材43とを備えている。端子装置7は、端子構造の一例である。
【0034】
導電体40は、筒状又は管状をなした端子である。導電体40には、電線90が内部に挿入される。導電体40は、収容室37に収容され、ハウジング5の挿入孔32と対向するように、ハウジング5に固定されている。具体的には、導電体40は、電線90が挿入される開口がハウジング5の挿入孔32と対向して挿入孔32と接続するように、収容室37に配置されている。つまり、導電体40は、ハウジング5の挿入孔32からZ軸プラス方向に沿って延びるように収容室37に配置されている。本実施の形態では、挿入孔32はハウジング5に複数形成されているため、導電体40は、挿入孔32と一対一で対応するように、ハウジング5に複数設けられている。
【0035】
また、導電体40は、ハウジング5の切り欠き部33aと対向するように、収容室37に収容されている。導電体40には、切り欠き部33aと対応する部分、つまり、切り欠き部33aから露出した導電体40の部分に、貫通孔40aが形成されている。貫通孔40aには、押圧部材41が挿入されている。貫通孔40aは、例えば、押圧部材41がネジであればネジ孔、押圧部材41が貫通孔40aに係合される係合部であれば係合孔である。
【0036】
本実施の形態では、導電体40がハウジング5に複数設けられるため、押圧部材41も複数設けられている。
【0037】
押圧部材41は、本体ケース30の切り欠き部33aに挿入された状態で導電体40に保持されている。押圧部材41は、本体ケース30から頭部が露出しているため、押圧方向に沿って押圧することができる。つまり、押圧部材41は、電線90を端子部材50の第3の部分53に向けて押圧することができる。
【0038】
押圧部材41は、挿入孔32に挿入されている電線90を第3の部分53に向けて押圧することで、電線90と第3の部分53とを電気的に接続させることができる。
【0039】
具体的には、押圧部材41は、工具によって押圧されて第1方向に回転することで、電線90を第3の部分53に向けて押圧する。このため、電線90が第3の部分53及び押圧部材41に固定されて、電線90と第3の部分53とを電気的に接続することができる。また、押圧部材41は、工具によって第1方向と反対方向の第2方向に回転することで、第3の部分53への電線90の押圧を解除する。このため、電線90をハウジング5の挿入孔32から抜き取ることができる。押圧部材41は、例えば、ネジ、導電体40の貫通孔40aに係合される係合部等である。本実施の形態では、押圧部材41は、貫通孔40aに係合され、電線90を押圧する押圧軸部と、頭部とで構成されたネジである。
【0040】
また、導電体40には、電線90と電気的に接続する端子部材50の一部が挿入されている。具体的には、導電体40のZ軸マイナス方向側の開口から導電体40のZ軸プラス方向側の開口に向かって、端子部材50の一部が挿入されている。
【0041】
端子部材50は、収容室37に収容され、本体ケース30及び導電体40に支持されている。挿入孔32に挿入されている電線90と第3の部分53とが押圧部材41により押圧されることで、端子部材50は、挿入孔32から挿入された電線90と接触して電線90と電気的に接続される。
【0042】
端子部材50は、Y軸方向に沿って見た場合に、L字状に折り曲げられた板状の導電性を有する金属製の部材である。端子部材50は、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とを有し、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とがこの順に連なっている。
【0043】
第1の部分51は、ハウジング5の底部31と接触するように、ハウジング5内に設けられている。第1の部分51は、ハウジング5の第1の面31aと接触している。第1の部分51は、挿入孔32からX軸方向に沿って延びている。ここで、ハウジング5の第1の面31aとは、第1の部分51と対向する面であり、ハウジング5の底部31のZ軸プラス方向側の面である。
【0044】
第2の部分52の他端部は、第1の部分51のX軸プラス方向側の一端部、つまり第1の部分51における挿入孔32側の一端部と連結され、第1の部分51に対して曲げられている。つまり、第2の部分52は、X軸方向に沿って延びる第1の部分51に対してZ軸方向側に曲がっている。このように、第2の部分52は、挿入孔32の開口径を広げるように第1の部分51及び第1の面31aに対して傾斜した姿勢で維持されている。つまり、第2の部分52には、挿入孔32の開口面に挿入する電線90を案内可能に傾斜した第2傾斜面52aが形成されている。
【0045】
第2の部分52は、第1の部分51に対して折れて傾斜した状態(鈍角又は鋭角)に曲げられているが、これには限定されない。第2の部分52は、第1の部分51に対して略直角に曲げられていてもよい。また、図4に示すように、端子部材50aの第2の部分52は、側面視で丸みを帯びた円弧状に形成されていてもよい。
【0046】
また、第2の部分52の少なくとも一部は、挿入孔32から露出している。つまり、ハウジング5の挿入孔32から、第2の部分52の少なくとも一部を視認することができる。
【0047】
第3の部分53は、第2の部分52に対して折れた状態で、導電体40の内部に挿入されている。つまり、第3の部分53の他端部は、第2の部分52と第1の部分51とが連結している第2の部分52の他端部と反対側の一端部と連結されている。このような第3の部分53は、第2の部分52の一端部からZ軸プラス方向に沿って延びて、導電体40の内部つまり挿入孔32の内部に配置されている。
【0048】
端子部材50がこのような形状のため、第1の部分51の長手方向と第3の部分53の長手方向とは、略90°の関係にある。また、第2の部分52は、第1の部分51に対して20°~30°程度傾斜している。
【0049】
さらに、端子部材50の一部には、凹部54が形成されている。また、第2の部分52の少なくとも一部には、端子部材50における厚み方向に凹んだ凹部54が形成されている。つまり、第2の部分52の一部に凹部54が形成されているだけでもよく、第2の部分52の一部と、第2の部分52以外の端子部材50の他の部分にも凹部54が形成されていてもよい。
【0050】
本実施の形態では、凹部54は、第2の部分52から第3の部分53に亘って形成されている。つまり、凹部54は、第2の部分52から第3の部分53の一端部に至るまで、連続して形成されている。
【0051】
具体的には、凹部54は、第2の部分52において、第1の面31aから離間した位置まで形成されている。つまり、第2の部分52における凹部54は、第2の部分52の一端部(第2の部分52及び第3の部分53の境界部分)から第2の部分52の他端部(第1の部分51及び第2の部分52の境界部分)に近づくように延びている。このため、第2の部分52における凹部54の端部は、第2の部分52の他端部には至らず、ハウジング5の第1の面31aから離間している。このような第2の部分52は、凹部54の端部よりも第1の部分51に近い部分で、第1の部分51に対して曲げられていると言える。
【0052】
また、第3の部分53の少なくとも一部には、端子部材50における厚み方向に凹んだ凹部54が形成されている。本実施の形態では、第3の部分53における凹部54は、第3の部分53の他端部(第2の部分52及び第3の部分53の境界部分)から第3の部分53の一端部まで延びている。
【0053】
また、第3の部分53に凹部54が形成されているため、導電体40と対向する第3の部分53のX軸マイナス方向側の対向面は突出している。このため、導電体40は、第3の部分53のX軸マイナス方向側の対向面を支持することができるように、当該対向面と対向する導電体40の部分は、当該対向面の形状に応じて湾曲した図2の湾曲部40cを有している。
【0054】
また、第3の部分53における凹部54は、導電体40の貫通孔40aと対向するように位置する。つまり、導電体40の貫通孔40aに押圧部材41を挿入して、押圧部材41が電線90と第3の部分53とを押圧することができる。これにより、電線90を第3の部分53における凹部54に維持させることができるため、電線90と第3の部分53とを電気的に接続することができる。このため、第2の部分52の凹部54が案内した電線90を、第3の部分53に形成された凹部54に配置することができるため、電線90と第3の部分53とを容易に電気的に接続することができる。
【0055】
このような端子部材50では、第2の部分52はハウジング5の第1の面31aから離間しているため、ハウジング5の底部31は、庇のように第2の部分52の少なくとも一部を覆っている。ハウジング5の底部31は、第2の部分52に形成された凹部54の一部も覆うように配置されている。このような構成であっても、電線90を挿入孔32に挿入する際に第2の部分52の第2傾斜面52aと、第2の部分52の凹部54とが電線90を案内することができる。
【0056】
この端子部材50は、例えば、金属板を折り曲げることで得られる。具体的には、端子部材50は、端子部材50の凹部54となる溝を金属板に形成した後に、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とがこの順に連なり、凹部54が第2の部分52と第3の部分53とに形成されるように、折り曲げることで得られる。
【0057】
連結部材42は、収容室37に収容され、本体ケース30及び導電体40に支持されている。連結部材42は、端子部材50が配置された挿入孔32と対応する別の挿入孔32に配置されている。具体的には、連結部材42は、端子部材50が配置された挿入孔32のX軸マイナス方向側に形成された別の挿入孔32に配置されている。別の挿入孔32にも、導電体40が配置されている。
【0058】
連結部材42は、Y軸方向に沿って見た場合にU字状に形成されている。このため、連結部材42は、一部が別の挿入孔32に配置された導電体40に挿入され、残りの部分が導電体40のZ軸プラス方向側の開口から舌状に飛び出て延びている。導電体40のZ軸プラス方向側の開口から飛び出た連結部材42の先端には、接続部材43の可動接点43aと対向する姿勢となるように配置されている固定接点42aが設けられている。固定接点42aは、別の挿入孔32に挿入された電線90と電気的に接続することができる。
【0059】
また、導電体40に挿入されている連結部材42の一部には、連結部材42における厚み方向に凹んだ凹部42bが形成されている。この凹部42bは、導電体40のZ軸マイナス方向側の開口からZ軸プラス方向側の開口に至るまで、Z軸方向に沿って延びている。
【0060】
連結部材42の一部に凹部42bが形成されているため、導電体40と対向する連結部材42の一部の対向面は突出している。このため、導電体40は、連結部材42の一部の対向面を支持することができるように、当該対向面と対向する導電体40の部分は、当該対向面の形状に応じて湾曲した湾曲部40cを有している。
【0061】
接続部材43は、操作ハンドル20に対する外部からの操作により、端子部材50と連結部材42とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能である。接続部材43は、第1の部分51における挿入孔32側つまり第2の部分52側と反対側に位置し、第1の部分51と電気的に接続されている。接続部材43は、金属板で構成され、端子部材50と電気的に接続された状態で、操作ハンドル20及びコイルばね21によって回動可能に支持されている。接続部材43は、表面から突出した状態の可動接点43aを有している。
【0062】
可動接点43aは、連結部材42の固定接点42aと対向する姿勢となるように配置される。具体的には、接続部材43の下端(回動支点)が端子部材50の第1の部分51の上に配置され、接続部材43の上端がコイルばね21の下端と係合しているため、操作ハンドル20及びコイルばね21の揺動によって、接続部材43が回動支点周りで回動することができる。より具体的には、操作ハンドル20及びコイルばね21の揺動によって、可動接点43aが連結部材42の固定接点42aに当接すると、可動接点43aと固定接点42aとが電気的に接続されて、スイッチがONの状態となる。また、操作ハンドル20及びコイルばね21の揺動によって、可動接点43aが連結部材42の固定接点42aから離間すると、可動接点43aと固定接点42aとの電気的な接続が解除されて、スイッチがOFFの状態となる。ここで、スイッチは、端子部材50、連結部材42及び接続部材43を含んでいる。
【0063】
<動作>
次に、本実施の形態における配線機器1の動作について説明する。
【0064】
まず、本実施の形態における配線機器1に電線90を電気的に接続する場合について説明する。
【0065】
作業者は、図1Bに示すように、電線90の先端を挿入孔32に位置合わせし、挿入孔32に挿入する。挿入孔32の開口面は挿入孔32内部の径よりも大きく、端子部材50の第2の部分52及び端子部材50の凹部54が電線90の先端を案内することができるため、電線90を挿入孔32に容易に挿入することができる。電線90を挿入孔32に挿入した後に、プラスドライバー、マイナスドライバー、レンチ等の工具の先端を押圧部材41の頭部に係合させ、工具を押し付けながら、第1方向に回転させる。これにより、押圧部材41がX軸方向を軸として第1方向に回転するため、押圧部材41は、X軸マイナス方向に次第に移動し、電線90と端子部材50の第3の部分53とを押圧する。これにより、押圧部材41の押圧軸部が電線90を端子部材50の第3の部分53に向けて押圧するため、押圧部材41と端子部材50の第3の部分53とが電線90を挟むことができる。その結果、押圧部材41は、電線90と端子部材50の第3の部分53とを電気的に接続させることができる。
【0066】
次に、本実施の形態における配線機器1に電気的に接続した電線90を抜き取り、電気的な接続を解除する場合について説明する。
【0067】
作業者は、工具の先端を押圧部材41の頭部に係合させ、工具を頭部に押し付けながら、第2方向に回転させる。これにより、押圧部材41がX軸方向を軸として第2方向に回転するため、押圧部材41が電線90から離れるように次第に移動し、押圧部材41が電線90と端子部材50の第3の部分53との押圧を解除する。これにより、作業者は、電線90を挿入孔32から抜き取ることができる。
【0068】
次に、本実施の形態における操作ハンドル20の動作について説明する。
【0069】
図3Aに示すように、操作ハンドル20のX軸プラス方向側の端部が押下されると、操作ハンドル20は、本体カバー10に対して時計回りに揺動する。このとき、本体カバー10の揺動部22は、時計回りに揺動する。すると、本体カバー10の揺動部22の内部に挿入されているコイルばね21も同様に時計回りに揺動するため、コイルばね21の下端で係止されている接続部材43は、反時計回りに回動して、接続部材43の可動接点43aが連結部材42の固定接点42aに当接する。これにより、可動接点43aと固定接点42aとが電気的に接続されることで、スイッチがONの状態となる。
【0070】
また、スイッチがONの状態で操作ハンドル20のX軸マイナス方向側の端部を押下すると、図3Bに示すように、操作ハンドル20は、本体カバー10に対して反時計回りに揺動する。このとき、本体カバー10の揺動部22は、反時計回りに揺動する。すると、本体カバー10の揺動部22の内部に挿入されているコイルばね21も同様に反時計回りに揺動するため、コイルばね21の下端で係止されている接続部材43は、時計回りに回動して、接続部材43の可動接点43aが連結部材42の固定接点42aから離間する。これにより、可動接点43aと固定接点42aとの電気的に接続が解除されることで、スイッチがOFFの状態となる。
【0071】
<作用効果>
次に、本実施の形態における端子装置7及び配線機器1の作用効果について説明する。
【0072】
上述したように、本実施の形態の端子装置7は、ハウジング5に形成された挿入孔32から挿入された電線90と電気的に接続するための端子構造であって、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とを有し、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とがこの順に連なっている導電性の端子部材50を備える。また、第2の部分52の少なくとも一部は、挿入孔32から露出している。また、第2の部分52の少なくとも一部には、端子部材50における厚み方向に凹んだ凹部54が形成されている。そして、挿入孔32に挿入されている電線90と第3の部分53とが押圧部材41により押圧されることで、端子部材50は、挿入孔32から挿入された電線90と接触して電線90と電気的に接続される。
【0073】
これによれば、電線90を挿入孔32に挿入する際に、電線90の先端を挿入孔32から露出した第2の部分52に位置合わせすることができる。電線90を挿入孔32に挿入すると、第2の部分52の凹部54は、電線90の先端を案内することができる。
【0074】
したがって、電線90を挿入孔32に容易に挿入することができる。
【0075】
特に、この端子装置7では、従来のハウジングに端子構造を適用しても、本実施の形態の作用効果を奏するため、従来のハウジング構造を出来るだけ維持しながら、挿入孔32への電線90の挿入し易さを向上させることができる。
【0076】
また、本実施の形態の端子装置7において、ハウジング5は、スイッチのハウジング又はコンセントのハウジングである。
【0077】
この端子装置7においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0078】
また、本実施の形態の配線機器1において、ハウジング5と、ハウジング5に形成された挿入孔32から挿入された電線90と電気的に接続される導電性の端子部材50であって、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とを有し、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とがこの順に連なっている端子部材50と、挿入孔32に挿入されている電線90を第3の部分53に押圧する押圧部材41と、端子部材50と連結部材42とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材43と、を備える。また、第2の部分52の少なくとも一部は、挿入孔32から露出している。また、第2の部分52の少なくとも一部には、端子部材50における厚み方向に凹んだ凹部54が形成されている。そして、挿入孔32に挿入されている電線90と第3の部分53とが押圧部材41により押圧されることで、端子部材50は、挿入孔32から挿入された電線90と接触して電線90と電気的に接続される。
【0079】
この配線機器1においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0080】
また、本実施の形態の配線機器1において、ハウジング5と、端子部材50と、挿入孔32に挿入されている電線90を第3の部分53に押圧する押圧部材41と、端子部材50と連結部材42とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材43と、を備える。そして、接続部材43は、第1の部分51における挿入孔32側と反対側に位置し、第1の部分51と電気的に接続されている。
【0081】
この配線機器1においても、上述と同様の作用効果を奏する。また、接続部材43を第1の部分51上に配置することができるため、接続部材43と連結部材42とが電気的に接続又は電気的に遮断するようなスイッチをハウジング5に配置することができる。
【0082】
また、本実施の形態の配線機器1において、ハウジング5と、ハウジング5に形成された挿入孔32から挿入された電線90と電気的に接続される導電性の端子部材50であって、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とを有し、第1の部分51と第2の部分52と第3の部分53とがこの順に連なっている端子部材50と、挿入孔32に挿入されている電線90を第3の部分53に押圧する押圧部材41と、端子部材50と連結部材42とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材43と、操作ハンドル20と、を備えている。また、第2の部分52の少なくとも一部は、挿入孔32から露出している。また、第2の部分52の少なくとも一部には、端子部材50における厚み方向に凹んだ凹部54が形成されている。また、挿入孔32に挿入されている電線90と第3の部分53とが押圧部材41により押圧されることで、端子部材50は、挿入孔32から挿入された電線90と接触して電線90と電気的に接続されている。そして、接続部材43は、操作ハンドル20に対する外部からの操作により、端子部材50と連結部材42とを電気的に接続又は電気的に遮断する。
【0083】
この配線機器1においても、上述と同様の作用効果を奏する。また、操作ハンドル20を操作することで、端子部材50と連結部材42とを電気的に接続又は電気的に遮断することができるため、本実施の形態の配線機器1を、スイッチを備える機器に適用することができる。
【0084】
また、本実施の形態の配線機器1において、ハウジング5と、端子部材50と、挿入孔32に挿入されている電線90を第3の部分53に押圧する押圧部材41と、端子部材50と連結部材42とを電気的に接続又は電気的に遮断することが可能な接続部材43と、操作ハンドル20と、を備えている。また、接続部材43は、第1の部分51における挿入孔32側と反対側に位置し、第1の部分51と電気的に接続されている。そして、接続部材43は、操作ハンドル20に対する外部からの操作により、端子部材50と連結部材42とを電気的に接続又は電気的に遮断する。
【0085】
この配線機器1においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0086】
また、本実施の形態の端子装置7において、第1の部分51は、ハウジング5の第1の面31aと接触している。また、第2の部分52は、第1の部分51に対して曲げられている。そして、凹部54は、第2の部分52において、第1の面31aから離間した位置まで形成されている。
【0087】
これによれば、凹部54が第1の面31aから離間した位置まで形成されているため、凹部54が形成されていない部分において、第1の部分51に対して第2の部分52を容易に所定の角度で折り曲げることができる。このため、第1の面31aに対して第2の部分52を所望の姿勢で維持させることができる。その結果、所望の形状に形成された端子部材50をハウジング5に配置することができる。
【0088】
また、本実施の形態の端子装置7において、第2の部分52は、凹部54の端部よりも第1の部分51に近い部分で、第1の部分51に対して曲げられている。そして、第2の部分52における凹部54の端部は、ハウジング5の第1の面31aから離間している。
【0089】
これによれば、第2の部分52における凹部54の端部がハウジング5の第1の面31aから離間しているため、凹部54が形成されていない部分において、第1の部分51に対して第2の部分52を所定の角度で容易に折り曲げることができる。
【0090】
また、本実施の形態の端子装置7において、凹部54は、第2の部分52から第3の部分53に亘って形成されている。
【0091】
これによれば、凹部54が第2の部分52から第2の部分52及び第3の部分53の境界部分に至り、さらに当該境界部分から第3の部分53に至るまで形成されているため、電線90を挿入孔32に挿入すると、電線90の先端が第2の部分52の凹部54に案内され、当該境界部分を介してさらに、第3の部分53の凹部54にも案内される。このため、電線90を挿入孔32に容易に挿入することができる。
【0092】
また、第3の部分53に凹部54が形成されているため、電線90を挿入孔32に挿入した際に、電線90を第3の部分53の凹部54に配置することができる。このため、電線90と第3の部分53とを電気的に接続することができる。
【0093】
また、第2の部分52と第3の部分53との境界部分にも凹部54が形成されているため、挿入孔32の開口径を大きくすることができる。その結果、電線90を挿入孔32に容易に挿入することができる。
【0094】
また、本実施の形態の端子装置7において、挿入孔32は、開口部分が広がるようにテーパー状に形成された第1傾斜面32aを有している。そして、第2の部分52は、挿入孔32の開口部分が広がるような第2傾斜面52aを有している。
【0095】
これによれば、挿入孔32の開口部分に第1傾斜面32aが形成され、挿入孔32から露出した第2の部分52に第2傾斜面52aが形成されているため、電線90を挿入孔32に挿入する際に、電線90を容易に案内することができる。
【0096】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る端子装置及び配線機器について、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0097】
以下に、上記各実施の形態に基づいて説明した端子装置及び配線機器の特徴を示す。
【0098】
<技術1>
ハウジングに形成された挿入孔から挿入された電線と電気的に接続するための端子構造であって、
第1の部分と第2の部分と第3の部分とを有し、第1の部分と第2の部分と第3の部分とがこの順に連なっている導電性の端子部材を備え、
前記第2の部分の少なくとも一部は、前記挿入孔から露出し、
前記第2の部分の少なくとも一部には、前記端子部材における厚み方向に凹んだ凹部が形成されており、
前記挿入孔に挿入されている前記電線と前記第3の部分とが押圧部材により押圧されることで、前記端子部材は、前記挿入孔から挿入された前記電線と接触して前記電線と電気的に接続される、
端子構造。
【0099】
<技術2>
前記第1の部分は、前記ハウジングの第1の面と接触し、
前記第2の部分は、前記第1の部分に対して曲げられ、
前記凹部は、前記第2の部分において、前記第1の面から離間した位置まで形成されている、
技術1に記載の端子構造。
【0100】
<技術3>
前記第2の部分は、前記凹部の端部よりも前記第1の部分に近い部分で、前記第1の部分に対して曲げられ、
前記第2の部分における前記凹部の端部は、前記ハウジングの前記第1の面から離間している、
技術2に記載の端子構造。
【0101】
<技術4>
前記凹部は、前記第2の部分から前記第3の部分に亘って形成されている、
技術1から3のいずれか1つに記載の端子構造。
【0102】
<技術5>
前記ハウジングは、スイッチのハウジング又はコンセントのハウジングである、
技術1から4のいずれか1つに記載の端子構造。
【0103】
<技術6>
前記挿入孔は、開口部分が広がるようにテーパー状に形成された第1傾斜面を有し、
前記第2の部分は、前記挿入孔の開口部分が広がるような第2傾斜面を有する、
技術1から5のいずれか1つに記載の端子構造。
【0104】
<技術7>
前記ハウジングと、
前記ハウジングに形成された挿入孔から挿入された電線と電気的に接続される導電性の端子部材と、
前記挿入孔に挿入されている前記電線を前記第3の部分に押圧する押圧部材と、
前記端子部材と連結部材とを電気的に接続または電気的に遮断することが可能な接続部材と、
技術1から6のいずれか1つに記載の端子構造とを備える、
配線機器。
【0105】
<技術8>
前記接続部材は、前記第1の部分における前記挿入孔側と反対側に位置し、前記第1の部分と電気的に接続されている、
技術7に記載の配線機器。
【0106】
<技術9>
さらに、操作ハンドルを備え、
前記接続部材は、前記操作ハンドルに対する外部からの操作により、前記端子部材と前記連結部材とを電気的に接続または電気的に遮断する、
技術7または8に記載の配線機器。
【0107】
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1、1a 配線機器
5、5a ハウジング
7 端子装置(端子構造)
20 操作ハンドル
31a 第1の面
32 挿入孔
32a 第1傾斜面
41 押圧部材
42 連結部材
43 接続部材
50、50a 端子部材
51 第1の部分
52 第2の部分
52a 第2傾斜面
53 第3の部分
54 凹部
90 電線
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4