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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172781
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】結像光学系、および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20231129BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084838
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 拓陸
(72)【発明者】
【氏名】奥村 哲一朗
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087KA09
2H087KA10
2H087LA01
2H087PA06
2H087PA09
2H087PA11
2H087PA12
2H087PA16
2H087PA19
2H087PA20
2H087PB08
2H087PB11
2H087PB14
2H087PB16
2H087QA02
2H087QA03
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA19
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA33
2H087QA34
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA36
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA44
2H087SA57
2H087SA62
2H087SA63
2H087SA64
2H087SA65
2H087SA66
2H087SB05
2H087SB13
2H087SB22
2H087SB34
2H087SB43
2H087UA06
(57)【要約】
【課題】非球面レンズを適切に用いることにより、小型化および軽量化を実現しつつ諸収差を良好に補正することを可能にする。
【解決手段】本開示の結像光学系は、非球面レンズを含む複数のレンズと、開口絞りとを備え、非球面レンズのレンズ径をy、非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、非球面レンズの非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1、|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、以下の条件式を満足する。Dgaは、非球面レンズの非球面における光線有効半径とする。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非球面レンズを含む複数のレンズと、
開口絞りと
を備え、
前記非球面レンズのレンズ径をy、前記非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、
前記非球面レンズの前記非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、
前記レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1
|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、
以下の条件式を満足する
結像光学系。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.3<Lexp/Lgaf<50.0 ……(5)
ただし、
Dga:前記非球面レンズの前記非球面における光線有効半径
Vga:前記非球面レンズのアッベ数
Nga:前記非球面レンズの屈折率
Lgaf:前記非球面レンズの物体側の面から像面までの距離
Lexp:光学系の射出瞳から像面までの距離
とする。
【請求項2】
非球面レンズを含む複数のレンズと、
開口絞りと
を備え、
前記非球面レンズのレンズ径をy、前記非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、
前記非球面レンズの前記非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、
前記レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1
|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、
以下の条件式を満足する
結像光学系。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.05<Lenp/Lgae<50.00 ……(6)
ただし、
Dga:前記非球面レンズの前記非球面における光線有効半径
Vga:前記非球面レンズのアッベ数
Nga:前記非球面レンズの屈折率
Lgae:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から前記非球面レンズまでの距離
Lenp:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から光学系の射出瞳までの距離
とする。
【請求項3】
さらに、以下の条件式を満足する
請求項1に記載の結像光学系。
0.01<|DLga|/DLa<1.00 ……(7)
ただし、
DLga:前記非球面レンズの物体側の面と前記開口絞りとの光軸上の距離
DLa:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から、前記複数のレンズのうち最も像面側のレンズの像面側の面までの距離
とする。
【請求項4】
さらに、以下の条件式を満足する
請求項1に記載の結像光学系。
-20.0<hga^/hgf^≦1.0 ……(8)
ただし、
hga^:前記非球面レンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
hgf^:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
とする。
【請求項5】
さらに、以下の条件式を満足する
請求項1に記載の結像光学系。
-20.0<hga^/hgb^≦1.0 ……(9)
ただし、
hga^:前記非球面レンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
hgb^:前記複数のレンズのうち最も像面側のレンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
とする。
【請求項6】
さらに、以下の条件式を満足する
請求項1に記載の結像光学系。
0.01≦hga2*hga^2/hi4<10.00 ……(10)
ただし、
hga:前記非球面レンズを通過するときの瞳近軸軸上光線の高さ
hga^:前記非球面レンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
hi:光学系の開口径の半径
とする。
【請求項7】
さらに、以下の条件式を満足する
請求項1に記載の結像光学系。
-4.0<DLga/fa<5.0 ……(11)
ただし、
DLga:前記非球面レンズの物体側の面と前記開口絞りとの光軸上の距離
fa:全系の焦点距離
とする。
【請求項8】
前記複数のレンズとして、少なくとも6枚のレンズを有する
請求項1に記載の結像光学系。
【請求項9】
前記非球面レンズは前記開口絞りより像面側に位置し、前記開口絞りと前記非球面レンズとの間に1枚以上の正レンズを有する
請求項1に記載の結像光学系。
【請求項10】
さらに、以下の条件式を満足する
請求項1に記載の結像光学系。
0.01<BF/fa<5.00 ……(12)
ただし、
BF:前記結像光学系の最も像面側のレンズの像面側の面から像面までの距離(バックフォーカス)
fa:全系の焦点距離
とする。
【請求項11】
さらに、以下の条件式を満足する
請求項1に記載の結像光学系。
0.001≦fa/|fga|<5.000 ……(13)
ただし、
fa:全系の焦点距離
fga:前記非球面レンズの焦点距離
とする。
【請求項12】
さらに、以下の条件式を満足する
請求項1に記載の結像光学系。
2.3<Sga<6.0 ……(14)
ただし、
Sga:前記非球面レンズの比重[g/cm3
とする。
【請求項13】
結像光学系と、前記結像光学系によって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを含み、
前記結像光学系は、
非球面レンズを含む複数のレンズと、
開口絞りと
を備え、
前記非球面レンズのレンズ径をy、前記非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、
前記非球面レンズの前記非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、
前記レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1
|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、
以下の条件式を満足する
撮像装置。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.3<Lexp/Lgaf<50.0 ……(5)
ただし、
Dga:前記非球面レンズの前記非球面における光線有効半径
Vga:前記非球面レンズのアッベ数
Nga:前記非球面レンズの屈折率
Lgaf:前記非球面レンズの物体側の面から像面までの距離
Lexp:光学系の射出瞳から像面までの距離
とする。
【請求項14】
結像光学系と、前記結像光学系によって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを含み、
前記結像光学系は、
非球面レンズを含む複数のレンズと、
開口絞りと
を備え、
前記非球面レンズのレンズ径をy、前記非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、
前記非球面レンズの前記非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、
前記レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1
|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、
以下の条件式を満足する
撮像装置。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.05<Lenp/Lgae<50.00 ……(6)
ただし、
Dga:前記非球面レンズの前記非球面における光線有効半径
Vga:前記非球面レンズのアッベ数
Nga:前記非球面レンズの屈折率
Lgae:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から前記非球面レンズまでの距離
Lenp:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から光学系の射出瞳までの距離
とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、結像光学系、および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等の撮像装置は撮像素子の大型化や高画質化が進み、それに伴い、それらの撮像装置に用いられる撮像レンズにも高い性能が求められ、諸収差の補正が厳しく求められるようになってきている。その一方で、ミラーレスカメラ等によるショートフランジバック化が進む中、光学系の小型化も求められている。これらの要求に対し、非球面レンズを用いた結像光学系が種々、提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-139087号公報
【特許文献2】特開2004-29832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
結像光学系において、小型化および軽量化を実現しつつ、周辺まで高い解像力を有する光学系を実現しようとした場合、非点収差、像面湾曲、コマ収差、およびサジタルコマフレアなどが悪化する傾向にある。
【0005】
非球面レンズを適切に用いることにより、小型化および軽量化を実現しつつ諸収差を良好に補正することが可能な結像光学系、およびそのような結像光学系を備えた撮像装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施の形態に係る第1の結像光学系は、非球面レンズを含む複数のレンズと、開口絞りとを備え、非球面レンズのレンズ径をy、非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、非球面レンズの非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1、|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、以下の条件式を満足する結像光学系である。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.3<Lexp/Lgaf<50.0 ……(5)
ただし、
Dga:非球面レンズの非球面における光線有効半径
Vga:非球面レンズのアッベ数
Nga:非球面レンズの屈折率
Lgaf:非球面レンズの物体側の面から像面までの距離
Lexp:光学系の射出瞳から像面までの距離
とする。
【0007】
本開示の一実施の形態に係る第2の結像光学系は、非球面レンズを含む複数のレンズと、開口絞りとを備え、非球面レンズのレンズ径をy、非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、非球面レンズの非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1、|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、以下の条件式を満足する結像光学系である。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.05<Lenp/Lgae<50.00 ……(6)
ただし、
Dga:非球面レンズの非球面における光線有効半径
Vga:非球面レンズのアッベ数
Nga:非球面レンズの屈折率
Lgae:複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から非球面レンズまでの距離
Lenp:複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から光学系の射出瞳までの距離
とする。
【0008】
本開示の一実施の形態に係る第1の撮像装置は、結像光学系と、結像光学系によって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを含み、結像光学系を、上記本開示の一実施の形態に係る第1の結像光学系によって構成したものである。
【0009】
本開示の一実施の形態に係る第2の撮像装置は、結像光学系と、結像光学系によって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを含み、結像光学系を、上記本開示の一実施の形態に係る第2の結像光学系によって構成したものである。
【0010】
本開示の一実施の形態に係る第1および第2の結像光学系、または第1および第2の撮像装置では、小型化および軽量化を実現しつつ諸収差を良好に補正することが可能となるように、非球面レンズの形状および位置の最適化が図られている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施の形態に係る結像光学系の第1の構成例(実施例1)を示すレンズ断面図である。
図2】実施例1に係る結像光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図3】実施例1に係る結像光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図4】一実施の形態に係る結像光学系の第2の構成例(実施例2)を示すレンズ断面図である。
図5】実施例2に係る結像光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図6】実施例2に係る結像光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図7】一実施の形態に係る結像光学系の第3の構成例(実施例3)を示すレンズ断面図である。
図8】実施例3に係る結像光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図でである。
図9】実施例3に係る結像光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図10】一実施の形態に係る結像光学系の第4の構成例(実施例4)を示すレンズ断面図である。
図11】実施例4に係る結像光学系の広角端かつ無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図12】実施例4に係る結像光学系の望遠端かつ無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図13】実施例4に係る結像光学系の広角端かつ無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図14】実施例4に係る結像光学系の望遠端かつ無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図15】一実施の形態に係る結像光学系の第5の構成例(実施例5)を示すレンズ断面図である。
図16】実施例5に係る結像光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図17】実施例5に係る結像光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図18】一実施の形態に係る結像光学系の第6の構成例(実施例6)を示すレンズ断面図である。
図19】実施例6に係る結像光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図20】実施例6に係る結像光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図21】一実施の形態に係る結像光学系の第7の構成例(実施例7)を示すレンズ断面図である。
図22】実施例7に係る結像光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図23】実施例7に係る結像光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図24】非球面レンズのサグ量の概要を示す説明図である。
図25】瞳近軸光線および瞳近軸軸上光線の概要を示す説明図である。
図26】撮像装置の一構成例を示すブロック図である。
図27】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図28】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
図29】内視鏡システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図30図29に示すカメラ及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
図31】顕微鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
0.比較例
1.レンズの基本構成
2.作用・効果
3.撮像装置への適用例
4.レンズの数値実施例
5.応用例
6.その他の実施の形態
【0013】
<0.比較例>
ガラス製の非球面レンズは製造性の観点から非球面の曲率の反転や非球面の局所曲率に関する制約が大きい。このため、一般的なレンズ系においてガラス製の非球面レンズを用いた場合、非球面形状が制限され、小型化および軽量化を実現しつつ諸収差、特に歪曲収差、像面湾曲、およびコマ収差を良好に補正することが難しい。これに対し、プラスチック製の非球面レンズは、ガラス製の非球面レンズとは成型方法が異なり、非球面の曲率の反転や非球面の局所曲率に関する制約は少ない。一方で、プラスチック製の非球面レンズは、温度変化による屈折率変化が大きいなど環境耐性が弱くなってしまう。
【0014】
特許文献1(特開2016-139087号公報)では、結像光学系として、大口径の広角単焦点レンズが提案されているが、広角化に伴い発生する諸収差のため、像高の高い位置では非点収差やコマ収差を良好に補正することが難しい。
【0015】
また、特許文献2(特開2004-29832号公報)では、結像光学系として、プラスチック製の非球面レンズを用いたズームレンズが提案されているが、プラスチック製のため温度変化を考慮した形状にすることが求められ、非球面形状の自由度が小さい。このため、非点収差および像面湾曲を良好に補正することが難しい。
【0016】
<1.レンズの基本構成>
本開示の一実施の形態は、デジタルスチルカメラやデジタルミラーレスカメラなどに最適な結像光学系、およびそのような結像光学系を有する光学機器に関する。特に、非球面を効果的に用いることで良好な収差補正を行うことのできる小型かつ高性能な結像光学系、およびそのような結像光学系を備えた撮像装置に関する。
【0017】
図1は、本開示の一実施の形態に係る結像光学系の第1の構成例を示しており、後述する実施例1の構成に相当する。図4は、一実施の形態に係る結像光学系の第2の構成例を示しており、後述する実施例2の構成に相当する。図7は、一実施の形態に係る結像光学系の第3の構成例を示しており、後述する実施例3の構成に相当する。図10は、一実施の形態に係る結像光学系の第4の構成例を示しており、後述する実施例4の構成に相当する。図15は、一実施の形態に係る結像光学系の第5の構成例を示しており、後述する実施例5の構成に相当する。図18は、一実施の形態に係る結像光学系の第6の構成例を示しており、後述する実施例6の構成に相当する。図21は、一実施の形態に係る結像光学系の第7の構成例を示しており、後述する実施例7の構成に相当する。
【0018】
図1等において、Z1は光軸を示す。第1ないし第7の構成例に係る結像光学系1~7と像面との間には、撮像素子保護用のカバーガラス等の光学部材が配置されていてもよい。光学部材としては、カバーガラスの他にも、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等の各種の光学フィルタが配置されていてもよい。
【0019】
以下、本開示の一実施の形態に係る結像光学系の構成を、適宜図1等に示した各構成例に係る結像光学系1~7に対応付けて説明するが、本開示による技術は、図示した構成例に限定されるものではない。
【0020】
一実施の形態に係る結像光学系は、非球面レンズGAを含む複数のレンズと、開口絞りStとを備える。
【0021】
一実施の形態に係る結像光学系は、非球面レンズGAのレンズ径をy、非球面レンズGAの非球面のサグ量をxとし、非球面レンズGAの非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1、|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、以下の条件式を満足する。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.3<Lexp/Lgaf<50.0 ……(5)
ただし、
Dga:非球面レンズGAの非球面における光線有効半径
Vga:非球面レンズGAのアッベ数
Nga:非球面レンズGAの屈折率
Lgaf:非球面レンズGAの物体側の面から像面までの距離
Lexp:光学系の射出瞳から像面までの距離
とする。
【0022】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、以下の条件式を満足するように構成してもよい。
0.01<xm/Dga<0.50 ……n≧2
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.05<Lenp/Lgae<50.00 ……(6)
ただし、
Dga:非球面レンズGAの非球面における光線有効半径
Vga:非球面レンズGAのアッベ数
Nga:非球面レンズGAの屈折率
Lgae:複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から非球面レンズGAまでの距離
Lenp:複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から光学系の射出瞳までの距離
とする。
【0023】
図24に、非球面レンズGAのサグ量xの概要を示す。非球面においてdx/dy=0となる点は、面の形状が凸面から凹面、または凹面から凸面へと変化する変曲点となることを意味する。図24では、変曲点が2つ(n=2)の例を示す。レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量xn+1はx3となる。
【0024】
その他、一実施の形態に係る結像光学系は、後述する所定の条件式等をさらに満足していてもよい。
【0025】
なお、一実施の形態に係る結像光学系が変倍光学系(ズームレンズ)の場合、上記した各条件式の条件値は、広角端における値とする。後述する各条件式についても同様である。
【0026】
<2.作用・効果>
次に、本開示の一実施の形態に係る結像光学系の作用および効果を説明する。併せて、本開示の一実施の形態に係る結像光学系における、より好ましい構成と、その作用および効果を説明する。
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0027】
一実施の形態に係る結像光学系によれば、非球面レンズGAの形状および位置の最適化を図り、非球面レンズGAを適切に用いることにより、小型化および軽量化を実現しつつ諸収差(特に、歪曲収差、像面湾曲、およびコマ収差)を良好に補正することが可能となる。
【0028】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、上記条件式(1)と上記条件式(2)とを満足することで、非球面レンズGAにおいて光軸Z1に対して中心部と周辺部とで形状差を生むことができる。これにより、像面湾曲やコマ収差を良好に補正することが可能となる。条件式(1)と条件式(2)の下限値を下回ると、非球面レンズGAにおいて光軸Z1に対して中心部と周辺部とで形状差を生むことができず、像面湾曲やコマ収差を補正することが困難となる。一方、条件式(1)の上限値を上回ると、非球面レンズGAに大きなサグ量を持たせる必要があるため形状精度が高いレンズを安定して製造することが難しくなる。
【0029】
なお、条件式(1)の下限値を、0.03に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAにおいて光軸Z1に対して中心部と周辺部とで、より形状差を大きくすることができるため、像面湾曲やコマ収差をより補正することができる。また、条件式(1)の上限値を、0.30に設定してもよい。これにより、サグ量を小さくできるため形状精度がより高いレンズをより安定して製造することができる。
【0030】
さらに、条件式(1)の下限値を、0.04に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAにおいて光軸Z1に対して中心部と周辺部とで、形状差をさらに大きくすることができるため、像面湾曲やコマ収差をより良好に補正することができる。また、条件式(1)の上限値を、0.20に設定してもよい。これにより、サグ量をさらに小さくできるため形状精度がさらに高いレンズをさらに安定して製造することができる。
【0031】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、上記条件式(3)および上記条件式(4)をともに満たすことで、非球面レンズGAに屈折率の高い硝材を使用することができるため、非球面レンズGAにおいて曲率の小さい非球面形状であっても強い屈折力を持たせることが可能となる。条件式(3)もしくは条件式(4)の下限値を下回ると、非球面レンズGAにおいて、より曲率の大きな非球面形状を持たせることが求められるため、非球面レンズGAの偏芯感度が高くなり安定して生産することが難しくなる。一方、条件式(3)もしくは条件式(4)の上限値を上回ると、ガラス硝材の比重は一般に、屈折率と正の相関があり、比重が大きいほど屈折率が高くなる傾向にあるため、非球面レンズGAが重くなり光学系の小型化および軽量化が困難となる。
【0032】
なお、条件式(3)の下限値は、1.700に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAにより強い屈折力を持たせることができる。
【0033】
図25に、瞳近軸光線および瞳近軸軸上光線の概要を示す。瞳近軸光線とは、結像光学系のレンズ径内に光軸Z1に対して角度を持って入射する光線のうち、光学系の入射瞳と光軸Z1との交点を通過し最大像高に結像する近軸光線である。また、瞳近軸軸上光線とは、結像光学系のレンズ径内に光軸Z1に対して0°(平行)で入射する光線のうち、光学系の入射瞳を通過し光軸上に結像する近軸光線である。なお、図25において、光線の入射角度は、光軸Z1から測って時計回りを正、反時計回りを負とする。また、図25において、物体は光学系の左側にあるものとし、物体側から結像光学系に入射する光線は左側から右側へ進むものとする。
【0034】
一般に、結像光学系において、射出瞳から像面側に近づくほど瞳近軸軸上光線の光軸Z1からの高さと瞳近軸光線の光軸Z1からの高さとに差が生じる。このため、一実施の形態に係る結像光学系において、上記条件式(5)を満たすことで、像面湾曲やコマ収差を良好に補正することが可能となる。条件式(5)の下限値を下回ると、射出瞳が像面に近づきすぎてしまい、像面への入射角度が大きくなるため周辺減光が大きくなり、周辺光量を確保することが難しくなる。一方、条件式(5)の上限値を上回ると、非球面レンズGAが像面に近づきすぎてしまうため製造誤差により像面とレンズが干渉してしまう可能性がある。
【0035】
なお、条件式(5)の下限値を、1.0に設定してもよい。これにより、周辺光量をより確保することができる。
【0036】
また、条件式(5)の上限値を、16.0に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAと像面との距離をより離すことができ非球面レンズGAの製造誤差感度をより低減できる。さらに、条件式(5)の上限値を、5.0に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAと像面との距離をさらに離すことができ非球面レンズGAの製造誤差感度をさらに低減できる。
【0037】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、上記条件式(6)を満たすことで、非球面レンズGAを通過する瞳近軸軸上光線の高さと瞳近軸光線の高さとに差を生じさせることができるため、像面湾曲やコマ収差を良好に補正することが可能となる。条件式(6)の下限値を下回ると、非球面レンズGAが像面に近づきすぎてしまうため製造誤差により像面とレンズが干渉してしまう可能性がある。一方、条件式(6)の上限値を上回ると、非球面レンズGAが物体側に近づくため、非球面レンズGAの径が大きくなり小型化および軽量化が困難となる。
【0038】
なお、条件式(6)の下限値を、0.9に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAと像面との距離をより離すことができ非球面レンズGAの製造誤差感度をより低減できる。
【0039】
また、条件式(6)の上限値を、16.0に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAの径をより小さくできるためより小型化および軽量化が可能となる。さらに、条件式(6)の上限値を、2.0に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAの径をさらに小さくできるためさらに小型化および軽量化が可能となる。
【0040】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、以下の条件式(7)を満足してもよい。
0.01<|DLga|/DLa<1.00 ……(7)
ただし、
DLga:非球面レンズGAの物体側の面と開口絞りStとの光軸上の距離
DLa:複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から、複数のレンズのうち最も像面側のレンズの像面側の面までの距離
とする。
【0041】
条件式(7)を満たすことで、非球面レンズGAと開口絞りStとの距離を適切に設定することができるため、非球面レンズGAを通過する瞳近軸軸上光線の高さと瞳近軸光線の高さとに差を生じさせることができる。これにより、像面湾曲やコマ収差を良好に補正することが可能となる。条件式(7)の下限値を下回ると、非球面レンズGAを通過する瞳近軸軸上光線と瞳近軸光線が、非球面レンズGAにおいて光軸Z1から近い位置を通過するため像面湾曲や歪曲収差を補正することが困難となる。一方、条件式(7)の上限値を上回ると、開口絞りStよりも物体側にレンズが存在しない、もしくは開口絞りStよりも像面側にレンズが存在しない状態なるため、収差を適切に補正することが困難となる。
【0042】
なお、条件式(7)の下限値を、0.30に設定してもよい。これにより、像面湾曲や歪曲収差をより良好に補正できる。さらに、条件式(7)の下限値を、0.40に設定してもよい。これにより、像面湾曲や歪曲収差をさらに良好に補正できる。
【0043】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、以下の条件式(8)を満足してもよい。
-20.0<hga^/hgf^≦1.0 ……(8)
ただし、
hga^:非球面レンズGAを通過するときの瞳近軸光線の高さ
hgf^:複数のレンズのうち最も物体側のレンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
とする。
【0044】
条件式(8)を満たすことで、非球面レンズGAを安定的に生産できる。条件式(8)の下限値を下回ると、非球面レンズGAを大型化してしまうため非球面レンズGAを安定的に生産することが難しい。一方、条件式(8)の上限値は、非球面レンズGAと最も物体側のレンズとが同一となる場合であり、このため上限値を超えることはない。
【0045】
なお、条件式(8)の下限値を、-10.0に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAをより小型化できるため非球面レンズGAをより安定的に生産できる。さらに、条件式(8)の下限値を、0.8に設定してもよい。これにより、開口絞りStよりも物体側に非球面レンズGAを配置し、像面湾曲や歪曲収差を良好に補正することができる。
【0046】
また、条件式(8)の上限値を、-0.4に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAをより小型化できる。
【0047】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、以下の条件式(9)を満足してもよい。
-20.0<hga^/hgb^≦1.0 ……(9)
ただし、
hga^:非球面レンズGAを通過するときの瞳近軸光線の高さ
hgb^:複数のレンズのうち最も像面側のレンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
とする。
【0048】
条件式(9)を満たすことで、非球面レンズGAを安定的に生産できる。
【0049】
なお、条件式(9)の下限値を、-4.0に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAをより小型化できるため非球面レンズGAをより安定的に生産できる。
【0050】
また、条件式(9)の上限値を、0.5に設定してもよい。これにより、開口絞りStよりも物体側に非球面レンズGAを配置し、像面湾曲や歪曲収差を良好に補正できる。さらに、条件式(9)の上限値を、-0.4に設定してもよい。これにより、開口絞りStよりも物体側に非球面レンズGAを配置し、像面湾曲や歪曲収差をさらに良好に補正できる。
【0051】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、以下の条件式(10)を満足してもよい。
0.01≦hga2*hga^2/hi4<10.00 ……(10)
ただし、
hga:非球面レンズGAを通過するときの瞳近軸軸上光線の高さ
hga^:非球面レンズGAを通過するときの瞳近軸光線の高さ
hi:光学系の開口径の半径
とする。
【0052】
条件式(10)を満たすことで、非球面レンズGAにおいて像面湾曲およびコマ収差の感度を適切に持つことができ、像面湾曲およびコマ収差を良好に補正することができる。条件式(10)の下限値を下回ると、非球面レンズGAを通過するときの瞳近軸軸上光線の高さhgaと非球面レンズGAを通過するときの瞳近軸光線の高さhga^とが低くなりすぎ、非球面レンズGAにおいて像面湾曲とコマ収差とを補正するための感度を有することが困難となる。一方、条件式(10)の上限値を上回ると、非球面レンズGAを通過するときの瞳近軸光線の高さhga^が高くなりすぎ、非球面レンズGAの径が大きくなり光学系全体が大型化してしまうため小型化が困難となる
【0053】
なお、条件式(10)の下限値を、0.1に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAにおいて像面湾曲およびコマ収差の感度をより適切に有することができる。また、条件式(10)の上限値を、3.00に設定してもよい。これにより、非球面レンズGAの径をより小型化できる。
【0054】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、以下の条件式(11)を満足してもよい。
-4.0<DLga/fa<5.0 ……(11)
ただし、
DLga:非球面レンズGAの物体側の面と開口絞りStとの光軸上の距離
fa:全系の焦点距離
とする。
【0055】
全系の焦点距離faが小さくなるほど射出瞳の位置は像面に近づきやすく、像面への光線の入射角度が小さくなる。また、一般に射出瞳が像面側に近づくほど瞳近軸軸上光線の光軸Z1からの高さと瞳近軸光線の光軸Z1からの高さとに差が生じる。このため、条件式(11)を満たすことで、非球面レンズGAにおいて瞳近軸軸上光線と瞳近軸光線とを良好に補正することができる。条件式(11)の下限値を下回ると、開口絞りStに対する非球面レンズGAの距離が長くなってしまい、光学系の小型化が困難となる。一方、条件式(11)の上限値を上回ると、非球面レンズGAが像面に近づきすぎてしまい、非球面レンズGAの偏芯感度が高くなり、非球面レンズGAを安定して生産することが困難となる。
【0056】
なお、条件式(11)の下限値を、0.9に設定してもよい。これにより、射出瞳より像面側に非球面レンズGAを配置し、かつ、射出瞳から非球面レンズGAまでの距離が確保できるため像面湾曲および歪曲収差を良好に補正できる。
【0057】
また、一実施の形態に係る結像光学系において、複数のレンズとして、少なくとも6枚のレンズを有する構成にしてもよい。大口径かつ高性能な光学系を提供するには諸収差を良好に補正することが求められるが、レンズ枚数が6枚より少ない場合、諸収差を良好に補正することが困難となる。なお、少なくとも7枚のレンズを有する構成にすることで、諸収差をより良好に補正することができる。さらに、少なくとも8枚のレンズを有する構成にすることで、諸収差をさらに良好に補正することができる。
【0058】
また、一実施の形態に係る結像光学系において、非球面レンズGAは開口絞りStより像面側に位置し、開口絞りStと非球面レンズGAとの間に1枚以上の正レンズを有する構成にしててもよい。開口絞りStより像面側に正レンズを配置することで、光軸Z1に対する瞳近軸軸上光線と瞳近軸光線との高さを離すことができるため、非球面レンズGAにおいて像面湾曲およびコマ収差の感度を適切に持つことができる。
【0059】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、以下の条件式(12)を満足してもよい。
0.01<BF/fa<5.00 ……(12)
ただし、
BF:結像光学系の最も像面側のレンズの像面側の面から像面までの距離(バックフォーカス)
fa:全系の焦点距離
とする。
【0060】
条件式(12)は、バックフォーカスBFと全系の焦点距離faとの比を好ましい範囲に規定するものである。条件式(12)の上限値を上回ると、バックフォーカスBFが長くなってしまうため、全長を短縮することが困難になる。一方、下限値を下回ると、像面と最も像面側のレンズとの距離を確保することが困難となり、製造性が悪化する。
【0061】
なお、条件式(12)の下限値を、0.60に設定してもよい。これにより、バックフォーカスBFをより短くし、全長を短縮することができる。また、条件式(12)の上限値を、3.00に設定してもよい。これにより、像面と最も像面側のレンズとの距離を確保できるため、製造性をより高めることができる。
【0062】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、以下の条件式(13)を満足してもよい。
0.001≦fa/|fga|<5.000 ……(13)
ただし、
fa:全系の焦点距離
fga:非球面レンズGAの焦点距離
とする。
【0063】
条件式(13)の下限値を下回ると、全系の焦点距離が広角化し、全系での諸収差を補正することが困難となる。一方、条件式(13)の上限値を上回ると、非球面レンズGAの曲率半径がきつく(小さく)なるため非球面レンズGAの製造性が悪化する。
【0064】
なお、条件式(13)の下限値を、0.010に設定してもよい。これにより、バックフォーカスBFをより短くし全長を短縮することができる。また、条件式(13)の上限値を、0.700に設定してもよい。これにより、像面と最も像面側のレンズとの距離を確保できるため、製造性をより高めることができる。
【0065】
また、一実施の形態に係る結像光学系は、以下の条件式(14)を満足してもよい。
2.3<Sga<6.0 ……(14)
ただし、
Sga:非球面レンズGAの比重[g/cm3
とする。
【0066】
ガラス硝材の比重は、一般に、屈折率と正の相関があり、比重が大きいほど屈折率が高くなる傾向にある。条件式(14)は、レンズの重量を軽量化するために非球面レンズGAの比重を適切に設定する式である。条件式(14)の下限値を下回ると、非球面レンズGAの屈折率が小さくなりすぎてしまい、非球面レンズGAの屈折力が弱くなってしまうため、非球面レンズGAによって歪曲収差や像面湾曲を適切に補正することができなくなる。一方、条件式(14)の上限値を上回ると、非球面レンズGAの比重が高くなりすぎてしまうため、全系でのレンズの軽量化が困難になる。
【0067】
<3.撮像装置への適用例>
次に、本開示の一実施の形態に係る結像光学系の具体的な撮像装置への適用例を説明する。
【0068】
図26は、一実施の形態に係る結像光学系を適用した撮像装置100の一構成例を示している。この撮像装置100は、例えばデジタルスチルカメラであり、カメラブロック110と、カメラ信号処理部20と、画像処理部30と、LCD(Liquid Crystal Display)40と、R/W(リーダ/ライタ)50と、CPU(Central Processing Unit)60と、入力部70と、レンズ駆動制御部80とを備えている。
【0069】
カメラブロック110は、撮像機能を担うものであり、撮像レンズ111と、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子112とを有している。撮像素子112は、撮像レンズ111によって形成された光学像を電気信号へ変換することで、光学像に応じた撮像信号(画像信号)を出力するようになっている。撮像レンズ111として、図1等に示した各構成例に係る結像光学系1~7を適用可能である。
【0070】
カメラ信号処理部20は、撮像素子112から出力された画像信号に対してアナログ-デジタル変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の各種の信号処理を行うものである。
【0071】
画像処理部30は、画像信号の記録再生処理を行うものであり、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理等を行うようになっている。
【0072】
LCD40は、ユーザの入力部70に対する操作状態や撮影した画像等の各種のデータを表示する機能を有している。R/W50は、画像処理部30によって符号化された画像データのメモリカード1000への書き込み、およびメモリカード1000に記録された画像データの読み出しを行うものである。メモリカード1000は、例えば、R/W50に接続されたスロットに対して着脱可能な半導体メモリーである。
【0073】
CPU60は、撮像装置100に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部として機能するものであり、入力部70からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御するようになっている。入力部70は、ユーザによって所要の操作が行われる各種のスイッチ等からなる。入力部70は例えば、シャッタ操作を行うためのシャッタレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等によって構成され、ユーザによる操作に応じた指示入力信号をCPU60に対して出力するようになっている。レンズ駆動制御部80は、カメラブロック110に配置されたレンズの駆動を制御するものであり、CPU60からの制御信号に基づいて撮像レンズ111の各レンズを駆動する図示しないモータ等を制御するようになっている。
【0074】
以下に、撮像装置100における動作を説明する。
撮影の待機状態では、CPU60による制御の下で、カメラブロック110において撮影された画像に相当する画像信号が、カメラ信号処理部20を介してLCD40に出力され、カメラスルー画像として表示される。また、例えば入力部70からのズーミングやフォーカシングのための指示入力信号が入力されると、CPU60がレンズ駆動制御部80に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部80の制御に基づいて撮像レンズ111の所定のレンズが移動する。
【0075】
入力部70からの指示入力信号によりカメラブロック110の図示しないシャッタが動作されると、撮影された画像信号がカメラ信号処理部20から画像処理部30に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換される。変換されたデータはR/W50に出力され、メモリカード1000に書き込まれる。
【0076】
なお、フォーカシングは、例えば、入力部70のシャッタレリーズボタンが半押しされた場合や記録(撮影)のために全押しされた場合等に、CPU60からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部80が撮像レンズ111の所定のレンズを移動させることにより行われる。
【0077】
メモリカード1000に記録された画像データを再生する場合には、入力部70に対する操作に応じて、R/W50によってメモリカード1000から所定の画像データが読み出され、画像処理部30によって伸張復号化処理が行われた後、再生画像信号がLCD40に出力されて再生画像が表示される。
【0078】
なお、上記した実施の形態においては、撮像装置をデジタルスチルカメラ等に適用した例を示したが、撮像装置の適用範囲はデジタルスチルカメラに限られることはなく、他の種々の撮像装置に適用可能である。例えば、デジタル一眼レフカメラ、デジタルノンレフレックスカメラ、デジタルビデオカメラ、および監視カメラ等に適用することができる。また、カメラが組み込まれた携帯電話や、カメラが組み込まれた情報端末等のデジタル入出力機器のカメラ部等として広く適用することができる。また、レンズ交換式のカメラにも適用することができる。
【実施例0079】
<4.レンズの数値実施例>
次に、本開示の一実施の形態に係る結像光学系の具体的な数値実施例について説明する。ここでは、図1等に示した各構成例に係る結像光学系1~7に、具体的な数値を適用した実施例を説明する。
【0080】
なお、以下の各表や説明において示した記号の意味等については、下記に示す通りである。「Si」は、最も物体側から順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。「ri」は、i番目の面の近軸の曲率半径の値(mm)を示す。「di」はi番目の面とi+1番目の面との間の光軸上の間隔の値(mm)を示す。「Ndi」はi番目の面を有する光学要素の材質のd線(波長587.6nm)に対する屈折率の値を示す。「νdi」はi番目の面を有する光学要素の材質のd線におけるアッベ数の値を示す。「φi」はi番目の面の有効径の値(mm)を示す。「ri」の値が「∞」となっている部分は平面、または絞り面等を示す。面番号(Si)の欄の「ASP」は、当該面が非球面形状で構成されていることを示す。面番号の欄の「STO」は該当位置に開口絞りStが配置されていることを示す。面番号の欄の「OBJ」は、当該面が物体面(被写体面)であることを示す。面番号の欄の「IMG」は、当該面が像面であることを示す。「f」は全系の焦点距離を示す(単位:mm)。「Fno」は開放F値(Fナンバー)を示す。「ω」は半画角を示す(単位:°)。「Y」は像高を示す(単位:mm)。「L」は光学全長(最も物体側の面から像面IMGまでの光軸Z1上の距離)を示す(単位:mm)。
なお、結像光学系への光線の入射角度は、光軸Z1から測って時計回りを正、反時計回りを負とする。また、図1等において、物体は結像光学系の左側にあるものとし、物体側から結像光学系に入射する光線は左側から右側へ進むものとする。
【0081】
また、各実施例において用いられるレンズには、レンズ面が非球面によって構成されるものがある。非球面形状は、以下の式によって定義される。なお、後述する非球面係数を示す各表において、「E-i」は10を底とする指数表現、すなわち、「10-i」を表しており、例えば、「0.12345E-05」は「0.12345×10-5」を表している。
【0082】
(非球面の式)
x=cy2/(1+(1-(1+k)c221/2)+ΣAi・yi
ここで、レンズ面の頂点から光軸方向の距離(サグ量)を「x」、光軸Z1と垂直な方向の高さを「y」、レンズ面の頂点での近軸曲率(曲率半径の逆数)を「c」、円錐(コーニック)定数を「k」とする。Aiは、第i次の非球面係数である。
【0083】
[実施例1]
[表1]に、図1に示した実施例1に係る結像光学系1の基本的なレンズデータを示す。[表2]には、実施例1に係る結像光学系1における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。なお、[表2]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表3],[表4]には、実施例1に係る結像光学系1における、非球面の形状を表す係数の値を示す。
【0084】
実施例1に係る結像光学系1は、6つのレンズ成分を備える。6つのレンズ成分は、物体側から像面側に向かって順に、8枚のレンズL1~L8からなる。開口絞りStは、レンズL1とレンズL2との間に配置されている。
【0085】
レンズL1は、両凹形状の負レンズである。レンズL2は、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL3は、両凹形状の負レンズである。レンズL2とレンズL3はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。レンズL4は、両凸形状の正レンズである。レンズL5は、両凹形状の負レンズである。レンズL6は、両凸形状の正レンズである。レンズL5とレンズL6はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。レンズL7は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL8は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。
【0086】
レンズL4、レンズL7、およびレンズL8は両面に非球面が形成された非球面レンズである。特に、レンズL8は、dx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点を2つ有し、上記条件式(1)を満たす非球面レンズGAである。
【0087】
結像光学系1において、開口絞りStから、レンズL8の物体側の面までの光軸上の距離が上記条件式(7),(11)におけるDLgaである。また、最も物体側のレンズL1の物体側の面から、最も像面側のレンズL8の像面側の面までの距離が上記条件式(7)におけるDLaである。また、最も像面側のレンズL8の像面側の面から、像面までの距離が上記条件式(12)におけるバックフォーカスBFである。
【0088】
以上の構成により、小型化および軽量化を実現しつつ、諸収差(特に歪曲収差、像面湾曲、およびコマ収差)を良好に補正した光学系を実現している。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】
図2には、実施例1に係る結像光学系1の無限遠合焦時における縦収差を示す。図3には、実施例1に係る結像光学系1の無限遠合焦時における横収差を示す。
【0094】
図2には、縦収差として、球面収差、非点収差(像面湾曲)、および歪曲収差を示す。図2における球面収差図と、図3における横収差図において、実線はd線(587.56nm)、一点鎖線はg線(435.84nm)、破線はC線(656.27nm)における値を示す。図2における非点収差図において、Sはサジタル像面、Tはタンジェンシャル像面における値を示す。図2における非点収差図および歪曲収差図には、d線における値を示す。
以降の他の実施例における収差図についても同様である。
【0095】
各収差図から分かるように、実施例1に係る結像光学系1は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0096】
[実施例2]
[表5]に、図4に示した実施例2に係る結像光学系2の基本的なレンズデータを示す。[表6]には、実施例2に係る結像光学系2における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。なお、[表6]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表7],[表8]には、実施例2に係る結像光学系2における、非球面の形状を表す係数の値を示す。
【0097】
実施例2に係る結像光学系2は、9つのレンズ成分を備える。9つのレンズ成分は、物体側から像面側に向かって順に、11枚のレンズL1~L11からなる。開口絞りStは、レンズL3とレンズL4との間に配置されている。
【0098】
レンズL1は、両凹形状の負レンズである。レンズL2は、両凸形状の正レンズである。レンズL3は、両凸形状の正レンズである。レンズL4は、両凹形状の負レンズである。レンズL5は、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL6は、両凸形状の正レンズである。
【0099】
レンズL7は、両凸形状の正レンズである。レンズL8は、両凹形状の負レンズである。レンズL9は、両凸形状の正レンズである。レンズL10は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL11は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL7とレンズL8はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。また、レンズL9とレンズL10はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。
【0100】
レンズL2、レンズL6、およびレンズL11は両面に非球面が形成された非球面レンズである。特に、レンズL11は、dx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点を2つ有し、上記条件式(1)を満たす非球面レンズGAである。
【0101】
結像光学系2において、開口絞りStから、レンズL11の物体側の面までの光軸上の距離が上記条件式(7),(11)におけるDLgaである。また、最も物体側のレンズL1の物体側の面から、最も像面側のレンズL11の像面側の面までの距離が上記条件式(7)におけるDLaである。また、最も像面側のレンズL11の像面側の面から、像面までの距離が上記条件式(12)におけるバックフォーカスBFである。
【0102】
以上の構成により、小型化および軽量化を実現しつつ、諸収差(特に歪曲収差、像面湾曲、およびコマ収差)を良好に補正した光学系を実現している。
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
【表7】
【0106】
【表8】
【0107】
図5には、実施例2に係る結像光学系2の無限遠合焦時における縦収差を示す。図6には、実施例2に係る結像光学系2の無限遠合焦時における横収差を示す。
【0108】
各収差図から分かるように、実施例2に係る結像光学系2は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0109】
[実施例3]
[表9]に、図7に示した実施例3に係る結像光学系3の基本的なレンズデータを示す。[表10]には、実施例3に係る結像光学系3における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。なお、[表10]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表11],[表12]には、実施例3に係る結像光学系3における、非球面の形状を表す係数の値を示す。
【0110】
実施例3に係る結像光学系3は、11のレンズ成分を備える。11のレンズ成分は、物体側から像面側に向かって順に、14枚のレンズL1~L14からなる。開口絞りStは、レンズL7とレンズL8との間に配置されている。
【0111】
レンズL1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL3は、両凹形状の負レンズである。レンズL4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL5は、両凹形状の負レンズである。レンズL6は、両凸形状の正レンズである。レンズL7は、両凸形状の正レンズである。レンズL8は、両凸形状の正レンズである。レンズL9は、両凸形状の正レンズである。レンズL10は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL11は、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL12は、両凹形状の負レンズである。レンズL13は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL14は、両凸形状の正レンズである。レンズL3とレンズL4はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。レンズL5とレンズL6はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。レンズL9とレンズL10はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。
【0112】
レンズL1、レンズL7、およびレンズL13は両面に非球面が形成された非球面レンズである。特に、レンズL13は、dx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点を2つ有し、上記条件式(1)を満たす非球面レンズGAである。
【0113】
結像光学系3において、開口絞りStから、レンズL13の物体側の面までの光軸上の距離が上記条件式(7),(11)におけるDLgaである。また、最も物体側のレンズL1の物体側の面から、最も像面側のレンズL14の像面側の面までの距離が上記条件式(7)におけるDLaである。また、最も像面側のレンズL14の像面側の面から、像面までの距離が上記条件式(12)におけるバックフォーカスBFである。
【0114】
以上の構成により、小型化および軽量化を実現しつつ、諸収差(特に歪曲収差、像面湾曲、およびコマ収差)を良好に補正した光学系を実現している。
【0115】
【表9】
【0116】
【表10】
【0117】
【表11】
【0118】
【表12】
【0119】
図8には、実施例3に係る結像光学系3の無限遠合焦時における縦収差を示す。図9には、実施例3に係る結像光学系3の無限遠合焦時における横収差を示す。
【0120】
各収差図から分かるように、実施例3に係る結像光学系3は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0121】
[実施例4]
[表13]に、図10に示した実施例4に係る結像光学系4の基本的なレンズデータを示す。[表14]には、実施例4に係る結像光学系4における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。[表15]には、実施例4に係る結像光学系4においてズーミングの際に可変となる面間隔のデータを示す。なお、[表14],[表15]には、広角端(Wide)、および望遠端(Tele)のそれぞれについて、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表16],[表17],[表18]には、実施例4に係る結像光学系4における、非球面の形状を表す係数の値を示す。[表19]には、実施例4に係る結像光学系4の各レンズ群の始面と焦点距離(単位:mm)とを示す。
【0122】
実施例4に係る結像光学系4は、12のレンズ成分を備える。12のレンズ成分は、物体側から像面側に向かって順に、16枚のレンズL1~L16からなる。開口絞りStは、レンズL7とレンズL8との間に配置されている。
【0123】
実施例4に係る結像光学系4は、第1レンズ群G1ないし第6レンズ群G6が物体側から像面側へ向かって順に配置されたズームレンズを構成している。
【0124】
第1レンズ群G1は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL1~L4からなる。レンズL1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL2は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL3は、両凹形状の負レンズである。レンズL4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。
【0125】
第2レンズ群G2は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL5とレンズL6とからなる。レンズL5は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL6は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL5とレンズL6はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。
【0126】
第3レンズ群G3は、レンズL7からなる。レンズL7は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。
【0127】
第4レンズ群G4は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL8~L10からなる。レンズL8は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL9は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL10は、両凸形状の正レンズである。レンズL8とレンズL9はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。
【0128】
第5レンズ群G5は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL11とレンズL12とからなる。レンズL11は、両凸形状の正レンズである。レンズL12は、両凹形状の負レンズである。レンズL11とレンズL12はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。
【0129】
第6レンズ群G6は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL13~L16からなる。レンズL13は、両凸形状の正レンズである。レンズL14は、両凸形状の正レンズである。レンズL15は、両凹形状の負レンズである。レンズL16は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL16である。レンズL14とレンズL15はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。
【0130】
実施例4に係る結像光学系4は、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群G1が像面側に、第2レンズ群G2が物体側に、第3レンズ群G3が物体側に、第4レンズ群G4が物体側に、第5レンズ群G5が物体側に、第6レンズ群G6が物体側に移動する。
【0131】
レンズL1、レンズL2、レンズL7、レンズL10、およびレンズL16は両面に非球面が形成された非球面レンズである。特に、レンズL2とレンズL16は、dx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点を2つ有し、上記条件式(1)を満たす非球面レンズGAである。
【0132】
結像光学系3において、レンズL2の物体側の面から開口絞りStまでの光軸上の距離、もしくは、開口絞りStからレンズL16の物体側の面までの光軸上の距離が上記条件式(7),(11)におけるDLgaである。また、最も物体側のレンズL1の物体側の面から、最も像面側のレンズL16の像面側の面までの距離が上記条件式(7)におけるDLaである。また、最も像面側のレンズL16の像面側の面から、像面までの距離が上記条件式(12)におけるバックフォーカスBFである。
【0133】
以上の構成により、小型化および軽量化を実現しつつ、諸収差(特に歪曲収差、像面湾曲、およびコマ収差)を良好に補正した光学系を実現している。
【0134】
【表13】
【0135】
【表14】
【0136】
【表15】
【0137】
【表16】
【0138】
【表17】
【0139】
【表18】
【0140】
【表19】
【0141】
図11には、実施例4に係る結像光学系4の広角端かつ無限遠合焦時における縦収差を示す。図12には、実施例4に係る結像光学系4の望遠端かつ無限遠合焦時における縦収差を示す。図13には、実施例4に係る結像光学系4の広角端かつ無限遠合焦時における横収差を示す。図14には、実施例4に係る結像光学系4の望遠端かつ無限遠合焦時における横収差を示す。
【0142】
各収差図から分かるように、実施例4に係る結像光学系4は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0143】
[実施例5]
[表20]に、図15に示した実施例5に係る結像光学系5の基本的なレンズデータを示す。[表21]には、実施例5に係る結像光学系5における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。なお、[表21]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表22],[表23]には、実施例5に係る結像光学系5における、非球面の形状を表す係数の値を示す。
【0144】
実施例5に係る結像光学系5は、6つのレンズ成分を備える。6つのレンズ成分は、物体側から像面側に向かって順に、8枚のレンズL1~L8からなる。開口絞りStは、レンズL1とレンズL2との間に配置されている。
【0145】
レンズL1は、物体から順に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL2は、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL3は、両凹形状の負レンズである。レンズL4は、両凸形状の正レンズである。レンズL5は、両凹形状の負レンズである。レンズL6は、両凸形状の正レンズである。レンズL7は、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL8は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL2とレンズL3はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。また、レンズL5とレンズL6はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。
【0146】
レンズL4、レンズL7、およびレンズL8は両面に非球面が形成された非球面レンズである。特に、レンズL8は、dx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点を2つ有し、上記条件式(1)を満たす非球面レンズGAである。
【0147】
結像光学系5において、開口絞りStから、レンズL8の物体側の面までの光軸上の距離が上記条件式(7),(11)におけるDLgaである。また、最も物体側のレンズL1の物体側の面から、最も像面側のレンズL8の像面側の面までの距離が上記条件式(7)におけるDLaである。また、最も像面側のレンズL8の像面側の面から、像面までの距離が上記条件式(12)におけるバックフォーカスBFである。
【0148】
以上の構成により、小型化および軽量化を実現しつつ、諸収差(特に歪曲収差、像面湾曲、およびコマ収差)を良好に補正した光学系を実現している。
【0149】
【表20】
【0150】
【表21】
【0151】
【表22】
【0152】
【表23】
【0153】
図16には、実施例5に係る結像光学系5の無限遠合焦時における縦収差を示す。図17には、実施例5に係る結像光学系5の無限遠合焦時における横収差を示す。
【0154】
各収差図から分かるように、実施例5に係る結像光学系5は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0155】
[実施例6]
[表24]に、図18に示した実施例6に係る結像光学系6の基本的なレンズデータを示す。[表25]には、実施例6に係る結像光学系6における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。なお、[表25]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表26]には、実施例6に係る結像光学系6における、非球面の形状を表す係数の値を示す。
【0156】
実施例6に係る結像光学系6は、11のレンズ成分を備える。11のレンズ成分は、物体側から像面側に向かって順に、14枚のレンズL1~L14からなる。開口絞りStは、レンズL7とレンズL8との間に配置されている。
【0157】
レンズL1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL3は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL4は、両凹形状の負レンズである。レンズL5は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL6は、両凸形状の正レンズである。レンズL7は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL8は、両凸形状の正レンズである。レンズL9は、両凹形状の負レンズである。レンズL10は、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL11は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL12は、両凸形状の正レンズである。レンズL13は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL14は、両凹形状の負レンズである。レンズL4とレンズL5はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。レンズL8とレンズL9はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。レンズL10とレンズL11はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。
【0158】
レンズL2、およびレンズL13は両面に非球面が形成された非球面レンズである。特に、レンズL13は、dx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点を2つ有し、上記条件式(1)を満たす非球面レンズGAである。
【0159】
結像光学系6において、開口絞りStから、レンズL13の物体側の面までの光軸上の距離が上記条件式(7),(11)におけるDLgaである。また、最も物体側のレンズL1の物体側の面から、最も像面側のレンズL14の像面側の面までの距離が上記条件式(7)におけるDLaである。また、最も像面側のレンズL14の像面側の面から、像面までの距離が上記条件式(12)におけるバックフォーカスBFである。
【0160】
以上の構成により、小型化および軽量化を実現しつつ、諸収差(特に歪曲収差、像面湾曲、およびコマ収差)を良好に補正した光学系を実現している。
【0161】
【表24】
【0162】
【表25】
【0163】
【表26】
【0164】
図19には、実施例6に係る結像光学系6の無限遠合焦時における縦収差を示す。図20には、実施例6に係る結像光学系6の無限遠合焦時における横収差を示す。
【0165】
各収差図から分かるように、実施例6に係る結像光学系6は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0166】
[実施例7]
[表27]に、図21に示した実施例7に係る結像光学系7の基本的なレンズデータを示す。[表28]には、実施例7に係る結像光学系7における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。なお、[表28]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表29],[表30]には、実施例7に係る結像光学系7における、非球面の形状を表す係数の値を示す。
【0167】
実施例7に係る結像光学系7は、13のレンズ成分を備える。13のレンズ成分は、物体側から像面側に向かって順に、14枚のレンズL1~L14からなる。開口絞りStは、レンズL7とレンズL8との間に配置されている。
【0168】
レンズL1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL2は、両凸形状の正レンズである。レンズL3は、両凹形状の負レンズである。レンズL4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL5は、両凹形状の負レンズである。レンズL6は、両凸形状の正レンズである。レンズL7は、両凸形状の正レンズである。レンズL8は、両凸形状の正レンズである。レンズL9は、両凸形状の正レンズである。レンズL10は、両凹形状の負レンズである。レンズL11は、両凸形状の正レンズである。レンズL12は、両凹形状の負レンズである。レンズL13は、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL14は、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL5とレンズL6はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。レンズL9とレンズL10はそれぞれ互いに貼りあわされて接合レンズを形成する。
【0169】
レンズL1、レンズL2、レンズL7、およびレンズL13は両面に非球面が形成された非球面レンズである。特に、レンズL2とレンズL13は、dx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点を2つ有し、上記条件式(1)を満たす非球面レンズGAである。
【0170】
結像光学系7において、レンズL2の物体側の面から開口絞りStまでの光軸上の距離、もしくは、開口絞りStからレンズL13の物体側の面までの光軸上の距離が上記条件式(7),(11)におけるDLgaである。また、最も物体側のレンズL1の物体側の面から、最も像面側のレンズL14の像面側の面までの距離が上記条件式(7)におけるDLaである。また、最も像面側のレンズL14の像面側の面から、像面までの距離が上記条件式(12)におけるバックフォーカスBFである。
【0171】
以上の構成により、小型化および軽量化を実現しつつ、諸収差(特に歪曲収差、像面湾曲、およびコマ収差)を良好に補正した光学系を実現している。
【0172】
【表27】
【0173】
【表28】
【0174】
【表29】
【0175】
【表24】
【0176】
【表30】
【0177】
図22には、実施例7に係る結像光学系7の無限遠合焦時における縦収差を示す。図23には、実施例7に係る結像光学系7の無限遠合焦時における横収差を示す。
【0178】
各収差図から分かるように、実施例7に係る結像光学系7は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0179】
[各実施例のその他の数値データ]
[表31],[表32]には、上述の各条件式に関する値を、各実施例についてまとめたものを示す。[表31],[表32]から分かるように、各条件式について、各実施例の値がその数値範囲内となっている。
【0180】
【表31】
【0181】
【表32】
【0182】
<5.応用例>
[5.1 第1の応用例]
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0183】
図27は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図27に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
【0184】
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図27では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
【0185】
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
【0186】
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
【0187】
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0188】
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
【0189】
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
【0190】
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
【0191】
ここで、図28は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0192】
なお、図28には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0193】
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920~7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
【0194】
図27に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
【0195】
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
【0196】
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
【0197】
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0198】
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
【0199】
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX(登録商標)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)若しくはLTE-A(LTE-Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi-Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
【0200】
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
【0201】
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
【0202】
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
【0203】
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
【0204】
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
【0205】
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
【0206】
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
【0207】
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図27の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
【0208】
なお、図27に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
【0209】
以上説明した車両制御システム7000において、本開示の結像光学系、および撮像装置は、撮像部7410、および撮像部7910,7912,7914,7916,7918に適用することができる。
【0210】
[5.2 第2の応用例]
本開示に係る技術は、医療イメージングシステムに適用することができる。医療イメージングシステムは、イメージング技術を用いた医療システムであり、例えば、内視鏡システムや顕微鏡システムである。
【0211】
[内視鏡システム]
内視鏡システムの例を図29図30を用いて説明する。図29は、本開示に係る技術が適用可能な内視鏡システム5000の概略的な構成の一例を示す図である。図30は、内視鏡5001およびCCU(Camera Control Unit)5039の構成の一例を示す図である。図29では、手術参加者である術者(例えば、医師)5067が、内視鏡システム5000を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に手術を行っている様子が図示されている。図29に示すように、内視鏡システム5000は、医療イメージング装置である内視鏡5001と、CCU5039と、光源装置5043と、記録装置5053と、出力装置5055と、内視鏡5001を支持する支持装置5027と、から構成される。
【0212】
内視鏡手術では、トロッカ5025と呼ばれる挿入補助具が患者5071に穿刺される。そして、トロッカ5025を介して、内視鏡5001に接続されたスコープ5003や術具5021が患者5071の体内に挿入される。術具5021は例えば、電気メス等のエネルギーデバイスや、鉗子などである。
【0213】
内視鏡5001によって撮影された患者5071の体内を映した医療画像である手術画像が、表示装置5041に表示される。術者5067は、表示装置5041に表示された手術画像を見ながら術具5021を用いて手術対象に処置を行う。なお、医療画像は手術画像に限らず、診断中に撮像された診断画像であってもよい。
【0214】
[内視鏡]
内視鏡5001は、患者5071の体内を撮像する撮像部であり、例えば、図30に示すように、入射した光を集光する集光光学系50051と、撮像部の焦点距離を変更して光学ズームを可能とするズーム光学系50052と、撮像部の焦点距離を変更してフォーカス調整を可能とするフォーカス光学系50053と、受光素子50054と、を含むカメラ5005である。内視鏡5001は、接続されたスコープ5003を介して光を受光素子50054に集光することで画素信号を生成し、CCU5039に伝送系を通じて画素信号を出力する。なお、スコープ5003は、対物レンズを先端に有し、接続された光源装置5043からの光を患者5071の体内に導光する挿入部である。スコープ5003は、例えば硬性鏡では硬性スコープ、軟性鏡では軟性スコープである。スコープ5003は直視鏡や斜視鏡であってもよい。また、画素信号は画素から出力された信号に基づいた信号であればよく、例えば、RAW信号や画像信号である。また、内視鏡5001とCCU5039とを接続する伝送系にメモリを搭載し、メモリに内視鏡5001やCCU5039に関するパラメータを記憶する構成にしてもよい。メモリは、例えば、伝送系の接続部分やケーブル上に配置されてもよい。例えば、内視鏡5001の出荷時のパラメータや通電時に変化したパラメータを伝送系のメモリに記憶し、メモリから読みだしたパラメータに基づいて内視鏡の動作を変更してもよい。また、内視鏡と伝送系をセットにして内視鏡と称してもよい。受光素子50054は、受光した光を画素信号に変換するセンサであり、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプの撮像素子である。受光素子50054は、Bayer配列を有するカラー撮影可能な撮像素子であることが好ましい。また、受光素子50054は、例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)、8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)または正方形4K(水平画素数3840以上×垂直画素数3840以上)の解像度に対応した画素数を有する撮像素子であることが好ましい。受光素子50054は、1枚のセンサチップであってもよいし、複数のセンサチップでもよい。例えば、入射光を所定の波長帯域ごとに分離するプリズムを設けて、各波長帯域を異なる受光素子で撮像する構成であってもよい。また、立体視のために受光素子を複数設けてもよい。また、受光素子50054は、チップ構造の中に画像処理用の演算処理回路を含んでいるセンサであってもよいし、ToF(Time of Flight)用センサであってもよい。なお、伝送系は例えば光ファイバケーブルや無線伝送である。無線伝送は、内視鏡5001で生成された画素信号が伝送可能であればよく、例えば、内視鏡5001とCCU5039が無線接続されてもよいし、手術室内の基地局を経由して内視鏡5001とCCU5039が接続されてもよい。このとき、内視鏡5001は画素信号だけでなく、画素信号に関連する情報(例えば、画素信号の処理優先度や同期信号等)を同時に送信してもよい。なお、内視鏡はスコープとカメラを一体化してもよく、スコープの先端部に受光素子を設ける構成としてもよい。
【0215】
[CCU(Camera Control Unit)]
CCU5039は、接続された内視鏡5001や光源装置5043を統括的に制御する制御装置であり、例えば、図30に示すように、FPGA50391、CPU50392、RAM50393、ROM50394、GPU50395、I/F50396を有する情報処理装置である。また、CCU5039は、接続された表示装置5041や記録装置5053、出力装置5055を統括的に制御してもよい。例えば、CCU5039は、光源装置5043の照射タイミングや照射強度、照射光源の種類を制御する。また、CCU5039は、内視鏡5001から出力された画素信号に対して現像処理(例えばデモザイク処理)や補正処理といった画像処理を行い、表示装置5041等の外部装置に処理後の画素信号(例えば画像)を出力する。また、CCU5039は、内視鏡5001に対して制御信号を送信し、内視鏡5001の駆動を制御する。制御信号は、例えば、撮像部の倍率や焦点距離などの撮像条件に関する情報である。なお、CCU5039は画像のダウンコンバート機能を有し、表示装置5041に高解像度(例えば4K)の画像を、記録装置5053に低解像度(例えばHD)の画像を同時に出力可能な構成としてもよい。
【0216】
また、CCU5039は、信号を所定の通信プロトコル(例えば、IP(Internet Protocol))に変換するIPコンバータを経由して外部機器(例えば、記録装置や表示装置、出力装置、支持装置)と接続されてもよい。IPコンバータと外部機器との接続は、有線ネットワークで構成されてもよいし、一部または全てのネットワークが無線ネットワークで構築されてもよい。例えば、CCU5039側のIPコンバータは無線通信機能を有し、受信した映像を第5世代移動通信システム(5G)、第6世代移動通信システム(6G)等の無線通信ネットワークを介してIPスイッチャーや出力側IPコンバータに送信してもよい。
【0217】
[光源装置]
光源装置5043は、所定の波長帯域の光を照射可能な装置であり、例えば、複数の光源と、複数の光源の光を導光する光源光学系と、を備える。光源は、例えばキセノンランプ、LED光源やLD光源である。光源装置5043は、例えば三原色R、G、Bのそれぞれに対応するLED光源を有し、各光源の出力強度や出力タイミングを制御することで白色光を出射する。また、光源装置5043は、通常光観察に用いられる通常光を照射する光源とは別に、特殊光観察に用いられる特殊光を照射可能な光源を有していてもよい。特殊光は、通常光観察用の光である通常光とは異なる所定の波長帯域の光であり、例えば、近赤外光(波長が760nm以上の光)や赤外光、青色光、紫外光である。通常光は、例えば白色光や緑色光である。特殊光観察の一種である狭帯域光観察では、青色光と緑色光を交互に照射することにより、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影することができる。また、特殊光観察の一種である蛍光観察では、体組織に注入された薬剤を励起する励起光を照射し、体組織または標識である薬剤が発する蛍光を受光して蛍光画像を得ることで、通常光では術者が視認しづらい体組織等を、術者が視認しやすくすることができる。例えば、赤外光を用いる蛍光観察では、体組織に注入されたインドシアニングリーン(ICG)等の薬剤に励起波長帯域を有する赤外光を照射し、薬剤の蛍光を受光することで、体組織の構造や患部を視認しやすくすることができる。また、蛍光観察では、青色波長帯域の特殊光で励起され、赤色波長帯域の蛍光を発する薬剤(例えば5-ALA)を用いてもよい。なお、光源装置5043は、CCU5039の制御により照射光の種類を設定される。CCU5039は、光源装置5043と内視鏡5001を制御することにより、通常光観察と特殊光観察が交互に行われるモードを有してもよい。このとき、通常光観察で得られた画素信号に特殊光観察で得られた画素信号に基づく情報を重畳されることが好ましい。また、特殊光観察は、赤外光を照射して臓器表面より奥を見る赤外光観察や、ハイパースペクトル分光を活用したマルチスペクトル観察であってもよい。さらに、光線力学療法を組み合わせてもよい。
【0218】
[記録装置]
記録装置5053は、CCU5039から取得した画素信号(例えば画像)を記録する装置であり、例えばレコーダーである。記録装置5053は、CCU5039から取得した画像をHDDやSDD、光ディスクに記録する。記録装置5053は、病院内のネットワークに接続され、手術室外の機器からアクセス可能にしてもよい。また、記録装置5053は画像のダウンコンバート機能またはアップコンバート機能を有していてもよい。
【0219】
[表示装置]
表示装置5041は、画像を表示可能な装置であり、例えば表示モニタである。表示装置5041は、CCU5039から取得した画素信号に基づく表示画像を表示する。なお、表示装置5041はカメラやマイクを備えることで、視線認識や音声認識、ジェスチャによる指示入力を可能にする入力デバイスとしても機能してよい。
【0220】
[出力装置]
出力装置5055は、CCU5039から取得した情報を出力する装置であり、例えばプリンタである。出力装置5055は、例えば、CCU5039から取得した画素信号に基づく印刷画像を紙に印刷する。
【0221】
[支持装置]
支持装置5027は、アーム制御装置5045を有するベース部5029と、ベース部5029から延伸するアーム部5031と、アーム部5031の先端に取り付けられた保持部5032とを備える多関節アームである。アーム制御装置5045は、CPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、アーム部5031の駆動を制御する。支持装置5027は、アーム制御装置5045によってアーム部5031を構成する各リンク5035の長さや各関節5033の回転角やトルク等のパラメータを制御することで、例えば保持部5032が保持する内視鏡5001の位置や姿勢を制御する。これにより、内視鏡5001を所望の位置または姿勢に変更し、スコープ5003を患者5071に挿入でき、また、体内での観察領域を変更できる。支持装置5027は、術中に内視鏡5001を支持する内視鏡支持アームとして機能する。これにより、支持装置5027は、内視鏡5001を持つ助手であるスコピストの代わりを担うことができる。また、支持装置5027は、後述する顕微鏡装置5301を支持する装置であってもよく、医療用支持アームと呼ぶこともできる。なお、支持装置5027の制御は、アーム制御装置5045による自律制御方式であってもよいし、ユーザの入力に基づいてアーム制御装置5045が制御する制御方式であってもよい。例えば、制御方式は、ユーザの手元の術者コンソールであるマスター装置(プライマリ装置)の動きに基づいて、患者カートであるスレイブ装置(レプリカ装置)としての支持装置5027が制御されるマスタ・スレイブ方式でもよい。また、支持装置5027の制御は、手術室の外から遠隔制御が可能であってもよい。
【0222】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡システム5000の一例について説明した。例えば、本開示に係る技術は、顕微鏡システムに適用されてもよい。
【0223】
[顕微鏡システム]
図31は、本開示に係る技術が適用され得る顕微鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。なお、以下の説明において、内視鏡システム5000と同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0224】
図31では、術者5067が、顕微鏡手術システム5300を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に対して手術を行っている様子を概略的に示している。なお、図31では、簡単のため、顕微鏡手術システム5300の構成のうちカート5037の図示を省略するとともに、内視鏡5001に代わる顕微鏡装置5301を簡略化して図示している。ただし、本説明における顕微鏡装置5301は、リンク5035の先端に設けられた顕微鏡部5303を指していてもよいし、顕微鏡部5303及び支持装置5027を含む構成全体を指していてもよい。
【0225】
図31に示すように、手術時には、顕微鏡手術システム5300を用いて、顕微鏡装置5301によって撮影された術部の画像が、手術室に設置される表示装置5041に拡大表示される。表示装置5041は、術者5067と対向する位置に設置されており、術者5067は、表示装置5041に映し出された映像によって術部の様子を観察しながら、例えば患部の切除等、当該術部に対して各種の処置を行う。顕微鏡手術システムは、例えば眼科手術や脳外科手術に使用される。
【0226】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡システム5000及び顕微鏡手術システム5300の例についてそれぞれ説明した。なお、本開示に係る技術が適用され得るシステムはかかる例に限定されない。例えば、支持装置5027は、その先端に内視鏡5001又は顕微鏡部5303に代えて他の観察装置や他の術具を支持し得る。当該他の観察装置としては、例えば、鉗子、攝子、気腹のための気腹チューブ、又は焼灼によって組織の切開や血管の封止を行うエネルギー処置具等が適用され得る。これらの観察装置や術具を支持装置によって支持することにより、医療スタッフが人手で支持する場合に比べて、より安定的に位置を固定することが可能となるとともに、医療スタッフの負担を軽減することが可能となる。本開示に係る技術は、このような顕微鏡部以外の構成を支持する支持装置に適用されてもよい。
【0227】
本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、カメラ5005に好適に適用され得る。特に、本開示の結像光学系は、カメラ5005における、集光光学系50051、ズーム光学系50052、およびフォーカス光学系50053のうち、少なくとも一部の光学系に好適に適用され得る。
【0228】
<6.その他の実施の形態>
本開示による技術は、上記一実施の形態および実施例の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
【0229】
例えば、上記一実施の形態および実施例において示した各部の形状および数値は、いずれも本技術を実施するための具体化のほんの一例に過ぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0230】
また、例えば、上記一実施の形態および実施例において示したレンズ枚数とは異なる枚数のレンズを備えた構成であってもよい。さらに、実質的に屈折力を有さないレンズをさらに備えた構成であってもよい。
【0231】
例えば、本技術は以下のような構成を取ることもできる。
以下の構成の本技術によれば、非球面レンズの形状および位置の最適化を図り、非球面レンズを適切に用いることにより、小型化および軽量化を実現しつつ諸収差を良好に補正することが可能な結像光学系、およびそのような結像光学系を備えた撮像装置を提供することが可能となる。
【0232】
[1]
非球面レンズを含む複数のレンズと、
開口絞りと
を備え、
前記非球面レンズのレンズ径をy、前記非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、
前記非球面レンズの前記非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、
前記レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1
|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、
以下の条件式を満足する
結像光学系。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.3<Lexp/Lgaf<50.0 ……(5)
ただし、
Dga:前記非球面レンズの前記非球面における光線有効半径
Vga:前記非球面レンズのアッベ数
Nga:前記非球面レンズの屈折率
Lgaf:前記非球面レンズの物体側の面から像面までの距離
Lexp:光学系の射出瞳から像面までの距離
とする。
[2]
非球面レンズを含む複数のレンズと、
開口絞りと
を備え、
前記非球面レンズのレンズ径をy、前記非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、
前記非球面レンズの前記非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、
前記レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1
|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、
以下の条件式を満足する
結像光学系。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.05<Lenp/Lgae<50.00 ……(6)
ただし、
Dga:前記非球面レンズの前記非球面における光線有効半径
Vga:前記非球面レンズのアッベ数
Nga:前記非球面レンズの屈折率
Lgae:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から前記非球面レンズまでの距離
Lenp:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から光学系の射出瞳までの距離
とする。
[3]
さらに、以下の条件式を満足する
上記[1]または[2]に記載の結像光学系。
0.01<|DLga|/DLa<1.00 ……(7)
ただし、
DLga:前記非球面レンズの物体側の面と前記開口絞りとの光軸上の距離
DLa:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から、前記複数のレンズのうち最も像面側のレンズの像面側の面までの距離
とする。
[4]
さらに、以下の条件式を満足する
上記[1]ないし[3]のいずれか1つに記載の結像光学系。
-20.0<hga^/hgf^≦1.0 ……(8)
ただし、
hga^:前記非球面レンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
hgf^:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
とする。
[5]
さらに、以下の条件式を満足する
上記[1]ないし[4]のいずれか1つに記載の結像光学系。
-20.0<hga^/hgb^≦1.0 ……(9)
ただし、
hga^:前記非球面レンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
hgb^:前記複数のレンズのうち最も像面側のレンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
とする。
[6]
さらに、以下の条件式を満足する
上記[1]ないし[5]のいずれか1つに記載の結像光学系。
0.01≦hga2*hga^2/hi4<10.00 ……(10)
ただし、
hga:前記非球面レンズを通過するときの瞳近軸軸上光線の高さ
hga^:前記非球面レンズを通過するときの瞳近軸光線の高さ
hi:光学系の開口径の半径
とする。
[7]
さらに、以下の条件式を満足する
上記[1]ないし[6]のいずれか1つに記載の結像光学系。
-4.0<DLga/fa<5.0 ……(11)
ただし、
DLga:前記非球面レンズの物体側の面と前記開口絞りとの光軸上の距離
fa:全系の焦点距離
とする。
[8]
前記複数のレンズとして、少なくとも6枚のレンズを有する
上記[1]ないし[7]のいずれか1つに記載の結像光学系。
[9]
前記非球面レンズは前記開口絞りより像面側に位置し、前記開口絞りと前記非球面レンズとの間に1枚以上の正レンズを有する
上記[1]ないし[8]のいずれか1つに記載の結像光学系。
[10]
さらに、以下の条件式を満足する
上記[1]ないし[9]のいずれか1つに記載の結像光学系。
0.01<BF/fa<5.00 ……(12)
ただし、
BF:前記結像光学系の最も像面側のレンズの像面側の面から像面までの距離(バックフォーカス)
fa:全系の焦点距離
とする。
[11]
さらに、以下の条件式を満足する
上記[1]ないし[10]のいずれか1つに記載の結像光学系。
0.001≦fa/|fga|<5.000 ……(13)
ただし、
fa:全系の焦点距離
fga:前記非球面レンズの焦点距離
とする。
[12]
さらに、以下の条件式を満足する
上記[1]ないし[11]のいずれか1つに記載の結像光学系。
2.3<Sga<6.0 ……(14)
ただし、
Sga:前記非球面レンズの比重[g/cm3
とする。
[13]
結像光学系と、前記結像光学系によって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを含み、
前記結像光学系は、
非球面レンズを含む複数のレンズと、
開口絞りと
を備え、
前記非球面レンズのレンズ径をy、前記非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、
前記非球面レンズの前記非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、
前記レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1
|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、
以下の条件式を満足する
撮像装置。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.3<Lexp/Lgaf<50.0 ……(5)
ただし、
Dga:前記非球面レンズの前記非球面における光線有効半径
Vga:前記非球面レンズのアッベ数
Nga:前記非球面レンズの屈折率
Lgaf:前記非球面レンズの物体側の面から像面までの距離
Lexp:光学系の射出瞳から像面までの距離
とする。
[14]
結像光学系と、前記結像光学系によって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを含み、
前記結像光学系は、
非球面レンズを含む複数のレンズと、
開口絞りと
を備え、
前記非球面レンズのレンズ径をy、前記非球面レンズの非球面のサグ量をxとし、
前記非球面レンズの前記非球面におけるdx/dy=0(dx/dy:レンズ径yによるサグ量xの1次微分)となる点でのサグ量をx1,x2,…xn、
前記レンズ径yが光線有効半径となる位置でのサグ量をxn+1
|xi-xi-1|(i=2,…n+1)の最大値をxmとした際に、
以下の条件式を満足する
撮像装置。
0.01<xm/Dga<0.50 ……(1)
n≧2 ……(2)
1.644<0.0024*Vga+Nga<2.400 ……(3)
1.893<0.0093*Vga+Nga<3.000 ……(4)
0.05<Lenp/Lgae<50.00 ……(6)
ただし、
Dga:前記非球面レンズの前記非球面における光線有効半径
Vga:前記非球面レンズのアッベ数
Nga:前記非球面レンズの屈折率
Lgae:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から前記非球面レンズまでの距離
Lenp:前記複数のレンズのうち最も物体側のレンズの物体側の面から光学系の射出瞳までの距離
とする。
[15]
実質的に屈折力を有さないレンズをさらに備える
上記[1]ないし[12]のいずれか1つに記載の結像光学系。
[16]
前記結像光学系は、実質的に屈折力を有さないレンズをさらに備える
上記[13]または[14]に記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0233】
G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ群、G4…第4レンズ群、G5…第5レンズ群、G6…第6レンズ群、GA…非球面レンズ、IMG…像面、St…開口絞り、Z1…光軸、1~7…結像光学系、110…カメラブロック、111…撮像レンズ、112…撮像素子、20…カメラ信号処理部、30…画像処理部、40…LCD、50…R/W(リーダ/ライタ)、60…CPU、70…入力部、80…レンズ駆動制御部、100…撮像装置、1000…メモリカード、5005…カメラ、50051…集光光学系、50052…ズーム光学系、50053…フォーカス光学系、50054…受光素子、7410…撮像部、7910,7912,7914,7916,7918…撮像部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図26
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図31