(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172802
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】リュックサック
(51)【国際特許分類】
A45F 4/02 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
A45F4/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084874
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】516000767
【氏名又は名称】佐山 将信
(74)【代理人】
【識別番号】100133547
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 基文
(72)【発明者】
【氏名】佐山 将信
【テーマコード(参考)】
2E181
【Fターム(参考)】
2E181BC07
2E181BD01
2E181BD02
(57)【要約】
【課題】リュックサックとして使うときでも、ウエストポーチとしても使うときでも、物入れのある腰ベルトが上下に揺れにくくて、歩いたり走ったりしやすいリュックサックを提供することを目的とする。
【解決手段】物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1を、リュックサック本体2と腰ベルト3を別々に分けて構成して、リュックサック本体2から腰ベルト3を取り外せるようにする。そして、対向するリュックサック本体2と腰ベルト3に、1つの側に対して複数の鉤受け21,21、31,31を設けて、リュックサック本体2と腰ベルト3とが複数の点で係わり合うようにして、腰ベルト3を幅を持たせてリュックサック本体2に取り付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックであって、
前記リュックサックが、リュックサック本体と左右の腰ベルトとが別々に分かれて構成されていて、
前記リュックサック本体が、リュックサック本体の両側に、1つの側に対して複数の鉤受けを備え、
前記腰ベルトが、腰ベルトのリュックサック本体と接する側に、1つの側に対して複数の鉤受けを備えていて、
前記リュックサック本体と腰ベルトとが、対向する互いの鉤受けに鉤を引っ掛けて、リュックサック本体と腰ベルトとが複数の点で係わり合うことを特徴とするリュックサック。
【請求項2】
前記鉤受けが、帯体を環状にしたもので、
前記鉤が、両側又は片側から開け閉めできるものであることを特徴とする請求項1に記載のリュックサック。
【請求項3】
前記リュックサックが、リュックサック本体から取り外した左右の腰ベルトをつなぐ、物入れのある腰パッドを附属して、
前記腰パッドが、腰パッドの腰ベルトと接する側に、1つの側に対して複数の鉤受けを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリュックサック。
【請求項4】
前記腰ベルトと腰パッドが、装着時に外側になる面に、等間隔に縫い付けられた帯を有していることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のリュックサック。
【請求項5】
前記リュックサックが、リュックサック本体から取り外した左右の腰ベルトをつなぐ、連結ベルトを附属していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリュックサック。
【請求項6】
物入れのある腰ベルトを取り付けられるリュックサックであって、
前記リュックサックが、リュックサック本体の両側に、1つの側に対して複数の帯体を環状にした鉤受けを備えていることを特徴とするリュックサック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、登山などで食糧や装備を詰めて背負うリュックサックに関し、リュックサックから物入れのある腰ベルトを取り外して、ウエストポーチとしても使えるリュックサックに関する。
【背景技術】
【0002】
リュックサックとしては、リュックサック本体の下側にウエストポーチ部を一体的に設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このリュックサックでは、リュックサック本体とウエストポーチ部の境界部にあるファスナーを開けて、リュックサック本体からウエストポーチ部を取り外して、ウエストポーチとしても使えるようになっている。
【0003】
別のリュックサックとしては、腰ベルトをリュックサック本体の背中面と袋体との間に差し入れて、ポケット付きの腰ベルトをリュックサック本体に取り外せるように固定したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この別のリュックサックでは、腰ベルトを装着することで袋体の下側部分を背中に密着させて、リュックサックを背負って歩いたり走ったりしても、リュックサックの上下の揺れを抑えられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平3-31322号公報(第3頁第14行~第4頁第6行、第1図)
【特許文献2】特開2012-24420号公報(段落0022、
図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に係るリュックサックでは、リュックサック本体の下側にウエストポーチ部を一体的に設けているために、リュックサックを軽く感じられるよう、リュックサックを背負ったときの重心が腰よりも高くなるように荷物を詰めると、下側のウエストポーチ部には軽くて大きな荷物を詰めることになる。そのため、前記特許文献1に係るリュックサックでは、リュックサック本体からウエストポーチ部を取り外して、ウエストポーチとして使うときには、ウエストポーチ部に詰めてある軽くて大きな荷物を取り出して、持ち歩きたい荷物をウエストポーチ部に詰め替えなくてはならない。
【0006】
また、前記特許文献1に係るリュックサックでは、ウエストポーチ部の両側に取り付けられている腰ベルトが細いために、リュックサック本体からウエストポーチ部を取り外してウエストポーチとして使うと、ウエストポーチ部が上下に揺れて歩いたり走ったりしにくい。
【0007】
前記特許文献2に係る別のリュックサックでは、ポケット付きの腰ベルトをリュックサック本体の背中面と袋体との間に差し入れてつり上げているために、ポケット付きの腰ベルトをリュックサック本体から取り外すと、ポケット付きの腰ベルトは腰からずり落ちてしまう。そのため、前記特許文献2に係る別のリュックサックは、リュックサック本体からポケット付きの腰ベルトを取り外せても、ウエストポーチとして使えるものではない。
【0008】
そこで、この発明では、前記した課題を解決し、特に物入れのある腰ベルトを取り外して、ウエストポーチとしても使えるリュックサックであって、リュックサックとして使うときでも、ウエストポーチとしても使うときでも、腰ベルトが上下に揺れにくくて、歩いたり走ったりしやすいリュックサックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックを、リュックサック本体と左右の腰ベルトを別々に分けて構成した。そして、リュックサック本体の両側に、1つの側(がわ)に対して複数の鉤(かぎ)受けを設けるととともに、腰ベルトのリュックサック本体と接する側に、1つの側に対して複数の鉤受けを設けて、対向するリュックサック本体と腰ベルトの鉤受けに鉤を引っ掛けて、リュックサック本体と腰ベルトとが複数の点で係(かか)わり合うようにした。
【0010】
請求項2に係る発明では、鉤受けを、帯体を環状にして構成した。また、鉤を、両側や片側から開け閉めできるものにした。
【0011】
請求項3に係る発明では、物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックに、リュックサック本体から取り外した左右の腰ベルトをつなぐ、物入れのある腰パッドを附属するようにした。そして、腰パッドの腰ベルトと接する側に、1つの側に対して複数の鉤受けを設けて、対向する腰ベルトと腰パッドの鉤受けに鉤を引っ掛けて、腰ベルトと腰パッドとが複数の点で係わり合うようにした。
【0012】
請求項4に係る発明では、腰ベルトと腰パッドの装着時に外側になる面に、等間隔に帯を縫い付けるようにした。
【0013】
請求項5に係る発明では、物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックに、リュックサック本体から取り外した左右の腰ベルトをつなぐ、連結ベルトを附属するようにした。
【0014】
請求項6に係る発明では、リュックサックの両側に、1つの側に対して複数の帯体を環状にした鉤受けを設けるようにした。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックを、リュックサック本体と左右の腰ベルトを別々に分けて構成したので、リュックサック本体から左右の腰ベルトを取り外すことができる。そのため、請求項1に係る発明では、リュックサックを通勤や通学などに使うときには、リュックサック本体から左右の腰ベルトを取り外し、腰ベルトのないカジュアルな印象のリュックサックに変えて、日常使いしやすくできる。
【0016】
また、請求項1に係る発明によれば、リュックサック本体と腰ベルトに鉤受けを設けて、対向するリュックサック本体と腰ベルトの鉤受けに鉤を引っ掛けて、リュックサック本体に腰ベルトを取り付けられるようにしたので、鉤を外して簡単に、リュックサック本体から腰ベルトを取り外すこともできる。
【0017】
さらに、請求項1に係る発明によれば、鉤受けを1つの側に対して複数設けて、リュックサック本体と腰ベルトとが複数の点で係わり合うようにしたので、リュックサック本体と腰ベルトを別々に分けて構成しても、腰ベルトを幅を持たせてリュックサック本体に取り付けることができる。そのため、請求項1に係る発明によれば、リュックサックを背負って歩いたり走ったりしても、物入れのある腰ベルトが上下に揺れにくくすることもできる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、鉤受けを、帯体を環状にして構成したので、鉤受けをシンプルな構造にすることができる。そのため、請求項2に係る発明によれば、帯体を環状にして取り付けるという1つの工程を加えるだけで、現行のリュックサックに物入れのある腰ベルトを着脱可能に取り付ける機能を付け加えることができる。
【0019】
また、請求項2に係る発明によれば、鉤を、両側や片側から開け閉めできるものにしたので、指の力だけで簡単に鉤を開け閉めすることができる。そのため、請求項2に係る発明によれば、道具がなくても簡単に、リュックサック本体から腰ベルトを取り外すこともできる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックに、リュックサック本体から取り外した左右の腰ベルトをつなぐ、物入れのある腰パッドを附属するようにしたので、リュックサック本体から取り外した左右の腰ベルトの間に腰パッドをつないで、左右の腰ベルトを腰周りの長さに長くすることができる。そのため、請求項3に係る発明によれば、リュックサック本体から取り外した物入れのある腰ベルトを、ウエストポーチとして使うことができる。そこで、請求項3に係る発明によれば、登山では山頂を目指すときに必要な荷物だけを詰める補助的なバッグ(アタックバッグともいう。)を携行するところ、アタックバッグを携行しなくても、リュックサック本体から取り外した物入れのある腰ベルトをアタックバッグの代わりにすることができる。
【0021】
ここで、請求項3に係る発明によれば、腰パッドには腰ベルトと接する側に、1つの側に対して複数の鉤受けが設けられているので、対向する腰ベルトと腰パッドの鉤受けに鉤を引っ掛けて、腰ベルトと腰パッドとを複数の点で係わり合うようにできる。そのため、請求項3に係る発明によれば、腰ベルトと腰パッドとが複数の点でつながっているので、ウエストポーチを締めて歩いたり走ったりしても、物入れのある腰ベルトが上下に揺れにくくすることができる。
【0022】
また、請求項3に係る発明によれば、左右の腰ベルトを物入れのある腰パッドでつなぐようにしたので、腰パッドにある物入れの分だけ、ウエストポーチとして使うときの容量を増やすこともできる。
【0023】
さらに、請求項3に係る発明によれば、左右の腰ベルトを当て物である腰パッドでつなぐようにしたので、ウエストポーチとして使うときに、腰部の密着性を高めることもできる。そのため、請求項3に係る発明によれば、腰パッドによって腰が支えられるので、物入れの重みや揺れを感じにくくすることもできる。
【0024】
請求項4に係る発明によれば、腰ベルトと腰パッドの装着時に外側になる面に、等間隔に帯を縫い付けるようにしたので、この帯に物入れを取り付けて、物入れの数や種類をカスタマイズすることができる。
【0025】
ここで、請求項4に係る発明によれば、等間隔に縫い付けられた帯を、モールシステム(モーリーシステムともいう。)と呼ばれる規格(幅1インチ(2.5cm)の帯を、上下1インチ(2.5cm)間隔で縫い付け、取り付けた物入れなどのズレ防止のために、1.5インチ(3.8cm)間隔で縦に縫い目を入れる)にすると、モールシステムに対応した様々な物入れなどの装備を取り付けることができる。そのため、請求項4に係る発明によれば、この発明専用の物入れに限らず、モールシステムに対応した様々な物入れを取り付けられるので、手持ちのモールシステムに対応した物入れを使い回すことができる。
【0026】
請求項5に係る発明によれば、物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックに、リュックサック本体から取り外した左右の腰ベルトをつなぐ、連結ベルトを附属するようにしたので、リュックサック本体から取り外した左右の腰ベルトの間に連結ベルトをつないで、左右の腰ベルトを腰周りの長さに長くすることができる。そのため、請求項5に係る発明によれば、リュックサック本体から取り外した物入れのある腰ベルトを、ウエストポーチとして使うことができる。
【0027】
ここで、請求項5に係る発明によれば、腰ベルトにはリュックサック本体と接する側に、1つの側に対して複数の鉤受けが設けられているので、左右の腰ベルトにある対向する鉤受けを連結ベルトでつなぐと、左右の腰ベルトを複数の点でつなぐことができる。そのため、請求項5に係る発明によれば、左右の腰ベルトが複数の点でつながっているので、ウエストポーチを締めて歩いたり走ったりしても、物入れのある腰ベルトが上下に揺れにくくすることができる。
【0028】
また、請求項5に係る発明によれば、左右の腰ベルトを連結ベルトでつなぐようにしたので、物入れのある腰パッドでつなぐよりも、ウエストポーチを軽量化させることもできる。
【0029】
請求項6に係る発明によれば、リュックサックの両側に、1つの側に対して複数の帯体を環状にした鉤受けを設けるようにしたので、請求項1から請求項5に係る物入れのある腰ベルトを取り付けることができる。そのため、請求項6に係る発明によれば、請求項1から請求項5に係る物入れのある腰ベルトを、様々な容量のリュックサックに取り付けられるようにすることができる。ここで、請求項6に係る発明によれば、鉤受けが帯体を環状にして取り付けるというシンプルな構造で、鉤受けの取り付けに時間や手数がかからないので、リュックサックが鉤受けを備えることに統一することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックの斜視図である。
【
図2】実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックの平置き図である。
【
図3】実施形態に係る腰ベルトを取り外してなるウエストポーチの平置き図である。
【
図4】(a)は、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックの使用状態を示す斜視図のうち、腰ベルト付きのリュックサックとして使うときの斜視図であり、(b)は、腰ベルトのないリュックサックとして使うときの斜視図であり、(c)は、ウエストポーチとして使うときの斜視図である。
【
図5】実施形態に係る腰ベルトを取り外してなるウエストポーチの平置き図のうち、物入れを取り付けていないときの平置き図である。
【
図6】他の実施形態に係る腰ベルトを取り外してなるウエストポーチの平置き図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
まず、この発明の創作の基礎となる事項について簡単に説明する。発明者が立ち上げたガレージブランド「SAYAMA works」(商標登録第5854570号ほか)は、「人を助ける山道具」を理念に、トレイル&ハイクギアを製作して販売している。
【0032】
ここで、ブランドの理念である「人を助ける山道具」が意図する考えは、ブランド創設者である発明者が看護師ということに起因する。発明者は、看護師という職種の観点から、軽量な登山道具をSAYAMA worksが提供するので、お客様がご自身でエマージェンシー(英語で緊急事態、非常事態のこと)装備を補填していただくことを推奨してきた。
【0033】
また、発明者は、看護師という職種の観点から、ユニバーサルデザイン(年齢や能力のいかんにかかわらず、すべての人が使いやすいように工夫された用具や建造物などのデザインのこと)に基づいた、今までにない登山用品を開発し、日本一過酷と言われている山岳レースのトラストジャパンアルプスレース(以下、TJARという。)出場経験者による実施試験(フィールドテストともいう。)を繰り返すことで、お客様のニーズに沿った商品展開を目指してきた。
【0034】
ここで、発明者が、TJAR出場経験者に実施試験を依頼する理由は、日本一過酷な山岳レースという、ストレスを強く感じる(ストレスフルともいう。)状態の中で使いやすい登山用品は、一般登山者にも使いやすいと考えてのことである。この発明は、まさにTJAR出場経験者が使いやすいと判断した登山用品について、TJAR用に設計した機能面をそのままで、日常使いを意識したデザインにして、登山界のトップレース用から「登山と日常の両立化へ」との思いから創作されたものである。
【0035】
JAR出場経験者が使いやすいと判断した登山用品に、TJAR用に開発したリュックサックがある。このTJAR用リュックサックは、物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックで、腰部の密着性を高めることで、リュックサックと体幹が一体化しているような、今までにない密着感があると好評を得ている。
【0036】
発明者は、TJAR用リュックサックについて、登山と日常の両立を具現化させる中で、腰部の密着性を高めたままで、物入れのある腰ベルトをリュックサック本体に着脱可能に取り付けられれば、腰ベルトの付いた登山用リュックサックを、腰ベルトのないカジュアルな印象のリュックサックを変えられるので、日常使いを意識したデザインになると考えた。
【0037】
そして、発明者は、リュックサック本体と腰ベルトを別々に分けても、腰ベルトを幅を持たせてリュックサック本体に取り付けることができれば、腰部の密着性を維持できることを見いだし、この発明を創作するに至ったものである。
【0038】
次に、この発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサックの斜視図である。
図1に示すように、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1は、リュックサック本体2と、左右の腰ベルト3L,3Rとが別々に分けて構成されている。そして、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1は、対向するリュックサック本体2と腰ベルト3に鉤4を引っ掛けて、リュックサック本体2に腰ベルト3を取り付けられるようになっている。
【0039】
リュックサック本体2は、登山などで食糧や装備を詰めて背負う袋である。リュックサック本体2は、その両側に、1つの側に対して複数の鉤受け、ここでは、上下に離して2つの鉤受け21,21を備えている。鉤受け21は、帯体を環状にしたものであり、シンプルな構造のため、現行のリュックサックに採用しやすい。
【0040】
腰ベルト3は、平たい形状の細長い部材であり、装着時に外側になる面に物入れ3Pを有している。腰ベルト3は、そのリュックサック本体2と接する側に、1つの側に対して複数の鉤受け、ここでは、上下に離して2つの鉤受け31,31を備えている。
【0041】
物入れ3Pは、小型の収納袋であり、例えば、コンパクトカメラやスマートフォンなどの小物を収納できるポーチ31Pと、ペットボトル飲料やサイクリングボトルを収納できるボトルホルダー32Pである。物入れ3Pは、腰ベルト3に縫い付けるなどして一体型にしても、腰ベルト3に面ファスナーやスナップボタンなどで取り付けて外付けにしても構わない。
【0042】
鉤4は、両側や片側から開け閉めできるスリッククリップやカラビナなど留め金であり、ここではスリッククリップである。鉤4は、鉤受け21,31の一方に縫い付けるなどして鉤受け21,31と一体にしても、鉤受け21,31から取り外せるようにしても構わない。ここで、スリッククリップやカラビナなどは、指の力で開け閉めできるため、道具がなくても、誰でも簡単に鉤を掛けて鉤を外せる。
【0043】
図2は、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1の平置き図である。
図2に示すように、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1では、リュックサック本体2と、左右の腰ベルト3L,3Rとが別々に分けて構成されていて、対向するリュックサック本体の鉤受け21と腰ベルトの鉤受け31に鉤4を引っ掛けて、リュックサック本体2に腰ベルト3を取り付けられる。
【0044】
また、
図2に示すように、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1では、リュックサック本体2の両側に、1つの側に対して2つの鉤受け21,21(
図1参照)を備え、腰ベルト3のリュックサック本体2と接する側に、1つの側に対して2つの鉤受け31,31を備えているため、対向する鉤受け21,31に鉤4を引っ掛けて、リュックサック本体2と腰ベルト3とが複数の点で係わり合う。このように、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1では、リュックサック本体2と腰ベルト3とが2点で係わり合うために、腰ベルト3を幅を持たせてリュックサック本体2に取り付けられる。そこで、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1では、腰部の密着性が高いために、リュックサックを背負って歩いたり走ったりしても、物入れのある腰ベルト3が上下に揺れにくい。
【0045】
図3は、実施形態に係る腰ベルト3(
図1参照)を取り外してなるウエストポーチの平置き図である。
図3に示すように、実施形態に係る腰ベルト3を取り外してなるウエストポーチFは、左右の腰ベルト3L,3Rと、腰パッド5とで構成されている。
【0046】
腰パッド5は、衝撃や摩擦などを軽減するための幅の広い当て物であり、装着時に外側になる面に物入れ5Pを有している。腰パッド5は、その両側に、1つの側に対して複数の鉤受け、ここでは、上下に離して2つの鉤受け51,51を備えている。
【0047】
図3に示すように、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1(
図1、
図2参照)では、リュックサック本体2から取り外した左右の腰ベルト3L,3Rを、附属の腰パッド5でつなぐと、左右の腰ベルト3L,3Rが腰周りの長さに長くなる。そこで、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1では、リュックサック本体2から取り外した物入れのある腰ベルト3を、ウエストポーチFとして使える。
【0048】
図3に示すように、実施形態に係る腰ベルト3を取り外してなるウエストポーチFは、腰パッド5が、その両側に2つの鉤受け51,51を備えているため、対向する腰ベルトの鉤受け31と腰パッドの鉤受け51に鉤4を引っ掛けると、腰ベルト3と腰パッド5とが2点で係わり合う。そこで、実施形態に係る腰ベルト3を取り外してなるウエストポーチFは、腰ベルト3と腰パッド5とが2点でつながっているため、ウエストポーチFを締めて歩いたり走ったりしても、物入れのある腰ベルト3が上下に揺れにくい。
【0049】
また、実施形態に係る腰ベルト3を取り外してなるウエストポーチFは、腰パッド5にある物入れ5Pの分だけ、ウエストポーチFの容量が増える。
【0050】
さらに、実施形態に係る腰ベルト3を取り外してなるウエストポーチFは、幅の広い腰パッド5で腰部を支えるため、腰部の密着性が高まる。そこで、実施形態に係る腰ベルト3を取り外してなるウエストポーチFは、腰パッド5が腰を支えるため、物入れ3P,5Pの重みや揺れを感じにくい。
【0051】
図4は、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1の使用状態を示す斜視図である。
図4(a)は、腰ベルト付きのリュックサックとして使うときの斜視図であり、
図4の(b)は、腰ベルトのないリュックサックとして使うときの斜視図であり、
図4の(c)は、ウエストポーチとして使うときの斜視図である。
【0052】
実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1(
図1、
図2参照)は、リュックサック本体2と、腰ベルト3とが別々に分けて構成されていて、リュックサック本体2から腰ベルト3を取り外せる。そこで、
図4の(b)に示すように、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1は、リュックサック本体2から腰ベルト3を取り外し、腰ベルトのないカジュアルな印象のリュックサックに変えられる。
【0053】
また、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1は、腰パッド5(
図3参照)を附属していて、リュックサック本体2から取り外した腰ベルト3をつなげられる。そこで、
図4の(c)に示すように、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1は、リュックサック本体2から取り外した腰ベルト3を腰パッド5でつないで、ウエストポーチとして使える。
【0054】
図5は、実施形態に係る腰ベルト3(
図1参照)を取り外してなるウエストポーチFの平置き図のうち、物入れを取り付けていないときの平置き図である。
図5に示すように、実施形態に係る腰ベルト3を取り外してなるウエストポーチFは、左右の腰ベルト3L,3Rと腰パッド5の装着時に外側になる面に、等間隔に帯32,52が縫い付けられている。
【0055】
帯32,52は、幅1インチ(2.5cm)の帯を、上下1インチ(2.5cm)間隔で縫い付けられていて、取り付けた物入れのズレ防止のために、1.5インチ(3.8cm)間隔で縦に縫われている。実施形態に係る腰ベルト3を取り外してなるウエストポーチFでは、帯32,52がモールシステムと呼ばれる規格に対応しているため、モールシステムに対応した様々な物入れを取り付けられる。そこで、実施形態に係る腰ベルト3を取り外してなるウエストポーチFでは、帯32,52に様々な物入れを取り付けて、物入れの数や種類を好みのものに変えられる。
【0056】
図6は、他の実施形態に係る腰ベルト3(
図1参照)を取り外してなるウエストポーチの平置き図である。
図6に示すように、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1(
図1、
図2参照)は、リュックサック本体2から取り外した左右の腰ベルト3L,3Rをつなぐ、連結ベルト6を附属している。
【0057】
連結ベルト6は、一定の幅がある細長い帯状の部材であり、ここでは面ファスナーである。連結ベルト6は、その一端を環状にして縫い付けて、鉤受け61が形成されている。
【0058】
図6に示すように、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1では、リュックサック本体2から取り外した左右の腰ベルト3L,3Rを、附属の連結ベルト6でつなぐと、左右の腰ベルト3L,3Rが腰周りの長さに長くなる。そこで、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1では、リュックサック本体2から取り外した物入れのある腰ベルト3を、他の実施形態に係るウエストポーチF′として使える。
【0059】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は前記実施形態には限定されない。例えば、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1では、リュックサック本体2の両側に、1つの側に対して2つの鉤受け21,21を備えていると説明したが、1つの側に対して複数の鉤受けを備えていれば、3つでも、4つでも構わない。
【0060】
また、実施形態に係る物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック1では、鉤4をスリッククリップやカラビナなどと説明したが、両側や片側から開け閉めできる鉤であれば、どのようなものでも構わない。
【符号の説明】
【0061】
1 物入れのある腰ベルトが付いたリュックサック
2 リュックサック本体
21 鉤受け
3 腰ベルト
31 鉤受け
3P 物入れ
4 鉤(スリッククリップ)
5 腰パッド
6 連結ベルト(面ファスナー)