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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172810
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】構造体
(51)【国際特許分類】
   F16S 1/10 20060101AFI20231129BHJP
   F16S 1/08 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
F16S1/10
F16S1/08
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085857
(22)【出願日】2022-05-26
(62)【分割の表示】P 2022084719の分割
【原出願日】2022-05-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】519366237
【氏名又は名称】NatureArchitects株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷道 鼓太朗
(57)【要約】
【課題】特定の変形モードで変形させた際に、局所的に応力や剛性の比較的大きな増大を招くのを抑制可能な構造体を提供する。
【解決手段】所定方向に第1繰り返し形状で延在する第1構造と、板状のまたは所定方向に第2繰り返し形状で延在する第2構造とが、所定方向に沿って複数の接続部が間隔をおいて現われるように組み合わされた形状の基本構造体に基づく形状の構造体であって、基本構造体に比して所定方向で隣り合う2つの接続部間の距離が長くなる形状に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に第1繰り返し形状で延在する第1構造と、板状のまたは前記所定方向に第2繰り返し形状で延在する第2構造とが、前記所定方向に沿って複数の接続部が間隔をおいて現われるように組み合わされた形状の基本構造体に基づく形状の構造体であって、
前記構造体は、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されている、
構造体。
【請求項2】
請求項1記載の構造体であって、
前記構造体は、前記基本構造体に比して前記接続部の前記所定方向の長さが短くなることにより、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されている、
構造体。
【請求項3】
請求項2記載の構造体であって、
前記第2構造は、前記板状であり、
前記構造体は、前記基本構造体の前記第1構造に対して、前記所定方向における端面のうち前記第2構造の周囲に前記所定方向に窪む第1凹部が設けられることにより、前記基本構造体に比して前記接続部の前記所定方向の長さが短くなる形状に形成されている、
構造体。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の構造体であって、
前記構造体は、前記基本構造体の前記複数の接続部のうちの一部が取り除かれた形状であることにより、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されている、
構造体。
【請求項5】
請求項4記載の構造体であって、
前記第2構造は、前記板状であり、
前記構造体は、前記基本構造体の前記第2構造に対して、前記第1構造との接続を回避するための第2凹部が設けられることにより、前記基本構造体の前記複数の接続部のうちの一部が取り除かれた形状に形成されている、
構造体。
【請求項6】
請求項4記載の構造体であって、
前記第1繰り返し形状および前記第2繰り返し形状は、何れも波状であり、
前記構造体は、前記基本構造体の前記第1構造に対して、前記第2構造との接続を回避するための第3凹部が設けられると共に、前記基本構造体の前記第2構造に対して、前記第1構造との接続を回避するための第4凹部が設けられることにより、前記基本構造体の前記複数の接続部のうちの一部が取り除かれた形状に形成されている、
構造体。
【請求項7】
請求項1ないし5のうちの何れか1つの請求項に記載の構造体であって、
前記第1繰り返し形状は、波状であり、
前記第2構造は、前記板状であり、
前記基本構造体は、前記接続部が前記所定方向とは異なる第2方向に前記波状でうねりながら前記所定方向に延在することにより、前記第2方向における任意の位置で前記所定方向に沿って前記複数の接続部が間隔をおいて現われ、
前記構造体は、
前記第2方向における中央部では、前記所定方向に沿って前記基本構造体から前記接続部が取り除かれた形状に形成されており、
前記第2方向における前記中央部に対して一方側および他方側では、それぞれ、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されている、
構造体。
【請求項8】
請求項1ないし7のうちの何れか1つの請求項に記載の構造体であって、
前記構造体は、一体成形部材である、
構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定方向に葛折り状で延在する第1構造と、所定方向に板状で延在する第2構造とが、所定方向に沿って複数の接続部が間隔をおいて現われるように単純に組み合わされた形状の構造体が提案されている(非特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Iwafune, Ohsima and Ochiai、Coded Skeleton、[online]、[令和4年5月18日検索]、インターネット<URL:https://digitalnature.slis.tsukuba.ac.jp/2016/06/coded-skeleton/>
【非特許文献2】Iwafune, Ohsima and Ochiai、Coded skeleton: programmable bodies for shape changing user interfaces、[online]、[令和4年5月18日検索]、インターネット<URL:https://dl.acm.org/doi/10.1145/2945078.2945096>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1,2の構造体である基本構造体では、所定方向で隣り合う2つの接続部間の距離が比較的短い場合、特定の変形モードで変形させた際に、この所定方向で隣り合う2つの接続部間に応力や剛性の比較的大きな増大を招く可能性がある。局所的に応力や剛性の比較的大きな増大を招くと、損傷が生じたり所望の形状に変化させにくかったりし得る。
【0005】
本開示の構造体は、特定の変形モードで変形させた際に、局所的に応力や剛性の比較的大きな増大を招くのを抑制可能な構造体を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の構造体は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の構造体は、
所定方向に第1繰り返し形状で延在する第1構造と、板状のまたは前記所定方向に第2繰り返し形状で延在する第2構造とが、前記所定方向に沿って複数の接続部が間隔をおいて現われるように組み合わされた形状の基本構造体に基づく形状の構造体であって、
前記構造体は、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されている、
ことを要旨とする。
【0008】
本開示の構造体では、基本構造体に比して所定方向で隣り合う2つの接続部間の距離が長くなる形状に形成されている。これにより、特定の変形モードで変形させた際に、局所に、具体的には、所定方向で隣り合う2つの接続部間に、応力や剛性の比較的大きな増大を招くのを抑制することができる。この結果、損傷を抑制しつつ所望の形状に変形させることが可能となる。ここで、「第1繰り返し形状」および「第2繰り返し形状」としては、例えば、矩形波状や正弦波状、三角波状などの波状や、螺旋状などの形状を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例の構造体20Aの外観斜視図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図1のB-B断面図である。
図4図1のC-C断面図である。
図5】第1比較例の構造体20Bの外観斜視図である。
図6図5のA-A断面図である。
図7図5のB-B断面図である。
図8図5のC-C断面図である。
図9】第1構造30の外観斜視図である。
図10】第2構造40の外観斜視図である。
図11】変形例の構造体20Cの外観斜視図である。
図12図11のA-A断面図である。
図13図11のB-B断面図である。
図14図11のC-C断面図である。
図15図11のD-D断面図である。
図16】変形例の構造体120Aの外観斜視図である。
図17】第2比較例の構造体120Bの外観斜視図である。
図18】第1構造130の外観斜視図である。
図19】第2構造140の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本開示を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例0011】
図1は、本開示の実施例の構造体20Aの外観斜視図であり、図2は、図1のA-A断面図であり、図3は、図1のB-B断面図であり、図4は、図1のC-C断面図である。また、図5は、第1比較例の構造体20Bの外観斜視図であり、図6は、図5のA-A断面図であり、図7は、図5のB-B断面図であり、図8は、図5のC-C断面図である。さらに、図9は、第1構造30の外観斜視図であり、図10は、第2構造40の外観斜視図である。なお、左右方向、前後方向、上下方向は、図1図10に示した通りである。また、図9中、軸線L1は、第1構造30の、左右方向における任意の位置の上下方向および前後方向における中心を左右方向に連ねた線であり、図10中、軸線L2は、第2構造40の、左右方向における任意の位置の上下方向および前後方向における中心を左右方向に連ねた線である。さらに、以下の説明において、明細書中の[]内の数字や文字は、各図の添え字(下付き数字)に対応する。
【0012】
図1図4の実施例の構造体20Aや図5図8の第1比較例の構造体(基本構造体)20Bは、例えば、樹脂材料やゴム材料の射出成形、ブロー成形、押出し成形、3D印刷や、金属材料の鋳造、鍛造、プレス、切削、押出し成形、3D印刷などにより一体成形された一体成形部材として構成されている。図9の第1構造30および図10の第2構造40は、構造体20A,20Bに用いられる基本構造である。以下、理解の容易のために、図9の第1構造30、図10の第2構造40、図5図8の第1比較例の構造体20B、図1の実施例の構造体20Aの順に説明する。
【0013】
図9の第1構造30について説明する。図示するように、第1構造30は、厚みおよび幅(上下方向の長さ)が一定で前後方向に矩形波状で曲がりくねりながら左右方向に延在する葛折り状に形成されている。この第1構造30は、15個の前後板状部31[1]~31[15](以下、単に「前後板状部31」と称する場合あり)と、8個の前側板状部32[1]~32[8](以下、単に「前側板状部32」と称する場合あり)と、8個の後側板状部33[1]~33[8](以下、単に「後側板状部33」と称する場合あり)とを備える。
【0014】
15個の前後板状部31[1]~31[15]は、それぞれ厚み(左右方向の長さ)および幅(上下方向の長さ)が一定で前後方向に延在する矩形平板状に形成されており、左右方向に間隔をおいて並んで設けられている。実施例では、15個の前後板状部31[1]~31[15]は、何れも同一形状に形成されており、それぞれ長い側から順に幅、前後方向の長さ、厚みとなっている。
【0015】
8個の前側板状部32[1]~32[8]は、それぞれ厚み(前後方向の長さ)および幅(上下方向の長さ)が一定で左右方向に延在する矩形平板状に形成されている。前側板状部32[i](i:1~8)の左端部は、それぞれ前後板状部31[2i-1]の前端部に繋がっており、前側板状部32[j](j:1~7)の右端部は、それぞれ前後板状部31[2j]の前端部に繋がっている。実施例では、8個の前側板状部32[1]~32[8]は、何れも同一形状に形成されており、それぞれ長い側から順に幅、左右方向の長さ、厚みとなっている。
【0016】
8個の後側板状部33[1]~33[8]は、それぞれ厚み(前後方向の長さ)および幅(上下方向の長さ)が一定で左右方向に延在する矩形平板状に形成されている。後側板状部33[i](i:1~8)の右端部は、それぞれ前後板状部31[2i-1]の後端部に繋がっており、後側板状部33[j+1](j:1~7)の左端部は、それぞれ前後板状部31[2j]の後端部に繋がっている。実施例では、8個の後側板状部33[1]~33[8]は、何れも8個の前側板状部32[1]~32[8]と同一形状に形成されており、それぞれ長い側から順に幅、左右方向の長さ、厚みとなっている。
【0017】
この第1構造30は、全体として、基準状態に対する左端部や右端部の上下方向の曲げである上下曲げや、基準状態に対する左端部や右端部の前後方向の曲げである前後曲げ、基準状態に対する左右方向の伸縮である左右伸縮が、基準状態に対する左端部や右端部のねじりである左右軸周りねじりに比して低剛性となるように設計されている。なお、第1構造30の基準状態は、図9の状態である。
【0018】
次に、図10の第2構造40について説明する。図示するように、第2構造40は、厚み(上下方向の長さ)および幅(前後方向の長さ)が一定で左右方向に延在する矩形平板状に形成されている。実施例では、第2構造40の厚みは、第1構造30の厚みと略同一に設計されている。また、第2構造40の前後方向の長さは、第1構造30の前後方向の長さよりも若干短く設計されている。さらに、第2構造40の左右方向の長さは、第1構造30の左右方向の長さよりも若干長く設計されている。この第2構造40は、全体として、上下曲げや左右軸周りねじりが、前後曲げや左右伸縮に比して低剛性となるように設計されている。なお、第2構造40の基準状態は、図10の状態である。
【0019】
次に、図5図8の第1比較例の構造体20Bについて説明する。図示するように、第1比較例の構造体20Bは、図9の第1構造30と図10の第2構造40とが、第1構造30の軸線L1と第2構造40の軸線L2とが一致するように、単純に組み合わされた形状に形成されている。したがって、第1比較例の構造体20Bでは、第1構造30および第2構造40に対応する形状(同様の形状)の第1構造30Bおよび第2構造40Bを備える。
【0020】
第1構造30Bは、第1構造30の15個の前後板状部31[1]~31[15]、8個の前側板状部32[1]~32[8]、8個の後側板状部33[1]~33[8]に対応する形状(同様の形状)の、15個の前後板状部31B[1]~31B[15]、8個の前側板状部32B[1]~32B[8]、8個の後側板状部33B[1]~33B[8]を備える。
【0021】
第1比較例の構造体20Bでは、図6に示すように、第1構造30Bの15個の前後板状部31B[1]~31B[15]と第2構造40Bとが、15個の接続部21B[1]~21B[15](以下、単に「接続部21B」と称する場合あり)で接続されている。また、図7に示すように、第1構造30Bの8個の前側板状部32B[1]~32B[8]と第2構造40Bとが、8個の接続部22B[1]~22B[8](以下、単に「接続部22B」と称する場合あり)で接続されている。さらに、図8に示すように、第1構造30Bの8個の後側板状部33B[1]~33B[8]と第2構造40Bとが、8個の接続部23B[1]~23B[8](以下、単に「接続部23B」と称する場合あり)で接続されている。したがって、第1比較例の構造体20Bでは、前後方向における中央部(前端部および後端部以外の部分)で15個の接続部21Bが左右方向に沿って間隔をおいて現われ、前端部で8個の接続部22Bが左右方向に沿って間隔をおいて現われ、後端部で8個の接続部23Bが左右方向に沿って間隔をおいて現われる。なお、構造体20Bでは、左右方向において、隣り合う2つの接続部21B間の距離は、隣り合う2つの前後板状部31B間の距離に等しく、隣り合う2つの接続部22B間の距離は、隣り合う2つの前側板状部32B間の距離に等しく、隣り合う2つの接続部23B間の距離は、隣り合う2つの後側板状部33Bの距離に等しい。また、図5図8から分かるように、接続部21B,22B,23Bは、接続部23B[1],21B[1],22B[1],21B[2],・・・,22B[8]の順に、前後方向に曲がりくねりながら左右方向に延在する葛折り状に繋がっている。
【0022】
第1比較例の構造体20Bでは、上下曲げや前後曲げ、左右伸縮が左右軸周りねじりに比して低剛性の第1構造30(30B)と、上下曲げや左右軸周りねじりが前後曲げや左右伸縮に比して低剛性の第2構造40(40B)とが、単純に組み合わされた形状に形成されるから、第1、第2構造30B,40Bに共通して剛性が比較的低い上下曲げが、前後曲げや左右伸縮、左右軸周りねじりに比して低剛性となる。
【0023】
次に、図1図4の実施例の構造体20Aについて説明する。図示するように、実施例の構造体20Aは、第1比較例の構造体20Bに基づく形状(その一部を変更した形状)に形成されている。実施例の構造体20Aは、第1構造30Bに基づく形状の第1構造30Aと、第2構造40Bに対応する形状(同様の形状)の第2構造40Aとを備える。
【0024】
第1構造30Aは、構造体20Bの第1構造30Bの15個の前後板状部31B[1]~31B[15]、8個の前側板状部32B[1]~32B[8]、8個の後側板状部33B[1]~33B[8]に基づく形状(その一部を変更した形状)の、15個の前後板状部31A[1]~31A[15]、8個の前側板状部32A[1]~32A[8]、8個の後側板状部33A[1]~33A[8]を備える。
【0025】
図1図2に示すように、第1構造30Aの15個の前後板状部31A[1]~31A[15]は、それぞれ穴31Aaを有する点で、構造体20Bの第1構造30Bの15個の前後板状部31B[1]~31B[15]とは異なる。穴31Aaは、各前後板状部31Aの上下方向における中央部付近、具体的には、第2構造40Aに対して上側から下側までに亘って延在する(穴31Aaの上壁面および下壁面が各前後板状部31Aの上面および下面と間隔をおいて対向する)ように形成されている。これにより、各前後板状部31Aと第2構造40Aとは接続されない。したがって、実施例の構造体20Aは、前後方向における中央部(前端部および後端部以外)では、左右方向において、第1構造30Aの各前後板状部31Aと第2構造40Aとの接続部を有しない形状、即ち、第1比較例の構造体20Bから全ての接続部21Bが取り除かれた形状となる。
【0026】
図1図3に示すように、第1構造30Aの8個の前側板状部32A[1]~32A[8]は、それぞれ凹部32Aaおよび凹部32Abを有する点で、構造体20Bの第1構造30Bの8個の前側板状部32B[1]~32B[8]とは異なる。各凹部32Aaは、各前側板状部32Aの左端面のうち第2構造40Aの上側および下側から第2構造40Aに向かうにつれて一定角度で右側に窪むように形成されている。また、各凹部32Abは、各前側板状部32Aの右端面のうち第2構造40Aの上側および下側から第2構造40Aに向かうにつれて一定角度で左側に窪むように形成されている。なお、凹部32Aaや凹部32Abの形状は、これに限定されない。こうした凹部32Aaおよび凹部32Abにより、第1構造30Aの8個の前側板状部32A[1]~32A[8]と第2構造40Aとの8個の接続部22A[1]~22A[8](以下、単に「接続部22A」と称する場合あり)のそれぞれの左右方向の長さは、第1比較例の構造体20Bの8個の接続部22B[1]~22B[8]のそれぞれの左右方向の長さに比して短くなる。したがって、実施例や第1比較例の構造体20A,20Bは、前後方向における前端部では、左右方向において、構造体20Aの隣り合う2つの接続部22A間の距離が、構造体20Bの隣り合う2つの接続部22B間の距離(構造体20A,20Bの隣り合う2つの前側板状部32A,32B間の距離)に比して長くなる。
【0027】
図1図4に示すように、第1構造30Aの8個の後側板状部33A[1]~33A[8]は、それぞれ凹部33Aaおよび凹部33Abを有する点で、構造体20Bの第1構造30Bの8個の後側板状部33B[1]~33B[8]とは異なる。各凹部33Aaは、各後側板状部33Aの左端面のうち第2構造40Aの上側および下側から第2構造40Aに向かうにつれて一定角度で右側に窪むように形成されている。また、各凹部33Abは、各後側板状部33Aの右端面のうち第2構造40Aの上側および下側から第2構造40Aに向かうにつれて一定角度で左側に窪むように形成されている。なお、凹部33Aaや凹部33Abの形状は、これに限定されない。こうした凹部33Aaおよび凹部33Abにより、第1構造30Aの8個の後側板状部33A[1]~33A[8]と第2構造40Aとの8個の接続部23A[1]~23A[8](以下、単に「接続部23A」と称する場合あり)のそれぞれの左右方向の長さは、第1比較例の構造体20Bの8個の接続部23B[1]~23B[8]のそれぞれの左右方向の長さに比して短くなる。したがって、実施例や第1比較例の構造体20A,20Bは、前後方向における後端部では、左右方向において、構造体20Aの隣り合う2つの接続部23A間の距離が、構造体20Bの隣り合う2つの接続部23B間の距離(構造体20A,20Bの隣り合う2つの後側板状部33A,33B間の距離)に比して長くなる。
【0028】
実施例の構造体20Aでは、第1比較例の構造体20Bと同様に、上下曲げが前後曲げや左右伸縮、左右軸周りねじりに比して低剛性となる。
【0029】
以上説明した実施例の構造体20Aは、第1構造30Aの各前後板状部31Aがそれぞれ穴31Aaを有することにより、前後方向における中央部において、第1比較例の構造体20Bから全ての接続部21Bが取り除かれた形状となっている。また、構造体20Aは、第1構造30Aの各前側板状部32Aがそれぞれ凹部32Aaおよび凹部32Abを有することにより、前後方向における前端部において、構造体20Bに比して、各接続部22Aのそれぞれの左右方向の長さが短くなり、左右方向で隣り合う2つの接続部22A間の距離が長くなった形状となっている。さらに、構造体20Aは、第1構造30Aの各後側板状部33Aがそれぞれ凹部33Aaおよび凹部33Abを有することにより、前後方向における後端部において、構造体20Bに比して、各接続部23Aのそれぞれの左右方向の長さが短くなり、左右方向で隣り合う2つの接続部23A間の距離が長くなった形状となっている。これにより、実施例や第1比較例の構造体20A,20Bに上下曲げの荷重を作用させたときに、構造体20Aでは、構造体20Bに比して、前後方向における中央部において、接続部を有しないことによって応力や剛性の比較的大きな増大を招くのを抑制することができると共に、前端部や後端部において、左右方向で隣り合う2つの接続部22A間の距離や左右方向で隣り合う2つの接続部23A間の距離が長いことによって応力や剛性の比較的大きな増大を招くのを抑制することができる。発明者らは、このことを解析により確認した。この結果、構造体20Aは、上下曲げにおいて、構造体20Bに比して損傷を抑制しつつ前後曲げにより所望の形状に変形させることが可能となる。
【0030】
また、実施例の構造体20Aは、樹脂材料やゴム材料、金属材料などにより一体成形された一体成形部材として構成されることにより、複数部品として成形されて互いに接合されて構成される場合とは異なり、接合による影響、例えば、構造体20A全体の寸法や特性にバラツキが生じるのを抑制することができる。
【0031】
実施例の構造体20Aでは、各前側板状部32Aが、それぞれ、左端面から右側に窪む凹部32Aaおよび右端面から左側に窪む凹部32Abを有するものとした。しかし、各前側板状部32Aが、凹部32Aaおよび凹部32Abのうちの何れかだけを有するものとしてもよい。この場合でも、構造体20Bに比して、各前側板状部32Aと第2構造40Aとの各接続部22Aのそれぞれの左右方向の長さが短くなり、左右方向で隣り合う2つの接続部22A間の距離が長くなるから、構造体20Aと同様の効果をある程度奏することができる。各後側板状部33Aについても同様である。
【0032】
実施例の構造体20Aでは、8個の前側板状部32Aがそれぞれ凹部32Aaおよび凹部32Abを有すると共に8個の後側板状部33Aがそれぞれ凹部33Aaおよび凹部33Abを有することにより、第1比較例の構造体20Bに比して、前後方向における前端部において、左右方向で隣り合う2つの接続部22A間の距離が長くなると共に、後端部において、左右方向で隣り合う2つの接続部23A間の距離が長くなるものとした。しかし、前後方向における前端部および後端部において、構造体20Bに比して左右方向で隣り合う2つの接続部間の距離が長くなるものであれば、これに限定されない。例えば、以下の構造体20Cを考えることができる。
【0033】
図11は、変形例の構造体20Cの外観斜視図であり、図12は、図11のA-A断面図であり、図13は、図11のB-B断面図であり、図14は、図11のC-C断面図であり、図15は、図11のD-D断面図である。図示するように、変形例の構造体20Cは、第1比較例の構造体20Bに基づく形状(その一部を変更した形状)に形成されている。変形例の構造体20Cは、第1構造30Bおよび第2構造40Bに基づく形状の第1構造30Cおよび第2構造40Cを備える。
【0034】
第1構造30Aは、構造体20Bの第1構造30Bの15個の前後板状部31B[1]~31B[15]に基づく形状(その一部を変更した形状)で且つ構造体20Aの第1構造30Aに対応する形状(同様の形状)の15個の前後板状部31C[1]~31C[15]と、8個の前側板状部32B[1]~32B[8]および8個の後側板状部33B[1]~33B[8]に対応する形状(同様の形状)の8個の前側板状部32C[1]~32C[8]および8個の後側板状部33C[1]~33C[8]を備える。
【0035】
図11図12に示すように、第1構造30Cの15個の前後板状部31C[1]~31C[15]は、構造体20Aの第1構造30Aの15個の前後板状部31A[1]~31A[15]がそれぞれ穴31Aaを有するのと同様に、それぞれ穴31Caを有する。これにより、15個の前後板状部31C[1]~31C[15]と第2構造40Cとは接続されない。したがって、変形例の構造体20Cは、前後方向における中央部(前端部および後端部以外)では、左右方向において、第1構造30Cの前後板状部31Cと第2構造40Cとの接続部を有しない形状、即ち、第1比較例の構造体20Bから15個の接続部21Bが取り除かれた形状となる。
【0036】
図11図13図15に示すように、第2構造40Cは、4個の凹部40Caおよび4個の凹部40Cbを有する点で、構造体20Bの第2構造40Bとは異なる。各凹部40Caは、内壁面が、前側板状部32C[2k](k:1~4)の左端面や右端面、後端面と間隔をおいて対向するように、前端面から後側に窪んで形成されている。また、各凹部40Cbは、内壁面が、後側板状部33C[2k]の左端面や右端面、前端面と間隔をおいて対向するように、後端面から前側に窪んで形成されている。これにより、構造体20Cでは、第2構造40Cは、第1構造30Cの4個の前側板状部32C[2k-1](k:1~4)と4個の接続部22C[2k-1](以下、単に「接続部22C」と称する場合あり)で接続されると共に4個の後側板状部33C[2k-1]と4個の接続部23C[2k-1](以下、単に「接続部23C」と称する場合あり)で接続されるものの、4個の前側板状部32C[2k]や4個の後側板状部33C[2k]とは接続されない。したがって、変形例の構造体20Cは、前後方向における前端部や後端部では、第1比較例の構造体20Bから接続部22B[2k]および接続部23B[2k]が取り除かれた形状(接続部22Bおよび接続部23Bがそれぞれ1個おきに取り除かれた形状)となり、構造体20Bに比して、左右方向で隣り合う2つの接続部22C間の距離や左右方向で隣り合う2つの接続部23C間の距離が長くなる。
【0037】
変形例の構造体20Cでは、実施例の構造体20Aや第1比較例の構造体20Bと同様に、上下曲げが前後曲げや左右伸縮、左右軸周りねじりに比して低剛性となる。
【0038】
以上説明した変形例の構造体20Cは、第1構造30Cの各前後板状部31Cがそれぞれ穴31Caを有することにより、前後方向における中央部において、第1比較例の構造体20Bから全ての接続部21Bが取り除かれた形状となっている。また、構造体20Cは、第2構造40が複数の凹部40Caおよび複数の凹部40Cbを有することにより、前後方向における前端部および後端部において、構造体20Bから接続部22Bおよび接続部23Bがそれぞれ1個おきに取り除かれた形状となり、構造体20Bに比して、左右方向で隣り合う2つの接続部22C間の距離や左右方向で隣り合う2つの接続部23C間の距離が長くなっている。これにより、変形例や第1比較例の構造体20C,20Bに上下曲げの荷重を作用させたときに、構造体20Cでは、構造体20Bに比して、前後方向における中央部において、接続部を有しないことによって応力や剛性の比較的大きな増大を招くのを抑制することができると共に、前端部や後端部において、左右方向で隣り合う2つの接続部22C間の距離や左右方向で隣り合う2つの接続部23C間の距離が長いことによって応力や剛性の比較的大きな増大を招くのを抑制することができる。発明者らは、このことを解析により確認した。この結果、構造体20Cは、上下曲げにおいて、構造体20Bに比して損傷を抑制しつつ前後曲げにより所望の形状に変形させることが可能となる。
【0039】
変形例の構造体20Cでは、前後方向における前端部や後端部において、第1比較例の構造体20Bから接続部22Bおよび接続部23Bがそれぞれ1個おきに残され且つ1個おきに取り除かれた形状としたが、これに限定されない。例えば、構造体20Bから接続部22Bおよび接続部23Bがそれぞれ2個おきや3個おきなどに残され且つ残余が取り除かれた形状などとしてもよい。
【0040】
実施例の構造体20Aでは、前後方向における前端部において、構造体20Bに比して各接続部22Aのそれぞれの左右方向の長さが短くなることにより、左右方向で隣り合う2つの接続部22A間の距離が長くなるものとした。また、変形例の構造体20Cでは、前後方向における前端部において、構造体20Bから接続部22Bが1個おきに取り除かれた形状となることにより、構造体20Bに比して左右方向で隣り合う2つの接続部22C間の距離が長くなるものとした。しかし、構造体20Bに比して各接続部22Aのそれぞれの左右方向の長さが短くなることと、構造体20Bから接続部22Bが1個おきなどに取り除かれることと、が適宜組み合わされるものとしてもよい。構造体20A,20Cの前後方向における後端部についても同様である。
【0041】
実施例や変形例の構造体20A,20Cでは、それぞれ、第1構造30A,30Cと第2構造40A,40Cとが、第1構造30A,30Cの軸線L1と第2構造40A,40Cの軸線L2とが一致するように組み合わされた形状に形成されるものとしたが、これに限定されない。例えば、第1構造30A,30Cと第2構造40A、40Cとが、第1構造30A、30Cの上端と第2構造40A,40Cの上端とが一致するように組み合わされた形状などに形成されるものとしてもよい。
【0042】
実施例や変形例の構造体20A,20Cでは、それぞれ、前後方向に矩形波状で曲がりくねりながら左右方向に延在する葛折り状の第1構造30A,30Cと、前後左右方向に延在する平板状の第2構造40A,40Cとが組み合わされた形状に形成されるものとしたが、これに限定されない。例えば、第1構造30A,30Cは、それぞれ、矩形波状以外の波状、例えば、正弦波状や三角波状などで曲がりくねりながら左右方向に延在するものとしてもよいし、螺旋状で左右方向に延在するものとしてもよい。また、波状である場合、その周期や振幅は、一定に限定されるものではなく、例えば、ランダムに変化するものなどとしてもよい。螺旋状である場合、そのピッチは、一定に限定されるものではなく、例えば、ランダムに変化するものなどとしてもよいし、その外径は、軸方向に見て円形や楕円形、矩形などが考えられる。さらに、第2構造40A,40Cは、それぞれ、前後方向および左右方向に延在する平面に対して、前後方向や左右方向にプラスマイナス10度や20度、30度など傾斜しているものとしてもよい。加えて、第2構造40A,40Cは、それぞれ、平板状(曲率がゼロ)の板状でなく、曲率を有する板状であってもよい。
【0043】
実施例や変形例の構造体20A,20Cでは、それぞれ、波状(具体的には、葛折り状)の第1構造30A,30Cと平板状の第2構造40A,40Cとが組み合わされた形状に形成されるものとしたが、これに限定されない。例えば、第2構造40A,40Cは、平板状でなく、第1構造30と同様に波状に形成されるものとしてもよい。
【0044】
図16は、変形例の構造体120Aの外観斜視図であり、図17は、第2比較例の構造体120Bの外観斜視図である。また、図18は、第1構造130の外観斜視図であり、図19は、第2構造140の外観斜視図である。なお、左右方向、前後方向、上下方向は、図16図19に示した通りである。また、図18中、軸線L3は、第1構造130の、左右方向における任意の位置の上下方向および前後方向における中心を左右方向に連ねた線であり、図19中、軸線L4は、第2構造140の、左右方向における任意の位置の上下方向および前後方向における中心を左右方向に連ねた線である。さらに、図16図17では、見易さを考慮して、各構成要素について添え字ありの符号を一部だけ付した。
【0045】
図16の変形例の構造体120Aや図17の第2比較例の構造体(基本構造体)120Bは、上述の実施例の構造体20Aなどと同様の製造方法により、一体成形部材として製造される。図18の第1構造130および図19の第2構造140は、構造体120A,120Bに用いられる基本構造である。以下、理解の容易のために、図18の第1構造130、図19の第2構造140、図17の第2比較例の構造体120B、図16の変形例の構造体120Aの順に説明する。
【0046】
図18の第1構造130について説明する。図示するように、第1構造130は、前後方向に矩形波状で曲がりくねりながら左右方向に延在する葛折り状に形成されている。この第1構造130は、20個の前後板状部131[1]~131[20](以下、単に「前後板状部131」と称する場合あり)と、10個の前側板状部132[1]~132[10](以下、単に「前側板状部132」と称する場合あり)と、10個の後側板状部133[1]~133[10](以下、単に「後側板状部133」と称する場合あり)とを備える。
【0047】
20個の前後板状部131[1]~131[20]は、それぞれ厚み(上下方向の長さ)および幅(左右方向の長さ)が一定で前後方向に延在する矩形平板状に形成されており、左右方向に間隔をおいて並んで設けられている。変形例では、20個の前後板状部131[1]~131[20]は、何れも同一形状に形成されており、それぞれ長い側から順に前後方向の長さ、幅、厚みとなっている。
【0048】
10個の前側板状部132[1]~132[10]は、それぞれ厚み(前後方向の長さ)および幅(上下方向の長さ)が一定で左右方向に延在する矩形平板状に形成されている。前側板状部132[m](m:1~10)の左端部は、それぞれ前後板状部131[2m]の前端部に繋がっており、前側板状部132[n](n:1~9)の右端部は、それぞれ前後板状部131[2n+1]の前端部に繋がっている。変形例では、10個の前側板状部132[1]~132[10]は、何れも同一形状に形成されており、それぞれ長い側から順に左右方向の長さ、幅、厚みとなっている。
【0049】
10個の後側板状部133[1]~133[10]は、それぞれ厚み(前後方向の長さ)および幅(上下方向の長さ)が一定で左右方向に延在する矩形平板状に形成されている。後側板状部133[m](m:1~10)の左端部は、それぞれ前後板状部131[2m-1]の後端部に繋がっており、後側板状部133[m]の右端部は、それぞれ前後板状部131[2m]の後端部に繋がっている。変形例では、10個の後側板状部133[1]~133[10]は、何れも10個の前側板状部132[1]~132[10]と同一形状に形成されており、それぞれ長い側から順に左右方向の長さ、幅、厚みとなっている。
【0050】
この第1構造130は、全体として、上下曲げや左右軸周りねじりが、前後曲げや左右伸縮に比して低剛性となるように設計されている。なお、第1構造130の基準状態は、図18の状態である。
【0051】
次に、図19の第2構造140について説明する。図示するように、第2構造140は、第1構造130を軸線L3周りに図18の左側から見て時計回りに90度回転させた形状である。即ち、第2構造140は、上下方向に矩形波状で曲がりくねりながら左右方向に延在する葛折り状に形成されており、第1構造130の20個の前後板状部131[1]~131[20]、10個の前側板状部132[1]~132[10]、10個の後側板状部133[1]~133[10]にそれぞれ対応する形状(90度回転させた形状)の、20個の上下板状部141[1]~141[20]、10個の下側板状部142[1]~142[10]、10個の上側板状部143[1]~143[10]を備える。
【0052】
この第2構造140は、全体として、前後曲げや左右軸周りねじりが、上下曲げや左右伸縮に比して低剛性となるように設計されている。なお、第2構造140の基準状態は、図19の状態である。
【0053】
次に、図17の第2比較例の構造体120Bについて説明する。図示するように、第2比較例の構造体120Bは、図18の第1構造130と図19の第2構造140とが、第1構造130の軸線L3と第2構造140の軸線L4とが一致するように、単純に組み合わされた形状に形成されている。したがって、第2比較例の構造体120Bでは、第1構造130および第2構造140に対応する形状(同様の形状)の第1構造130Bおよび第2構造140Bを備える。
【0054】
第1構造130Bは、第1構造130の20個の前後板状部131[1]~131[20]、10個の前側板状部132[1]~132[10]、10個の後側板状部133[1]~133[10]に対応する形状(同様の形状)の、20個の前後板状部131B[1]~131B[20]、10個の前側板状部132B[1]~132B[10]、10個の後側板状部133B[1]~133B[10]を備える。
【0055】
第2構造140Bは、第2構造140の20個の上下板状部141[1]~141[20]、10個の下側板状部142[1]~142[10]、10個の上側板状部143[1]~143[10]に対応する形状(同様の形状)の、20個の上下板状部141B[1]~141B[20]、10個の下側板状部142B[1]~142B[10]、10個の上側板状部143B[1]~143B[10]を備える。
【0056】
第2比較例の構造体120Bでは、図17に示すように、第1構造130Bの20個の前後板状部131B[1]~131B[20]と第2構造140Bの20個の上下板状部141B[1]~141B[20]とが、20個の接続部121B[1]~121B[20](以下、単に「接続部121B」と称する場合あり)で接続されている。したがって、構造体120Bでは、20個の接続部121Bが左右方向に沿って間隔をおいて現われる。なお、構造体120Bでは、左右方向において、隣り合う2つの接続部121B間の距離は、隣り合う2つの前後板状部131B間の距離および隣り合う2つの上下板状部141B間の距離に等しい。
【0057】
第2比較例の構造体120Bでは、上下曲げや左右軸周りねじりが前後曲げや左右伸縮に比して低剛性の第1構造130(130B)と、前後曲げや左右軸周りねじりが上下曲げや左右伸縮に比して低剛性の第2構造140(140B)とが、単純に組み合わされた形状に形成されるから、第1、第2構造130B,140Bに共通して剛性が比較的低い左右軸周りねじりが前後曲げや左右曲げ、左右伸縮に比して低剛性となる。
【0058】
次に、図16の変形例の構造体120Aについて説明する。図示するように、変形例の構造体20Cは、第2比較例の構造体120Bに基づく形状(その一部を変更した形状)に形成されている。変形例の構造体120Aは、第1構造130Bおよび第2構造140Bに基づく形状の第1構造130Aおよび第2構造140Aを備える。
【0059】
第1構造130Aは、構造体120Bの第1構造130Bの20個の前後板状部131B[1]~131B[20]に基づく形状(その一部を変更した形状)の20個の前後板状部131A[1]~131A[20]と、10個の前側板状部132B[1]~132B[10]および10個の後側板状部133B[1]~133B[10]に対応する形状(同様の形状)の10個の前側板状部132A[1]~132A[10]および10個の後側板状部133A[1]~133A[10]とを備える。
【0060】
図16に示すように、第1構造130Aの10個の前後板状部131A[2m](m:1~10)は、それぞれ凹部131Aaおよび幅狭部131Abを有する点で、構造体120Bの第1構造130Bの10個の前後板状部131B[2m]とは異なる。各凹部131Aaは、前後方向における中央部で左端面から右側に矩形状に窪むように形成されている。ここで、凹部131Aaの深さ(左右方向の長さ)は、前後板状部131A[2m]の幅(左右方向の長さ)の1/2よりも深くなっている。幅狭部131Abは、前後板状部131A[2m]における、凹部131Aaによって幅が狭くなっている部分である。
【0061】
第2構造140Aは、構造体120Bの第2構造140Bの20個の上下板状部141B[1]~141B[20]に基づく形状(その一部を変更した形状)の20個の上下板状部141A[1]~141A[20]と、10個の下側板状部142B[1]~142B[10]および10個の上側板状部143B[1]~143B[10]に対応する形状(同様の形状)の10個の下側板状部142A[1]~142A[10]および10個の上側板状部143A[1]~143A[10]とを備える。
【0062】
第2構造140Aの10個の上下板状部141A[2m](m:1~10)は、それぞれ凹部141Aaおよび幅狭部141Abを有する点で、構造体120Bの第2構造140Bの10個の上下板状部141B[2m]とは異なる。各凹部141Aaは、上下方向における中央部で右端面から左側に矩形状に窪むように形成されている。ここで、凹部141Aaの深さ(左右方向の長さ)は、上下板状部141A[2m]の幅(左右方向の長さ)の1/2よりも深くなっている。幅狭部141Abは、上下板状部141A[2m]における、凹部141Aaによって幅が狭くなっている部分である。
【0063】
第1構造130Aの前後板状部131A[2m](m:1~10)の凹部131Aaの内壁面は、第2構造140Aの上下板状部141A[2m]の幅狭部141Abの前端面や右端面、後端面と間隔をおいて対向している。また、第2構造140Aの上下板状部141A[2m]の凹部141Aaの内壁面は、第1構造130Aの前後板状部131A[2m]の幅狭部131Abの上端面や左端面、下端面と間隔をおいて対向している。これにより、構造体120Aでは、第1構造130Aの10個の前後板状部131A[2m-1]と10個の第2構造140Aの上下板状部141A[2m-1]とが10個の接続部121A[2m-1](以下、単に「接続部121A」と称する場合あり)で接続されるものの、第1構造130Aの10個の前後板状部131A[2m]と第2構造140Aの10個の上下板状部141A[2m]とは接続されない。したがって、変形例の構造体120Aは、第2比較例の構造体120Bから10個の接続部121B[2m]が取り除かれた形状(接続部121Bが1個おきに取り除かれた形状)となり、構造体120Bに比して、左右方向で隣り合う2つの接続部121A間の距離が長くなる。
【0064】
変形例の構造体120Aでは、第2比較例の構造体120Bと同様に、左右軸周りねじりが前後曲げや左右曲げ、左右伸縮に比して低剛性となる。
【0065】
以上説明した変形例の構造体120Aは、第1構造130Aの10個の前後板状部131A[2m](m:1~10)がそれぞれ凹部131Aaおよび幅狭部131Abを有すると共に、第2構造140Aの10個の上下板状部141A[2m]がそれぞれ凹部141Aaおよび幅狭部141Abを有することにより、第2比較例の構造体120Bから10個の接続部121B[2m]が取り除かれた形状、即ち、接続部121Bが1個おきに取り除かれた形状となり、構造体120Bに比して左右方向で隣り合う2つの接続部121A間の距離が長くなっている。これにより、変形例や第2比較例の構造体120A,120Bに上下曲げの荷重を作用させたときに、構造体120Aでは、構造体120Bに比して、左右方向で隣り合う2つの接続部121A間の距離が長いことによって応力や剛性の比較的大きな増大を招くのを抑制することができる。発明者らは、このことを解析により確認した。この結果、構造体120Aは、前後曲げにより、構造体120Bに比して損傷を抑制しつつ左右軸周りねじりにより所望の形状に変形させることが可能となる。
【0066】
変形例の構造体120Aでは、第2比較例の構造体120Bから接続部121Bが1個置きに残され且つ1個おきに取り除かれた形状としたが、これに限定されない。例えば、構造体120Bから接続部121Bが2個おきや3個おきなどに残され且つ残余が取り除かれた形状としてもよい。
【0067】
変形例の構造体120Aでは、前後方向に矩形波状で曲がりくねりながら左右方向に延在する葛折り状の第1構造130Aと、上下方向に矩形波状で曲がりくねりながら左右方向に延在する葛折り状の第2構造140Aとが組み合わされた形状に形成されるものとしたが、これに限定されない。例えば、第1構造130Aや第2構造140Aは、矩形波状以外の波状、例えば、正弦波状や三角波状などで曲がりくねりながら左右方向に延在するものとしてもよい。また、第1構造130Aや第2構造140Aの波状の周期や振幅は、一定に限定されるものではなく、例えば、ランダムに変化するものなどとしてもよい。
【0068】
実施例や変形例の構造体20A,20C,120Aは、樹脂材料やゴム材料、金属材料などにより一体成形された一体成形部材として構成されるものとした。しかし、複数部品として成形され、互いに接合されて構成されるものとしてもよい。例えば、構造体20Aについて、第1構造30Aの第2構造40Aより上側の部分と下側の部分とをそれぞれ成形すると共に第2構造40Bを成形し、これらを接合して構造体20Aを構成するものとしてもよい。
【0069】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した本開示を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した本開示についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の具体的な一例に過ぎないものである。
【0070】
以上、本開示を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本開示はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0071】
[付記]
本開示の構造体は、所定方向に第1繰り返し形状で延在する第1構造と、板状のまたは前記所定方向に第2繰り返し形状で延在する第2構造とが、前記所定方向に沿って複数の接続部が間隔をおいて現われるように組み合わされた形状の基本構造体に基づく形状の構造体であって、前記構造体は、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されていることを要旨とする。
【0072】
本開示の構造体では、基本構造体に比して所定方向で隣り合う2つの接続部間の距離が長くなる形状に形成されている。これにより、特定の変形モードで変形させた際に、局所に、具体的には、所定方向で隣り合う2つの接続部間に、応力や剛性の比較的大きな増大を招くのを抑制することができる。この結果、損傷を抑制しつつ所望の形状に変形させることが可能となる。ここで、「第1繰り返し形状」および「第2繰り返し形状」としては、例えば、矩形波状や正弦波状、三角波状などの波状や、螺旋状などを挙げることができる。
【0073】
本開示の構造体において、前記構造体は、前記基本構造体に比して前記接続部の前記所定方向の長さが短くなることにより、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されているものとしてもよい。この場合、前記第2構造は、前記板状であり、前記構造体は、前記基本構造体の前記第1構造に対して、前記所定方向における端面のうち前記第2構造の周囲に前記所定方向に窪む第1凹部が設けられることにより、前記基本構造体に比して前記接続部の前記所定方向の長さが短くなる形状に形成されているものとしてもよい。
【0074】
本開示の構造体において、前記構造体は、前記基本構造体の前記複数の接続部のうちの一部が取り除かれた形状であることにより、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されているものとしてもよい。この場合、前記第2構造は、前記板状であり、前記構造体は、前記基本構造体の前記第2構造に対して、前記第1構造との接続を回避するための第2凹部が設けられることにより、前記基本構造体の前記複数の接続部のうちの一部が取り除かれた形状に形成されているものとしてもよい。また、前記第1繰り返し形状および前記第2繰り返し形状は、何れも波状であり、前記構造体は、前記基本構造体の前記第1構造に対して、前記第2構造との接続を回避するための第3凹部が設けられると共に、前記基本構造体の前記第2構造に対して、前記第1構造との接続を回避するための第4凹部が設けられることにより、前記基本構造体の前記複数の接続部のうちの一部が取り除かれた形状に形成されているものとしてもよい。
【0075】
本開示の構造体において、前記第1繰り返し形状は、波状であり、前記第2構造は、前記板状であり、前記基本構造体は、前記接続部が前記所定方向とは異なる第2方向に前記波状でうねりながら前記所定方向に延在することにより、前記第2方向における任意の位置で前記所定方向に沿って前記複数の接続部が間隔をおいて現われ、前記構造体は、前記第2方向における中央部では、前記所定方向に沿って前記基本構造体から前記接続部が取り除かれた形状に形成されており、前記第2方向における前記中央部に対して一方側および他方側では、それぞれ、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されているものとしてもよい。
【0076】
本開示の構造体において、前記構造体は、一体成形部材であるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
20A,20B,20C,120A,120B 構造体、21B,22A,22B,22C,23A,23B,23C,121A,121B 接続部、30,30A,30B,30C,130,130A,130B 第1構造、40,40A,40B,40C,140,140A,140B 第2構造。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2022-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に第1繰り返し形状で延在する第1構造と、板状のまたは前記所定方向に第2繰り返し形状で延在する第2構造とが、前記所定方向に沿って複数の接続部が間隔をおいて現われるように組み合わされた形状の基本構造体に基づく形状の構造体であって、
前記構造体は、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されている、
構造体。
【請求項2】
請求項1記載の構造体であって、
前記構造体は、前記基本構造体に比して前記接続部の前記所定方向の長さが短くなることにより、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されている、
構造体。
【請求項3】
請求項2記載の構造体であって、
前記第2構造は、前記板状であり、
前記構造体は、前記基本構造体の前記第1構造に対して、前記所定方向における端面のうち前記第2構造の周囲に前記所定方向に窪む第1凹部が設けられることにより、前記基本構造体に比して前記接続部の前記所定方向の長さが短くなる形状に形成されている、
構造体。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の構造体であって、
前記構造体は、前記基本構造体の前記複数の接続部のうちの一部が取り除かれた形状であることにより、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されている、
構造体。
【請求項5】
請求項4記載の構造体であって、
前記第2構造は、前記板状であり、
前記構造体は、前記基本構造体の前記第2構造に対して、前記第1構造との接続を回避するための第2凹部が設けられることにより、前記基本構造体の前記複数の接続部のうちの一部が取り除かれた形状に形成されている、
構造体。
【請求項6】
請求項4記載の構造体であって、
前記第1繰り返し形状および前記第2繰り返し形状は、何れも波状であり、
前記構造体は、前記基本構造体の前記第1構造に対して、前記第2構造との接続を回避するための第3凹部が設けられると共に、前記基本構造体の前記第2構造に対して、前記第1構造との接続を回避するための第4凹部が設けられることにより、前記基本構造体の前記複数の接続部のうちの一部が取り除かれた形状に形成されている、
構造体。
【請求項7】
請求項記載の構造体であって、
前記第1繰り返し形状は、波状であり、
前記第2構造は、前記板状であり、
前記基本構造体は、前記接続部が前記所定方向とは異なる第2方向に前記波状でうねりながら前記所定方向に延在することにより、前記第2方向における任意の位置で前記所定方向に沿って前記複数の接続部が間隔をおいて現われ、
前記構造体は、
前記第2方向における中央部では、前記所定方向に沿って前記基本構造体から前記接続部が取り除かれた形状に形成されており、
前記第2方向における前記中央部に対して一方側および他方側では、それぞれ、前記基本構造体に比して前記所定方向で隣り合う2つの前記接続部間の距離が長くなる形状に形成されている、
構造体。
【請求項8】
請求項記載の構造体であって、
前記構造体は、一体成形部材である、
構造体。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に第1繰り返し形状で延在する第1構造と、板状のまたは前記所定方向に第2繰り返し形状で延在する第2構造とが、前記所定方向に沿って複数の接続部が間隔をおいて現われるように組み合わされた形状の構造体であって、
前記第2構造は、前記板状であり、
前記第1構造は、前記所定方向における端面のうち前記第2構造の周囲から、前記第2構造に向かうにつれて、前記所定方向に窪む第1凹部が設けられている、
構造体。
【請求項2】
所定方向に第1繰り返し形状で延在する第1構造と、板状のまたは前記所定方向に第2繰り返し形状で延在する第2構造とが、前記所定方向に沿って複数の接続部が間隔をおいて現われるように組み合わされた形状の構造体であって、
前記第2構造は、前記板状であり、更に、前記第1構造との接続を回避するための第2凹部が前記所定方向に沿って間隔をおいて設けられている、
構造体。
【請求項3】
所定方向に第1繰り返し形状で延在する第1構造と、板状のまたは前記所定方向に第2繰り返し形状で延在する第2構造とが、前記所定方向に沿って複数の接続部が間隔をおいて現われるように組み合わされた形状の構造体であって、
前記第1繰り返し形状および前記第2繰り返し形状は、何れも波状であり、
前記第1構造は、前記第2構造との接続を回避するために前記所定方向における端面から前記所定方向に窪む第3凹部と、前記第1繰り返し形状の延在方向に見て前記第3凹部を有しない部分に比して前記所定方向の長さが短くなる第1幅狭部と、を前記所定方向に沿って間隔をおいて有し、
前記第2構造は、前記第1構造との接続を回避するために前記所定方向における端面から前記所定方向に窪む第4凹部と、前記第2繰り返し形状の延在方向に見て前記第4凹部を有しない部分に比して前記所定方向の長さが短くなる第2幅狭部と、を前記所定方向に沿って間隔をおいて有し、
前記第3凹部の内壁面は、前記第2幅狭部の一部を間隔をおいて包囲しており、
前記第4凹部の内壁面は、前記第1幅狭部の一部を間隔をおいて包囲している、
構造体。
【請求項4】
請求項1または2記載の構造体であって、
前記第1繰り返し形状は、前記所定方向とは異なる第2所定方向にうねりながら前記所定方向に延在する波状であり、
前記第2構造は、前記板状であり、
前記構造体は、
前記第2所定方向における中央部では、前記所定方向に沿って前記接続部を有さずに、
前記第2所定方向における前記中央部に対して一方側および他方側では、それぞれ、前記所定方向に沿って前記複数の接続部を間隔をおいて有する、形状に形成されている、
構造体。
【請求項5】
請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の構造体であって、
前記構造体は、一体成形部材である、
構造体。