(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172858
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】スピーカモジュール及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
H04R 9/02 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
H04R9/02 101B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203764
(22)【出願日】2022-12-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202210570346.X
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 海娟
(72)【発明者】
【氏名】王 磊
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲樹▼文
【テーマコード(参考)】
5D012
【Fターム(参考)】
5D012BB01
5D012CA08
5D012FA10
5D012HA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スピーカモジュール及びその組立方法を提供する。
【解決手段】スピーカモジュール100は、収容空間を有するハウジング、収容空間内に収容される振動システム2及び磁気回路システム3を含む。ハウジングは、フレーム111と、フレームの対向する両側に蓋設される上カバープレート12及び下カバ―プレート13と、を含む。フレームは、側壁を有し、上下カバープレートがフレームに装着された時、上下カバープレートと共にハウジングを形成し、元のスピーカ単体とスピーカモジュールの2つの組立過程から1つのスピーカモジュールの組立過程に簡略化し、加工難易度及びコストを低減する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に収容される振動システム及び磁気回路システムとを含むスピーカモジュールにおいて、前記振動システムが、振動膜と、前記振動膜に接続されて前記振動膜を振動させるように駆動するボイスコイルと、前記ボイスコイルの一端に接続される回路基板とを含み、前記磁気回路システムが、ヨークと、前記ヨークに組み立てられ且つ磁気ギャップを有する磁性鋼アセンブリとを含み、前記ボイスコイルが前記磁気ギャップに挿設されるスピーカモジュールであって、
前記ハウジングは、フレームと、前記フレームの対向する両側に蓋設される上カバープレート及び下カバープレートとを含み、前記フレームは、前記振動膜の振動方向に沿って延在する側壁を有し、前記振動膜、前記回路基板及び前記ヨークは、前記側壁に架設され、前記上カバープレート及び前記振動システムは、前記フレームとともに前音響チャンバを囲んで形成し、前記下カバープレート、前記振動システム及び前記磁気回路システムは、前記フレームとともに後音響チャンバを囲んで形成することを特徴とするスピーカモジュール。
【請求項2】
前記側壁は、前記振動膜の振動方向に沿って延在する外壁と、前記振動膜の振動方向に沿って延在し且つ前記外壁と間隔を隔てて設けられる支持壁とを含み、前記下カバープレートは、前記外壁の一側に蓋設され、前記上カバープレートは、前記外壁の前記下カバープレートから離れる側に蓋設され、前記回路基板及び前記ヨークは、前記支持壁に架設されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項3】
前記外壁は、前記下カバープレートへ向かう第1端面と、前記第1端面から前記下カバープレートを離れる方向へ凹んで形成された第1凹溝とを含み、前記下カバープレートは、前記第1凹溝に蓋設されていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカモジュール。
【請求項4】
前記外壁は、前記第1凹溝から前記下カバープレートを離れる方向へ凹んで形成された第2凹溝と、前記支持壁に接続され且つ互いに対向配置される第1内壁面及び第2内壁面とを更に含み、
前記支持壁は、前記下カバープレートへ向かう第2端面と、前記第2端面から前記下カバープレートを離れる方向へ凹んで形成された第3凹溝とを含み、前記第2凹溝は、前記第3凹溝に対向して設けられ、前記ヨークの両端は、前記第2凹溝と前記第3凹溝とにそれぞれ設けられ、
前記フレームは、前記第1内壁面と前記第2内壁面とに設けられるクランププレートを更に含み、前記磁性鋼アセンブリは、前記クランププレートに設けられていることを特徴とする請求項3に記載のスピーカモジュール。
【請求項5】
前記フレームは、前記下カバープレートから離れる第4端面を含み、前記第4端面が前記上カバープレートから離れる方向へ凹むことで第4凹溝が形成され、前記上カバープレートは、前記第4凹溝に蓋設されていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカモジュール。
【請求項6】
前記外壁は、前記支持壁に接続され且つ互いに対向配置される第1内壁面及び第2内壁面と、前記第1内壁面と前記第2内壁面とに接続される第3内壁面とを更に含み、前記第4凹溝が前記第3内壁面と前記支持壁に沿って前記上カバープレートから離れる方向へ凹むことで第5凹溝が形成され、
前記振動システムは、前記回路基板に設けられる弾性接続部材を更に含み、前記振動膜は、前記上カバープレートと前記第4凹溝との間に設けられ、前記弾性接続部材の一側は、前記ボイスコイルの前記振動膜から離れる側に接続され、前記回路基板は、前記第5凹溝に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のスピーカモジュール。
【請求項7】
前記上カバープレートは、通気孔を有し、前記スピーカモジュールは、前記上カバープレートの前記下カバープレートから離れる側に設けられる第1通気膜を更に含み、前記第1通気膜は、前記通気孔に蓋設され、前記通気孔は、前記前音響チャンバに連通していることを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項8】
前記下カバープレートは、スルーホールを有し、前記スピーカモジュールは、前記スルーホールに蓋設される第2通気膜を更に含み、前記スルーホールは、前記後音響チャンバに連通していることを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項9】
前記ヨークには、導気孔が開設され、前記導気孔は、前記前音響チャンバと前記後音響チャンバとを連通し、前記スピーカモジュールは、前記導気孔に蓋設される第3通気膜を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のスピーカモジュールに用いられるスピーカモジュール組立方法であって、
上カバープレート、振動膜及びボイスコイルを一体に組み立て、フレームの一側の側壁に蓋設するステップと、
ヨーク及び磁性鋼アセンブリを一体に組み立て且つ前記側壁の前記振動膜から離れる側に組み立てるステップと、
下カバープレートを前記フレームの前記上カバープレートから離れる側に蓋設するステップと、を含むことを特徴とするスピーカモジュール組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声電気技術分野に関し、特にスピーカモジュール及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の急速な発展に伴い、オーディオ装置の普及率がますます高くなり、オーディオ装置に対する人々の要求は、ビデオの再生に留まらず、更にオーディオ装置の信頼性に対してより多くの要求も求められている。特に4G時代の到来に伴い、モバイルマルチメディア技術も発展し、多くのオーディオ装置は、ビデオ再生、デジタル撮像、ゲーム、GPSナビゲーション等の様々な娯楽機能を有し、オーディオ装置の再生音質に対する要求もますます高まっている。
【0003】
スピーカモジュールは、常用の電子部品として、主にオーディオ信号の再生に用いられている。関連技術におけるスピーカモジュールの組立過程は、一般的に2つの部分に分けられる。第1部分では、まずスピーカ単体を組み立て、第2部分では、スピーカモジュールを組み立てる。そうすると、加工難易度が高く、コストが高い。
【0004】
したがって、上記技術課題を解決するために、スピーカモジュールを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、少なくともある程度で上記技術課題を解決可能なスピーカモジュール及びその組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記の解決手段を講じる。本発明は、スピーカモジュールを提供する。該スピーカモジュールは、収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に収容される振動システム及び磁気回路システムとを含み、前記振動システムは、振動膜と、前記振動膜に接続されて前記振動膜を振動させるように駆動するボイスコイルと、前記ボイスコイルの一端に接続される回路基板とを含み、前記磁気回路システムは、ヨークと、前記ヨークに組み立てられ且つ磁気ギャップを有する磁性鋼アセンブリとを含み、前記ボイスコイルは、前記磁気ギャップに挿設され、前記ハウジングは、フレームと、前記フレームの対向する両側に蓋設される上カバープレート及び下カバープレートとを含み、前記フレームは、前記振動膜の振動方向に沿って延在する側壁を有し、前記振動膜、前記回路基板及び前記ヨークは、前記側壁に架設され、前記上カバープレート及び前記振動システムは、前記フレームとともに前音響チャンバを囲んで形成し、前記下カバープレート、前記振動システム及び前記磁気回路システムは、前記フレームとともに後音響チャンバを囲んで形成する。
【0007】
更に、前記側壁は、前記振動膜の振動方向に沿って延在する外壁と、前記振動膜の振動方向に沿って延在して且つ前記外壁と間隔を隔てて設けられる支持壁とを含み、前記下カバープレートは、前記外壁の一側に蓋設され、前記上カバープレートは、前記外壁の前記下カバープレートから離れる側に蓋設され、前記回路基板及び前記ヨークは、前記支持壁に架設されている。
【0008】
更に、前記外壁は、前記下カバープレートへ向かう第1端面と、前記第1端面から前記下カバープレートを離れる方向へ凹んで形成された第1凹溝とを含み、前記下カバープレートは、前記第1凹溝に蓋設されている。
【0009】
更に、前記外壁は、前記第1凹溝から前記下カバープレートを離れる方向へ凹んで形成された第2凹溝と、前記支持壁に接続され且つ互いに対向配置される第1内壁面及び第2内壁面とを更に含み、
前記支持壁は、前記下カバープレートへ向かう第2端面と、前記第2端面から前記下カバープレートを離れる方向へ凹んで形成された第3凹溝とを含み、前記第2凹溝は、前記第3凹溝に対向して設けられ、前記ヨークの両端は、前記第2凹溝と前記第3凹溝とにそれぞれ設けられ、
前記フレームは、前記第1内壁面と前記第2内壁面に設けられるクランププレートを更に含み、前記磁性鋼アセンブリは、前記クランププレートに設けられている。
【0010】
更に、前記フレームは、前記下カバープレートから離れる第4端面を含み、前記第4端面が前記上カバープレートから離れる方向へ凹むことで第4凹溝が形成され、前記上カバープレートは、前記第4凹溝に蓋設されている。
【0011】
更に、前記外壁は、前記支持壁に接続され且つ互いに対向配置される第1内壁面及び第2内壁面と、前記第1内壁面と前記第2内壁面とに接続される第3内壁面とを更に含み、前記第4凹溝が前記第3内壁面と前記支持壁に沿って前記上カバープレートから離れる方向へ凹むことで第5凹溝が形成され、
前記振動システムは、前記回路基板に設けられる弾性接続部材を更に含み、前記振動膜は、前記上カバープレートと前記第4凹溝との間に設けられ、前記弾性接続部材の一側は、前記ボイスコイルの前記振動膜から離れる側に接続され、前記回路基板は、前記第5凹溝に設けられている。
【0012】
更に、前記上カバープレートは、通気孔を有し、前記スピーカモジュールは、前記上カバープレートの前記下カバープレートから離れる側に設けられる第1通気膜を更に含み、前記第1通気膜は、前記通気孔に蓋設され、前記通気孔は、前記前音響チャンバに連通している。
【0013】
更に、前記下カバープレートは、スルーホールを有し、前記スピーカモジュールは、前記スルーホールに蓋設される第2通気膜を更に含み、前記スルーホールは、前記後音響チャンバに連通している。
【0014】
本発明は、スピーカモジュール組立方法を更に提供する。該スピーカモジュール組立方法は、上記スピーカモジュールに用いられ、
上カバープレート、振動膜及びボイスコイルを一体に組み立て、フレームの一側の側壁に蓋設するステップと、
ヨーク及び磁性鋼アセンブリを一体に組み立て且つ前記側壁の前記振動膜から離れる側に組み立てるステップと、
下カバープレートを前記フレームの前記上カバープレートから離れる側に設けるステップと、を含む。
【0015】
更に、前記ヨークには、導気孔が開設され、前記導気孔は、前記前音響チャンバと前記後音響チャンバとを連通し、前記スピーカモジュールは、前記導気孔に蓋設される第3通気膜を更に含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下の有益な効果を奏する。本発明は、スピーカモジュールを提供し、該スピーカモジュールは、収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に収容される振動システム及び磁気回路システムとを含み、前記振動システムは、振動膜と、前記振動膜に接続されて前記振動膜を振動させるように駆動するボイスコイルと、前記ボイスコイルの一端に接続される回路基板とを含み、前記磁気回路システムは、ヨークと、前記ヨークに組み立てられ且つ磁気ギャップを有する磁性鋼アセンブリとを含み、前記ボイスコイルは、前記磁気ギャップに挿設され、前記ハウジングは、フレームと、前記フレームの対向する両側に蓋設される上カバープレート及び下カバープレートとを含み、前記フレームフレームは、前記振動膜の振動方向に沿って延在する側壁を有し、前記振動膜、前記回路基板及び前記ヨークは、前記側壁に架設され、前記上カバープレート及び前記振動システムは、前記フレームとともに前音響チャンバを囲んで形成し、前記下カバープレート、前記振動システム及び前記磁気回路システムは、前記フレームとともに後音響チャンバを囲んで形成する。本発明のフレームは、側壁を有し、上カバープレートと下カバープレートがフレームに装着されたときに、フレームは上カバープレート及び下カバープレートと共にスピーカモジュールのハウジングを形成し、具体的には、上カバープレートと振動システムとは、共同してフレームの一方側に装着され、次に磁気回路システムをフレームの他方側に取り付けた後に下カバープレートを直接カバーして組み立てることができ、すなわち本発明は、組立過程を元のスピーカ単体とスピーカモジュールとの別々の2つの組立過程から1つのスピーカモジュールの組立過程に簡略化し、加工難易度及びコストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るスピーカモジュールの第1角度での構成を示す模式図である。
【
図2】本発明に係るスピーカモジュールの第2角度での構成を示す模式図である。
【
図3】本発明に係るスピーカモジュールの
図1のA-A方向に沿った断面図である。
【
図4】本発明に係るスピーカモジュールの分解模式図である。
【
図5】本発明に係るフレームの第1角度での構成を示す模式図である。
【
図6】本発明に係るフレームの第2角度での構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面及び実施形態を参照しながら、本発明を更に説明する。
【0019】
図1~
図4に示すように、本発明は、スピーカモジュール100を提供し、該スピーカモジュール100は、収容空間01を有するハウジング1と、収容空間01内に収容される振動システム2及び磁気回路システム3とを含み、振動システム2は、振動膜21と、振動膜21に接続されて振動膜21を振動させるように駆動するボイスコイル22と、ボイスコイル22の一端に接続される回路基板23とを含み、磁気回路システム3は、ヨーク31と、ヨーク31に組み立てられ且つ磁気ギャップを有する磁性鋼アセンブリ32と、磁性鋼アセンブリ32のヨーク31から離れる側に設けられるポールプレート33とを含み、ボイスコイル22は、磁気ギャップに挿設され、磁性鋼アセンブリ32は、中央に設けられる主磁性鋼321と、主磁性鋼321の周囲に設けられ主磁性鋼321とともに磁気ギャップを形成する副磁性鋼322とを含み、ハウジング1は、フレーム11と、フレーム11の対向する両側に蓋設される上カバープレート12及び下カバープレート13とを含み、フレーム11は、振動膜21の振動方向に沿って延在する側壁111を有し、振動膜21、回路基板23及びヨーク31は、側壁111に架設され、上カバープレート12及び振動システム2は、フレーム11とともに前音響チャンバ02を囲んで形成し、下カバープレート13、振動システム2及び磁気回路システム3は、フレーム11とともに後音響チャンバ03を囲んで形成する。
【0020】
本実施例のフレーム11は、側壁111を有し、上カバープレート12及び下カバープレート13は、フレーム11に装着されたときに、フレーム11は、上カバープレート12及び下カバープレート13と共にスピーカモジュール100のハウジングを形成し、具体的には、上カバープレート12を振動システム2と共にフレーム11の一方側に取り付け、次に磁気回路システム3をフレーム11の他方側に取り付けた後に下カバープレート13を直接カバーして組み立てることができ、即ち本実施例は、組立過程を元のスピーカ単体とスピーカモジュールとの別々の2つの組立過程から1つのスピーカモジュールの組立過程に簡略化し、加工難易度及びコストを低減する。
【0021】
更に、側壁111は、振動膜21の振動方向に沿って延在する外壁1111と、振動膜21の振動方向に沿って延在して且つ外壁1111と間隔を隔てて設けられる支持壁1112とを含み、下カバープレート13は、外壁1111の一側に蓋設され、上カバープレート12は、外壁1111の下カバープレート13から離れる側に蓋設され、回路基板23及びヨーク31は、支持壁1112に架設されている。
【0022】
本実施例において、フレーム11は、中空構造112及び底フレーム113を有し、中空構造112は、底フレーム113に位置し、且つ振動システム2と磁気回路システム3を収容し、外壁1111と支持壁1112は、底フレーム113に成形され、ここで、支持壁1112は、中空構造112の外縁に位置して且つ外壁1111の一側と間隔を有し、中空構造112の他の外縁は、振動膜21における外壁1111の振動方向と一致し、もちろん、他の実施例において、中空構造112の他の外縁の一部は、振動膜21における外壁1111の振動方向と一致してもよく、外壁1111の高さは、支持壁1112の高さよりも高く、且つ支持壁1112は、外壁1111に囲まれて形成された領域内に位置し、振動システム2及び磁気回路システム3は、中空構造112内に設けられて且つ支持壁1112と外壁1111に架設されている。支持壁1112と外壁1111は、いずれも底フレーム113に一体成形されるため、関連技術におけるスピーカモジュール100に比べて、本実施例は、上カバープレート12と下カバープレート13の成形難易度を低下させるとともに、フレーム11の一体成形構造により、下カバープレート13、振動システム2、磁気回路システム3及び外壁1111は、支持壁1112と囲んで後音響チャンバ03を形成してより緊密に接続し、後音響チャンバ03の密閉性を向上させ、ガス漏れリスク点を減少させる。
【0023】
更に、
図5に示すように、外壁1111は、下カバープレート13へ向かう第1端面11111と、第1端面11111から下カバープレート13を離れる方向へ凹んで形成された第1凹溝11112とを含み、下カバープレート13は、第1凹溝11112に蓋設されている。
【0024】
本実施例において、第1端面11111が下カバープレート13から離れる方向へ凹むことで第1凹溝11112が形成され、第1凹溝11112の形状は、下カバープレート13にマッチングし、下カバープレート13が第1凹溝11112に蓋設されやすいことに役立ち、好ましくは、第1凹溝11112の深さは、下カバープレート13の厚さよりも大きく、下カバープレート13が第1凹溝11112に蓋設されやすい場合に、振動システム2、磁気回路システム3、外壁1111及び支持壁1112とともに後音響チャンバ03を囲んで形成し、密閉性を確保する。
【0025】
更に、
図5及び
図6に示すように、外壁1111は、第1凹溝11112から下カバープレート13を離れる方向へ凹んで形成された第2凹溝11113と、支持板1112に接続され且つ互いに対向配置される第1内壁面11114及び第2内壁面11115とを更に含み、支持壁1112は、下カバープレート13へ向かう第2端面11121と、第2端面11121から下カバープレート13を離れる方向へ凹んで形成された第3凹溝11122とを含み、第2凹溝11113は、第3凹溝11122に対向して設けられ、ヨーク31の両端は、第2凹溝11113と第3凹溝11122に設けられ、フレーム11は、第1内壁面11114と第2内壁面11115に設けられるクランププレート114を更に含み、磁性鋼アセンブリ32は、クランププレート114に設けられている。
【0026】
本実施例では、外壁1111は、第1内壁面11114と第2内壁面11115とに接続される第3内壁面11116を更に含み、外壁1111の第3内壁面11116には、第2凹溝11113が設けられ、且つ第2凹溝11113の深さは、第1凹溝11112の深さよりも大きく、好ましくは、本実施例の第3内壁面11116は、中空構造112の外縁に沿って設けられ、この時に第3内壁面11116と第2内壁面11115との接続部も、第3内壁面11116と第1内壁面11114との接続部も、同様に中空構造112の外縁に沿って設けられ、同様に、支持壁1112と第1内壁面11114との接続部も、支持壁1112と第2内壁面11115との接続部も、中空構造112の外縁に沿って設けられ、且つ支持壁1112の第3凹溝11122は、第3内壁面11116の第2凹溝11113に対称的に設けられ、ヨーク31の両端が第2凹溝11113と第3凹溝11122に設けられる場合に、磁気回路システム3の構造を更に貼り合わせ、構造がよりコンパクトで材料を浪費しなく、更に、第1内壁面11114と第2内壁面11115には、クランププレート114が設けられ、クランププレート114は、中空構造112内に位置し、磁性鋼アセンブリ32を支持する役割を果たす。
【0027】
更に、
図6に示すように、フレーム11は、下カバープレート13から離れる第4端面115を含み、第4端面115が上カバープレート12から離れる方向へ凹むことで第4凹溝1151が形成され、上カバープレート12は、第4凹溝1151に蓋設されている。
【0028】
本実施例において、第4端面115が上カバープレート12から離れる方向へ凹むことで第4凹溝1151が形成され、第4凹溝1151の形状は、上カバープレート12にマッチングし、上カバープレート12が第4凹溝1151に蓋設されやすく、好ましくは、上カバープレート12が第4凹溝1151に蓋設される場合に、上カバープレート12と第4凹溝1151の溝口が面一となることにより、上カバープレート12とフレーム11との接続がより密着できるとともに外観が美しい。
【0029】
更に、外壁1111は、支持壁1112に接続され且つ互いに対向配置される第1内壁面11114及び第2内壁面11115と、第1内壁面11114と第2内壁面11115とに接続される第3内壁面11116とを更に含み、第4凹溝1151が第3内壁面11116と支持壁1112に沿って上カバープレート12から離れる方向へ凹むことで第5凹溝1152が形成され、振動システム2は、回路基板23に設けられる弾性接続部材24を更に含み、振動膜21は、上カバープレート12と第4凹溝1151との間に設けられ、弾性接続部材24の一側は、ボイスコイル22の振動膜21から離れる側に接続され、回路基板23は、第5凹溝1152に設けられている。
【0030】
本実施例において、第4凹溝1151が第3内壁面11116及び支持壁1112に沿って上カバープレート12から離れる方向へ凹むことで第5凹溝1152が形成され、この時に、支持壁1112の底端及び外壁1111の第3内壁面11116における底端は、中空構造112から突出するため、回路基板23及び弾性接続部材24を配置しやすく、回路基板23及び弾性接続部材24に支持作用を提供し、次に、振動膜21を第4凹溝1151と上カバープレート12との間に設けられ、ボイスコイル22は、振動膜21と弾性接続部材24tの間に設けられ、且つボイスコイル22は、磁性鋼アセンブリ32の磁気ギャップに設けられている。
【0031】
更に、上カバープレート12は、通気孔121を有し、スピーカモジュール100は、上カバープレート12の下カバープレート13から離れる側に設けられる第1通気膜4を更に含み、第1通気膜4は、通気孔121に蓋設され、通気孔121は、前音響チャンバ02に連通している。
【0032】
本実施例において、通気孔121は、前音響チャンバ02と連通してボイスコイル22の振動により発生した熱を放出するために用いられ、第1通気膜4は、通気孔121に取り付けられて且つ通気孔121を覆い、空気中の塵埃等の不純物が通気孔121を介して前音響チャンバ02内に入ることを防止する。
【0033】
更に、下カバープレート13は、スルーホール131を有し、スピーカモジュール100は、スルーホール131に蓋設される第2通気膜5を更に含み、スルーホール131は、後音響チャンバ03に連通している。
【0034】
本実施例において、スルーホール131は、後音響チャンバ03に連通することにより、後音響チャンバ03内に吸音粒子を注入し、後音響チャンバ03内のガスを放出するために用いられ、後音響チャンバ03と前音響チャンバ02との間の気圧を平衡させ、スピーカモジュール100の音響性能を改善可能であり、第2通気膜5は、スルーホール131に取り付けられスルーホール131を覆い、空気中の塵埃などの不純物がスルーホール131を介して後音響チャンバ03内に入ることを防止する。
【0035】
更に、ヨーク31には、導気孔311が開設され、導気孔311は、前音響チャンバ02と後音響チャンバ03とを連通し、スピーカモジュール100は、導気孔311に設けられる第3通気膜6を更に含む。
【0036】
本実施例において、導気孔311を利用して前音響チャンバ02と後音響チャンバ03とを連通することにより、スピーカモジュール100内部の気圧をバランスさせ、スピーカモジュール100の音響性能を改善する。
【0037】
本発明は、スピーカモジュール組立方法を更に提供し、本発明のスピーカモジュールに用いられ、下記のステップS110~S130を含む。
S110では、上カバープレート12、振動膜21及びボイスコイル22を一体に組み立て、フレーム11の一側の側壁111に蓋設する。
S120では、ヨーク31及び磁性鋼アセンブリ32を一体に組み立て且つ側壁111の振動膜21から離れる側に組み立てる。
S130では、下カバープレート13をフレーム11の上カバープレート12から離れる側に蓋設する。
【0038】
組立過程を元のスピーカ単体とスピーカモジュールとの別々の2つの組立過程から1つのスピーカモジュールの組立過程に簡略化し、加工難易度及びコストを低減する。
【0039】
以上のように、本発明に係るスピーカモジュール及びその組立方法において、フレームが側壁を有し、上カバープレートと下カバープレートがフレームに取り付けられたときに、フレームは、上カバープレート及び下カバープレートとともにスピーカモジュールのハウジングを形成し、上カバープレートを振動システムと共にフレームの一方側に組み立て、次に磁気回路システムをフレームの他方側に取り付けた後に下カバープレートを直接カバーして組み立てることができ、即ち本実施例は、組立過程を元のスピーカ単体とスピーカモジュールとの別々の2つの組立過程から1つのスピーカモジュールの組立過程に簡略化し、加工難易度及びコストを低減するとともに、後音響チャンバの密封性を向上させ、ガス漏れリスク点を減少させ、且つ上カバープレートと下カバープレートの成形難易度を低下させる。
【0040】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれる。