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特開2023-172860位置情報獲得方法、位置情報獲得装置およびこれを含むタクシーサービス提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172860
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】位置情報獲得方法、位置情報獲得装置およびこれを含むタクシーサービス提供システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/30 20060101AFI20231129BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G01C21/30
G08G1/123 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207217
(22)【出願日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0063654
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨンジュン
(72)【発明者】
【氏名】オ、ジョンテク
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ビョンフィ
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA04
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB21
2F129BB33
2F129BB49
2F129BB63
2F129BB66
2F129DD58
2F129EE02
2F129EE52
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF17
2F129FF20
2F129FF57
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA14
5H181BB04
5H181EE10
5H181FF04
5H181FF07
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MA05
5H181MA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】GPS陰影区間に進入した車両の位置推定の正確度を向上させるための位置情報獲得装置、およびこれを含むタクシーサービス提供システムを提供する。
【解決手段】位置情報獲得装置300は、GPS信号を使用するGPS航法と車両の速度情報および方位情報を使用するDR航法のうちの少なくとも一つを使用して第1GPS情報を獲得する航法装置103、第1GPS情報と地図データとのマップマッチングを通じて生成された第2GPS情報を航法装置にフィードバックするマップマッチングフィードバックモジュール2031、そして航法装置から受信されるGPS情報に基づいて車両の現在位置を決定するアプリケーション装置201を含むことができる。マップマッチングフィードバックモジュールは、車両のGPS陰影区間内の位置または車両のGPS陰影区間内の走行距離に応じて活性化が制御される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置情報獲得装置であって、
GPS(Global Positioning System)信号を使用するGPS航法と前記車両の速度情報および方位情報を使用するDR(Dead Reckoning)航法のうちの少なくとも一つを使用して第1GPS情報を獲得する航法装置、
前記第1GPS情報と地図データとのマップマッチングを通じて生成された第2GPS情報を前記航法装置にフィードバックするマップマッチングフィードバックモジュール、そして
前記航法装置から受信されるGPS情報に基づいて前記車両の現在位置を決定するアプリケーション装置を含み、
前記マップマッチングフィードバックモジュールは、前記車両のGPS陰影区間内の位置または前記車両の前記GPS陰影区間内の走行距離に応じて活性化が制御され、
前記航法装置は、前記マップマッチングフィードバックモジュールが活性化されると前記第1GPS情報および前記第2GPS情報を使用して第3GPS情報を生成し、前記マップマッチングフィードバックモジュールが活性化されたか否かにより前記第1GPS情報および前記第3GPS情報のうちのいずれか一つを前記アプリケーション装置に伝達する、位置情報獲得装置。
【請求項2】
前記マップマッチングフィードバックモジュールは、前記車両が前記GPS陰影区間に進入した後、前記GPS陰影区間内で所定距離以上走行すると活性化され、前記車両が前記GPS陰影区間を外れると非活性化される、請求項1に記載の位置情報獲得装置。
【請求項3】
前記航法装置は、前記車両が前記GPS陰影区間に進入すると前記DR航法を使用して前記第1GPS情報を獲得する、請求項2に記載の位置情報獲得装置。
【請求項4】
前記航法装置は、前記マップマッチングフィードバックモジュールが活性化されると、前記第2GPS情報を使用して前記第1GPS情報を補正して前記第3GPS情報を獲得し、前記第3GPS情報を前記アプリケーション装置に伝達する、請求項3に記載の位置情報獲得装置。
【請求項5】
前記航法装置は、前記マップマッチングフィードバックモジュールが非活性化されると、前記第1GPS情報を前記アプリケーション装置に伝達する、請求項3に記載の位置情報獲得装置。
【請求項6】
前記アプリケーション装置は、前記航法装置から受信されるGPS情報と前記地図データとのマップマッチングを通じて前記地図データ上で前記車両の現在位置を決定する、請求項1に記載の位置情報獲得装置。
【請求項7】
前記アプリケーション装置は、前記航法装置から受信されるGPS情報と前記地図データに基づいて前記GPS陰影区間に対する前記車両の進入有無および前記車両が前記GPS陰影区間内で移動した距離を導出する、請求項6に記載の位置情報獲得装置。
【請求項8】
前記マップマッチングフィードバックモジュールは、前記GPS陰影区間内に分岐点の存在有無、および前記車両と前記分岐点間の距離に応じて活性化が制御される、請求項6に記載の位置情報獲得装置。
【請求項9】
前記マップマッチングフィードバックモジュールは、前記GPS陰影区間内に分岐点が存在し、前記車両が前記分岐点から所定距離以内に位置すると非活性化される、請求項8に記載の位置情報獲得装置。
【請求項10】
前記アプリケーション装置は、前記航法装置から受信されるGPS情報と前記地図データに基づいて前記GPS陰影区間内に前記分岐点が存在するか否かを判断し、前記分岐点と前記車両間の距離を導出する、請求項8に記載の位置情報獲得装置。
【請求項11】
前記車両のホイール速度情報および方位情報を感知するセンサー装置をさらに含み、
前記航法装置は、前記センサー装置により感知された情報に基づいて前記車両の速度情報および方位情報を獲得する、請求項1に記載の位置情報獲得装置。
【請求項12】
前記GPS陰影区間は、トンネルまたは地下道区間である、請求項1に記載の位置情報獲得装置。
【請求項13】
タクシーサービス提供システムであって、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の位置情報獲得装置を含み、
前記アプリケーション装置および前記マップマッチングフィードバックモジュールは、前記タクシーサービス提供システムの統合端末内に含まれ、
前記統合端末は、ユーザ端末から受信したサービスに対する要請に対して応答を提供する運営サーバーとネットワークを通じて連結され、前記車両の運行状態、および使用者の搭乗位置と前記車両のヘディング(Heading)方向情報を連携した情報を利用して配車コール情報を確認するか否かを判断し、前記車両のGPS情報、またはホイール速度情報を利用して運行料金を計算し、前記車両のギヤ状態情報を通じて前記車両の出力画面を変更するか否かを判断する、タクシーサービス提供システム。
【請求項14】
車両の位置情報獲得方法であって、
GPS信号を使用するGPS航法と車両の速度情報および方位情報を使用するDR航法のうちの少なくとも一つを使用して第1GPS情報を獲得する段階、
前記車両のGPS陰影区間内の位置または前記車両の前記GPS陰影区間内の走行距離に応じて、前記第1GPS情報および地図データのマップマッチングを通じて第2GPS情報を生成するマップマッチングフィードバックモジュールの活性化を制御する段階、
前記マップマッチングフィードバックモジュールが活性化されると、前記第1GPS情報および前記第2GPS情報を使用して第3GPS情報を生成する段階、そして
前記マップマッチングフィードバックモジュールが活性化されたか否かにより、前記第1GPS情報および前記第3GPS情報のうちのいずれか一つを使用して前記車両の現在位置を決定する段階を含む位置情報獲得方法。
【請求項15】
前記第1GPS情報を獲得する段階は、
前記車両が前記GPS陰影区間内に位置すると、前記DR航法を使用して前記第1GPS情報を獲得する段階を含む、請求項14に記載の位置情報獲得方法。
【請求項16】
前記第1GPS情報を獲得する段階は、
前記車両が前記GPS陰影区間外部に位置すると、前記GPS航法を使用して前記第1GPS情報を獲得する段階を含む、請求項14に記載の位置情報獲得方法。
【請求項17】
前記活性化を制御する段階は、
前記車両が前記GPS陰影区間内に位置し、前記車両が前記GPS陰影区間内で走行した距離が所定距離以上であれば、前記マップマッチングフィードバックモジュールを活性化する段階、そして
前記車両が前記GPS陰影区間外部に位置すると、前記マップマッチングフィードバックモジュールを非活性化する段階を含む、請求項14に記載の位置情報獲得方法。
【請求項18】
前記GPS陰影区間内に分岐点の存在有無、および前記車両と前記分岐点間の距離に応じて前記マップマッチングフィードバックモジュールを非活性化する段階をさらに含む、請求項14に記載の位置情報獲得方法。
【請求項19】
前記非活性化する段階は、
前記GPS陰影区間内に前記分岐点が存在し、前記車両が前記分岐点から所定距離以内に位置すると、前記マップマッチングフィードバックモジュールを非活性化する段階を含む、請求項18に記載の位置情報獲得方法。
【請求項20】
前記現在位置を決定する段階は、
前記第1GPS情報および前記第3GPS情報のうちのいずれか一つと前記地図データとのマップマッチングを通じて、前記地図データ上で前記車両の現在位置を決定する段階を含む、請求項14に記載の位置情報獲得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置情報獲得装置およびこれを含むタクシーサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムのように車両に搭載される位置情報獲得装置は、通常、GPS(Global Positioning System)情報を地図(MAP)上にマッチングさせるマップマッチング(map matching)作業を通じて車両の現在位置情報を獲得する。
【0003】
GPSは、GPS衛星から送る信号を受信して使用者の現在位置を計算する衛星航法システムである。したがって、トンネル、地下道、地下駐車場などGPS信号の正常な受信が難しい区間が存在し、このようなGPS陰影区間に進入した車両の位置情報獲得装置は、GPS情報だけで車両の現在位置を獲得しにくい。そのために、経路案内サービスを利用中に車両がGPS陰影区間に進入する場合、車両の現在位置を誤った位置に特定したり誤った経路を案内して車両がGPS陰影区間を外れると経路を再探索する状況を発生させる。
【0004】
したがって、GPS信号の受信が難しいGPS陰影区間で車両の現在位置を推定するための多様な方式が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、GPS陰影区間に進入した車両の位置推定の正確度を向上させるための位置情報獲得装置、およびこれを含むタクシーサービス提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための一実施形態による車両の位置情報獲得装置は、GPS(Global Positioning System)信号を使用するGPS航法と前記車両の速度情報および方位情報を使用するDR(Dead Reckoning)航法のうちの少なくとも一つを使用して第1GPS情報を獲得する航法装置、前記第1GPS情報と地図データとのマップマッチングを通じて生成された第2GPS情報を前記航法装置にフィードバックするマップマッチングフィードバックモジュール、そして前記航法装置から受信されるGPS情報に基づいて前記車両の現在位置を決定するアプリケーション装置を含むことができる。前記マップマッチングフィードバックモジュールは、前記車両のGPS陰影区間内の位置または前記車両の前記GPS陰影区間内の走行距離に応じて活性化が制御され、前記航法装置は、前記マップマッチングフィードバックモジュールが活性化されると前記第1GPS情報および前記第2GPS情報を使用して第3GPS情報を生成し、前記マップマッチングフィードバックモジュールが活性化されたか否かにより前記第1GPS情報および前記第3GPS情報のうちのいずれか一つを前記アプリケーション装置に伝達することができる。
【0007】
前記マップマッチングフィードバックモジュールは、前記車両が前記GPS陰影区間に進入した後、前記GPS陰影区間内で所定距離以上走行すると活性化され、前記車両が前記GPS陰影区間を外れると非活性化され得る。
【0008】
前記航法装置は、前記車両が前記GPS陰影区間に進入すると前記DR航法を使用して前記第1GPS情報を獲得することができる。
【0009】
前記航法装置は、前記マップマッチングフィードバックモジュールが活性化されると、前記第2GPS情報を使用して前記第1GPS情報を補正して前記第3GPS情報を獲得し、前記第3GPS情報を前記アプリケーション装置に伝達することができる。
【0010】
前記航法装置は、前記マップマッチングフィードバックモジュールが非活性化されると、前記第1GPS情報を前記アプリケーション装置に伝達することができる。
【0011】
前記アプリケーション装置は、前記航法装置から受信されるGPS情報と前記地図データとのマップマッチングを通じて前記地図データ上で前記車両の現在位置を決定することができる。
【0012】
前記アプリケーション装置は、前記航法装置から受信されるGPS情報と前記地図データに基づいて前記GPS陰影区間に対する前記車両の進入有無および前記車両が前記GPS陰影区間内で移動した距離を導出することができる。
【0013】
前記マップマッチングフィードバックモジュールは、前記GPS陰影区間内に分岐点の存在有無、および前記車両と前記分岐点間の距離に応じて活性化が制御され得る。
【0014】
前記マップマッチングフィードバックモジュールは、前記GPS陰影区間内に分岐点が存在し、前記車両が前記分岐点から所定距離以内に位置すると非活性化され得る。
【0015】
前記アプリケーション装置は、前記航法装置から受信されるGPS情報と前記地図データに基づいて前記GPS陰影区間内に前記分岐点が存在するか否かを判断し、前記分岐点と前記車両間の距離を導出することができる。
【0016】
前記位置情報獲得装置は、前記車両のホイール速度情報および方位情報を感知するセンサー装置をさらに含み、前記航法装置は、前記センサー装置により感知された情報に基づいて前記車両の速度情報および方位情報を獲得することができる。
【0017】
前記GPS陰影区間は、トンネルまたは地下道区間であり得る。
【0018】
また、一実施形態によるタクシーサービス提供システムは、前記位置情報獲得装置を含み、前記アプリケーション装置および前記マップマッチングフィードバックモジュールは、前記タクシーサービス提供システムの統合端末内に含まれ、前記統合端末は、ユーザ端末から受信したサービスに対する要請に対して応答を提供する運営サーバーとネットワークを通じて連結され、前記車両の運行状態、および前記使用者の搭乗位置と前記車両のヘディング(Heading)方向情報を連携した情報を利用して配車コール情報を確認するか否かを判断し、前記車両のGPS情報、またはホイール速度情報を利用して運行料金を計算し、前記車両のギヤ状態情報を通じて前記車両の出力画面を変更するか否かを判断することができる。
【0019】
また、一実施形態による車両の位置情報獲得方法は、GPS信号を使用するGPS航法と車両の速度情報および方位情報を使用するDR航法のうちの少なくとも一つを使用して第1GPS情報を獲得する段階、前記車両のGPS陰影区間内の位置または前記車両の前記GPS陰影区間内の走行距離に応じて、前記第1GPS情報および地図データのマップマッチングを通じて第2GPS情報を生成するマップマッチングフィードバックモジュールの活性化を制御する段階、前記マップマッチングフィードバックモジュールが活性化されると、前記第1GPS情報および前記第2GPS情報を使用して第3GPS情報を生成する段階、そして前記マップマッチングフィードバックモジュールが活性化されたか否かにより、前記第1GPS情報および前記第3GPS情報のうちのいずれか一つを使用して前記車両の現在位置を決定する段階を含むことができる。
【0020】
前記第1GPS情報を獲得する段階は、前記車両が前記GPS陰影区間内に位置すると、前記DR航法を使用して前記第1GPS情報を獲得する段階を含むことができる。
【0021】
前記第1GPS情報を獲得する段階は、前記車両が前記GPS陰影区間外部に位置すると、前記GPS航法を使用して前記第1GPS情報を獲得する段階を含むことができる。
【0022】
前記活性化を制御する段階は、前記車両が前記GPS陰影区間内に位置し、前記車両が前記GPS陰影区間内で走行した距離が所定距離以上であれば、前記マップマッチングフィードバックモジュールを活性化する段階、そして前記車両が前記GPS陰影区間外部に位置すると、前記マップマッチングフィードバックモジュールを非活性化する段階を含むことができる。
【0023】
前記位置情報獲得方法は、前記GPS陰影区間内に分岐点の存在有無、および前記車両と前記分岐点間の距離に応じて前記マップマッチングフィードバックモジュールを非活性化する段階をさらに含むことができる。
【0024】
前記非活性化する段階は、前記GPS陰影区間内に前記分岐点が存在し、前記車両が前記分岐点から所定距離以内に位置すると、前記マップマッチングフィードバックモジュールを非活性化する段階を含むことができる。
【0025】
前記現在位置を決定する段階は、前記第1GPS情報および前記第3GPS情報のうちのいずれか一つと前記地図データとのマップマッチングを通じて、前記地図データ上で前記車両の現在位置を決定する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、GPS陰影区間に進入した車両の位置推定の正確度を向上させることができる。また、GPS陰影区間での位置推定の正確度を向上させることによって、経路案内サービス途中に測位エラーによる経路再探索が発生する頻度を低めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施形態によるタクシーサービス提供システムの構成を図式的に示すブロック図である。
図2】一実施形態によるタクシーサービス提供システムの構成を図式的に示すブロック図である。
図3】一実施形態による位置情報獲得装置の構成を図式的に示すブロック図である。
図4】一実施形態による位置情報獲得方法を概略的に示すフローチャートである。
図5】分岐点と関係なしにMMFモジュールを活性化する場合にGPS情報が獲得される一例を示す。
図6】分岐点を基準としてMMFモジュールの活性化を制御する場合にGPS情報が獲得される例を示す。
図7】分岐点を基準としてMMFモジュールの活性化を制御する場合にGPS情報が獲得される例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して本明細書に開示された実施形態を詳細に説明するが、同一または類似の構成要素には同一または類似の図面符号を付与し、これについての重複説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および/または「部」は、明細書作成の容易さだけを考慮して付与されたり混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、本明細書に開示された実施形態を説明するに当たり、関連した公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を不明確にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付した図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面により本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0029】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、前記構成要素は前記用語により限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0030】
本出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0031】
本出願で、「AまたはB」、「AおよびBのうちの少なくとも一つ」、「AまたはBのうちの少なくとも一つ」、「A、BまたはC」、「A、BおよびCのうちの少なくとも一つ」、および「A、B、またはCのうちの少なくとも一つ」のような文句のそれぞれは、その文句のうち該当する文句に共に羅列された項目のうちのいずれか一つ、またはこれらの全ての可能な組み合わせを含むことができる。
【0032】
一実施形態による構成のうち、特定の制御条件で他の構成を制御する構成には、他の構成を制御するために必要な制御アルゴリズムを具体化した命令語の集合で具現されたプログラムが設置され得る。制御構成は、設置されたプログラムにより入力情報および保存された情報を処理して出力情報を生成することができる。制御構成は、プログラムを保存する不揮発性メモリおよび情報を保存するメモリを含むことができる。
【0033】
図1は一実施形態によるタクシーサービス提供システムの構成を図式的に示すブロック図である。
【0034】
タクシーサービス提供システム1は、複数の車両10_1~10_n(nは自然数)、複数のユーザ端末30_1~30_m(mは自然数)、および運営サーバー40を含むことができる。
【0035】
図1に示されているように、複数の車両10_1~10_n、複数のユーザ端末30_1~30_m、および運営サーバー40は、ネットワークを通じて必要な情報を送受信することができる。この時、複数の車両10_1~10_nは、タクシーサービスを提供する運転者により運行されるタクシーであり得る。以下でタクシーは、乗客を目的地まで搭乗させ、それに対する代価として料金を受けるサービスを提供する全ての移動手段を意味する。
【0036】
運営サーバー40は、複数のユーザ端末30_1~30_mからサービスに対する要請を受信し、受信された要請に対する応答を提供し、サービスを行う車両を決定するサーバーであり得る。例えば、使用者がユーザ端末30を通じて配車コールを配車サーバーに伝送し、配車サーバーは受信された配車コールを複数の車両10_1~10_nに伝送し、複数の車両10_1~10_nから配車コールに対する応答を受信してコール配車を行うことができる。配車サーバーは、コール配車が決定され、配車された車両に関する情報をユーザ端末30に伝送することができる。このように、運営サーバー40の一例として配車サーバーがあり得、以下の実施形態で配車サーバーをもって運営サーバー40に関する特徴を説明する。ただし、発明がこれに限定されるのではなく、他のサービスを提供するための他の種類のサーバーが運営サーバー40でもあり得る。
【0037】
本発明でネットワークは、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、WLAN(wireless LAN)、SAN(storage area network)、CAN(Controller Area Network)であり得、LTE(Long Term Evolution、LTE)、LTE-A(LTE Advanced)、CDMA(Code-Division Multiple Access、CDMA)、WCDMA(Wideband Code Division Multiplele Access)、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)、WiBro(Wireless Broadband)、GSM(Global System for Mobile Communications)などのようなセルラー通信でもあり得るが、これに限定されるのではない。
【0038】
以下、図2および図3を参照して車両10の構成について説明する。
【0039】
図2は一実施形態による車両10の構成を図式的に示すブロック図である。
【0040】
図2では、説明のために任意の一つの車両10が任意の一つのユーザ端末30および運営サーバー40とネットワークを通じて必要な情報を送受信することを仮定する。
【0041】
車両10は、ECU101、航法装置103、センサー装置105、通信部107、メモリ109および統合端末20を含むことができる。
【0042】
ECU(Electronic Control Unit)101は、センサー装置105から受信した情報を処理し、統合端末20に伝送することができる。
【0043】
航法装置103は、GPS(Global Positioning System)航法およびDR(Dead Reckoning)航法のうちの少なくとも一つを使用して車両10の位置情報、つまり、GPS情報を所定時間単位で獲得することができる。GPS航法は、衛星から受信されるGPS信号を使用して位置を計算する航法である。DR航法は、既に位置を知っている一地点を基準として移動体(例えば、車両10)の進行方向速度および方位(または姿勢角)を使用して移動体の新たな位置を計算する航法である。
【0044】
航法装置103は、GPS情報が獲得されると、これを位置管理部203に伝達することができる。また、航法装置103は、位置管理部203から受信されるマップマッチングフィードバック(Map Matching Feedback、MMF)情報に基づいてGPS情報を補正し、補正されたGPS情報を位置管理部203に伝達することもできる。
【0045】
航法装置103は、GPS座標情報だけでなく、車両10がGPS陰影区間に進入したか否かを示す情報をGPS情報に含めて位置管理部203に伝達することもできる。航法装置103は、GPS信号が所定時間以上受信されないと車両10がGPS陰影区間に進入したと判断し、その後、GPS信号が受信されると車両10がGPS陰影区間を外れたと判断することができる。
【0046】
センサー装置105は、車両10のホイール速度センサー、方位センサー、オルタネートセンサー、変速機センサー、回転数センサー、バッテリーセンサー、およびステアリングホイールセンサーを含むことができる。
【0047】
ホイール速度センサーは、車両10の車輪の回転速度を所定時間単位で感知することができる。ホイール速度センサーが感知したホイール速度情報は視覚情報とマッチングされてメモリ109に保存され得る。
【0048】
方位センサーは、地磁気に対する車両の方位情報を所定時間単位で感知することができる。方位センサーは、ジャイロセンサー、地磁気センサーおよび加速度センサーのうちの少なくとも一つを含むことができる。方位センサーにより感知された方位情報は視覚情報とマッチングされてメモリ109に保存され得る。
【0049】
オルタネート(Alternator)は、車両10のエンジンが動作する時、バッテリーを充電して自動車の電装システムに電力を供給する装置である。オルタネートセンサーは、オルタネートのオン/オフ(on/off)の有無を所定時間単位で感知することができる。オルタネートセンサーが感知したオルタネートのon/off情報は視覚情報とマッチングされてメモリ109に保存され得る。
【0050】
変速機センサーは、車両10変速機のギヤ状態を所定時間単位で感知することができる。変速機センサーが感知したギヤ状態情報は視覚情報とマッチングされてメモリ109に保存され得る。
【0051】
回転数センサーは、車両10がエンジンにより駆動される場合、エンジンの回転数(RPM、Revolutions per minute)を所定時間単位で測定することができる。また、回転数センサーは、車両10がモータにより駆動される場合、モータ回転数を所定時間単位で測定することができる。回転数センサーが測定したエンジンまたはモータの回転数情報は視覚情報とマッチングされてメモリ109に保存され得る。
【0052】
バッテリーセンサーは、車両10のバッテリー状態を所定時間単位で感知することができる。バッテリーセンサーが感知したバッテリー状態情報は視覚情報にマッチングされてメモリ109に保存され得る。バッテリー状態情報は、バッテリーの充電率、電圧、電流、温度、SOC(State of Charge)、SOH(State of Health)などに関する情報を含むことができる。
【0053】
ステアリングホイール(Steering Wheel)センサーは、車両10の車輪を左右に動いて進行方向の変更に使用する操向装置であるステアリングホイールに関する情報を感知することができる。ステアリングホイールセンサーが感知したステアリングホイール情報はメモリ109に保存され得る。ステアリングホイール情報は、ステアリングホイールが動いた程度、ステアリングホイールに存在する通話ボタンおよび通話終了ボタンの入力有無などに関する情報を含むことができる。
【0054】
通信部107は、ECU101の制御命令またはメモリ109に保存された情報を外部に伝送し、外部から受信される情報をECU101に伝達することができる。
【0055】
メモリ109は、車両10の各構成が動作するために必要な情報を保存することができる。
【0056】
統合端末20は、アプリケーション装置201、位置管理部203、MICOM205、API207、入出力部209、およびメモリ211を含む。
【0057】
アプリケーション装置201は、配車部2011、メーター部2013、ナビゲーション部2015、および運行記録部2017を含むことができる。
【0058】
アプリケーション装置201は、位置管理部203またはセンサー装置105が収集した情報を受信し、これを利用して配車コール情報、運行料金情報、ナビゲーション出力画面変更情報、または充電所案内情報などを生成し伝送することができる。実施形態において、配車部2011、ナビゲーション部2015、メーター部2013、および運行記録部2017のそれぞれは、固有の機能を行うためのアプリケーションであって、割り当てられた情報を処理し、処理結果を入出力部209に表示することができる。一部のアプリケーションは、処理結果が運営サーバー40に伝送され得るようにMICOM205に処理結果を伝送することができる。MICOM205は、ECU101を通じてまたは直接的に通信部107を通じて処理結果が運営サーバー40に伝送され得るようにすることができる。
【0059】
配車部2011は、配車コール情報を受信し、ユーザ端末30のGPS情報と車両10のヘディング(Heading)方向情報を比較した結果により配車コール情報を運転者に提供するか否かを決定することができる。以下、配車コール情報を運転者に提供するか否かを、配車コール情報を確認することと定義する。配車コール情報は、運営サーバー40から車両10の通信部および統合端末20のMICOM205を通じて配車部2011に伝送され得る。
【0060】
配車部2011は、使用者の搭乗位置が車両10のヘディング方向で搭乗可能な位置である場合、受信した配車コール情報を確認することと決定し、入出力部209に配車コール情報を伝送して入出力部209が配車コール情報を含む画面を出力するようにすることができる。配車部2011は、位置管理部203から受信したGPS情報およびセンサー装置105から受信した車両10の方位情報のうちの少なくとも一つを通じて車両10が向かう方向であるヘディング方向を決定することができる。
【0061】
運転者は、入出力部209を通じて車両配車要請に対する受諾または拒絶する内容の応答を入力することができ、入出力部209は、運転者の入力により配車コール応答情報を生成し、これを配車部2011に伝送することができる。配車部2011は、配車コール応答情報が運営サーバー40に伝送され得るようにMICOM205に配車コール応答情報を伝送することができる。
【0062】
メーター部2013は、位置管理部203が収集したGPS情報またはセンサー装置105が収集したホイール速度情報、およびオルタネート情報を利用して車両10の運行料金を計算することができる。メーター部2013がユーザ端末30のGPSでない車両10の航法装置103を利用することによって、相対的に高性能のGPSを通じてより正確な料金計算を行うことができるという効果がある。
【0063】
ナビゲーション部2015は、位置管理部203を通じて受信されるGPS情報を利用して通常のナビゲーション機能を行うことができる。ナビゲーション部2015は、受信されたGPS情報をノードとリンクから構成された地図データの特定位置にマッチングさせて地図データ上で車両10の現在位置を決定することができる。ナビゲーション部2015は、受信されたGPS情報およびセンサー装置105から受信した車両10の方位情報のうちの少なくとも一つを使用して車両10が向かう方向であるヘディング方向を決定することもできる。ナビゲーション部2015は、決定された車両10の現在位置およびヘディング方向を入出力部209を通じてナビゲーション画面の地図イメージ上に表示することもできる。ナビゲーション部2015は、出発地から目的地に至る経路を探索することができる。ナビゲーション部2015は、経路探索が完了されると、探索された経路情報を入出力部209を通じてナビゲーション画面上に表示することができる。
【0064】
また、ナビゲーション部2015は、車両10の現在位置だけでなく、ユーザ端末30の現在位置をナビゲーション画面上に表示することもできる。また、ナビゲーション部2015は、ユーザ端末30のGPS情報と、車両10のGPS情報およびヘディング方向情報とを比較してユーザ端末30の位置が車両10のヘディング方向で搭乗可能な位置であるか否かを判断することもできる。ナビゲーション部2015は、ユーザ端末30の位置が車両10のヘディング方向で搭乗可能な位置であれば、入出力部209を通じてナビゲーション画面の探索された経路上にユーザ端末30の位置を表示することができる。
【0065】
ナビゲーション部2015は、ギヤ状態情報を利用してギヤがP段である場合、車両のナビゲーション出力画面を変更することと決定し、入出力部209に出力画面変更情報を伝送して入出力部209が変更画面を出力するようにすることができる。また、ナビゲーション部2015は、バッテリー情報を利用してバッテリー充電率が既設定された所定値以下である場合、車両のナビゲーション出力画面に充電所案内情報を出力することと決定し、入出力部209に充電所案内情報を伝送して入出力部209が充電所案内画面を出力するようにすることができる。
【0066】
ナビゲーション部2015は、位置管理部203を通じて受信したGPS情報、または地図データにマッチングされた車両10の現在位置に基づいて、位置管理部203のMMF機能を活性化するか否かを制御することができる。ナビゲーション部2015は、車両10がGPS陰影区間に進入した場合、車両10のGPS陰影区間内の走行距離およびGPS陰影区間内の位置のうちの少なくとも一つによりMMF機能を活性化するか否かを制御することができる。例えば、ナビゲーション部2015は、車両10がGPS陰影区間(例えば、トンネル、地下道、地下駐車場)に進入して所定距離(例えば、100m)を走行する前まではMMF機能を非活性化状態で維持し、車両10がGPS陰影区間に進入した後に所定距離以上走行した場合にだけMMF機能を活性化することができる。この時、車両10のGPS陰影区間内の走行距離は、車両10がGPS陰影区間を外れるとリセットされ、車両10が新たなGPS陰影区間に進入すると再び計算され得る。また、例えば、ナビゲーション部2015は、車両10が進入したGPS陰影区間内に分岐点が存在する場合、当該分岐点を基準として所定距離(例えば、100m)以内に車両10が位置すると、MMF機能を非活性化させることもできる。ナビゲーション部2015は、MMF機能が活性化されると、経路情報を位置管理部203に伝達することもできる。
【0067】
運行記録部2017は、位置管理部203が収集したGPS情報またはセンサー装置105が収集した回転数情報を利用して車両10の速度、位置、RPMなどの運行情報を記録することができる。運行記録部2017は、DTG(Digital Tacho Graph)を含むことができる。
【0068】
運行記録部2017は、車両10がモータにより駆動される場合には、RPM情報を代替してセンサー装置105から受信したモータ回転数情報を保存することができる。これにより、車両がモータにより駆動される場合に、RPM情報を代替してモータ回転数情報を運行記録として保存することができるという効果がある。
【0069】
位置管理部203は、航法装置103からGPS情報を受信してアプリケーション装置201に伝達することができる。位置管理部203は、MMF機能が活性化されると、マップマッチングを通じて航法装置103から受信されたGPS情報を補正することができる。つまり、位置管理部203は、MMF機能が活性化されると、航法装置103から受信されたGPS情報を基準として車両10の現在位置を地図データ上の特定のノードおよびリンクにマッチングさせ、マッチング結果に基づいて補正されたGPS情報を獲得することができる。位置管理部203はまた、MMF機能により補正されたGPS情報を含むMMF情報を航法装置103に伝達することができる。位置管理部203は、MMF機能を使用して航法装置103から受信されたGPS情報を基準として車両10の現在位置を地図データ上の特定のノードおよびリンクにマッチングさせる時、ナビゲーション部2015から受信された経路情報を利用することもできる。
【0070】
MICOM(microcomputer)205は、ECU101から受信される情報をAPI207を通じてアプリケーション装置201に伝達することができる。この時、MICOMは、ECU101から受信した情報が対応するアプリケーションに伝送され得るようにAPI207を制御することができる。ECU101は、センサー装置105が収集した情報をMICOM205にCAN通信を通じて伝送し、MICOM205は、API207を通じてアプリケーション装置201で対応するアプリケーションに収集された情報を伝送することができる。つまり、MICOM205は、受信した情報を分類してAPI207を通じて受信した情報を処理するためのアプリケーションに割り当てることができる。
【0071】
API(Application Programming Interface)207は、ECU101とアプリケーション装置201間の通信を行うことができる。例えば、ECU101は、センサー装置105が収集した情報をAPI207を通じてアプリケーション装置201に伝送することができる。
【0072】
入出力部209は、統合端末20の動作制御のための入力情報を生成し、オーディオ信号(または、聴覚と関連した信号)またはビデオ信号(または、視覚と関連した信号)またはアラーム信号または触覚と関連した信号を出力することができる。例えば、入出力部209は、タッチディスプレイなどであり得る。
【0073】
メモリ211は、統合端末20の各構成が動作するために必要な情報を保存することができる。一例として、メモリ211は、ナビゲーション部2015および位置管理部203で使用される地図データを保存することができる。
【0074】
ユーザ端末30は、携帯電話、スマートフォン(Smart Phone)、ノートパソコン(Notebook Computer)などの移動端末であり得る。使用者は、タクシーサービスを利用する乗客であり得る。
【0075】
以下の説明で、アプリケーション装置201の一つのアプリケーションで具現された構成が運営サーバー40と情報を送受信することは、車両10の通信部107を通じて行われ得る。つまり、運営サーバー40から通信部107に受信された情報が、ECU101、MICOM205、およびAPI207を通じて当該アプリケーションに伝達され、アプリケーションで生成された情報はAPI207、MICOM205、ECU101、および通信部107を通じて運営サーバー40に伝送され得る。ただし、発明がこれに限定されるのではなく、アプリケーション装置201と通信部107間の直接的な通信が可能になり得る。
【0076】
図3は一実施形態による車両の位置情報獲得装置の構成を図式的に示すブロック図である。
【0077】
図3を参照すれば、位置情報獲得装置300は、車両10に搭載された航法装置103およびセンサー装置105、そして統合端末20のナビゲーション部2015、位置管理部203、およびメモリ211を含むことができる。
【0078】
航法装置103は、GPSモジュール1031およびDRモジュール1033を含むことができる。
【0079】
GPSモジュール1031は、衛星からGPS信号を受信し、受信されたGPS信号を利用して車両10の位置情報、つまり、GPS情報を獲得することができる。
【0080】
DRモジュール1033は、センサー装置105のホイール速度センサー1051を通じて感知されたホイール速度情報から車両10の速度情報を獲得し、方位センサー1053を通じて感知された方位情報から車両10の方位情報を獲得することができる。また、DRモジュール1033は、車両10の速度情報および方位情報を使用してGPSモジュール1031により獲得されたGPS情報を補正して出力することができる。
【0081】
航法装置103は、車両10のGPS情報が要求される場合、GPSモジュール1031およびDRモジュール1033のうちの少なくとも一つを使用してGPS情報を獲得することができる。
【0082】
例えば、航法装置103は、GPS信号の受信有無により車両10のGPS陰影区間進入有無を判断し、判断結果に基づいてGPSモジュール1031またはDRモジュール1033を使用してGPS情報を獲得することができる。
【0083】
航法装置103は、車両10がGPS陰影区間でない開放地を走行中であると判断されると、GPSモジュール1031だけを使用してGPS情報を獲得することができる。
【0084】
航法装置103は、車両10がGPS陰影区間に進入したと判断されると、DRモジュール1033だけを使用してGPS情報を獲得することができる。この場合、DRモジュール1033は、GPS陰影区間に進入する前にGPSモジュール1031を通じて最後に獲得されたGPS情報を基準として、車両10の速度情報および方位情報を使用して車両の新たな位置情報(GPS情報)を算出することができる。つまり、DRモジュール1033は、GPS陰影区間に進入した後に行われる最初の計算で、GPS信号を使用して算出された最後のGPS情報を車両10の速度情報および方位情報を使用して補正することによって新たなGPS情報を獲得することができる。その後、DRモジュール1033は、次の計算からDRモジュール1033により直前に出力されたGPS情報を車両10の速度情報および方位情報を使用して補正することによって新たなGPS情報を獲得することができる。
【0085】
航法装置103は、車両10が開放地を走行中であると判断されると、GPSモジュール1031およびDRモジュール1033を全て使用してGPS情報を獲得することもできる。この場合、GPSモジュール1031は、受信されるGPS信号に基づいて車両10のGPS情報を獲得し、DRモジュール1033は、車両10の速度情報および方位情報に基づいてGPSモジュール1031により獲得されたGPS情報を補正して出力することができる。
【0086】
航法装置103は、前述のようにGPSモジュール1031およびDRモジュール1033のうちの少なくとも一つによりGPS情報が獲得されると、これを位置管理部203に伝達することができる。
【0087】
DRモジュール1033は、位置管理部203から補正されたGPS情報が含まれているMMF情報が受信されると、これを使用してDRモジュール1033により算出されたGPS情報を補正して出力することもできる。例えば、DRモジュール1033は、補間法、平均法などを使用してDRモジュール1033により計算されたGPS情報と位置管理部203からフィードバックされたGPS情報から補正されたGPS情報を導出することができる。また、例えば、DRモジュール1033は、センサー装置105から受信された情報に基づいてDRモジュール1033により計算されたGPS情報と位置管理部203からフィードバックされたGPS情報のうちのいずれか一つを選択して補正されたGPS情報として出力することもできる。この場合、航法装置103は、位置管理部203から受信したMMF情報に基づいて補正されたGPS情報を再び位置管理部203に伝達することができる。
【0088】
位置管理部203は、MMFモジュール2031を含むことができる。位置管理部203は、アプリケーション装置201のナビゲーション部2015から受信される制御入力に基づいてMMFモジュール2031を活性化するか否かを制御することができる。
【0089】
MMFモジュール2031が非活性化された状態であれば、位置管理部203は航法装置103から受信されるGPS情報をMMFモジュール2031を使用した補正なしにナビゲーション部2015に伝達することができる。
【0090】
MMFモジュール2031が活性化されると、位置管理部203は航法装置103のDRモジュール1033から受信されたGPS情報をMMFモジュール2031に伝達することができる。これを受信したMMFモジュール2031は、メモリ211に保存された地図データ2111を使用したマップマッチングを通じて受信されたGPS情報を補正することができる。つまり、MMFモジュール2031は、地図データ2111上のノードおよびリンクのうち、DRモジュール1033から受信したGPS情報が指示する位置と近接したノードおよびリンクをマッチングさせることによって、GPS情報を補正することができる。MMFモジュール2031は、ナビゲーション部2015から経路情報が受信された場合、経路情報に基づいてマップマッチングを行うこともできる。例えば、MMFモジュール2031は、航法装置103から受信したGPS情報を地図データ2111上にマッチングさせる時、経路情報に含まれているノードおよびリンクに優先的にマッチングされるようにマップマッチングを行うこともできる。MMFモジュール2031は、マップマッチングを通じてGPS情報が補正されると、補正されたGPS情報が含まれているMMF情報をDRモジュール1033にフィードバックすることができる。
【0091】
MMFモジュール2031により補正されたGPS情報がDRモジュール1033に伝達された後、DRモジュール1033は伝達されたGPS情報を補正することができる。位置管理部203は、DRモジュール1033により補正されたGPS情報を受信すると、受信したGPS情報をアプリケーション装置201のナビゲーション部2015に伝達することができる。
【0092】
ナビゲーション部2015は、位置管理部203を通じて受信されるGPS情報とメモリ211に保存された地図データに基づいて車両10がトンネル、地下道、地下駐車場などのGPS陰影区間に進入したか否かを確認することができる。また、ナビゲーション部2015は、センサー装置105を通じて収集されたホイール速度情報に基づいて車両10の速度を決定し、これに基づいて車両10の移動距離を算出することができる。ナビゲーション部2015は、車両10がGPS陰影区間に進入した場合、車両10のGPS陰影区間内の走行距離およびGPS陰影区間内の位置のうちの少なくとも一つによりMMF機能を活性化するか否かを制御することができる。ナビゲーション部2015は、車両10がGPS陰影区間に進入した後、GPS陰影区間内で所定距離(例えば、100m)以上移動したと判断されると、位置管理部203を通じてMMFモジュール2031を活性化することができる。ナビゲーション部2015はまた、車両10がGPS陰影区間を外れたと判断されると、位置管理部203を通じてMMFモジュール2031を非活性化することもできる。
【0093】
ナビゲーション部2015はまた、地図データ2111に基づいて車両10が進入したと判断されるGPS陰影区間内に分岐点が位置するか否かを確認することができる。ナビゲーション部2015は、車両10が進入したGPS陰影区間が分岐点を含む場合、地図データ2111内にマッチングされた車両10の現在位置および分岐点の位置に基づいて、分岐点と車両10間の相対的な距離を算出することができる。ナビゲーション部2015は、車両10がトンネルまたは地下道の分岐点から所定距離(例えば、100m)以内に位置すると、位置管理部203を通じてMMFモジュール2031を非活性化することができる。
【0094】
図4は一実施形態による位置情報獲得方法を概略的に示すフローチャートである。図4の位置情報獲得方法は、図2および図3を参照して説明した車両10の位置情報獲得装置300により行われ得る。
【0095】
図4を参照すれば、位置情報獲得装置300は、航法装置103が活性化されると(S401)、航法装置103を通じて獲得されるGPS情報とメモリ211に保存された地図データに基づいて車両10がトンネル、地下道、地下駐車場などのGPS陰影区間に位置するか否かを判断することができる(S402)。
【0096】
位置情報獲得装置300は、S402段階で車両10がGPS陰影区間でない開放地に位置すると判断されると、GPS航法で車両10のGPS情報を獲得することができる(S407)。つまり、位置情報獲得装置300は、航法装置103のGPSモジュール1031を通じて車両10の現在位置に対応するGPS情報を獲得することができる。
【0097】
位置情報獲得装置300は、S402段階で車両10がGPS陰影区間に位置すると判断されると、車両10がGPS陰影区間に進入後に所定距離以上走行したか否かを確認することができる(S403)。また、位置情報獲得装置300は、車両10が進入したGPS区間内に分岐点が存在するか否かを確認し(S404)、GPS陰影区間内に分岐点が存在する場合、当該分岐点と車両10間の距離が所定距離以内であるか否かを確認することができる(S405)。
【0098】
位置情報獲得装置300は、S403段階を通じて車両10がGPS陰影区間に進入後に移動した距離が所定距離(例えば、100m)未満であると確認されると、DR航法で車両10のGPS情報を獲得することができる(S408)。つまり、位置情報獲得装置300は、航法装置103のDRモジュール1033を通じて車両10の現在位置に対応するGPS情報を獲得することができる。この時、位置管理部203のMMFモジュール2031は非活性化状態で制御され得る。
【0099】
位置情報獲得装置300は、S403段階を通じて車両10がGPS陰影区間に進入後に所定距離以上を走行したことが確認されても、S404段階を通じてGPS陰影区間内に分岐点が存在すると確認され、S405段階を通じて分岐点と車両10間の距離が所定距離(例えば、100m)以内に確認されると、DR航法で車両10のGPS情報を獲得することができる(S408)。この時も、位置管理部203のMMFモジュール2031は非活性化状態で制御され得る。
【0100】
位置情報獲得装置300は、S403段階を通じて車両10がGPS陰影区間に進入後に所定距離以上を走行したことが確認された状態で、S404段階を通じてGPS陰影区間内に分岐点が存在しないと判断されたり、S405段階を通じて分岐点と車両10間の距離が所定距離より大きいと確認されると、位置管理部203のMMFモジュールを活性化することができる(S406)。また、位置情報獲得装置300は、DR航法およびMMFモジュール2031を使用して車両10の現在位置に対応するGPS情報を獲得することができる(S409)。つまり、位置情報獲得装置300は、DRモジュール1033から出力されるGPS情報をMMFモジュール2031を使用して補正してDRモジュール1033でフィードバックした後、DRモジュール1033でフィードバックされたGPS情報を使用して補正されたGPS情報を出力すると、これを車両10の現在位置に対応するGPS情報として獲得することができる。
【0101】
S407、S408段階、またはS409段階を通じてGPS情報が獲得されると、位置情報獲得装置300は、ナビゲーション部2015を通じて当該GPS情報を地図データ2111にマッチングさせることによって車両10の現在位置を決定することができる(S410)。
【0102】
位置情報獲得装置300は、車両10の始動がオフされたり、航法装置103が非活性化されたり、またはナビゲーション部2015が非活性化される前まで、前述したS402段階乃至S410段階を繰り返して行うことができる。
【0103】
以下、図5乃至図7を参照して前述した位置情報獲得装置300の効果について説明する。
【0104】
図5は分岐点と関係なしにMMFモジュール2031を活性化する場合にGPS情報が獲得される一例を示す。また、図6および図7は分岐点を基準としてMMFモジュール2031の活性化を制御する場合にGPS情報が獲得される例を示す。
【0105】
図5はナビゲーション部2015の経路案内情報が分岐点でランプ道路を走行するように指示する状況で車両10が直進道路を走行する場合を例に挙げて示す。図5で、MMFモジュール2031は、経路案内情報に基づいてDRモジュール1033により計算されたGPS情報を直進道路でないランプ道路に補正する。したがって、MMFモジュール2031からMMF情報を受信したDRモジュール1033は、MMFモジュール2031により補正されたGPS情報に基づいて直進道路とランプ道路の間の地点で補正されたGPS情報を最終に出力するようになり、これにより車両10の現位置離脱が発生するようになる。
【0106】
図6はナビゲーション部2015の経路案内情報が分岐点でランプ道路を走行するように指示する状況で車両10が直進道路を走行する場合を例に挙げて示し、図7はナビゲーション部2015の経路案内情報が分岐点で直進道路を走行するように指示する状況で車両10がランプ道路を走行する場合を例に挙げて示す。図6および図7で、MMFモジュール2031は分岐点を基準として前後100m以内の区間では非活性化状態を維持し、当該区間ではDRモジュール1033により計算されたGPS情報が補正なしに使用される。そのために、車両10が分岐点でナビゲーション部2015の経路案内と異なる道路を走行しても車両10のGPS情報が誤った位置を示すように決定されるエラーを防止することができる。また、車両10が経路を外れてもナビゲーション部2015が車両10が走行中である道路を直ちに確認することができるため、迅速な経路再探索が可能であり、現位値離脱による不必要な経路再探索を防止することができる。
【0107】
前述した効果以外にも、一実施形態による位置情報獲得装置300は、車両10がGPS陰影区間に進入した後に所定区間の間はMMFモジュール2031を使用したGPS補正を非活性化させることによって、車両10が地下道のすぐそばの地下駐車場に進入する場合に車両10のGPS情報を地下道にマップマッチングするなどのエラーを防止することができる。
【0108】
以上で本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者が多様に変形および改良した形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0109】
1:タクシーサービス提供システム
10:車両
101:ECU(Electronic Control Unit)
103:航法装置
1031:GPS(Global Positioning System)モジュール
1033:DR(Dead Reckoning)モジュール
105:センサー装置
1051:ホイール速度センサー
1053:方位センサー
107:通信部
109:メモリ
20:統合端末
201:アプリケーション装置
2011:配車部
2013:メーター部
2015:ナビゲーション部
2017:運行記録部
203:位置管理部
2031:MMF(Map Matching Feedback)モジュール
205:MICOM(microcomputer)
207:API(Application Programming Interface)
209:入出力部
211:メモリ
2111:地図データ
300:位置情報獲得装置
30:ユーザ端末
40:運営サーバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7