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特開2023-172898情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172898
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/105 20230101AFI20231129BHJP
【FI】
G06Q10/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066390
(22)【出願日】2023-04-14
(62)【分割の表示】P 2022084664の分割
【原出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】友部 博教
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従業員の異動情報を用いて人材開発を支援する情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】サーバ10とユーザ端末30とが、ネットワークを介して接続されている情報処理システムSにおいて、サーバは、複数の部署を有する事業体に属する複数の構成員について、少なくとも異動元の部署名と異動先との部署名とを含む、部署の異動履歴を記憶し、異動履歴に基づいて、事業体における構成員の部署異動の実態を示す情報の表示を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部署を有する事業体に属する複数の構成員について、少なくとも異動元の部署名と異動先との部署名とを含む、部署の異動履歴を記憶する記憶手段と、
前記異動履歴に基づいて、前記事業体における構成員の部署異動の実態を示す情報の表示を制御する表示制御手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、各部署を示す図形、部署間の構成員の出入りを示す矢印線、及び当該出入りの対象となった人数に基づく指標を構成要素に含む図の表示を制御する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記事業体の組織の変更履歴をさらに記憶し、
前記部署異動の実態を示す情報には前記変更履歴が反映される
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザから、部署異動の実態の表示についての要求を受け付ける受付手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記変更履歴を用いて、表示手段に、前記異動の実態を、前記要求を受け付けた時点の前記事業体の組織構成に当てはめて表示する制御を行う
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の部署のうちの一つの指定を受け付ける受付手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶された異動履歴から、各構成員の異動の変遷において、該受け付けられた一の部署を経由している異動のみを抽出し、該抽出した情報に基づいて生成されたグラフの表示を制御する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記複数の構成員のうち所定の属性を有する者についての前記部署異動の実態の表示を制御する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記表示された図に示された複数の異動経路のうち、所定の属性を有する構成員が辿った経路を区別して表示を制御する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数の部署を有する事業体に属する複数の構成員について、少なくとも異動元の部署名と異動先との部署名とを含む、部署の異動履歴を記憶手段に記憶するステップと、
前記異動履歴に基づいて、前記事業体における構成員の部署異動の実態を示す情報の表示を制御するステップと
を有する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
複数の部署を有する事業体に属する複数の構成員について、少なくとも異動元の部署名と異動先との部署名とを含む、部署の異動履歴を記憶手段に記憶するステップと、
前記異動履歴に基づいて、前記事業体における構成員の部署異動の実態を示す情報の表示を制御するステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
複数の部署を有する事業体に属する複数の構成員について、少なくとも異動元の部署名と異動先との部署名とを含む、部署の異動履歴を記憶する記憶手段と、
前記異動履歴に基づいて、前記事業体における構成員の部署異動の実態を示す情報を表示する表示手段と
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従業員の異動情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、従業員の異動情報を表示する技術が知られている。例えば特許文献1には、組織における人材再配置のために、異動履歴を生成する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4183519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、企業内における異動パターンの特徴を捉えることが困難であって、従業員の異動情報を用いて人材開発を支援することが容易ではなかった。
【0005】
本発明は、従業員の異動情報を用いて人材開発を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の部署を有する事業体に属する複数の構成員について、少なくとも異動元の部署名と異動先との部署名とを含む、部署の異動履歴を記憶する記憶手段と、前記異動履歴に基づいて、前記事業体における構成員の部署異動の実態を示す情報を表示する表示手段とを有する情報処理装置を提供する。
【0007】
本発明の別の一態様は、複数の部署を有する事業体に属する複数の構成員について、少なくとも異動元の部署名と異動先との部署名とを含む、部署の異動履歴を記憶手段に記憶するステップと、前記異動履歴に基づいて、前記事業体における構成員の部署異動の実態を示す情報を表示するステップとを有する情報処理方法を提供する。
【0008】
本発明のさらに別の一態様は、コンピュータに、複数の部署を有する事業体に属する複数の構成員について、少なくとも異動元の部署名と異動先との部署名とを含む、部署の異動履歴を記憶手段に記憶するステップと、前記異動履歴に基づいて、前記事業体における構成員の部署異動の実態を示す情報を表示するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従業員の異動情報を用いて人材開発を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る情報処理システムの概要を示す図。
図2】情報処理システムの機能構成を例示する図。
図3】ユーザ端末のハードウェア構成を例示する図。
図4】サーバのハードウェア構成を例示する図。
図5】異動履歴入力処理を行うサーバの動作を例示するフローチャート。
図6】従業員データベースを例示する図。
図7】部署データベースを例示する図。
図8】異動情報表示処理を例示するシーケンス図。
図9】ユーザ端末に表示される選択肢を例示する図。
図10】ユーザ端末に表示される異動情報グラフを例示する図。
図11】ユーザ端末に表示される異動情報グラフを例示する図。
図12】ユーザ端末に表示される異動情報グラフを例示する図。
図13】ユーザ端末に表示される異動情報グラフを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.構成
図1は、一実施形態に係る情報処理システムSの概要を示す図である。情報処理システムSは、サーバ10、ネットワーク20、及びユーザ端末30から構成される。サーバ10とユーザ端末30とは、ネットワーク20を介して接続されている。ネットワーク20は、インターネットなどのネットワーク回線網である。ユーザ端末30は、ネットワーク20に有線又は無線で接続可能であり、ネットワーク20を介して、ネットワーク20に接続されているサーバ10との通信が可能である。
【0012】
情報処理システムSは、複数の部署を有する企業(事業体に相当する)における複数の従業員(構成員に相当する)の異動履歴に基づいて、異動情報グラフを表示するシステムである。異動とは、従業員の所属する部署の変更である。例えば、企業の人事部門に所属する者が、企業内での人材開発に係る業務を円滑に行うために、情報処理システムSを用いる。人材開発に係る業務とは、例えば、育成戦略の立案、キャリア支援、及びジョブローテーションの計画である。異動履歴とは、従業員の異動の履歴である。異動履歴は、少なくとも、各従業員に係る、異動元の部署の名称及び異動先の部署の名称を含む。一般的に、企業が有する部署は階層化されている。本実施形態において、異動情報グラフを構成する部署は、みな同一階層である。例えば、企業が有する技術開発本部が、技術開発部及び技術支援部を含む複数の部署を有していて、技術開発部が、第1開発課及び第2開発課を含む複数の部署を有している場合、技術開発部及び技術支援部は同一階層であって、第1開発課及び第2開発課は同一階層である。
【0013】
異動情報グラフは、異動情報を示す状態遷移図である。異動情報グラフは、各部署を示す図形、部署間の従業員の出入りを示す矢印線、及び当該出入りの対象となった人数に基づく指標を構成要素に含んでいる。異動情報グラフは、企業内における異動の実態を示す情報であって、所定期間における、ある部署から他の部署への異動に係る延べ人数を含んでいる。異動情報グラフに係る所定期間は、サーバ10を管理する者などによって、あらかじめ定められている。所定期間に部署Aから部署Bへ異動した従業員が10人いた場合、異動情報グラフは、所定期間における部署Aから部署Bへの異動に係る延べ人数は10人であるという情報を含む。
【0014】
サーバ10は、ユーザ端末30から入力を受け付けた異動履歴を記憶するサーバである。サーバ10は、従業員の異動履歴を含む従業員データベース、及び、部署の名称の変更に係る情報を含む部署データベースを記憶している。
【0015】
また、サーバ10は、異動履歴に基づいて異動情報グラフを生成し、当該異動情報グラフのデータをユーザ端末30に送信するサーバである。サーバ10は、ユーザ端末30に異動情報の表示パターンの選択をユーザ端末30のユーザから受け付けるための選択肢のデータを送信する。サーバ10は、ユーザ端末30から選択を受け付けた選択肢に対応する表示パターンの異動情報グラフを生成する。
【0016】
ユーザ端末30は、ユーザが使用するPC(パーソナルコンピュータ)である。ユーザは、例えば、企業の人事部門に所属する者である。ユーザ端末30は、サーバ10との通信を行い、サーバ10から送信される情報をユーザ端末30のディスプレイに表示可能である。ユーザ端末30は、サーバ10から送信された選択肢を表示する。また、ユーザ端末30は、選択肢を選択し、選択した選択肢に対応する表示パターンの異動情報グラフを表示する。
【0017】
図2は、情報処理システムSの機能構成を例示する図である。情報処理システムSは、要求手段201、許可手段202、記憶手段203、読込手段204、送信手段205、表示手段206、選択手段207、受付手段208、生成手段209、受信手段210、制御手段211、及び制御手段212を有する。許可手段202、記憶手段203、読込手段204、送信手段205、受付手段208、生成手段209、及び制御手段212は、サーバ10に実装される。要求手段201、表示手段206、選択手段207、受信手段210、及び制御手段211は、ユーザ端末30に実装される。
【0018】
サーバ10における機能を説明する。記憶手段203は、各種のデータを記憶する。また、記憶手段203は、従業員データベース及び部署データベース(以下、総称してデータベースという)を記憶する。また、記憶手段203は、異動情報グラフを生成するためのアルゴリズムを記憶している。
【0019】
許可手段202は、ユーザ端末30がサーバ10にアクセスすることを許可する。読込手段204は、記憶手段203に記憶されているデータベースを読み込む。送信手段205は、ユーザ端末30に、各種データを送信する。受付手段208は、ユーザ端末30を介して、異動履歴の入力を受け付ける。また、受付手段208は、選択肢の選択を受け付ける。具体的には、受付手段208は、部署異動の実態の表示についての要求を受け付ける。また、受付手段は、複数の部署のうちの一つの指定を受け付ける。制御手段212は、各種の制御を行う。
【0020】
ユーザ端末30における機能を説明する。要求手段201は、サーバ10に、サーバ10へのアクセスを要求する。表示手段206は、サーバ10の送信手段205により送信された各種データを表示する。選択手段207は、ユーザ端末30のユーザによる操作に応じて、選択肢を選択する。受信手段210は、サーバ10から、各種データを受信する。制御手段211は、各種の制御を行う。
【0021】
図3は、ユーザ端末30のハードウェア構成を例示する図である。ユーザ端末30は、CPU(Central Processing Unit)301、メモリ302、ストレージ303、通信IF(Interface)304、入力部305、及びディスプレイ306を有するコンピュータ装置である。CPU301は、プログラムを実行して各種の演算を行い、ユーザ端末30の他のハードウェア要素を制御する制御装置である。メモリ302は、CPU301がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置である。ストレージ303は、各種のプログラム及びデータを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。通信IF304は、所定の通信規格(例えばイーサネット(登録商標))に従って他の装置と通信する通信装置である。入力部305は、キーボード、マウス、又はタッチパネルなどで構成される操作部であり、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。ディスプレイ306は、液晶ディスプレイ、又は有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイで構成され、画像又は文字を出力する。
【0022】
この例において、ストレージ303は、コンピュータ装置を情報処理システムSにおけるユーザ端末30として機能させるためのプログラム(以下「ユーザ端末プログラム」という)を記憶する。CPU301がユーザ端末プログラムを実行することにより、コンピュータ装置に図3の機能が実装される。CPU301がサーバプログラムを実行している状態において、CPU301が、制御手段211の一例であり、通信IF304が、要求手段201、選択手段207、及び受信手段210の一例であり、ディスプレイ306が、表示手段206の一例である。
【0023】
図4は、サーバ10のハードウェア構成を例示する図である。サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、ストレージ103、及び通信IF(Interface)104を有するコンピュータ装置である。CPU101は、プログラムを実行して各種の演算を行い、サーバ10の他のハードウェア要素を制御する制御装置である。メモリ102は、CPU101がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置である。ストレージ103は、各種のプログラム及びデータを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。通信IF104は、所定の通信規格(例えばイーサネット(登録商標))に従って他の装置と通信する通信装置である。
【0024】
この例において、ストレージ103は、コンピュータ装置を情報処理システムSにおけるサーバ10として機能させるためのプログラム(以下「サーバプログラム」という)を記憶する。CPU101がサーバプログラムを実行することにより、コンピュータ装置に図3の機能が実装される。CPU101がサーバプログラムを実行している状態において、メモリ102及びストレージ103の少なくとも一方が記憶手段203の一例であり、CPU101が、読込手段204、生成手段209、及び制御手段212の一例であり、通信IF104が、許可手段202、送信手段205、及び受付手段208の一例である。
【0025】
2.動作
2.1 異動履歴の入力
図5は、情報処理システムSにおいて異動履歴入力処理を行うサーバ10の動作を例示する図である。図5に示す異動履歴入力処理は、ユーザ端末30がサーバ10へのアクセスを要求することによって開始される。サーバ10は、あらかじめ、どのユーザ端末30がサーバ10にアクセス可能かを識別する情報(以下、アクセス情報という)を記憶している。したがって、ユーザ端末30は、サーバ10へのアクセスが許可されている場合に、サーバ10にアクセスできる。
【0026】
ステップS501において、サーバ10の受付手段208は、ユーザ端末30から、異動履歴又は部署名変更履歴(事業体の組織の変更履歴に相当する)の入力を受け付ける。
異動履歴又は部署名変更履歴の入力は、ユーザによって操作されるユーザ端末30を介して行われる。異動履歴は、従業員データベースに入力される。部署名変更履歴は、部署データベースに入力される。
【0027】
図6は、従業員データベースの一例である。従業員データベースを編集できる者は、例えば、企業の人事部門に所属する者である。従業員データベースは、従業員の異動履歴を含み、従業員に係る情報を記憶している。従業員データベースは、従業員の識別情報(この例では氏名)に紐づけて、従業員の属性、及び、所定期間における異動履歴を記憶している。図6に示す図において、従業員の属性は、年齢、性別、職種、及び職位である。異動履歴に係る所定期間は、従業員が企業に入社してから現在に至るまでである。所定期間における異動履歴は、所定期間における、従業員の部署の異動の履歴を示している。例えば、氏名が「鈴木 花子」である者については、異動履歴は「A→B→E」であって、入社して最初に所属した部署は「部署A」である。氏名が「鈴木 花子」である者は、「部署B」への所属を経て、現在は「部署E」に所属している。従業員が部署において特定の職位に就いていた、もしくは、特定の職位に就いている場合、異動履歴は職位に係る情報を含んでいる。特定の職位とは、例えば、部長又は課長であって、従業員データベースを編集できる者によって、あらかじめ定められている。例えば、氏名が「佐藤 春子」である者の異動履歴は、「A→C→C課長→D部長」である。氏名が「佐藤 春子」である者は、「部署C」に所属したときは特定の職位には就いていなかったが、その後、「部署C」における職位が課長になり、「部署D」への異動とともに、職位が部長になった。異動履歴は、日付及び異動内容を含んでいる。日付は、異動内容に対応する異動がなされた日付である。異動内容は、矢印線の始点に対応する部署が異動元の部署を指し、矢印線の終点に対応する部署が異動先の部署を指す。例えば、氏名が「鈴木 花子」である者は、2012年4月1日に、部署Aから部署Bに異動し、2018年6月1日に、部署Bから部署Eに異動した。すなわち、従業員データベースは、従業員の部署に係る異動の履歴を、異動の日付とともに記憶し、特定の職位に係る変更の履歴を、変更の日付とともに記憶している。
【0028】
図7は、部署データベースの一例である。部署データベースを編集できる者は、例えば、企業の人事部門に所属する者である。部署データベースは、部署名変更履歴を含み、部署の名称の変更に係る情報を記憶している。部署データベースは、部署名変更履歴として、部署名の変更日、変更前の部署名、変更後の部署名、及び変更の原因を記憶している。
変更の原因は、部署名の変更の原因を示す項目である。変更の原因は、例えば、部署の統合、廃止、分裂、又は単なる名称変更、である。例えば、変更前の部署名が「〇〇〇」であった部署は、統合を原因とし、2021年10月1日に、「△△△」に部署名が変更されている。また、変更前の部署名が「□□□」であった部署は、統合を原因とし、2021年10月1日に、「△△△」に部署名が変更されている。すなわち、2021年10月1日に、「〇〇〇」という部署と「□□□」という部署とが統合され、「△△△」という部署が設置された。また、変更前の部署名が「×××」であった部署は、単なる名称変更を原因とし、2022年4月1日に、「◎◎◎」に部署名が変更されている。このように、部署データベースは、単に部署の名称の変更のみを記憶しているだけではなく、部署の統合、廃止、又は分裂に係る情報を管理することができる。
【0029】
ステップS502において、サーバ10の記憶手段203は、ステップS501において入力を受け付けた内容を記憶する。
【0030】
2.2 異動情報グラフの生成
図8は、情報処理システムSにおける異動情報グラフ生成処理の動作を例示するシーケンス図である。本実施形態においては、部署A、部署B、部署C、部署D、部署E、部署F、及び部署Gの7つの部署で構成されている企業の異動情報グラフを生成する。
【0031】
ステップS801において、ユーザ端末30の要求手段201は、サーバ10に、サーバ10へのアクセスを要求する。
【0032】
サーバ10は、あらかじめ、アクセス情報を記憶している。サーバ10の許可手段202は、ステップS801においてサーバ10へのアクセスを要求したユーザ端末30がアクセス情報に含まれるユーザ端末30である場合に、ユーザ端末30に、サーバ10へのアクセスを許可する(ステップS802)。
【0033】
ステップS803において、サーバ10の読込手段204は、従業員データベース及び部署データベースを読み込む。
【0034】
ステップS804において、サーバ10の送信手段205は、ユーザ端末30に、異動情報グラフの表示パターンの指定を受け付けるための選択肢を表示するためのデータを送信する。異動情報グラフの表示パターンとは、異動情報グラフの表示のされ方を示していて、表示パターンは、選択される選択肢によって異なる。
【0035】
ステップS805において、ユーザ端末30の表示手段206は、選択肢を表示する。
【0036】
図9は、ユーザ端末30に表示される選択肢を例示する図である。選択肢は、「指定しない」、「中心となる部署を指定」、及び「従業員の属性を指定」を含んでいる。「指定しない」が選択されると、他の選択肢はすべて選択不可能となる。「中心となる部署を指定」及び「条件を指定」は、同時に選択状態にあってもよい。「中心となる部署を指定」が選択されると、「中心となる部署を指定」に紐づいている他の選択肢のいずれか1つが選択可能になる。「中心となる部署を指定」に紐づいている他の選択肢は、「部署A」、「部署B」、「部署C」、「部署D」、「部署E」、「部署F」、及び「部署G」である。「従業員の属性を指定」が選択されると、「従業員の属性を指定」に紐づいている他の選択肢が選択可能になる。例えば、図9に示す選択肢においては、中心となる部署として「部署B」が指定されていて、条件として、年齢が「20代」かつ職種が「営業」と指定されている。
【0037】
ステップS806において、ユーザ端末30の選択手段207は、選択肢を選択する。具体的には、ユーザ端末30のユーザが、ユーザ端末30の画面上で選択肢を選択する。サーバ10の受付手段208は、選択肢の選択(部署異動の実態の表示についての要求に相当する)を受け付ける。
【0038】
ステップS807において、サーバ10の生成手段209は、ユーザ端末30から受け付けた選択肢の選択に基づいて、異動情報グラフを生成する。ユーザ端末30から選択肢を受け付けることによって、異動情報グラフの表示に係る条件が指定される。異動情報グラフは、あらかじめ記憶手段203に記憶されている所定のアルゴリズム、及び、ステップS803で読み込まれた従業員データベース及び部署データベースを用いて生成される。従業員データベースの「異動履歴」に含まれる部署名のうち、部署データベースの「変更前の部署名」に含まれる部署名は、対応する「変更後の部署名」に部署名を変更して、異動情報グラフが生成される。すなわち、異動情報グラフは、部署名変更履歴が反映されて、生成される。異動情報グラフの表示パターンは、ステップS806において選択された選択肢に基づいて決定される。ステップS803においてユーザ端末30が「指定しない」を選択した場合、サーバ10の生成手段209は、図10に示す異動情報グラフを生成する。
【0039】
図10は、ユーザ端末30に表示される異動情報グラフを例示する図である。図10に示す異動情報グラフ(以下、異動情報グラフaという)は、所定期間における、企業内のすべての部署、すなわち部署A乃至Gの7つの部署の間においての異動の延べ人数を含んでいる。言い換えると、異動情報グラフaは、従業員データベースに含まれる全ての異動履歴を用いて生成された図である。異動情報グラフaに含まれる7つの楕円図形は、それぞれ、部署A乃至Gを示している。また、異動情報グラフaに含まれる矢印線は、部署間の従業員の出入りを示している。矢印線の始点が接続する図形に対応する部署が異動元の部署を指し、矢印線の終点が接続する図形に対応する部署が異動先の部署を指す。異動情報グラフaにおける楕円図形の各々は、記憶手段203にあらかじめ記憶されているアルゴリズムを用いて、矢印線同士の交わりがない、または、より少なくなるように配置される。矢印線同士の交わりがない、または、より少なくなるように、楕円図形の各々が配置される。このような配置によって、ユーザの視認性を高めることができる。
さらに、矢印線に添えられている数字は、矢印線に対応する異動に係る人数(出入りの対象となった人数に基づく指標に相当する)である。例えば、所定期間において部署Aから部署Bに入った延べ人数は30人であって、所定期間において部署Aを出た延べ人数は45人である。部署Bを始点とし、部署Aを終点とする矢印線は存在していないため、所定期間において部署Bから部署Aに入った延べ人数は0人である。異動情報グラフaを生成することによって、企業における従業員の異動の変遷を定量的に可視化することができる。また、ユーザ端末30のユーザは、企業内における異動パターンの特徴又は傾向を捉えることが容易になる。情報処理システムSは、異動情報グラフaを生成することによって、従業員の人材開発に係る業務を支援することができる。
【0040】
ステップS806においてユーザ端末30が「中心となる部署を指定」及び「部署B」を選択した場合、サーバ10の生成手段209は、図11に示す異動情報グラフを生成する。
【0041】
図11は、ユーザ端末30に表示される異動情報グラフを例示する図である。図11に示す異動情報グラフ(以下、異動情報グラフbという)は、特定の部署を中心として生成された図である。「特定の部署を中心として異動情報グラフを生成する」とは、特定の部署に所属した履歴のある従業員の異動情報を用いて異動情報グラフを生成することをいう。異動情報グラフbは、異動情報グラフaと同じく、楕円図形、矢印線、及び矢印線に添えられた数字で構成されている。楕円図形の各々は、記憶手段203にあらかじめ記憶されているアルゴリズムを用いて、矢印の向きが略右方向となるように配置されている。矢印の向きが略右方向となるように楕円図形が配置されることによって、ユーザの視認性を高めることができる。異動情報グラフbにおいては、特定の部署は、ステップS806において選択された部署Bである。異動情報グラフbは、従業員データベースに含まれる異動履歴のうち、部署Bに所属した履歴のある従業員に係るデータを用いて生成されている。言い換えると、異動情報グラフbは、従業員の異動の変遷において、特定の一の部署を経由している異動のみを抽出して生成されている。例えば、図6に示す従業員データベースにおいては、氏名が「山田 太郎」である者及び氏名が「鈴木 花子」である者が、部署Bに所属した履歴のある従業員である。情報処理システムSは、異動情報グラフbを生成することによって、特定の部署に所属する従業員の人材開発に係る業務を支援することができる。特定の部署を示す楕円図形は、他の部署を示す楕円図形とは異なる色をしている。特定の部署を示す楕円図形、すなわち、選択された部署に対応する楕円図形が、他の部署を示す楕円図形とは異なる色をしていることによって、ユーザの視認性を高めることができる。
【0042】
ステップS806においてユーザ端末30が「従業員の属性を指定」、「20代」、及び「営業」を選択した場合、サーバ10の生成手段209は、図12に示す異動情報グラフを生成する。
【0043】
図12は、ユーザ端末30に表示される異動情報グラフを例示する図である。図12の左側に示す異動情報グラフは、異動情報グラフaである。図12の右側に示す異動情報グラフ(以下、異動情報グラフcという)は、特定の条件で絞り込まれた者(所定の属性を有する者に相当する)の異動履歴を用いた異動情報グラフである。異動情報グラフcは、異動情報グラフaと同じく、楕円図形、矢印線、及び矢印線に添えられた数字で構成されている。特定の条件とは、例えば、従業員の属性である。異動情報グラフcは、従業員データベースに含まれる異動履歴のうち、年齢が「20代」かつ職種が「営業」である従業員に係るデータを用いて生成されている。例えば、図6に示す従業員データベースにおいては、氏名が「山田 太郎」である者が、年齢が20代であって、職種が営業である従業員である。情報処理システムSは、異動情報グラフcを生成することによって、従業員の属性にフォーカスしたうえで、従業員の人材開発に係る業務を支援することができる。異動情報グラフcにおける楕円図形の各々は、特定の条件で絞り込まれたことによって異動経路に含まれなくなった部署に対応する楕円図形を配置しない一方、その他の楕円図形は、異動情報グラフaのように配置する。そのようにして生成された異動情報グラフcが異動情報グラフaと並べて表示された場合に、ユーザは、どの部署に対応する楕円図形が表示されていないかを認識しやすくなる。
【0044】
ステップS806においてユーザ端末30が「従業員の属性を指定」、及び「課長」を選択した場合、サーバ10の生成手段209は、図13に示す異動情報グラフを生成する。
【0045】
図13は、ユーザ端末30に表示される異動情報グラフを例示する図である。図13に示す異動情報グラフ(以下、異動情報グラフdという)は、異動情報グラフに示された複数の異動経路のうち、所定の属性を有する従業員が辿った経路を区別して生成された図である。異動情報グラフにおいては、所定の属性は、「経験済の職位=課長」である。経験済の職位は、過去の職位だけではなく、現在の職位も含む。異動情報グラフdは、異動情報グラフaと同じく、楕円図形、矢印線、及び矢印線に添えられた数字で構成されている。異動情報グラフdにおける楕円図形の生成においては、ステップS806において選択された属性が部署と同等に扱われる。具体的には、異動情報グラフdにおける楕円図形は、異動情報グラフa乃至cのそれぞれとは異なり、部署に係る情報だけではなく、職位に係る情報を含みうる。異動情報グラフdは、従業員データベースに含まれる異動履歴のうち、課長という職位を経験したことがある従業員に係るデータを用いている。図6に示す従業員データベースにおいては、氏名が「佐藤 春子」である者が、部署Cにおいて課長という職位を経験したことのある従業員である。情報処理システムSは、異動情報グラフdを生成することによって、特定の職位を経験している従業員の異動履歴を可視化することができる。異動情報グラフdにおいては、職位に係る情報を含む楕円図形同士が縦に略同列に並べられることによって、ユーザの視認性を高めることができる。また、ステップS806において「課長」及び「部長」が選択された場合、サーバ10の生成手段209は、右に進むほど職位が上がるように、楕円図形を配置する。例えば、「部長」を含む楕円図形は、「課長」を含む楕円図形よりも右側に配置される。職位のランクは例えばデータベース(図示略)により定義される。
【0046】
ステップS808において、サーバ10の記憶手段203は、ステップS807において生成された異動情報グラフを記憶する。
【0047】
ステップS809において、サーバ10の送信手段205は、ユーザ端末30に、ユーザ端末30のディスプレイ306に異動情報グラフを表示させるために、異動情報グラフのデータを送信する(表示制御手段に相当する)。表示制御手段は、ユーザ端末30に送信する異動情報グラフのデータを、ステップS806において受付手段208が選択肢の選択を受け付けた時点の企業の組織構成に当てはめて表示する制御を行う。具体的には、ユーザ端末30に、部署名異動履歴が反映された異動情報グラフのデータを送信する。ユーザ端末30の受信手段210は、ステップS807において生成された異動情報グラフのデータを受信する。組織構成とは、組織の構成がどのようなつくりであるかを示すものであって、例えば、企業を構成する部署の名称、及び、部署間の階層構造に係る情報である。部署間の階層構造に係る情報は、部署データベースに定義されている(図示略)。
【0048】
ステップS810において、ユーザ端末30の表示手段206は、ステップS809において送信された異動情報グラフを表示する。異動情報グラフが表示されることによって、ユーザは、企業における過去の異動パターンを確認することができる。
【0049】
上記実施例によれば、企業その他の事業体における従業員その他の構成員について、その異動の変遷が定量的に可視化されるので、人事部等の人材管理を担う者にとっては、人材の配置や評価を検討することが容易になる。一方、一般の従業員にとっては、他人の過去のキャリアの変遷を参考にすることで、将来のキャリアパターンの可能性や方向性をよりリアルにイメージすることができる。この結果、従業員の勤労意欲の向上に資することが期待される。
【0050】
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例に記載した事項のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0051】
ユーザ端末30は、PCに限らず、ディスプレイ及び通信機能を備える端末であれば良い。ユーザ端末30は、例えば、スマートフォン、又はタブレットPCなどの携帯端末であってもよい。
【0052】
ある従業員について、複数回にわたって同一部署間の異動があった場合、異動に係る延べ人数を複数回分カウントしてもよいし、1回とカウントしてもよい。例えば、「部署A→部署B→部署A→部署B」という異動をした従業員がいる場合、部署Aから部署Bへの異動に係る人数は2人とカウントしてもよいし、1人とカウントしてもよい。複数回にわたって同一部署間の異動があった場合に1回とカウントするか否かは、情報処理システムSの管理者によって定められる。
【0053】
従業員データベースに含まれる異動履歴に係る所定期間は、従業員が企業に入社してから現在に至るまでに限らない。異動履歴に係る所定期間は、例えば、2020年4月1日から2022年3月31日までであってもよい。
【0054】
従業員データベースに含まれる異動履歴は、特定の職位に係る情報を含むのではなく、特定の職位に係る情報を含まなくてもよい。
【0055】
従業員データベースに含まれる従業員の属性は、年齢、性別、職種、及び職位に限定されず、従業員の特徴を示すものであればよい。従業員の属性は、例えば、職務、職責、職能、又は人事指標であってもよい。従業員データベースは、従業員の現在の属性だけではなく、従業員の過去の属性も記憶していてもよい。例えば、従業員の過去の職種を記憶していてもよい。
【0056】
ユーザ端末30に表示される選択肢は、図9に示す選択肢に限定されない。例えば、「従業員の属性を指定」という選択肢に紐づく選択肢として、「人事評価指標が全従業員の上位10%に含まれる」という選択肢があってもよい。
【0057】
ユーザ端末30のユーザは、人事部門に所属する者に限定されない。例えば、将来のキャリアプランを検討中の者であって、部署Bに所属する従業員が使用する端末において、部署Bを中心とした異動情報グラフbが表示されてもよい。なおこのとき異動情報グラフbの中心に表示されるのは現所属部署(この例では部署B)に限られず、過去に所属していた部署、又は従業員が将来的に所属する予定である部署であってもよい。
【0058】
異動情報グラフは、部署の経由ルートごとに、当該経由ルートを経由して異動した従業員の人事指標の平均を含んでいてもよい。人事指標とは、例えば、人事評価、パフォーマンス指標、又は退職率などである。例えば、異動情報グラフbは、部署Bから、部署D及びFを経由して部署Gへ異動した従業員の人事指標の平均が3.8であって、部署Bから部署Eを経由して部署Gへ異動した従業員の人事指標の平均が4.3であることを含んでいてもよい。部署の経由ルートごとに、当該経由ルートを経由して異動した従業員の人事指標の平均が表示されることによって、情報処理システムSは、部署Bに現在所属するものの部署Gに異動したい従業員がどのような異動を経るべきかの支援をすることができる。
【0059】
異動情報グラフは、従業員データベースに含まれる任意の従業員の過去の人事指標に基づいて、従業員の人事指標が高い異動ルート、又は、従業員の退職率が高いルートに係る情報を含んでいてもよい。例えば、異動情報グラフaは、部署Aから部署Gまでの異動ルートに関して、部署B及び部署Eを経る異動をした従業員の人事指標は高く、部署C及び部署Fを経る異動をした従業員の退職率が高いことを示す情報を含んでいてもよい。
出入りの対象となった人数に基づく指標は、異動に係る人数に限定されず、例えば、「多」又は「少」であってもよい。
【0060】
異動情報グラフを構成する部署の、企業における組織構成上の階層は、ユーザの指示に応じて変更されてもよい。異動情報グラフを構成する部署の、企業における組織構成上の階層は、例えば、部又は課である。
【0061】
異動情報グラフbにおいて、特定の部署を示す図形は、他の部署を示す楕円図形とは異なる色の楕円図形であることに限定されず、他の部署を示す楕円図形と識別可能であればよい。例えば、特定の部署を示す図形は楕円図形ではなく、長方形又はひし形であってもよい。
【0062】
矢印線及び矢印線に添えられている数字は、必ず表示されるのではなく、表示が省略されてもよい。例えば、矢印線及び矢印線に添えられている数字は、矢印線に対応する異動に係る人数があらかじめ定められた閾値を下回る場合、表示されなくてもよい。具体的には、閾値が5名であって、矢印線に対応する異動に係る人数が4名である場合、矢印線及び矢印線に添えられている数字の表示は省略されてもよい。
【0063】
矢印線に対応する異動に係る人数は、矢印線の始点に対応する部署及び矢印線の終点に対応する部署の2つの部署間での差し引きの異動人
数であってもよい。例えば、所定期間において部署Aから部署Bに入った延べ人数が20人であって、所定期間において部署Bから部署Aに入った延べ人数が5人である場合、矢印線の始点に対応する部署を部署Aとし、矢印線の終点に対応する部署を部署Bとし、部署Aと部署Bとを結ぶ矢印線に添えられる数字は、15であってもよい。
【0064】
異動情報グラフに表示される、人数に基づく指標は、本実施形態において例示した、矢印線に添えられている数字に限定されない。人数に基づく指標は、矢印線の外観に係るパラメータであってもよい。矢印線の外観に係るパラメータは、例えば、矢印線の太さ、矢印線の矢の大きさ、矢印線の色の濃さ、及び矢印線の色の少なくとも1種である。具体的には、矢印線に対応する異動に係る人数があらかじめ定められた条件を満たした場合に、サーバ10は、対応する矢印線の太さ、矢の大きさ、色の濃さ、又は色を異ならせて表示させてもよい。例えば、矢印線に対応する異動に係る人数が20名を超えた場合、サーバ10は、対応する矢印線を他の矢印線よりも太く表示させてもよい。
【0065】
異動情報グラフの表示パターンを指定するタイミングは、異動情報グラフを生成する前に限定されない。例えば、ユーザ端末30に表示される異動情報グラフの画面に、図9に示されているような選択肢が異動情報グラフとともに表示され、表示パターンの指定が行われると、当該指定に対応する異動情報グラフに切り替わってもよい。また、異動情報グラフaにおいて、ユーザ端末30を介して、任意の部署に対応する楕円図形が選択された場合、当該選択された部署を中心とする異動情報グラフに切り替わってもよい。
【0066】
ユーザ端末30は、一期間における異動情報グラフを表示するのではなく、二以上の期間における異動情報グラフを表示してもよい。例えば、所定期間が2001年から2010年までの異動情報グラフと、所定期間が2011年から2020年までの異動情報グラフとを並べて表示してもよい。二以上の期間における異動情報グラフが表示される場合、複数の所定期間の入力を、ユーザ端末30を介してユーザから受け付けてもよい。
【0067】
情報処理システムSにおける機能要素とハードウェア要素との対応関係は実施形態において例示したものに限定されない。例えば、実施形態においてサーバ10の機能として説明したものの一部が、別のサーバに実装してもよい。あるいは、実施形態においてサーバ10の機能として説明したものの一部を、ネットワーク上の他の装置に実装してもよい。
サーバ10の機能が、ユーザ端末30に実装されていてもよい。サーバ10は物理サーバであってもよいし、仮想サーバ(いわゆるクラウドを含む)であってもよい。
【0068】
情報処理システムSの動作は上述した例に限定されない。情報処理システムSの処理手順は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。また、情報処理システムSの一部の処理手順が省略されてもよい。
要するに、本発明に係る情報処理システムにおいて、複数の部署を有する事業体に属する複数の構成員について、少なくとも異動元の部署名と異動先との部署名とを含む、部署の異動履歴を記憶手段に記憶するステップと、前記異動履歴に基づいて前記事業体における構成員の部署異動の実態を示す情報を表示するステップとが実行されていればよい。
【0069】
実施形態において例示した各種のプログラムは、それぞれ、インターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供されてもよいし、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体に記録された状態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10…サーバ、20…ネットワーク、30…ユーザ端末、101…CPU、102…メモリ、103…ストレージ、104…通信IF、201…読込手段、202…許可手段、203…記憶手段、204…読込手段、205…送信手段、206…表示手段、207…選択手段、208…受付手段、209…生成手段、210…受信手段、211…制御手段、212…制御手段、301…CPU、302…メモリ、303…ストレージ、304…通信IF、305…入力部、306…ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13