(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172904
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画素構造
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20231129BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20231129BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20231129BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 338
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075543
(22)【出願日】2023-05-01
(31)【優先権主張番号】111119121
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】598061302
【氏名又は名称】晶元光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Epistar Corporation
【住所又は居所原語表記】21,Li-hsin Rd.,Science-based Industrial Park,Hsinchu 300,TAIWAN
(71)【出願人】
【識別番号】523163945
【氏名又は名称】元豐新科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】YENRICH TECHNOLOGY CORPORATION
【住所又は居所原語表記】2F., No. 52, Yuanqu 2nd Rd., Baoshan Township, Hsinchu Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン、リ-ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ツ-シャン
(72)【発明者】
【氏名】プ、チ-チ
(72)【発明者】
【氏名】リン、ヤ-ウェン
(72)【発明者】
【氏名】チウ、シャオ-ペイ
(72)【発明者】
【氏名】リ、ペイ-ユ
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA02
5C094BA23
5C094DA13
5C094DB01
5C094FB01
5C094JA07
5F142BA32
5F142CD02
5F142CD16
5F142CD17
5F142CD23
5F142CD32
5F142CD44
5F142CG03
5F142CG06
5F142DB24
5F142GA02
(57)【要約】
【課題】非発光半導体素子を埋め込んだキャリアボードを有する発光装置及びその製造方法の提供。
【解決手段】本発明に係る画素構造は、基材を含む画素構造であって、基材は上面、下面及び上面と下面の間に位置する側面を有し、回路構造は基材内に埋め込まれ、かつ上面に露出する上電極層と、下面に露出する下電極層と、上電極層と下電極層の間に位置して完全に基材によって被覆される中間回路層とを含み、複数の発光半導体素子は上面に位置し、かつ回路構造と電気接続されており、非発光半導体素子は基材内に埋め込まれ、中間回路層と直接接続されているが、少なくとも1つの外表面に露出しており、透光接着剤層は複数の発光半導体素子を被覆し、基材と直接接触している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、下面と、前記上面と前記下面との間に位置する側面とを有する基材と、
前記基材の中に位置し、かつ、
前記上面から露出する第1回路層と、
前記下面から露出する複数の底部電極と、
前記第1回路層と前記複数の底部電極との間に位置し、かつ前記基材に完全に被覆されている第2回路層と、
前記第1回路層、前記第2回路層と前記複数の底部電極とを接続する複数の導電ポストと、を含む回路構造と、
前記上面に位置し、かつ前記第1回路層と電気接続されている複数の発光素子と、
前記第2回路層と直接接続され、かつ前記基材に被覆されている非発光半導体素子と、を含む画素構造であって、
そのうち、前記非発光半導体素子が、前記基材に被覆されていない底面を有する、
画素構造。
【請求項2】
前記非発光半導体素子の前記底面が、前記基材の前記下面と共面であるか、または前記基材の前記下面より低い、請求項1に記載の画素構造。
【請求項3】
前記非発光半導体素子が、頂面と、前記頂面と前記底面との間に位置する側面とをさらに含み、前記側面及び前記頂面が前記基材と直接接触している、請求項1に記載の画素構造。
【請求項4】
前記非発光半導体素子が、前記頂面上に位置して前記第2回路層と接続されている複数の電極をさらに含む、請求項3に記載の画素構造。
【請求項5】
前記基材の下面から見ると、前記複数の底部電極が前記非発光半導体素子の前記底面を取り囲んでいる、請求項1に記載の画素構造。
【請求項6】
前記複数の発光素子を被覆し、かつ前記基材の前記上面と直接接触している透光接着剤層をさらに含む、請求項1に記載の画素構造。
【請求項7】
前記非発光半導体素子が前記複数の発光素子を制御して、赤、青、緑の光を発出させる、請求項1に記載の画素構造。
【請求項8】
前記基材の材料が、ABF、エポキシ樹脂、BT樹脂、ポリイミド樹脂またはガラス繊維を含む、請求項1に記載の画素構造。
【請求項9】
前記基材が1~100ppm/℃の間の熱膨張係数を有する、請求項1に記載の画素構造。
【請求項10】
前記基材と前記非発光半導体素子の熱膨張係数の差が10ppm/℃を下回る、請求項1に記載の画素構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置及びその製造方法に関し、特に非発光半導体素子を埋め込んだキャリアボードを有する発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは単色光(Monochromatic Light)の半導体素子に属し、スクリーン中の画素(Pixel)発光素子を表示する際に用いられ、大型スクリーンの色域を容易に拡大し、鮮明さを高めることができる。
図1に示すように、表示装置100は、回路キャリアボード1と、キャリアボード1上にアレイ方式で配置された複数の画素2とを含み、各画素2は少なくとも1組の赤、青、緑の発光ダイオードを含む。回路キャリアボード1上に配置されている制御チップ(表示せず)は、外部信号を受信し、かつ画素の動作を制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図2A及び2Bは、制御チップを有する既知の画素パッケージ2Aを表している。
図2Aは、画素パッケージ2Aの斜視図を表しており、
図2Bは画素パッケージ2Aの上面図を表している。画素パッケージ2Aは、基板4と、赤、青、緑の光を発する1組の発光ダイオード21、22、23と、1つの制御チップ3と、透光保護層(透光接着剤層)24とを含む。制御チップ3及び発光ダイオード21、22、23は、基板4の対向する側にそれぞれ配置されている。透光保護層24は、発光ダイオード21、22、23及び制御チップ3を被覆している。制御チップ3の高さ、幅及び長さは、通常、1つの発光ダイオードの2倍以上であるため、制御チップ3は発光ダイオード21、22、23のX方向における光の発出を阻止し、画素パッケージ2Aの光パターンを片側に偏らせてしまう。画素パッケージ2Aを
図1の画素2とした場合、画素パッケージ2Aの光パターンが偏るため、ディスプレイ100の画質が劣化し、良好な鑑賞体験を提供することができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
基材を含む画素構造であって、基材は上面、下面及び上面と下面の間に位置する側面を有し、回路構造は基材内に埋め込まれ、かつ上面に露出する上電極層と、下面に露出する下電極層と、上電極層と下電極層の間に位置して完全に基材によって被覆される中間回路層とを含み、複数の発光半導体素子は上面に位置し、かつ回路構造と電気接続されており、非発光半導体素子は基材内に埋め込まれ、中間回路層と直接接続されているが、少なくとも1つの外表面に露出しており、透光接着剤層は複数の発光半導体素子を被覆し、基材と直接接触している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、既知のLED表示装置を表している。
【0006】
【
図2A】
図2Aは、制御チップを有する既知の画素パッケージを表している。
【
図2B】
図2Bは、制御チップを有する既知の画素パッケージを表している。
【0007】
【
図3】
図3は、実施例に基づく画素パッケージ8Aの上面図を表している。
【0008】
【
図4】
図4は、
図3の線A-A’に沿った画素パッケージ8Aの断面図を表している。
【0009】
【
図5】
図5は、画素パッケージ8Aの下面図を表している。
【0010】
【
図6】
図6は、画素パッケージ8Aの回路構造及び制御チップの斜視図を表している。
【0011】
【
図7】
図7は、制御チップの電極アレイを表している。
【0012】
【
図8】
図8は、別の実施例に基づく、制御チップが埋め込まれた画素パッケージ8Bを表している。
【0013】
【
図9】
図9は、実施例に基づく画素パッケージの製造工程を表している。
【
図10】
図10は、実施例に基づく画素パッケージの製造工程を表している。
【
図11】
図11は、実施例に基づく画素パッケージの製造工程を表している。
【
図12】
図12は、実施例に基づく画素パッケージの製造工程を表している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施例によると、
図3~
図5は制御チップが埋め込まれた画素パッケージ8Aを表しており、そのうち、
図3は画素パッケージ8Aの上面図、
図4は
図3の線A-A’に沿った画素パッケージ8Aの断面図、
図5は画素パッケージ8Aの下面図を表している。
図3に示すように、画素パッケージ8Aは、1組の発光ダイオード21、22、23を含み、発光ダイオード21、22、23は基板4の上面41S1の中間領域に位置し、かつそれぞれ赤、青、緑の光を出すことができる。
図4に示すように、画素パッケージ8Aは、基板4と、基板4上に設置されている発光ダイオード21、22、23と、基板4の上面41S1上に設置され、かつ発光ダイオード21、22、23を被覆している透光保護層24と、基板4内に嵌め込まれ(Embbed)、かつ基板4内の回路構造42によって発光ダイオード21、22、23と電気接続されている制御チップ3とを含む。
図5は画素パッケージ8Aの下面図を表しており、複数の底部電極423と制御チップ3が基板4の下面41S2から露出しており、複数の底部電極423は外部信号及び電源を制御チップ3と発光ダイオード21、22、23に導入するために用いられており、制御チップ3は外部信号の指令に従って電源を発光ダイオード21、22、23に出力しており、発光ダイオード21、22、23が赤、青、緑の光を発する時間及び強度を制御するために用いられている。
【0015】
一つの実施例では、発光ダイオード21、22、23の数は3であるが、別の実施例では、発光ダイオードの数は3を超えてもよい。一つの実施例では、発光ダイオード21、22、23は、それぞれが波長または色の異なる光線を発することができる発光ダイオード結晶粒(LEDダイ)であり、かつそれぞれp型半導体層、n型半導体層、p型半導体層とn型半導体層の間に位置する発光層、p型半導体層と接続されたp電極、及びn型半導体層と接続されたn電極を含む。p電極及びn電極は、発光層を発光させるための電流を導入するために用いられる。一つの実施例では、発光ダイオード21は赤色発光ダイオード結晶粒であり、第1光線を発出することができ、第1光線の主波長(dominant wavelength)またはピーク波長(peak wavelength)は600nmから660nmの間である。発光ダイオード22は緑色発光ダイオード結晶粒であり、第2光線を発出することができ、第2光線の主波長(dominant wavelength)またはピーク波長(peak wavelength)は510nmから560nmの間である。発光ダイオード23は青色発光ダイオード結晶粒であり、第3光線を発出することができ、第3光線の主波長(dominant wavelength)またはピーク波長(peak wavelength)は430nmから480nmの間である。発光ダイオード21、22、23の構造は類似しているが、p型半導体層、n型半導体層、発光層の組成は異なっている。透光保護層24の材料は、樹脂、セラミック、ガラスまたは上記の材料の組み合わせであってよく、波長の430nm~480nm、510nm~560nm、600nm~660nmのすべての波長帯域に対する透過度は50%を上回る。
【0016】
図4に示すように、基板4は、回路構造42と、回路構造42及び制御チップ3を被覆する基材41とを有している。基材41の材料は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、エポキシ樹脂、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、ポリイミド(Polyimide)樹脂、エポキシ樹脂とガラス繊維の複合材料、またはBT樹脂とガラス繊維の複合材料であってよい。別の実施例では、基材41は低熱膨張(Coefficient of Thermal Expansion;CTE)係数を有し、例えば、CTEは1~100ppm/℃であり(ABFのCTEは約3~10ppm/℃、BT樹脂のCTEは約10~70ppm/℃)、基材41と制御チップ3のCTEの差は10ppm/℃より小さく(制御チップ3のCTEは約3ppm/℃前後)、画素パッケージ8Aの製造工程の歩留まりを向上させている。基材41と制御チップ3のCTEの差が大きすぎる、例えば100ppm/℃を上回る場合、基材41の固化プロセスや表面実装プロセス(Surface Mount Technology、SMT)で発光ダイオード21、22、23を基板4上に実装するプロセスなど、製造プロセスに激しい温度変化が含まれる場合に、基材41と制御チップ3との間のインターフェースにクラックが生じ、基板4が故障するおそれがある。一つの実施例では、基板4はコアレス基板(Coreless Substrate)であり、基材41の材料がABFである場合、回路構造42の線の幅/間隙(L/S)は最小で12/12μmに達してよい。回路構造42の材料は、金属、例えば、銅、スズ、アルミニウム、銀、金、または前述の材料の組み合わせであってよい。
【0017】
図4に示すように、制御チップ3は、基板4上に露出し、下面41S2と共面である底面32と、底面32に対向する頂面33と、底面32と頂面33の間に位置する複数の側面34とを有し、基板4の基材41は複数の側面34と頂面33に直接接触して被覆しており、制御チップ3は頂面33上で発光ダイオード21、22、23に対面する複数の電極31を有している。一つの実施例では、
図7は制御チップ3の頂面33を表しており、制御チップ3は、アレイ方式で頂面33上に設置された9個の電極31を有する(電極31の数は9に限られるわけではなく、9より少なくても多くてもよい)。
図7では、電極31の輪郭は円形であるが、電極31の輪郭は四角形、多角形またはその他の形状であってもよい。また、アレイ内の複数の電極31は、同じ、または異なる輪郭を有してもよい。複数の電極31は、電極311、312、313、314、315、316、317、318、319を含む。電極311、312、313は、それぞれ発光ダイオード21、22、23のp電極またはn電極に電気接続されている。電極315は、発光ダイオード21、22、23のn電極またはp電極に共通して電気接続されている(電極311、312、313が電気接続されている発光ダイオード21、22、23の電極とは異なる)。電極316は、定電圧(VDD)を導入するために用いられる。電極317は、接地(GND)に用いられる。電極318は、外部制御信号(Data Input)を受信するために用いられる。電極319、314は、制御チップ3の拡張機能のために必要な電極位置を留保するためのものである。
【0018】
図4に示すように、回路構造42は、回路層421と、導電ポスト422と、底部電極423とを含む。回路層421は、回路層421a、421b、421cを含む。導電ポスト422は、導電ポスト422a、422b、422cを含む。導電ポスト422aは、回路層421aと421bとの間に位置する。導電ポスト422bは、回路層421bと421cとの間に位置する。導電ポスト422cは、回路層421cと底部電極423との間に位置する。
図3、
図4に示すように、回路層421aは、電極対421abと、接続領域421acと、接続領域421acと電極対421abを接続する配線421aaとを含む。
図4に示すように、回路層421b、421cは基板4内部に位置しており、回路層421bは接続領域421ba及び配線421bbを含み、回路層421cは接続領域421cb及び配線421ccを含む。
図3及び
図4を参照すると、発光ダイオード21、22、23のn、p電極は、導電性接着剤または錫ペースト(表示せず)によって電極対421abと接続され、接続領域421cbは制御チップ3の電極311~319と接続されている。Y方向上では、回路層421a、421b、421cは互いに重なり合い、接続領域421acと421baは導電ポスト422aによって互いに接続され、接続領域421baと421cbは導電ポスト422bによって互いに接続されており、発光ダイオード21、22、23のn電極(またはp電極)は、上記の配置方式を通して制御チップ3の電極311、312、313と電気接続されている。一つの実施例では、底部電極423は制御チップ3の底面32と共面である。別の実施例では、底部電極423は制御チップ3の底面32よりも低いことがある。底部電極423と接続領域421caの間は導電ポスト422cによって接続されている。
【0019】
図5に示すように、複数の底部電極423が制御チップ3を取り囲んでいる。画素パッケージ8Aが回路キャリアボード(表示せず)上に設置され、かつ底部電極423が回路キャリアボード上の電極と接続されている場合は、均等に分布している底部電極423により、画素パッケージ8Aが接合プロセスの中で傾いたり歪んだりすることを防止し、それにより画素パッケージ8Aが発する光パターンの偏りを防止することができる。一つの実施例では、回路構造42と制御チップ3がともに基板4の基材41内に埋め込まれており、即ち、基材41が、回路層421a、421b、421c、底部電極423(基材41は底部電極423の底面に露出している)、導電ポスト422a、422b、422c及び制御チップ3(基材41は制御チップ3の底面に露出し、かつ側面34及び頂面33を被覆している)を被覆しているということである。基板4の製造過程では、回路構造42を制御チップ3と統合することで、制御チップ3を回路基板上に貼り付ける手順を省略している。
【0020】
図6は、回路構造42と制御チップ3との接続構造の斜視図を表しており、
図6に示すように、回路層421a、421b、421cは、異なる(投影)パターン(Y方向から観察)を有している。回路層421bは接続領域421bcを有しており、接続領域421bcは制御チップ3の1つの角部に隣接し、かつ側面34以外の領域に位置しており(Y方向において、接続領域421bcは制御チップ3と重ならない)、しかもその1つの底面電極423とY方向で重なっている。接続領域421bcと電気接続されている底部電極423は、VDD信号(Power supply)を導入するために用いることができる。
【0021】
図6に示すように、回路層421cの接続領域421cbは制御チップ3の電極311~319上に設置され、かつそれらと直接接続されている。回路層421cは制御チップ3の側面34以外の領域に位置する接続領域421caを有している(Y方向において、接続領域421caは制御チップ3と重ならない)。一つの実施例では、配線421ccは接続領域421cbと接続領域421caを接続している。
【0022】
図8は、本願の別の実施例に基づく画素パッケージ8Bを表している。画素パッケージ8Bは、下面41S2に被覆され、かつ底部電極423が露出しているソルダマスク層44を有する。ソルダマスク層44の材料は、エポキシ樹脂やポリイミド(polyimide)樹脂などの絶縁材料である。
【0023】
別の実施例では、画素パッケージ8A、8Bは、複数組の発光ダイオード21、22、23と、複数組の発光ダイオード21、22、23に接続され、それらを制御するために用いられる1つの制御チップ3とを有してよい。別の実施例では、画素パッケージ8A、8Bは、複数組の発光ダイオード21、22、23と、複数の制御チップ3とを含んでよい。複数の制御チップ3は、複数組の発光ダイオード21、22、23に接続され、それらを制御するために用いられる。
【0024】
図9~
図13Aは、別の実施例に基づく画素パッケージ8Aの製造プロセスを表している。
図9~
図13Bは、別の実施例に基づく画素パッケージ8Bの製造プロセスを表している。
【0025】
図9に示すように、一時キャリアボード5は表面5Sを有し、一時キャリアボード5は、ガラスキャリアボード、サファイア基板、シリコン基板、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂キャリアボードなどの耐高温材料から選択され、後続の高温プロセスに耐えることができる。複数の制御チップ3は、底面32によって一時キャリアボード5の表面5S上に一時的に接着または固定されており、換言すると、制御チップ3の複数の電極31は、キャリアボード5の他方側に向いているのである。表面5S上には複数の底部電極423がある。
【0026】
図10に示すように、絶縁層61は、一時キャリアボード5の表面5S、底部電極423及び制御チップ3を被覆するとともに、制御チップ3の複数の電極31を絶縁層61の表面61Sに露出させており、そのうち、絶縁層61の材料は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、エポキシ樹脂、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、ポリイミド(Polyimide)樹脂、エポキシ樹脂とガラス繊維の複合材料、またはBT樹脂とガラス繊維の複合材料であってよい。機械穿孔、ウェットエッチングまたはドライエッチングプロセスといったパターニングプロセスを利用して、絶縁層61上に複数の貫通孔(Via)を形成して底部電極423を露出させ、かつ貫通孔内に、例えば電気めっきや蒸着などの方式で金属を埋め込むように導電材料を埋め込んで、底部電極423を接続する複数の導電ポスト422cを形成する。絶縁層61の表面61S上にパターン化された回路層421cが形成されることで、電極31と導電ポスト422cが接続される。
【0027】
図11に示すように、絶縁層61の表面61S上には表面62Sを有する絶縁層62が形成されており、そのうち、絶縁層62と絶縁層61の材料は、同じであってもよいし異なっていてもよい。絶縁層62の最上面は回路層421cより高いので、絶縁層62はパターニングされた回路層421cを完全に被覆してよい。機械穿孔、ウェットエッチングまたはドライエッチングプロセスといったパターニングプロセスにより、絶縁層62上に複数の貫通孔(Via)を形成して一部の回路層421cを露出させ、かつ貫通孔内に、例えば蒸着方式で金属を埋め込むように導電材料を埋め込んで、回路層421cと接続する導電ポスト422bを形成する。絶縁層62の表面62S上にパターン化された回路層421bが形成されることで、導電ポスト422bと接続される。
【0028】
図12に示すように、絶縁層62の表面62S上には表面6Sを有する絶縁層63が形成されており、そのうち、絶縁層63及び絶縁層61、62の材料は、同じであってもよいし異なっていてもよい。絶縁層63の最上面は回路層421bより高いので、絶縁層63はパターニングされた回路層421bを完全に被覆してよい。機械穿孔、ウェットエッチングまたはドライエッチングプロセスといったパターニングプロセスにより、絶縁層63上に貫通孔(Via)を形成して一部の回路層421bを露出させ、かつ貫通孔内に、例えば蒸着方式で金属を埋め込むように導電材料を埋め込んで、回路層421bと接続する導電ポスト422aを形成する。絶縁層63の表面6S上には、導電ポスト422aと接続されたパターニングされた回路層421aが形成されており、そのうち、絶縁層61、62、63の材料は、同じであってもよいし異なっていてもよい。積層された絶縁層61、62、63が基板4’の基材41を形成し、絶縁層63の表面6Sが基材41の上面41S1となる。
【0029】
図13Aのように、発光ダイオード21、22、23は回路層421a上に設置され、透光保護層24が上面41S1上に設置され、かつ発光ダイオード21、22、23を被覆している。一時キャリアボード5が基板4’から分離して基板4’の下面41S2を露出させ、一時装置2’’を形成している。切断工具9を用いて分離プロセスを行うことで、一時装置2’’が
図4に示すような複数の画素パッケージ8Aに分離される。
【0030】
別の実施例では、
図13Bに示すように、一時キャリアボード5を取り除き、下面41S2、底部電極423及び制御チップ3の底面32を露出させると、続いてソルダマスク層44が下面41S2及び制御チップ3の底面32によって被覆されて、一次装置2’’が形成される。切断工具9を用いて分離プロセスを行うことで、
図8Bに示すようなソルダマスク層44を有する複数の画素パッケージ8Bが形成される。
【0031】
一つの実施例では、画素パッケージ8A、画素パッケージ8Bまたはその両方を、
図1に示す表示装置100内で、画素パッケージ2の代わりに使用することができる。画素パッケージ8A、画素パッケージ8Bまたはその両方を応用した表示装置100は透明キャリアボードを有しているので、特定の場所、例えば商店のガラスウィンドウや車のウィンドウ、家屋の窓などに応用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 キャリアボード
2、2A、8A、8B 画素パッケージ
21、22、23 発光ダイオード
24 透光保護層
2’’ 一時装置
3 制御チップ
31、311、312、313、314、315、316、317、318、319 電極
32、33 表面
34 表面
4、4’ 基板
41 基材
41S1 上面
41S2 下面
42 回路構造
421a、421b、421c、421d 回路層
422a、422b、422c 導電ポスト
423 底部電極
44 ソルダマスク層
5 一時キャリアボード
5S 表面
61、62、63 絶縁層
6S、61S、62S 表面
9 切断工具
100 表示装置