(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172906
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】航空機とともに使用するための2次バリア
(51)【国際特許分類】
B64D 11/00 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
B64D11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023076298
(22)【出願日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】17/752,688
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ビー・シングルトン
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル・エー・ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ユ-フ・リー
(57)【要約】
【課題】セキュリティリスクを防ぎ、従来の2次バリアと比較して重量を大幅に低減した、航空機のための2次バリアを提供する。
【解決手段】例示的な2次バリアは、航空機の客室内の第1のモニュメントに取り付けるための複数のトラックと複数のロッドとを含み、ロッドの各々はトラックの各々に摺動可能に係合する。2次バリアは、ロッドのそれぞれの端部に結合されたパネルを含む。ロッドは収納位置と展開位置との間でトラックに対して移動する。展開位置にあるパネルは、第1のモニュメントの向かい側の客室内の第2のモニュメントと整合することになる。ロッドは、2次バリアが展開位置にあるときに、第1のモニュメントと第2のモニュメントとの間に延伸することになる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次バリア(200、1300)であって、
航空機(100、1302)の客室(201、1301)内の第1のモニュメント(216、218、1308)に取り付けるための複数のトラック(402、402a、1404、1404a)と、
複数のロッド(404、404a、1406、1406a)であって、前記ロッド(404、1406)の各々が前記トラック(402、402a、1404、1404a)の各々に摺動可能に係合する、複数のロッド(404、404a、1406、1406a)と、
前記ロッド(404、404a、1406、1406a)のそれぞれの端部に結合されたパネル(406、1412)であって、前記ロッド(404、404a、1406、1406a)が収納位置(230、1402)と展開位置(304、1310)との間で前記トラック(402、402a、1404、1404a)に対して移動し、前記展開位置(304、1310)にある前記パネル(406、1412)が、前記第1のモニュメント(216、218、1308)の向かい側の前記客室内の第2のモニュメント(216、220、1314)と整合し、前記ロッド(404、404a、1406、1406a)が、前記2次バリア(200、1300)が前記展開位置(304、1310)にあるときに、前記第1のモニュメント(216、218、1308)と前記第2のモニュメント(216、220、1314)との間に延伸する、パネル(406、1412)とを備える、2次バリア(200、1300)。
【請求項2】
前記パネル(406、1412)が、前記2次バリア(200、1300)が前記収納位置(230、1402)にあるときに、前記第1のモニュメント(216、218、1308)の外面(506)を画定することになる、請求項1に記載の2次バリア。
【請求項3】
前記ロッド(404、404a、1406、1406a)が、前記2次バリア(200、1300)が前記収納位置(230、1402)にあるときに、前記第1のモニュメント(216、218、1308)の内側に配置されることになる、請求項1に記載の2次バリア。
【請求項4】
前記トラック(402、402a、1404、1404a)が、前記第1のモニュメント(216、218、1308)の空隙部(408)を画定する表面(410)に固定される、請求項1に記載の2次バリア。
【請求項5】
前記パネル(406、1412)が、前記第1のモニュメント(216、218、1308)と前記第2のモニュメント(216、220、1314)との間で移動可能な金属製の帯状覆いである、請求項1に記載の2次バリア。
【請求項6】
前記第2のモニュメント(216、220、1314)に結合するためのリテーナ(1200)をさらに含み、前記リテーナ(1200)が、前記パネル(406、1412)と整合して前記パネル(406、1412)を前記展開位置(304、1310)に保持する、請求項1に記載の2次バリア。
【請求項7】
ロック位置(600)とロック解除位置(510)との間で移動可能なロック(420)をさらに含み、前記ロック(420)が、前記ロック(420)が前記ロック位置(600)にあるときに、前記展開位置(304、1310)から前記収納位置(230、1402)への前記2次バリア(200、1300)の移動を防止する、請求項1に記載の2次バリア。
【請求項8】
前記ロック(420)が、前記ロッド(404)のうちの第1のロッド(404a)と、前記第1のロッド(404a)に関連付けられた前記トラック(402)のうちの第1のトラック(402a)とによって画定される鍵付き境界面によって形成される、請求項7に記載の2次バリア。
【請求項9】
前記鍵付き境界面が、前記第1のロッド(404a)上に形成された突出部(1002)と、前記第1のトラック(402a)中に形成された開口部(1004)とを含む、請求項8に記載の2次バリア。
【請求項10】
前記突出部(1002)が、前記ロック(420)が前記ロック位置(600)にあるときに、前記第1のトラック(402a)に係合するためのストッパ(1014)を画定する環状体(1006)である、請求項9に記載の2次バリア。
【請求項11】
前記開口部(1004)が第1の開孔(1018)と第2の開孔(1020)とを含み、前記第1の開孔(1018)は、前記突出部(1002)が前記開口部(1004)を通ることを可能にし、前記第2の開孔(1020)は、前記第1のロッド(404a)が前記第1のトラック(402a)の長手方向軸(416)に対して非平行な方向(608)に前記第1のトラック(402a)に対して移動することを可能にする、請求項10に記載の2次バリア。
【請求項12】
前記第1のトラック(402a)が、前記突出部(1002)の前記ストッパ(1014)が前記第2の開孔(1020)に隣接する前記第1のトラック(402a)の外面(1024)と直接係合するときに、前記収納位置(230、1402)への前記第1のロッド(404a)の移動を防止する、請求項11に記載の2次バリア。
【請求項13】
前記第1の開孔(1018)及び前記第2の開孔(1020)が鍵穴形状を成す、請求項11に記載の2次バリア。
【請求項14】
航空機(100、1302)とともに使用するための2次バリア(200、1300)であって、前記2次バリアが、
航空機客室(201、1301)の第1の壁(218、700、1308、1309)に摺動可能に結合されるゲート(200、400、1300)であって、前記ゲート(200、400、1300)が展開位置(304、1310)と収納位置(230、1402)との間で移動可能であり、前記ゲート(200、400、1300)が複数のレール(419、402、404、1404、1406)とパネル(406、1412)とを含み、前記レール(419、402、404、1404、1406)が、前記ゲート(200、400、1300)が前記収納位置(230、1402)にあるときに、前記航空機客室(201、1301)の前記第1の壁(218、700、1308)の内側に配置される、ゲート(200、400、1300)と、
第2の壁(802、220、1312)に結合するリテーナ(1200)であって、前記パネル(406、1412)が、前記ゲート(200、400、1300)が前記展開位置(304、1310)にあるときに前記リテーナと整合し、前記リテーナ(1200)が、前記レール(419、402、404、1404、1406)の長手方向軸(414、416)に対して非平行な方向(1202)への前記ゲート(200、400、1300)の移動を制限する、リテーナ(1200)とを備える、2次バリア(200、1300)。
【請求項15】
前記ゲート(200、400、1300)が前記展開位置(304、1310)にあるときに、前記長手方向軸(414、416)に対して平行な方向(602)への前記ゲート(200、400、1300)の移動を防止するためのロック(420)をさらに含む、請求項14に記載の2次バリア。
【請求項16】
前記ロック(420)が前記レール(419)のうちの1つ(419a)と一体的に形成される、請求項15に記載の2次バリア。
【請求項17】
前記レール(419)が複数のトラック(402、402a、1404、1404a)と複数のロッド(404、404a、1406、1406a)とを含み、前記ロック(420)が、前記トラック(402)のうちの第1のトラック(402a)と前記ロッド(404)のうちの第1のロッド(404a)との間の境界面によって形成される、請求項16に記載の2次バリア。
【請求項18】
前記第1のロッド(404a)が、前記第1のロッド(404a)の第1の長手方向軸(414a)が第1のトラック(402a)の第1の長手方向軸(416a)に対して略平行であるときに、前記展開位置(304、1310)から前記収納位置(230、1402)への前記ゲート(200、400、1300)の移動を可能にすることになり、前記第1のロッド(404a)が、前記第1のロッド(404a)の前記第1の長手方向軸(414a)が前記第1のトラック(402a)の前記第1の長手方向軸(416a)に対して略平行でないときに、前記展開位置(304、1310)から前記収納位置(230、1402)への前記ゲート(200、400、1300)の移動を防止することになる、請求項17に記載の2次バリア。
【請求項19】
複数のトラック(402、402a、1404、1404a)を、ハウジング又は航空機客室の第1のモニュメント(216、218、1308)のうちの少なくとも一方の空隙部を画定する表面に取り付けるステップと、
複数のロッド(404、404a、1406、1406a)を、前記トラック(402、402a、1404、1404a)のうちの対応するトラックに摺動可能に結合するステップと、
パネル(406、1412)を、前記ロッド(404、404a、1406、1406a)のそれぞれの端部に結合するステップと
を含む、方法。
【請求項20】
リテーナ(1200)を、前記第1のモニュメント(216、218、1308)の向かい側の航空機客室(201、1301)の第2のモニュメント(216、220、1314)の表面(802、1312)に取り付けるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、航空機に関し、より詳細には、航空機とともに使用するための2次バリアに関する。
【背景技術】
【0002】
民間航空機は、航空機のコックピットと客室との間に1次フライト・デッキ・バリアを設けるためにコックピットドアを用いる。コックピットドアは、許可されていない人員による飛行中のコックピットへの望ましくない侵入を防止するバリアになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書で開示する例示的な2次バリアは、航空機の客室内の第1のモニュメントに取り付けるための複数のトラックと複数のロッドとを含み、ロッドの各々はトラックの各々に摺動可能に係合する。2次バリアは、ロッドのそれぞれの端部に結合されたパネルを含む。ロッドは収納位置と展開位置との間でトラックに対して移動する。展開位置にあるパネルは、第1のモニュメントの向かい側の客室内の第2のモニュメントと整合することになる。ロッドは、2次バリアが展開位置にあるときに、第1のモニュメントと第2のモニュメントとの間に延伸することになる。
【0004】
例示的な2次バリアは、航空機客室の第1の壁に摺動可能に結合されるゲートを含む。ゲートは展開位置と収納位置との間で移動可能である。ゲートは複数のレールとパネルとを含む。レールは、ゲートが収納位置にあるときに、航空機客室の第1の壁の内側に配置される。第2の壁にリテーナが結合することになる。パネルは、ゲートが展開位置にあるときに、リテーナと整合することになる。リテーナは、レールの長手方向軸に対して非平行な方向へのゲートの移動を制限するためのものである。
【0005】
例示的な方法は、複数のトラックを、ハウジング又は航空機客室の第1のモニュメントのうちの少なくとも一方の空隙部を画定する表面に取り付けるステップと、複数のロッドを、トラックのうちの対応するトラックに摺動可能に結合するステップと、パネルをロッドのそれぞれの端部に結合するステップとを含む。
【0006】
例示的な2次バリアは、空隙部を画定するハウジングを含む。複数のトラックがハウジング内に配置され、複数のロッドであってロッドの各々はトラックの各々に摺動可能に結合する。ロッドのそれぞれの端部にパネルが結合される。パネルはロッドを収納位置と展開位置との間で移動させるためのものである。収納位置にあるロッドはその全体がハウジング内に配置されることになる。展開位置にあるロッドはハウジングから外部に延伸することになる。パネルは、パネルが収納位置にあるときに、ハウジングの外壁を形成することになる。
【0007】
いくつかの例を上記で確認した図に示し、以下で詳細に説明する。説明してきた形態、機能、及び利点は、様々な実施形態において独立に実現することができるか、又はさらに他の実施形態において組み合わせることができ、そのさらなる詳細は、以下の説明及び図面を参照して理解することができる。図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、図面のいくつかの形態及びいくつかの図は、明快及び/又は簡潔にするために縮尺を誇張して、又は概略的に示すことがある。本特許で使用する際、任意の部分が何らかの形で別の部分の上に配置される(例えば、別の部分の上に位置する、別の部分の上に配設される、別の部分の上に形成される、別の部分に結合されるなど)という記述は、参照された部分が他の部分と接触しているか、又は参照された部分と他の部分との間に1つ又は複数の中間部分が位置する状態で参照された部分が他の部分から間隔をおいて配置されていることを意味する。任意の部分が別の部分と接触しているという記述は、2つの部分間に中間部分がないことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の教示による、例示的な2次バリアを有する例示的な航空機の図である。
【
図2】例示的な1次バリアが閉位置にあり、例示的な2次バリアが例示的な収納位置にある、
図1の例示的な航空機の平面部分破断図である。
【
図3】例示的な1次バリアが例示的な開位置にあり、例示的な2次バリアが例示的な展開位置にある、
図1及び
図2の例示的な航空機の平面部分破断図である。
【
図5】例示的な収納位置に示されている
図1~
図4の例示的な2次バリアの側面断面図である。
【
図6】例示的な展開位置に示されている
図1~
図5の例示的な2次バリアの側面断面図である。
【
図7】
図1~
図3の例示的な航空機の例示的な客室の部分斜視図である。
【
図8】
図1~
図3の例示的な航空機の例示的な客室の別の部分斜視図である。
【
図9】例示的な2次バリアが例示的な展開位置にある、
図1~
図3、
図7、及び
図8の例示的な客室の側面図である。
【
図10A】
図1~
図9の例示的な2次バリアの例示的なレールアセンブリの分解斜視図である。
【
図13】本明細書で開示する別の例示的な2次バリアを含む例示的な航空機の例示的な客室の平面部分破断図である。
【
図14A】例示的な収納位置に示されている
図13の例示的な2次バリアの斜視図である。
【
図14B】例示的な展開位置に示されている
図13の例示的な2次バリアの斜視図である。
【
図15】本明細書で開示する例示的な2次バリアを設置する例示的な方法である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
可能な限り、図面及び添付の明細書全体にわたって同じ又は同様の部分を指すために同じ参照番号を使用する。本特許で使用する際、任意の部分(例えば、層、フィルム、領域、又はプレート)が何らかの形で別の部分の上に配置される(例えば、別の部分の上に配置される、別の部分の上に位置する、別の部分の上に配設される、又は別の部分の上に形成されるなど)という記述は、参照された部分が他の部分と接触しているか、又は参照された部分と他の部分との間に1つ又は複数の中間部分が位置する状態で参照された部分が他の部分の上方にあることを意味する。任意の部分が別の部分と接触しているという記述は、2つの部分間に中間部分がないことを意味する。
【0010】
航空機は、不正な侵入及び/又は侵害からフライトデッキ(例えばコックピット)を保護する1次バリアとしてフライト・デッキ・ドアを用いる。例えば、閉位置において、1次バリアは、侵入者からの攻撃及び/又は不正な侵入に効果的に耐えるように設計されている。したがって、1次バリアにより、1次バリアが閉位置にあるときに1次確保領域(例えばフライトデッキ)が設けられる。しかしながら、航空機のフライトデッキと客室との間の許可された人員の進入及び/又は退出を可能にするために1次バリアが開位置にあるとき(例えば、客室乗務員がパイロットのために食べ物又は飲み物を運ぶときなど)、パイロットが(フライトデッキの外側に位置し、乗客と共有される)トイレを使用するときなどに、飛行中にセキュリティの脅威が引き起こされることがある。このように、場合によっては、飛行中に1次バリアが開位置にあると、セキュリティリスクを引き起こすことがある。
【0011】
飛行中に1次バリアが開位置にあるときのセキュリティリスクを低減するために、航空機はしばしば2次バリアを用いる。2次バリアは、乗客がいる客室領域と1次バリア(例えばフライトデッキドア)との間に2次確保領域を形成する。2次バリアによって設けられる2次確保領域は、しばしば、例えば、トイレ、クローゼット、調理室、及び/又は2次バリアが確保位置にあるときに飛行中にパイロット又は他の許可された人員によって使用され得る他の設備などの、航空機の1つ又は複数のモニュメントを含む。
【0012】
一般に、2次バリアは、フレームに取り付けられた2次ドアである。フレームは航空機の側壁及び天井に取り付けられ、2次ドアが開位置及び閉位置にあるときに見えたままになる。例えば、フレームは、第1のモニュメント(例えば第1の壁)に取り付けられる第1の側面と、第1のモニュメントの向かい側の第2のモニュメント(例えば第2の壁)に取り付けられる第2の側面と、天井に取り付けられ、第1の側面と第2の側面とを相互接続する第3の側面とを含む。2次ドアは、1つ又は複数のヒンジを介してフレームの第1の側面に枢動可能に結合し、2次ドアが閉位置にあるときにフレームの第2の側面とラッチする。これらの2次ドアは、2次バリアを設けるのに有効であるが、使用されていないときに見え、美観的に好ましくない。さらに、フレーム及びドアは航空機にかなりの重量を加える。
【0013】
本明細書で開示する例示的な2次フライト・デッキ・バリアはセキュリティリスクを防ぎ、従来の2次バリアと比較して重量を大幅に低減する。さらに、本明細書で開示する例示的な2次フライト・デッキ・バリアは、収納されているとき、又は使用されていないとき(例えば、閉位置にあるとき)には見えない。具体的には、本明細書で開示する例示的な2次フライト・デッキ・バリアは、航空機の構造部品に組み込まれるか、又は一体化される。いくつかの例では、本明細書で開示する2次バリアは、航空機客室の壁又はモニュメントとともに形成され、及び/又はそれに結合される。本明細書で開示する例示的な2次バリアは、2次フライト・デッキ・バリアが結合される航空機の構造部品(例えば、モニュメント又は壁)に対して、使用位置、すなわち展開位置と非使用位置、すなわち収納位置との間で移動可能な引き出し式ゲートを設ける。
【0014】
図1は、本開示の教示による、2次バリアシステムが実装され得る、例示的な航空機100を示す。図示の例の航空機100は、機体106から延伸する第1の航空機翼102(例えば第1の翼形部)と第2の航空機翼104(例えば第2の翼形部)とを含む。第1の航空機エンジン110が第1の航空機翼102によって支持され、第2の航空機エンジン112が第2の航空機翼104によって支持される。
【0015】
図2は、
図1の航空機100の機体106の例示的な内部又は客室201の平面部分破断図である。図示の例の機体106には、本明細書で開示する例示的な2次バリア200が実装されている。図示の例の機体106は、乗客領域202(例えば客室)と、フライトデッキ204と、乗客領域202とフライトデッキ204との間の乗務員領域206とを含む。乗務員領域206は、調理室208、クローゼット210、第1のトイレ212、第2のトイレ214(例えば乳児用更衣室)、並びに/あるいは飛行乗務員及び/又はパイロットによって使用され得る他の設備を含む。乗務員領域206は、壁、キャビネットなどを含む複数のモニュメント216によって画定される。具体的には、第1のモニュメント218及び第2のモニュメント220が、フライトデッキ204と、乗務員領域206と、乗客領域202との間の経路になる通路222を形成する。通路222により、乗客領域202に位置する乗客は、乗務員領域206に位置する1つ又は複数の設備を使用するために乗務員領域206に立ち入ることが可能になる。さらに、通路222により、乗務員領域206とフライトデッキ204との間に立ち入ることが可能になる。図示の例の第1のモニュメント218は、キャビネット、壁、及び/又は客室201内の他の構造物である。具体的には、第1のモニュメント218は少なくとも部分的に乗務員領域206内にある。
【0016】
飛行中に(例えば、通路222を介して)フライトデッキ204への不正な立入りを制限するために、図示の例の航空機100は第1のバリア、すなわち1次バリア224を含む。図示の例に示されているように、1次バリア224は例示的な閉位置226にある。飛行中、1次バリア224は、通常、閉位置226にある。図示の例の1次バリア224は、フライトデッキ204(例えばコックピット)を不正な侵入及び/又は侵害から保護するフライト・デッキ・ドア228である。例えば、フライト・デッキ・ドア228は、侵入者からの攻撃及び/又はフライトデッキ204への不正な侵入に効果的に耐えるように設計されている。言い換えれば、1次バリア224(例えばフライト・デッキ・ドア228)により、1次バリア224が閉位置226にあるときに1次確保領域232(例えばフライトデッキ)が設けられる。乗客領域202内の乗客は、1次バリア224を介してフライトデッキ204に立ち入ることができないか、又は制限される。1次バリア224が閉位置226にあるとき、2次バリア200は、通路222を介した乗務員領域206の設備への立入りを可能にするために、
図2に示されているように収納位置230に配置され得る。言い換えれば、2次バリア200が収納位置230にあるとき、乗客領域202からの乗客は、第1のトイレ212、第2のトイレ214、及び/又は乗務員領域206内の任意の他の設備を使用するために、通路222に自由に入ることができる。
【0017】
図3は、
図2と同様であるが、1次バリア224が例示的な開位置302にあり、2次バリア200が例示的な展開位置304にある状態で示されている、例示的な航空機100の部分破断図である。飛行中、1次バリア224(例えばフライト・デッキ・ドア228)は、フライトデッキ204内のフライトデッキ乗務員の乗務員領域206への立入りを可能にするために、開位置302に移動することができる。しかしながら、フライトデッキ204と乗務員領域206との間の許可された人員の進入及び/又は退出を可能にするために1次バリア224が開位置302にあるとき、フライトデッキ204は航空機100の乗客領域202から丸見えになり得る。したがって、飛行中に1次バリア224を開位置302に移動すると、場合によってはセキュリティリスクを引き起こすことがある。
【0018】
1次バリア224が開位置302にあるときのセキュリティリスクを防止又は低減するために、図示の例の航空機100は2次バリア200を含む。図示の例の2次バリア200は、第1のモニュメント218とともに形成されるか、又は第1のモニュメント218に結合される。具体的には、図示の例の2次バリア200は第1のモニュメント218に摺動可能に結合され、2次バリア200が展開位置304にあるときには、通路222を横切って延伸して第2のモニュメント220に係合する。いくつかの例では、2次バリア200は第2のモニュメント220に摺動可能に結合されることがあり、通路222を横切って延伸して、展開位置において第1のモニュメント218に係合する。
【0019】
以下でより詳細に説明するように、2次バリア200は、通路222を介したフライトデッキ204への立入りを阻止又は制限するために(例えば、1次バリア224が開位置302にあるときにフライトデッキ204への不正な立入りを防止するために)、第1のモニュメント218と第2のモニュメント220との間の通路222を横切って延伸する。したがって、2次バリア200は、(例えば、1次バリア224が開位置302にあるときに)乗客が居ることができる乗客領域202と乗務員領域206との間に2次確保領域306を形成する。言い換えれば、2次確保領域306は、フライトデッキ204と、1次バリア224及びフライトデッキ204に通じる乗務員領域206の通路222の少なくとも一部とを含む。2次バリア200は乗客領域202からフライトデッキ204を守る(例えば隔離する)。したがって、2次バリア200が展開位置304にあり、1次バリア224が開位置302にあるとき、2次バリア200は、セキュリティリスクを排除又は防止し、並びに/あるいは飛行乗務員及び/又は他の許可された人員が飛行中に第1のトイレ212、クローゼット210及び/又は他の設備を使用することを可能にする。いくつかの例では、通路222を介した乗務員領域206への立入りを防止又は制限するために、1次バリア224が閉位置226にあるとき(
図2)、2次バリア200は展開位置304に配置され得る。
【0020】
図4は、本明細書で開示する例示的な2次バリア200の分解図である。図示の例の2次バリア200はゲート400である。具体的には、図示の例のゲート400は客室201の第1のモニュメント218に摺動可能に結合されることになる。いくつかの例では、2次バリア200は、第2のモニュメント220(
図2)及び/又は航空機100の任意の他のモニュメント若しくは構造物に摺動可能に結合され得る。図示の例の2次バリア200は複数のレールアセンブリ401を含む。レールアセンブリ401は複数のトラック402(例えばレール)と複数のロッド404とを含む。2次バリア200はパネル406を含む。トラック402は、乗客領域202の第1のモニュメント218に取り付けるためのものである。例えば、図示の例のトラック402は、第1のモニュメント218の内面410によって画定される内部空隙部408に結合される(例えば取り付けられる)。いくつかの例では、図示の例のトラック402は、1つ又は複数の締め具(例えば、Lブラケット、取付けブラケット、クリップ、ボルト、ねじ、クランプ、及び/又は任意の他の好適な締め具)を介して内面410に固定されるか、又は取り付けられ得る。いくつかの例では、トラック402は第1のモニュメント218と一体的に形成され得る。例えば、トラック402は、第1のモニュメント218中にスロット、開口部、チャネル、及び/又は任意の他の開孔を切断することによって形成され得る。例えば、第1のモニュメント218は中実構造体(例えば、内部空隙部408なしに形成された中実壁)であり得、トラック402は、第1のモニュメント218の中実構造体中に形成された複数の開孔又は開口部によって画定され得る。
【0021】
図示の例のロッド404はトラック402に摺動可能に結合する。例えば、ロッド404の各々は、トラック402の各々に摺動可能に結合又は摺動可能に係合する。パネル406はロッド404のそれぞれの端部412に結合(例えば固定)される。例えば、パネル406は、ロッド404のそれぞれの端部412と溶接、締結、及び/又は一体的に形成され得る。したがって、ロッド404及びパネル406はトラック402に対して移動する。このようにして、パネル406が移動すると、ロッド404がトラック402に対して移動する。図示の例のパネル406は金属製の帯状覆いである。トラック402及びロッド404は、金属、アルミニウム、チタン、プラスチック、合金、及び/又は任意の他の材料から構成され得る。
【0022】
図示の例のトラック402は、移動中にロッド404を案内する。例えば、トラック402は、ロッド404の長手方向軸414をトラック402の長手方向軸416と実質的に整列(例えば、水平又は平行整列)した状態に維持する。言い換えれば、トラック402は、ロッド404の長手方向軸414をトラック402の長手方向軸416に対して実質的に平行に維持する。本明細書で使用する際、実質的に平行とは、完全に平行(例えば、長手方向軸414と長手方向軸416との間のずれが0度)及びほぼ完全に平行(例えば、長手方向軸414と長手方向軸416との間のずれが0.1度から5度までの間)を意味する。例えば、
図4の向きでは、長手方向軸414及び長手方向軸416は地面に対して水平である。図示の例のトラック402の各々は矩形の断面形状を有する。図示の例では、トラック402は、ロッド404を摺動可能に受け入れるための複数の開口部418を含む。各開口部418は円形の断面形状を有する。図示の例のロッド404の各々は、トラック402の開口部418と整合するように円形の断面形状を有する。例えば、ロッド404の各々の直径は開口部418の各々の直径よりも小さい。他の例では、トラック402、開口部418、及び/又はロッド404は、正方形の断面形状及び/又は任意の他の断面形状を有することができる。
【0023】
以下でより詳細に説明するように、2次バリア200の第1のレールアセンブリ419がロック420を含む。ロック420は、2次バリア200が展開位置304にあるときに、2次バリア200(例えば、2次バリア200及び/又はトラック402に対するロッド404)の移動を防止するためのものである。図示の例のロック420は第1のレールアセンブリ419の第1のトラック402aと第1のロッド404aとの間の境界面によって形成される。いくつかの例では、第2のレールアセンブリ422がロック(例えばロック420)を含むことができる。いくつかの例では、第3のレールアセンブリ及び/又は任意の数のレールアセンブリ401がロックを含むことができる。
【0024】
図5は、収納位置230に示されている2次バリア200の断面側面図である。収納位置230において、ロッド404の各々はトラック402の各々の開口部418中に配置される(例えば、十分に又は完全に配置される)。トラック402は、ロッド404の各々の長手方向軸414がトラック402の各々の長手方向軸416と整列する(例えば、同軸上に整列する)ように、ロッド404をトラック402に対して実質的に平行に維持する。さらに、図示の例のパネル406は第1のモニュメント218に対して凹んでいる。例えば、第1のモニュメント218は、パネル406を受け入れるためのスロット502を含む。このようにして、パネル406の外面504が、第1の壁又は第1のモニュメント218の外面506と面一になるか、又はそれと整合される。2次バリア200を移動させるために、図示の例のパネル406は取っ手、又はハンドル508を含む。図示の例のハンドル508は、ハンドル508がパネル406の外面504から外側に、又はそこから離れて(例えば、ロッド404又はトラック402から離れる方向に)突出しないようにパネル406中に形成された凹所又は凹状のポケットである。したがって、パネル406の外面504は実質的に平坦な表面を有する。図示の例では、ロック420は、展開位置304への2次バリア200の移動を可能にするために、ロック解除位置510にある。
【0025】
図6は、展開位置304に示されている、本明細書で開示する2次バリア200の断面側面図である。展開位置304において、パネル406及びロッド404は、トラック402(例えば、トラック402の開口部418)から、及び/又は第1のモニュメント218から延伸する。例えば、ロッド404及び/又はパネル406は、第1のモニュメント218及びトラック402から離れる方向(例えば横方向602)に延伸する。図示の例の横方向602は、トラック402の長手方向軸416に沿った方向(例えば、それに対して実質的に平行な方向)である。例えば、パネル406が第1のモニュメント218から離れると、ロッド404は長手方向軸416に沿ってトラック402から離れる方向に移動する。言い換えれば、ロッド404は、トラック402の開口部418から少なくとも部分的に延伸(例えば展開)する。
【0026】
図示の例の展開位置304において、ロック420は、展開位置304から収納位置230への2次バリア200の移動を防止するために、ロック位置600にある。言い換えれば、ロック420は、ロック420がロック位置600にあるとき、展開位置304から収納位置230へのトラック402に対するロッド404の移動を防止する。ロック420がロック位置600に移動することを可能にするために、図示の例の第1のロッド404a(例えば、第1のロッド404aの端部)は、(例えば、ピボット継手、玉継手などの)ピボット604を介してパネル406に枢動可能に結合される。ピボット604により、第1のロッド404aの長手方向軸606が、ロック420を含まないロッド404の長手方向軸414に対して角度が付くように、第1のロッド404aがパネル406に対して枢動することが可能になる。言い換えれば、第1のロッド404aが展開位置304にあるときの第1のロッド404aの長手方向軸606は、第1のロッド404aが収納位置230にあるときの第1のロッド404aの長手方向軸414に対して角度が付けられている。したがって、第1のロッド404aは、ピボット604を介することにより、ロッドの少なくとも一部分を
図6の向きにおいて方向608(例えば、垂直方向、又は横方向602に対して非平行若しくは直角な方向)に移動させることが可能になる。
【0027】
このようにして、ロック420はロック位置600とロック解除位置510との間で移動可能である。図示の例では、2次バリア200が展開位置304にあるとき、ロック420は自動的にロック位置600に移動する。しかしながら、ロック420は、2次バリア200が展開位置304から収納位置230に移動するときに、ロック位置600からロック解除位置510に手動で移動させられることになっている。
【0028】
ロック420は、
図6に示されているように2次バリア200が展開位置304にあるときに、目立たないか、又は視界から隠されている。例えば、第1のロッド404aは、水平面から約0.5度から5度までの間のわずかなテーパを有する。この緩やかなテーパは、人間の目で検出することが困難であり得る。したがって、第1のロッド404aは他のロッド404に対して完全に平行でないことがあるが、第1のロッド404aは、ロック420がロック位置にあるときに、他のロッド404と区別がつかないことがある。いくつかの例では、ロックの箇所を隠すために、スロット502内にブラシシール若しくは他のシール又は覆いが配置され得る。そのようなシールは、乗客領域202内の乗客がロック420(例えば第1のロッド404a)の箇所を特定するのを防止することができる。したがって、許可された人員のみが、ロッド404のうちのどれがロック420を含むかを判断することができることになる。
【0029】
いくつかの例では、展開位置304と収納位置230との間で2次バリア200を自動的に移動させるために制御システムが用いられ得る。いくつかの例では、制御システムは、1次バリア224の位置に基づいて収納位置230と展開位置304との間で2次バリア200を移動させるために用いられ得る。ロック420がロック位置600とロック解除位置510との間でどのように移動するかのさらなる詳細について、
図10A、
図10B、
図11A及び
図11Bにおいて以下で説明する。
【0030】
図7は、2次バリア200が例示的な収納位置230に示されている、
図2の例示的な乗務員領域206の部分斜視図である。収納位置230において、2次バリア200は乗務員領域206の第1のモニュメント218内に配置される。具体的には、ロッド404は、2次バリア200が収納位置230にあるときに、第1のモニュメント218の内側に配置される。例えば、ロッド404及びトラック402は完全に第1のモニュメント218内に配置され、乗客領域202内の乗客には見えない(
図2)。いくつかの例では、2次バリア200が収納位置230にあるときに乗客領域202内の乗客から見える2次バリア200の唯一の部分は、パネル406の外面504である。言い換えれば、2次バリア200は、収納位置230にあるときに視界から隠され、したがって美観的に好ましい。
【0031】
図示の例のパネル406は第1のモニュメント218の外面506に対して面一である。このようにして、パネル406の外面504及び第1のモニュメント218の外面506は、2次バリア200が収納位置230にあるときに、実質的に連続した外面全体又は第1の壁700(例えば外壁)を形成する。本明細書で使用する際、「実質的に連続した」とは、パネル406の外面504及び第1のモニュメント218の第1の壁700が、パネル406と第1のモニュメント218との間の境界面702において又は境界面702にわたって隆起面又は不連続面を形成しないことを意味する。言い換えれば、第1のモニュメント218の外面506及びパネル406の外面504は、第1のモニュメント218の第1の壁700を画定する。したがって、パネル406は、2次バリア200が収納位置230にあるときに第1のモニュメント218の第1の壁700の少なくとも一部分を画定することになる。2次バリア200が収納位置230にあると、通路222を介して乗務員領域206への立入りが可能になる。
【0032】
図8は、
図1~
図7の例示的な航空機100の乗務員領域206の別の部分斜視図である。具体的には、乗務員領域206の第2のモニュメント220の第2の表面又は第2の壁802が
図8に示されている。第2のモニュメント220の第2の壁802は第1のモニュメント218の外面506と向かい合っている。展開位置304において、2次バリア200は第2のモニュメント220の第2の表面に係合する。
【0033】
図9は、2次バリア200が展開位置304に示されている例示的な乗務員領域206の側面図である。上記のように、2次バリア200は、展開位置304と収納位置230との間で第1のモニュメント218に対して移動可能である。具体的には、2次バリア200は、第1の壁700(
図7)又は第1のモニュメント218の外面506と、第1の壁700の向かい側の第2の壁802(
図8)との間に延伸することになる。展開位置304において、パネル406は第1のモニュメント218の向かい側の第2のモニュメント220と整合する。展開位置304において、ロッド404は第1のモニュメント218と第2のモニュメント220との間に延伸する。第2の壁802は、2次バリア200が展開位置304にあるときにパネル406のための支えになる。言い換えれば、2次バリア200(例えばゲート300)は第1のモニュメント218と第2のモニュメント220との間に延伸して、通路222を介した1次バリア224への立入りを阻止する。
図10A、
図10B、
図11A及び
図11Bでさらに説明するように、ロック420は、ロック420がロック位置600にあるとき(
図6)、展開位置304と収納位置230との間の2次バリア200の移動を防止する。
【0034】
図10Aは、
図4の第1のレールアセンブリ419及びロック420の斜視分解図である。
図10Bは、ロック解除位置510に示された第1のレールアセンブリ419及びロック420の斜視図である。図示の例のロック420は、第1のロッド404a及び第1のトラック402aにより形成される(例えば、一体的に形成される)。具体的には、ロック420は、第1のロッド404aと、第1のロッド404aに関連付けられた第1のトラック402aとによって画定される鍵付き境界面1000によって形成される。鍵付き境界面1000は、第1のロッド404a上に形成された突出部1002と、第1のトラック402a中に形成された開口部1004とを含む。図示の例の突出部1002は、第1のロッド404aの外面1008上に形成された環状体又は円筒体1006である。例えば、第1のロッド404aの外面1008は第1の直径1010を有し(
図10A)、突出部1002は第1の直径1010よりも大きい第2の直径1012を有する(
図10B)。図示の例の突出部1002はストッパ1014(例えば平坦面)とテーパ部1016とを含む。
【0035】
開口部1004は第1の開孔1018と第2の開孔1020とを含む。第1の開孔1018及び第2の開孔1020は鍵穴形状を成す。第1の開孔1018は、突出部1002が開口部1004を通過することができる大きさに作られている(例えば、そのような直径を有する)。第2の開孔1020は、突出部1002が開口部1004を通過するのを防止する大きさに作られている(そのような直径又は面積を有する)。したがって、第1の開孔1018は、第1のロッド404aの第1の直径1010及び突出部1002の第2の直径1012よりも大きい第1の面積(例えば直径)を有する。さらに、第2の開孔1020は、突出部の第2の直径1012よりも小さく、第1のロッド404aの第1の直径1010よりも大きい第2の面積(例えば直径)を有する。第2の開孔1020により、第1のロッド404aが、第1のトラック402aの長手方向軸416に対して非平行(例えば、それに直角又は垂直)な方向608に、第1のトラック402aに対して移動することが可能になる。
【0036】
動作中、第1のトラック402aの開口部418(
図4及び
図5)は、突出部1002が第1のトラック402aの開口部418を出るまで、第1のロッド404aを第1の開孔1018と実質的に整列(例えば同軸整列)した状態に維持又は案内する。突出部1002が第1の開孔1018を介して第1のトラック402aの開口部418を出るとき、第1のロッド404aの端部1022が方向608に移動し、第2の開孔1020に入ってロック位置600に至る。例えば、重力により、突出部1002が第1のトラック402aを出るとき、第1のロッド404aの端部1022は第2の開孔1020に自動的に入ることができる。ロック位置600において、ストッパ1014(例えば、突出部1002の平坦面又は端部)は、第1のトラック402aの外面1024に係合して、第1のトラック402aの長手方向軸416に沿った収納位置230への第1のロッド404aの移動を防止するための干渉を与える。第1のトラック402aは、突出部1002のストッパ(例えば端部)が第2の開孔1020に隣接する第1のトラック402aの外面1024と直接係合するときに、収納位置230への第1のロッド404aの移動を防止する。
【0037】
図11Aは、ロック420がロック解除位置510に示されている第1のレールアセンブリ419の断面側面図である。
図11Bは、ロック420がロック位置600にある状態で示されている第1のレールアセンブリ419の断面側面図である。ロック420は、2次バリア200が展開位置304にあるときに、第1のトラック402aの長手方向軸416に対して平行な方向602への2次バリア200の移動を防止する。動作中に、第1のロッド404aは、第1のロッド404aの長手方向軸414が第1のトラック402aの長手方向軸416に対して実質的に平行及び/又は実質的に整列している(例えば、正確に同軸整列又はほぼ同軸整列している)ときに、展開位置304から収納位置230への2次バリア200の移動を可能にすることになる。第1のロッド404aは、第1のロッド404aの長手方向軸414が第1のトラック402aの長手方向軸416に対して実質的に平行でない(例えば、非平行であるか、又は1度から5度までの間よりも大きい角度である)ときに、展開位置304から収納位置230への2次バリア200の移動を防止することになる。第1のロッド404aの突出部1002が第1のトラック402aの開口部1004を出るとき、第1のロッド404aは、ロック420をロック解除位置510からロック位置600に移動させるために、第1のトラック402aの長手方向軸416に対して非平行な方向608に(例えば、
図11Bの向きにおいて下向きの方向に)(例えば、重力を介して自動的に)移動する。例えば、第1のロッド404aの端部1022は、開口部1004の第1の開孔1018から第2の開孔1020に移動する(
図10A及び
図10B)。ロック位置600において、突出部1002のストッパ1014は第1のトラック402aの外面1024に係合して(例えば、直接係合して)第1のトラック402aに対する第1のロッド404aの移動を防止する。
【0038】
ロック420をロック解除位置510に移動させ、2次バリア200を収納位置230に移動させるために、第1のロッド404aは、第1のトラック402aの長手方向軸416に対して方向608(例えば非平行又は直角)に移動させられる。具体的には、第1のロッド404aの端部1022は、第1のロッド404aの長手方向軸414と第1のトラック402aの長手方向軸416とを整列させる(例えば同軸整列させる)ために、
図11A及び
図11Bの向きにおいて上向きに移動させられる。言い換えれば、第1のロッド404aは、開口部1004の第1の開孔1018と整合するように位置変更される。いくつかの例では、ロック420をロック位置600からロック解除位置510に移動させるために、ユーザ(例えば、パイロット、許可された人員)が第1のロッド404aを方向608に手動で移動させることができる。
【0039】
いくつかの例では、ロック420は、コントローラーと、2次バリア200をトランスミッション又はギアトレインを介して方向602(例えば横方向)に移動させ、及び/又は第1のロッド404aをロック位置600とロック解除位置510との間で方向608に移動させることができる、ロック420に動作可能に結合されたモーター(例えばアクチュエータ)とを含む制御システムを介して、ロック位置600とロック解除位置510との間で動作し(例えば、それらの間に配置され)得る。いくつかの例では、制御システムは、1次バリア224が閉位置226にあるときに、2次バリア200を収納位置230に自動的に移動させることができる。いくつかの例では、制御システムは、1次バリア224が開位置302に移動するときに、2次バリア200を展開位置304に自動的に移動させることができる。いくつかの例では、ロック420は、1次バリア224(
図2)が開位置302にあるときに、2次バリア200を展開位置304に維持又はロックし、収納位置230への2次バリア200の不正な移動を防止することができるアクチュエータ(例えば油圧又は空気圧アクチュエータ)であり得る。そのような例では、ロック420は設けられていない。さらに、図示の例の第1のロッド404aは、ロック420をロック解除位置510とロック位置600との間で移動させるために、端部1022を方向608(例えば垂直方向)に移動させるように枢動することができるが、第1のロッド404aは、ロック420が分散するように他のロッド404に対して実質的に直線状のプロファイルを維持する。したがって、許可された人員のみが、2次バリア200のロッド404のうちのどれがロック420を含むかを知らされることになる。いくつかの例では、2つ以上のロッド404がロック420を含むことがある。いくつかの例では、ロック位置600からロック解除位置510へのロック420の移動を可能にするために、(例えば、キーパッドを介した暗証番号、顔認識などの)ユーザ入力が行われ得る。
【0040】
図12Aは、
図1の航空機100の第2のモニュメント220の斜視図である。
図12Bは
図12Aの平面図である。具体的には、第2のモニュメント220の第2の壁802上にリテーナ1200が設けられる。例えば、リテーナ1200は、1つ又は複数の締め具、溶接などを介して第2のモニュメント220のフレームに締結されるか、又は取り付けられる。図示の例のリテーナ1200は、パネル406と整合して、パネル406、したがって2次バリア200を展開位置304に保持するためのものである。さらに、リテーナ1200は、前後方向1202(例えば、
図2の1次バリア224に向かう水平方向)における2次バリア200の移動を防止又は制限する。例えば、前後方向1202は、
図6の方向602(例えば横方向)及び方向608(例えば垂直方向)に対して実質的に直角(例えば、完全に直角、又は完全直角から1度以内)である。さらに、図示の例のリテーナ1200は、リテーナ1200が2次バリア200を展開位置304に保持するときに、収納位置230への2次バリア200の移動を制限する。いくつかの例では、リテーナ1200及びパネル406はロック境界面1204を設ける。例えば、ロック境界面1204は、ロックの掛け金(例えば南京錠)を受け入れるために、リテーナ1200の一部分1208及びパネル406の縁1210を通して形成された開孔1206を含むことができる。いくつかのそのような例では、ロック境界面1204は省略される。図示の例のリテーナ1200は、基部1212と、パネル406を受け入れる空隙部1216を画定するために基部1212から突出する側壁1214とを含む。
【0041】
図13は、本明細書で開示する別の例示的な2次バリア1300(例えばゲート)が実装されている航空機1302の航空機客室1301の一部分の平面図である。図示の例では、2次バリア1300はバリアモジュール1304(例えば、単一のユニット又はアセンブリ)である。いくつかの例では、バリアモジュール1304は現場で航空機に後付けされ得る。図示の例の2次バリア1300は、航空機1302のモニュメント1308(例えば、第1のモニュメント218、壁など)に結合する(例えば取り付けられる)ハウジング1306を含む。したがって、図示の例の2次バリア1300は、ハウジング1306を航空機客室1301の第1の壁1309に取り付けることによって航空機中に設置され得る内蔵型のユニット又はアセンブリである。2次バリア1300は、1次バリアが開位置302にあり、2次バリア1300が展開位置1310にあるときに、通路222を介した1次バリア224への立入りを防止する。展開位置1310において、2次バリア1300は、ハウジング1306から通路222を横切って延伸し、第2のモニュメント1314の第2の壁1312に係合する。
【0042】
図14Aは、例示的な収納位置1402に示されている2次バリア1300の斜視図である。
図14Bは、例示的な展開位置1310に示されている2次バリア1300の斜視図である。
図14A及び
図14Bを参照すると、2次バリア1300は、複数のトラック1404と、(例えば、ゲートを画定する)複数のロッド1406とを含む。図示の例のトラック1404はハウジング1306内に配置される。具体的には、図示の例のトラック1404は、第1の側縁部1408と、第1の側縁部1408の反対側の第2の側縁部1410との間のハウジング1306中に形成されたスロット又は開口部である。ロッド1406の各々がトラック1404の各々に摺動可能に結合する。ロッド1406のそれぞれの端部にパネル1412が結合される。パネル1412により、収納位置1402と展開位置1310との間のトラック1404に対するロッド1406の移動が可能になる。収納位置1402にあるロッド1406は、(例えば、ロッド1406が航空機1302の乗客領域内の乗客に見えないように)その全体が(例えば完全に)ハウジング1306内に配置される。展開位置にあるロッド1406はハウジング1306から外部に延伸する。パネル1412はハウジング1306の延長部であり、パネル1412が収納位置1402にあるときにハウジング1306の外壁1416を画定する。いくつかの例では、2次バリア1300は、パネル1412が展開位置1310にあり、ロックがロック状態にあるときに、ハウジング1306に対するパネル1412の移動を防止するためのロック(例えばロック420)を含む。ロックは、第1のロッド1406aと第1のトラック1404aとの間に形成される鍵境界面(例えば、
図4の鍵境界面又はロック420)によって設けられ得る。いくつかの例では、2次バリア1300の動作は、2次バリア1300に動作可能に結合された制御システムによって制御され得る。
【0043】
図15は、航空機内に2次バリアを形成又は設置するための方法を表すフローチャートである。説明する設置プロセスは、航空機の製造中に、又は現場で既存の航空機を改良中に実行され得る。本方法は、ブロック1502において、複数のトラック402を、ハウジング1306又は航空機100、1302の航空機客室201、1301内に位置するモニュメント(例えば第1のモニュメント218)のうちの少なくとも一方の空隙部を画定する表面に取り付けることによって開始する。いくつかの例では、空隙部は航空機100の第1のモニュメント218中に形成される。いくつかの例では、トラック402の各々を受け入れるために、第1のモニュメント218(例えば第1の壁700)中に複数のスロット又は開口部1004が形成される。トラック402は、締め具、ブラケット、溶接、化学的締結、及び/又は任意の他の締め具を介して取り付けられ得る。いくつかの例では、トラック1404はハウジング1306又は第1のモニュメント218のうちの少なくとも一方と一体的に形成され得る。トラック402、1404を設置した後、複数のロッド404、1406をトラック402、1404のうちの対応するトラックに摺動可能に結合する(ブロック1504)。次いで、パネル406、1412をロッド404、1406のそれぞれの端部に結合する(ブロック1506)。いくつかの例では、2次バリア200、1300が収納位置230、1402にあるときに、パネル406、1412をハウジング1306又は第1のモニュメント218のうちの少なくとも一方と面一に取り付けることを可能にするために、凹所又はスロット502がハウジング1306又は第1のモニュメント218中に形成される。いくつかの例では、第1のモニュメント218の向かい側の客室201の第2のモニュメント220の第2の壁802にリテーナ1200が取り付けられる。
【0044】
上記で開示した各例示的な2次バリア200及び1300は特定の形態を有するが、一例の特定の形態がもっぱらその例とともに使用される必要はないことを理解されたい。代わりに、それらの例の他の形態のいずれかに加えて、又はその代わりに、上記で説明した、及び/又は図面に示されている形態のいずれかをその例のいずれかと組み合わせることができる。一例の形態は別の例の形態と相互に排他的ではない。代わりに、本開示の範囲は、形態のいずれかの任意の組合せを包含する。いくつかの例では、2次バリア200は2次バリア1300とともに使用され得る。いくつかの例では、(例えば、リテーナ1200、ロック420などの)2次バリア200の部品のうちの1つ又は複数は2次バリア1300とともに使用され得る。
【0045】
「含む(including)」及び「備える(comprising)」(並びにそれらのすべての語形及び時制)は、本明細書ではオープンエンドな用語であるように使用される。したがって、請求項で「含む(include)」又は「備える(comprise)」の任意の語形(例えば、comprises、includes、comprising、including、havingなど)を前提部分として、又は任意の種類の請求項記載中で用いるときはいつでも、対応する請求項又は記載の範囲から外れることなしに追加の要素、用語などが存在し得ることを理解されたい。本明細書で使用する際、「少なくとも(at least)」という語句が、例えば請求項の前提部分で移行用語として使用されるとき、これは、「備える(comprising)」及び「含む(including)」という用語がオープンエンドであるのと同様にオープンエンドである。例えば、A、B及び/又はCなどの形態で使用されるときの「及び/又は」という用語は、(1)A単独、(2)B単独、(3)C単独、(4)AとB、(5)AとC、(6)BとC、並びに(7)AとB及びC、などのA、B、Cの任意の組合せ又はサブセットを指す。本明細書で使用する際、構造、構成要素、項目、物体及び/又は物について説明する文脈中で、「A及びBのうちの少なくとも1つ」という語句は、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、並びに(3)Aのうちの少なくとも1つ及びBのうちの少なくとも1つ、のいずれかを含む実施形態を指すものとする。同様に、本明細書で使用する際、構造、構成要素、項目、物体及び/又は物について説明する文脈中で、「A又はBのうちの少なくとも1つ」という語句は、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、並びに(3)少なくとも1つのA及び少なくとも1つのB、のいずれかを含む実施形態を指すものとする。本明細書で使用する際、プロセス、命令、動作、活動及び/又はステップの遂行又は実行について説明する文脈中で、「A及びBのうちの少なくとも1つ」という語句は、(1)少なくともA、(2)少なくともB、並びに(3)少なくともA及び少なくともB、のいずれかを含む実施形態を指すものとする。同様に、本明細書で使用する際、プロセス、命令、動作、活動及び/又はステップの遂行又は実行について説明する文脈中で、「A又はBのうちの少なくとも1つ」という語句は、(1)少なくともA、(2)少なくともB、並びに(3)少なくともA及び少なくともB、のいずれかを含む実施形態を指すものとする。
【0046】
上記から、開示した2次バリアは、航空機の重量を低減することによって航空機の効率を向上させながら航空機の安全性を向上させることが理解されよう。さらに、本明細書に開示した例示的な2次バリアは、2次バリアが収納位置又は開位置にあるときに見えないゲート又はドアのような格納式構造を設けることによって航空機の美観を改善する。従来の2次バリアとは異なり、本明細書で開示した2次バリアは、2次バリアが非使用位置(例えば、開位置又は収納位置)にあるときに見えるフレームを含まない。
【0047】
実施例1は、航空機の客室内の第1のモニュメントに取り付けるための複数のトラックと複数のロッドとを含む2次バリアであり、ロッドの各々はトラックの各々に摺動可能に係合する。2次バリアは、ロッドのそれぞれの端部に結合されたパネルを含む。ロッドは収納位置と展開位置との間でトラックに対して移動する。展開位置にあるパネルは、第1のモニュメントの向かい側の客室内の第2のモニュメントと整合することになる。ロッドは、2次バリアが展開位置にあるときに、第1のモニュメントと第2のモニュメントとの間に延伸することになる。
【0048】
実施例2は実施例1の主題を含み、パネルは、2次バリアが収納位置にあるときに、第1のモニュメントの外面を画定することになる。
【0049】
実施例3は実施例1及び2のうちのいずれか1つの主題を含み、ロッドは、2次バリアが収納位置にあるときに、第1のモニュメントの内側に配置されることになる。
【0050】
実施例4は実施例1~3のうちのいずれか1つの主題を含み、トラックは、第1のモニュメントの空隙部を画定する表面に固定される。
【0051】
実施例5は実施例1~4のうちのいずれか1つの主題を含み、パネルは、第1のモニュメントと第2のモニュメントとの間で移動可能な金属製の帯状覆いである。
【0052】
実施例6は実施例1~5のうちのいずれか1つの主題を含み、第2のモニュメントに結合するためのリテーナをさらに含み、リテーナは、パネルと整合してパネルを展開位置に保持する。
【0053】
実施例7は実施例1~6のうちのいずれか1つの主題を含み、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能なロックをさらに含み、ロックは、ロックがロック位置にあるときに、展開位置から収納位置への2次バリアの移動を防止する。
【0054】
実施例8は実施例1~7のうちのいずれか1つの主題を含み、ロックは、ロッドのうちの第1のロッドと、第1のロッドに関連付けられたトラックのうちの第1のトラックとによって画定される鍵付き境界面によって形成される。
【0055】
実施例9は実施例1~8のうちのいずれか1つの主題を含み、鍵付き境界面は、第1のロッド上に形成された突出部と、第1のトラック中に形成された開口部とを含む。
【0056】
実施例10は実施例1~9のうちのいずれか1つの主題を含み、突出部は、ロックがロック位置にあるときに第1のトラックに係合するためのストッパを画定する環状体である。
【0057】
実施例11は実施例1~10のうちのいずれか1つの主題を含み、開口部は第1の開孔と第2の開孔とを含み、第1の開孔は、突出部が開口部を通ることを可能にし、第2の開孔は、第1のロッドが、第1のトラックの長手方向軸に対して非平行な方向に第1のトラックに対して移動することを可能にする。
【0058】
実施例12は実施例1~11のうちのいずれか1つの主題を含み、第1のトラックは、突出部のストッパが第2の開孔に隣接する第1のトラックの外面と直接係合するときに、収納位置への第1のロッドの移動を防止する。
【0059】
実施例13は実施例1~12のうちのいずれか1つの主題を含み、第1の開孔及び第2の開孔は鍵穴形状を成す。
【0060】
実施例14は、航空機客室の第1の壁に摺動可能に結合されるゲートを含む2次バリアである。ゲートは展開位置と収納位置との間で移動可能である。ゲートは複数のレールとパネルとを含む。レールは、ゲートが収納位置にあるときに、航空機客室の第1の壁の内側に配置される。第2の壁にリテーナが結合することになる。パネルは、ゲートが展開位置にあるときに、リテーナと整合することになる。リテーナは、レールの長手方向軸に対して非平行な方向へのゲートの移動を制限するためのものである。
【0061】
実施例15は実施例14の主題を含み、ゲートが展開位置にあるときに、長手方向軸に対して平行な方向へのゲートの移動を防止するためのロックをさらに含む。
【0062】
実施例16は実施例14~15のうちのいずれか1つの主題を含み、ロックはレールのうちの1つと一体的に形成される。
【0063】
実施例17は実施例14~16のうちのいずれか1つの主題を含み、レールは複数のトラックと複数のロッドとを含み、ロックは、トラックのうちの第1のトラックとロッドのうちの第1のロッドとの間の境界面によって形成される。
【0064】
実施例18は実施例14~17のうちのいずれか1つの主題を含み、第1のロッドは、第1のロッドの第1の長手方向軸が第1のトラックの第1の長手方向軸に対して実質的に平行であるときに、展開位置から収納位置へのゲートの移動を可能にすることになり、第1のロッドは、第1のロッドの第1の長手方向軸が第1のトラックの第1の長手方向軸に対して実質的に平行でないときに、展開位置から収納位置へのゲートの移動を防止することになる。
【0065】
実施例19は、複数のトラックを、ハウジング又は航空機客室の第1のモニュメントのうちの少なくとも一方の空隙部を画定する表面に取り付けるステップと、複数のロッドをトラックのうちの対応するトラックに摺動可能に結合するステップと、パネルをロッドのそれぞれの端部に結合するステップとを含む、方法である。
【0066】
実施例20は実施例19の主題を含み、リテーナを、第1のモニュメントの向かい側の航空機客室の第2のモニュメントの表面に取り付けるステップをさらに含む。
【0067】
実施例21はハウジングを含む2次バリアである。複数のトラックがハウジング内に配置され、複数のロッドであってロッドの各々はトラックの各々に摺動可能に結合する。ロッドのそれぞれの端部にパネルが結合される。パネルはロッドを収納位置と展開位置との間で移動させるためのものである。収納位置にあるロッドはその全体がハウジング内に配置されることになる。展開位置にあるロッドはハウジングから外部に延伸することになる。パネルは、パネルが収納位置にあるときに、ハウジングの外壁を形成することになる。
【0068】
実施例22は実施例21の主題を含み、ロッドのうちの第1のロッドとトラックのうちの第1のトラックとの間に形成された鍵境界面によって設けられるロックをさらに含み、ロックは、パネルが展開位置にあり、ロックがロック位置にあるときに、ハウジングに対するパネルの移動を防止する。
【0069】
いくつかの例示的な方法、装置、及び製品について本明細書で説明したが、本特許の対象範囲はそれらに限定されない。むしろ、本特許は、文字どおり、又は均等論の下で、添付の特許請求の範囲内に正当に入るすべての方法、装置、及び製品を包含する。
【符号の説明】
【0070】
100 航空機
102 第1の航空機翼
104 第2の航空機翼
106 機体
110 第1の航空機エンジン
112 第2の航空機エンジン
200 2次バリア
200 ゲート
201 航空機客室
202 乗客領域
204 フライトデッキ
206 乗務員領域
208 調理室
210 クローゼット
212 第1のトイレ
214 第2のトイレ
216 モニュメント
218 第1のモニュメント
220 第2のモニュメント
222 通路
224 1次バリア
226 閉位置
228 フライト・デッキ・ドア
230 収納位置
232 1次確保領域
300 ゲート
302 開位置
304 展開位置
306 2次確保領域
400 ゲート
401 レールアセンブリ
402 トラック
402a 第1のトラック
404 ロッド
404a 第1のロッド
406 パネル
408 内部空隙部
410 内面
412 端部
414 長手方向軸
414a 第1の長手方向軸
416 長手方向軸
416a 第1の長手方向軸
418 開口部
419 第1のレールアセンブリ
420 ロック
422 第2のレールアセンブリ
502 スロット
504 外面
506 外面
508 ハンドル
510 ロック解除位置
600 ロック位置
602 方向
604 ピボット
606 長手方向軸
608 垂直方向
608 方向
700 第1の壁
702 境界面
802 第2の壁
802 表面
1000 鍵付き境界面
1002 突出部
1004 開口部
1006 胴部
1006 環状体
1008 外面
1010 第1の直径
1012 第2の直径
1014 ストッパ
1016 テーパ部
1018 第1の開孔
1020 第2の開孔
1022 端部
1024 外面
1200 リテーナ
1202 方向
1204 ロック境界面
1206 開孔
1208 一部分
1210 縁
1212 基部
1214 側壁
1216 空隙部
1300 2次バリア
1301 航空機客室
1302 航空機
1304 バリアモジュール
1306 ハウジング
1308 モニュメント
1309 第1の壁
1310 展開位置
1312 第2の壁
1312 表面
1314 第2のモニュメント
1402 収納位置
1404 トラック
1404a 第1のトラック
1406 ロッド
1406a 第1のロッド
1408 第1の側縁部
1410 第2の側縁部
1412 パネル
1416 外壁
【外国語明細書】