IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビー.ブラウン メルズンゲン アーゲーの特許一覧

特開2023-172921末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット
<>
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図1
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図2
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図3
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図4
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図5
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図6
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図7
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図8
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図9
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図10
  • 特開-末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172921
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセット
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
A61M25/06 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023082549
(22)【出願日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】10 2022 205 129.7
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508240177
【氏名又は名称】ビー.ブラウン メルズンゲン アーゲー
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AG
【住所又は居所原語表記】Carl-Braun-Str. 1, 34212 Melsungen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイリス ブルム
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ ウェイス
(72)【発明者】
【氏名】ニッキー ボウド
(72)【発明者】
【氏名】ジャクリーン フェルメデン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA14
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB45
(57)【要約】      (修正有)
【課題】末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセットを提供する。
【解決手段】キャピラリ管101とキャピラリ管の近位端に接合されるキャピラリ取付部102と、を有するキャピラリ100と、キャピラリ管に挿入されている又は挿入可能であるカニューレ管201と、カニューレ管の近位端に接合され、キャピラリ取付部に解放可能に接続されているまたは接続可能であるカニューレ取付部202と、を有するカニューレ200と、キャピラリ管を通して遠位方向に前進可能なカテーテルホース300と、カテーテルホースの近位端に締結するために構成されているカテーテルカップリング400と、ホースと、ホースの遠位端に接合され、キャピラリに接続可能である少なくとも1つの流体コネクタ502とを備える流体導入ライン500と、を備えるカテーテルセット。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置(10、20、30)を形成するためのカテーテルセット(1)であって、
キャピラリ管(101)と、前記キャピラリ管(101)の近位端(103)に接合されるキャピラリ取付部(102)と、を有するキャピラリ(100)と、
前記キャピラリ管(101)に挿入されている又は挿入可能であるカニューレ管(201)と、前記カニューレ管(201)の近位端(203)に接合され、前記キャピラリ取付部(102)に解放可能に接続されているまたは接続可能であるカニューレ取付部(202)と、を有するカニューレ(200)と、
前記キャピラリ管(101)を通して遠位方向に前進可能なカテーテルホース(300)と、
前記カテーテルホース(300)の近位端(301)に締結するために構成されているカテーテルカップリング(400)と、
ホース(501)と、前記ホース(501)の遠位端(504)に接合され、前記キャピラリ取付部(102)に解放可能に接続可能である少なくとも1つの流体コネクタ(502)と、を備える流体導入ライン(500)と、を備え、
前記カテーテルセット(1)は、少なくとも、第1カテーテル配置(10)と、第2カテーテル配置(20)と、を選択的に形成するように構成されており、
前記第1カテーテル配置(10)は、前記カテーテルホース(300)と、前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結された前記カテーテルカップリング(400)と、を備え、前記カテーテルホース(300)を介して麻酔薬を分注するように構成され、
前記第2カテーテル配置(20)は、前記キャピラリ(100)と、前記流体コネクタ(502)によって前記キャピラリ取付部(102)に接続される前記流体導入ライン(500)と、を備え、前記キャピラリ管(101)を介して麻酔薬を分注するように構成される、カテーテルセット(1)。
【請求項2】
前記キャピラリ取付部(102)に締結可能であり、前記キャピラリ管(101)に挿入可能な前記カテーテルホース(300)を前記キャピラリ(100)に軸方向に固定するように構成されている固定部材(600)をさらに備え、
前記カテーテルセット(1)は、第3カテーテル配置(30)を選択的に形成するように構成され、前記第3カテーテル配置(30)は、前記キャピラリ(100)と、前記カテーテルホース(300)と、前記固定部材(600)と、前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結された前記カテーテルカップリング(400)と、を備え、
前記固定部材(600)は前記キャピラリ取付部(102)に締結され、
麻酔薬を分注するための前記カテーテルホース(300)は、前記キャピラリ管(101)を通して遠位方向に前進させられ、
前記固定部材(600)によって前記キャピラリ(100)に対して軸方向に固定される、請求項1に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項3】
前記キャピラリ管(101)が可撓性を有するように設計されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項4】
前記キャピラリ管(101)がポリウレタン(PU)から製造されることを特徴とする、請求項3に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項5】
前記カテーテルホース(300)は、抜き取り可能なマンドレル(305)を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項6】
超音波ベースの位置特定のために構成された複数のセンサ(106、206、306)が存在し、前記複数のセンサ(106、206、306)は、前記カテーテルセット(1)の異なるコンポーネントに取り付けられていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項7】
第1センサ(106)が前記キャピラリ管(101)の遠位端に組み込まれており、および/または第2センサ(206)が前記カニューレ管(201)の遠位端(204)に組み込まれており、および/または第3センサ(306)が前記カテーテルホース(300)の遠位端(302)に組み込まれていることを特徴とする、請求項6に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項8】
前記固定部材(600)は、作動要素(601)と柔軟なクランプ要素(602)とを有し、
前記クランプ要素(602)は、前記キャピラリ取付部(102)の受容凹部(107)内に受容可能又は受容され、受容状態において、ルーメン(603)を有し、前記ルーメン(603)は前記キャピラリ管(101)と同軸方向に配向され、その中に前記カテーテルホース(300)を遠位に挿入可能であり、
前記作動要素(601)は、前記キャピラリ取付部(102)に対して可動であるような方法で前記キャピラリ取付部(102)に取り付け可能または取り付けられており、前記クランプ要素(602)に力伝達および/または移動伝達の方法で動作可能に接続されており、
前記クランプ要素(602)は、前記作動要素(601)の移動によって、
前記ルーメン(603)が半径方向に狭められ、摩擦係合によって前記カテーテルホース(300)の軸方向可動性が固定されるクランプ構成と、
前記摩擦係合が解除されて前記カテーテルホース(300)の前記軸方向可動性が有効化される有効化構成と、の間で弾性的に変形可能であることを特徴とする、請求項2から7のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項9】
第1カテーテル配置(10)を形成するための方法(V1)であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)を提供するステップ(11)と、
前記カニューレ(200)を取り除くステップ(12)であって、前記カニューレ取付部(202)が前記キャピラリ取付部(102)から解放され、前記キャピラリ管(101)内で前進した前記カニューレ管(201)が前記キャピラリ管(101)から近位方向に抜き取られる、前記カニューレ(200)を取り除くステップ(12)と、
前記カテーテルホース(300)を装着するステップ(13)であって、前記カテーテルホース(300)の前記遠位端(302)が前記キャピラリ取付部(102)に挿入され、前記キャピラリ管(101)に沿って遠位方向に前進させられる、前記装着するステップ(13)と、
前記キャピラリ(100)を取り除くステップ(14)であって、前記キャピラリ管(101)が前記カテーテルホース(300)から近位方向に引き出される、前記キャピラリ(100)を取り除くステップ(14)と、
前記カテーテルカップリング(400)を前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結するステップ(15)と、を有する、方法(V1)。
【請求項10】
第2カテーテル配置(20)を形成するための方法(V2)であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)を提供するステップ(21)と、
前記カニューレ(200)を取り除くステップ(22)であって、前記カニューレ取付部(202)が前記キャピラリ取付部(102)から解放され、前記キャピラリ管(101)内で前進した前記カニューレ管(201)は前記キャピラリ管(101)から近位方向に抜き取られる、前記取り除くステップ(22)と、
前記流体導入ライン(500)を装着するステップ(23)であって、前記流体導入ライン(500)の前記流体コネクタ(502)は前記キャピラリ取付部(102)に接続される、前記装着するステップ(23)と、を有する、方法(V2)。
【請求項11】
第3のカテーテル配置(30)を形成するための方法(V3)であって、
請求項2から8のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)を提供するステップ(31)と、
前記カニューレ(200)を取り除くステップ(32)であって、前記カニューレ取付部(202)は前記キャピラリ取付部(102)から解放され、前記キャピラリ管(101)内で前進した前記カニューレ管(201)は前記キャピラリ管(101)から近位方向に抜き取られる、前記取り除くステップ(32)と、
前記固定部材(600)を前記キャピラリ(100)に装着するステップ(33)であって、前記固定部材(600)が前記キャピラリ取付部(102)に締結される、前記固定部材(600)を装着するステップ(33)と、
前記カテーテルホース(300)を装着するステップ(34)であって、前記カテーテルホース(300)の前記遠位端(302)が前記キャピラリ取付部(102)に挿入されて前記キャピラリ管(101)に沿って遠位方向に前進させられる、前記カテーテルホース(300)を装着するステップ(34)と、
前記カテーテルホース(300)を位置決めするステップ(35)であって、前記カテーテルホース(300)の前記遠位端(302)が前記キャピラリ管(101)の遠位端(104)に対して所望の位置まで前進させられる、前記位置決めするステップ(35)と、
前記カテーテルホース(300)を固定するステップ(36)であって、前記固定部材(600)が作動され、前記カテーテルホース(300)は前記固定部材(600)の作用下で前記キャピラリ(100)に対して軸方向に固定される、前記固定するステップ(36)と、
前記カテーテルカップリング(400)を前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結する(37)ステップと、を有する、方法(V3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置を形成するためのカテーテルセットに関する。
【背景技術】
【0002】
末梢局所麻酔では、個々の神経に沿った痛みのインパルスの伝導を、標的を定めて遮断する。これは、神経遮断または神経ブロックとも呼ばれる。当該遮断は、標的の神経に直接近接して麻酔薬を投与することによって行われる。
【0003】
末梢局所麻酔のためのカテーテル配置は以前から知られており、カテーテルセットを用いて患者に装着される。カテーテルを装着するための様々な手順が知られている。これらの異なる手順は、カテーテル留置方式とも呼ばれ、特定の状況に応じて、または麻酔科医の好みに応じて使用される。既知のカテーテル留置方式は、例えば、「Braunuele方式」、「カテーテルスルーニードル方式」及び「カテーテルオーバーニードル方式」等がある。
【0004】
様々なカテーテル留置方式のための様々なカテーテルセットが知られている。既知のカテーテルセットは、それぞれ、例えば、カニューレ、キャピラリ、流体導入ライン等、多数の部品で構成されている。本出願人は、前述のさまざまなカテーテル留置方式に関して、Contiplex(登録商標) D、Contiplex(登録商標) S、Contiplex(登録商標) Tuohy、Contiplex(登録商標) Cの名称でカテーテルセットを提供している。既知のカテーテルセットの構成部品は、その物理的および機能的特徴において、ある特定のカテーテル留置方式に合わせて特別に調整されている。カテーテルセットの各々は、指定のカテーテル留置方式のために構成されており、したがって特定のカテーテル配置を成すために構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、先行技術に対して利点をもたらす前述のタイプのカテーテルセットを利用可能にすることである。
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有するカテーテルセットの提供によって達成される。有利な実施形態は、従属請求項の内容である。それらの文言は、本明細書の一部として参照により組み込まれる。
【0007】
本発明によるカテーテルセットは、キャピラリ、カニューレ、カテーテルホース、カテーテルカップリングおよび流体導入ラインを有する。カテーテルセットの前述の構成要素は、第1カテーテル配置と第2カテーテル配置を選択的に形成するために使用することができる。第1カテーテル配置は、第1カテーテル留置方式に割り当てられる。第2カテーテル配置は、異なる、第2カテーテル留置方式に割り当てられる。このようにして、本発明によるカテーテルセットは、特に多目的で簡素化された使用を可能にする。本発明によるカテーテルセットを使用すると、麻酔科医は、状況に応じて、および/または好みに応じて、どのカテーテル留置方式を使用するかを短時間で決定することが可能である。また、本発明によるカテーテルセットは、製造、物流、保管の簡略化を可能にする。2つの異なるカテーテル配置を可能にするために、これまでは、2つの異なるカテーテルセットが製造され、注文され、エンドユーザによって在庫として保管される必要があった。本発明によるカテーテルセットでは、この点で問題が簡素化され、コスト削減が可能となる。キャピラリは、キャピラリ管と、キャピラリ取付部とを有する。キャピラリ取付部は、キャピラリ管の近位端に接合される。この目的に適した接合方法は、当業者に知られている。カニューレは、カニューレ管と、カニューレ取付部とを有する。カニューレ取付部は、カニューレ管の近位端に接合される。この目的に適した接合方法は、当業者に知られている。カテーテルセットの一実施形態では、送達状態にあるカニューレ管が、キャピラリ取付部を通してキャピラリ管に押し込まれ、カニューレ取付部とキャピラリ取付部とは、互いに解放可能に接続されている。これは、例えば、形状適合(form-fit)及び/又は圧力ばめ(force-fit)の接続によってである。キャピラリ取付部とカニューレ取付部は、このような点で互いに適合している。カニューレは、特に、患者を穿刺するために役立つ。穿刺は、カニューレがキャピラリと一緒に接合された状態で行われ、カニューレ管は、カニューレ管に支持されたキャピラリ管と共に、患者の身体組織内に前進させられるようになっている。さらなる実施形態では、送達状態にあるカニューレは、キャピラリから空間的に分離されている。この場合、カニューレ管は、キャピラリ取付部を介してキャピラリ管内に押し込まれることができる。この場合、カニューレ取付部とキャピラリ取付部とは、互いに解放可能に接続可能である。キャピラリ管とカニューレ管とは、寸法が互いに適合している。特に、カニューレ管の外径は、キャピラリ管の内径より小さい。好ましくは、カニューレ管の軸方向の長さは、キャピラリ管の軸方向の長さよりも長い。カテーテルホースは、キャピラリ管内を遠位方向に進むことができる。この目的のために、遠位ホース端は、キャピラリ取付部を通してキャピラリ管に導入され、キャピラリ管に沿って遠位に前進させられる。カテーテルホースとキャピラリ管は、寸法が互いに適合している。特に、カテーテルホースの外径は、キャピラリ管の内径よりも小さくなっている。カテーテルカップリングは、カテーテルホースの近位端に固定されるように構成されている。カテーテルカップリングは、当業者には原理的に知られており、カテーテルホースをさらなる流体搬送部品に流体的に接続するためのものである。この目的に適したカテーテルカップリングは、本出願人によってPerifix(登録商標)の名で販売されている。流体導入ラインは、ホースと、少なくとも1つの流体コネクタとを有する。少なくとも1つの流体コネクタは、ホースの遠位端で接合され、キャピラリ取付部に解放可能に接続可能である。流体導入ラインは、延長ラインとして指定することもできる。好ましくは、流体導入ラインは、さらなる流体コネクタを有し、この流体コネクタは、ホースの近位端に接合される。
【0008】
第1カテーテル配置は、カテーテルホースと、カテーテルホースの近位端に締結されたカテーテルカップリングとを有する。好ましくは、第1カテーテル配置は、カテーテルホースと、後者に締結されたカテーテルカップリングとから構成される。本発明による第1カテーテル配置を使用すると、麻酔薬がカテーテルホースを介して分注される。第2カテーテル配置は、キャピラリと流体導入ラインとを有する。後者は、流体コネクタによってキャピラリ取付部に接続される。好ましくは、第2カテーテル配置は、キャピラリと流体導入ラインとで構成される。第2カテーテル配置を用いると、麻酔薬はキャピラリ管を介して分注される。キャピラリ管への導入は、流体導入ラインによって行われる。第1カテーテル配置を形成するために、カテーテルセットの構成要素は以下のように使用することができる。最初のステップでは、キャピラリとともにカニューレを体内組織に押し込む。更なるステップでは、カニューレを取り除く。このために、カニューレ取付部をキャピラリ取付部から離し、キャピラリ管内に位置するカニューレ管が近位方向に引き抜かれる。さらなるステップでは、カテーテルホースが装着される。このために、その遠位端は、キャピラリ取付部を通してキャピラリ管に導入され、遠位方向に前進させられる。さらなるステップでは、キャピラリを取り除く。そのためには、キャピラリ管をキャピラリ取付部とともにカテーテルホースから近位側に引き離す。さらに、カテーテルカップリングがカテーテルホースの近位端に締結される。第2カテーテル配置を形成するために、カテーテルセットの構成要素は以下のように使用することができる。第1ステップでは、キャピラリとともにカニューレを患者の体内組織に押し込む。さらなるステップでは、カニューレを取り除く。この関連で、既に述べたことが参照される。更なるステップでは、流体導入ラインをキャピラリに装着する。そのために、流体コネクタをキャピラリ取付部に接続する。
【0009】
本発明の一実施形態では、カテーテルセットは、固定部材を有する。固定部材は、キャピラリ取付部に締結可能であり、キャピラリに挿入されたカテーテルホースを軸方向に固定するために構成される。本発明のこの実施形態では、カテーテルセットは、(追加の)第3カテーテル配置を選択的に形成するように構成されている。第3カテーテル配置は、キャピラリと、カテーテルホースと、固定部材とを有する。さらに、第3カテーテル配置は、カテーテルホースの近位端に締結されたカテーテルカップリングを有している。好ましくは、第3カテーテル配置は、キャピラリ、カテーテルホース、固定部材及びカテーテルカップリングで構成される。第3カテーテル配置では、固定部材がキャピラリ取付部に締結され、麻酔薬を投与するためのカテーテルホースがキャピラリ管を通って遠位方向に前進させられ、固定部材によってキャピラリに対して軸方向に固定される。第3カテーテル配置は、キャピラリ管の遠位端を過ぎたカテーテルホースの遠位端の軸方向突出部を適合させることを可能にする。軸方向の突出を適合させるために、カテーテルホースは、程度の差はあるが、キャピラリに対して軸方向に前進または後退させることができる。突出量を調整した後、キャピラリに対するカテーテルホースの相対位置は、固定部材によって固定される。一実施形態では、固定部材は、キャピラリ取付部の近位端に締結される。さらなる実施形態では、固定部材は、少なくとも部分的に、キャピラリ取付部の受容凹部に挿入される。固定のために、固定部材は、圧力嵌め及び/又は形状適合の係合によってカテーテルホースと相互作用する。このために、固定部材は、留め金、クランプ、偏心または他の固定機構を有することができる。第3カテーテル配置を形成するために、カテーテルセットの構成要素は、以下のように使用することができる。第1ステップでは、カニューレに支持されたキャピラリが装着される。これを行うには、患者の身体組織を、遮断すべき神経の領域で穿刺する。カニューレ管は、キャピラリ管とともに身体組織の遠位に前進させられる。さらに、カニューレは取り除かれる。この関連で、第1カテーテル配置及び/又は第2カテーテル配置に関して述べたことは、第3カテーテル配置に準用される。更なるステップでは、固定部材がキャピラリに装着される。そのために、固定部材はキャピラリ取付部に締結される。固定部材とキャピラリ取付部は、それに応じて、互いに適合される。更なるステップでは、カテーテルホースが装着される。そのために、後者の遠位端は、固定部材及びキャピラリ取付部を通してキャピラリ管内に導入され、キャピラリ管に沿って遠位に前進させられる。さらに、カテーテルホースをキャピラリに対して位置決めする。これを行うために、その遠位端は、キャピラリ管の遠位端に対して所望の位置まで前進及び/又は後退させる。さらなるステップでは、カテーテルホースが固定される。このために、固定部材が作動し、固定部材の作用により、カテーテルホースがキャピラリに対して軸方向に固定される。さらに、カテーテルカップリングがカテーテルホースの近位端に締結される。
【0010】
本発明のさらなる実施形態では、キャピラリ管は、可撓性を有するように設計されている。キャピラリ管の柔軟な特性は、特に、第2カテーテル配置に関して有利である。第2カテーテル配置では、麻酔薬はキャピラリ管を介して分注される。従って、キャピラリ管は、特に連続的な末梢局所麻酔の期間中、所定の位置に留まる。特にキャピラリ管の柔軟な設計は、患者の快適性を向上させる。
【0011】
本発明のさらなる実施形態では、キャピラリ管はポリウレタンから製造される。本発明者らは、ポリウレタンがキャピラリ管の製造に特に有利であることを見出した。
【0012】
本発明のさらなる実施形態では、カテーテルホースは、抜き取り可能なマンドレルを有する。マンドレルは、カテーテルホースの挿入および前進を容易にする。マンドレルは、カテーテルホースから近位方向へ抜き取ることができる。この実施形態は、カテーテルホースの直径が比較的小さく、それに応じて柔軟である場合に特に有利である。マンドレルは、カテーテルホースの機械的安定性を提供する。
【0013】
本発明のさらなる実施形態では、超音波ベースの位置特定のために構成された複数のセンサが存在し、複数のセンサは、カテーテルセットの異なるコンポーネントに取り付けられている。医療用侵襲性構成要素の超音波ベースの位置特定用のセンサは、当業者には既知である。本実施形態では、カテーテルセットの異なる構成要素、例えばキャピラリ、カニューレ及び/又はカテーテルホースに、そのようなセンサが搭載されている。したがって、対応する構成部品は、超音波によって「見える」。これにより、患者に適用されたときに、当該構成要素の超音波に基づく位置特定及び/又はナビゲートが可能となる。
【0014】
本発明のさらなる実施形態において、第1センサがキャピラリ管の遠位端に組み込まれている。代替的または追加的に、第2センサがカニューレ管の遠位端に組み込まれている。代替的または追加的に、カテーテルホースの遠位端には、第3センサが組み込まれている。カテーテルホースが抜き取り可能なマンドレルを有する場合、後者(マンドレル)は、第3センサまたはさらなる第4センサを備えることができる。それぞれの部品に前記センサの1つを装備することで、超音波に基づく位置監視および/またはナビゲーションが可能となる。
【0015】
本発明のさらなる実施形態では、固定部材は、作動要素および寸法的に柔軟なクランプ要素を有し、クランプ要素は、第3カテーテル配置においてキャピラリ取付部の受容凹部内に受容され、ルーメンを有し、ルーメンはキャピラリ管と同軸に配向され、その中にカテーテルホースが延びる。作動要素は、キャピラリ取付部に対して可動であるような方法でキャピラリ取付部に取り付けられている。さらに、力伝達および/または移動伝達の方法でクランプ要素に動作可能に接続されている。クランプ要素は、作動要素の移動によって弾性的に変形可能である。弾性的変形は、クランプ構成と有効化構成との間で行われる。クランプ構成では、クランプ要素は、ルーメンが半径方向に狭められるように弾性変形し、ルーメンにおけるカテーテルホースの軸方向可動性が摩擦係合により固定される。有効化構成では、クランプ要素は弾性変形しないかまたは弾性変形が小さく、ルーメンの半径方向の狭窄、すなわち摩擦係合が解除され、カテーテルホースの軸方向可動性が有効化される。固定部材のこの設計に関連する物理的及び機能的特徴は、特に有利である。
【0016】
本発明はさらに、第1カテーテル配置を形成するための方法に関する。第1カテーテル配置は、特に連続的な末梢局所麻酔に使用するために構成される。第1カテーテル配置は、第1カテーテル留置方式に割り当てられる。第1カテーテル配置を形成するための方法は、上記の説明によるカテーテルセットを提供するステップと、カニューレを取り除くステップであって、カニューレ取付部がキャピラリ取付部から解放され、キャピラリ管内で前進したカニューレ管がキャピラリ管から近位方向に抜き取られる、取り除くステップと、カテーテルホースを装着するステップであって、カテーテルホースの遠位端がキャピラリ取付部に挿入され、キャピラリ管に沿って遠位方向に前進させられる、装着するステップと、キャピラリを取り除くステップであって、キャピラリ管がカテーテルホースから近位方向に引き出される、取り除くステップと、カテーテルカップリングをカテーテルホースの近位端に締結するステップと、を有する。
【0017】
本発明はさらに、第2カテーテル配置を形成するための方法に関する。第2カテーテル配置は、特に連続的な末梢局所麻酔に使用するために構成される。第2カテーテル配置は、第2カテーテル留置方式に割り当てられる。第2カテーテル配置を形成するための方法は、上記の説明によるカテーテルセットを提供するステップと、カニューレを取り除くステップであって、カニューレ取付部がキャピラリ取付部から解放され、キャピラリ管内で前進したカニューレ管はキャピラリ管から近位方向に抜き取られる、取り除くステップと、流体導入ラインを装着するステップであって、流体導入ラインの流体コネクタはキャピラリ取付部に接続される、装着するステップと、を有する。流体コネクタをキャピラリ取付部に接続するために、流体コネクタは、キャピラリ取付部にねじ込むか、それと一緒に差し込むか、または他の何らかの方法で、圧力嵌めおよび/または形状適合係合によって解放可能に接続することができる。
【0018】
本発明は、さらに、第3カテーテル配置を形成するための方法に関する。第3カテーテル配置はまた、特に連続的な、末梢局所麻酔において使用するために構成される。第3カテーテル配置は、第3カテーテル留置方式に割り当てられる。第3カテーテル配置を形成するための方法は、上記の説明によるカテーテルセットを提供するステップと、カニューレを取り除くステップであって、カニューレ取付部はキャピラリ取付部から解放され、キャピラリ管内で前進したカニューレ管はキャピラリ管から近位方向に抜き取られる、取り除くステップと、固定部材がキャピラリ取付部に固定される、固定部材をキャピラリに装着するステップと、カテーテルホースの遠位端がキャピラリ取付部に挿入されてキャピラリ管に沿って遠位方向に前進させられる、カテーテルホースを装着するステップと、カテーテルホースの遠位端がキャピラリ管の遠位端に対して所望の位置まで前進させられる、カテーテルホースを位置決めするステップと、固定部材が作動され、カテーテルホースは固定部材の作用下でキャピラリに対して軸方向に固定される、カテーテルホースを固定するステップと、カテーテルカップリングをカテーテルホースの近位端に固定するステップと、を有する。固定部材は、圧力嵌め及び/又は形状適合嵌合によりキャピラリ取付部に締結される。固定部材が作動要素とクランプ要素とを有する場合、作動要素は、好ましくは、キャピラリ取付部にねじ止めされる。クランプ要素は、好ましくは、キャピラリ取付部の受容凹部内に挿入される。カテーテルホースを装着するには、カテーテルホースの遠位端を固定部材とキャピラリ取付部を通してキャピラリ管内に挿入する。カテーテルホースは、その遠位端がキャピラリ管の遠位端を越えて所望の軸方向突出が得られるまで、前進及び/又は後退させることによって位置決めされる。固定部材が、カテーテルセットの上述の実施形態による作動要素とクランプ要素とを有する場合、クランプ要素は、カテーテルホースを固定するために、有効化構成からクランプ構成に移行される。これは、作動要素を作動させることによって行われる。
【0019】
本発明のさらなる利点および特徴は、特許請求の範囲および図面に示される本発明の好ましい例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】キャピラリ、カニューレ、カテーテルホース、カテーテルカップリング、流体導入ラインおよび固定部材を備えた本発明によるカテーテルセットの一実施形態の簡略概略図である。
【0021】
図2図1によるカテーテルセットのキャピラリの詳細な模式図である。
【0022】
図3図1によるカテーテルセットのカニューレの詳細な模式図である。
【0023】
図4】第1カテーテル配置の簡略化された概略図であり、第1カテーテル配置は、図1によるカテーテルセットを用いて形成されている。
【0024】
図5図1によるカテーテルセットを用いて形成された第2カテーテル配置の簡略化した概略図である。
【0025】
図6図1によるカテーテルセットを用いて形成された第3カテーテル配置の簡略化した概略図である。
【0026】
図7図6による第3カテーテル配置を代替的な概略図で示す。
【0027】
図8図7による第3カテーテル配置の、断面A-Aに沿った、部分的に切断された縦断面図である。
【0028】
図9図1によるカテーテルセットを用いて図4による第1カテーテル配置を形成するための、本発明による方法の一実施形態の概略ブロック図である。
【0029】
図10図1によるカテーテルセットを用いて図5による第2カテーテル配置を形成するための、本発明による方法の一実施形態の概略ブロック図であり。
【0030】
図11図1によるカテーテルセットを用いて図6から図8による第3カテーテル配置を形成するための本発明による方法の一実施形態の概略ブロック図である。
【実施例0031】
図1によれば、末梢局所麻酔に使用するためのカテーテルセット1が提供される。カテーテルセット1は、異なるカテーテル配置10、20、30を選択的に形成するように構成される。具体的には、カテーテルセット1は、第1カテーテル配置10(図4)、第2カテーテル配置20(図5)及び第3カテーテル配置30(図6から図8)を形成するように構成されている。異なるカテーテル配置10、20、30を形成するために、カテーテルセット1の構成パーツ(以下で詳細に説明する)は、さまざまに異なる方法で互いに組み合わされる。
【0032】
カテーテルセット1は、キャピラリ100と、カニューレ200と、カテーテルホース300と、カテーテルカップリング400と、流体導入ライン500とを備える。
【0033】
図示の実施形態では、カテーテルセット1は、さらに、固定部材600を備えている。固定部材600は、任意の要素である。図に別途示されていない実施形態では、カテーテルセットは、固定部材を有しない。
【0034】
キャピラリ100は、キャピラリ管101と、キャピラリ取付部102(図2参照)とを有する。キャピラリ取付部102は、キャピラリ管101の近位端103に接合されている。キャピラリ管101は、近位端103と遠位端104との間で細長くなっている。キャピラリ100、具体的にはキャピラリ管101は、ルーメン105を有する。ルーメン105は、近位端から遠位端まで連続している。キャピラリ100は、ショートカテーテルと称することもできる。
【0035】
図示された実施形態では、キャピラリ管101は、可撓性を有するように設計されている。キャピラリ管101は、本実施例では、可撓性を有する樹脂材料から製造される。具体的には、キャピラリ管101は、ポリウレタンPUから製造される。
【0036】
カニューレ200は、カニューレ管201とカニューレ取付部202を有する。カニューレ取付部202は、カニューレ管201の近位端203に接合されている。カニューレ管201は、近位端203と遠位端204との間で細長くなっている。遠位端204は、カニューレ開口部(詳細には図示せず)を有する。カニューレ200、具体的には、カニューレ管201は、ルーメン205を有する。ルーメン205は、近位端から遠位端まで連続している。ルーメン205は、一端がカニューレ開口部(詳細には図示せず)に開口している。カニューレ管201は、キャピラリ管101に挿入可能である。さらに、カニューレ取付部202とキャピラリ取付部102とは、互いに解放可能に接続可能である。図1は、挿入および接続状態を示している。カニューレ管201を挿入するために、その遠位端204は、キャピラリ取付部102を通してキャピラリ管101、具体的にはそのルーメン105に遠位方向に挿入される。挿入状態では、カニューレ管201の遠位端204は、キャピラリ管101の遠位端104を越えて突出する(図1参照)。キャピラリ管101とカニューレ管201は、互いに寸法が適合している。特に、キャピラリ管101の内径は、カニューレ管201の外径よりも大きい。内径および外径は、参照符号なしである。さらに、カニューレ管201の軸方向の長さは、キャピラリ管101の軸方向の長さよりも長い。2つの軸方向の長さは、同様に、参照符号なしである。キャピラリ取付部102とカニューレ取付部202との間の解放可能な締結は、形状適合および/または圧力嵌めの係合によるものである。キャピラリ取付部102およびカニューレ取付部202は、解放可能な締結のために構成される。解放可能な締結は、例えば、ねじ、差し込みおよび/またはクランプの接続である。したがって、キャピラリ取付部102およびカニューレ取付部202は、少なくとも部分的に互いに補完し合うように設計されている。
【0037】
カテーテルホース300は、近位端301と遠位端302の間で細長い。カテーテルホース300は、ルーメンを有することが理解されよう。ルーメンは、参照符号303でラベル付けされ、近位端から遠位端まで連続的である。カテーテルホース300は、キャピラリ管101を通して遠位方向に前進させることができる。この目的のために、カテーテルホース300とキャピラリ100は、互いに寸法が適合されている。特に、カテーテルホース300の外径は、キャピラリ管101の内径よりも小さい。前記直径は、繰り返すが、参照符号なしである。
【0038】
図示の実施形態では、カテーテルホース300は、取り出し可能なマンドレル305を有する。図1に示す構成では、マンドレル305は、カテーテルホース300の近位端301から突出している。マンドレル305は、ルーメン303内で細長くなっている。マンドレル305は、カテーテルホース300の望ましくないねじれやよじれ(kinking)を打ち消す。これにより、カテーテルホース300の挿入および前進が容易になる。マンドレル305は、カテーテルホース300を機械的に安定させる。図示しない実施形態では、カテーテルホースはマンドレルを有しない。
【0039】
カテーテルカップリング400は、カテーテルホース300の近位端301に締結されるように構成される。締結の性質は、それぞれ異なる実施形態において異なる。一実施形態では、カテーテルカップリング400は、近位端301と一緒に差し込まれる。代替的にまたは追加的に、クランプまたは他の適切な固定法を提供することができる。カテーテルカップリング400の特定の物理的および機能的特徴は、本発明にとって本質的ではない。カテーテルセットに原理的に適したカテーテルカップリングは、Perifix(登録商標)の名で本出願人から入手可能である。
【0040】
流体導入ライン500は、ホース501と、少なくとも1つの流体コネクタ502とを有する。本実施例では、さらなる流体コネクタ505が存在する。2つの流体コネクタ502、505は、以下、近位流体コネクタ505および遠位流体コネクタ502としても称する。近位流体コネクタ505は、ホース501の近位端503に接合される。遠位流体コネクタ502は、ホース501の遠位端504に接合される。ホース501は、近位端503と遠位端504との間に延びる。流体導入ライン500は、ルーメン506を有する。ルーメン506は、近位端から遠位端まで連続している。遠位流体コネクタ502は、キャピラリ取付部102に解放可能に接続するように構成される。遠位流体コネクタ502とキャピラリ取付部102は、それに応じて、寸法が互いに適合している。解放可能な接続は、カテーテルセット1の異なる実施形態において異なる。例えば、キャピラリ取付部102と遠位流体コネクタ502との間に、プラグ、クランプおよび/またはねじ接続を設けることができる。したがって、遠位流体コネクタ502およびキャピラリ取付部102は、少なくとも部分的に互いに補完し合うように設計されている。流体導入ライン500は、延長ラインとも称することができる。
【0041】
固定部材600は、第3カテーテル配置30(図6)を形成するために必要である。固定部材600は、キャピラリ取付部102に締結可能であるが、その態様はのちに詳細に記載する。固定部材600は、キャピラリ管101(図6参照)に挿入されたカテーテルホース300を軸方向に固定するための役割を果たす。固定部材600は、適宜構成され、この目的のために、キャピラリ100、特にキャピラリ取付部102と、またカテーテルホース300と相互作用する。
【0042】
図示の実施形態では、カテーテルセット1は、超音波ベースの位置特定のために構成された複数のセンサ106、206、306を有する。センサ106、206、306は、第1センサ106、第2センサ206、第3センサ306と称することもできる。第1センサ106は、キャピラリ管101の遠位端に配置される。本実施例では、第1センサ106は、キャピラリ管101に埋め込まれ、及び/又は一体化されている。第2センサ206は、カニューレ管201の遠位端204に配置される。本実施例では、第2センサ206は、カニューレ管201の壁(詳細には図示せず)に埋め込まれ、及び/又は一体化されている。第3センサ306は、カテーテルホース300の遠位端302に配置される。本実施例では、第3センサ306は、カテーテルホース300のホース壁(詳細には図示せず)に埋め込まれ及び/又は一体化されている。センサ106、206、306は、超音波ベースのナビゲート及び/又は位置特定を可能にする。このようにして、カテーテルセット1の関連するコンポーネントは、患者に配置されたときに特に正確に位置決めすることができる。代替的または追加的に、部品が所定の位置に装着された後、超音波によって位置を監視することができる。超音波による位置決めのためのセンサは、当業者には原理的に知られている。センサ106、206、306の更なる特定の物理的及び/又は機能的特徴は、本発明にとって不可欠ではない。したがって、センサ106、206、306に関する更なる説明は必要ない。
【0043】
図4図5図6は、異なるカテーテル配置10、20、30を示す。具体的には、以下の通りである。
【0044】
第1カテーテル配置10は、カテーテルホース300と、カテーテルカップリング400とを有する。この第1カテーテル留置方式では、麻酔薬はカテーテルホース300を介して投与される。この目的のために、麻酔薬は、カテーテルカップリング400に取り付け可能な流体案内部品、例えばホースまたは注射器によって、カテーテルカップリング400を通ってルーメン303に、そこから遠位端302を介して遮断されるべき神経に分注される。図9に模式的に示された方法によれば、カテーテルセット1を用いてカテーテル配置10を形成することができる。図9に模式的に示された方法は、以下、第1方法V1とも称される。第1方法V1は、以下のステップを有する。第1ステップ11において、カテーテルセット1が提供される。第2ステップ12において、カニューレ200が、キャピラリ100と一緒に接合された図1に示す状態から、取り外される。この目的のために、カニューレ取付部202は、キャピラリ取付部102から解放される。さらに、カニューレ管201が、キャピラリ管101から近位方向に引き抜かれる。第3のステップ13において、カテーテルホース300が装着される。この目的のために、カテーテルホース300の遠位端302は、キャピラリ取付部102を通してキャピラリ管101、より正確にはルーメン105に導入され、遠位方向に前進させられる。第4のステップ14では、キャピラリ100が取り除かれる。この目的のために、キャピラリ取付部102とともにキャピラリ管101がカテーテルホース300から近位方向に引き出される。第5のステップ15において、カテーテルカップリング400がカテーテルホース300の近位端301に締結される。本実施例ではカテーテルカップリング400が締結される前に、マンドレル305はカテーテルホース300から近位方向に引かれる。
【0045】
第2カテーテル配置20(図5参照)は、キャピラリ100と流体導入ライン500を有する。(遠位)流体コネクタ502は、キャピラリ取付部102に固定される。麻酔薬の投与は、ここでキャピラリ100を介して行われる。麻酔薬は、流体導入ライン500を経由してキャピラリ100に供給される。麻酔薬は、ホース501のルーメン506を通ってキャピラリ管101のルーメン105に入り、そこから遠位端104を経て、遮断される神経に至る。
【0046】
図10は、カテーテルセット1を用いて第2カテーテル配置20を形成するための第2方法V2を模式的に示す。第2方法V2は、第1ステップ21と第2ステップ22を有する。第1ステップ21および第2ステップ22は、それぞれ第1方法V1の関連するステップと同一である。繰り返しを避けるために、第1方法V1に関して述べられたことが明示的に参照される。第2方法V2は、第3ステップ23を有する。この第3ステップでは、流体導入ライン500が所定の位置に嵌め込まれる。この目的のために、遠位流体コネクタ502は、キャピラリ取付部102に締結される。
【0047】
第3カテーテル配置30(特に図6参照)は、キャピラリ100と、カテーテルホース300と、固定部材600とを有している。さらに、第3カテーテル配置30は、カテーテルカップリング400を有する。カテーテルホース300は、キャピラリ取付部102を通してキャピラリ管101に挿入される。カテーテルホース300の遠位端302は、キャピラリ管101の遠位端104から突出する。図6に示す構成では、カテーテルホース300は、固定部材600によって、キャピラリ100に対する軸方向の移動に関して、固定されている。固定部材の具体的な設計およびさらなる機能に関しては、図7および図8を参照されたい。
【0048】
まず、図11を参照して、カテーテルセット1を用いて第3カテーテル配置30を形成するための第3方法V3について説明する。第3方法V3は、第1ステップ31と第2ステップ32を有する。2つのステップ31、32は、第1方法V1及び第2方法V2のそれぞれのステップと同一である。第1ステップ31に関しては、繰り返しを避けるために、第1方法V1の第1ステップ11に関する説明が明示的に参照される。これはまた、第2ステップ32に準用される。第3方法V3は、第3ステップ33を有する。第3ステップ33では、固定部材600がキャピラリ100に取り付けられる。この目的のために、固定部材600は、キャピラリ取付部102に締結される。これは、下記に詳細に説明される方法で行われる。第4ステップ34において、カテーテルホース300が所定の位置に装着される。この目的のために、その遠位端302は、固定部材600およびキャピラリ取付部102を通してキャピラリ管101に挿入され、キャピラリ管101に沿って遠位に前進させられる。第5ステップ35において、カテーテルホース300は、キャピラリ100に対して、したがって固定部材600に対しても相対的に位置決めされる。この目的のために、カテーテルホース300の遠位端302は、キャピラリ管101の遠位端104に対して所望の位置まで前進および/または後退させられる。第6ステップ36において、カテーテルホース300は固定される。この目的のために、固定部材600が(下記詳細に説明する方法で)作動され、カテーテルホース300は、固定部材の作用下でキャピラリ100に対して軸方向に固定される。本実施例における第7ステップ37では、カテーテルカップリング400がカテーテルホース300の近位端301に締結される。ステップ37は、方法V1のステップ15に相当する。
【0049】
図7および図8は、第3カテーテル配置30の代替的でより詳細な図を示す。これらの図は、固定部材600のさらなる特徴を明らかにしている。カテーテルカップリング400は、図7および図8には示されていない。
【0050】
図示の実施形態では、固定部材600は、作動要素601と、クランプ要素602とを有する。
【0051】
作動要素601は、キャピラリ取付部102に対して移動可能であるようにキャピラリ取付部102に取り付けられ、クランプ要素602に力伝達および/または移動伝達の方法で動作可能に接続される。
【0052】
クランプ要素602は、キャピラリ取付部102の受容凹部107(図2も参照)内に受容される。クランプ要素602は、キャピラリ管101と同軸に配向されたルーメン603を有する。ルーメン603は、クランプ要素602の近位端と遠位端との間で近位遠位方向に連続的である。クランプ要素602の前記端は、参照符号なしである。ルーメン603は、カテーテルホース300を受け入れるように構成されている。図6から図8に示すような構成要素の組み合わせでは、カテーテルホース300はルーメン603を通って延びる。クランプ要素602は、寸法的に適合可能である。この目的のために、本実施例のクランプ要素602は、エラストマー樹脂材料から製造されている。
【0053】
作動要素601の移動により、クランプ要素602は、クランプ構成(図8)と有効化構成との間で弾性的に変形可能である。有効化構成は、図では別に示されていない。クランプ構成では、クランプ要素602は、一方では作動要素601の作用によって、他方ではキャピラリ取付部102の作用によって、ルーメン603が半径方向に狭められるように弾性変形し、その結果、カテーテルホース300の軸方向移動性が摩擦係合によって固定される。有効化構成では、弾性変形は、より顕著でないか、または、存在しない。そして、摩擦係合は、ルーメン603におけるカテーテルホース300の軸方向の可動性が有効になる程度に解除される。
【0054】
図示の実施形態では、作動要素601は、キャピラリ取付部102に対して相対的にねじ込みにより移動可能である。作動要素601は、ねじ切り部G1を有する。キャピラリ取付部102は、ねじ切り部G1を補完するねじ切り部G2を有する。図示された実施形態において、ねじ切り部G1は、内ねじ山IGである。補完するねじ切り部G2は、外ねじ山AGである。外ねじ山AGは、キャピラリ取付部102の近位端107に形成されている。2つのねじ切り部G1,G2は、ルーメン603に対して同軸上に配向される。時計回りのねじ込み運動の場合、作動要素601は、キャピラリ取付部102に対して遠位に移動する。反時計回りのねじ込み運動の場合、それは近位に移動する。
【0055】
作動要素601とクランプ要素602との間の力伝達および/または運動伝達の動作的接続は、本実施例では、軸方向の形状適合係合によってもたらされる。円周方向において、作動要素601とクランプ要素602は、スライド運動にて相互作用する。この目的のために、クランプ要素602は、近位に配置されたベアリング部604を有する。ベアリング部604は、スライド面605を有する。スライド面605は、走行肩部606によって遠位において区切られている。作動要素601は、ボア(詳細には図示せず)を有する。ボアの内周面607は、円周方向にスライド可能であるようにスライド面605に接触している(mounted)。ボアの端部は、走行肩部606の上を遠位に進む。図示の実施形態では、ベアリング部604は、さらなる走行肩部608を有する。さらなる走行肩部608は、近位走行肩部と称することもできる。作動要素601の近位移動において、近位走行肩部608は、ボアの縁と形状適合係合することによって相互作用する。
【0056】
受容凹部107は、内側円錐面108を有する。クランプ要素602は、少なくとも部分的に相補的な外側円錐面609を有する。
【0057】
クランプ構成では、クランプ要素602は、受容凹部107の中に遠位方向に押し込まれる。このようにして、2つの円錐面108、609は、互いに当接して配置される。これは、クランプ要素602の前記弾性変形と、結果として生じるルーメン603の半径方向の狭窄とをもたらす。
【0058】
図7および図8を参照して説明した固定部材600の特定の物理的および機能的特徴は、本発明の観点からは必須ではないことが理解されよう。しかしながら、これらの特徴は、有利であると考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置(10、20、30)を形成するためのカテーテルセット(1)であって、
キャピラリ管(101)と、前記キャピラリ管(101)の近位端(103)に接合されるキャピラリ取付部(102)と、を有するキャピラリ(100)と、
前記キャピラリ管(101)に挿入されている又は挿入可能であるカニューレ管(201)と、前記カニューレ管(201)の近位端(203)に接合され、前記キャピラリ取付部(102)に解放可能に接続されているまたは接続可能であるカニューレ取付部(202)と、を有するカニューレ(200)と、
前記キャピラリ管(101)を通して遠位方向に前進可能なカテーテルホース(300)と、
前記カテーテルホース(300)の近位端(301)に締結するために構成されているカテーテルカップリング(400)と、
ホース(501)と、前記ホース(501)の遠位端(504)に接合され、前記キャピラリ取付部(102)に解放可能に接続可能である少なくとも1つの流体コネクタ(502)と、を備える流体導入ライン(500)と、を備え、
前記カテーテルセット(1)は、少なくとも、第1カテーテル配置(10)と、第2カテーテル配置(20)と、を選択的に形成するように構成されており、
前記第1カテーテル配置(10)は、前記カテーテルホース(300)と、前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結された前記カテーテルカップリング(400)と、を備え、前記カテーテルホース(300)を介して麻酔薬を分注するように構成され、
前記第2カテーテル配置(20)は、前記キャピラリ(100)と、前記流体コネクタ(502)によって前記キャピラリ取付部(102)に接続される前記流体導入ライン(500)と、を備え、前記キャピラリ管(101)を介して麻酔薬を分注するように構成される、カテーテルセット(1)。
【請求項2】
前記キャピラリ取付部(102)に締結可能であり、前記キャピラリ管(101)に挿入可能な前記カテーテルホース(300)を前記キャピラリ(100)に軸方向に固定するように構成されている固定部材(600)をさらに備え、
前記カテーテルセット(1)は、第3カテーテル配置(30)を選択的に形成するように構成され、前記第3カテーテル配置(30)は、前記キャピラリ(100)と、前記カテーテルホース(300)と、前記固定部材(600)と、前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結された前記カテーテルカップリング(400)と、を備え、
前記固定部材(600)は前記キャピラリ取付部(102)に締結され、
麻酔薬を分注するための前記カテーテルホース(300)は、前記キャピラリ管(101)を通して遠位方向に前進させられ、
前記固定部材(600)によって前記キャピラリ(100)に対して軸方向に固定される、請求項1に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項3】
前記キャピラリ管(101)が可撓性を有するように設計されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項4】
前記キャピラリ管(101)がポリウレタン(PU)から製造されることを特徴とする、請求項3に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項5】
前記カテーテルホース(300)は、抜き取り可能なマンドレル(305)を有することを特徴とする、請求項に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項6】
超音波ベースの位置特定のために構成された複数のセンサ(106、206、306)が存在し、前記複数のセンサ(106、206、306)は、前記カテーテルセット(1)の異なるコンポーネントに取り付けられていることを特徴とする、請求項に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項7】
第1センサ(106)が前記キャピラリ管(101)の遠位端に組み込まれており、および/または第2センサ(206)が前記カニューレ管(201)の遠位端(204)に組み込まれており、および/または第3センサ(306)が前記カテーテルホース(300)の遠位端(302)に組み込まれていることを特徴とする、請求項6に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項8】
前記固定部材(600)は、作動要素(601)と柔軟なクランプ要素(602)とを有し、
前記クランプ要素(602)は、前記キャピラリ取付部(102)の受容凹部(107)内に受容可能又は受容され、受容状態において、ルーメン(603)を有し、前記ルーメン(603)は前記キャピラリ管(101)と同軸方向に配向され、その中に前記カテーテルホース(300)を遠位に挿入可能であり、
前記作動要素(601)は、前記キャピラリ取付部(102)に対して可動であるような方法で前記キャピラリ取付部(102)に取り付け可能または取り付けられており、前記クランプ要素(602)に力伝達および/または移動伝達の方法で動作可能に接続されており、
前記クランプ要素(602)は、前記作動要素(601)の移動によって、
前記ルーメン(603)が半径方向に狭められ、摩擦係合によって前記カテーテルホース(300)の軸方向可動性が固定されるクランプ構成と、
前記摩擦係合が解除されて前記カテーテルホース(300)の前記軸方向可動性が有効化される有効化構成と、の間で弾性的に変形可能であることを特徴とする、請求項に記載のカテーテルセット(1)。
【請求項9】
第1カテーテル配置(10)を形成するための方法(V1)であって、
請求項に記載のカテーテルセット(1)を提供するステップ(11)と、
前記カニューレ(200)を取り除くステップ(12)であって、前記カニューレ取付部(202)が前記キャピラリ取付部(102)から解放され、前記キャピラリ管(101)内で前進した前記カニューレ管(201)が前記キャピラリ管(101)から近位方向に抜き取られる、前記カニューレ(200)を取り除くステップ(12)と、
前記カテーテルホース(300)を装着するステップ(13)であって、前記カテーテルホース(300)の前記遠位端(302)が前記キャピラリ取付部(102)に挿入され、前記キャピラリ管(101)に沿って遠位方向に前進させられる、前記装着するステップ(13)と、
前記キャピラリ(100)を取り除くステップ(14)であって、前記キャピラリ管(101)が前記カテーテルホース(300)から近位方向に引き出される、前記キャピラリ(100)を取り除くステップ(14)と、
前記カテーテルカップリング(400)を前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結するステップ(15)と、を有する、方法(V1)。
【請求項10】
第2カテーテル配置(20)を形成するための方法(V2)であって、
請求項に記載のカテーテルセット(1)を提供するステップ(21)と、
前記カニューレ(200)を取り除くステップ(22)であって、前記カニューレ取付部(202)が前記キャピラリ取付部(102)から解放され、前記キャピラリ管(101)内で前進した前記カニューレ管(201)は前記キャピラリ管(101)から近位方向に抜き取られる、前記取り除くステップ(22)と、
前記流体導入ライン(500)を装着するステップ(23)であって、前記流体導入ライン(500)の前記流体コネクタ(502)は前記キャピラリ取付部(102)に接続される、前記装着するステップ(23)と、を有する、方法(V2)。
【請求項11】
第3のカテーテル配置(30)を形成するための方法(V3)であって、
請求項に記載のカテーテルセット(1)を提供するステップ(31)と、
前記カニューレ(200)を取り除くステップ(32)であって、前記カニューレ取付部(202)は前記キャピラリ取付部(102)から解放され、前記キャピラリ管(101)内で前進した前記カニューレ管(201)は前記キャピラリ管(101)から近位方向に抜き取られる、前記取り除くステップ(32)と、
前記固定部材(600)を前記キャピラリ(100)に装着するステップ(33)であって、前記固定部材(600)が前記キャピラリ取付部(102)に締結される、前記固定部材(600)を装着するステップ(33)と、
前記カテーテルホース(300)を装着するステップ(34)であって、前記カテーテルホース(300)の前記遠位端(302)が前記キャピラリ取付部(102)に挿入されて前記キャピラリ管(101)に沿って遠位方向に前進させられる、前記カテーテルホース(300)を装着するステップ(34)と、
前記カテーテルホース(300)を位置決めするステップ(35)であって、前記カテーテルホース(300)の前記遠位端(302)が前記キャピラリ管(101)の遠位端(104)に対して所望の位置まで前進させられる、前記位置決めするステップ(35)と、
前記カテーテルホース(300)を固定するステップ(36)であって、前記固定部材(600)が作動され、前記カテーテルホース(300)は前記固定部材(600)の作用下で前記キャピラリ(100)に対して軸方向に固定される、前記固定するステップ(36)と、
前記カテーテルカップリング(400)を前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結する(37)ステップと、を有する、方法(V3)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図7および図8を参照して説明した固定部材600の特定の物理的および機能的特徴は、本発明の観点からは必須ではないことが理解されよう。しかしながら、これらの特徴は、有利であると考えられる。
以下の項目は、基礎出願の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
末梢局所麻酔のための異なるカテーテル配置(10、20、30)を形成するためのカテーテルセット(1)であって、
キャピラリ管(101)と、前記キャピラリ管(101)の近位端(103)に接合されるキャピラリ取付部(102)と、を有するキャピラリ(100)と、
前記キャピラリ管(101)に挿入されている又は挿入可能であるカニューレ管(201)と、前記カニューレ管(201)の近位端(203)に接合され、前記キャピラリ取付部(102)に解放可能に接続されているまたは接続可能であるカニューレ取付部(202)と、を有するカニューレ(200)と、
前記キャピラリ管(101)を通して遠位方向に前進可能なカテーテルホース(300)と、
前記カテーテルホース(300)の近位端(301)に締結するために構成されているカテーテルカップリング(400)と、
ホース(501)と、前記ホース(501)の遠位端(504)に接合され、前記キャピラリ取付部(102)に解放可能に接続可能である少なくとも1つの流体コネクタ(502)と、を備える流体導入ライン(500)と、を備え、
前記カテーテルセット(1)は、少なくとも、第1カテーテル配置(10)と、第2カテーテル配置(20)と、を選択的に形成するように構成されており、
前記第1カテーテル配置(10)は、前記カテーテルホース(300)と、前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結された前記カテーテルカップリング(400)と、を備え、前記カテーテルホース(300)を介して麻酔薬を分注するように構成され、
前記第2カテーテル配置(20)は、前記キャピラリ(100)と、前記流体コネクタ(502)によって前記キャピラリ取付部(102)に接続される前記流体導入ライン(500)と、を備え、前記キャピラリ管(101)を介して麻酔薬を分注するように構成される、カテーテルセット(1)。
(項目2)
前記キャピラリ取付部(102)に締結可能であり、前記キャピラリ管(101)に挿入可能な前記カテーテルホース(300)を前記キャピラリ(100)に軸方向に固定するように構成されている固定部材(600)をさらに備え、
前記カテーテルセット(1)は、第3カテーテル配置(30)を選択的に形成するように構成され、前記第3カテーテル配置(30)は、前記キャピラリ(100)と、前記カテーテルホース(300)と、前記固定部材(600)と、前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結された前記カテーテルカップリング(400)と、を備え、
前記固定部材(600)は前記キャピラリ取付部(102)に締結され、
麻酔薬を分注するための前記カテーテルホース(300)は、前記キャピラリ管(101)を通して遠位方向に前進させられ、
前記固定部材(600)によって前記キャピラリ(100)に対して軸方向に固定される、項目1に記載のカテーテルセット(1)。
(項目3)
前記キャピラリ管(101)が可撓性を有するように設計されていることを特徴とする、項目1または2に記載のカテーテルセット(1)。
(項目4)
前記キャピラリ管(101)がポリウレタン(PU)から製造されることを特徴とする、項目3に記載のカテーテルセット(1)。
(項目5)
前記カテーテルホース(300)は、抜き取り可能なマンドレル(305)を有することを特徴とする、項目1から4のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)。
(項目6)
超音波ベースの位置特定のために構成された複数のセンサ(106、206、306)が存在し、前記複数のセンサ(106、206、306)は、前記カテーテルセット(1)の異なるコンポーネントに取り付けられていることを特徴とする、項目1から5のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)。
(項目7)
第1センサ(106)が前記キャピラリ管(101)の遠位端に組み込まれており、および/または第2センサ(206)が前記カニューレ管(201)の遠位端(204)に組み込まれており、および/または第3センサ(306)が前記カテーテルホース(300)の遠位端(302)に組み込まれていることを特徴とする、項目6に記載のカテーテルセット(1)。
(項目8)
前記固定部材(600)は、作動要素(601)と柔軟なクランプ要素(602)とを有し、
前記クランプ要素(602)は、前記キャピラリ取付部(102)の受容凹部(107)内に受容可能又は受容され、受容状態において、ルーメン(603)を有し、前記ルーメン(603)は前記キャピラリ管(101)と同軸方向に配向され、その中に前記カテーテルホース(300)を遠位に挿入可能であり、
前記作動要素(601)は、前記キャピラリ取付部(102)に対して可動であるような方法で前記キャピラリ取付部(102)に取り付け可能または取り付けられており、前記クランプ要素(602)に力伝達および/または移動伝達の方法で動作可能に接続されており、
前記クランプ要素(602)は、前記作動要素(601)の移動によって、
前記ルーメン(603)が半径方向に狭められ、摩擦係合によって前記カテーテルホース(300)の軸方向可動性が固定されるクランプ構成と、
前記摩擦係合が解除されて前記カテーテルホース(300)の前記軸方向可動性が有効化される有効化構成と、の間で弾性的に変形可能であることを特徴とする、項目2から7のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)。
(項目9)
第1カテーテル配置(10)を形成するための方法(V1)であって、
項目1から8のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)を提供するステップ(11)と、
前記カニューレ(200)を取り除くステップ(12)であって、前記カニューレ取付部(202)が前記キャピラリ取付部(102)から解放され、前記キャピラリ管(101)内で前進した前記カニューレ管(201)が前記キャピラリ管(101)から近位方向に抜き取られる、前記カニューレ(200)を取り除くステップ(12)と、
前記カテーテルホース(300)を装着するステップ(13)であって、前記カテーテルホース(300)の前記遠位端(302)が前記キャピラリ取付部(102)に挿入され、前記キャピラリ管(101)に沿って遠位方向に前進させられる、前記装着するステップ(13)と、
前記キャピラリ(100)を取り除くステップ(14)であって、前記キャピラリ管(101)が前記カテーテルホース(300)から近位方向に引き出される、前記キャピラリ(100)を取り除くステップ(14)と、
前記カテーテルカップリング(400)を前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結するステップ(15)と、を有する、方法(V1)。
(項目10)
第2カテーテル配置(20)を形成するための方法(V2)であって、
項目1から8のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)を提供するステップ(21)と、
前記カニューレ(200)を取り除くステップ(22)であって、前記カニューレ取付部(202)が前記キャピラリ取付部(102)から解放され、前記キャピラリ管(101)内で前進した前記カニューレ管(201)は前記キャピラリ管(101)から近位方向に抜き取られる、前記取り除くステップ(22)と、
前記流体導入ライン(500)を装着するステップ(23)であって、前記流体導入ライン(500)の前記流体コネクタ(502)は前記キャピラリ取付部(102)に接続される、前記装着するステップ(23)と、を有する、方法(V2)。
(項目11)
第3のカテーテル配置(30)を形成するための方法(V3)であって、
項目2から8のいずれか一項に記載のカテーテルセット(1)を提供するステップ(31)と、
前記カニューレ(200)を取り除くステップ(32)であって、前記カニューレ取付部(202)は前記キャピラリ取付部(102)から解放され、前記キャピラリ管(101)内で前進した前記カニューレ管(201)は前記キャピラリ管(101)から近位方向に抜き取られる、前記取り除くステップ(32)と、
前記固定部材(600)を前記キャピラリ(100)に装着するステップ(33)であって、前記固定部材(600)が前記キャピラリ取付部(102)に締結される、前記固定部材(600)を装着するステップ(33)と、
前記カテーテルホース(300)を装着するステップ(34)であって、前記カテーテルホース(300)の前記遠位端(302)が前記キャピラリ取付部(102)に挿入されて前記キャピラリ管(101)に沿って遠位方向に前進させられる、前記カテーテルホース(300)を装着するステップ(34)と、
前記カテーテルホース(300)を位置決めするステップ(35)であって、前記カテーテルホース(300)の前記遠位端(302)が前記キャピラリ管(101)の遠位端(104)に対して所望の位置まで前進させられる、前記位置決めするステップ(35)と、
前記カテーテルホース(300)を固定するステップ(36)であって、前記固定部材(600)が作動され、前記カテーテルホース(300)は前記固定部材(600)の作用下で前記キャピラリ(100)に対して軸方向に固定される、前記固定するステップ(36)と、
前記カテーテルカップリング(400)を前記カテーテルホース(300)の前記近位端(301)に締結する(37)ステップと、を有する、方法(V3)。
【外国語明細書】