(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172945
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】アンテナ構造体およびそれを含む画像表示装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/06 20060101AFI20231129BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20231129BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20231129BHJP
H01Q 5/335 20150101ALI20231129BHJP
H01Q 13/08 20060101ALN20231129BHJP
【FI】
H01Q21/06
H01Q1/38
H01Q1/22 Z
H01Q5/335
H01Q13/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084497
(22)【出願日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0063641
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ヒ リ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA09
5J021AB06
5J021CA03
5J021CA04
5J021GA02
5J021JA07
5J045AA05
5J045AA21
5J045AB01
5J045AB05
5J045DA10
5J045FA02
5J045HA03
5J046AA03
5J046AA07
5J046AB03
5J046AB13
5J046AB15
5J046PA07
5J047AA03
5J047AA07
5J047AB03
5J047AB13
5J047AB15
(57)【要約】
【課題】向上した信号送受信効率および放射信頼性を有するアンテナ構造体およびそれを含む画像表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態はアンテナ構造体を提供する。アンテナ構造体は、第1放射体、第2放射体および第3放射体を含み、第1放射体および第2放射体は第1方向に配列され、第2放射体および第3放射体は第1方向に垂直な第2方向に配列され、第1放射体、第2放射体および第3放射体のうちの少なくとも1つは、中身が詰まった構造を有するインピーダンス・マッチング・パターンを含む。アンテナ構造体のアンテナゲインが増加し、駆動特性を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1放射体と、
前記第1放射体と共に第1方向に配列された第2放射体と、
前記第2放射体と共に前記第1方向と垂直な第2方向に配列された第3放射体とを含み、
前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体のうちの少なくとも1つは、中身が詰まった(solid)構造を有するインピーダンス・マッチング・パターンを含む、アンテナ構造体。
【請求項2】
前記第1放射体と同じ層で前記第1放射体に接続された第1伝送線路と、前記第2放射体と同じ層で前記第2放射体に接続された第2伝送線路と、前記第3放射体と同じ層で前記第3放射体に接続された第3伝送線路とをさらに含む、請求項1に記載のアンテナ構造体。
【請求項3】
前記第1伝送線路、前記第2伝送線路および前記第3伝送線路のうちの少なくとも1つは、中身が詰まった(solid)構造を含む、請求項2に記載のアンテナ構造体。
【請求項4】
前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体が配置される誘電層をさらに含み、
前記第1方向は前記誘電層の幅方向に対して第1チルティング角度で傾斜し、前記第2方向は前記誘電層の幅方向に対して第2チルティング角度で傾斜する、請求項2に記載のアンテナ構造体。
【請求項5】
前記第1チルティング角度および前記第2チルティング角度は、それぞれ30°~60°である、請求項4に記載のアンテナ構造体。
【請求項6】
前記インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第1放射体に含まれ、前記第1伝送線路に直接接続される第1インピーダンス・マッチング・パターンと、前記第3放射体に含まれ、前記第3伝送線路に直接接続される第3インピーダンス・マッチング・パターンとを含む、請求項4に記載のアンテナ構造体。
【請求項7】
前記インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第2放射体に含まれ、前記第2伝送線路に直接接続される第2インピーダンス・マッチング・パターンを含む、請求項4に記載のアンテナ構造体。
【請求項8】
前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体が配置される誘電層をさらに含み、
前記第1方向は前記誘電層の幅方向と平行であり、前記第2方向は前記誘電層の前記幅方向と垂直である、請求項2に記載のアンテナ構造体。
【請求項9】
前記インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第1放射体に含まれる第1インピーダンス・マッチング・パターンと、前記第2放射体に含まれる第2インピーダンス・マッチング・パターンと、前記第3放射体に含まれる第3インピーダンス・マッチング・パターンとを含み、
前記第1インピーダンス・マッチング・パターンおよび前記第2インピーダンス・マッチング・パターンは、それぞれ前記第1伝送線路および前記第2伝送線路に直接接続される、請求項8に記載のアンテナ構造体。
【請求項10】
前記第3インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第3伝送線路と物理的に離隔している、請求項9に記載のアンテナ構造体。
【請求項11】
前記第2インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第2放射体の4つの縁のうち2つの縁を包むように配置される、請求項9に記載のアンテナ構造体。
【請求項12】
前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体は、同じ層に配置される、請求項1に記載のアンテナ構造体。
【請求項13】
前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体と離隔して配置される第4放射体と、
前記第4放射体と同じ層で前記第4放射体に接続される第4伝送線路とをさらに含み、
前記インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第4放射体に含まれ、前記第4伝送線路に直接接続される第4インピーダンス・マッチング・パターンを含む、請求項1に記載のアンテナ構造体。
【請求項14】
前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体は、受信放射ユニットで提供され、前記第4放射体は、送信放射ユニットで提供される、請求項13に記載のアンテナ構造体。
【請求項15】
請求項1に記載のアンテナ構造体を含む、モーション認識センサ。
【請求項16】
ディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネル上に配置される請求項1に記載のアンテナ構造体とを含む、画像表示装置。
【請求項17】
前記第1方向は、前記ディスプレイパネルの長手方向または幅方向に対して第1チルティング角度で傾斜し、
前記第2方向は、前記ディスプレイパネルの前記長手方向または前記幅方向に対して第2チルティング角度で傾斜する、請求項16に記載の画像表示装置。
【請求項18】
前記アンテナ構造体にカップリングされるモーションセンサ駆動回路と、
前記アンテナ構造体と前記モーションセンサ駆動回路を電気的に接続するフレキシブルプリント回路基板(FPCB)とをさらに含む、請求項16に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ構造体およびそれを含む画像表示装置に関する。より詳細には、複数の放射体を含むアンテナ構造体およびそれを含む画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会が進展するにつれて、ワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの無線通信技術、またはジェスチャー検知、モーション認識(Motion recognition)などの非接触式センシングが画像表示装置、電子機器、建築物などに適用または内蔵されている。
【0003】
また、移動通信技術が進化するにつれて、例えば高周波または超高周波帯域の通信を行うためのアンテナが各種モバイル機器に適用されている。
【0004】
例えば、無線通信技術が画像表示装置と結合され、スマートフォンの形で実現されている。この場合には、アンテナが前記画像表示装置に結合され、通信機能を実行することができる。
【0005】
また、アンテナを搭載する画像表示装置がより薄型化及び軽量化することにより、アンテナが占める空間が減少し得る。そのため、ディスプレイパネル上にアンテナがフィルムまたはパッチの形態で含まれ得る。
【0006】
しかし、アンテナをディスプレイパネル上に配置する場合には、信号の送受信または給電のための同軸(Coaxial)回路の設計が困難になることがある。また、別の同軸給電回路のため感度が低下したり、アンテナ機器が適用される構造物の空間効率、審美的特性が低下したりすることがある。
【0007】
例えば、韓国公開特許第10-2014-0104965号では、アンテナ・エレメント及び接地エレメントを含むアンテナ装置を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、向上した信号送受信効率および放射信頼性を有するアンテナ構造体を提供することである。
【0009】
本発明の課題は、前記アンテナ構造体を含む画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1.第1放射体、第2放射体、および第3放射体を含み、前記第1放射体および前記第2放射体は第1方向に配列され、前記第2放射体および前記第3放射体は前記第1方向と垂直な第2方向に配列され、前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体のうちの少なくとも1つは、中身が詰まった(solid)構造を有するインピーダンス・マッチング・パターンを含む、アンテナ構造体。
【0011】
2.前記項目1において、前記第1放射体と同じ層で前記第1放射体に接続された第1伝送線路と、前記第2放射体と同じ層で前記第2放射体に接続された第2伝送線路と、前記第3放射体と同じ層で前記第3放射体に接続された第3伝送線路とをさらに含む、アンテナ構造体。
【0012】
3.前記項目2において、前記第1伝送線路、前記第2伝送線路および前記第3伝送線路のうちの少なくとも1つは、中身が詰まった(solid)構造を含む、アンテナ構造体。
【0013】
4.前記項目2において、前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体が配置される誘電層をさらに含み、前記第1方向は、前記誘電層の幅方向に対して第1チルティング角度で傾斜し、前記第2方向は、前記誘電層の幅方向に対して第2チルティング角度で傾斜する、アンテナ構造体。
【0014】
5.前記項目4において、前記第1チルティング角度および前記第2チルティング角度は、それぞれ30~60°である、アンテナ構造体。
【0015】
6.前記項目4において、前記インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第1放射体に含まれ、前記第1伝送線路に直接接続される第1インピーダンス・マッチング・パターンと、前記第3放射体に含まれ、前記第3伝送線路に直接接続される第3インピーダンス・マッチング・パターンとを含む、アンテナ構造体。
【0016】
7.前記項目4において、前記インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第2放射体に含まれ、前記第2伝送線路に直接接続される第2インピーダンス・マッチング・パターンを含む、アンテナ構造体。
【0017】
8.前記項目2において、前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体が配置される誘電層をさらに含み、前記第1方向は、前記誘電層の幅方向と平行であり、前記第2方向は、前記誘電層の前記幅方向と垂直である、アンテナ構造体。
【0018】
9.前記項目8において、前記インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第1放射体に含まれる第1インピーダンス・マッチング・パターン、前記第2放射体に含まれる第2インピーダンス・マッチング・パターン、および前記第3放射体に含まれる第3インピーダンス・マッチング・パターンを含み、前記第1インピーダンス・マッチング・パターンおよび前記第2インピーダンス・マッチング・パターンは、それぞれ前記第1伝送線路および前記第2伝送線路に直接接続される、アンテナ構造体。
【0019】
10.前記項目9において、前記第3インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第3伝送線路と物理的に離隔している、アンテナ構造体。
【0020】
11.前記項目9において、前記第2インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第2放射体の4つの縁のうち2つの縁を包むように配置される、アンテナ構造体。
【0021】
12.前記項目1において、前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体は同じ層に配置される、アンテナ構造体。
【0022】
13.前記項目1において、前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体と離隔して配置される第4放射体と、前記第4放射体と同じ層で前記第4放射体に接続される第4伝送線路とをさらに含み、前記インピーダンス・マッチング・パターンは、前記第4放射体に含まれ、前記第4伝送線路に直接接続される第4インピーダンス・マッチング・パターンを含む、アンテナ構造体。
【0023】
14.前記項目13において、前記第1放射体、前記第2放射体および前記第3放射体は、受信放射ユニットで提供され、前記第4放射体は、送信放射ユニットで提供される、アンテナ構造体。
【0024】
15.前述のアンテナ構造体を含む、モーション認識センサ。
【0025】
16.ディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネル上に配置される前記項目1に記載のアンテナ構造体とを含む、画像表示装置。
【0026】
17.前記項目16において、前記第1方向は、前記ディスプレイパネルの長手方向または幅方向に対して第1チルティング角度で傾斜し、前記第2方向は、前記ディスプレイパネルの前記長手方向または前記幅方向に対して第2チルティング角度で傾斜する、画像表示装置。
【0027】
18.前記項目16において、前記アンテナ構造体にカップリングされるモーションセンサ駆動回路と、前記アンテナ構造体と前記モーションセンサ駆動回路を電気的に接続するフレキシブルプリント回路基板(FPCB)とをさらに含む、画像表示装置。
【発明の効果】
【0028】
例示的な実施形態によると、アンテナ構造体は、互いに独立して駆動する第1放射体、第2放射体、第3放射体および第4放射体を含むことができる。前記第1放射体および前記第2放射体が配列される第1方向と、第3放射体および第2放射体が配列される第2方向は互いに垂直であってもよい。これにより、互いに垂直な2つの方向における放射体の信号の強度および変化をそれぞれ検知することができる。
【0029】
例示的な実施形態では、放射体のうちの少なくとも1つは、中身が詰まった(solid)構造を有するインピーダンス・マッチング・パターンを含むことができる。これにより、アンテナ構造体の駆動特性が向上し、インピーダンス・マッチングを改善することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1方向および第2方向は、誘電層の一側辺またはディスプレイパネルの一側辺に対して所定のチルティング角度で傾斜することができる。これにより、第1軸及び第2軸における放射体の信号の不均衡を解消することができ、アンテナ構造体によってモーションまたは動作検知性能を向上させることができる。
【0031】
前記アンテナ構造体は、回路基板を介してモーションセンサ駆動回路と電気的にカップリングすることができる。これにより、検知対象の位置変化による第1軸及び第2軸における信号強度の変化をモーションセンサ駆動回路に伝送することができ、収集された情報に基づいて、全方向における位置変化および距離を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】例示的な実施形態によるアンテナ構造体を示す概略平面図である。
【
図2】例示的な実施形態によるアンテナ構造体を示す概略平面図である。
【
図3】例示的な実施形態によるアンテナ構造体を示す概略平面図である。
【
図4】例示的な実施形態によるアンテナ構造体を示す概略平面図である。
【
図5】例示的な実施形態による画像表示装置を示す概略平面図である。
【
図6】例示的な実施形態による画像表示装置を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施形態は、垂直な2つの方向に沿って配置されている複数の放射体を含むアンテナ構造体を提供する。また、前記アンテナ構造体が適用された画像表示装置を提供する。
【0034】
前記アンテナ構造体の適用対象は画像表示装置に限定されず、車両、家電機器、建築物などの様々な対象体または構造体であってもよい。
【0035】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0036】
本出願で使用される用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」、「一端」、「他端」、「上面」、「底面」、「上部」、「下部」などは、絶対的な位置または順序を限定するものではなく、互いに異なる構成または部分を区分するための相対的な意味で使用されるものである。
【0037】
図1及び
図2は、それぞれ例示的な実施形態によるアンテナ構造体を示す概略平面図である。
【0038】
図1及び
図2を参照すると、アンテナ構造体100は、誘電層105、並びに誘電層105上に配置される第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132を含むことができる。
【0039】
誘電層105は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体などのスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系またはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン-プロピレン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ナイロン、芳香族ポリアミドなどのアミド系樹脂;イミド系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;スルホン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;硫化ポリフェニレン系樹脂;ビニルアルコール系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ビニルブチラル系樹脂;アリレート系樹脂;ポリオキシメチレン系樹脂;エポキシ系樹脂;ウレタン系またはアクリルウレタン系樹脂;シリコン系樹脂などを含む透明樹脂フィルムを含むことができる。これらは、単独でまたは2以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
誘電層105は、光学透明粘着剤(Optically clear Adhesive:OCA)、光学透明樹脂(Optically Clear Resin:OCR)などの粘接着性物質を含むこともできる。
【0041】
いくつかの実施形態では、誘電層105は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、ガラスなどの無機絶縁物質を含むことができる。
【0042】
一実施形態では、誘電層105は実質的に単一層で提供され得る。
【0043】
一実施形態では、誘電層105は、少なくとも2層以上の複層構造を含むこともできる。例えば、誘電層105は、基材層およびアンテナ誘電層を含むことができ、前記基材層と前記アンテナ誘電層との間の粘接着層をさらに含むこともできる。
【0044】
誘電層105によって、アンテナ構造体100に対するインピーダンス(impedance)またはインダクタンス(inductance)が形成され、前記アンテナ構造体100が駆動又はセンシングできる周波数帯域を調整することができる。いくつかの実施形態では、誘電層105の誘電率は約1.5~12の範囲に調節することができる。前記誘電率が約12を超えると、駆動周波数が減少しすぎて、高周波帯域での駆動を実現できないことがある。
【0045】
いくつかの実施形態では、誘電層105の底面上には、グランド層(図示せず)を形成することができる。グランド層により、伝送線路における電界の生成をより促進することができ、給電ラインの周辺の電気的ノイズを吸収または遮蔽することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、グランド層は前記アンテナ構造体100の別の構成として含むことができる。いくつかの実施形態では、前記アンテナ構造体100を搭載する画像表示装置の導電性部材をグランド層として提供することもできる。
【0047】
前記導電性部材は、例えば、ディスプレイパネルに含まれる薄膜トランジスタ(TFT)アレイのゲート電極、スキャンラインまたはデータラインのような各種配線、若しくは画素電極、共通電極のような各種電極などを含むことができる。
【0048】
一実施形態では、画像表示装置の背面部に配置されるSUSプレート、デジタイザなどのセンサ部材、放熱シートなどの金属性部材をグランド層として提供することもできる。
【0049】
例示的な実施形態では、第1放射体112および第2放射体122は、第1方向に配列することができる。例えば、第1放射体112と第2放射体122は、第1方向に延びる第1軸X1に沿って互いに離隔して配置することができる。第1軸X1は、第1放射体112および第2放射体122の中心点を通過して第1方向に延びる仮想直線であってもよい。
【0050】
例示的な実施形態では、第2放射体122および第3放射体132は、前記第1方向に垂直な第2方向に配列することができる。例えば、第2放射体122と第3放射体132は、第2方向に延びる第2軸X2に沿って互いに離隔して配置することができる。前記第2軸X2は、第2放射体122および第3放射体132の中心点を通過して第2方向に延びる仮想直線であってもよい。
【0051】
例えば、第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132は互いに離隔して配置され、それぞれ独立した放射特性および信号受信機能を実現することができる。また、検知対象体の第1方向及び/又は第2方向における位置変化による第1方向及び第2方向における信号の強度変化を測定することができる。前記で測定した信号の強度変化によって、検知対象体の動作および移動距離を検知することができる。
【0052】
例示的な実施形態によると、前記第1方向と前記第2方向は互いに垂直に交差することができる。これにより、アンテナ構造体100は、直交する両軸(X1,X2)方向への信号強度の変化をモーションセンサに伝達することができる。モーションセンサは、例えば、収集された情報に基づいて、X-Y座標系上の全方向への位置変化および距離を測定することができる。
【0053】
例えば、アンテナ構造体100は、互いに垂直な2つの軸におけるモーションを検知するモーションセンサとして提供することができ、第1~第3放射体112,122,132は、モーションを検知するための受信放射ユニットとして提供することができる。
【0054】
例えば、第2放射体122は、第1軸X1および第2軸X2における信号強度の変化を測定するための基準点の役割を果たすことができる。例えば、第2放射体122の信号強度を基準に第1軸X1及び第2軸X2における信号強度の変化を測定することにより、検知対象体の位置変化を検知することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1~第3放射体112,122,132の各々は、例えば、3G、4G、5Gまたはそれ以上の高周波または超高周波帯域の共振周波数を有するように設計することができる。例えば、第1~第3放射体112,122,132の各々の共振周波数は、約50GHz以上であってもよく、50GHz~75GHz、または55GHz~65GHzの範囲であってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1放射体112および第2放射体122の第1方向への離隔距離と、第2放射体122および第3放射体132の第2方向への離隔距離は、実質的に同じであってもよい。これにより、第1方向及び/又は第2方向への信号強度を一定の距離ごとに測定することができる。したがって、検知対象の位置変化による第1方向及び/又は第2方向への信号強度の変化をより正確に測定することができる。
【0057】
例示的な実施形態によると、第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132のうちの少なくとも1つは、中身が詰まった(solid)構造を有するインピーダンス・マッチング・パターン115,125,135を含むことができる。これにより、アンテナ構造体100に伝達される信号のインピーダンス・マッチングを改善し、アンテナゲイン(gain)を増加させることができる。
【0058】
インピーダンス・マッチング・パターン115,125,135は、第1~第3放射体112,122,132の4つの縁(側)のうち少なくとも1つの縁を包むように形成することができる。例えば、インピーダンス・マッチング・パターンは、第1~第3放射体112,122,132のうちの少なくとも1つの下部または一側部に形成することができる。
【0059】
例えば、第1~第3放射体112,122,132における前記インピーダンス・マッチング・パターンを除いた領域はメッシュパターン構造を含むことができる。これにより、外部からアンテナ構造体100が視認されることを抑制することができる。
【0060】
例えば、インピーダンス・マッチング・パターン115,125,135は、画像表示装置の非表示領域上に配置することができる。これにより、ユーザにアンテナ構造体100が視認されることを防止しながら抵抗を減少させて、信号伝達効率およびアンテナ駆動特性を向上させることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、アンテナ構造体100は、第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132のそれぞれに接続された、第1伝送線路114、第2伝送線路124および第3伝送線路134をさらに含むことができる。これにより、第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132を互いに独立して駆動することができる。また、第1軸X1方向における電磁波信号の強度および第2軸X2方向における電磁波信号の強度変化をそれぞれ独立して測定することができる。
【0062】
第1伝送線路114は、第1放射体112と同じ層で第1放射体112に電気的に接続することができる。例えば、第1伝送線路114は、第1放射体112と一体に接続され、第1放射体112の一端から延びることができる。
【0063】
第2伝送線路124は、第2放射体122と同じ層で第2放射体122に電気的に接続することができる。例えば、第2伝送線路124は、第2放射体122と一体に接続され、第2放射体122の一端から延びることができる。
【0064】
第3伝送線路134は、第3放射体132と同じ層で第3放射体132に電気的に接続することができる。例えば、第3伝送線路134は、第3放射体132と一体に接続され、第3放射体132の一端から延びることができる。
【0065】
例えば、第1伝送線路114、第2伝送線路124および第3伝送線路134は、それぞれアンテナ駆動集積回路(IC)チップの駆動信号または電力を第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132に伝達することができる。
【0066】
例えば、第1伝送線路114、第2伝送線路124および第3伝送線路134は、それぞれ第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132の電磁波信号または電気信号をアンテナ駆動ICチップまたはモーションセンサ駆動回路に伝達することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1伝送線路114、第2伝送線路124および第3伝送線路134は、それぞれ第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132と誘電層105上において同じ層または同じレベルに配置することができる。
【0068】
伝送線路114,124,134を放射体112,122,132と同じレベルに配置することにより、信号の入力・出力および給電のための別の同軸給電をしなくても給電・駆動を行うことができる。これにより、例えば、アンテナ構造体100がディスプレイパネル上に配置されるアンテナ・オン・ディスプレイ(Antenna on Display、AoD)を実現することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1伝送線路114、第2伝送線路124および第3伝送線路134のうちの少なくとも1つは、中身が詰まった(solid)構造を含むことができる。これにより、放射体112,122,132とアンテナ駆動ICチップとの間の前述の信号伝達及び/又は給電を高効率で行うことができる。
【0070】
放射体112,122,132及び/又は伝送線路114,124,134は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、またはこれらの少なくとも1つを含有する合金を含むことができる。これらは単独でまたは2以上を組み合わせて用いることができる。
【0071】
一実施形態では、放射体112,122,132及び/又は伝送線路114,124,134は、低抵抗の実現および微細線幅パターニングのために、銀(Ag)若しくは銀合金(例えば、銀-パラジウム-銅(APC)合金)、または銅(Cu)若しくは銅合金(例えば、銅-カルシウム(CuCa)合金)を含むことができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、放射体112,122,132及び/又は伝送線路114,124,134は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム亜鉛スズ酸化物(ITZO)、亜鉛酸化物(ZnOx)などの透明導電性酸化物を含むことができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、放射体112,122,132及び/又は伝送線路114,124,134は、透明導電性酸化物層と金属層との積層構造を含むことができ、例えば、透明導電性酸化物層-金属層の2層構造、または透明導電性酸化物層-金属層-透明導電性酸化物層の3層構造を有することもできる。この場合、前記金属層によってフレキシブル特性が向上しつつ、抵抗を下げて信号伝送速度を向上させることができ、前記透明導電性酸化物層によって耐食性、透明性を向上させることができる。
【0074】
放射体112,122,132及び/又は伝送線路114,124,134は、黒化処理部を含むことができる。これにより、放射体112,122,132及び/又は伝送線路114,124,134の表面での反射率を減少させ、光反射によるパターン視認を低減することができる。
【0075】
一実施形態では、放射体112,122,132および伝送線路114,124,134に含まれる金属層の表面を金属酸化物または金属硫化物に変換して黒化層を形成することができる。一実施形態では、前記金属層上に黒色材料コート層、またはメッキ層のような黒化層を形成することができる。前記黒色材料またはめっき層は、ケイ素、炭素、銅、モリブデン、スズ、クロム、モリブデン、ニッケル、コバルトまたはこれらの少なくとも1つを含有する酸化物、硫化物、合金などを含むことができる。
【0076】
黒化層の組成および厚さは、反射率の低減効果、アンテナの放射特性を考慮して調整することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、アンテナ構造体100は、さらに信号パッド116,126,136を含むことができる。例えば、第1信号パッド116は、第1伝送線路114の末端部に接続することができ、第2信号パッド126は、第2伝送線路124の末端部に接続することができ、第3信号パッド136は、第3伝送線路134の末端部に接続することができる。
【0078】
一実施形態では、第1~第3信号パッド116,126,136は、それぞれ第1~第3伝送線路114,124,134と実質的に一体の部材として提供することができる。例えば、第1~第3伝送線路114,124,134のそれぞれの前記末端部は、第1~第3信号パッド116,126,136として提供することもできる。
【0079】
いくつかの実施形態によると、信号パッド116,126,136の周辺にはグランドパッド(図示せず)を配置することができる。例えば、一対の第1グランドパッドを、第1信号パッド116を挟んで互いに対向して配置することができる。一対の第2グランドパッドを、第2信号パッド126を挟んで互いに対向して配置することができる。一対の第3グランドパッドを、第3信号パッド136を挟んで互いに対向して配置することができる。
【0080】
前記グランドパッドは、伝送線路114,124,134および信号パッド116,126,136とは電気的・物理的に分離することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1信号パッド116、第2信号パッド126および第3信号パッド136は、誘電層105の幅方向に配列することができ、例えば第3方向に配列することができる。
【0082】
例えば、第1信号パッド116、第2信号パッド126および第3信号パッド136は、第3方向に延びる第3軸X3に沿って互いに離隔して配置することができる。第3軸X3は、第1~第3信号パッド116,126,136の中心を通過して第3方向に延びる仮想直線であってもよい。
【0083】
例えば、前記第1方向は、前記第3方向に対して第1チルティング角度θ1で傾斜することができ、前記第2方向は、前記第3方向に対して第2チルティング角度θ2で傾斜することができる。
【0084】
一実施形態では、画像表示装置に含まれる回路基板は、信号パッド116,126,136および伝送線路114,124,134の端部上にボンディングすることができる。いくつかの実施形態では、グランドパッドを信号パッド116,126,136の周辺に配列することにより、回路基板のボンディング安定性をより向上させることができる。
【0085】
図1及び
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、第1方向は、誘電層105の幅方向(例えば、第3方向)に対して第1チルティング(tilting)角度θ1で傾斜することができ、第2方向は、誘電層105の幅方向に対して第2チルティング角度θ2で傾斜することができる。これにより、第1伝送線路114と第2伝送線路124との間の長さ差と、第2伝送線路124と第3伝送線路134との間の長さ差のバラツキを低減することができる。
【0086】
例示的な実施形態によると、第1軸X1および第2軸X2は、誘電層105の幅方向に対して所定のチルティング角度で傾斜することができる。これにより、伝送線路114,124,134の全長が短くなり、信号損失および抵抗増加を防止することができる。また、第1伝送線路114と第2伝送線路124との間の長さ差と、第2伝送線路124と第3伝送線路134との間の長さ差のバラツキが減少し、第1軸X1または第2軸X2への位置変化による信号変化の測定精度を向上させることができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、第1チルティング角度θ1および第2チルティング角度θ2は、それぞれ15°~75°であってもよく、好ましくは30°~60°であってもよい。前記範囲内では、第2放射体122を基準として、第1放射体112および第3放射体132を同じ平面上に実質的に対称に配置することができる。これにより、位置変化による信号変化を安定して測定することができる。
【0088】
一実施形態によると、第1チルティング角度θ1および第2チルティング角度θ2は、45°であってもよい。
【0089】
図1に示すように、第1放射体112および第3放射体132は、それぞれ第1インピーダンス・マッチング・パターン115および第3インピーダンス・マッチング・パターン135を含むことができる。
【0090】
例えば、第1インピーダンス・マッチング・パターン115は、第1伝送線路114に直接接続することができ、第3インピーダンス・マッチング・パターン135は、第3伝送線路134に直接接続することができる。これにより、第1放射体112および第3放射体132の信号受信効率およびアンテナゲインを向上させることができる。
【0091】
この場合、第2放射体122は、インピーダンス・マッチング・パターンを含んでいなくてもよい。例えば、第2伝送線路124の長さは、第1伝送線路114の長さおよび第3伝送線路134の長さよりも大きくてもよい。これにより、第1チルティング角度θ1および第2チルティング角度θ2を前述の範囲に形成することができる。
【0092】
例えば、第1及び第3伝送線路114,134よりも長さの長い第2伝送線路124に供給される信号及び/又は電力は、第1及び第3伝送線路114,134に供給される信号及び/又は電力よりも大きくてもよい。これにより、放射体112,122,132間のインピーダンス差を緩和して駆動信頼性を向上させることができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、第2放射体122がインピーダンス・マッチング・パターンを含まない場合、第2伝送線路124における第2信号パッド126に隣接する部分は中身が詰まった構造に形成することができる。一実施形態では、第2伝送線路124における前記中身が詰まった部分の長さは、第1インピーダンス・マッチング・パターン115および第1伝送線路114の長さの合計と実質的に同じであってもよい。一実施形態では、第2伝送線路124における前記中身が詰まった部分の長さは、第3インピーダンス・マッチング・パターン135および第3伝送線路134の長さの合計と実質的に同じであってもよい。
【0094】
図2示すように、第2放射体122は、第2インピーダンス・マッチング・パターン125を含むことができる。例えば、第2インピーダンス・マッチング・パターン125は、第2伝送線路124に直接接続することができる。これにより、第2放射体122の信号受信効率およびアンテナゲインを向上させることができる。
【0095】
この場合、第1放射体112および第3放射体132は、インピーダンス・マッチング・パターンを含んでいなくてもよい。例えば、第2伝送線路124の長さは、第1伝送線路114の長さおよび第3伝送線路134の長さよりも短くてもよい。これにより、第1チルティング角度θ1および第2チルティング角度θ2を前述の範囲に形成することができる。
【0096】
例えば、第1及び第3伝送線路114,134よりも長さの短い第2伝送線路124に供給される信号及び/又は電力は、第1及び第3伝送線路114,134に供給される信号及び/又は電力のそれぞれよりも小さくてもよい。これにより、放射体112,122,132間のインピーダンス差を緩和して駆動信頼性を向上させることができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、第1及び第3放射体112,132がインピーダンス・マッチング・パターンを含まない場合、第1及び第3伝送線路114,134におけるそれぞれ第1及び第3信号パッド116,136に隣接する部分は、中身が詰まった構造で形成することができる。一実施形態では、第1及び第3伝送線路114,134における前記中身が詰まった部分の長さは、第2インピーダンス・マッチング・パターン125および第2伝送線路124の長さの合計と実質的に同じであってもよい。
【0098】
図3は、例示的な実施形態によるアンテナ構造体を示す概略平面図である。
【0099】
図3を参照すると、第1方向は誘電層105の幅方向と平行であり、第2方向は誘電層105の幅方向と垂直であってもよい。
【0100】
第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132は、それぞれ第1インピーダンス・マッチング・パターン115、第2インピーダンス・マッチング・パターン125および第3インピーダンス・マッチング・パターン135を含むことができる。
【0101】
図3に示すように、第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132は、相対的に狭い空間に効率よく配置することができる。これにより、狭いベゼル領域を有するモバイル機器及び/又はディスプレイ装置に適用し、空間効率を向上させることができる。
【0102】
第1インピーダンス・マッチング・パターン115および第2インピーダンス・マッチング・パターン125は、それぞれ第1伝送線路114および第2伝送線路124に直接接続することができる。第2インピーダンス・マッチング・パターン125は、第2放射体122の4つの縁のうち2つの縁を包むように配置できる。これにより、第2放射体122の信号効率およびアンテナゲインをさらに向上させることができる。
【0103】
第3インピーダンス・マッチング・パターン135は、第3伝送線路134と物理的に離隔することができる。例えば、第3インピーダンス・マッチング・パターン135を第3放射体132のいずれかの縁に形成し、第3伝送線路134は第3放射体132のいずれか他方の縁に接続することができる。この場合、第3伝送線路134における第3信号パッド136に隣接する部分は、中身が詰まった構造で形成することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、アンテナ構造体100は、第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132と離隔して配置される第4放射体142をさらに含むことができる。アンテナ構造体100は、第4放射体142と同じ層で第4放射体142に接続された第4伝送線路144をさらに含むことができる。
【0105】
例えば、第4放射体142は、第4伝送線路144に直接接続される第4インピーダンス・マッチング・パターン145を含むことができる。これにより、第4放射体142の信号効率およびアンテナゲインを向上させることができる。
【0106】
例えば、第4放射体142は、モーションを検知するための送信放射体として提供され、検知対象体に向けて電磁波を放射することができる。例えば、第4放射体142は、アンテナ構造体100の送信放射体として提供することができる。
【0107】
例えば、第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132は、受信放射体として提供され、検知対象体から反射された信号を受信することができる。例えば、第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132は、アンテナ構造体100の受信放射体として提供することができる。
【0108】
これにより、アンテナ構造体100は、検知対象体に対する電磁波信号を受信及び/又は送信することができ、モーションセンサは、検知対象体の位置の変化および距離による信号の減少または増加を認識することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、アンテナ構造体100は、第4伝送線路144の一端に電気的に接続される第4信号パッド146をさらに含むことができる。一実施形態では、第4信号パッド146は、第4伝送線路144と実質的に一体の部材で提供することができる。例えば、第4伝送線路144の末端部を第4信号パッド146で提供することもできる。
【0110】
一実施形態では、アンテナ構造体100は、第4信号パッド146を挟んで対向して配置される一対の第4グランドパッド(図示せず)を含むことができる。
【0111】
前述のインピーダンス・マッチング・パターン115,125,135,145、伝送線路114,124,134,144における中身が詰まった構造を有する部分、および信号パッド116,126,136,146は、画像表示装置の非表示領域上に配置することができる。これにより、ユーザにアンテナ構造体100が視認されることを防止しながらアンテナ性能を向上させることができる。
【0112】
放射体112,122,132,142は、三角形、四角形、菱形、五角形、六角形などの多角形状を含むことができ、円形状を含むこともできる。
【0113】
図4は、例示的な実施形態によるアンテナ構造体を示す概略平面図である。
【0114】
図4を参照すると、アンテナ構造体100は、放射体112,122,132,142の周辺に配置されたダミーメッシュパターン150をさらに含むことができる。例えば、ダミーメッシュパターン150は、分離領域155を介して放射体112,122,132,142および伝送線路114,124,134,144と電気的・物理的に分離することができる。
【0115】
例えば、誘電層105上に前述の金属または合金を含む導電層を形成することができる。前記導電層を、前述の放射体112,122,132,142および伝送線路114,124,134,144のプロファイルに沿ってエッチングしながらメッシュ構造を形成することができる。これにより、分離領域155により、放射体112,122,132,142および伝送線路114,124,134,144と離隔しているダミーメッシュパターン150を形成することができる。
【0116】
これにより、アンテナ構造体100の透過度が向上し、ダミーメッシュパターンが分布することにより、放射体112,122,132,142の周辺の光学特性を均一化することができる。したがって、アンテナ構造体100がユーザに視覚的に認識されることを防止することができる。
【0117】
図5及び
図6は、それぞれ例示的な実施形態による画像表示装置を示す概略的な平面図および断面図である。
【0118】
図5は、画像表示装置300の前面部またはウインドウ面を示している。画像表示装置300の前面部は、表示領域330および非表示領域340を含むことができる。非表示領域340は、例えば、画像表示装置300の遮光部またはベゼル部に相当し得る。
【0119】
例示的な実施形態によるアンテナ構造体100は、画像表示装置300の前面部に向かって配置することができ、例えばディスプレイパネル上に配置することができる。
【0120】
くつかの実施形態では、前述のアンテナ構造体100はフィルムの形態でディスプレイパネル上に取り付けることができる。
【0121】
一実施形態では、アンテナ構造体100は、画像表示装置300の表示領域330および非表示領域340にわたって形成することができる。一実施形態では、放射体112,122,132,142は表示領域330と少なくとも部分的に重畳してもよい。
【0122】
前述のように、インピーダンス・マッチング・パターン115,125,135,145、伝送線路114,124,134,144における中身が詰まった構造を有する部分、および信号パッド116,126,136,146は、非表示領域340と重畳してもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、アンテナ構造体100は、画像表示装置300の一縁の中央部に位置することができる。これにより、一部の領域でモーション検知性能が低下することを防止することができ、画像表示装置300の前面部上における検知対象体の全方向へのモーションまたは動作を検知することができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、第1~第4伝送線路114,124,134,144の一端部は、それぞれ第1~第4放射体112,122,132,142と接続し、第1~第44伝送線路114,124,134,144の他端部は、それぞれ回路基板200とボンディングすることができる。
【0125】
回路基板200は、例えば、フレキシブルプリント回路基板(flexible printed circuit boards、FPCB)を含むことができる。例えば、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film、ACF)のような導電性ボンディング構造を伝送線路114,124,134,144の前記他端部上に接合した後、前記導電性ボンディング構造上に回路基板を加熱圧着することができる。
【0126】
回路基板200は、伝送線路の他端部とボンディングされる回路配線205を含むことができる。回路配線205は、アンテナ給電配線として提供することができる。例えば、回路配線205の一端部を外部に露出させることができ、露出した回路配線205の前記一端部を伝送線路114,124,134,144上にボンディングすることができる。これにより、前記回路配線205と前記アンテナ構造体100を電気的に接続することができる。
【0127】
回路基板200上には、アンテナ駆動ICチップを実装することができる。いくつかの実施形態では、回路基板200と前記アンテナ駆動ICチップとの間には、リジッドプリント回路基板のような仲介回路基板を配置することができる。いくつかの実施形態では、前記アンテナ駆動ICチップは回路基板200上に直接実装することもできる。
【0128】
回路基板200上には、モーションセンサ駆動回路を実装することができる。例えば、アンテナ構造体100と回路基板200を電気的に接続することにより、アンテナ構造体100の信号送受信情報をモーションセンサ駆動回路に伝達することができる。これにより、アンテナ構造体100を含むモーション認識センサを提供することができる。
【0129】
図6を参照すると、画像表示装置300は、ディスプレイパネル310と、ディスプレイパネル310上に配置される前述のアンテナ構造体100とを含むことができる。
【0130】
例示的な実施形態によると、前記ディスプレイパネル310上に光学層320をさらに含むことができる。例えば、光学層320は、偏光子または偏光板を含む偏光層であってもよい。
【0131】
一実施形態では、アンテナ構造体100上には、カバーウィンドウを配置することができる。カバーウインドウは、例えば、ガラス(例えば、超薄型ガラス(Ultra-Thin Glass、UTG))または透明樹脂フィルムを含むことができる。これにより、アンテナ構造体100に加えられる外部衝撃を低減または相殺することができる。
【0132】
例えば、アンテナ構造体100は、光学層320とカバーウィンドウとの間に配置することができる。この場合、放射体112,122,132,142の下に配置される誘電層105および光学層320を共に放射体112,122,132,142の誘電層として提供することができる。これにより、適切な誘電率を確保してアンテナ構造体100のモーション検知性能を十分に確保することができる。
【0133】
例えば、光学層320とアンテナ構造体100は第1粘接着層を介して積層することができ、アンテナ構造体100とカバーウインドウは第2粘接着層を介して積層することができる。
【0134】
回路基板200は、例えば、ディスプレイパネル310の側面屈曲プロファイルに沿って屈曲して画像表示装置300の背面部に配置することができ、駆動ICチップが実装されている仲介回路基板210(例えば、メインボード)に向かって延びることができる。
【0135】
回路基板200および仲介回路基板210はボンディングされるかまたはコネクタによって相互接続され、アンテナ駆動ICチップによるアンテナ構造体100への給電およびアンテナ駆動制御を実現することができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、仲介回路基板210にはモーションセンサ駆動回路220を実装することができる。一実施形態では、前記モーションセンサ駆動回路220は、近接センサ(proximity sensor)、ジェスチャーセンサ(gesture sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロセンサ(gyroscope sensor)、位置センサ(position sensor)、または地磁気センサ(magnetic sensor)などを含むことができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、放射体112,122,132,142は、モーションセンサ駆動回路220にカップリング(coupling)することができる。
【0138】
一実施形態では、アンテナ構造体100は仲介回路基板210とボンディングするか、または回路基板200を介してモーションセンサ駆動回路220と電気的に接続することができる。これにより、アンテナ構造体100の第1軸X1および第2軸X1への信号強度の変化をモーションセンサ駆動回路220に伝達することができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、特定の第1位置から特定の第2位置への検知対象の移動による第1放射体112、第2放射体122および第3放射体132の信号強度を測定することにより、検知対象の動作を測定することができる。
【0140】
例えば、アンテナ構造体100とカップリングされたモーションセンサ駆動回路220は、第1位置から第2位置への移動に対応する第2放射体122と第1放射体112との間の信号の強度変化、および第2放射体122と第3放射体132との間の信号の強度変化を測定することによって動作を検知することができる。
【0141】
例えば、第2放射体122および第1放射体112により、検知対象の第1方向への移動を検知することができる。第2放射体122および第3放射体132により、検知対象の第2方向への移動を検知することができる。
【0142】
これにより、互いに垂直な2つの軸における動作・位置による信号強度の変化をアンテナ構造体100からモーションセンサ駆動回路220に提供することができ、モーションセンサ駆動回路220は、各軸に沿って動作、モーションおよび距離を測定することができる。
【0143】
一実施形態では、前記モーションセンサ駆動回路220は、モーション検出回路を含むことができる。アンテナ構造体100から伝達された信号情報は、モーション検出回路を介して位置情報または距離情報に変換・計算することができる。
【0144】
一実施形態では、アンテナ構造体100は、レーダーセンサ回路と電気的に接続することができる。これにより、信号送受信情報をレーダープロセッサに伝達することができる。例えば、回路基板200および仲介回路基板210を介してアンテナ構造体100をレーダープロセッサに電気的に接続することができる。したがって、アンテナ構造体100を含むレーダーセンサを提供することができる。
【0145】
レーダーセンサは、送信信号および受信信号を分析して検知対象体に関する情報を検出することができる。例えば、アンテナ構造体100が送信信号を送信し、検知対象体に反射された受信信号を受信することにより、検知対象体までの距離を測定することができる。
【0146】
例えば、検知対象体までの距離は、アンテナ構造体100から送信された信号が検知対象体に反射して再びアンテナ構造体100に受信されるまでの時間を測定することによって計算できる。