(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172978
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】建築限界測定装置及び建築限界測定方法
(51)【国際特許分類】
G01S 17/42 20060101AFI20231130BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G01S17/42
G01C3/06 120Q
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081702
(22)【出願日】2022-05-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】503147125
【氏名又は名称】ユタカ電業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】植木 順也
(72)【発明者】
【氏名】中島 翔太
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112AD03
2F112BA01
2F112CA08
2F112DA15
2F112DA25
2F112DA28
2F112FA03
2F112FA41
5J084AA05
5J084AA10
5J084AB17
5J084AC01
5J084AD01
5J084AD03
5J084BA03
5J084BA31
5J084BA50
5J084EA01
(57)【要約】
【課題】より高い精度で構造物までの距離が測定できる建築限界測定装置及び建築限界測定方法を提供する。
【解決手段】建築限界測定装置10は、一方向に延びる走査軸AXSを中心としてレーザー光を照射し、構造物までの距離の情報又はレーザー光の反射強度の情報を出力するLiDAR40と、LiDAR40から得られた距離の情報又は反射強度の情報の標準偏差に基づいて測定誤差を抑制する処理部60と、を備える。処理部60は、クラスタ解析に基づいて標準偏差をクラスタリングし、予め決められた大きさ以上の標準偏差に対応する距離の情報を測定誤差として距離の情報から除外する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延びる走査軸を中心としてレーザー光を照射し、構造物までの距離の情報又は該レーザー光の反射強度の情報を出力するLiDARと、
前記LiDARから得られた前記距離の情報又は前記反射強度の情報の標準偏差に基づいて前記距離の情報の測定誤差を抑制する処理部と、を備えた建築限界測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の建築限界測定装置において、
前記処理部が、クラスタ解析に基づいて前記標準偏差をクラスタリングし、前記距離の情報から、予め決められた大きさ以上の前記標準偏差に対応する前記距離の情報を除外する建築限界測定装置。
【請求項3】
請求項2記載の建築限界測定装置において、
前記クラスタ解析が、教師なし学習により実行される建築限界測定装置。
【請求項4】
請求項3記載の建築限界測定装置において、
前記教師なし学習が、k-平均法である建築限界測定装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の建築限界測定装置において、
前記LiDARを昇降させる昇降部を更に備えた建築限界測定装置。
【請求項6】
請求項5記載の建築限界測定装置において、
前記昇降部が、モータと、
前記モータによって駆動されるボールねじと、
前記LiDARが固定され、前記ボールねじの回転に応じて昇降する昇降部材と、を有する建築限界測定装置。
【請求項7】
請求項6記載の建築限界測定装置において、
前記LiDARと前記処理部とが互いに無線で通信するための無線通信部を更に備えた建築限界測定装置。
【請求項8】
LiDARが、レーザー光を照射し、構造物までの距離の情報又は該レーザー光の反射強度の情報を出力するステップと、
前記LiDARから得られた前記距離の情報又は前記反射強度の情報の標準偏差をクラスタリングするステップと、
予め決められた大きさ以上の前記標準偏差に対応する前記距離の情報を測定誤差として前記距離の情報から除外するステップと、を含む建築限界測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築限界測定装置及び建築限界測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、測定器に特別な機能の追加を行わなくても、線路周辺の構造物の精密な形状測定を行うことのできる三次元形状測定装置が記載されている。
この三次元形状測定装置は、レール上を移動可能な台車と、台車の移動方向の一方と逆方とにそれぞれ設けられ、レール上を走行する動力車と連結可能な第1連結部および第2連結部と、進行方向に対して斜めのスキャン面に沿って順次光線を照射し、周囲の構造物の形状を測定する測定器と、台車に固定されて測定器が搭載される載置台と、を備え、載置台が、測定器の前後の向きを変更可能な回転テーブルを有することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、より高い精度で構造物までの距離が測定できる建築限界測定装置及び建築限界測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、一方向に延びる走査軸を中心としてレーザー光を照射し、構造物までの距離の情報又は該レーザー光の反射強度の情報を出力するLiDARと、前記LiDARから得られた前記距離の情報又は前記反射強度の情報の標準偏差に基づいて前記距離の情報の測定誤差を抑制する処理部と、を備えた建築限界測定装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の建築限界測定装置において、前記処理部が、クラスタ解析に基づいて前記標準偏差をクラスタリングし、前記距離の情報から、予め決められた大きさ以上の前記標準偏差に対応する前記距離の情報を除外する。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の建築限界測定装置において、前記クラスタ解析が、教師なし学習により実行される。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の建築限界測定装置において、前記教師なし学習が、k-平均法である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の建築限界測定装置において、前記LiDARを昇降させる昇降部を更に備える。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の建築限界測定装置において、前記昇降部が、モータと、前記モータによって駆動されるボールねじと、前記LiDARが固定され、前記ボールねじの回転に応じて昇降する昇降部材と、を有する。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の建築限界測定装置において、前記LiDARと前記処理部とが互いに無線で通信するための無線通信部を更に備える。
【0012】
請求項8に記載の発明は、LiDARが、レーザー光を照射し、構造物までの距離の情報又は該レーザー光の反射強度の情報を出力するステップと、前記LiDARから得られた前記距離の情報又は前記反射強度の情報の標準偏差をクラスタリングするステップと、予め決められた大きさ以上の前記標準偏差に対応する前記距離の情報を測定誤差として前記距離の情報から除外するステップと、を含む建築限界測定方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、より高い精度で構造物までの距離が測定できる建築限界測定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る建築限界測定装置の説明図である。
【
図2】同建築限界測定装置が備えるLiDARの測定範囲を示す説明図である。
【
図3】(A)、(B)は、それぞれ、測定誤差が発生する第1の要因及び第2の要因を示す説明図である。
【
図4】同建築限界測定装置が備える昇降部の動作を示す説明図であって、(A)、(B)はそれぞれ、LiDARを固定した場合を示す説明図及びLiDARを上昇させた場合の説明図である。
【
図5】(A)は、測定対象となるトンネル内部の入り口を示す写真であり、(B)、(C)はそれぞれ、測定誤差を除去する前の測定データを示すグラフ及び測定誤差を除去した後の測定データを示すグラフである。
【
図6】同建築限界測定装置が備えるLiDARを昇降させることによる効果を確認するための試験装置の説明図である。
【
図7】同建築限界測定装置が備えるLiDARを昇降させることによる効果を示すグラフであって、(A)、(B)はそれぞれ、LiDARを上昇させずに固定した場合の測定データを示すグラフ及び上昇させた場合の測定データを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0016】
本発明の一実施の形態に係る建築限界測定装置10は、
図1に示すように、ベース部20、昇降部30、LiDAR40、制御部50、処理部60及び無線通信部を備えている。
【0017】
ベース部20は、鉄道の軌道上に設置される部材であり、支持部材202及び固定部材204を有している。
支持部材202は、軌間よりも長い板状の部材であり、レール12の上に、一対のレール12と交差するように設置される。支持部材202の下側の面には、軌間よりも僅かに狭い間隔で配置され、それぞれ下方へと延びる一対の位置決め部材206が設けられている。
固定部材204は、板状の部材であり、支持部材202から上方に延びるように配置されている。
【0018】
昇降部30は、LiDAR40を昇降させることができ、固定部材204に設けられ、モータ302、ボールねじ304及び昇降部材306を有している。
モータ302は、例えば、ステッピングモータであり、モータシャフトが上下方向に延びるように配置され、支持部材202に固定されたモータドライバ(不図示)にケーブルを介して接続されている。
ボールねじ304は、回転中心軸AXVが上下方向に延びるように設けられ、カップリング308を介してモータ302によって駆動される。
昇降部材306は、ボールねじ304に対応したナット310を有し、ボールねじ304の回転に応じて昇降できる。
なお、昇降部材306の昇降動作は、ボールねじ304に沿って延びるリニアガイド(ガイドの一例)312によって案内される。
【0019】
LiDAR(Light Detection and Ranging)40は、周囲の構造物までの距離を測定するためのセンサであり、昇降部材306に固定されている。
LiDAR40は、軌道(レール12)が延びる方向に延びる走査軸AXSを中心とした放射状にレーザー光を照射し、ToF(Time of Flight)方式に基づいて、軌道の周囲に設置された構造物までの距離の情報を出力できる。
LiDAR40の測定範囲は、
図2に示すように、一方向に延びる走査軸AXSを中心とした、下方を除く中心角θの扇形の範囲であり、複数のステップ(例えば、同
図2に示すように0~1080ステップ)に分割された各角度位置について、測定対象までの距離が測定される。
【0020】
LiDAR40は、構造物に反射したレーザー光を受光する受光素子(不図示)を有しており、この受光素子にて受光した光の強さである反射強度(受光強度)の情報を出力することもできる。
すなわち、LiDAR40は、構造物までの距離の情報及びレーザー光の反射強度の情報のうち、少なくとも一方の情報を出力できる。
【0021】
ここで一般に、LiDAR40による測定値には、測定対象物の形状の境目に測定誤差が生じる。この測定誤差は、2つの要因により生じると考えられる。
第1の要因は、LiDAR40から照射されたレーザーが拡散し、反射光が複数生じることである。
図3(A)に示すように、複数の反射光RL1、RL2によって、A部に示すような測定誤差が発生する。
第2の要因は、同一ステップにおいて、LiDARのレーザーが同一地点に照射されないことである。
図3(B)に示すように、nー2回目、n-1回目、n回目、n+1回目及びn+2回目の同一ステップにおいて、照射範囲にずれが存在するため、測定誤差が発生する。
【0022】
これら第1の要因及び第2の要因により、測定対象である構造物までの距離の情報の標準偏差又は反射強度の情報の標準偏差が大きくなり、実環境では測定されない値が測定誤差として発生すると考えられる。換言すると、同一ステップ内において距離の情報の標準偏差又は反射強度の情報の標準偏差が大きくなったときに測定誤差が発生すると考えられる。
【0023】
制御部50は、
図1に示す処理部60から受信した指令に基づいて、LiDAR40及びモータ302を制御できる。
制御部50は、支持部材202に設けられており、LiDAR40及びモータ302に駆動電流を供給するためのモータドライバ(不図示)にそれぞれケーブルを介して接続されている。
【0024】
処理部60は、作業員が測定現場にて操作できるコンピュータであり、例えば、タブレットPCやノートPCである。
処理部60は、LiDAR40から得られた距離の情報の標準偏差又は反射強度の情報の標準偏差に基づいて測定誤差を抑制できる。
詳細には、処理部60は、教示なしデータ分類手法であるk-平均法(クラスタ解析の一例)に基づいて、距離の情報の標準偏差又は反射強度の情報の標準偏差をクラスタリングし、設定された閾値以上の大きさの標準偏差(予め決められた大きさ以上の標準偏差)に対応する距離の情報を測定誤差として距離の情報から除外する。
なお、クラスタ解析は、k-平均法に限定されるものではなく、これ以外の教師なし学習により実行されてもよい。
【0025】
無線通信部は、LiDAR40及び処理部60が互いに無線通信するための通信装置であり、対となる第1の送受信器70a及び第2の送受信器70bにより構成される。
第1の送受信器70a及び第2の送受信器70bは、それぞれ、制御部50及び処理部60に接続され、例えばBluetoothにより互いに無線通信できる。
第1の送受信器70a及び第2の送受信器70bは、それぞれ、制御部50及び処理部60に内蔵されていてもよい。
【0026】
次に、建築限界測定装置10の動作(使用方法)について説明する。建築限界測定装置10は、次のステップS1~S4に従って動作する。
【0027】
(ステップS1)
建築限界測定装置10が、測定現場に搬入される。測定現場は、例えば、新規に構造物が設置された場所である。
【0028】
(ステップS2)
一対の位置決め部材206(
図1参照)がレール12の内側に位置するように、建築限界測定装置10が設置される。建築限界測定装置10は、位置決め部材206によってレール12の幅方向に位置決めされ、走査軸AXSが、軌道が延びる方向に延びるようにLiDAR40が配置される。
【0029】
(ステップS3)
作業員の操作により処理部60から測定を開始する指令が送信される。制御部50が、第2の送受信器70b及び第1の送受信器70aを介してこの指令を受信すると、LiDAR40及びモータ302の制御を開始する。
その結果、LiDAR40がレーザー光を照射し、周囲にある構造物まで距離を測定する。測定が完了した後、モータ302によってボールねじ304が駆動され、ボールねじ304の回転に応じてLiDAR40が予め決められた高さ位置まで上昇する。上昇後、再びLiDAR40がレーザー光を照射し、周囲にある構造物まで距離を測定する。
LiDAR40は、この測定と上昇の動作を予め設定された高さ位置まで繰り返す。
なお、LiDAR40は、高さを変えて測定すればよく、測定と上昇の動作に代えて測定と下降の動作を繰り返してもよい。
【0030】
ここで、LiDAR40が、昇降と距離の測定を繰り返すことによる作用について説明する。
図4(A)は、測定対象T1がLiDAR40から距離d
0だけ離れた位置にある平面の場合であって、LiDAR40が固定され昇降せずに測定する状態を示している。第nステップ目の測定点P
nと第n+1ステップ目の測定点P
n+1との上下方向の間隔はh
nである。
一方、
図4(B)は、
図4(A)に示した状態からLiDARがh
n/2だけ上昇して測定する状態を示している。各測定点PA
n、PB
n、PA
n+1、PB
n+1の上下方向の間隔はh
n/2となり、昇降しない場合の1/2となる。
このように、LiDAR40が昇降しながら測定した方が、固定された状態で測定する場合と比較して、測定点の間隔が密になり、測定対象T1の形状がより高い精度で測定される。
【0031】
(ステップS4)
LiDAR40によって得られた距離の情報又はレーザー光の反射強度の情報は、無線通信部を介して処理部60に送信される。処理部60は、距離の情報の標準偏差又は反射強度の情報の標準偏差を算出し、前述のk-平均法に基づいて、算出された標準偏差をクラスタリングする。予め決められた大きさ以上の標準偏差に対応する距離の情報は測定誤差として除去される。その後、処理部60は、LiDAR40を原点としたXY直交座標系におけるデータとして、測定誤差が除去された距離の情報をプロットし、構造物の形状を示すグラフを生成する。
生成されたグラフは、測定された距離とともにディスプレイに表示され、作業員がこれを確認することにより、構造物が建築限界を侵していないことが視覚的に把握される。
【0032】
次に、実施例を示し、建築限界測定装置10について更に説明する。
発明者らは、建築限界測定装置10の測定誤差を除去する効果を確認するため、建築限界測定装置10に相当する試験装置を製作し、
図5(A)に示すようなトンネル内部の入り口部分を測定する試験を行った。なお、トンネル内部の入口部分には、トロリ線、各種の電線及びこれらの電線を固定するためのブラケットが配置されている。
試験に使用したLiDARは、北陽電機製のUST-10LXであり、検出距離は10m、測距精度は±40mm、走査角度は270度、角度分解能は0.25度、走査時間は25msec、繰り返し精度は30mm以下である。
【0033】
LiDARは昇降させずに上下方向の位置を固定した状態で測定し、
図5(B)及び
図5(C)に示すような測定データを得た。
図5(B)は、処理部60により測定誤差が除去される前の測定データであり、X印で示した測定データが測定誤差を示している。
図5(C)は、処理部60により測定誤差が除去された測定データを示している。
【0034】
図5(C)に示す測定データは、特に側方において、測定誤差が抑制され、実環境に近い形状を示していることが明らかとなった。
【0035】
続いて発明者らは、建築限界測定装置10が備えるLiDAR40を昇降させることによる効果を確認するため、
図6に示す試験装置を製作した。
測定対象T2は、ダンボールにて形成された板状の物体であり、LiDAR40から1000mm離れた位置に配置されている。この測定対象に対し、LiDAR40を高さ230mmから234mmまで0.5mm刻みで上昇させ、各高さで測定を行い、ステップごとに測定データの平均値を算出した。
【0036】
図7(A)は、LiDAR40を高さ230mmの位置にて固定した場合の測定データを示し、
図7(B)は、LiDARを上昇させた場合の測定データを示している。
各図を対比すると明らかなように、
図7(A)よりも
図7(B)の方が、より測定点が密であり、測定対象物の形状がより明確となった。
【0037】
このように、建築限界測定装置10によれば、より高い精度で構造物までの距離が測定できる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
建築限界測定装置は、鉄道の軌道上で使用されることに限定されるものではなく、自動車や歩行者が通行する道路上で使用されてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 建築限界測定装置
12 レール
20 ベース部
30 昇降部
50 制御部
60 処理部
70a 第1の送受信器
70b 第2の送受信器
202 支持部材
204 固定部材
206 位置決め部材
302 モータ
306 昇降部材
308 カップリング
310 ナット
AXV 回転中心軸
AXS 走査軸
T1、T2 測定対象
【手続補正書】
【提出日】2023-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延びる走査軸を中心としてレーザー光を照射し、複数のステップに分割された各角度位置について、構造物までの距離の情報又は該レーザー光の反射強度の情報を出力するLiDARと、
前記LiDARから得られた同一の前記ステップにおける前記距離の情報又は前記反射強度の情報の標準偏差に基づいて、同一の前記ステップにて前記レーザー光が同一地点に照射されないことに起因して前記構造物の形状の境目に生じる前記距離の情報の測定誤差を抑制する処理部と、を備え、
前記処理部が、クラスタ解析に基づいて前記標準偏差をクラスタリングし、前記距離の情報から、予め決められた大きさ以上の前記標準偏差に対応する前記距離の情報を除外する建築限界測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の建築限界測定装置において、
前記クラスタ解析が、教師なし学習により実行される建築限界測定装置。
【請求項3】
請求項2記載の建築限界測定装置において、
前記教師なし学習が、k-平均法である建築限界測定装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建築限界測定装置において、
前記LiDARを昇降させる昇降部を更に備えた建築限界測定装置。
【請求項5】
請求項4記載の建築限界測定装置において、
前記昇降部が、モータと、
前記モータによって駆動されるボールねじと、
前記LiDARが固定され、前記ボールねじの回転に応じて昇降する昇降部材と、を有する建築限界測定装置。
【請求項6】
請求項5記載の建築限界測定装置において、
該建築限界測定装置を鉄道の軌道上にあるレールの幅方向に位置決めする位置決め部材を更に備え、
前記走査軸の延びる方向が前記軌道が延びる方向となるように、前記LiDARが配置される建築限界測定装置。
【請求項7】
請求項6記載の建築限界測定装置において、
前記LiDARと前記処理部とが互いに無線で通信するための無線通信部を更に備えた建築限界測定装置。
【請求項8】
LiDARが、一方向に延びる走査軸を中心としてレーザー光を照射し、複数のステップに分割された各角度位置について、構造物までの距離の情報又は該レーザー光の反射強度の情報を出力するステップと、
前記LiDARから得られた前記距離の情報又は前記反射強度の情報の標準偏差をクラスタリングするステップと、
予め決められた大きさ以上の前記標準偏差に対応する前記距離の情報を測定誤差として前記距離の情報から除外するステップと、を含み、
前記測定誤差が、同一の前記ステップにて前記レーザー光が同一地点に照射されないことに起因して前記構造物の形状の境目に生じる誤差である建築限界測定方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築限界測定装置及び建築限界測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、測定器に特別な機能の追加を行わなくても、線路周辺の構造物の精密な形状測定を行うことのできる三次元形状測定装置が記載されている。
この三次元形状測定装置は、レール上を移動可能な台車と、台車の移動方向の一方と逆方とにそれぞれ設けられ、レール上を走行する動力車と連結可能な第1連結部および第2連結部と、進行方向に対して斜めのスキャン面に沿って順次光線を照射し、周囲の構造物の形状を測定する測定器と、台車に固定されて測定器が搭載される載置台と、を備え、載置台が、測定器の前後の向きを変更可能な回転テーブルを有することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、より高い精度で構造物までの距離が測定できる建築限界測定装置及び建築限界測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、一方向に延びる走査軸を中心としてレーザー光を照射し、複数のステップに分割された各角度位置について、構造物までの距離の情報又は該レーザー光の反射強度の情報を出力するLiDARと、前記LiDARから得られた同一の前記ステップにおける前記距離の情報又は前記反射強度の情報の標準偏差に基づいて、同一の前記ステップにて前記レーザー光が同一地点に照射されないことに起因して前記構造物の形状の境目に生じる前記距離の情報の測定誤差を抑制する処理部と、を備え、前記処理部が、クラスタ解析に基づいて前記標準偏差をクラスタリングし、前記距離の情報から、予め決められた大きさ以上の前記標準偏差に対応する前記距離の情報を除外する建築限界測定装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の建築限界測定装置において、前記クラスタ解析が、教師なし学習により実行される。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の建築限界測定装置において、前記教師なし学習が、k-平均法である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建築限界測定装置において、前記LiDARを昇降させる昇降部を更に備える。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の建築限界測定装置において、前記昇降部が、モータと、前記モータによって駆動されるボールねじと、前記LiDARが固定され、前記ボールねじの回転に応じて昇降する昇降部材と、を有する。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の建築限界測定装置において、該建築限界測定装置を鉄道の軌道上にあるレールの幅方向に位置決めする位置決め部材を更に備え、前記走査軸の延びる方向が前記軌道が延びる方向となるように、前記LiDARが配置される。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の建築限界測定装置において、前記LiDARと前記処理部とが互いに無線で通信するための無線通信部を更に備える。
【0012】
請求項8に記載の発明は、LiDARが、一方向に延びる走査軸を中心としてレーザー光を照射し、複数のステップに分割された各角度位置について、構造物までの距離の情報又は該レーザー光の反射強度の情報を出力するステップと、前記LiDARから得られた前記距離の情報又は前記反射強度の情報の標準偏差をクラスタリングするステップと、予め決められた大きさ以上の前記標準偏差に対応する前記距離の情報を測定誤差として前記距離の情報から除外するステップと、を含み、前記測定誤差が、同一の前記ステップにて前記レーザー光が同一地点に照射されないことに起因して前記構造物の形状の境目に生じる誤差である建築限界測定方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、より高い精度で構造物までの距離が測定できる建築限界測定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る建築限界測定装置の説明図である。
【
図2】同建築限界測定装置が備えるLiDARの測定範囲を示す説明図である。
【
図3】(A)、(B)は、それぞれ、測定誤差が発生する第1の要因及び第2の要因を示す説明図である。
【
図4】同建築限界測定装置が備える昇降部の動作を示す説明図であって、(A)、(B)はそれぞれ、LiDARを固定した場合を示す説明図及びLiDARを上昇させた場合の説明図である。
【
図5】(A)は、測定対象となるトンネル内部の入り口を示す写真であり、(B)、(C)はそれぞれ、測定誤差を除去する前の測定データを示すグラフ及び測定誤差を除去した後の測定データを示すグラフである。
【
図6】同建築限界測定装置が備えるLiDARを昇降させることによる効果を確認するための試験装置の説明図である。
【
図7】同建築限界測定装置が備えるLiDARを昇降させることによる効果を示すグラフであって、(A)、(B)はそれぞれ、LiDARを上昇させずに固定した場合の測定データを示すグラフ及び上昇させた場合の測定データを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0016】
本発明の一実施の形態に係る建築限界測定装置10は、
図1に示すように、ベース部20、昇降部30、LiDAR40、制御部50、処理部60及び無線通信部を備えている。
【0017】
ベース部20は、鉄道の軌道上に設置される部材であり、支持部材202及び固定部材204を有している。
支持部材202は、軌間よりも長い板状の部材であり、レール12の上に、一対のレール12と交差するように設置される。支持部材202の下側の面には、軌間よりも僅かに狭い間隔で配置され、それぞれ下方へと延びる一対の位置決め部材206が設けられている。
固定部材204は、板状の部材であり、支持部材202から上方に延びるように配置されている。
【0018】
昇降部30は、LiDAR40を昇降させることができ、固定部材204に設けられ、モータ302、ボールねじ304及び昇降部材306を有している。
モータ302は、例えば、ステッピングモータであり、モータシャフトが上下方向に延びるように配置され、支持部材202に固定されたモータドライバ(不図示)にケーブルを介して接続されている。
ボールねじ304は、回転中心軸AXVが上下方向に延びるように設けられ、カップリング308を介してモータ302によって駆動される。
昇降部材306は、ボールねじ304に対応したナット310を有し、ボールねじ304の回転に応じて昇降できる。
なお、昇降部材306の昇降動作は、ボールねじ304に沿って延びるリニアガイド(ガイドの一例)312によって案内される。
【0019】
LiDAR(Light Detection and Ranging)40は、周囲の構造物までの距離を測定するためのセンサであり、昇降部材306に固定されている。
LiDAR40は、軌道(レール12)が延びる方向に延びる走査軸AXSを中心とした放射状にレーザー光を照射し、ToF(Time of Flight)方式に基づいて、軌道の周囲に設置された構造物までの距離の情報を出力できる。
LiDAR40の測定範囲は、
図2に示すように、一方向に延びる走査軸AXSを中心とした、下方を除く中心角θの扇形の範囲であり、複数のステップ(例えば、同
図2に示すように0~1080ステップ)に分割された各角度位置について、測定対象までの距離が測定される。
【0020】
LiDAR40は、構造物に反射したレーザー光を受光する受光素子(不図示)を有しており、この受光素子にて受光した光の強さである反射強度(受光強度)の情報を出力することもできる。
すなわち、LiDAR40は、構造物までの距離の情報及びレーザー光の反射強度の情報のうち、少なくとも一方の情報を出力できる。
【0021】
ここで一般に、LiDAR40による測定値には、測定対象物の形状の境目に測定誤差が生じる。この測定誤差は、2つの要因により生じると考えられる。
第1の要因は、LiDAR40から照射されたレーザーが拡散し、反射光が複数生じることである。
図3(A)に示すように、複数の反射光RL1、RL2によって、A部に示すような測定誤差が発生する。
第2の要因は、同一ステップにおいて、LiDARのレーザーが同一地点に照射されないことである。
図3(B)に示すように、n
-2回目、n-1回目、n回目、n+1回目及びn+2回目の同一ステップにおいて、照射範囲にずれが存在するため、測定誤差が発生する。
【0022】
これら第1の要因及び第2の要因により、測定対象である構造物までの距離の情報の標準偏差又は反射強度の情報の標準偏差が大きくなり、実環境では測定されない値が測定誤差として発生すると考えられる。換言すると、同一ステップ内において距離の情報の標準偏差又は反射強度の情報の標準偏差が大きくなったときに測定誤差が発生すると考えられる。
【0023】
制御部50は、
図1に示す処理部60から受信した指令に基づいて、LiDAR40及びモータ302を制御できる。
制御部50は、支持部材202に設けられており、LiDAR40及びモータ302に駆動電流を供給するためのモータドライバ(不図示)にそれぞれケーブルを介して接続されている。
【0024】
処理部60は、作業員が測定現場にて操作できるコンピュータであり、例えば、タブレットPCやノートPCである。
処理部60は、LiDAR40から得られた距離の情報の標準偏差又は反射強度の情報の標準偏差に基づいて測定誤差を抑制できる。
詳細には、処理部60は、教示なしデータ分類手法であるk-平均法(クラスタ解析の一例)に基づいて、距離の情報の標準偏差又は反射強度の情報の標準偏差をクラスタリングし、設定された閾値以上の大きさの標準偏差(予め決められた大きさ以上の標準偏差)に対応する距離の情報を測定誤差として距離の情報から除外する。
なお、クラスタ解析は、k-平均法に限定されるものではなく、これ以外の教師なし学習により実行されてもよい。
【0025】
無線通信部は、LiDAR40及び処理部60が互いに無線通信するための通信装置であり、対となる第1の送受信器70a及び第2の送受信器70bにより構成される。
第1の送受信器70a及び第2の送受信器70bは、それぞれ、制御部50及び処理部60に接続され、例えばBluetoothにより互いに無線通信できる。
第1の送受信器70a及び第2の送受信器70bは、それぞれ、制御部50及び処理部60に内蔵されていてもよい。
【0026】
次に、建築限界測定装置10の動作(使用方法)について説明する。建築限界測定装置10は、次のステップS1~S4に従って動作する。
【0027】
(ステップS1)
建築限界測定装置10が、測定現場に搬入される。測定現場は、例えば、新規に構造物が設置された場所である。
【0028】
(ステップS2)
一対の位置決め部材206(
図1参照)がレール12の内側に位置するように、建築限界測定装置10が設置される。建築限界測定装置10は、位置決め部材206によってレール12の幅方向に位置決めされ、走査軸AXSが、軌道が延びる方向に延びるようにLiDAR40が配置される。
【0029】
(ステップS3)
作業員の操作により処理部60から測定を開始する指令が送信される。制御部50が、第2の送受信器70b及び第1の送受信器70aを介してこの指令を受信すると、LiDAR40及びモータ302の制御を開始する。
その結果、LiDAR40がレーザー光を照射し、周囲にある構造物まで距離を測定する。測定が完了した後、モータ302によってボールねじ304が駆動され、ボールねじ304の回転に応じてLiDAR40が予め決められた高さ位置まで上昇する。上昇後、再びLiDAR40がレーザー光を照射し、周囲にある構造物まで距離を測定する。
LiDAR40は、この測定と上昇の動作を予め設定された高さ位置まで繰り返す。
なお、LiDAR40は、高さを変えて測定すればよく、測定と上昇の動作に代えて測定と下降の動作を繰り返してもよい。
【0030】
ここで、LiDAR40が、昇降と距離の測定を繰り返すことによる作用について説明する。
図4(A)は、測定対象T1がLiDAR40から距離d0だけ離れた位置にある平面の場合であって、LiDAR40が固定され昇降せずに測定する状態を示している。第nステップ目の測定点Pnと第n+1ステップ目の測定点Pn+1との上下方向の間隔はhnである。
一方、
図4(B)は、
図4(A)に示した状態からLiDARがhn/2だけ上昇して測定する状態を示している。各測定点PAn、PBn、PAn+1、PBn+1の上下方向の間隔はhn/2となり、昇降しない場合の1/2となる。
このように、LiDAR40が昇降しながら測定した方が、固定された状態で測定する場合と比較して、測定点の間隔が密になり、測定対象T1の形状がより高い精度で測定される。
【0031】
(ステップS4)
LiDAR40によって得られた距離の情報又はレーザー光の反射強度の情報は、無線通信部を介して処理部60に送信される。処理部60は、距離の情報の標準偏差又は反射強度の情報の標準偏差を算出し、前述のk-平均法に基づいて、算出された標準偏差をクラスタリングする。予め決められた大きさ以上の標準偏差に対応する距離の情報は測定誤差として除去される。その後、処理部60は、LiDAR40を原点としたXY直交座標系におけるデータとして、測定誤差が除去された距離の情報をプロットし、構造物の形状を示すグラフを生成する。
生成されたグラフは、測定された距離とともにディスプレイに表示され、作業員がこれを確認することにより、構造物が建築限界を侵していないことが視覚的に把握される。
【0032】
次に、実施例を示し、建築限界測定装置10について更に説明する。
発明者らは、建築限界測定装置10の測定誤差を除去する効果を確認するため、建築限界測定装置10に相当する試験装置を製作し、
図5(A)に示すようなトンネル内部の入り口部分を測定する試験を行った。なお、トンネル内部の入口部分には、トロリ線、各種の電線及びこれらの電線を固定するためのブラケットが配置されている。
試験に使用したLiDARは、北陽電機製のUST-10LXであり、検出距離は10m、測距精度は±40mm、走査角度は270度、角度分解能は0.25度、走査時間は25msec、繰り返し精度は30mm以下である。
【0033】
LiDARは昇降させずに上下方向の位置を固定した状態で測定し、
図5(B)及び
図5(C)に示すような測定データを得た。
図5(B)は、処理部60により測定誤差が除去される前の測定データであり、X印で示した測定データが測定誤差を示している。
図5(C)は、処理部60により測定誤差が除去された測定データを示している。
【0034】
図5(C)に示す測定データは、特に側方において、測定誤差が抑制され、実環境に近い形状を示していることが明らかとなった。
【0035】
続いて発明者らは、建築限界測定装置10が備えるLiDAR40を昇降させることによる効果を確認するため、
図6に示す試験装置を製作した。
測定対象T2は、ダンボールにて形成された板状の物体であり、LiDAR40から1000mm離れた位置に配置されている。この測定対象に対し、LiDAR40を高さ230mmから234mmまで0.5mm刻みで上昇させ、各高さで測定を行い、ステップごとに測定データの平均値を算出した。
【0036】
図7(A)は、LiDAR40を高さ230mmの位置にて固定した場合の測定データを示し、
図7(B)は、LiDARを上昇させた場合の測定データを示している。
各図を対比すると明らかなように、
図7(A)よりも
図7(B)の方が、より測定点が密であり、測定対象物の形状がより明確となった。
【0037】
このように、建築限界測定装置10によれば、より高い精度で構造物までの距離が測定できる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
建築限界測定装置は、鉄道の軌道上で使用されることに限定されるものではなく、自動車や歩行者が通行する道路上で使用されてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 建築限界測定装置
12 レール
20 ベース部
30 昇降部
50 制御部
60 処理部
70a 第1の送受信器
70b 第2の送受信器
202 支持部材
204 固定部材
206 位置決め部材
302 モータ
306 昇降部材
308 カップリング
310 ナット
AXV 回転中心軸
AXS 走査軸
T1、T2 測定対象