(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172998
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】加熱シリンダヒータ、射出装置、および射出成形機
(51)【国際特許分類】
B29C 45/72 20060101AFI20231130BHJP
B29C 45/76 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B29C45/72
B29C45/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084919
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(72)【発明者】
【氏名】油布 拓也
(72)【発明者】
【氏名】内藤 章弘
(72)【発明者】
【氏名】尾辻 靖貴
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AK02
4F206AK09
4F206AK14
4F206AR06
4F206AR07
4F206JA07
4F206JL02
4F206JN43
4F206JP11
4F206JP14
4F206JQ46
4F206JQ47
4F206JQ48
4F206JQ88
4F206JT07
4F206JT40
(57)【要約】
【課題】冷却が適切に行える加熱シリンダヒータを提供する。
【解決手段】加熱シリンダヒータ(30)を、加熱シリンダ(19)の周囲に該加熱シリンダ(19)に対して非接触的に配置されている複数本の赤外線ヒータ(35)と、赤外線ヒータ(35)の外側に設けられている断熱材(34)と、断熱材(34)を覆っているカバー(32)とから構成する。そして、カバー(32)には、2カ所以上の開口部(39
40)を明け、いずれかに開口部(40)を開閉する開閉手段(42)を設ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱シリンダの周囲に該加熱シリンダに対して非接触的に配置されている複数本の赤外線ヒータと、
前記赤外線ヒータの外側に設けられている断熱材と、
前記断熱材を覆っているカバーと、を備え、
前記カバーには、2カ所以上の開口部が明けられており、2カ所以上の前記開口部の一部もしくは全てに前記開口部を開閉する開閉手段が設けられている、加熱シリンダヒータ。
【請求項2】
前記開口部は、前記カバーに対して下部に1個以上、上部に1個以上が設けられ、上部に設けられている前記開口部の少なくとも1個に前記開閉手段が設けられている、請求項1に記載の加熱シリンダヒータ。
【請求項3】
前記開閉手段はアクチュエータを備え、前記開口部は該アクチュエータにより開閉される、請求項1または2に記載の加熱シリンダヒータ。
【請求項4】
前記開閉手段は前記開口部の開度を調整するようになっている、請求項1または2に記載の加熱シリンダヒータ。
【請求項5】
前記開口部には圧縮エアが供給されるようになっている、請求項1または2に記載の加熱シリンダヒータ。
【請求項6】
加熱シリンダと、
前記加熱シリンダに設けられているスクリュと、
前記加熱シリンダに設けられている加熱シリンダヒータと、を備え、
前記加熱シリンダヒータは、加熱シリンダの周囲に該加熱シリンダに対して非接触的に配置されている複数本の赤外線ヒータと、
前記赤外線ヒータの外側に設けられている断熱材と、
前記断熱材を覆っているカバーと、を備え、
前記カバーには、2カ所以上の開口部が明けられており、2カ所以上の前記開口部の一部もしくは全てに前記開口部を開閉する開閉手段が設けられている、射出装置。
【請求項7】
前記開口部は、前記カバーに対して下部に1個以上、上部に1個以上が設けられ、上部に設けられている前記開口部の少なくとも1個に前記開閉手段が設けられている、請求項6に記載の射出装置。
【請求項8】
前記射出装置は制御装置を備え、
前記開閉手段はアクチュエータを備え、該アクチュエータは前記制御装置により制御されるようになっている、請求項6または7に記載の射出装置。
【請求項9】
前記開閉手段は前記開口部の開度を調整するようになっている、請求項6または7に記載の射出装置。
【請求項10】
前記開口部には圧縮エアが供給されるようになっている、請求項6または7に記載の射出装置。
【請求項11】
前記加熱シリンダは複数のゾーンに区分され、前記加熱シリンダヒータはそれぞれの前記ゾーンに対応して複数個が設けられている、請求項6または7に記載の射出装置。
【請求項12】
前記加熱シリンダは複数のゾーンに区分され、前記加熱シリンダヒータは1個以上の特定の前記ゾーンに対応して設けられ、他の前記ゾーンには前記開口部の無い無開口部加熱シリンダヒータが設けられている、請求項6または7に記載の射出装置。
【請求項13】
射出装置と、型締装置とを備え、
前記射出装置は、加熱シリンダと、
前記加熱シリンダに設けられているスクリュと、
前記加熱シリンダに設けられている加熱シリンダヒータと、を備え、
前記加熱シリンダヒータは、加熱シリンダの周囲に該加熱シリンダに対して非接触的に配置されている複数本の赤外線ヒータと、
前記赤外線ヒータの外側に設けられている断熱材と、
前記断熱材を覆っているカバーと、を備え、
前記カバーには、2カ所以上の開口部が明けられており、2カ所以上の前記開口部の一部もしくは全てに前記開口部を開閉する開閉手段が設けられている、射出成形機。
【請求項14】
前記開口部は、前記カバーに対して下部に1個以上、上部に1個以上が設けられ、上部に設けられている前記開口部の少なくとも1個に前記開閉手段が設けられている、請求項13に記載の射出成形機。
【請求項15】
前記射出成形機は制御装置を備え、
前記開閉手段はアクチュエータを備え、該アクチュエータは前記制御装置により制御されるようになっている、請求項13または14に記載の射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機の加熱シリンダを加熱する加熱シリンダヒータ、加熱シリンダヒータを備えた射出装置、および射出成形機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
射出成形機は射出装置と型締装置とから構成されており、射出装置は加熱シリンダと加熱シリンダ内に入れられているスクリュとを備えている。加熱シリンダにはバンドヒータが設けられている。バンドヒータにより加熱シリンダを加熱し、射出材料を供給し、スクリュを回転する。そうするとバンドヒータによる熱と、スクリュの回転により生じる剪断熱とによって射出材料は溶融し、計量される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
特許文献1には、赤外線ヒータを備えた加熱シリンダヒータが記載されている。特許文献1に記載の加熱シリンダヒータは、加熱シリンダの外側に非接触的に設けられている複数の赤外線と、これら赤外線ヒータの外側に設けられている断熱材とから構成されている。赤外線ヒータに電流を供給すると赤外線により加熱シリンダが加熱されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バンドヒータであっても、特許文献1に記載の加熱シリンダヒータであっても、加熱シリンダを適切に加熱することができ、優れている。しかしながら解決すべき課題も見受けられる。加熱シリンダは、スクリュを回転して射出材料に生じる剪断力により発熱して、位置によって目標とする温度より高温になる場合がある。特に加熱シリンダの中間の位置において温度が上昇し易い。例えば加熱シリンダにバンドヒータが設けられている場合には、バンドヒータの外側から冷風を吹き付けることができるが、バンドヒータに設けられている断熱材が妨げとなって効率よく冷却することができない。特許文献1に記載の加熱シリンダヒータについては冷却する手段がない、という問題がある。
【0006】
本開示において、冷却が適切に行える加熱シリンダヒータを提供する。
【0007】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、加熱シリンダヒータを、加熱シリンダの周囲に該加熱シリンダに対して非接触的に配置されている複数本の赤外線ヒータと、赤外線ヒータの外側に設けられている断熱材と、断熱材を覆っているカバーとから構成する。そして、カバーには、2カ所以上の開口部を明け、その一部もしくは全てに開口部を開閉する開閉手段を設ける。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、効率よく加熱シリンダを冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態に係る射出成形機を示す正面図である。
【
図2】本実施の形態に係る加熱シリンダヒータを備えた射出装置を示す正面図である。
【
図3】本実施の形態に係る加熱シリンダヒータを備えた射出装置を示す側面断面図である。
【
図4】本実施の形態に係る加熱シリンダヒータを備えた射出装置を示す側面断面図である。
【
図5A】本実施の第2の形態に係る加熱シリンダヒータを備えた射出装置を示す側面断面図である。
【
図5B】本実施の第2の形態に係る加熱シリンダヒータを備えた射出装置を示す側面断面図である。
【
図5C】本実施の第3の形態に係る加熱シリンダヒータを備えた射出装置を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。
【0012】
<射出成形機>
本実施の形態に係る射出成形機1は、
図1に示されているように、型締装置2と、射出装置3等を備えている。射出成形機1はコントローラつまり制御装置4を備えており、型締装置2、射出装置3等は、制御装置4によって制御されるようになっている。後で説明する加熱シリンダヒータ30も、制御装置4によって制御されるようになっている。
図1において加熱シリンダヒータ30は点線で示されている。
【0013】
<型締装置>
型締装置2は、ベッドBに固定されている固定盤7と、ベッドB上をスライド自在に設けられている可動盤8と、型締ハウジング9と、を備えている。固定盤7と型締ハウジング9は複数本のタイバー11、11、…により連結されており、可動盤8は固定盤7と型締ハウジング9の間でスライド自在になっている。型締ハウジング9と可動盤8の間には型締機構が、すなわち本実施の形態においてはトグル機構13が設けられている。固定盤7と可動盤8には、それぞれ固定側金型15、可動側金型16が設けられている。従って、トグル機構13を駆動すると金型15、16が型開閉される。
【0014】
<射出装置>
射出装置3は、加熱シリンダ19と、加熱シリンダ19内に設けられているスクリュ20と、スクリュ駆動装置22と、を備えている。加熱シリンダ19はスクリュ駆動装置22に支持されており、スクリュ20はスクリュ駆動装置22によって回転方向と軸方向とに駆動されるようになっている。加熱シリンダ19にはホッパ23と、射出ノズル24とが設けられている。
【0015】
<加熱シリンダヒータ>
本実施の形態に係る加熱シリンダヒータ30について説明する。加熱シリンダヒータ30は、
図2に示されているように、加熱シリンダ19に設けられ、本実施の形態において4個から構成されている。すなわちホッパ23に近い第1の加熱シリンダヒータ30H1と、その下流側の第2の加熱シリンダヒータ30H2と、その下流側の第3の加熱シリンダヒータ30H3と、その下流で射出ノズル24に近い第4の加熱シリンダヒータ30H4と、から構成されている。第2、第3の加熱シリンダヒータ30H2、30H3の構造は同様に構成されているので、まず第3の加熱シリンダヒータ30H3について説明する。
【0016】
第3の加熱シリンダヒータ30H3は、
図2、
図3に示されているように、円筒状のカバー32と、このカバー32の内側に設けられている断熱材34と、断熱材34の内側に配置されている複数本の赤外線ヒータ35、35、…と、を備えている。赤外線ヒータ35、35、…は加熱シリンダ19の外側に、加熱シリンダ19に対して非接触に配置されている。したがって、赤外線ヒータ35、35、…に通電すると赤外線が放射されて加熱シリンダ19を加熱することができる。本実施の形態において断熱材34の内周面には反射板36が設けられている。反射板36は必ずしも必須の構成要素ではないが、赤外線を反射して効率よく加熱シリンダ19を加熱することができる。なお、反射板36の代わりに蒸着加工等により断熱材34の内周面に金属膜を形成してもよい。
【0017】
本実施の形態においてカバー32には、その下部に1個の開口部39が、そしてその上部に1個の開口部40がそれぞれ明けられている。これら開口部39、40は断熱材34を貫通して、断熱材34の内側と加熱シリンダ19の外周面とで囲まれた空間に連通している。これら開口部39、40のうち下部の開口部39は常時開口しているが、上部の開口部40には開口部40を開閉する開閉手段42が設けられている。開閉手段42は開口部40を閉鎖する蓋43と、この蓋43を駆動するシリンダユニット44と、シリンダユニット44を支持するブラケット45とから構成されている。シリンダユニット44は制御装置4によって駆動されるようになっており、駆動されると蓋43によって開口部40が開閉される。この開口部39、40、開閉手段42が加熱シリンダ19を冷却する冷却手段になっている。
【0018】
本実施の形態において、カバー32は
図3に示されているように上側の半分と下側の半分とに二つ割り構造になっており、これらは蝶番47によって接続されている。したがって、図示されていない留め具を外すと、蝶番47を中心にしてカバー32下側の半分が回転して、符号49の点線で示されているように開かれる。そうすると、第3の加熱シリンダヒータ30H3を加熱シリンダ19から取り外すことができるようになっている。
【0019】
前記したように第2の加熱シリンダヒータ30H2は、第3の加熱シリンダヒータ30H3と同様に構成されているので説明は省略する。第1、第4の加熱シリンダヒータ30H1、30H4は、第3の加熱シリンダヒータ30H3と類似した構成を備えているが一部相違している。具体的には、開口部39、40が設けられておらず、開閉手段42も設けられていない。つまり第1、第4の加熱シリンダヒータ30H1、30H4は、加熱シリンダ19を冷却する冷却手段を備えていない。第1の加熱シリンダヒータ30H1に冷却手段が設けられていない理由は、加熱シリンダ19のホッパ23寄りの部分が、熱伝導によりスクリュ駆動装置22に熱が奪われて比較的冷却されやすいからである。また、第4の加熱シリンダヒータ30H4に冷却手段が設けられていない理由は、加熱シリンダ19の先端が露出して比較的冷却されやすいからである。
【0020】
<作用>
本実施の形態に係る加熱シリンダヒータ30の作用を説明する。射出成形機1(
図1参照)において運転を開始するとき、制御装置4の制御により加熱シリンダヒータ30に電力を供給する。すなわち、第1~4の加熱シリンダヒータ30H1、30H2、…(
図2、
図3参照)において赤外線ヒータ35、35、…に通電する。赤外線ヒータ35、35、…から赤外線が放射されて加熱シリンダ19が加熱される。加熱シリンダ19には図示されない温度センサが埋め込まれており、制御装置4は目標温度になるように制御する。型締装置2を駆動して金型15、16を型締めする。ホッパ23から射出材料を供給し、スクリュ20を回転する。そうすると射出材料は溶融し加熱シリンダ19の前方に送られる。すなわち計量される。スクリュ20を軸方向に駆動すると射出材料が金型15、16に射出される。すなわち成形品が成形される。
【0021】
加熱シリンダ19は、スクリュ20の回転時の射出材料に作用する剪断力によっても発熱する。成形サイクルを繰り返すと、この発熱により加熱シリンダ19はその位置によって目標温度を超えることがある。制御装置4は、加熱シリンダヒータ30の開閉手段42(
図3参照)を駆動する。すなわち、シリンダユニット44を駆動して蓋43を開く。そうすると
図4に示されているように、上部の開口部40が開口する。加熱シリンダ19の外周面と断熱材34の内周面とで囲まれた内部の空間には高温の空気が充満している。高温の空気は比重が小さいので、上部の開口部40から流出し、同時に下部の開口部39から冷たい空気が流入する。このような対流によって速やかに内部の空間の空気が入れ換えられて、加熱シリンダ19が冷却される。加熱シリンダ19が目標温度に到達したらシリンダユニット44を駆動して蓋43を閉じる。
【0022】
本実施の形態に係る加熱シリンダヒータ30は、カバー32に開口部39、40を備えていると共に、上部の開口部40に開閉手段42が設けられているので、加熱シリンダ19を速やかに冷却することができる。したがって、例えば射出材料の種類を換える、いわゆる樹脂替え、色替え等の作業においても加熱シリンダ19を速やかに冷却することができ、効率がよい。また冷却は、空気の対流を利用して効率良く実施できるので、省エネルギーになっている。
【0023】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は色々な変形が可能である。
図5Aには第2の実施の形態に係る加熱シリンダヒータ30Aの一部が示されている。この実施の形態では、開口部40の開閉手段42Aが変形されている。開閉手段42Aは、横方向にスライドする弁体51と、この弁体51を駆動するラック52と、ピニオン53とから構成されている。ピニオン53は図示されないモータによって駆動されるようになっており、ピニオン53を回転すると弁体51がスライドする。この実施の形態において弁体51は開口部40の開度を調整できるようになっている。したがって、急速に冷却したいときには開度を大きくし、緩やかに冷却したいときには開度を小さくするなど、冷却の強さを制御することができる。
【0024】
図5Bには第3の実施の形態に係る加熱シリンダヒータ30Bの一部が示されている。この実施の形態においても開口部40の開閉手段42Bが変形されている。開閉手段42Bは回転可能に設けられている複数枚のシャッター56、56、…と、このシャッター56、56、…を回転させる駆動棒58と、駆動棒58を駆動するシリンダユニット59とから構成されている。シリンダユニット59を制御すると、駆動棒58の駆動量を調整することができ、シャッター56、56、…の回転量を調整できる。これにいおり開口部40の開度を調整できるようになっている。
【0025】
図5Cに第4の実施の形態に係る加熱シリンダヒータ30Cが示されている。この実施の形態においては、カバー32において上部の開口部40、40は2個からなり、これらはカバー32の最上部より若干下方に明けられている。そしてこれら2個の開口部40、40にそれぞれ第1の実施の形態に係る加熱シリンダヒータ30(
図3参照)と同様の開閉手段42、42が設けられている。また、下部の開口部39は、カバー32の最下部よりも若干上方に明けられ、そしてブロワ61が接続されている。第4の実施の形態に係る加熱シリンダヒータ30Cは、冷却するとき2個の開閉手段42、42のいずれか一方だけを駆動して開口部40、40のうち一方を開閉してもよいし、両方駆動して両方を開口してもよい。これによって冷却の強さを調整することができる。また、さらに冷却の強さを強くしたい場合にはブロワ61によって強制的に圧縮エアを供給する。なお、圧縮エアはブロア61ではなく、圧縮空気源等の他の手段により供給することもできる。
【0026】
<他の変形例>
本実施の形態は他にも色々な変形が可能である。例えば、第1の実施の形態において、第2の加熱シリンダヒータ30H2と、第3の加熱シリンダヒータ30H3は、カバー32、32に明けられている下方の開口部39、39が常時開口しているように説明した。しかしながらこれらの開口部39、39に開閉手段を設けてもよい。冷却が必要になったときに開閉手段を駆動して開口部39、39を開くようにすればよい。
【0027】
他の変形も可能である。加熱シリンダヒータ30は第1~4の加熱シリンダヒータ30H1、30H2、…からなるように説明したが、3個以下であっても、あるいは5個以上から構成されていてもよい。また、本実施の形態について、第1、第4の加熱シリンダヒータ30H1、30H4には開口部39、40が明けられていない旨説明した。しかしながら、これら第1、第4の加熱シリンダヒータ30H1、30H4にも開口部39、40を明け、そして開口部40の開閉手段42を設けるようにしてもよい。
【0028】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
【符号の説明】
【0029】
1 射出成形機 2 型締装置
3 射出装置 4 制御装置
7 固定盤 8 可動盤
9 型締ハウジング 11 タイバー
13 トグル機構 15 固定側金型
16 可動側金型 19 加熱シリンダ
20 スクリュ 22 スクリュ駆動装置
23 ホッパ 24 射出ノズル
30 加熱シリンダヒータ 32 カバー
34 断熱材 35 赤外線ヒータ
36 反射板 39 開口部
40 開口部 42 開閉手段
43 蓋 44 シリンダユニット
45 ブラケット 47 蝶番
51 弁体 52 ラック
53 ピニオン