(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173002
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】分岐回路ユニット
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20231130BHJP
H02G 3/14 20060101ALI20231130BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20231130BHJP
H01H 85/48 20060101ALI20231130BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H02G3/16
H02G3/14
H05K7/06 C
H01H85/48
H05K5/02 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084924
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 優介
【テーマコード(参考)】
4E360
5G361
5G502
【Fターム(参考)】
4E360AB08
4E360AB18
4E360BD02
4E360CA01
4E360EA03
4E360EA11
4E360EA25
4E360EA28
4E360EC05
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED03
4E360ED12
4E360ED23
4E360ED28
4E360GA07
4E360GA08
4E360GA52
4E360GA53
4E360GA60
4E360GB99
4E360GC02
4E360GC08
4E360GC13
4E360GC14
5G361AA06
5G361AB12
5G361AC01
5G361AC03
5G361AD01
5G361BA03
5G361BB01
5G361BB03
5G361BC01
5G361BC02
5G502FF10
(57)【要約】
【課題】優れたスペース効率や取扱性を伴って分岐数の増減に対応可能な、汎用性に優れた分岐回路ユニットを開示する。
【解決手段】分岐回路ユニット10が、基本分岐回路16と基本ケース18とを含む基本ユニット20と、追加分岐回路26と追加ケース28とを含む少なくとも1つの追加ユニット30a,30bと、を備え、基本ケース18には追加ケース28が連結され、基本分岐回路16は基本側分岐接続部46を有し、基本側分岐接続部46は追加分岐回路26に接続され、追加分岐回路26は追加側分岐接続部124を有し、複数の追加ユニット30a,30bを用いる場合には、一の追加ユニット30aの追加側分岐接続部124は、他の追加ユニット30bの追加分岐回路26に接続され、一の追加ユニット30aの追加ケース28と他の追加ユニット30bの追加ケース28が連結される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本側入力部と基本側出力部を有する基本分岐回路と、前記基本分岐回路を保持する基本ケースと、を含む基本ユニットと、
追加側入力部と追加側出力部を有する追加分岐回路と、前記追加分岐回路を保持する追加ケースと、を含む少なくとも1つの追加ユニットと、を備え、
前記基本ケースは、前記追加ケースに設けられた連結部が連結可能な第1被連結部を有し、前記連結部と前記第1被連結部との連結により、前記基本ケースと前記追加ケースが連結され、
前記追加ケースは、前記連結部と、前記連結部が連結可能な第2被連結部を有し、
前記基本分岐回路は、前記基本側入力部に接続された基本側分岐接続部を有し、前記基本側分岐接続部は、前記追加分岐回路の前記追加側入力部に接続され、
前記追加分岐回路は、前記追加側入力部に接続された追加側分岐接続部を有し、
複数の前記追加ユニットを用いる場合には、
前記基本ユニット側に連結された一の前記追加ユニットの前記追加側分岐接続部は、他の前記追加ユニットの前記追加側入力部に接続され、
前記他の前記追加ユニットの前記連結部と前記一の前記追加ユニットの前記第2被連結部との連結により、前記一の前記追加ユニットの前記追加ケースと前記他の前記追加ユニットの前記追加ケースが連結される、
分岐回路ユニット。
【請求項2】
前記基本側分岐接続部は、前記連結部と前記第1被連結部の連結により、前記追加分岐回路の前記追加側入力部に接続可能に配置され、
複数の前記追加ユニットが追加される場合には、
前記一の前記追加ユニットの前記追加側分岐接続部は、前記他の前記追加ユニットの前記連結部と前記一の前記追加ユニットの前記第2被連結部との連結により、前記他の前記追加ユニットの前記追加側入力部に接続可能に配置される、請求項1に記載の分岐回路ユニット。
【請求項3】
前記連結部は前記追加ケースの表面から外方に突出する凸部を含み、前記第1被連結部および前記第2被連結部は、前記基本ケースの表面および前記追加ケースの表面にそれぞれ開口して前記凸部を収容可能な凹部を含んでいる、請求項1または請求項2に記載の分岐回路ユニット。
【請求項4】
前記凸部は第1凸部と第2凸部を含み、前記凹部は第1凹部と第2凹部を含み、
前記追加ケースに設けられた前記第1凸部が、前記基本ケースまたは前記追加ケースにそれぞれ設けられた前記第1凹部に収容されて、前記第1凸部と前記第1凹部が相互に係合することにより、前記基本ケースと前記追加ケースまたは前記追加ケース同士が仮固定状態に保持され、
前記追加ケースに設けられた前記第2凸部と、前記基本ケースまたは前記追加ケースに設けられた前記第2凹部が相互にボルト締結されることにより、前記基本ケースと前記追加ケースまたは前記追加ケース同士が本固定状態に保持される、請求項3に記載の分岐回路ユニット。
【請求項5】
前記基本分岐回路は、バスバーを有し、
前記バスバーの一端部に前記基本側入力部が設けられ、前記バスバーの他端部に前記基本側分岐接続部が設けられ、前記一端部側にヒューズの入力端子が接続されている、請求項1または請求項2に記載の分岐回路ユニット。
【請求項6】
前記基本分岐回路は、前記基本側入力部に接続されたヒューズを含み、前記ヒューズの出力端子により前記基本側出力部が構成されている、請求項1または請求項2に記載の分岐回路ユニット。
【請求項7】
前記追加分岐回路は、バスバーを有し、
前記バスバーの一端部に前記追加側入力部が設けられ、前記バスバーの他端部に前記追加側分岐接続部が設けられ、前記一端部側にヒューズの入力端子が接続されている、請求項1または請求項2に記載の分岐回路ユニット。
【請求項8】
前記追加分岐回路は、前記追加側入力部に接続されたヒューズを含み、前記ヒューズの出力端子により前記追加側出力部が構成されている、請求項1または請求項2に記載の分岐回路ユニット。
【請求項9】
前記連結部と前記第1被連結部または前記第2被連結部とは、弾性部材を介して当接している、請求項1または請求項2に記載の分岐回路ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分岐回路ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車には、車両に搭載された電池パック等の電源からの電力を、複数の車載補機へ分岐する分岐回路ユニットが搭載されている。分岐回路ユニットは、車種やグレードにより補機への分岐数が異なるため、車種やグレード毎に、専用の分岐回路ユニットを設計する必要があった。そこで、特許文献1には、ローグレード車種とハイグレード車種に共用する電気接続箱を構成し、ケースの一部の領域にハイグレード車種用のリレー搭載部を設け、ハイグレード車種に適用される際に追加のリレーを搭載するようにした構造が提案されている。さらに、特許文献2には、ローグレード車種とハイグレード車種とで共用するメイン接続箱と、ハイグレード車種のみに使用される別体のリレーブロックを設け、別体のリレーブロックは、メイン接続箱から離隔した空きスペースにも搭載可能とされた構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-185062号公報
【特許文献2】特開平9-140028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1の構造では、ローグレード車種において未使用となる領域(リレー搭載部)が発生し、小型化・省スペース化に問題があった。また、特許文献2の構造では、メイン接続箱とリレーブロックが別部品となることから、取扱性が悪いという問題を内在していた。
【0005】
そこで、優れたスペース効率や取扱性を伴って分岐数の増減に対応可能な、汎用性に優れた分岐回路ユニットを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の分岐回路ユニットは、基本側入力部と基本側出力部を有する基本分岐回路と、前記基本分岐回路を保持する基本ケースと、を含む基本ユニットと、追加側入力部と追加側出力部を有する追加分岐回路と、前記追加分岐回路を保持する追加ケースと、を含む少なくとも1つの追加ユニットと、を備え、前記基本ケースは、前記追加ケースに設けられた連結部が連結可能な第1被連結部を有し、前記連結部と前記第1被連結部との連結により、前記基本ケースと前記追加ケースが連結され、前記追加ケースは、前記連結部と、前記連結部が連結可能な第2被連結部を有し、前記基本分岐回路は、前記基本側入力部に接続された基本側分岐接続部を有し、前記基本側分岐接続部は、前記追加分岐回路の前記追加側入力部に接続され、前記追加分岐回路は、前記追加側入力部に接続された追加側分岐接続部を有し、複数の前記追加ユニットを用いる場合には、前記基本ユニット側に連結された一の前記追加ユニットの前記追加側分岐接続部は、他の前記追加ユニットの前記追加側入力部に接続され、前記他の前記追加ユニットの前記連結部と前記一の前記追加ユニットの前記第2被連結部との連結により、前記一の前記追加ユニットの前記追加ケースと前記他の前記追加ユニットの前記追加ケースが連結される、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、優れたスペース効率や取扱性を伴って分岐数の増減に対応可能な、汎用性に優れた分岐回路ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る分岐回路ユニットの具体的な一例を示す斜視図であって、基本ユニットと2つの追加ユニットが仮固定状態で保持されている態様を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された分岐回路ユニットにおける平面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示された分岐回路ユニットを構成する基本ユニットの斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示された基本ユニットにおける分解斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1に示された分岐回路ユニットを構成する追加ユニットの斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7に示された追加ユニットを背面側から示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図7に示された追加ユニットにおける分解斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係る分岐回路ユニットの具体的な別の一例を示す斜視図であって、基本ユニットと1つの追加ユニットが仮固定状態で保持されている態様を示す図である。
【
図11】
図11は、
図1に示された分岐回路ユニットにおいて基本ユニットと2つの追加ユニットが本固定状態で保持されている態様を示す縦断面図であって、
図3に対応する図である。
【
図12】
図12は、
図1に示された分岐回路ユニットにおいて基本ユニットと2つの追加ユニットが本固定状態で保持されている態様を示す縦断面図であって、
図4に対応する図である。
【
図13】
図13は、別の態様に係る分岐回路ユニットを示す縦断面図であって、
図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の分岐回路ユニットは、
基本側入力部と基本側出力部を有する基本分岐回路と、前記基本分岐回路を保持する基本ケースと、を含む基本ユニットと、追加側入力部と追加側出力部を有する追加分岐回路と、前記追加分岐回路を保持する追加ケースと、を含む少なくとも1つの追加ユニットと、を備え、前記基本ケースは、前記追加ケースに設けられた連結部が連結可能な第1被連結部を有し、前記連結部と前記第1被連結部との連結により、前記基本ケースと前記追加ケースが連結され、前記追加ケースは、前記連結部と、前記連結部が連結可能な第2被連結部を有し、前記基本分岐回路は、前記基本側入力部に接続された基本側分岐接続部を有し、前記基本側分岐接続部は、前記追加分岐回路の前記追加側入力部に接続され、前記追加分岐回路は、前記追加側入力部に接続された追加側分岐接続部を有し、複数の前記追加ユニットを用いる場合には、前記基本ユニット側に連結された一の前記追加ユニットの前記追加側分岐接続部は、他の前記追加ユニットの前記追加側入力部に接続され、前記他の前記追加ユニットの前記連結部と前記一の前記追加ユニットの前記第2被連結部との連結により、前記一の前記追加ユニットの前記追加ケースと前記他の前記追加ユニットの前記追加ケースが連結される、ものである。
【0010】
本開示の分岐回路ユニットによれば、基本ユニットと少なくとも1つの追加ユニットを備えており、基本ユニットへの追加ユニットの追加やその追加数を調整することで、車種やグレード毎に異なる分岐数に応じた、適切な分岐回路ユニットを構築することができる。また、基本ユニットと追加ユニットは、それぞれ別々の分岐回路およびケースを有して別体に構成されていることから、必要な分岐数に応じて追加ユニットを増減するだけで、スペース効率良く分岐数に応じた分岐回路ユニットを構築することができ、特許文献1の構造のように未使用のスペースが発生する問題を解消することができる。
【0011】
さらに、基本ユニットと追加ユニットは、追加ケースに設けられた連結部を基本ケースに設けられた第1被連結部に連結することで、相互に連結することができる。それゆえ、特許文献2の構造に比して、輸送段階や組立段階における取扱性を格段に向上させることができる。加えて、複数の追加ユニットが用いられる場合には、基本ケースに既に連結された一方の追加ユニットの追加ケースの第2被連結部に対して、他方の追加ユニットの追加ケースに設けられた連結部を連結することで、追加ユニット同士を相互に連結することができる。それゆえ、同一構造の追加ユニットを追加するだけで、分岐数の増加に容易に対応することができ、基本ユニットと複数の追加ユニットを相互に連結して一体的に取り扱うことができることから、優れた取扱性も享受することができる。
【0012】
なお、基本分岐回路や追加分岐回路における分岐数は、任意に選択することができる。例えば、基本分岐回路の分岐数は1つであっても複数であってもよく、追加分岐回路の分岐数は1つであっても複数であってもよい。
【0013】
前記基本側分岐接続部は、前記連結部と前記第1被連結部の連結により、前記追加分岐回路の前記追加側入力部に接続可能に配置され、複数の前記追加ユニットが追加される場合には、前記一の前記追加ユニットの前記追加側分岐接続部は、前記他の前記追加ユニットの前記連結部と前記一の前記追加ユニットの前記第2被連結部との連結により、前記他の前記追加ユニットの前記追加側入力部に接続可能に配置される、ことが好ましい。
【0014】
連結部と第1被連結部の連結により、基本側分岐接続部と追加側入力部が接続可能に配置されることから、基本ケースと追加ケースを連結した段階で、基本側分岐接続部と追加側入力部のボルト等による接続作業をスムーズに行うことができる。それゆえ、基本ケースと追加ケースの取扱性の向上に加えて、組立作業性の向上も併せて達成することができる。さらに、複数の追加ユニットが追加される場合でも、一方の追加ユニットの第2被連結部に対する他方の追加ユニットの連結部の連結により、一方の追加ユニットの追加側分岐接続部と他方の追加ユニットの追加側入力部が接続可能に配置されることから、追加ケース同士を連結した段階で、追加側分岐接続部と追加側入力部のボルト等による接続作業をスムーズに行うことができる。それゆえ、基本ケースと複数の追加ケースの取扱性の向上に加えて、複数の追加ケースの組立作業性の向上も併せて達成することができる。
【0015】
前記連結部は前記追加ケースの表面から外方に突出する凸部を含み、前記第1被連結部および前記第2被連結部は、前記基本ケースの表面および前記追加ケースの表面にそれぞれ開口して前記凸部を収容可能な凹部を含んでいる、ことが好ましい。連結部が凸部を含み、第1/第2被連結部が連結部を収容可能な凹部を含んでいることから、連結部と第1/第2被連結部の連結により連結される基本ケースと追加ケースの連結体の全体形状をコンパクトに構成することができるからである。さらに、基本ユニットを単品で使用する場合には、第1被連結部が基本ケースの表面に開口する凹部であるため、基本ケースの外方に突出して邪魔になることが回避できる。同様に、基本ユニットと追加ケースを連結して使用する場合であっても、連結部である凸部は、基本ケースの表面に開口する凹部に収容されることから、連結部が外部に突出することを回避できる。
【0016】
前記凸部は第1凸部と第2凸部を含み、前記凹部は第1凹部と第2凹部を含み、前記追加ケースに設けられた前記第1凸部が、前記基本ケースまたは前記追加ケースにそれぞれ設けられた前記第1凹部に収容されて、前記第1凸部と前記第1凹部が相互に係合することにより、前記基本ケースと前記追加ケースまたは前記追加ケース同士が仮固定状態に保持され、前記追加ケースに設けられた前記第2凸部と、前記基本ケースまたは前記追加ケースに設けられた前記第2凹部が相互にボルト締結されることにより、前記基本ケースと前記追加ケースまたは前記追加ケース同士が本固定状態に保持される、ことが好ましい。
【0017】
第1凸部と第1凹部が相互に係合することにより、基本ケースと追加ケースや、追加ケース同士が仮固定状態に保持される。すなわち、正式なボルトとナット等を用いた車両搭載時の本固定を行う以前の段階から、簡易な連結部と第1/第2被連結部の仮固定状態を提供することができる。それゆえ、簡便な仮固定により、例えば輸送中の基本ユニットと追加ユニットや追加ユニット同士の連結を可能にすることができ、取扱性の更なる向上を図ることができる。なお、第1凸部と第1凹部は、相互に係合し得る構造であれば任意の構造が採用可能である。例えば、第1凸部を弾性ロック片で構成し、第1凹部を弾性ロック片が係合するロック凸部を備える凹部として構成することで、第1凸部と第1凹部をロック係合するようにしてもよい。さらに、第1凸部を圧入突起として構成し、第2凹部を圧入孔として構成することで、第1凸部と第1凹部を圧入係合するようにしてもよい。
【0018】
加えて、第2凸部と第2凹部が相互にボルト締結されることにより、基本ケースと追加ケースまたは追加ケース同士が本固定状態に保持される。それゆえ、車両搭載時においては、本固定により、基本ユニットと追加ユニットや追加ユニット同士の連結を、一層安定して保持することができる。
【0019】
前記基本分岐回路は、バスバーを有し、前記バスバーの一端部に前記基本側入力部が設けられ、前記バスバーの他端部に前記基本側分岐接続部が設けられ、前記一端部側にヒューズの入力端子が接続されている、ことが好ましい。1つのバスバーを用いて基本側入力部および基本側分岐接続部を設けることができ、さらに、当該バスバーの一端側(基本側入力部が設けられている側)にヒューズの入力端子が接続されている。このため、基本分岐回路や基本ユニットの部品点数の削減や小型化を有利に図ることができる。
【0020】
前記基本分岐回路は、前記基本側入力部に接続されたヒューズを含み、前記ヒューズの出力端子により前記基本側出力部が構成されている、ことが好ましい。ヒューズの出力端子により基本分岐回路の基本側出力部が構成されていることから、基本分岐回路や基本ユニットの部品点数の削減や小型化を有利に図ることができる。
【0021】
前記追加分岐回路は、バスバーを有し、前記バスバーの一端部に前記追加側入力部が設けられ、前記バスバーの他端部に前記追加側分岐接続部が設けられ、前記一端部側にヒューズの入力端子が接続されている、ことが好ましい。1つのバスバーを用いて追加側入力部および追加側分岐接続部を設けることができ、さらに、当該バスバーの一端側(追加側入力部が設けられている側)にヒューズの入力端子が接続されている。このため、追加分岐回路や追加ユニットの部品点数の削減や小型化を有利に図ることができる。
【0022】
前記追加分岐回路は、前記追加側入力部に接続されたヒューズを含み、前記ヒューズの出力端子により前記追加側出力部が構成されている、ことが好ましい。ヒューズの出力端子により追加分岐回路の追加側出力部が構成されていることから、追加分岐回路や追加ユニットの部品点数の削減や小型化を有利に図ることができる。
【0023】
前記連結部と前記第1被連結部または前記第2被連結部とは、弾性部材を介して当接している、ことが好ましい。弾性部材を介して連結部と第1被連結部または第2被連結部が当接するようになっており、連結時に問題となる公差を有利に吸収することができるからである。なお、弾性部材は、連結部や第1/第2被連結部とは別体に設けられた弾性パッド等であってもよいし、連結部や第1/第2被連結部と一体的に設けられた圧接リブ等であってもよい。
【0024】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示の分岐回路ユニットの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0025】
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1の分岐回路ユニット10について、
図1から
図12を用いて説明する。分岐回路ユニット10は、電気自動車やハイブリッド車に搭載されて、電源となる図示しない電池パックから、電動パワーリングシステム、電動パーキングブレーキ、照明、ワイパー駆動部、ナビゲーション装置、エアコン等、従来公知の図示しない各種補機へと分岐して至る回路を備えるものである。なお、分岐回路ユニット10は、任意の向きで配置することができるが、以下では、上方とは
図3中の上方、下方とは
図3中の下方、前方とは
図2中の下方、後方とは
図2中の上方、左方とは
図2中の左方、右方とは
図2中の右方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0026】
<分岐回路ユニット10>
実施形態1の分岐回路ユニット10は、基本側入力部12と基本側出力部14を有する基本分岐回路16と、基本分岐回路16を保持する基本ケース18と、を含む基本ユニット20を備えている。また、分岐回路ユニット10は、追加側入力部22と追加側出力部24を有する追加分岐回路26と、追加分岐回路26を保持する追加ケース28と、を含む追加ユニット30を備えている。分岐回路ユニット10は、1つの基本ユニット20と、少なくとも1つの追加ユニット30とを備えており、
図1から
図4では、分岐回路ユニット10が1つの基本ユニット20と、2つの追加ユニット30(第1追加ユニット30a、第2追加ユニット30b)とを備えている。すなわち、基本ユニット20に対して一の追加ユニットとしての第1追加ユニット30aが連結されているとともに、一の追加ユニットとしての第1追加ユニット30aに対して他の追加ユニットとしての第2追加ユニット30bが連結されている。なお、
図1から
図4では、基本ユニット20(基本ケース18)と第1追加ユニット30a(追加ケース28)、および第1追加ユニット30a(追加ケース28)と第2追加ユニット30b(追加ケース28)が、それぞれ仮固定状態で保持されている態様が示されている。
【0027】
<基本分岐回路16>
図5,6にも示されるように、基本分岐回路16は、バスバーとしての基本バスバー32とヒューズ34とを含んで構成されている。そして、基本バスバー32とヒューズ34とが接続されており、実施形態1では、基本バスバー32に接続されるヒューズ34として、第1ヒューズ34aと第2ヒューズ34bとが採用されている。特に、実施形態1では、第1ヒューズ34aの方が第2ヒューズ34bよりも大型とされているが、基本バスバーに対してヒューズが複数接続される場合、異なる大きさのヒューズが採用されてもよいし、同一の大きさのヒューズが採用されてもよい。
【0028】
基本バスバー32は、全体として前後方向に延びる略矩形板形状であり、導電性に優れる金属により形成されている。基本バスバー32の長さ方向の一端部(後端部)には、幅方向寸法(左右方向寸法)が大きくされた部分が設けられており、この後端部における右側の端部において、基本側入力部12が構成されている。基本側入力部12には、基本バスバー32を板厚方向(上下方向)で貫通するボルト挿通孔36が形成されており、例えば電池パックから延びる電線の端末に設けられた図示しない端子を基本側入力部12に重ね合わせてボルト38(
図1,2において二点鎖線で図示)により固定することで、電池パックと基本バスバー32とが導通されるようになっている。
【0029】
また、基本バスバー32の後端部における左側の端部において、第1接続部39が構成されている。この第1接続部39と第1ヒューズ34aの入力端子40とが重ね合わされており、ボルト42により固定されている。第1ヒューズ34aは左右方向に延びるように配置されており、第1ヒューズ34aにおいて入力端子40と反対側(左側)に設けられた出力端子により、基本側出力部14における第1基本側出力部14aが構成されている。第1基本側出力部14aには、厚さ方向(上下方向)で貫通するボルト挿通孔44が形成されており、例えば補機側から延びる電線の端末に設けられた図示しない端子を第1基本側出力部14aに重ね合わせてボルト38により固定することで、補機と第1ヒューズ34aとが導通されるようになっている。すなわち、第1接続部39および第1ヒューズ34aを含んで、基本分岐回路16において基本側入力部12から第1基本側出力部14aに至る電力経路が構成されている。
【0030】
そして、基本バスバー32の長さ方向の他端側(前側)により、基本側入力部12から第1基本側出力部14aに至る電力経路から分岐する電力経路が構成されており、基本バスバー32の長さ方向の他端部(前端部)において、基本側分岐接続部46が構成されている。基本側分岐接続部46は、左方に延び出す第2接続部48と、前方に延び出す第3接続部50とを備えている。
【0031】
第2接続部48には第2ヒューズ34bの入力端子52が重ね合わされており、ボルト54により固定されている。第2ヒューズ34bは左右方向に延びるように配置されており、第2ヒューズ34bにおいて入力端子52と反対側(左側)に設けられた出力端子により、基本側出力部14における第2基本側出力部14bが構成されている。第2基本側出力部14bには、厚さ方向(上下方向)で貫通するボルト挿通孔56が形成されており、例えば第1ヒューズ34aと導通される補機とは別の補機から延びる電線の端末に設けられた図示しない端子を第2基本側出力部14bと重ね合わせてボルト38により固定することで、別の補機と第2ヒューズ34bとが導通されるようになっている。すなわち、第2接続部48および第2ヒューズ34bを含んで、基本分岐回路16において基本側入力部12から第2基本側出力部14bに至る電力経路が構成されている。
【0032】
第3接続部50には、厚さ方向(上下方向)で貫通するボルト挿通孔58が形成されている。基本側分岐接続部46における第3接続部50は、後述するように、追加分岐回路26における追加側入力部22に接続されるようになっている。
【0033】
<基本ケース18>
基本分岐回路16は基本ケース18上に保持されており、実施形態1では、基本ケース18が、上下方向で組付可能なアッパ側基本ケース60とロア側基本ケース62により構成されている。基本ケース18(アッパ側基本ケース60およびロア側基本ケース62)は、例えば絶縁性を有する合成樹脂により形成される。
【0034】
アッパ側基本ケース60は、全体として下方に開口する略箱形状であり、平面視において略矩形である。すなわち、アッパ側基本ケース60は、略矩形の上底壁部64と、上底壁部64の外周縁部から下方に突出する周壁部66とを備えている。上底壁部64の上面には、基本バスバー32を収容可能なバスバー収容部68と、第1および第2ヒューズ34a,34bを収容可能なヒューズ収容部70が設けられている。また、上底壁部64には、基本側入力部12から基本側出力部14(第1および第2基本側出力部14a,14b)や基本側分岐接続部46(第3接続部50)に至る経路に沿って、上下方向に広がる縦壁部72が設けられている。特に、ヒューズ収容部70を構成する部分の縦壁部72aは、他の部分の縦壁部72よりも上下方向寸法が大きくされており、より上方まで突出している。
【0035】
また、上底壁部64において、基本バスバー32や第1および第2ヒューズ34a,34bに設けられるボルト挿通孔(例えば、ボルト挿通孔36,44,56,58)と対応する位置には、上下方向で貫通する貫通窓74が形成されている。これにより、アッパ側基本ケース60とロア側基本ケース62の組付時には、ロア側基本ケース62に設けられる後述するナット116が、各貫通窓74を通じて基本ケース18の上面に露出している。
【0036】
さらに、周壁部66を構成する後方の壁部には、後方に突出する脚部76が設けられている。実施形態1では一対の脚部76,76が左右方向で相互に離隔して設けられており、各脚部76には、上下方向で貫通するボルト挿通孔78が設けられている。
【0037】
そして、後述するように基本ケース18の前方には追加ケース28が連結可能とされており、周壁部66を構成する前方の壁部には、追加ケース28に設けられた連結部138が連結可能な第1被連結部80が設けられている。実施形態1では、連結部138が追加ケース28の表面から外方に突出する凸部140を含んで構成されており、第1被連結部80は、基本ケース18の表面に開口して凸部140が収容可能な凹部82を含んでいる。特に、実施形態1では、凸部140が、第1凸部142と第2凸部144とを含んでおり、凹部82は、第1凸部142が収容可能な第1凹部84と、第2凸部144が収容可能な第2凹部86とを含んでいる。これら第1および第2凹部84,86は、周壁部66を構成する前方の壁部から後方へ凹むようにして形成されており、第1および第2凹部84,86がそれぞれ前方に向かって開口している。
【0038】
図3から
図6にも示されるように、第1凹部84は、周壁部66を構成する前方の壁部の下方部分において左右方向中間部分に設けられており、実施形態1では、2つの第1凹部84,84が、左右方向で相互に離隔して設けられている。これら各第1凹部84は、略矩形断面を有しており、所定の長さ寸法を持って前後方向に延びている。すなわち、周壁部66には、各第1凹部84を構成する上壁88、下壁90、左右の両側壁92,92が一体的に形成されており、これら各壁88,90,92,92により囲まれた領域が第1凹部84である。要するに、各壁88,90,92,92は、それぞれ前後方向に延びる部分を有している。なお、上壁88の上方および左右両側には空間(または隙間)が設けられており、上壁88が上下方向で弾性変形可能とされている。
【0039】
そして、
図3,4に示されるように、上壁88における前後方向中間部分には、下方に突出する係合爪部94が設けられている。また、下壁90において後方部分には、上下方向で貫通する略矩形の貫通孔96が形成されている。さらに、下壁90には、上方に突出して前後方向に延びる突条98が設けられており、実施形態1では、2つの突条98,98が、左右方向で相互に離隔して設けられている。各突条98は、略半円形の断面形状であり、後述するように第1凹部84に対して第1凸部142が挿入された際に、第1凸部142が、各突条98上を滑らかに変位可能とされている。
【0040】
また、
図4から
図6にも示されるように、実施形態1では、2つの第2凹部86,86が、周壁部66を構成する前方の壁部の左右方向両端部分に設けられている。これら各第2凹部86は、平面視において略半円形の断面形状をもって前方から後方に向かって抉ったような形状であり、所定の前後方向寸法を有している。周壁部66には、各第2凹部86を構成する左右の両側壁100および底壁102が一体的に形成されており、各第2凹部86は前方および上方に開口している。そして、各底壁102の略中央部分には、上下方向で貫通するボルト挿通孔104が形成されている。
【0041】
そして、実施形態1では、各第2凹部86における底壁102上に、ゴム等の弾性材からなる弾性部材としてのゴムブッシュ106が設けられている。ゴムブッシュ106は所定の上下方向寸法を有する環状の部材であり、中央部分に上下方向に貫通するボルト挿通孔108が形成されている。各ゴムブッシュ106は、各第2凹部86における底壁102上に載置されて、必要に応じて各底壁102に対して固着されており、それぞれのボルト挿通孔104,108が上下方向で相互に連通している。なお、
図1から
図4に示される仮固定状態において、各ゴムブッシュ106は、追加ユニット30における後述する第2凸部144に対して僅かに離隔しているかゼロタッチであり、上下方向で圧縮されず、所定の上下方向寸法A(
図4参照)を有している。
【0042】
また、周壁部66の下端部において、各脚部76や第1被連結部80(各第1凹部84および各第2凹部86)を周方向で外れた位置には、ロア側基本ケース62に設けられる後述する被ロック部118と係合するロック部110が設けられている。
【0043】
ロア側基本ケース62は、全体として略板状であり、アッパ側基本ケース60の下方開口部に嵌め込まれる形状とされている。すなわち、ロア側基本ケース62は、平面視において略矩形のベース部112を備えている。ベース部112の所定位置には、上方に突出する複数のナット支持部114が設けられており、各ナット支持部114の上端部にはナット116が設けられている。さらに、ベース部112の外周面において、アッパ側基本ケース60におけるロック部110と対応する位置には、ロック部110と係合する被ロック部118が設けられている。
【0044】
<基本ユニット20>
上記のアッパ側基本ケース60とロア側基本ケース62を上下方向で相互に組み付けることで、基本ケース18が形成される。アッパ側基本ケース60とロア側基本ケース62とが組み付けられた状態では、上底壁部64に設けられた各貫通窓74に各ナット支持部114が挿通されており、基本ケース18の上面に各ナット116が露出している。そして、アッパ側基本ケース60におけるバスバー収容部68およびヒューズ収容部70に対して、基本バスバー32、第1および第2ヒューズ34a,34bを載置してボルト42,54をナット116に締結することにより、基本ケース18に対して基本分岐回路16が保持されて基本ユニット20が構成されている。
【0045】
以下、基本ユニット20に組み付けられる追加ユニット30について説明する。
図1から
図4では、追加ユニット30として第1追加ユニット30aおよび第2追加ユニット30bが採用されているが、複数の追加ユニット30が採用される場合、それぞれの追加ユニット30は同一の形状であることから、
図7から
図9を示して、1つの追加ユニット30について説明する。
【0046】
<追加分岐回路26>
図7から
図9にも示されるように、追加分岐回路26は、バスバーとしての追加バスバー120とヒューズ34とを含んで構成されている。なお、追加バスバー120に接続されるヒューズ34は限定されるものではないが、実施形態1では、基本バスバー32に接続される第2ヒューズ34bと同一のものが採用されており、以下の説明では、便宜上、追加バスバー120に接続されるヒューズ34を第2ヒューズ34bとして説明する。
【0047】
追加バスバー120は、全体として前後方向に延びる略矩形板形状であり、基本バスバー32と同様に導電性に優れる金属により形成されている。この追加バスバー120の長さ方向の一端部(後端部)において追加側入力部22が構成されており、追加側入力部22には、追加バスバー120を板厚方向(上下方向)で貫通するボルト挿通孔122が形成されている。また、追加バスバー120の長さ方向の他端部(前端部)において、追加側分岐接続部124が構成されており、追加側分岐接続部124には、追加バスバー120を板厚方向(上下方向)で貫通するボルト挿通孔126が形成されている。
【0048】
なお、追加バスバー120において後方部分(追加側入力部22)は前方部分(追加側分岐接続部124)よりも上方に位置している。これにより、後述するように、例えば追加ユニット30が基本ユニット20に連結する場合には、追加側入力部22が基本側分岐接続部46における第3接続部50に上方から重ね合わされ、それぞれのボルト挿通孔58,122が連通してボルト38により固定することができるようになっている。それゆえ、追加側入力部22と基本側分岐接続部46における第3接続部50とをボルト38により固定することで、追加側入力部22と基本側分岐接続部46における第3接続部50とが接続され得る。
【0049】
また、一の追加ユニット30(例えば、第2追加ユニット30b)が他の追加ユニット30(例えば、第1追加ユニット30a)に連結する場合には、一の追加ユニット30における追加側入力部22が他の追加ユニット30における追加側分岐接続部124に上方から重ね合わされ、それぞれのボルト挿通孔122,126が連通してボルト38により固定することができるようになっている。それゆえ、追加側入力部22と追加側分岐接続部124とをボルト38により固定することで、追加側入力部22と追加側分岐接続部124とが接続され得る。
【0050】
なお、追加側入力部22と基本側分岐接続部46における第3接続部50との接続部分、および/または追加側入力部22と追加側分岐接続部124との接続部分は、単にボルト38により固定されるだけでもよいが、例えば電池パックから延びる電線の端末に設けられた図示しない端子を追加側入力部22に重ね合わせてボルト38により固定することで、それぞれの接続部分に対して電池パックが導通されるようになっていてもよい。
【0051】
また、追加バスバー120において追加側入力部22と追加側分岐接続部124との前後方向間、すなわち追加側分岐接続部124よりも追加バスバー120の長さ方向の一端部(後端部)側には、左方に突出する追加接続部128が設けられている。この追加接続部128と第2ヒューズ34bの入力端子52とが重ね合わされており、ボルト54により固定されている。第2ヒューズ34bは左右方向に延びるように配置されており、第2ヒューズ34bにおいて入力端子52と反対側(左側)に設けられた出力端子により、追加側出力部24が構成されている。追加側出力部24には、厚さ方向(上下方向)で貫通するボルト挿通孔130が形成されており、例えば基本分岐回路16(第1および第2ヒューズ34a,34b)と導通される補機とは別の補機から延びる電線の端末に設けられた図示しない端子を追加側出力部24と重ね合わせてボルト38により固定することで、別の補機と追加分岐回路26における第2ヒューズ34bとが導通されるようになっている。
【0052】
<追加ケース28>
追加分岐回路26は追加ケース28上に保持されており、実施形態1では、追加ケース28が、上下方向で組付可能なアッパ側追加ケース132とロア側追加ケース134により構成されている。追加ケース28(アッパ側追加ケース132およびロア側追加ケース134)は、例えば絶縁性を有する合成樹脂により形成される。追加ケース28におけるアッパ側追加ケース132およびロア側追加ケース134の構造はそれぞれ、基本的には基本ケース18におけるアッパ側基本ケース60およびロア側基本ケース62の構造と同様である。したがって、アッパ側追加ケース132およびロア側追加ケース134において、アッパ側基本ケース60およびロア側基本ケース62と実質的に同一の構造および部位には、図中に、アッパ側基本ケース60およびロア側基本ケース62と同一の符号を付すものとする。
【0053】
アッパ側追加ケース132は、略矩形の上底壁部64と、上底壁部64の外周縁部から下方に突出する周壁部66とを備えている。上底壁部64の上面には、追加バスバー120を収容可能なバスバー収容部68と、第2ヒューズ34bを収容可能なヒューズ収容部70が設けられている。また、上底壁部64において、追加側入力部22から追加側出力部24に至る経路に沿って、上下方向に広がる縦壁部72(ヒューズ収容部70を構成する部分は縦壁部72a)が設けられている。さらに、上底壁部64における所定位置には、上下方向で貫通する貫通窓74が設けられている。
【0054】
そして、周壁部66を構成する前方の壁部には、追加ケース28に設けられた後述する連結部138が連結可能な第2被連結部136が、追加ケース28の表面に開口して設けられている。この第2被連結部136は、基本ケース18に設けられる第1被連結部80と同様の構造である。すなわち、第2被連結部136は凹部82を含んで構成されており、凹部82は、第1凹部84と第2凹部86とを含んでいる。実施形態1では、アッパ側追加ケース132における周壁部66を構成する前方の壁部において、左右方向中間部分には、2つの第1凹部84,84が左右方向で相互に離隔して設けられているとともに、左右方向両端部分には、それぞれ第2凹部86,86が設けられている。
【0055】
なお、追加ユニット30が複数設けられる場合、最も前方の追加ユニット30(
図1から
図4に示される分岐回路ユニット10においては第2追加ユニット30b)において、各第2凹部86における底壁102上にはゴムブッシュ106が載置されないようになっている。また、基本ユニット20と最も前方の追加ユニット30との間の追加ユニット30(
図1から
図4に示さされる分岐回路ユニット10においては第1追加ユニット30a)において、各第2凹部86における底壁102上にはゴムブッシュ106が載置されている。
【0056】
さらに、
図8に示されるように、アッパ側追加ケース132において、周壁部66を構成する後方の壁部には、基本ケース18または他の追加ケース28と連結可能な連結部138が設けられている。連結部138は、追加ケース28の表面から外方に突出する凸部140を含んで構成されており、実施形態1では、凸部140が、第1凸部142と第2凸部144とを含んで構成されている。これら第1凸部142および第2凸部144は、それぞれ周壁部66を構成する後方の壁部から後方に突出して形成されている。
【0057】
第1凸部142は、周壁部66を構成する後方の壁部の下方部分において左右方向中間部分に設けられており、実施形態1では、2つの第1凸部142,142が、左右方向で相互に離隔して設けられている。これら各第1凸部142は、略直方体の外形状を有しており、所定の長さ寸法をもって前後方向に延びている。すなわち、周壁部66には、各第1凸部142を構成する上壁146、後壁148、左右の両側壁150,150が一体的に形成されており、各第1凸部142は下方に開口している。要するに、各壁146,148,150,150は、それぞれ前後方向に延びる部分を有しており、上壁146の周縁部から、後壁148および左右の両側壁150,150が下方に突出している。
【0058】
そして、
図3や
図8に示されるように、上壁146における前後方向中間部分には、上下方向で貫通して、第1凹部84において下方に突出する係合爪部94と係合可能な係合孔152が形成されている。また、各第1凸部142の後端部には、下方へ突出する係止部154が設けられている。すなわち、各係止部154は、後壁148および各側壁150の後端部において、上壁146からの下方への突出寸法が、各側壁150における他の部分よりも大きくされることで構成されている。
【0059】
また、実施形態1では、2つの第2凸部144,144が、周壁部66を構成する後方の壁部の左右方向両端部分において、所定の高さ位置に設けられている。これら各第2凸部144は、平面視において略半円形の断面形状であり、所定の前後方向寸法および上下方向寸法を有している。そして、各第2凸部144の略中央部分には、上下方向で貫通するボルト挿通孔156が形成されている。
【0060】
さらに、周壁部66の下端部において、第2被連結部136(各第1凹部84および各第2凹部86)や連結部138(各第1凸部142および各第2凸部144)を周方向で外れた位置には、ロック部110が設けられている。
【0061】
ロア側追加ケース134は、全体として略板状であり、アッパ側追加ケース132の下方開口部に嵌め込まれる形状とされている。すなわち、ロア側追加ケース134は、平面において略矩形のベース部112を備えているとともに、ベース部112の所定位置において、上端部にナット116を有する複数のナット支持部114が設けられている。さらに、ベース部112の外周面において、ロック部110と対応する位置には、被ロック部118が設けられている。
【0062】
<追加ユニット30>
上記のアッパ側追加ケース132とロア側追加ケース134を上下方向で相互に組み付けることで、追加ケース28が形成される。アッパ側追加ケース132とロア側追加ケース134とが組み付けられた状態では、上底壁部64に設けられた各貫通窓74に各ナット支持部114が挿通されており、追加ケース28の上面に各ナット116が露出している。そして、アッパ側追加ケース132におけるバスバー収容部68およびヒューズ収容部70に対して、追加バスバー120および第2ヒューズ34bを載置してボルト54をナット116に締結することにより、追加ケース28に対して追加分岐回路26が保持されて追加ユニット30が構成されている。なお、追加ユニット30においては、追加バスバー120の後方部分(追加側入力部22)が、追加ケース28における上底壁部64から後方に突出している。
【0063】
<分岐回路ユニット10の組立方法>
以下、分岐回路ユニット10の組立方法の具体的な一例を説明する。なお、分岐回路ユニット10の組立方法は、以下に記載の態様に限定されるものではない。
【0064】
先ず、アッパ側基本ケース60に対して、各ナット支持部114にナット116を配置したロア側基本ケース62を下方から接近させて、各ロック部110と各被ロック部118とを係合させることでアッパ側基本ケース60とロア側基本ケース62とを組み付ける。これにより、基本ケース18が完成する。この基本ケース18におけるバスバー収容部68および各ヒューズ収容部70に、基本バスバー32、第1および第2ヒューズ34a,34bを載置して、ボルト42,54をナット116に締結する。また、各第2凹部86における各底壁102上にゴムブッシュ106を載置して、必要に応じて固着する。これにより、基本ユニット20が完成する。
【0065】
続いて、アッパ側追加ケース132に対して、各ナット支持部114にナット116を配置したロア側追加ケース134を下方から接近させて、各ロック部110と各被ロック部118とを係合させることでアッパ側追加ケース132とロア側追加ケース134とを組み付ける。これにより、追加ケース28が完成する。この追加ケース28におけるバスバー収容部68およびヒューズ収容部70に、追加バスバー120および第2ヒューズ34bを載置して、ボルト54をナット116に締結する。また、必要に応じて、各第2凹部86における各底壁102上にゴムブッシュ106を載置して固着する。これにより、追加ユニット30(第1および第2追加ユニット30a,30b)が完成する。
【0066】
その後、
図10に示されるように、基本ユニット20における第1被連結部80に対して、第1追加ユニット30aにおける連結部138を連結して、基本ユニット20と第1追加ユニット30aとを組み付ける。具体的には、基本ユニット20における各第1凹部84に対して第1追加ユニット30aにおける各第1凸部142を挿入するとともに、基本ユニット20における各第2凹部86に対して第1追加ユニット30aにおける各第2凸部144を挿入する。各第1凸部142を各第1凹部84に挿入することで、各第1凸部142が各突条98上を後方に変位するとともに、各上壁146の前端部が各係合爪部94に当接する。
【0067】
そして、基本ユニット20に対して第1追加ユニット30aを更に押し込むことで、各上壁88が上方へ弾性変形して、各第1凹部84への各第1凸部142の更なる挿入が許容される。その後、各係合爪部94が各係合孔152に入り込むことで各上壁88が弾性的に復元変形して、各係合爪部94が各係合孔152に係止される。これにより、各第1凹部84からの各第1凸部142の引抜方向への変位が阻止されて、基本ユニット20(基本ケース18)と第1追加ユニット30a(追加ケース28)とが仮固定状態で連結される。この結果、出力部を3つ(第1および第2基本側出力部14a,14b、追加側出力部24)備える分岐回路ユニット10’が、基本ユニット20と第1追加ユニット30aとが仮固定とされた状態で完成する。なお、上述のように、基本ユニット20と第1追加ユニット30aとが仮固定とされた状態では、各第2凹部86上のゴムブッシュ106は上下方向で圧縮されず、所定の上下方向寸法Aを有している。
【0068】
このように基本ユニット20と第1追加ユニット30aとが連結された状態(分岐回路ユニット10’)では、追加ケース28から後方に突出する追加分岐回路26の追加側入力部22が、基本分岐回路16における基本側分岐接続部46の第3接続部50に対して上方から重ね合わされて、それぞれのボルト挿通孔122,58が上下方向で相互に連通している。これらのボルト挿通孔122,58にボルト38を挿通してナット116に締結することで、追加側入力部22と基本側分岐接続部46とが重ね合わされて導通状態とされる。それゆえ、基本側分岐接続部46は、連結部138と第1被連結部80との連結により、追加分岐回路26の追加側入力部22に接続可能に配置される。
【0069】
その後、分岐回路ユニット10’における第1追加ユニット30aの第2被連結部136に対して、第2追加ユニット30bにおける連結部138を連結して、第1追加ユニット30aと第2追加ユニット30bとを組み付ける。なお、第2被連結部136と連結部138との連結における作動は、上述の第1被連結部80と連結部138との連結における作動と同様であることから、説明を省略する。これにより、第1追加ユニット30aと第2追加ユニット30bとが仮固定状態で連結される。この結果、
図1に示されるように、出力部を4つ(第1および第2基本側出力部14a,14b、第1追加ユニット30aにおける追加側出力部24、第2追加ユニット30bにおける追加側出力部24)備える分岐回路ユニット10が、基本ユニット20と第1追加ユニット30a、および第1追加ユニット30aと第2追加ユニット30bとが仮固定とされた状態で完成する。
【0070】
そして、このような分岐回路ユニット10では、前述の分岐回路ユニット10’と同様に、基本ユニット20における各ゴムブッシュ106だけでなく、第1追加ユニット30aにおける各ゴムブッシュ106も上下方向で圧縮されず、所定の上下方向寸法Aを有している。また、第1追加ユニット30aと第2追加ユニット30bとが連結された状態では、第2追加ユニット30bにおいて後方に突出する追加分岐回路26の追加側入力部22が、第1追加ユニット30aにおける追加側分岐接続部124に対して上方から重ね合わされて、それぞれのボルト挿通孔122,126が上下方向で相互に連通している。これらのボルト挿通孔122,126にボルト38を挿通してナット116に締結することで、追加側入力部22と追加側分岐接続部124とが重ね合わされて導通状態とされる。それゆえ、一の追加ユニット(第1追加ユニット30a)の追加側分岐接続部124は、連結部138と第2被連結部136との連結により、他の追加ユニット(第2追加ユニット30b)の追加側入力部22に接続可能に配置される。
【0071】
このようにして製造された分岐回路ユニット10は、基本ユニット20における基本側入力部12に対して、例えば電池パックから延びる電線の端末に設けられた図示しない端子を重ね合わせてボルト38が締結される。また、基本側分岐接続部46における第3接続部50と追加側入力部22との重ね合わせ部分において、それぞれのボルト挿通孔58,122にボルト38が挿通されて締結される。同様に、追加側分岐接続部124と追加側入力部22との重ね合わせ部分において、それぞれのボルト挿通孔126,122にボルト38が挿通されて締結される。なお、第3接続部50と追加側入力部22との重ね合わせ部分および/または追加側分岐接続部124と追加側入力部22との重ね合わせ部分に対して、電池パックから延びる電線の端末に設けられた図示しない端子を重ね合わせてボルト38により共締めしてもよい。
【0072】
また、分岐回路ユニット10において設けられた4つの出力部(第1および第2基本側出力部14a,14b、第1追加ユニット30aにおける追加側出力部24、第2追加ユニット30bにおける追加側出力部24)に対して、それぞれ別の補機から延びる電線の端末に設けられた図示しない端子を重ね合わせてボルト38が締結される。これにより、電池パックから各補機に至る電力経路が、必要な数だけ分岐されて構成される。
【0073】
そして、上記のような仮固定状態の分岐回路ユニット10では、基本ユニット20における各第2凹部86の底壁102と第1追加ユニット30aにおける各第2凸部144とが各ゴムブッシュ106を介して重ね合わされており、それぞれのボルト挿通孔104,108,156が位置合わせされて上下方向で相互に連通している。同様に、第1追加ユニット30aにおける各第2凹部86の底壁102と第2追加ユニット30bにおける各第2凸部144とが各ゴムブッシュ106を介して重ね合わされており、それぞれのボルト挿通孔104,108,156が位置合わせされて上下方向で相互に連通している。これらの各ボルト挿通孔104,108,156に加えて、基本ユニット20における各脚部76、および最も前方に位置する追加ユニット30(第2追加ユニット30b)における各第2凹部86の底壁102に設けられた各ボルト挿通孔78,104にボルト38が挿通されて締結されることで、分岐回路ユニット10は、例えば電池パックの筐体内や電池パックの近傍に固定される。これにより、基本ユニット20と第1追加ユニット30a、および第1追加ユニット30aと第2追加ユニット30bとが本固定状態とされる。
【0074】
図11,12に示されるように、それぞれが本固定とされた状態では、
図3,4に示される仮固定状態に比べて、アッパ側基本ケース60とロア側基本ケース62、および各アッパ側追加ケース132と各ロア側追加ケース134とが上下方向でより接近している。これにより、
図11に示されるように、各第1凸部142の後端部に設けられた各係止部154が、各第1凹部84の下壁90に設けられた各突条98と前後方向で一層重なっており、例えば各貫通孔96に入り込ませることも可能である。これにより、各第1凹部84からの各第1凸部142の抜け出しがより確実に防止される。なお、その際、係合爪部94と係合孔152との係合は解除されてもよく、係合爪部94は係合孔152から抜け出ていてもよい。
【0075】
また、
図12に示されるように、各ゴムブッシュ106を介した各第2凹部86の底壁102と各第2凸部144との重ね合わせ部分に各ボルト38が挿通されて締結されることで、各底壁102と各第2凸部144とが各ゴムブッシュ106を介して当接する。このような各ボルト38の締結により、各ゴムブッシュ106が各底壁102と各第2凸部144の間において上下方向で圧縮されて、上下方向寸法がAより小さいB(
図12参照)とされる。このように、各底壁102と各第2凸部144とが各ゴムブッシュ106を介して固定されることで公差を吸収することができて、ボルト締結の作業を安定して行うことができる。
【0076】
実施形態1の分岐回路ユニット10によれば、車種やグレードが異なる複数の自動車に分岐回路を設ける場合に、例えば必要とされる出力部の数が異なる際にも、基本ユニット20に対して必要な数だけ追加ユニット30を連結することで対応することができて、例えば前記特許文献1のように未使用のスペースが発生することがなく、分岐回路ユニット10が不必要に大きくなることが回避され得る。特に、追加ユニット30が複数連結される場合、それぞれの追加ユニットは同一構造であることから、複数の追加ユニットを製造するに際して特別な工程等を採用することがなく、また、複数の追加ユニット30を連結するに際しても同様の組付工程を繰り返せばよいだけであることから、製造効率や作業効率の向上が図られる。
【0077】
基本ユニット20と一の追加ユニット30(第1追加ユニット30a)とが、第1被連結部80と連結部138とにより連結されることで、基本側分岐接続部46における第3接続部50と追加側入力部22とが相互に接続可能に配置されるようになっている。また、他の追加ユニット(第2追加ユニット30b)が採用される場合、一の追加ユニット(第1追加ユニット30a)と他の追加ユニット(第2追加ユニット30b)とが、第2被連結部136と連結部138とにより連結されることで、追加側分岐接続部124と追加側入力部22とが相互に接続可能に配置されるようになっている。それゆえ、各ユニット20,30a,30bを連結するに際して、基本側分岐接続部46と追加側入力部22、および追加側分岐接続部124と追加側入力部22とを、単にボルト締結等の作業のみで接続することができて、作業効率の向上が図られる。
【0078】
連結部138は追加ケース28の表面から外方に突出する凸部140を含み、第1被連結部80および第2被連結部136は、基本ケース18の表面および追加ケース28の表面にそれぞれ開口して凸部140を収容可能な凹部82を含んでいる。これにより、連結部138と第1被連結部80、および連結部138と第2被連結部136とが連結される場合、凸部140が凹部82に収容されることから、連結に係る部分が突出することがなく、分岐回路ユニット10の大型化が回避される。また、基本ユニット20は連結部138を有しておらず、凹部82である第1被連結部80を有しているのみであることから、例えば基本ユニット20を保管したり輸送等する際にも、必要となるスペースが低減され得る。
【0079】
凸部140は、第1凸部142と第2凸部144とを含んでおり、凹部82は、第1凸部142を収容可能な第1凹部84と第2凸部144を収容可能な第2凹部86とを含んでいる。そして、第1凸部142を第1凹部84に挿入することで、基本ユニット20と第1追加ユニット30a、および第1追加ユニット30aと第2追加ユニット30bとが仮固定される。また、第2凸部144を第2凹部86に挿入してボルト38により固定することで、基本ユニット20と第1追加ユニット30a、および第1追加ユニット30aと第2追加ユニット30bとが本固定される。このように、各ユニット20,30a,30bを仮固定状態とした状態で保管や輸送等を行うことができるとともに、実際に使用する場合において車両に固定する際に、各ユニット20,30a,30bを本固定状態とすることができる。これにより、保管や輸送等を容易に行えるだけでなく、例えば固定直前での仕様の変更等にも柔軟に対応することができる。
【0080】
基本分岐回路16は、バスバー(基本バスバー32)を有しており、基本バスバー32の一端部(後端部)に基本側入力部12が設けられているとともに、基本バスバー32の他端部(前端部)に基本側分岐接続部46が設けられている。また、基本バスバー32の一端部側(後端部側)には、第1ヒューズ34aの入力端子40が接続されるようになっている。このように1つのバスバー(基本バスバー32)において、入力部や追加バスバー120との接続部、ヒューズ34との接続部が構成されていることから、部品点数の削減等の効果が発揮される。
【0081】
同様に、追加分岐回路26は、バスバー(追加バスバー120)を有しており、追加バスバー120の一端部(後端部)に追加側入力部22が設けられているとともに、追加バスバー120の他端部(前端部)に追加側分岐接続部124が設けられている。また、追加バスバー120において追加側分岐接続部124よりも一端部側(後端部側)には、第2ヒューズ34bの入力端子52が接続されるようになっている。これによっても、1つのバスバー(追加バスバー120)において、入力部や他の追加バスバー120との接続部、ヒューズ34(第2ヒューズ34b)との接続部が構成されていることから、部品点数の削減等の効果が発揮される。
【0082】
基本分岐回路16はヒューズ34(第1ヒューズ34aおよび第2ヒューズ34b)を含み、ヒューズ34の出力端子により、基本側出力部14(第1基本側出力部14aおよび第2基本側出力部14b)が構成されている。これにより、基本分岐回路16の出力側に別途バスバー等を設けることがなく、部品点数の削減や、基本ユニット20ひいては分岐回路ユニット10の小型化の効果が発揮され得る。
【0083】
同様に、追加分岐回路26はヒューズ34(第2ヒューズ34b)を含み、第2ヒューズ34bの出力端子により、追加側出力部24が構成されている。これによっても、追加分岐回路26の出力側に別途バスバー等を設けることがなく、部品点数の削減や、追加ユニット30ひいては分岐回路ユニット10の小型化の効果が発揮され得る。
【0084】
各連結部138における各第2凸部144と、各第1被連結部80または各第2被連結部136における各第2凹部86の底壁102とは、弾性部材としての各ゴムブッシュ106を介して当接している。これにより、各第2凸部144と各底壁102との間の公差を各ゴムブッシュ106により吸収することができて、各第2凸部144と各底壁102とのボルト38による固定を安定して実現することができる。
【0085】
<変形例>
以上、本開示の具体例として、実施形態1について詳述したが、本開示はこの具体的な記載によって限定されない。本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。例えば次のような実施形態の変形例も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0086】
(1)前記実施形態では、各第2凹部86の各底壁102と各第2凸部144との間には弾性部材としてゴムブッシュ106が設けられていたが、弾性部材はゴムブッシュに限定されるものではなく、樹脂ばねや金属ばねであってもよい。弾性部材が樹脂ばねとされる場合、基本ケースまたは追加ケースと一体的に形成されてもよい。また、前記実施形態では、ゴムブッシュ106が各第2凹部86の各底壁102上に固着されていたが、弾性部材が基本ケースおよび追加ケースに対して一体的または別体として形成されるに拘らず、弾性部材は各第2凸部の下面に設けられてもよい。なお、本開示の分岐回路ユニットにおいて、弾性部材は必須なものではなく、
図13に示される分岐回路ユニット160のように、各第2凹部86の各底壁102と各第2凸部144との間には弾性部材が設けられなくてもよく、本固定時においてボルト38が挿通されて締結されることで、各第2凹部86の各底壁102と各第2凸部144とは直接当接するようになっていてもよい。
【0087】
(2)前記実施形態では、基本ケース18がアッパ側基本ケース60とロア側基本ケース62により構成されるとともに、追加ケース28がアッパ側追加ケース132とロア側追加ケース134により構成されていたが、この態様に限定されない。例えば、これらロア側基本ケース62およびロア側追加ケース134は単にナット116を支持するためのものであるため、ナットが内部に収容されて配置される場合等には、基本ケースおよび追加ケースは1つの部材により構成されてもよい。また、基本ケースがアッパ側基本ケースとロア側基本ケースにより構成される場合および/または追加ケースがアッパ側追加ケースとロア側追加ケースにより構成される場合、各種部材は任意の配置構成で収容可能である。
【0088】
(3)前記実施形態では、基本分岐回路16および追加分岐回路26上にヒューズ34(第1ヒューズ34aおよび第2ヒューズ34b)が設けられていたが、この態様に限定されるものではない。すなわち、基本分岐回路および追加分岐回路上にはヒューズが設けられなくてもよく、バスバー(基本バスバーおよび追加バスバー)から左方に延びる部分が設けられて、当該延出部分の左端部により基本側出力部や追加側出力部が構成されてもよい。あるいは、基本分岐回路および/または追加分岐回路上には、ヒューズに代えて、または加えて、リレー等の電気部品が配置されてもよい。
【0089】
(4)前記実施形態では、分岐回路ユニット10が1つの基本ユニット20と2つの追加ユニット30(第1追加ユニット30aおよび第2追加ユニット30b)を有していたが、追加ユニットの数は限定されるものではない。例えば1つの基本ユニットに対して1つの追加ユニットが連結された分岐回路ユニット10’(すなわち、
図10に示される状態)が車両に取り付けられてもよいし、1つの基本ユニットに対して3つ以上の追加ユニットが連結された分岐回路ユニットが車両に取り付けられてもよい。複数の追加ユニットが設けられる場合、それぞれの追加ユニットが同一構造とされる。
【符号の説明】
【0090】
10 分岐回路ユニット(
図1)
10’ 分岐回路ユニット(
図10)
12 基本側入力部
14 基本側出力部
14a 第1基本側出力部(出力端子)
14b 第2基本側出力部(出力端子)
16 基本分岐回路
18 基本ケース
20 基本ユニット
22 追加側入力部
24 追加側出力部(出力端子)
26 追加分岐回路
28 追加ケース
30 追加ユニット
30a 第1追加ユニット(一の追加ユニット)
30b 第2追加ユニット(他の追加ユニット)
32 基本バスバー(バスバー)
34 ヒューズ
34a 第1ヒューズ
34b 第2ヒューズ
36 ボルト挿通孔
38 ボルト
39 第1接続部
40 入力端子
42 ボルト
44 ボルト挿通孔
46 基本側分岐接続部
48 第2接続部
50 第3接続部
52 入力端子
54 ボルト
56,58 ボルト挿通孔
60 アッパ側基本ケース
62 ロア側基本ケース
64 上底壁部
66 周壁部
68 バスバー収容部
70 ヒューズ収容部
72,72a 縦壁部
74 貫通窓
76 脚部
78 ボルト挿通孔
80 第1被連結部
82 凹部
84 第1凹部
86 第2凹部
88 上壁
90 下壁
92 側壁
94 係合爪部
96 貫通孔
98 突条
100 側壁
102 底壁
104 ボルト挿通孔
106 ゴムブッシュ(弾性部材)
108 ボルト挿通孔
110 ロック部
112 ベース部
114 ナット支持部
116 ナット
118 被ロック部
120 追加バスバー(バスバー)
122 ボルト挿通孔
124 追加側分岐接続部
126 ボルト挿通孔
128 追加接続部
130 ボルト挿通孔
132 アッパ側追加ケース
134 ロア側追加ケース
136 第2被連結部
138 連結部
140 凸部
142 第1凸部
144 第2凸部
146 上壁
148 後壁
150 側壁
152 係合孔
154 係止部
156 ボルト挿通孔
160 分岐回路ユニット(
図13)