IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イトーキの特許一覧

<>
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図1
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図2
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図3
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図4
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図5
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図6
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図7
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図8
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図9
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図10
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図11
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図12
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図13
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図14
  • 特開-水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173048
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】水平搬送車、自動倉庫及びコンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
B65G1/04 511
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085030
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】大澤 幸一
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE09
3F022FF01
3F022KK14
3F022LL12
3F022MM13
3F022MM17
(57)【要約】
【課題】水平搬送車によって物の出し入れがなされる保管棚において、物の保管効率を高めることを目的とする。
【解決手段】水平搬送車70は、水平に延びる走行路58上を走行し、走行路の隣に位置しかつ走行路に沿って複数の物が並べて保管される棚52に対して物10を出し入れするための水平搬送車であって、物を載置支持すると共に走行路上を走行する台車72と、台車から棚に対して進退可能な進退アーム82と、進退アームに設けられ、物に係合可能な突出位置と物から退避した退避位置との間で変位可能な係合部86とを含む移載ユニット80とを備え、進退アームは、台車から棚に保管された物の下を通るように進退し、係合部は、進退アームが棚に向けて進出した状態で、物の底部又は物のうち進退アームの進出方向の奥側の部分に係合する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に延びる走行路上を走行し、前記走行路の隣に位置しかつ前記走行路に沿って複数の物が並べて保管される棚に対して物を出し入れするための水平搬送車であって、
前記物を載置支持すると共に前記走行路上を走行する台車と、
前記台車から前記棚に対して進退可能な進退アームと、前記進退アームに設けられ、前記物に係合可能な突出位置と前記物から退避した退避位置との間で変位可能な係合部とを含む移載ユニットと、
を備え、
前記進退アームは、前記台車から前記棚に保管された物の幅内で進退し、
前記係合部は、前記進退アームが前記棚に向けて進出した状態で、前記物に前記物の幅内で係合する、水平搬送車。
【請求項2】
請求項1に記載の水平搬送車であって、
前記進退アームは、前記台車から前記棚に保管された物の下を通るように進退し、
前記係合部は、前記進退アームが前記棚に向けて進出した状態で、前記物の底部又は前記物のうち前記進退アームの進出方向の奥側の部分に係合する、水平搬送車。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の水平搬送車であって、
前記進退アームを1つのみ備える、水平搬送車。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の水平搬送車であって、
前記台車は、前記物を載置支持する載置支持面を有し、
前記進退アームは、退避状態において、平面視で前記載置支持面と重なる位置に配置される、水平搬送車。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の水平搬送車であって、
前記突出位置は、前記係合部が前記進退アームに対して交差する位置であり、前記退避位置は、前記係合部が前記進退アームに沿う位置であり、前記係合部は、前記進退アームに対して前記突出位置と前記退避位置との間で回動可能に支持されている、水平搬送車。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の水平搬送車であって、
前記係合部が前記棚に保管された前記物のうち下方に向けて開口する凹部に係合する、水平搬送車。
【請求項7】
請求項6に記載の水平搬送車であって、
前記係合部が前記棚に保管された前記物のうち前記進退アームの進出方向手前寄りに位置する前記凹部に係合する、水平搬送車。
【請求項8】
棚を含む保管棚と、
前記棚に対して物を入庫又は出庫するための請求項1又は請求項2に記載の水平搬送車と、
外側位置から又は外側位置に向けて物を搬送する外側搬送装置との間で、前記水平搬送車又は前記外側搬送装置に対して直接又は間接的に物を渡す又は受取る昇降装置と、
を備える自動倉庫。
【請求項9】
棚に並べて保管されるコンテナであって、
底部と、
前記底部上の空間を囲む囲い壁部と、
を備え、
前記底部に、前記底部の一端、他端及び下側に開口し、直線状に延びる凹溝が形成されている、コンテナ。
【請求項10】
請求項9に記載のコンテナであって、
前記底部のうち前記凹溝の一端側の開口と他端側の開口との間に、前記凹溝内に向けて開口する凹部が形成されている、コンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、水平搬送車、自動倉庫及びコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、台車走行装置と、複数の格納物を格納可能な格納部とを備える自動倉庫を開示している。台車走行装置は、台車走行装置又は格納部に格納された格納物の両側位置で向けて進退可能な一対の進退アームを備える。一対の進退アームは、倒伏可能な引っ掛け片を有している。引っ掛け片を格納物の両側から当該格納物の奥側に引っ掛けた状態で、一対の進退アームを進退移動させることによって、格納物を、格納部から台車走行装置へ移載することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-035333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術によると、格納物の間に一対の進退アームを配置することができる隙間を設ける必要がある。ここにおいて、格納物の保管効率を高めることが要請されている。
【0005】
そこで、本開示は、水平搬送車によって物の出し入れがなされる保管棚において、物の保管効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、水平搬送車は、水平に延びる走行路上を走行し、前記走行路の隣に位置しかつ前記走行路に沿って複数の物が並べて保管される棚に対して物を出し入れするための水平搬送車であって、前記物を載置支持すると共に前記走行路上を走行する台車と、前記台車から前記棚に対して進退可能な進退アームと、前記進退アームに設けられ、前記物に係合可能な突出位置と前記物から退避した退避位置との間で変位可能な係合部とを含む移載ユニットと、を備え、前記進退アームは、前記台車から前記棚に保管された物の幅内で進退し、前記係合部は、前記進退アームが前記棚に向けて進出した状態で、前記物に前記物の幅内で係合する、水平搬送車である。
【0007】
また、上記課題を解決するため、コンテナは、棚に並べて保管されるコンテナであって、底部と、前記底部上の空間を囲む囲い壁部と、を備え、前記底部に、前記底部の一端、他端及び下側に開口し、直線状に延びる凹溝が形成されている、コンテナである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によると、水平搬送車によって物の出し入れがなされる保管棚において、物の保管効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は実施形態に係る自動倉庫を示す概略側面図である。
図2図2は自動倉庫を示す概略平面図である。
図3図3は水平搬送車及び棚上に保管された物を示す概略斜視図である。
図4図4は物が保管された一対の棚及び水平搬送車を示す概略平面図である。
図5図5は水平搬送車によるコンテナの移載動作を示す説明図である。
図6図6は第1変形例に係る水平搬送車及び棚上に保管された物を示す概略斜視図である。
図7図7は同上の水平搬送車及び物が保管された棚を示す概略平面図である。
図8図8は第2変形例に係る水平搬送車及び物が保管された棚を示す概略平面図である。
図9図9は第3変形例に係る水平搬送車及び棚上に保管された物を示す概略斜視図である。
図10図10は同上の変形例に係るコンテナの移載動作を示す説明図である。
図11図11は第4変形例に係る水平搬送車及び棚上に保管された物を示す概略斜視図である。
図12図12は同上の変形例に係るコンテナの移載動作を示す説明図である。
図13図13は第5変形例に係る係合部を示す概略斜視図である。
図14図14は第6変形例に係る係合部を示す概略斜視図である。
図15図15は第7変形例に係るコンテナを示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
{実施形態}
以下、実施形態に係る水平搬送車、自動倉庫及びコンテナについて説明する。
【0011】
<自動倉庫について>
実施形態に係る水平搬送車及びコンテナの適用例である自動倉庫の全体構成について説明する。図1は自動倉庫を示す概略側面図であり、図2は自動倉庫を示す概略平面図である。
【0012】
入庫用コンベア16は、保管棚50の外側位置から保管棚50に近づく位置に向けて物10を搬送する外側搬送装置の一例である。出庫用コンベア18は、保管棚50に近い位置から保管棚50からより離れた外側位置に向けて物10を搬送する外側搬送装置の一例である。入庫用コンベア16及び出庫用コンベア18は、例えば、ローラコンベア又はベルトコンベアである。
【0013】
保管棚50は、水平搬送車70の走行路58の少なくとも一方側に設けられる。ここでは、走行路58の両側に一対の保管棚50が設けられる。保管棚50は、上下方向において間隔をあけて支持された複数段の棚52を有する。それぞれの段の棚52が物10を支持して保管することができる。各段における棚52においても、複数の物10を支持することができる。このため、保管棚50全体として見ると、複数の物10が上下左右に配列した状態で格納される。保管棚50において、物10が格納される空間が格納空間である。このため、保管棚50には、走行路58を走行する水平搬送車70の移動方向に沿って並ぶ複数の格納空間が形成される。各格納空間は仕切無く連続していてもよいし、仕切られていてもよい。
【0014】
走行路58は、保管棚50の延在方向に沿って、ここでは、一対の保管棚50の間で、その間の延在方向に沿って設けられている。走行路58は、保管棚50の延在方向に沿って水平方向に延び、かつ、移載装置60迄延在している。走行路58は、上下の複数の棚段のそれぞれに対応して設けられている。各走行路58は、例えば、一対のレールを備えた構成であってもよいし、左右連続する細長い板状部材を備えた構成であってもよい。レールは、保管棚50の横フレームを兼ねていてもよいし、保管棚50とは別体として構成されていてもよい。
【0015】
それぞれの段において、棚52は、走行路58の隣に位置している。棚52に、走行路58に沿って複数の物10が並べて保管される。
【0016】
水平搬送車70は、ピッカー又はドーリーとも呼ばれる装置であり、水平方向に延びる上記走行路58を往復走行可能に構成されている。この水平搬送車が、棚52に対して物を出し入れする。本実施形態では、水平搬送車70は、一対の保管棚50の両方に対して物10を出し入れすることができる。
【0017】
保管棚50の延在方向の一部には昇降装置30及び移載装置60が設けられる。本実施形態では、一対の保管棚50のそれぞれの一端部に入庫用の移載装置60、入庫用の昇降装置30及び入庫用コンベア16が設けられる。また、一対の保管棚50のそれぞれの他端部に出庫用の移載装置60、出庫用の昇降装置30及び出庫用コンベア18が設けられる。一対の保管棚50の長手方向中間部に、移載装置、昇降装置及び入出庫用コンベアが設けられてもよい。移載装置、昇降装置及びコンベアは、入庫用と出庫用とに分けられている必要は無く、入出庫兼用とされてもよい。
【0018】
移載装置60は、仮置き棚とも呼ばれる部分であり、昇降装置30と水平搬送車70との間で物を中継する装置である。移載装置60は、複数の棚段それぞれに対応する複数の支持台62を備える。複数の支持台62は、保管棚50の隣の位置で、対応する棚52と同じ高さ位置に設けられる。支持台62は、例えば、ローラを有するローラコンベアである。ローラに内蔵されたモータを回転駆動することによって、物10を搬送方向に沿って移動させることができる。支持台62上の物10は、別途設けられたシリンダ等のアクチュエータによって駆動されるプッシャによって搬送方向に沿って押されて移動してもよい。各棚段に対応して設けられた水平搬送車70が、当該棚段において、支持台62及び棚52に対して物10を移載することができる。
【0019】
昇降装置30は、水平搬送車70、又は、外側搬送装置である入庫用コンベア16若しくは出庫用コンベア18に対して直接又は間接的に物10を渡す又は受取る昇降装置である。本実施形態では、入庫用の昇降装置30は、入庫用コンベア16から直接物10を受取る。昇降装置30は、物10を、入庫用の移載装置60を介して間接的に水平搬送車70に渡す。また、出庫用の昇降装置30は、出庫用の移載装置60を介して間接的に水平搬送車70から物を受取る。出庫用の昇降装置30は、出庫用コンベア18に直接物を渡す。昇降装置30は、水平搬送車70に対して直接物10を渡したり、受取ったりしてもよい。
【0020】
上記昇降装置30は物10を昇降させる装置であり、リザーバとも呼ばれる装置である。昇降装置30は、物10を支持した状態で昇降する昇降載置台32を備える。昇降載置台32は、例えば、ローラを有するローラコンベアである。複数のローラは、例えば、枠部によって並列配置された状態で回転可能に支持される。ローラに内蔵されたモータを回転駆動することによって、物10を搬送方向に沿って移動させることができる。昇降載置台32上の物10は、別途設けられたシリンダ等のアクチュエータによって駆動されるプッシャによって搬送方向に沿って押されて移動してもよい。昇降載置台32は、柱31に昇降可能に支持されており、昇降駆動機構34によって昇降駆動される。これにより、昇降載置台32が、移載装置60の隣の位置で、複数の支持台62のそれぞれに対応する位置に昇降移動される。昇降載置台32がいずれかの支持台62に対応する高さに位置することで、物10が昇降載置台32と支持台62との間で水平移動して移載されることができる。また、昇降載置台32が、入庫用コンベア16若しくは出庫用コンベア18のうち保管棚50に近い端部の隣の位置で、当該入庫用コンベア16若しくは出庫用コンベア18のそれぞれに対応する位置に昇降移動される。昇降載置台32が入庫用コンベア16若しくは出庫用コンベア18に対応する高さに位置することで、物10が昇降載置台32と入庫用コンベア16若しくは出庫用コンベア18との間で水平移動して移載されることができる。
【0021】
制御部100は、入庫用コンベア16及び出庫用コンベア18の搬送動作、昇降装置30の昇降動作、移載動作、移載装置60における移載動作、水平搬送車70の走行動作、物10の出入動作を制御する。この自動倉庫20においては、制御部100による制御下、物10の入庫、及び、出庫がなされる。
【0022】
入庫される物10に着目すると、入庫用コンベア16等によって入庫される物10が昇降装置30に移載される。すると、昇降装置30は、当該物10を、その物10が格納される棚段に対応する位置に昇降移動させる。この後、昇降載置台32に支持された物10が移載装置60に移載される。移載装置60によって支持された物10は、水平搬送車70に移載される。水平搬送車70は、物10を支持した状態で走行路58を走行し、保管棚50における物10の格納予定位置に向けて移動する。水平搬送車70が格納予定位置に達すると、物10が水平搬送車70から保管棚50に移載され、当該物10が保管棚50に格納される。水平搬送車70による格納のための動作中に、昇降装置30によって次の格納予定の物10が同じ棚段の位置に昇降された場合、水平搬送車70が移載装置60に戻って当該物10を取込むまで、物10が移載装置60に一時的に支持される。このため、昇降装置30及び水平搬送車70の待機時間を減らすことができ、物10の入庫が効率的に行われる。
【0023】
出庫される物10に着目すると、当該物10の格納位置に対応する棚段の水平搬送車70が、当該物10の格納位置に対応する位置に走行移動する。この後、水平搬送車70が保管棚50から物10を取込む。物10を取込んだ水平搬送車70は、出庫用の移載装置60に向けて移動し、物10を移載装置60に移載する。出庫用の昇降装置30は、昇降載置台32を、当該出庫される物10に対応する棚段の位置に昇降移動させる。そして、当該棚段において移載装置60上の物10が昇降載置台32に移載される。出庫用の昇降装置30は、昇降載置台32を出庫に適した位置、例えば、出庫用コンベア18の高さ位置に移動させる。この後、物10が当該出庫用コンベア18に移載される。物10は、出庫用コンベア18によって外部に出庫される。昇降載置台32による出庫のための昇降動作中に、水平搬送車70が次の物10を取込んだ場合、水平搬送車70は出庫用の移載装置60に向けて移動し、当該物10を移載装置60に移載する。これにより、出庫用の昇降装置30が次の出庫動作を行うまで、当該次の出庫予定の物10が移載装置60に一時的に支持され得る。このため、出庫に際しても、昇降装置30及び水平搬送車70の待機時間を減らすことができ、物10の出庫が効率的に行われる。
【0024】
なお、本自動倉庫20においては、物10が入庫される際に、当該物10の特定情報(物の識別符号又は識別名称)と格納位置とを対応付けたデータベースが生成、更新される。物10が入庫される際、当該データベースを参照することで、保管棚50における空き位置が特定され、当該空き位置のうちの1つが格納予定位置として選ばれる。また、物10が出庫される際には、データベースを参照することで、当該物10の格納位置が特定される。データベースは、上記制御部100における記憶部に格納されてもよいし、他の記憶部に格納されてもよい。
【0025】
<水平搬送車について>
水平搬送車70についてより具体的に説明する。図3は水平搬送車70及び棚52上に保管された物10を示す概略斜視図である。図4は物10が保管された一対の棚52及び一対の棚52間に位置する水平搬送車70を示す概略平面図である。
【0026】
上記したように、水平搬送車70は、走行路58上を走行し、棚52に保管される物10を出し入れする装置であり、台車72と、移載ユニット80とを備える。
【0027】
台車72は、物10を載置支持すると共に、走行路58上を走行可能に構成されている。例えば、台車72は、載置ベース74と、一対の走行機構部76とを含む。
【0028】
載置ベース74は、上方を向く載置支持面74fを有している。載置支持面74fは、平面視において、取扱対象となる物10と同じか当該物10よりも大きく広がる面である。本実施形態では、載置支持面74fは、平面視において、物10よりも大きく広がる方形状の面である。載置支持面74f上に物10が載置支持される。
【0029】
一対の走行機構部76は、走行路58上を走行するための機構である。一対の走行機構部76は、走行路58の延在方向(走行方向A)に沿って、載置ベース74の両側に設けられている。一対の走行機構部76のそれぞれは、走行路58上を転がることができる車輪77を有している。一対の走行機構部76の少なくとも一方が、車輪77を回転駆動可能なモータ78を有している。モータ78の回転駆動力は、ギヤ又はプーリ等の回転力伝達機構を介して車輪77に伝達されてもよいし、直接車輪77に伝達されてもよい。そして、モータ78によって車輪77が回転駆動されることによって、台車72が走行路58を走行することができる。制御部100によってモータ78が制御されることによって、台車72の走行方向、走行速度、停車位置等が制御される。
【0030】
車輪77が走行路58上に接した状態で、載置支持面74fと棚52の上面とが同じ高さに位置するように設定されている。これにより、載置支持面74fから棚52の上面に向けて、及び、その逆に、物10が滑って移載されることができる。物10が移載可能な範囲で、載置支持面74fと棚52の上面との位置が異なっていてもよい。
【0031】
台車72に移載ユニット80が支持されている。台車72の走行によって、移載ユニット80が棚52及び支持台62に対向する複数の位置の間で移動される。移載ユニット80は、棚52及び支持台62のうち物10が載置された位置に移動して、物10を棚52又は支持台62から載置支持面74f側に移載することができる。または、移載ユニット80は、棚52及び支持台62において物10を載置すべき空き位置に移動して、物10を載置支持面74fから棚52又は支持台62側に移載することができる。
【0032】
より具体的には、移載ユニット80は、進退アーム82と、係合部86とを含む。本実施形態では、水平搬送車70が、進退アーム82を1つのみ備える例が説明される。
【0033】
進退アーム82は、台車72から棚52に対して進退可能に構成されている。例えば、進退アーム82は、長尺直方体であり、載置ベース74の上側で、載置支持面74fから棚52に向って進退可能に支持されている。進退アーム82は、アーム駆動部83の駆動によって進退駆動される。アーム駆動部83は、例えば、リニアガイドと、一対のプーリに巻掛けられた環状ベルトと、プーリを回転駆動するモータとを備える構成であってもよい。この場合、リニアガイドによって進退アーム82を進退可能に支持し、進退アーム82を環状ベルトのうち一対のプーリ間の直線部分に連結するとよい。そして、モータの駆動によって一対のプーリに巻掛けられた環状ベルトを回転させることによって、進退アーム82を進退駆動させることができる。アーム駆動部83は、リニアモータ、モータとボールネジ機構とを含む機構、流体シリンダ等であってもよい。
【0034】
進退アーム82が退避した状態において、平面視において、進退アーム82は載置支持面74fと重なる位置に配置される。ここで、平面視において、進退アーム82の全体が載置支持面74fと重なる必要は無く、進退アーム82の少なくとも一部が載置支持面74fと重なればよい。本実施形態では、進退アーム82の全体が載置支持面74f上に重なっている。載置支持面74f上に物10が載置された状態では、平面視において、進退アーム82が物10と重なっている。これにより、平面視において、載置支持面74f若しくは載置支持面74f上における物10の載置領域と、進退アーム82の退避領域とを重複させることができ、水平搬送車70のコンパクト化が可能となる。
【0035】
進退アーム82は、台車72から棚52に保管された物10の幅内で当該物10に向けて進退する。物10の幅内とは、進退アーム82の進退方向に直交する水平方向において、当該物10の両側部分の間をいう。このため、進退アーム82が物10の幅内で進退するとは、前記水平方向において、物10の両側部分の間の位置で進退することとをいう。本実施形態では、進退アーム82は、台車72から棚52に保管された物10の下を通るように進退する例が説明される。本実施形態では、載置支持面74fと棚52の上面とが同じ高さ位置に位置している。進退アーム82は、載置支持面74fから棚52の上面に向けて進退移動して、載置支持面74f及び棚52上の物10の下を通る。
【0036】
係合部86は、進退アーム82に設けられ、物10に係合可能な突出位置と物10から退避した退避位置との間で変位可能に構成されている。
【0037】
例えば、係合部86は、長方形板状に形成されている。係合部86は、進退アーム82の端部に変位可能に支持されている。例えば、係合部86は、進退アーム82の端部に、進退アーム82の進退方向に直交する水平方向(走行方向A)に沿った軸周りに回転可能に支持されている。
【0038】
係合部86が回動する軸は、走行方向Aに沿った軸でなくてもよい。例えば、係合部86は、進退アーム82の延在方向に沿った軸周りに回動可能にであってもよい。係合部86が進退アーム82に対して回動可能に支持されることは必須ではない。例えば、係合部は進退アームに対して交差する直線方向に沿って突出及び退避可能であってもよい。
【0039】
係合部86が、進退アーム82の延在方向(進退方向B)に沿って延びる位置が退避位置である。本実施形態では、退避位置は、係合部86が、進退アーム82の端部の外延長上に延在する位置である。退避位置において、係合部が、進退アーム内に又は進退アーム側に折返した状態となってもよい。
【0040】
係合部86が、進退アーム82の延在方向(進退方向B)に対して交差する方向に延びる位置が突出位置である。本実施形態では、突出位置は、係合部86が、進退アーム82の端部から上方に延在する位置である。突出位置において、係合部が進退アームの進退方向に対して直交していてもよいし、斜め方向に延びていてもよい。突出位置において、係合部が進退アームに対して横方に延びていてもよい。
【0041】
つまり、突出位置に位置する係合部が、退避位置に位置する係合部よりも、進退アームに対して進退方向Bに直交する方向に大きくはみ出る状態となればよい。
【0042】
係合部86は、係合部駆動部87によって、突出位置と退避位置との間で変位駆動される。係合部駆動部は、例えば、モータの回転運動をギヤ、リンク機構等によって上記変位を生じさせる動きに変換する機構であってもよいし、ソレノイドアクチュエータによって変位を生じさせる機構であってもよい。
【0043】
進退アーム82が棚52に向けて進出する際に、係合部86を退避位置に位置させておくことで、進退アーム82は物10に係合することなく、棚52上の物10の下を通ることができる。また、進退アーム82が棚52に向けて進出した状態で、係合部86が突出位置に位置することで、係合部86が物10に対して前記物10の幅内で係合することができる。例えば、係合部86は、物10の幅内で物10の底部又は底部のうち進退アーム82の奥側の部分に係合することができる。
【0044】
本実施形態では、進退アーム82は、台車72から一対の棚52の両方に進退可能に構成されている。また、進退アーム82の両端に係合部86が設けられている。これにより、移載ユニット80は、台車72の両側の棚52に対して物10を出し入れすることができる。
【0045】
水平搬送車70が一対の棚52の両方に対して物10を出し入れすることは必須ではなく、進退アーム82は水平搬送車70から一方側のみに進退可能であり、進退アーム82の一方側のみに係合部86が設けられてもよい。
【0046】
<物(コンテナ)について>
上記水平搬送車70及び自動倉庫20において、取扱いに適した物10の一例について説明する。本実施形態において、物10はコンテナ10である。コンテナ10は、底部12と、壁部15とを有している。底部12上であって壁部15によって囲まれた空間内に、1つ又は複数の収容対象物を収容する容器である。コンテナ10は、蓋を有していてもよいし、有していなくてもよい。個々の収容対象物の形状、大きさ等に拘らず、コンテナ10は、上記水平搬送車70及び自動倉庫20による取扱に適した一定の形状を提供することができる。
【0047】
上記底部12に、底部12の一端、他端及び下側に開口し、直線状に延びる凹溝13が形成されている。より具体的には、底部12は、方形板状に形成されている。底部12の4つの辺のそれぞれか上方に向って壁部15が立上がっている。よって、コンテナ10は、直方体箱状である。
【0048】
底部12の下側に直線状に延びる凹溝13が形成されている。凹溝13は、下側に向けて開口している。また、凹溝13は、底部12の周囲4つの辺のうちの1つである第1辺の中央から当該第1辺とは反対側の第2辺の中央に向って延びている。このため、凹溝13は、底部12の一端である前記第1辺と、底部12の他端である前記第2辺とに開口している。以下の説明において、凹溝13のうち第1辺側の開口を第1開口13a、第2辺側の開口を第2開口13bと区別する場合がある。
【0049】
凹溝13の幅及び高さは、進退アーム82の幅及び高さ以上に設定されている。また、凹溝13の幅及び高さの少なくとも一方は、進退アーム82に突出位置の係合部86分を付加した幅又は高さよりも小さい。このため、係合部86が退避位置に位置する状態では、進退アーム82は凹溝13内を通ることができる。係合部86が突出位置に位置する状態では、係合部86が凹溝13に干渉し、進退アーム82は凹溝13内を通ることができなくなる。
【0050】
底部12のうち凹溝13の一端側の第1開口13aと他端側の第2開口13bとの間に、凹溝13内に向けて開口する凹部14a、14bが形成されている。凹部14a、14bは、下方に向けて開口する凹部の一例である。本実施形態では、凹溝13内のうち第1開口13a寄りの位置に第1凹部14aが形成され、第2開口13b寄りの位置に第2凹部14bが形成されている。
【0051】
凹部14a、14bは、凹溝13の上側の面から上側に凹んでいる。このため、進退アーム82から上側に突出した係合部86が凹部14a、14b内に入り込んで、凹部14aの内側面に係合することができる。係合部が進退アームの横方向に突出する場合には、凹溝の側面から外側に凹むように凹部が形成されてもよい。
【0052】
凹溝には、1つの凹部が形成されてもよく、3つ以上の凹部が形成されてもよい。
【0053】
<水平搬送車による物(コンテナ)の移載動作について>
水平搬送車70による物10(コンテナ)の移載動作について、図5を参照して説明する。
【0054】
図5(a)に示すように、空の水平搬送車70が、棚52のうちコンテナ10の格納位置に対向する位置に移動する。進退アーム82は、コンテナ10の第1開口13aに対向する位置に配置される(図3参照)。
【0055】
図5(b)に示すように、進退アーム82が棚52に向けて進出する。取込み開始状態では、係合部86は退避位置に位置している。このため、進退アーム82は、第1開口13aを通って凹溝13内に進入することができる。つまり、進退アーム82は、棚52に向けて進出することで、凹溝13内に進入してコンテナ10の下を通る。進退アーム82の端部の係合部86が第1開口13a内に達すると、係合部86が退避位置から突出位置に移動する。これにより、係合部86が第1凹部14a内に入り込む。
【0056】
次に、図5(c)に示すように、係合部86が第1凹部14a内に入り込んだ状態のまま、進退アーム82が台車72に向けて退避移動する。係合部86が第1凹部14a内に入り込んで当該第1凹部14aに係合しているため、進退アーム82の退避移動に伴って、コンテナ10は、台車72に向けて引寄せられる。
【0057】
図5(d)に示すように、コンテナ10が台車の載置支持面74fに完全に引込まれるまで、進退アーム82が棚52から台車72側に移動する。この後、係合部86が退避位置に移動し、係合部86が第1凹部14aに係合する状態が解除される。
【0058】
図5(e)に示すように、進退アーム82が凹溝13内を通って、載置支持面74f内の初期位置に戻る。これにより、棚52から台車72へのコンテナ10の移載作業が終了する。
【0059】
水平搬送車70は、コンテナ10を載置支持面74f上に載置した状態で、次の移動先に移動し、載置支持面74f上のコンテナ10を受渡す。例えば、水平搬送車70は出庫側の移載装置60に向けて移動し、載置支持面74f上のコンテナ10を移載装置60に向けて移載する。
【0060】
水平搬送車70から棚52に向けてコンテナ10を移動させる際には、上記と逆の動作がなされるとよい。水平搬送車70から棚52に向けてコンテナ10を移動させる際には、係合部86を、凹部14a、14bに係合させないで、コンテナ10のうち移動先の棚52とは反対側の外側面に押し当てるように係合させて、当該コンテナ10を棚52に向けて押込んでもよい。
【0061】
上記棚52と反対側の棚52に格納されたコンテナ10に対しては、進退アーム82を上記とは逆の棚52に向けて進退移動させ、上記とは反対側の係合部86を、第2開口13bに係合させることで、同様に、コンテナ10の移載を行うことができる。
【0062】
上記例では、図5(d)に示すように、コンテナ10を台車72に移載した状態で、進退アーム82が取込み先の棚52に対して反対側の棚52側にはみ出している。進退アーム82の長さ、台車の大きさによっては、コンテナ10を台車72に移載した状態で、進退アーム82が台車72からはみ出ない場合もあり得る。
【0063】
上記例では、2つの凹部14a、14bのうち台車72側に近い第1凹部14aに係合部86を係合させている。このため、台車72からの進退アーム82の進出量が少ない状態でコンテナ10を台車72に引込むことができ、コンテナ10を棚52から台車72に引込むまでの時間を短くできる。
【0064】
係合部86は、台車72から遠い側の第2凹部14bに係合してもよい。この場合、コンテナ10を格納した棚52とは反対側への進退アーム82の移動量を少なくすることができる。
【0065】
コンテナ10には、1つの凹部が形成されている場合も想定される。この場合、係合部86は、当該1つの凹部に係合してコンテナ10を移動させることができる。
【0066】
<効果等>
以上のように構成された水平搬送車70及び自動倉庫20によると、水平搬送車70の進退アーム82が、台車72から棚52に保管されたコンテナ(物)10の下を通るように進退し、進退アーム82が棚52に向けて進出した状態で、係合部86がコンテナ10の底部12に係合する。この状態で、進退アーム82を台車72側に退避移動させることで、棚52に保管されたコンテナ10を台車72側に移載することができる。このため、棚52において、コンテナ10の間に移載用の進退アームを配置するための隙間を設ける必要がなくなり、複数のコンテナ10をなるべく密集させて棚52上で保管することができる。これにより、水平搬送車70によってコンテナ10の保管効率を高めることができる。
【0067】
また、水平搬送車70は、進退アーム82を1つのみ備える。当該1つの進退アーム82を、コンテナ10の両側ではなく、下に進出させる。そして、1つの進退アーム82によって、コンテナ10の幅方向中間に力を作用させて、棚52上のコンテナ10を台車72側に移載することができる。これにより、一対の進退アームを用いる場合と比較して、コスト低減が可能となる。
【0068】
また、一対の進退アームを物の両側部に係合させて移載を行う構成では、物を水平搬送車に移載した状態で、一対の進退アームが当該物の両側側に位置する。このため、平面視において、物の載置領域とは別に、一対の進退アームの格納領域を設けておく必要があり、水平搬送車が大型化する。本実施形態のように、進退アーム82の退避状態において、当該進退アーム82が、平面視で、載置支持面74fと重なる位置に配置されることで、物の載置領域と進退アーム82の格納領域とを少なくとも部分的に重複させることができる。これにより、水平搬送車70の小型化が可能となる。
【0069】
また、係合部86が進退アーム82に対して回動可能に支持されて、突出位置と退避位置との間で変位されるため、簡易な構成で係合部86を物に係合状態としたり、非係合状態としたりすることが可能となる。
【0070】
また、係合部86が棚52上のコンテナ10の底部12の凹部14a、14bに係合するため、進退アーム82を、コンテナ10を奥側に越えるまで進出させなくてもよい。例えば、進退アーム82の端部の係合部86が物10の下に位置する状態で、進退アーム82の端部の係合部86を物10の底部12に係合させることができる。これにより、棚52上のコンテナ10を水平搬送車70に取込む際において、当該棚52への進退アーム82の進出量を小さくでき、棚52から水平搬送車70にコンテナ10を移載するのにようするサイクルタイムを小さくできる。
【0071】
また、係合部86が物10の底部12のうち進退アーム82の進出方向手前寄りに位置する第1凹部14aに係合して、当該コンテナ10を水平搬送車70側に引込む。つまり、係合部86は、凹溝の延在方向においてその中央よりも水平搬送車70に近い位置の第1凹部14aに係合して、コンテナ10を引込む。このため、進退アーム82の進出量をさらに小さくしてコンテナ10の移載を行える。これにより、棚52に保管されたコンテナ10を水平搬送車70に移載するのに要するサイクルタイムをさらに小さくできる。
【0072】
また、上記水平搬送車70を備える自動倉庫20によって、自動倉庫20におけるコンテナ10の保管効率を高めることができる。
【0073】
また、上記のように、底部12に、底部12の一端、他端及び下側に開口し、直線状に延びる凹溝13が形成されたコンテナ10によると、例えば、係合部86を有する進退アーム82を、凹溝13内に差込むことによって、当該コンテナ10を取扱うことができる。例えば、進退アーム82の係合部86をコンテナ10の底部12又はコンテナ10のうち差込み方向奥側の部分に係合させることができる。これにより、コンテナを棚から容易に取出すことができる。例えば、後に説明する変形例のように、棚52に進退アーム82を差込むための凹部又は空間が形成されていない場合でも、上記水平搬送車70を利用した物10を出し入れが可能になる。
【0074】
また、底部12のうち凹溝13の一端側の第1開口13aと他端側の第2開口13bとの間に、凹部14a、14bが形成されていると、例えば、進退アーム82を、凹溝13内に差込んで、係合部86を凹溝13の延在方向中間に位置する凹部14a、14bに係合させることができる。このため、進退アーム82を差込む量を少なくすることができ、コンテナ10を棚52素早く取出して水平搬送車70に移載することができる。
【0075】
{変形例}
上記実施形態を前提として、各種変形例について説明する。
【0076】
図6及び図7に示す第1変形例では、コンテナ10に対応するコンテナ110の底部12には、凹溝13が形成されていない。第1凹部14a及び第2凹部14bのそれぞれに対応する位置に、コンテナ110の底側に開口する第1凹部114a及び第2凹部114bが形成されている。
【0077】
棚52に対応する棚152のうちコンテナ110が載置される位置であって水平搬送車170側の第1凹部14aが配置される領域に取出用凹部153が形成されている。つまり、棚152のうち走行路58側の縁に、棚152に並べて格納される複数のコンテナ110の幅方向中央の位置に応じて、複数の取出用凹部153が間隔をあけて並ぶように形成されている。
【0078】
水平搬送車70に対応する水平搬送車170では、台車72のうち進退アーム82が配置される部分に、進退アーム82の進退方向Bに沿った進退用凹溝73が形成されている。進退用凹溝73は、進退アーム82の全体を収容可能な幅及び深さの溝である。進退用凹溝73は、少なくとも取扱対象となるコンテナ110が格納される棚152側に開口しており、本実施形態では、進退用凹溝73は、進退方向Bに沿って両側に開口している。進退アーム82は、載置支持面74fから上に突出せずに、進退用凹溝73を進退移動することができる。
【0079】
本変形例によると、進退アーム82が棚152側に進出すると、進退アーム82の端部が取出用凹部153内に入り込む。この状態で、進退アーム82の端部の係合部86が突出位置に移動することで、当該係合部86が底側から第1凹部114a内に入り込むことができる。
【0080】
そして、進退アーム82が水平搬送車170側に退避移動すると、第1凹部114aに係合する係合部86がコンテナ110を水平搬送車170側に引込み、上記第1実施形態と同様に、コンテナ110を載置支持面74f上に移載することができる。コンテナ110を載置支持面74f上に移載した後は、進退アーム82は、進退用凹溝73内を移動することで、コンテナ110と干渉せずに、元の位置に戻ることができる。
【0081】
図8に示す第2変形例では、コンテナ110及び水平搬送車170は、第1変形例で説明したものと同じである。
【0082】
棚52に対応する棚252は、一対の分割棚252a、252aを有している。各分割棚252a、252aは、支柱等によって支持されて、進退アーム82の進退方向Bに沿って延びている。一対の分割棚252a、252aは、コンテナ110の幅方向に間隔をあけて支持されている。一対の分割棚252aは、コンテナ110の底部12の下側の両側部を下から支えることができる。コンテナ110は、底部12の両側下部を一対の分割棚252a、252a上に載置した状態で、棚252と水平搬送車170との間で滑るようにして移動することができる。
【0083】
コンテナ110が棚252上に載置された状態で、コンテナ110の底部12の幅方向中央は、一対の分割棚252a、252a間に位置し、下方に露出している。このため、第1凹部114a及び第2凹部114bは、一対の分割棚252a、252a間で下方に開口している。
【0084】
本変形例によると、進退アーム82が棚252側に進出すると、進退アーム82の端部が一対の分割棚252a、252a間に入り込む。この状態で、進退アーム82の端部の係合部86が突出位置に移動することで、当該係合部86が底側から第1凹部114a内に入り込むことができる。
【0085】
そして、上記第1変形例と同様に、棚252上のコンテナ110を水平搬送車170側に引込むことができる。
【0086】
例えば、移載装置60のように、並列配置された搬送用のローラを有する棚がコンテナ110を格納する場合、進退アームは、搬送用のローラ間に向けて進退移動することも考えられる。
【0087】
第1変形例及び第2変形例において、取出用凹部153及び一対の分割棚252a間の隙間の代りに、棚に進退アーム82が進入可能な溝が形成されていることが考えられる。溝は、進退アーム82が進入可能な溝であればよい。例えば、棚に、上記第1凹部114a(又は第2凹部114b)の下側の位置で、水平搬送車170側及び上側に開口する溝が形成されていてもよい。この場合でも、進退アームが当該溝に進入して係合部が第1凹部114a(又は第2凹部114b)に係合でき、上記コンテナ110及び水平搬送車170を利用して、棚と水平搬送車170との間でコンテナ110を移載できる。
【0088】
この場合、コンテナ110には、両端に開口するように直線状に延びる凹溝13が形成される必要は無く、係合部86が係合可能な少なくとも1つの凹部114a、114bが形成されていればよい。このため、コンテナ110の形状に対する制約が少なく、各種形状のコンテナ110を対象とすることが容易となるというメリットがある。
【0089】
図9に示す第3変形例では、コンテナ10に対応するコンテナ310の底部12には、凹溝313が形成されているが、凹部14a、14bが形成されていない。このため、係合部86は、凹溝313の延在方向中間部で底部12に係合できない。
【0090】
そこで、水平搬送車70において進退アーム82を、コンテナ310を越えるまで大きく進出させて、係合部86を、コンテナ310のうち進退アーム82の進出方向の奥側の部分に係合させる。この状態で、進退アーム82を水平搬送車70側に退避移動させることによって、コンテナ310を水平搬送車70に引込む。進退アーム82の進出量を大きくするために、進退アーム82は、長尺部材が伸縮可能に連なったテレスコピック機構を含むことが好ましい。
【0091】
この場合のコンテナ310の移載動作について図10を参照して説明する。
【0092】
図10(a)に示すように、空の水平搬送車70が、棚52のうちコンテナ310の格納位置に対向する位置に移動する。進退アーム82は、コンテナ310の凹溝313のうち水平搬送車70側の開口に対向する位置に配置される。
【0093】
図10(b)に示すように、進退アーム82が棚52に向けて進出し、凹溝313内に進入する。進退アーム82の端部が凹溝313を抜けるまで、進退アーム82が進出する。この状態で、係合部86が、コンテナ310に対して水平搬送車70とは反対側に配置される。そして、係合部86が退避位置から突出位置に移動する。これにより、係合部86がコンテナ310のうち進退アーム82の進出方向の奥側の部分(水平搬送車70とは反対側の部分)に対向する。
【0094】
次に、図10(c)に示すように、係合部86を、コンテナ310のうち進退アーム82の進出方向の奥側の部分に接触による係合を行わせた状態で、進退アーム82が台車72に向けて退避移動する。これにより、進退アーム82の退避移動に伴って、コンテナ310は、台車72に向けて引寄せられる。
【0095】
図10(d)に示すように、コンテナ310が台車の載置支持面74fに完全に引込まれるまで、進退アーム82が棚52から台車72側に移動する。この後、係合部86が退避位置に移動し、係合部86がコンテナ310に係合する状態が解除される。
【0096】
図10(e)に示すように、進退アーム82が凹溝313内を通って、載置支持面74f内の初期位置に戻る。これにより、棚52から台車72へのコンテナ310の移載作業が終了する。
【0097】
水平搬送車70上のコンテナ310を、棚52側に移載する際には、移動先の棚52とは反対側の係合部86をコンテナ310の外側面に係合させた状態で、進退アーム82を棚52側に移動させて、コンテナ310を棚52に押込むようにしてもよい。
【0098】
本変形例によっても、凹部14a、14bによる作用効果を除き、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0099】
図11及び図12に示す第4変形例では、棚52に対応する棚452が奥行方向に複数(ここでは2つ)のコンテナ10を並べて載置できる奥行に設定されている。第3変形例で説明したように、進退アーム82の進出量を大きくするため、水平搬送車70は、長尺部材が伸縮可能に連なったテレスコピック機構を含む進退アーム82を備えていることが好ましい。
【0100】
この場合のコンテナ10の移載動作について図12を参照して説明する。
【0101】
棚452には、複数(ここでは2つ)のコンテナ10が奥行方向に並べて載置されている。各コンテナ10の凹溝13は、同一直線上に位置している。
【0102】
図12(a)に示すように、空の水平搬送車70が、棚452のうちコンテナ10の格納位置に対向する位置に移動する。進退アーム82は、コンテナ10の凹溝13のうち水平搬送車70側の開口に対向する位置に配置される。
【0103】
図12(b)に示すように、進退アーム82が棚452に向けて進出し、凹溝13内に進入する。進退アーム82の端部の係合部86が、水平搬送車70側のコンテナ10を越えて奥側のコンテナ10の第1凹部14a内に達すると、係合部86が退避位置から突出位置に移動する。これにより、係合部86が奥側のコンテナ10の第1凹部14a内に入り込む。
【0104】
次に、図12(c)に示すように、係合部86が奥側のコンテナ10の第1凹部14a内に入り込んだ状態のまま、進退アーム82が台車72に向けて退避移動する。係合部86が第1凹部14aに係合しているため、進退アーム82の退避移動に伴って、奥側のコンテナ10は、台車72側に向けて引寄せられる。水平搬送車70側のコンテナ10についても、奥側のコンテナ10によって押されて水平搬送車70側に移動する。奥側のコンテナ10が棚452のうち水平搬送車70寄りの位置、例えば、手前側のコンテナ10が載置されていた位置に達すると、係合部86が退避位置に移動して、係合部86と奥側のコンテナ10の第1凹部14aとの係合が解除される。なお、手前とは、棚452において水平搬送車70側であり、奥側とは棚452において水平搬送車70から離れた側である。
【0105】
次に、図12(d)に示すように、係合部86が手前側のコンテナ10の第2凹部14bに達するまで、進退アーム82が退避移動する。そして、この状態で、係合部86が突出位置に移動すると、係合部86が第2凹部14b内に入り込んで当該第2凹部14bに係合可能な状態となる。
【0106】
図12(e)に示すように、係合部86が第2凹部14bに係合した状態で、進退アーム82がさらに台車72に向けて退避移動する。係合部86が第2凹部14bに係合しているため、進退アーム82の退避移動に伴って、手前側のコンテナ10は、台車72に移載される。奥側のコンテナ10については、棚52上に載置されたまま残る。コンテナ10が台車の載置支持面74fに完全に引込まれるまで、進退アーム82が棚452から台車72側に移動する。この後、係合部86が退避位置に移動し、係合部86が第2凹部14bに係合する状態が解除される。
【0107】
この後、図12(f)に示すように、進退アーム82が凹溝13内を通って、載置支持面74f内の初期位置に戻る。これにより、棚452から台車72へのコンテナ10の移載作業が終了する。
【0108】
上記動作例では、奥側のコンテナ10が手前側に移動しているため、次の当該コンテナ10が移載対象となった場合に、当該コンテナ10が迅速に移載される。もっとも、奥側のコンテナ10を棚452の奥側に残したまま、手前側のコンテナ10を水平搬送車70に移載してもよい。
【0109】
水平搬送車70上のコンテナ10を棚452に移載する場合には、係合部86を凹部14a、14bのいずれか、又は、コンテナ10の外面に係合させて、棚452に押込むとよい。この場合、棚452において手前側に位置するコンテナ10は、水平搬送車70から棚452に移載されるコンテナ10によって、棚452の奥側に押される。
【0110】
本変形例によると、棚452の奥行方向に複数のコンテナ10を並べて収納することができるため、棚452におけるコンテナ10の保管効率を高めることができる。
【0111】
なお、上記実施形態及び各変形例において、係合部の構成は上記例に限られない。例えば、係合部が動く向き、可動する部分の数は任意である。
【0112】
例えば、図13に示す第5変形例に係る係合部586のように、係合部586が進退アーム82の進退方向に沿う軸周りに揺動可能に支持されていてもよい。この場合、退避位置で係合部586が進退アーム82の進退方向に対して直交する水平方向に沿った状態となり、突出位置で係合部586が上下方向に沿う状態となる。
【0113】
また、例えば、図14に示す第6変形例に係る係合部686のように、係合部686は、進退アーム82に対して位置変更可能な複数の可動部分686aを有していてもよい。例えば、進退アーム82の端部の両側部に2つの爪上の可動部分686aが位置変更可能に支持されていてもよい。この場合、2つの可動部分686aが進退アームの幅方向に並んで物に係合できるため、物を安定した姿勢で引寄せたり、押したりすることができる。
【0114】
図14で可動部分686aが進退アーム82の進退方向に沿った軸周りに回転する例が示される。可動部分は、実施形態と同様に、台車72の走行方向に沿った軸周りに回転してもよい。
【0115】
また、水平搬送車は、複数の進退アームを備えていてもよい。例えば、水平搬送車は、並列状態で進退する2つの進退アームを備え、当該2つの進退アームのそれぞれの端部に設けられた係合部が2箇所で物に係合して、当該物を移載してもよい。これにより、物を安定した姿勢で移載することができる。
【0116】
また、図15に示す第7変形例に係るコンテナ710のように、コンテナ710の周りに突出部712,713が形成され、当該突出部712、713に凹部712a、713aが形成されてもよい。
【0117】
図15では、進退アーム82の進退方向において、コンテナ710の一端側側面及び他端側側面のそれぞれに、突出部712、713が形成されている。突出部712、713は、上下に離れて位置しており、それぞれコンテナ710の一端側側面から突出している。突出部712、713のそれぞれに下方に向けて開口する凹部712a、713aが形成されている。凹部712a、713aは、コンテナ710の両側に向けて開口していてもよいし、開口していなくてもよい。
【0118】
進退アーム82がコンテナ710の幅内においてコンテナ710に向けて進出することで、係合部86等が、いずれかの凹部712a、713aの下方からいずれかの凹部712a、713aに係合することができる。
【0119】
例えば、下側の凹部713aに対しては、図6又は図8に示すように、凹部713aの下側が開放された状態で棚152、252に支持されることで、係合部86が凹部713aに係合することができる。突出部713に開口13aと同様の開口が形成されていれば、実施形態の棚52にコンテナ710が載置されていても、係合部86が凹部713aに係合することができる。
【0120】
例えば、進退アーム82がコンテナ710の幅内においてコンテナ710のうち上側の突出部712の下方に向けて進出することで、係合部86等が、凹部712aの下方から凹部712aに係合することができる。
【0121】
奥行方向に複数のコンテナ710が載置されている場合、手前側のコンテナ710を順次引出すとよい。
【0122】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0123】
本開示は、下記の下記態様を開示する。
【0124】
第1の態様は、水平に延びる走行路上を走行し、前記走行路の隣に位置しかつ前記走行路に沿って複数の物が並べて保管される棚に対して物を出し入れするための水平搬送車であって、前記物を載置支持すると共に前記走行路上を走行する台車と、前記台車から前記棚に対して進退可能な進退アームと、前記進退アームに設けられ、前記物に係合可能な突出位置と前記物から退避した退避位置との間で変位可能な係合部とを含む移載ユニットとを備え、前記進退アームは、前記台車から前記棚に保管された物の幅内で進退し、前記係合部は、前記進退アームが前記棚に向けて進出した状態で、前記物に前記物の幅内で係合する、水平搬送車である。
【0125】
この水平搬送車によると、進退アームが棚に保管された物の幅内で進出した状態で、係合部を物にその幅内で係合させる。この状態で、進退アームを台車側に退避移動させることで、棚に保管された物を台車側に移載することができる。これにより、棚において、複数の物の間に進退アームを配置するための隙間を設ける必要がなくなり、複数の物を密集して保管することができる。このため、水平搬送車によって物の出し入れがなされる保管棚において、物の格保管率を高めることができる。
【0126】
第2の態様は、第1の態様にかかる水平搬送車であって、前記進退アームは、前記台車から前記棚に保管された物の下を通るように進退し、前記係合部は、前記進退アームが前記棚に向けて進出した状態で、前記物の底部又は前記物のうち前記進退アームの進出方向の奥側の部分に係合する。
【0127】
この水平搬送車によると、進退アームが棚に保管された物の下を通るように棚に向けて進出した状態で、係合部を物の底部又は物のうち進退アームの進出方向奥側の部分に係合させる。この状態で、進退アームを台車側に退避移動させることで、棚に保管された物を台車側に移載することができる。これにより、棚において、複数の物の間に進退アームを配置するための隙間を設ける必要がなくなり、複数の物を密集して保管することができる。このため、水平搬送車によって物の出し入れがなされる保管棚において、物の格保管率を高めることができる。
【0128】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る水平搬送車であって、前記進退アームを1つのみ備える。
【0129】
つまり、進退アームを、物の両側ではなく、物の下に進出させるため、1つの進退アームによって、棚上の物を台車側に移載することができる。これにより、コスト低減が可能となる。
【0130】
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つ態様に係る水平搬送車であって、前記台車は、前記物を載置支持する載置支持面を有し、前記進退アームは、退避状態において、平面視で前記載置支持面と重なる位置に配置されるものである。
【0131】
この場合、載置支持面の両側に進退アームを設けるスペースを設けなくてもよい。これにより、平面視における台車の小型化が可能となる。
【0132】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る水平搬送車であって、前記突出位置は、前記係合部が前記進退アームに対して交差する位置であり、前記退避位置は、前記係合部が前記進退アームに沿う位置であり、前記係合部は、前記進退アームに対して前記突出位置と前記退避位置との間で回動可能に支持されているものである。
【0133】
このように、係合部が進退アームに対して回動可能に支持されることで、突出位置と退避位置との間で変位されるため、簡易な構成で係合部を物に係合状態としたり、非係合状態としたりすることが可能となる。
【0134】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る水平搬送車であって、前記係合部が前記棚に保管された前記物のうち下方に向けて開口する凹部に係合するものである。
【0135】
第6の態様によると、係合部が棚に保管された物の底部の凹部に係合するため、進退アームを、物を奥側に越えるまで進出させなくてもよい。これにより、進退アームの進出量を小さくでき、棚に保管された物を水平搬送車に移載するのに要するサイクルタイムを小さくできる。
【0136】
第7の態様は、第6の態様に係る水平搬送車であって、前記係合部が前記棚に保管された前記物のうち前記進退アームの進出方向手前寄りに位置する前記凹部に係合するものである。
【0137】
第7の態様によると、係合部が物の底部のうち進出方向手前寄りの凹部に係合するため、進退アームの進出量をさらに小さくできる。これにより、棚に保管された物を水平搬送車に移載するのに要するサイクルタイムを小さくできる。
【0138】
第8の態様に係る自動倉庫は、棚を含む保管棚と、前記棚に対して物を入庫又は出庫するための第1から第7のいずれか1つの態様に係る水平搬送車と、外側位置から又は外側位置に向けて物を搬送する外側搬送装置との間で、前記水平搬送車又は前記外側搬送装置に対して直接又は間接的に物を渡す又は受取る昇降装置と、を備える自動倉庫である。
【0139】
これにより、自動倉庫における保管効率を高めることができる。
【0140】
第9の態様に係るコンテナは、棚に並べて保管されるコンテナであって、底部と、前記底部上の空間を囲む囲い壁部と、を備え、前記底部に、前記底部の一端、他端及び下側に開口し、直線状に延びる凹溝が形成されている、コンテナである。
【0141】
この場合、例えば、係合部を有する進退アームを、凹溝内に差込んで、係合部をコンテナの底部又はコンテナのうち差込み方向奥側の部分に係合させることができる。これにより、コンテナの外側で進退アームを進退させなくてもよくなり、コンテナをなるべく密集させて保管できる。
【0142】
第10の態様は、第9の態様に係るコンテナであって、前記底部のうち前記凹溝の一端側の開口と他端側の開口との間に、前記凹溝内に向けて開口する凹部が形成されている、コンテナである。
【0143】
この場合、例えば、係合部を有する進退アームを、凹溝内に差込んで、係合部を凹溝内に位置する凹部に係合させることができる。このため、進退アームを差込む量を少なくすることができ、コンテナを素早く取出すことができる。
【0144】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0145】
10、110、310、710 コンテナ(物)
12 底部
13、313 凹溝
13a 第1開口
13b 第2開口
14a、114a 第1凹部
14b、114b 第2凹部
20 自動倉庫
30 昇降装置
50 保管棚
52、152、252、452 棚
58 走行路
70、170 水平搬送車
72 台車
74f 載置支持面
80 移載ユニット
82 進退アーム
86、586、686 係合部
712a、713a 凹部
A 走行方向
B 進退方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15