(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173055
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】マッチング支援システム、及びマッチング支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20231130BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231130BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085045
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 麻奈美
(72)【発明者】
【氏名】安細 康介
(72)【発明者】
【氏名】内山 宏樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】依頼者とサービス提供者との間の適切なマッチングを支援するマッチング支援システム及びマッチング支援方法を提供する。
【解決手段】マッチング支援システムは、サービスの複数の提供者の夫々に関する情報である基本情報、サービスの依頼者から受け付けた依頼に関する情報である依頼情報、複数の提供者の夫々の信頼の度合いを示す情報である信頼度及び提供者の夫々のサービスに対する専門性を示す情報を記憶し、依頼情報に基づき依頼の難易度を判定し、難易度の高い依頼ほど信頼度の高い提供者が抽出されるように、サービスの提供者の候補を基本情報から抽出して第1抽出結果を生成し、難易度の高い依頼ほどサービスに対する専門性の高い提供者が抽出されるように、サービスの提供者の候補を第1抽出結果から抽出して第2抽出結果を生成し、第2抽出結果に基づく提供者の候補をユーザに提示する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスの提供者に対して依頼者がサービスの提供を依頼する際の依頼者とサービスの
提供者と間のマッチングを支援するシステムであって、
プロセッサと記憶装置を有する情報処理装置を用いて構成され、
複数の前記提供者の夫々に関する情報である基本情報、
前記依頼者から受け付けた依頼に関する情報である依頼情報、
複数の前記提供者の夫々の信頼の度合いを示す情報である信頼度、及び、
前記提供者の夫々の前記サービスに対する専門性を示す情報、
を記憶し、
前記依頼情報に基づき前記依頼の難易度を判定する難易度判定部と、
前記難易度の高い前記依頼ほど前記信頼度の高い前記提供者が抽出されるように、前記
サービスの提供者の候補を前記基本情報から抽出し、抽出した結果を記載した第1抽出結
果を生成する第1抽出部と、
前記難易度の高い前記依頼ほどでは前記サービスに対する専門性の高い前記提供者が抽
出されるように、前記サービスの提供者の候補を前記第1抽出結果から抽出し、抽出した
結果を記載した第2抽出結果を生成する第2抽出部と、
を備える、マッチング支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のマッチング支援システムであって、
前記信頼度は、前記提供者の前記サービスの分野毎の経験値、前記サービスの提供件数
、及び前記サービスの成功率のうちの少なくともいずれかに基づき求められる、
マッチング支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載のマッチング支援システムであって、
前記専門性の高さは、前記提供者の前記サービスの分野毎の経験値、前記サービスの分
野ごとの提供件数、提供した前記サービスに対する依頼者の評価、及び前記提供者から受
け付けた専門分野のうちの少なくともいずれかに基づき特定される、
マッチング支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載のマッチング支援システムであって、
前記第2抽出結果に基づく前記提供者の候補を、ユーザインタフェースを介して前記依
頼者に提示するリコメンド部、
を更に備える、マッチング支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載のマッチング支援システムであって、
前記提供者の夫々の作業可能時間の予定を更に記憶し、
前記難易度判定部は、前記依頼の要素毎に難易度を判定し、
前記依頼の難易度毎の作業量を算出する作業量判定部を更に備え、
前記第1抽出部は、前記難易度毎に前記第1抽出結果を生成し、
前記第2抽出部は、前記難易度毎に前記第2抽出結果を生成し、
前記難易度毎の作業量に対応することが可能な、前記難易度毎の前記第2抽出結果にお
ける前記提供者の組み合わせを抽出し、抽出した組み合わせを記載した第3抽出結果を生
成する第3抽出部を更に備える、
マッチング支援システム。
【請求項6】
請求項5に記載のマッチング支援システムであって、
前記第3抽出結果に基づく前記提供者の候補を、ユーザインタフェースを介して前記依
頼者に提示するリコメンド部、
を更に備える、マッチング支援システム。
【請求項7】
請求項5に記載のマッチング支援システムであって、
前記組み合わせを構成する前記提供者に、所属する組織の異なる提供者の組み合わせが
含まれる、
マッチング支援システム。
【請求項8】
請求項4に記載のマッチング支援システムであって、
前記提供者から、過去に依頼を受けた前記依頼者についての評価を受け付けて記憶する
依頼者評価登録部と、
前記提供者から、希望する依頼者の判定に用いる評価の閾値である希望依頼者レベルを
受け付けて記憶する希望依頼者レベル登録部と、
を更に備え、
前記リコメンド部は、前記第2抽出結果に基づく前記提供者の候補のうち、前記依頼者
の評価が前記希望依頼者レベルに満たない提供者については前記依頼者に提示しない、
マッチング支援システム。
【請求項9】
請求項6に記載のマッチング支援システムであって、
前記提供者から、過去に依頼を受けた前記依頼者についての評価を受け付けて記憶する
依頼者評価登録部と、
前記提供者から、希望する依頼者の判定に用いる評価の閾値である希望依頼者レベルを
受け付けて記憶する希望依頼者レベル登録部と、
を更に備え、
前記リコメンド部は、前記第3抽出結果に基づく前記提供者の候補のうち、前記依頼者
の評価が前記希望依頼者レベルに満たない提供者については前記依頼者に提示しない、
マッチング支援システム。
【請求項10】
サービスの提供者に対して依頼者がサービスの提供を依頼する際の依頼者とサービスの
提供者と間のマッチングを支援する方法であって、
プロセッサと記憶装置を有する情報処理装置が、
複数の前記提供者の夫々に関する情報である基本情報、
前記依頼者から受け付けた依頼に関する情報である依頼情報、
複数の前記提供者の夫々の信頼の度合いを示す情報である信頼度、及び、
前記提供者の夫々の前記サービスに対する専門性を示す情報、
を記憶するステップ、
前記依頼情報に基づき前記依頼の難易度を判定するステップ、
前記難易度の高い前記依頼ほど前記信頼度の高い前記提供者が抽出されるように、前記
サービスの提供者の候補を前記基本情報から抽出し、抽出した結果を記載した第1抽出結
果を生成するステップ、及び、
前記難易度の高い前記依頼ほど前記サービスに対する専門性の高い前記提供者が抽出さ
れるように、前記サービスの提供者の候補を前記第1抽出結果から抽出し、抽出した結果
を記載した第2抽出結果を生成するステップ、
を実行する、マッチング支援方法。
【請求項11】
請求項10に記載のマッチング支援方法であって、
前記情報処理装置が、前記第2抽出結果に基づく前記提供者の候補を、ユーザインタフ
ェースを介して前記依頼者に提示するステップ、
を更に実行する、マッチング支援方法。
【請求項12】
請求項10に記載のマッチング支援方法であって、
前記情報処理装置が、
前記提供者の夫々の作業可能時間の予定を更に記憶するステップ、
前記依頼の要素毎に難易度を判定するステップ、
前記依頼の難易度毎の作業量を算出するステップ、
前記難易度毎に前記第1抽出結果を生成するステップ、
前記難易度毎に前記第2抽出結果を生成するステップ、及び、
前記難易度毎の作業量に対応することが可能な、前記難易度毎の前記第2抽出結果にお
ける前記提供者の組み合わせを抽出し、抽出した組み合わせを記載した第3抽出結果を生
成するステップ、
を更に実行する、マッチング支援方法。
【請求項13】
請求項12に記載のマッチング支援方法であって、
前記情報処理装置が、前記第3抽出結果に基づく前記提供者の候補を、ユーザインタフ
ェースを介して前記依頼者に提示するステップ、
を更に実行する、マッチング支援方法。
【請求項14】
請求項11に記載のマッチング支援方法であって、
前記情報処理装置が、
前記提供者から、過去に依頼を受けた前記依頼者についての評価を受け付けて記憶する
ステップ、
前記提供者から、希望する依頼者の判定に用いる評価の閾値である希望依頼者レベルを
受け付けて記憶するステップ、
前記第2抽出結果に基づく前記提供者の候補のうち、前記依頼者の評価が前記希望依頼
者レベルに満たない提供者については前記依頼者に提示しないステップ、
を更に実行する、マッチング支援方法。
【請求項15】
請求項13に記載のマッチング支援方法であって、
前記情報処理装置が、
前記提供者から、過去に依頼を受けた前記依頼者についての評価を受け付けて記憶する
ステップ、
前記提供者から、希望する依頼者の判定に用いる評価の閾値である希望依頼者レベルを
受け付けて記憶するステップ、
前記第3抽出結果に基づく前記提供者の候補のうち、前記依頼者の評価が前記希望依頼
者レベルに満たない提供者については前記依頼者に提示しないステップ、
を更に実行する、マッチング支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチング支援システム、及びマッチング支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、サービスの提供を行う者(以下、「サービス提供者」と称する。)に対して
依頼者(サービス享受者)がサービスの提供を依頼する際の、依頼者とサービス提供者と間
のマッチングを支援するための様々な仕組みが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、先生のレベルを予め評価し、生徒には生徒のレベルに合った
先生を紹介する教育仲介処理装置について記載されている。教育仲介処理装置は、教師募
集手段により募集した教師のレベルを評価し、生徒募集手段により募集した生徒のレベル
に対応した評価レベルの教師と生徒とを仲介する。また、教育仲介処理装置は、教師に対
して所定のテストを行い、テストの結果に従って教師のレベルを評価する。また、教育仲
介処理装置は、入手した生徒のレベルに対応した評価レベルの教師を抽出し、抽出した教
師の中から所望の教師を生徒に選択させる。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、予め登録された複数の地域コミュニティのいずれかに
属する利用者に利用者を支援する支援者をマッチングし、利用者と支援者との互助活動を
支援することを目的として構成された支援システムについて記載されている。支援システ
ムは、支援者が所属する地域コミュニティを管理する管理者により承認された複数の承認
済み支援者それぞれに関する支援者情報を含む支援登録データを管理し、利用者からの支
援依頼要求に適合する支援者候補を支援登録データに含まれる複数の承認済み支援者から
選定する。また、支援システムは、支援登録データに含まれる複数の承認済み支援者から
、管理者によって定められた個別信頼度が定められた支援者候補を優先して選定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-183487号公報
【特許文献2】特開2020-170424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
サービス提供者に対して依頼者が依頼を行う場合、依頼者は、例えば、「サービスを適
切に遂行してくれる代行業者を選択したい」、「適正な料金で対応してくれる代行業者に
依頼したい」、「依頼しようとするサービスの分野に精通している代行業者に依頼したい
」といった観点で代行業者を選出する。一方で、サービス提供者には、業務効率、作業分
担や教育の観点から、「経験が浅い(信頼を構築できていない)場合は、様々なサービス
の分野における専門性の高くない(専門性が必ずしも要求されない)サービスを広く経験
することで、自分の専門性を見極めつつサービス提供者としての信頼を高めたい」、「経
験が豊かである場合は専門性の高いサービスに注力することで、自身の専門性をより高め
ていき、サービス提供者としての信頼度をより高めたい」という思いがある。依頼者とサ
ービス提供者との間のマッチングは、こうした依頼者側の観点だけではなく、サービス提
供者側の観点も考慮して行うことが望ましい。
【0007】
上記の特許文献1では、先生のレベルを予め評価しておき、生徒のレベルに合った先生
を生徒に紹介する。また、上記の特許文献2では、利用者が、支援者候補の経験値やその
他の情報(資格の有無等)に基づき信頼できる支援者候補を選出する。しかし、いずれの
文献に記載された仕組みについても、依頼者側の観点やサービス提供者型の思いを考慮し
た上で依頼者(生徒、利用者)とサービス提供者(先生、支援者候補)との間のマッチン
グを行うものではない。
【0008】
本発明は、依頼者(サービス享受者)とサービス提供者との間の適切なマッチングを支援
することが可能な、マッチング支援システム、及びマッチング支援方法を提供することを
目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明のうちの一つは、サービスの提供者に対して依頼者が
サービスの提供を依頼する際の依頼者とサービスの提供者と間のマッチングを支援するマ
ッチング支援システムであって、プロセッサと記憶装置を有する情報処理装置を用いて構
成され、複数の前記提供者の夫々に関する情報である基本情報、前記依頼者から受け付け
た依頼に関する情報である依頼情報、複数の前記提供者の夫々の信頼の度合いを示す情報
である信頼度、及び、前記提供者の夫々の前記サービスに対する専門性を示す情報、を記
憶し、前記依頼情報に基づき前記依頼の難易度を判定する難易度判定部と、前記難易度の
高い前記依頼ほど前記信頼度の高い前記提供者が抽出されるように、前記サービスの提供
者の候補を前記基本情報から抽出し、抽出した結果を記載した第1抽出結果を生成する第
1抽出部と、前記難易度の高い前記依頼ほど前記サービスに対する専門性の高い前記提供
者が抽出されるように、前記サービスの提供者の候補を前記第1抽出結果から抽出し、抽
出した結果を記載した第2抽出結果を生成する第2抽出部と、を備える。
【0010】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、
及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、依頼者(サービス享受者)とサービス提供者との間の適切なマッチング
を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】第1実施形態の代行依頼支援装置が備える機能の一例である。
【
図8】第1実施形態の代行依頼支援処理を説明するフローチャートである。
【
図9】第1抽出処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図10】第2抽出処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図11】信頼度判定テーブル生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図12C】依頼者評価の平均値と点数の対応表の一例である。
【
図13】専門分野判定テーブル生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図16】マッチング支援システムの構成に用いる情報処理装置の一例である。
【
図17】第2実施形態の代行依頼支援装置が備える機能の一例である。
【
図18A】難易度判定部が難易度判定結果を生成する様子を示す図である。
【
図18B】作業量判定部が作業量判定結果を生成する様子を示す図である。
【
図21】第2実施形態の代行依頼支援処理を説明するフローチャートである。
【
図22】第3抽出処理を説明するフローチャートである。
【
図23】第3抽出結果生成処理の概略を説明する図である。
【
図24】第3抽出結果生成処理を説明するフローチャートである。
【
図25】第4抽出結果生成処理を説明するフローチャートである。
【
図26】第3実施形態の代行依頼支援装置が備える機能の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。尚、以下の記載及び図
面は、本発明を説明するための例示であり、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化
がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。
【0014】
以下の説明において、識別情報について説明する際に、「識別子」、「名」、「ID」
、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換することが可能である。
また、以下の説明において、「テーブル」、「情報」等の表現にて各種情報を説明するこ
とがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。また、デー
タ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」等を「XX情報」と称することが
ある。また、以下の説明において、「データベース」のことを「DB」と表記することが
ある。また、以下の説明において、同一の又は類似する構成について重複した説明を省略
することがある。また、以下の説明において、符号の前に付した「S」の文字は処理ステ
ップの意味である。
【0015】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理システム(以下、「マッチング支援システ
ム1」と称する。)について説明する。マッチング支援システム1は、依頼者がサービス
を提供する者(以下、「サービス提供者」と称する。)に対してサービスの提供を依頼す
る際の、依頼者とサービス提供者と間のマッチングを支援する。尚、マッチング支援シス
テム1が対象とする依頼者やサービス提供者は必ずしも限定されない。以下では、依頼者
が、個人や企業等であり、サービス提供者が、国や自治体等の機関に対して行われる各種
申請にかかる処理を代行するサービスを業として行う者(例えば、代行業者が弁護士や司
法書士、行政書士等の士業者。以下、「代行業者」と称する。)である場合を例として説
明する。
【0016】
依頼者は、代行業者にサービスの提供を依頼する際、例えば、「サービスを適切に遂行
してくれる代行業者を選択したい」、「適正な料金で対応してくれる代行業者に依頼した
い」、「依頼しようとするサービスの分野に精通している代行業者に依頼したい」といっ
た観点で代行業者を選出する。一方で、代行業者には、「経験の浅い(信頼度が低い)サ
ービス提供者には、様々なサービスの分野における専門性の高くない(専門性が必ずしも
要求されない)サービスを広く経験させることで、自分の専門性を見極めつつサービス提
供者としての信頼を高めてもらいたい」、「経験が豊かな者には専門性の高いサービスに
注力してもらうことで、自身の専門性をより高めていき、サービス提供者としての信頼度
を高めてもらいたい」といった思いがある。マッチング支援システム1は、こうした依頼
者側の観点や代行業者側の思いを総合的に考慮しつつ、依頼者が依頼したサービスを提供
するのに適した代行業者の候補をリコメンド(推奨)する仕組みを提供する。リコメンド
に際し、マッチング支援システム1は、例えば、代行業者の力量や信頼度、依頼するサー
ビスの内容、費用(コスト)等を考慮してリコメンドする代行業者を選出する。また、マ
ッチング支援システム1は、例えば、代行業者側の業務の実態(業務内容の多様化、最新
情報の追随の困難性、代行業者の専門性に基づく棲み分け、業務毎の難易度の違い、キャ
リアアップのための非熟練者の教育機会の確保、サービスに見合った収益の確保等)を考
慮して適切な代行業者を選出する。
【0017】
図1にマッチング支援システム1の概略的な構成を示している。同図に示すように、マ
ッチング支援システム1は、代行依頼支援装置100、依頼者端末200、及び代行業者
端末300を含む。代行依頼支援装置100、依頼者端末200、及び代行業者端末30
0は、いずれも一つ以上の情報処理装置(コンピュータ)を用いて構成され、通信ネット
ワーク5を介して双方向の通信が可能な状態で接続されている。通信ネットワーク5は、
有線方式又は無線方式の通信ネットワークであり、例えば、LAN(Local Area Network
)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、各種公衆無線通信網、専用線等で
ある。
【0018】
代行依頼支援装置100は、依頼者端末200からサービスの代行依頼に関する情報(
以下、「依頼情報」と称する。)を受信し、受信した依頼情報に基づき、当該依頼依頼情
報に指定されているサービスを代行する代行業者を選出する。そして、代行依頼支援装置
100は、選出した代行業者を記載した情報(以下、「リコメンド情報」と称する。)を
生成して依頼者端末200に送信する。
【0019】
依頼者端末200は、依頼者から依頼内容を受け付け、受け付けた依頼内容を記載した
依頼情報を生成して代行依頼支援装置100に送信する。また、依頼者端末200は、代
行依頼支援装置100からリコメンド情報を受信し、受信したリコメンド情報を依頼者に
提示する。
【0020】
代行業者端末300は、代行依頼支援装置100が代行業者の選出に際して用いる情報
(以下、「代行業者情報」と称する。)を代行業者から受け付け、受け付けた代行業者情
報を代行依頼支援装置100に送信する。
【0021】
図2は、代行依頼支援装置100が備える主な機能を示す図である。同図に示すように
、代行依頼支援装置100は、依頼情報受信部110、依頼内容判定部115、代行業者
抽出部120、代行業者組織評価部125、リコメンド部130、代行業者依頼部135
、信頼度判定テーブル生成部140、専門分野判定テーブル生成部145、代行業者力量
表示部150、依頼評価登録部155、代行業者力量DB180、及び代行業者情報DB
185の各機能を備える。
【0022】
同図に示すように、代行業者力量DB180は、信頼度判定テーブル1810及び専門
分野判定テーブル1820を管理する。また、代行業者情報DB185は、基本情報テー
ブル1851、申請履歴テーブル1852、及び依頼状況テーブル1870を管理する。
【0023】
上記機能のうち、依頼情報受信部110は、依頼者端末200から送られてくる依頼情
報を受信して記憶する。依頼情報は、依頼者を特定する情報(以下、「依頼者ID」と称
する。)や依頼するサービスの具体的な内容に関する情報、サービスの遂行に必要な各種
情報を含む。
【0024】
依頼内容判定部115は、依頼分野判定部1151と難易度判定部152を有する。こ
のうち依頼分野判定部1151は、依頼情報に基づき、依頼するサービスの分野(申請の
種類等。以下、「依頼分野」と称する。)を判定する。依頼分野判定部1151は、例え
ば、依頼情報に依頼分野を示す情報が含まれている場合は当該情報を利用して依頼分野を
判定する。また、依頼分野判定部1151が、例えば、依頼情報に含まれている記述(テ
キストデータ等)について、カテゴリ分類アルゴリズムや自然言語処理を適用することに
より依頼分野を判定する。
【0025】
難易度判定部152は、依頼情報に基づき、依頼の難易度(依頼に対して提供するサー
ビスの難易度)を判定する。難易度判定部152は、例えば、依頼に対するサービスを提
供するのに要する労力、処理量、作業の煩雑さ、要求される期間(納期)等に基づき難易
度を判定する。尚、本実施形態では、難易度は「低」、「中」、「高」のいずれかである
ものとするが、難易度は、例えば、連続値(値が大きい程、難易度が高いことを示す連続
値)であってもよい。難易度判定部152は、例えば、依頼情報に難易度を示す情報が含
まれている場合は当該情報を利用して難易度を判定する。また、依頼分野判定部1151
が、例えば、依頼情報に含まれている記述(テキストデータ等)について、所定のアルゴ
リズムや自然言語処理を適用することにより難易度を判定する。
【0026】
代行業者抽出部120は、第1抽出部1201及び第2抽出部1202を有する。この
うち第1抽出部1201は、信頼度判定テーブル1810を参照し、基本情報テーブル1
851から、信頼度の観点で代行業者を抽出し、抽出した代行業者の一覧を記載した情報
(以下、「第1抽出結果」と称する。)を生成する。また、第2抽出部1202は、専門
分野判定テーブル1820を参照し、第1抽出結果から、専門性の観点から代行業者を抽
出し、抽出した代行業者の一覧を記載した情報(以下、「第2抽出結果」と称する。)を
生成する。
【0027】
代行業者組織評価部125は、代行業者力量DB180や代行業者情報DB185の内
容に基づき第2抽出結果に記載されている代行業者が所属する組織(例えば、弁護士事務
所、司法書士事務所、行政書士事務所。以下、「代行業者組織」と称する。)を評価し、
評価の結果を記載した情報(以下、「評価情報」と称する。)を生成し、生成した評価情
報を依頼状況テーブル1870に反映する。代行業者組織評価部125は、例えば、依頼
者の所在地から代行業者組織の所在地までの物理的な距離(両者が近い程、利便性が高い
ので評価も高くなる)、代行業者組織に支払う料金(単価、代行手数料、その他のコスト
)、代行業者組織の評判等に基づき、代行業者組織を評価する。尚、評価情報は、ユーザ
インタフェースを介してユーザから受け付けてもよいし、代行業者組織評価部125が所
定のアルゴリズムや機械学習モデルによる評価に基づき生成してもよい。尚、同じ代行業
者組織に代行業者が複数存在する場合、代行業者組織評価部125は、例えば、そのうち
最も評価の高い代行業者の評価情報を当該代行業者組織の評価情報として依頼状況テーブ
ル1870に登録する。
【0028】
リコメンド部130は、第2抽出結果に記載されている代行業者が所属する代行業者組
織を基本情報テーブル1851から特定し、第2抽出結果と各代行業者が所属する代行業
者組織、及び各代行業者の評価情報を含む情報を依頼者端末200に送信する。依頼者端
末200は、リコメンド部130から上記情報を受信し、受信した情報をユーザに提示す
る。また、依頼者端末200は、代行業者の指定をユーザから受け付け、指定された代行
業者を特定する情報(以下、「代行業者ID」と称する。)と指定された代行業者組織を
特定する情報(以下、「代行業者組織ID」と称する。)を代行依頼支援装置100に送
信する。リコメンド部130は、依頼者端末200から送られてくる代行業者ID及び代
行業者組織IDを受信する。
【0029】
代行業者依頼部135は、依頼者端末200から代行業者IDを受信すると、依頼状況
テーブル1870を更新する。また、代行業者依頼部135は、リコメンド部130が受
信した代行業者IDに対応する代行業者が所属する代行業者組織の代行業者端末300に
当該代行業者に代行を依頼(委任)する旨の情報(以下、「代行依頼通知」と称する。)
を送信する。代行業者端末300は、代行依頼通知を受信すると、当該代行業者に対して
依頼者から依頼があったことを示す情報を提示する。尚、代行依頼通知は、例えば、依頼
されたサービスの具体的な内容に関する情報を含んでいてもよい。
【0030】
信頼度判定テーブル生成部140は、信頼度判定テーブル1810の生成(編集や削除
を含む。)に関する処理を行う。当該処理の詳細については後述する。
【0031】
専門分野判定テーブル生成部145は、分野別経験値算出部1451と専門分野候補生
成部1452を有する。分野別経験値算出部1451は、代行業者の分野毎の経験値を求
める。専門分野候補生成部1452は、代行業者の分野毎の経験値に基づき専門分野判定
テーブル1820を生成(編集や削除を含む)する。
【0032】
代行業者力量表示部150は、信頼度判定テーブル1810と専門分野判定テーブル1
820の内容を代行業者端末300に送信する。代行業者端末300は、専門分野判定テ
ーブル1820の内容を受信して代行業者に提示する。
【0033】
依頼評価登録部155は、依頼者端末200から送られてくる、依頼者による代行業者
の評価を受信し、受信した評価を申請履歴テーブル1852に反映する。
【0034】
図3に信頼度判定テーブル1810の一例を示す。信頼度判定テーブル1810には、
代行業者の信頼度が管理される。例示する信頼度判定テーブル1810は、代行業者ID
1811、代行業者組織ID1812、及び信頼度1813の各項目を有する一つ以上の
レコードを含む。信頼度判定テーブル1810の一つのレコードは一人の代行業者に対応
している。
【0035】
上記項目のうち、代行業者ID1811には、代行業者ID(代行業者の氏名等)が格
納される。代行業者組織ID1812には、当該代行業者が所属する組織の代行業者組織
ID(事務所名等)が格納される。信頼度1813には、当該代行業者の信頼度を示す情
報が格納される。本例では、信頼度を示す値(最大値は100)が格納される。上記の値
が大きい程、信頼度が高いことを示す。尚、信頼度判定テーブル1810の生成方法の詳
細については後述する。
【0036】
図4に専門分野判定テーブル1820の一例を示す。専門分野判定テーブル1820に
は、各代行業者の専門分野や経験値を示す情報(各代行業者の専門性を示す情報)が管理
される。例示する専門分野判定テーブル1820は、代行業者ID1811、代行業者組
織ID1822、専門分野1823、及び分野毎の経験値1824の各項目を有する一つ
以上のレコードを含む。専門分野判定テーブル1820の一つのレコードは一人の代行業
者に対応している。
【0037】
上記項目のうち、代行業者ID1821には、代行業者IDが格納される。代行業者組
織ID1822には、当該代行業者が所属する組織の代行業者組織IDが格納される。専
門分野1823には、当該代行業者の専門分野を示す情報が格納される。分野毎の経験値
1824には、当該代行業者の分野毎の経験値を示す情報が格納される。本例では、経験
値を示す値(最大値は100)が格納される。上記の値が大きい程、経験が豊富である(
熟練者である、スキルが高い)ことを示す。尚、専門分野判定テーブル1820の生成方
法の詳細については後述する。
【0038】
図5に基本情報テーブル1850の一例を示す。基本情報テーブル1850には、各代
行業者に関する基本的な情報(以下、「基本情報」と称する。)が管理される。例示する
基本情報テーブル1850は、代行業者ID1851、代行業者組織ID1852、住所
1853、代行料金1854、及び勤務年数1855の各項目を有する一つ以上のレコー
ドを含む。基本情報テーブル1850の一つのレコードは一人の代行業者に対応している
。
【0039】
上記項目のうち、代行業者ID1851には、代行業者ID(代行業者の氏名等)が格
納される。代行業者組織ID1852には、当該代行業者が所属する組織の代行業者組織
ID(事務所名等)が格納される。住所1853には、当該代行業者組織の住所が格納さ
れる。代行料金1854には、当該代行業者に代行を依頼した場合の料金(基本料金、追
加料金等)が格納される。勤務年数1855には、当該代行業者の当該代行業者組織にお
ける勤務年数(勤続年数)が格納される。
【0040】
図6に代行履歴テーブル1860の一例を示す。代行履歴テーブル1860には、各代
行業者の代行履歴が管理される。例示する代行履歴テーブル1860は、代行業者ID1
861、代行業者組織ID1862、依頼分野1863、代行結果1864、依頼者評価
1865、及び代行依頼日1866の各項目を有する一つ以上のレコードを含む。代行履
歴テーブル1860の一つのレコードは一人の代行業者の一つの代行履歴に対応している
。
【0041】
上記項目のうち、代行業者ID1861には、代行業者ID(代行業者の氏名等)が格
納される。代行業者組織ID1862には、当該代行業者が所属する組織の代行業者組織
ID(事務所名等)が格納される。依頼分野1863には、当該代行依頼の分野を示す情
報が格納される。代行結果1864には、当該代行業者が当該代行依頼について代行した
結果を示す情報(例えば、申請書類が公的機関に「受理された」又は「受理されなかった
」等の情報)が格納される。依頼者評価1865には、当該代行業者が対応した代行依頼
についての依頼者の評価が格納される。本例では、評価を示す値(最大値は100)が格
納される。値が大きい程、評価が高いことを示す。代行依頼日1866には、当該代行業
者が当該代行依頼を受任した日が格納される。
【0042】
図7に依頼状況テーブル1870の一例を示す。依頼状況テーブル1870には、依頼
者から受け付けている代行依頼(受け付けた後、代行業者による処理が完了していない代
行依頼)が管理される。例示する依頼状況テーブル1870は、依頼者ID1871、依
頼ID1872、ステータス1873、依頼先候補情報1874、依頼先情報1875、
及び代行業者への依頼日1876の各項目を有する一つ以上のレコードを含む。依頼状況
テーブル1870の一つのレコードは依頼者から受け付けた一つの代行依頼に対応してい
る。
【0043】
上記項目のうち、依頼者ID1871には、依頼者の識別子(依頼者の氏名等。以下、
「依頼者ID」と称する。)が格納される。依頼ID1872には、受け付けた代行依頼
の識別子(以下、「依頼ID」と称する。)が格納される。ステータス1873には、当
該代行依頼の現在の状況を示す情報(「代行業者選択待ち」、「代行業者へ依頼済」等)
が格納される。依頼先候補情報1874には、当該代行依頼について絞り込まれた一つ以
上の依頼先の代行業者の候補に関する情報(代行業者組織名、代行業者名、代行業者組織
の評価情報、料金等)が格納される。依頼先情報1875には、当該代行依頼について選
出された代行業者の情報(代行業者組織名、代行業者名、代行業者組織の評価情報、料金
等)が格納される。代行業者への依頼日1876には、当該代行依頼についての処理を代
行業者に依頼した日が格納される。
【0044】
続いて、マッチング支援システム1において行われる各種の処理について順に説明する
。
【0045】
図8は、マッチング支援システム1において行われる処理(以下、「代行依頼支援処理
S800」と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに代行依頼
支援処理S300について説明する。
【0046】
まず、依頼者端末200が、ユーザインタフェースを介してユーザから依頼情報を受け
付け、受け付けた依頼情報を代行依頼支援装置100に送信する。代行依頼支援装置10
0の依頼情報受信部110は、依頼者端末200から送られてくる依頼情報を受信する(
S811)。
【0047】
続いて、依頼分野判定部1151が、依頼情報に基づき、ユーザから受け付けた依頼の
依頼分野を判定し、また難易度判定部1152が、依頼情報に基づき、ユーザから受け付
けた依頼の難易度を判定する(S812)。
【0048】
続いて、第1抽出部1201が、信頼度判定テーブル1810に基づき基本情報テーブ
ル1851からリコメンドの候補とする代行業者を抽出して第1抽出結果を生成する(S
813)。
【0049】
図9は、
図8のS813において第1抽出部1201が行う処理(以下、「第1抽出処
理S813」と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに第1抽
出処理S813について説明する。
【0050】
同図に示すように、まず、第1抽出部1201は、S812で判定した難易度に応じて
以降の処理を分岐させる(S911)。
【0051】
S812で判定した難易度が「高」である場合(S911:高)、第1抽出部1201
は、信頼度判定テーブル1810から、信頼度1813が予め設定された第1閾値以上で
ある代行業者を抽出し(S912)、抽出した代行業者のリストを含む第1抽出結果を生
成する(S915)。その後、処理は
図8のS814に進む。
【0052】
また、S812で判定した難易度が「中」である場合(S911:中)、第1抽出部1
201は、信頼度判定テーブル1810から、信頼度1813が予め設定された第2閾値
以上かつ第1閾値未満である代行業者を抽出し(S913)、抽出した代行業者のリスト
を含む第1抽出結果を生成する(S915)。その後、処理は
図8のS814に進む。
【0053】
また、S812で判定した難易度が「低」である場合(S911:低)、第1抽出部1
201は、信頼度判定テーブル1810から、信頼度1813が予め設定された第2閾値
未満である代行業者を抽出し(S914)、抽出した代行業者のリストを含む第1抽出結
果を生成する(S915)。その後、処理は
図8のS814に進む。
【0054】
このように、第1抽出処理S813では、依頼されたサービスの難易度に応じた信頼度
の代行業者が第1抽出結果として抽出される。例えば、難易度の高いサービスについては
信頼度の高い代行業者が抽出され、また、難易度が中程度のサービスについては信頼度が
中程度の代行業者が抽出され、また、難易度の低いサービスについては信頼度が低い代行
業者が抽出される。
【0055】
図8に戻り、続いて、代行業者抽出部120の第2抽出部1202が、専門分野判定テ
ーブル1820に基づき第1抽出結果から代行業者を抽出して第2抽出結果を生成する(
S814)。
【0056】
図10は、
図8のS814において第2抽出部1202が行う処理(以下、「第2抽出
処理S814」と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに第2
抽出処理S814について説明する。
【0057】
まず、第2抽出部1202は、S812で判定した難易度に応じて以降の処理を分岐さ
せる(S1011)。
【0058】
S812で判定した難易度が「高」又は「中」である場合(S1011:高又は中)、
第2抽出部1202は、専門分野判定テーブル1820から、第1抽出結果に記載され、
かつ、専門分野1823に依頼分野を含む代行業者を抽出して第2抽出結果を生成する(
S1012、S1014)。その後、処理は
図8のS815に進む。
【0059】
また、S812で判定した難易度が「低」である場合(S1011:低)、第2抽出部
1202は、専門分野判定テーブル1820から、第1抽出結果に記載され、かつ、依頼
分野についての経験値が予め設定された閾値以下の代行業者を抽出して第2抽出結果を生
成する(S1013、S1014)。その後、処理は
図8のS815に進む。
【0060】
このように、第2抽出処理S814では、難易度が「高」又は「中」のサービスについ
ては、第1抽出結果として抽出された、信頼度が「高」又は「中」の代行業者の中から、
専門分野に依頼分野を含む代行業者が抽出される。また、難易度が「低」のサービスにつ
いては、第1抽出結果として抽出された、信頼度が「低」の代行業者の中から、当該サー
ビスの依頼分野について経験の少ない代行業者が抽出される。
【0061】
図8に戻り、続いて、代行業者組織評価部125が、第2抽出結果の代行業者が所属す
る代行業者組織を基本情報テーブル1851から特定し、代行業者力量DB180及び代
行業者情報DB185の内容に基づき、特定した代行業者組織の評価情報を生成する。ま
た、代行業者組織評価部125は、生成した評価情報を依頼状況テーブル1870に反映
する(S815)。
【0062】
続いて、リコメンド部130が、第2抽出結果、特定した代行業者組織、及び各代行業
者組織の評価情報を含むリコメンド情報を依頼者端末200に送信する。また、リコメン
ド部130は、依頼状況テーブル1870のステータス1873を更新する(S816)
。
【0063】
依頼者端末200は、リコメンド部130から送られてくるリコメンド情報を受信し、
受信したリコメンド情報をユーザに提示する。また、依頼者端末200は、代行業者組織
や代行業者の指定をユーザから受け付け、受け付けた代行業者IDと代行業者組織IDを
代行依頼支援装置100に送信する。リコメンド部130は、依頼者端末200から送ら
れてくる代行業者ID及び代行業者組織IDを受信する(S817)。
【0064】
代行業者依頼部135は、リコメンド部130が受信した代行業者組織IDの代行業者
組織の代行業者端末300に代行依頼通知を送信する。また、代行業者依頼部135は、
依頼状況テーブル1870のステータス1873を更新する(S818)。
【0065】
代行業者端末300は、代行依頼通知を受信すると、代行依頼があった旨を代行業者に
提示する。代行業者は、代行依頼通知に指定されているサービスを実施する(S819)
。
【0066】
以上のように、代行依頼支援処理S800によれば、難易度が「高」又は「中」のサー
ビスについては、信頼度が高く依頼分野に精通した(専門性の高い)代行業者が抽出され
る。そのため、難易度が「高」又は「中」のサービスについては、依頼分野に精通した代
行業者から信頼度の高いサービスを受けたいという依頼者のニーズに則した代行業者組織
や代行業者を依頼者にリコメンドすることができる。また、代行業者にとっては、得意と
する分野の依頼を受任する可能性が高まり、専門性を生かして質の高いサービスを提供す
ることができる。また、それにより依頼者の満足度が高まることで、代行業者は満足のい
くリターンを期待することができる。
【0067】
また、難易度が「低」のサービスについては、信頼度が低い代行業者の中から、経験の
浅い代行業者が抽出される。そのため、難易度が「低」のサービスについてはリーズナブ
ルな料金で迅速に(負荷に余裕のある代行業者を広く探索できるため迅速にサービスを提
供できる可能性が高まるという意味で)サービスを享受したいという依頼者のニーズに則
した代行業者をリコメンドすることができる。また、代行業者組織や代行業者にとっては
、人材を有効に活用することができる(業務効率向上)、経験の浅い人のキャリアを高め
ることができる(教育効果)、といったメリットを期待することができる。
【0068】
<信頼度判定テーブルの生成>
図11は、代行依頼支援装置100の信頼度判定テーブル生成部140が、信頼度判定
テーブル1810の生成に際して行う処理(以下、「信頼度判定テーブル生成処理S11
00」と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに信頼度判定テ
ーブル生成処理S1100について説明する。尚、以下に説明する信頼度判定テーブル生
成処理S1100は、基本情報テーブル1850における代行業者(代行業者ID185
1)毎に行われる。
【0069】
まず、信頼度判定テーブル生成部140は、基本情報テーブル1850から、処理の対
象とする代行業者(以下、「当該代行業者」と称する。)の基本情報を取得する(S11
11)。
【0070】
続いて、信頼度判定テーブル生成部140は、代行履歴テーブル1860から、当該代
行業者のレコードの情報(当該代行業者の代行履歴)を取得する(S1111)。
【0071】
続いて、信頼度判定テーブル生成部140は、専門分野判定テーブル1820から当該
代行業者の分野毎の経験値を取得する(S1113)。
【0072】
続いて、信頼度判定テーブル生成部140は、当該代行業者の信頼度を算出する(S1
114)。信頼度判定テーブル生成部140は、例えば、次式(以下、「式1」と称する
。)に基づき信頼度を算出する。
[数1]
信頼度=専門分野判定テーブルの代行業者の分野毎の経験値の平均値
+申請件数に基づく点数
+採択率(=採択数/これまでの申請件数)に基づく点数
【0073】
信頼度判定テーブル生成部140は、式1における第2項「申請件数に基づく点数」を
、例えば、
図12Aに示す表1(以下、「申請件数と点数の対応表1210」と称する。
)に基づき求める。また、信頼度判定テーブル生成部140は、式1における第3項「採
択率(=採択数/これまでの申請件数)に基づく点数」を、例えば、
図12Bに示す表2(
以下、「採択率と点数の対応表1220」と称する。)に基づき求める。
【0074】
続いて、信頼度判定テーブル生成部140は、当該代行業者の代行業者ID、当該代行
業者が所属する組織の代行業者組織ID、及びS1214で求めた信頼度を対応づけたレ
コードを生成して信頼度判定テーブル1810に格納(登録)する(S1215)。
【0075】
<専門分野判定テーブルの生成>
図13は、代行依頼支援装置100の専門分野判定テーブル生成部145が、専門分野
判定テーブル1820の生成に際して行う処理(以下、「専門分野判定テーブル生成処理
S1300」と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図ととも専門分野
判定テーブル生成処理S1300について説明する。尚、専門分野判定テーブル生成処理
S1300は、基本情報テーブル1850の代行業者(代行業者ID1851)毎に行わ
れる。
【0076】
まず、専門分野判定テーブル生成部145は、基本情報テーブル1850から、処理の
対象とする代行業者(以下、「当該代行業者」と称する。)の基本情報を取得する(S1
311)。
【0077】
続いて、信頼度判定テーブル生成部140は、代行履歴テーブル1860から、当該代
行業者のレコードの情報(当該代行業者の代行履歴)を取得する(S1312)。
【0078】
続いて、信頼度判定テーブル生成部140は、信頼度判定テーブル1810から当該代
行業者の信頼度を取得する(S1313)。
【0079】
続いて、信頼度判定テーブル生成部140は、分野毎の当該代行業者の経験値を算出す
る(S1313)。専門分野判定テーブル生成部145は、例えば、次式(以下、「式2
」と称する。)に基づき分野毎の経験値を求める。
[数2]
〇〇分野における経験値=
申請履歴テーブル内の代行業者の〇〇分野の申請件数に基づく点数
+〇〇分野の採択率(=採択数/これまでの申請件数)に基づく点数
+〇〇分野の依頼者評価の平均値に基づく点数
【0080】
尚、専門分野判定テーブル生成部145は、式2における第1項「申請履歴テーブル内
の代行業者の〇〇分野の申請件数に基づく点数」を、例えば、
図12Aに示す表1(申請
件数と点数の対応表1210)に基づき求める。また、専門分野判定テーブル生成部14
5は、式2における第2項「〇〇分野の採択率(=採択数/これまでの申請件数)」を、例
えば、
図12Bに示す表2(採択率と点数の対応表1220)に基づき求める。また、専
門分野判定テーブル生成部145は、式2における第3項「〇〇分野の依頼者評価の平均
値に基づく点数」を、例えば、
図12Cに示す表3(以下、「依頼者評価の平均値と点数
の対応表1230」と称する。)に基づき求める。
【0081】
続いて、専門分野判定テーブル生成部145は、S1313で取得した信頼度が予め設
定した閾値以上であるか否かを判定する(S1315)。
【0082】
信頼度が予め設定した閾値以上である場合(S1315:YES)、専門分野判定テー
ブル生成部145は、全分野名と各分野について求めた経験値を代行業者端末300に送
信する(S1316)。代行業者端末300は、代行依頼支援装置100から送られてき
た全分野名と各分野について求めた経験値を提示しつつ、代行業者から専門にしたい分野
(専門分野)の入力を受け付け、受け付けた分野を代行依頼支援装置100に送信する(
S1331)。専門分野判定テーブル生成部145は、代行業者端末300から分野を受
信すると、専門分野判定テーブルに、当該代行業者の代行業者ID、当該代行業者が所属
する組織の代行業者組織ID、代行業者端末300から受信した分野、及びS1314で
求めた各分野の経験値を対応づけたレコードを生成して専門分野判定テーブル1820に
格納(登録)する(S1317)。
【0083】
S1315において、信頼度が予め設定した閾値未満である場合(S1315:NO)
、専門分野判定テーブル生成部145は、専門分野判定テーブルに、当該代行業者の代行
業者ID、当該代行業者が所属する組織の代行業者組織ID、及びS1314で求めた各
分野の経験値を対応づけたレコード(この場合、専門分野1823の項目は記載無し)を
生成して専門分野判定テーブル1820に格納(登録)する(S1321)。
【0084】
図14ABに、S1331において代行業者端末300が分野(専門分野)を代行業者
から受け付ける際に表示する画面(以下、「専門分野受付画面1410」と称する。)の
一例を示す。
【0085】
<代行業者力量表示部の処理>
代行依頼支援装置100の代行業者力量表示部150は、代行業者力量DB180が管
理している情報(信頼度判定テーブル1810、専門分野判定テーブル1820)に基づ
き、代行業者の力量(信頼度、専門分野、分野毎の経験値)を記載した画面(以下、「力
量情報確認画面1420」と称する。)を生成してユーザに提示する。
【0086】
図14Bに、力量情報確認画面1420の一例を示す。尚、代行業者力量表示部150
が、力量情報確認画面1420を代行業者端末300に送信して代行業者が参照できるよ
うにしてもよい。代行業者は、力量情報確認画面1420を参照することで自身の力量が
どのような内容で代行依頼支援装置100に登録されているのかを確認することができる
。
【0087】
<依頼評価登録部>
代行依頼支援装置100の依頼評価登録部155は、代行業者が行ったサービスについ
ての評価を依頼者端末200を介して依頼者から受け付け、受け付けた評価を代行履歴テ
ーブル1860に反映する。
【0088】
図15に、依頼者から評価を受け付ける際に依頼者端末200が表示する画面(以下、
「依頼評価受付画面1500」と称する。)の一例を示す。
【0089】
<情報処理装置の例>
図16は、マッチング支援システム1の構成(代行依頼支援装置100や依頼者端末2
00、代行業者端末300の実現)に用いる情報処理装置(コンピュータ)のハードウェ
ア構成例である。
【0090】
例示する情報処理装置10は、プロセッサ11、主記憶装置12(メモリ)、補助記憶
装置13(外部記憶装置)、入力装置14、出力装置15、及び通信装置16を備える。
これらはバスや通信ケーブル等を介して通信可能に接続されている。情報処理装置10の
例として、パーソナルコンピュータ、サーバ装置、スマートフォン、タブレット、オフィ
スコンピュータ、汎用機(メインフレーム)等がある。
【0091】
情報処理装置10は、その全部又は一部が、例えば、クラウドシステムによって提供さ
れる仮想サーバのように、仮想化技術やプロセス空間分離技術等を用いて提供される仮想
的な情報処理資源を用いて実現されるものであってもよい。また、情報処理装置10によ
って提供される機能の全部又は一部は、例えば、クラウドシステムがAPI(Applicatio
n Programming Interface)等を介して提供するサービスによって実現してもよい。また
、情報処理装置10によって提供される機能の全部又は一部は、例えば、SaaS(Soft
ware as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure
as a Service)等を利用して実現されるものであってもよい。
【0092】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Pro
cessing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable
Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、AI(Artifi
cial Intelligence)チップ等を用いて構成されている。
【0093】
主記憶装置12は、プロセッサ11がプログラムを実行する際に利用する装置であり、
例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモ
リ(NVRAM(Non Volatile RAM))等である。代行依頼支援装置100や依頼者端末
200、代行業者端末300において実現される各種の機能は、夫々のプロセッサ11が
、補助記憶装置13に格納(記憶)されているプログラムやデータを主記憶装置12に読
み出して実行することにより実現される。
【0094】
補助記憶装置13は、プログラムやデータを記憶する装置であり、例えば、SSD(So
lid State Drive)、ハードディスクドライブ、光学式記憶装置(CD(Compact Disc)
、DVD(Digital Versatile Disc)等)、ストレージシステム、ICカード、SDカー
ドや光学式記録媒体等の非一時的な記録媒体の読取/書込装置、クラウドサーバの非一時
的な記憶領域等で構成することができる。補助記憶装置13には、記録媒体の読取装置や
通信装置16を介して、非一時的な記録媒体や非一時的な記憶装置を備えた他の情報処理
装置からプログラムやデータを読み込むことができる。補助記憶装置13に格納(記憶)
されているプログラムやデータは主記憶装置12に随時読み込まれる。
【0095】
入力装置14は、外部からの情報の入力を受け付けるインタフェースであり、例えば、
キーボード、マウス、タッチパネル、カードリーダ、ペン入力方式のタブレット、音声入
力装置等である。
【0096】
出力装置15は、処理経過や処理結果等の各種情報を外部に出力するインタフェースで
ある。出力装置15は、例えば、上記の各種情報を可視化する表示装置(液晶モニタ、L
CD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等)、上記の各種情報を音声化す
る装置(音声出力装置(スピーカ等))、上記の各種情報を文字化する装置(印字装置等
)である。尚、例えば、情報処理装置10が通信装置16を介して他の装置との間で情報
の入力や出力を行う構成としてもよい。
【0097】
入力装置14と出力装置15は、ユーザとの間での対話処理(情報の受け付け、情報の
提供等)を実現するユーザインタフェースを構成する。
【0098】
通信装置16は、他の装置との間の通信を実現する装置である。通信装置16は、通信
ネットワークを介して他の装置との間の通信を実現する、有線方式又は無線方式の通信イ
ンタフェースであり、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール
、USBモジュール等である。
【0099】
尚、情報処理装置10には、例えば、オペレーティングシステム、ファイルシステム、
DBMS(DataBase Management System)(リレーショナルデータベース、NoSQL等
)、KVS(Key-Value Store)等が導入されていてもよい。
【0100】
[第2実施形態]
第1実施形態のマッチング支援システム1では、信頼度と分野(専門分野)の観点から
依頼者にリコメンドする代行業者を抽出した。第2実施形態のマッチング支援システム1
は、更にサービスの遂行に必要な作業量を考慮して代行業者を抽出する。また、第2実施
形態のマッチング支援システム1は、一つの依頼に対するサービスを複数の代行業者が共
同して遂行する場合も考慮して代行業者を抽出する。このように、第2実施形態のマッチ
ング支援システム1は作業量を考慮してリコメンドする代行業者を抽出するので、作業量
が確保できない代行業者がリコメンドされ、依頼者が代行業者から依頼を断られてしまう
といった事態が生じる可能性を減らすことができる。
【0101】
第2実施形態のマッチング支援システム1は、依頼者から受け付けた代行依頼の依頼情
報から、代行依頼にかかるサービスを遂行するために必要な作業量を難易度毎に算出する
。そして、マッチング支援システム1は、難易度毎の作業量を、別途記憶している各代行
業者組織の各代行業者が対応可能な作業量と対照することにより代行業者を抽出する。
【0102】
図17は、第2実施形態のマッチング支援システム1の代行依頼支援装置100が備え
る主な機能を示す図である。第2実施形態の代行依頼支援装置100は、第1実施形態の
代行依頼支援装置100と基本的な構成は共通するが、以下の点において第1実施形態の
代行依頼支援装置100と構成が異なる。
【0103】
まず、依頼内容判定部115の難易度判定部1152の処理が異なる。また、依頼内容
判定部115が作業量判定部1153を更に有する点で構成が異なる。また、第1抽出部
1201及び第2抽出部1202が、依頼情報の難易度毎に処理を行う点で構成が異なる
。また、代行業者抽出部120が第3抽出部1203を更に有する点で構成が異なる。ま
た、代行業者力量DB180がサービスの作業量の判定に用いる作業量判定テーブル18
30を管理する点で構成が異なる。また、代行業者依頼部135が依頼を受けた代行業者
について作業量判定テーブル1830の当該代行業者のレコードの作業可能時間から受け
た作業にかかる作業量分の時間を減じる点で構成が異なる。また、作業量判定テーブル生
成部190を更に有する点で構成が異なる。以下では、第1実施形態の代行依頼支援装置
100との相違点を中心に説明する。
【0104】
第2実施形態の代行依頼支援装置100の難易度判定部1152は、サービスの要素毎
(例えば、申請書の項目毎)に難易度を判定する。難易度判定部1152は、判定した結
果を記載した難易度判定結果を生成して管理(記憶)する。尚、難易度の判定はユーザが
行ってもよいし、難易度判定部1152が依頼情報に基づき自動で判定してもよい。例え
ば、過去の申請の採択率(採択率が低い程、難易度を高くする等)、申請書の記載量(記
載量が多い程、難易度を高くする等)、自由記述量(自由記述量が多い程、難易度を高く
する等)に基づき難易度を判定する。
【0105】
図18Aに、難易度判定部1152が、依頼情報に含まれている申請書1805の内容
に基づき要素毎(項目毎)に難易度を判定して難易度判定結果1801を生成する様子を
示す。
【0106】
図17に戻り、代行依頼支援装置100の作業量判定部1153は、依頼情報に基づき
受け付けた依頼のサービスの遂行に要する作業量を判定する(見積もる)。作業量判定部
1153は、要素毎に判定した難易度毎に依頼されたサービスの作業量を判定する。作業
量判定部1153は、判定した結果を記載した作業量判定結果を生成して管理(記憶)す
る。
【0107】
図18Bに、作業量判定部1153が、要素毎に判定した難易度毎に依頼されたサービ
スの作業量を判定して作業量判定結果1802を生成する様子を示す。
【0108】
図17に戻り、第3抽出部1203は、作業量判定テーブル1830を参照し、依頼さ
れた作業を遂行することが可能な代行業者の組み合わせを第2抽出結果から抽出し、抽出
した結果を記載した第3抽出結果を生成する。
【0109】
第2実施形態の代行依頼支援装置100の作業量判定テーブル生成部190は、代行業
者端末300を介して代行業者から作業予定(既に予定されている作業日時/作業期間と
作業量)を受け付け、受け付けた作業予定に基づき作業量判定テーブル1830を生成(
編集、削除等を含む)する。
【0110】
図19は、作業量判定テーブル生成部190が、代行業者端末300が代行業者から作
業予定を受け付ける際に表示する画面(以下、「作業予定受付画面1900」と称する。
)の一例である。作業予定受付画面1900は、代行業者端末300が生成してもよいし
、代行依頼支援装置100が生成して代行業者端末300に送信してもよい。
【0111】
図20は、受け付けた作業予定に基づき作業量判定テーブル生成部190が生成する作
業量判定テーブル1830の一例である。同図に示すように、作業量判定テーブル183
0は、代行業者ID1831、代行業者組織ID1832、及び作業可能期間毎の作業量
1833の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。作業量判定テーブル183
0のレコードの一つは一人の代行業者に対応している。
【0112】
上記項目のうち、代行業者ID1831には、当該代行業者の代行業者IDが格納され
る。代行業者組織ID1832には、当該代行業者の所属する組織の代行業者組織IDが
格納される。作業可能期間毎の作業量1833には、作業可能期間毎の作業量(時間(h
)単位)が格納される。
【0113】
図21は、第2実施形態のマッチング支援システム1において行われる処理(以下、「
代行依頼支援処理S2100」と称する。)を説明するフローチャートである。代行依頼
支援処理S2100のうちS2111の処理については
図8に示した代行依頼支援処理S
800のS811と、また、S2117~S2119については
図8に示した代行依頼支
援処理S800のS817~S819と共通するが、S2112~S2116の処理につ
いては
図8に示した代行依頼支援処理S800と異なる。以下、代行依頼支援処理S80
0との相違点を中心として、同図とともに第2実施形態の代行依頼支援処理S2100に
ついて説明する。
【0114】
S2112では、依頼分野判定部1151が、依頼するサービスの分野(申請書の種類
等)を判定し、難易度判定部1152が、前述した方法でサービスの要素毎(例えば、申
請書の項目毎)に難易度を判定する。尚、代行依頼支援装置100は、判定した分野及び
要素毎の難易度を難易度判定結果1801として記憶する(S812)。
【0115】
S2113では、代行業者抽出部120(第1抽出部1201、第2抽出部1202)
が、難易度判定結果1801の難易度毎に処理を行い、第1抽出結果及び第2抽出結果を
生成する処理(以下、「第3抽出処理S2113」と称する。)を行う。
【0116】
図22は、第3抽出処理S2113を説明するフローチャートである。以下、同図とと
もに第3抽出処理S2113について説明する。尚、同図は、ある難易度「x」について
の処理に相当する。即ち、第3抽出処理S2113は難易度毎に実行される。
【0117】
同図に示すように、まず、代行業者抽出部120は、難易度判定部1152が判定した
難易度「x」の作業量を取得する(S2211)。
【0118】
続いて、代行業者抽出部120は、取得した作業量が「0」より大きいか否かを判定す
る(S2212)。作業量が「0」より大きくなければ(S2212:NO)、当該難易
度についての第3抽出処理S2113は終了する。作業量が「0」より大きければ(S2
212:YES)、処理はS2213に進む。
【0119】
S2213では、第1抽出部1201が、難易度を「x」として、
図9に示した第1抽
出処理S813を行い、第1抽出結果を生成する。
【0120】
続いて、第2抽出部1202が、難易度を「x」として、
図10に示した第2抽出処理
S814を行い、第2抽出結果を生成する(S2214)。
【0121】
続いて、第3抽出部1203が、第2抽出結果に基づき作業量を考慮しつつ代行業者を
抽出し、抽出した結果を記載した第3抽出結果を生成する処理(以下、「第3抽出結果生
成処理S2215」と称する。)を行う。
【0122】
図23は、第3抽出結果生成処理S2215の概略を説明する図である。以下、同図と
ともに第3抽出結果生成処理S2215の概略について説明する。
【0123】
まず、第3抽出部1203は、作業量判定テーブル1830から、難易度が「x」の第
2抽出結果の代行業者IDを含むレコードを抽出する(S2311)。同図の例では、代
行業者組織αから3人の代行業者α1~α3のレコードを、また、代行業者組織βから2
人の代行業者β1~β2のレコードを抽出している。
【0124】
続いて、第3抽出部1203は、同じ代行業者組織に所属する(代行業者組織IDが同
じ)代行業者のレコードをグルーピングする(S2312)。同図の例では、代行業者α
1~α3のレコードをグループA1に、代行業者β1~β2のレコードをグルーブA2に、夫
々グルーピングしている。
【0125】
続いて、第3抽出部1203は、難易度「x」の第3抽出結果にai"の組み合わせのレ
コードを追加する(S2313)。尚、i"は、i'をグループAiの中で作る小グループの人
数としたとき、i'人から成る小グループの組み合わせaの何番目かを表す。
【0126】
続いて、第3抽出部1203は、Ai内でi'人の組み合わせa1,a2,…, ai",…,an"を全て
生成する(S2314)。尚、nは、代行業者組織毎のグループAの総数である。また、n"
は、組み合わせaの総数である。
【0127】
続いて、第3抽出部1203は、ai"に含まれる代行業者の指定期間内における作業量
の総計を算出する(S2315)。
【0128】
続いて、第3抽出部1203は、難易度「x」の第3抽出結果にai"の組み合わせを格
納する(S2316)。
【0129】
同図には、依頼されたサービスの難易度が「中」、作業量が「30」、i'が「2」、代行
業者α1の作業可能時間が「10」、代行業者α2の作業可能時間が「20」、代行業者α3
の作業可能時間が「10」である場合を例示している。この場合、同図の太線枠内に示す組
み合わせ「a1」及び組み合わせ「a2」については、代行業者の作業可能時間の総計が作業
量「30」以下であり、作業を遂行可能であるため、第3抽出部1203は、難易度「中」
の第3抽出結果に、(α1,α2),(α2,α3)の各組み合わせに対応するレコードを格納す
る。
【0130】
図24は、第3抽出結果生成処理S2215を説明するフローチャートである。以下、
同図とともに第3抽出結果生成処理S2215について説明する。
【0131】
まず、第3抽出部1203は、難易度「x」の第2抽出結果、期間、難易度「x」の作
業量を取得する(S2411)。
【0132】
続いて、第3抽出部1203は、作業量判定テーブルから難易度「x」の第2抽出結果
に代行業者IDが含まれるレコードを抽出する(S2412)。
【0133】
続いて、第3抽出部1203は、抽出したレコードについて、同一の代行業者組織ID
のレコード毎にグルーピング(A1、A2、・・・、Ai、・・・、Anを生成)する(S241
3)。
【0134】
続いて、第3抽出部1203は、指標iに「1」を設定する(S2414)。
【0135】
続いて、第3抽出部1203は、iがn以下であるか否かを判定する(S2415)。i
がn以下であれば(S2415:YES)処理はS2416に進む。一方、iがnよりも大
きい場合は(S2415:NO)、第3抽出結果生成処理S2215処理は終了する。
【0136】
続いて、第3抽出部1203は、Ai内の人数n'(Ai内の総数)を取得する(S2416)
。
【0137】
続いて、第3抽出部1203は、i'に「1」を設定する(S2417)。
【0138】
続いて、第3抽出部1203は、i'がn以下か否かを判定する(S2418)。i'がn以
下であれば(S2418:YES)処理はS2419に進む。一方、i'がnよりも大きい
場合は(S2418:NO)、iに「1」を加算(インクリメント)し、その後、処理はS
2415に戻る。
【0139】
S2419では、第3抽出部1203は、Ai内でi'人の全ての組み合わせ「a1、a2、・
・・、ai"、・・・、an"」を生成する。
【0140】
続いて、第3抽出部1203は、i"に「1」を設定するとともに作業可能フラグに「0
」を設定する(S2421)。
【0141】
続いて、第3抽出部1203は、i"がn"以下か否かを判定する(S2418)。i"がn"
以下であれば(S2418:YES)、処理はS2423に進む。一方、i"がn"よりも大
きい場合は(S2418:NO)、処理はS2430に進む。
【0142】
S2423では、第3抽出部1203は、ai"に含まれる代行業者の指定期間内におけ
る作業量の総計を算出する。
【0143】
続いて、第3抽出部1203は、作業量総計が難易度「x」の作業量以上であるか否か
を判定する(S2424)。作業量総計が難易度「x」の作業量以上であれば(S242
4ES)、処理はS2425に進む。一方、作業量総計が難易度「x」の作業量未満であ
れば(S2424:NO)、処理はS2427に進む。
【0144】
S2425では、第3抽出部1203は、難易度「x」の第3抽出結果にai"の組み合
わせを追加する。
【0145】
続いて、第3抽出部1203は、作業可能フラグに「1」を設定する(S2426)。
【0146】
続いて、第3抽出部1203は、i"に「1」を加算(インクリメント)し、その後、処
理はS2418に戻る。
【0147】
S2430では、第3抽出部1203は、作業可能フラグが「1」か否かを判定する。
作業可能フラグが「1」であれば(S2430:YES)、第3抽出部1203は、iに「
1」を加算(インクリメント)し(S2431)、その後、処理はS2415に戻る。一
方、作業可能フラグが「1」でなければ(S2430:NO)、第3抽出部1203は、i
'に「1」を加算(インクリメント)し(S2431)、その後、処理はS2418に戻る
。
【0148】
図21に戻り、続いて、代行業者抽出部120が、第3抽出結果に基づき第4抽出結果
174を生成する処理(以下、「第4抽出結果生成処理S2114」と称する。)を行う
(S2114)。
【0149】
図25は、第4抽出結果生成処理S2114を説明するフローチャートである。以下、
同図とともに第4抽出結果生成処理S2114について説明する。
【0150】
まず、代行業者抽出部120は、
図18Bの作業量判定結果1802の各難易度の第3
抽出結果を取得する(S2511)。
【0151】
続いて、代行業者抽出部120は、いずれの難易度の第3抽出結果にも代行業者組織I
Dが存在しないレコードを全ての第3抽出結果から削除する(S2512)。
【0152】
続いて、代行業者抽出部120は、代行業者組織毎に、各難易度の第3抽出結果の夫々
から代行業者を一人ずつ選択することにより得られる各組み合わせに対応するレコードを
生成し、生成したレコードを第4抽出結果174に格納する(S2513)。
【0153】
以上に説明したように、第2実施形態のマッチング支援システム1は、サービスの遂行
に必要な作業量を更に考慮して代行業者を抽出するので、例えば、作業量が確保できない
代行業者がリコメンドされ、代行業者に依頼しても断られてしまうのを防ぐことができる
。また、第2実施形態のマッチング支援システム1は、一つの依頼に対するサービスを複
数の代行業者(各代行業者が所属する代行業者組織は同じでなくてもよい)が共同して遂
行する場合も考慮して代行業者を抽出することができる。
【0154】
[第3実施形態]
依頼者とサービスの提供者との間のマッチングに際しては、例えば、評判の良くない依
頼者からの依頼はなるべく受けたくない、トラブルに繋がる可能性のある依頼者からの依
頼は受けたくないといった理由から、代行業者が依頼者を選択できることを希望する場合
がある。そのような代行業者のニーズに対応するため、第3実施形態のマッチング支援シ
ステム1は、代行業者から依頼者を評価する仕組みを更に備える。具体的には、第3実施
形態のマッチング支援システム1は、代行業者から依頼者の評価を受け付け、代行業者が
事前に登録しておいたレベルに満たない依頼者については、当該依頼者に対して当該代行
業者をリコメンドしないようにする。
【0155】
図26は、第2実施形態の代行依頼支援装置100を基本として構成した、第3実施形
態のマッチング支援システム1における代行依頼支援装置100が備える主な機能を示す
図である。第3実施形態の代行依頼支援装置100の機能は、第2実施形態の代行依頼支
援装置100の機能と基本的な構成は共通するが、以下の点において第2実施形態の代行
依頼支援装置100と構成が異なる。
【0156】
まず、第3実施形態の代行依頼支援装置100は、依頼者情報DB170、希望依頼者
レベル登録部191、及び依頼者評価登録部192の各機能を更に有する。尚、依頼者情
報DB170は、代行業者による依頼者の評価が格納される依頼者評価テーブル1710
を管理する。また、第3実施形態の代行業者情報DB185が管理する基本情報テーブル
1850には、代行業者が希望する依頼者のレベル(以下、「希望依頼者レベル」と称す
る。)を格納する項目が追加されている。また、第3実施形態の代行依頼支援装置100
のリコメンド部130は、代行業者の希望依頼者レベルに満たない依頼者については、当
該代行業者を依頼者にリコメンドしない。
【0157】
第3実施形態の代行依頼支援装置100の機能のうち、希望依頼者レベル登録部191
は、代行業者端末300を介して代行業者から希望依頼者レベルの設定を受け付け、受け
付けた希望依頼者レベルを基本情報テーブル1850に格納する。
【0158】
図27に、希望依頼者レベル登録部191が希望依頼者レベルの設定を受け付ける際に
代行業者端末300が表示する画面(以下、「希望依頼者レベル受付画面2700」と称
する。)の一例を示す。
【0159】
図28に、第3実施形態の基本情報テーブル1850の一例を示す。同図に示すように
、第3実施形態の基本情報テーブル1850は、前述した各項目に加え、希望依頼者レベ
ル1856の項目を更に有する。
【0160】
図26に示す依頼者評価登録部192は、代行業者端末300を介して代行業者から依
頼者に対する評価(以下、「依頼者評価レベル」と称する。)の設定を受け付け、受け付
けた内容を依頼者評価テーブル1710に登録する。尚、同じ依頼者から複数回の依頼を
過去に受けている場合、代行業者は、当該依頼者については、例えば、過去の各依頼につ
いて行った当該依頼者の評価の平均値を依頼者評価レベルとして設定する。
【0161】
図29に、依頼者評価テーブル1710の一例を示す。同図に示すように、依頼者評価
テーブル1710は、依頼者ID1711と依頼者評価レベル1712の各項目を有する
一つ以上のレコードで構成される。依頼者ID1711には依頼者IDが格納される。依
頼者評価レベル1712には依頼者評価レベルが格納される。
【0162】
第3実施形態の代行依頼支援装置100のリコメンド部130は、基本情報テーブル1
850の希望依頼者レベル1856と依頼者評価テーブル1710の依頼者の評価を対照
し、代行業者抽出部120が抽出した代行業者であっても、当該代行業者の希望依頼者レ
ベルに満たない依頼者については、当該代行業者を依頼者にリコメンドしない。
【0163】
以上のように、第3実施形態のマッチング支援システム1は、代行業者から依頼者の評
価を受け付け、代行業者が事前に登録しておいたレベルに満たない依頼者については、当
該依頼者に対して当該代行業者をリコメンドしない。そのため、例えば、評判の良くない
依頼者からの依頼はなるべく受けたくない、トラブルに繋がるような依頼者からの依頼は
受けたくないといった代行業者の思いに対応することができる。
【0164】
尚、以上では、第2実施形態の代行依頼支援装置100を基本として第3実施形態のマ
ッチング支援システム1を構成した場合を説明したが、同様の方法で第1実施形態の代行
依頼支援装置100を基本として第3実施形態のマッチング支援システム1を構成しても
よい。
【0165】
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではな
く、様々な変形例が含まれ、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるもの
ではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、
また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実
施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【0166】
例えば、依頼者がサービスの提供者から受けようとするサービスは、金融機関、インフ
ラ事業者(電力会社、ガス会社、通信会社等)、病院等に対するサービスであってもよい
。また、サービスは、例えば、情報やサービスの探索や配信、情報の真正性の確認、情報
を利用する際の同意確認、各種手続の煩雑さ解消等であってもよい。
【符号の説明】
【0167】
1 マッチング支援システム
5 通信ネットワーク
100 代行依頼支援装置
110 依頼情報受信部
115 依頼内容判定部
1151 依頼分野判定部
1152 難易度判定部
1153 作業量判定部
120 代行業者抽出部
1201 第1抽出部
1202 第2抽出部
1203 第3抽出部
125 代行業者組織評価部
130 リコメンド部
135 代行業者依頼部
140 信頼度判定テーブル生成部
145 専門分野判定テーブル生成部
1451 分野別経験値算出部
1452 専門分野候補生成部
150 代行業者力量表示部
155 依頼評価登録部
170 依頼者情報DB
1710 依頼者評価テーブル
180 代行業者力量DB
1801 難易度判定結果
1802 作業量判定結果
1805 申請書
1810 信頼度判定テーブル
1820 専門分野判定テーブル
1830 作業量判定テーブル
185 代行業者情報DB
1850 基本情報テーブル
1860 代行履歴テーブル
1870 依頼状況テーブル
190 作業量判定テーブル生成部
191 希望依頼者レベル登録部
192 依頼者評価登録部
200 依頼者端末
2700 希望依頼者レベル受付画面
300 代行業者端末