(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173067
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】決済システム、決済端末、サービス提供装置、決済方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/14 20120101AFI20231130BHJP
G06Q 20/08 20120101ALI20231130BHJP
G06Q 20/18 20120101ALI20231130BHJP
G06Q 20/20 20120101ALI20231130BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20231130BHJP
G07G 1/14 20060101ALI20231130BHJP
G06Q 20/06 20120101ALN20231130BHJP
【FI】
G06Q20/14
G06Q20/08 300
G06Q20/18
G06Q20/20
G06Q30/04
G07G1/14
G06Q20/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085059
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(71)【出願人】
【識別番号】515039797
【氏名又は名称】TOPPANエッジ・ペイメンツ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】北野 豊文
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA08
3E142AA10
3E142CA13
3E142EA02
3E142FA08
3E142GA07
3E142GA18
3E142JA02
5L049BB11
5L055AA15
5L055AA32
5L055AA35
5L055AA38
5L055AA42
(57)【要約】
【課題】ブランドの方針に応じた商品や役務について、電子マネーによる決済を可能とすることができる決済システムを提供する。
【解決手段】上位装置から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を取得する取得部と、サービスIDと利用可能な複数の決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを記憶する第1記憶部と、前記取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを前記決済ブランドデータから抽出する抽出部と、前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力する出力部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を取得する取得部と、
サービスIDと利用可能な複数の決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを記憶する第1記憶部と、
前記取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを前記決済ブランドデータから抽出する抽出部と、
前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力する出力部と、
を有する決済システム。
【請求項2】
前記決済ブランドデータは、前記対応関係が店舗毎に表されており、
前記抽出部は、前記取得したサービスIDと店舗に応じて利用可能な決済ブランドを前記決済ブランドデータから抽出する
請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記決済システムは、
前記サービスIDと、決済手数料との関係を表す決済手数料テーブルを記憶する第2記憶部を有し、
前記取得したサービスIDに応じた決済手数料を前記決済手数料テーブルを参照することで求める決済手数料算出部
を有する請求項1記載の決済システム。
【請求項4】
前記サービスIDと、決済端末の表示画面に表示させる表示態様との関係を表す表示態様リストを記憶する第3記憶部を有し、
前記出力部は、前記取得したサービスIDに応じた表示態様に従って、前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを表示装置に表示させる
請求項1に記載の決済システム。
【請求項5】
前記決済システムは、前記上位装置を含み、
前記上位装置は、サービスの提供内容に応じて金額を決定し、前記サービスの提供内容に応じたサービスIDと当該決定された金額とを決済情報として出力する
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の決済システム。
【請求項6】
上位装置から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を取得する取得部と、
サービスIDと利用可能な決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを記憶する記憶部から、前記取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを抽出する抽出部と、
前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力する出力部と
を有する決済端末。
【請求項7】
サービスの提供内容に応じて決済金額を決定し、前記サービスの提供内容に応じたサービスIDと当該決定された決済金額とを含む決済情報を生成する決済情報生成部と、
サービスIDと利用可能な決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを記憶する記憶部から、前記決済情報に含まれるサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを抽出する抽出部と、
前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力する出力部と
を有するサービス提供装置。
【請求項8】
取得部が、上位装置から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を取得し、
抽出部が、サービスIDと利用可能な決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを記憶する記憶部から、前記取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを抽出し、
出力部が、前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力する
決済方法。
【請求項9】
上位装置から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を取得し、
サービスIDと利用可能な決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータから、前記取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを抽出し、
前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力する
ことをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システム、決済端末、サービス提供装置、決済方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品を購入する際に、現金による支払いの他に、電子マネーによる支払いを行なうことが可能な決済システムがある(例えば、特許文献1参照)。
決済システムでは、複数のブランド(決済サービス)が存在する。各施設では、複数のブランドのうち、1つまたは複数のブランドを利用した決済が可能である。このような決済可能なブランドは、施設の運営者が選定し、施設内に導入している。これにより、店舗の方針に応じたブランドを利用した決済を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、決済対象については、店舗の方針のみではなく、ブランドの方針についても反映できることが望ましい。例えば、ブランドによっては、多数ある商品や役務のうち、ブランドの方針に応じた商品や役務について、電子マネーによる決済を可能としたい場合がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、商品や役務について、ブランドの方針に応じて電子マネーによる決済をすることができる決済システム、決済端末、サービス提供装置、決済方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、上位装置から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を取得する取得部と、サービスIDと利用可能な複数の決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを記憶する第1記憶部と、前記取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを前記決済ブランドデータから抽出する抽出部と、前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力する出力部と、を有する決済システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、上位装置から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を取得する取得部と、サービスIDと利用可能な決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを記憶する記憶部から、前記取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを抽出する抽出部と、前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力する出力部とを有する決済端末である。
【0008】
また、本発明の一態様は、サービスの提供内容に応じて決済金額を決定し、前記サービスの提供内容に応じたサービスIDと当該決定された決済金額とを含む決済情報を生成する決済情報生成部と、サービスIDと利用可能な決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを記憶する記憶部から、前記決済情報に含まれるサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを抽出する抽出部と、前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力する出力部とを有するサービス提供装置である。
【0009】
また、本発明の一態様は、取得部が、上位装置から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を取得し、抽出部が、サービスIDと利用可能な決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを記憶する記憶部から、前記取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを抽出し、出力部が、前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力する決済方法である。
【0010】
また、本発明の一態様は、上位装置から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を取得し、サービスIDと利用可能な決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータから、前記取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを抽出し、前記抽出された決済ブランドと前記決済金額とを出力することをコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、この発明によれば、商品や役務について、ブランドの方針に応じて電子マネーによる決済をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この発明の一実施形態による決済システム1の構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】この発明の一実施形態による決済システム1の決済サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】記憶部101に記憶されるブランドマスターリストの一例を示す図である。
【
図4】記憶部101に記憶される店舗テーブルの一例を示す図である。
【
図5】記憶部101に記憶される決済手数料テーブルの一例を示す図である。
【
図6】記憶部151に記憶される表示態様リストの一例を示す図である。
【
図7】記憶部101に記憶される決済情報のテーブルの一例を示す図である。
【
図8】この発明の一実施形態による決済システム1の決済端末15の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】この発明の一実施形態による決済システム1における決済ブランドデータの更新処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】この発明の一実施形態による決済システム1における決済処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図11】決済端末15の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
【
図12】決済端末15の表示画面に表示される、ブランドを選択する選択画面の一例を示す図である。
【
図13】決済端末15の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
【
図14】上位装置12の他の実施形態である上位装置12Aの構成を示す概略機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態による決済システム1について図面を参照して説明する。
【0014】
[決済システムの構成]
図1は、この発明の一実施形態による決済システム1の構成を示す概略ブロック図である。同図に示す決済システム1は、決済サーバ10と、上位装置12と、それぞれに管理対象装置16(16A1、16A2、・・・16An、16B1、・・・16Bn)が接続された決済端末15(15A1、15A2、・・・15An、15B1、・・・15Bn)と、管理端末17と、ブランドサーバ30(30a、30b)と、を通信ネットワークによって通信接続することで構成されている。当該通信ネットワークは、インターネット40と、店舗20(20A、20B)毎に敷設されインターネット40に通信接続するイントラネット50(50A、50B)とによって構成されている。
インターネット40には、決済サーバ10と、上位装置12と、管理端末17と、少なくとも1つのブランドサーバ30とが通信接続されている。また、イントラネット50には、当該イントラネット50が敷設された店舗20内に設置された少なくとも1つの決済端末15が通信接続されている。
【0015】
決済サーバ10は、決済端末15から決済の要求を受け付け、決済の処理を行う。また、決済サーバ10は、行った決済を示す決済情報を生成してログデータとして蓄積しておき、当該ログデータをブランドサーバ30へ定期的(例えば、1日毎、または1週間毎)に配信する。
決済サーバ10は、サーバ装置、例えば、汎用コンピュータ、またはパーソナルコンピュータ等を含んで構成される。
【0016】
上位装置12は、サービスの提供内容に応じて金額を決定し、サービスの提供内容に応じたサービスIDと当該決定された金額とを決済情報として出力する。サービスの提供内容は、商品、役務等であってもよいし、サービスを提供する量、サービスを受けることができる利用時間(30秒、1分、30分、60分等)であってもよい。
サービスIDは、サービスの種別を識別する識別情報である。サービスIDは、例えば、提供されるサービスの提供内容が異なる場合には、サービスの種別が異なるものとして、異なるサービスIDを割り当てることができる。
例えば、サービスIDは、商品、役務、提供される量に応じて異なるサービスIDが割り当てられる。
【0017】
また、提供するサービスがゲームである場合には、ゲームの提供内容に応じて異なるサービスIDが割り当てられる。また、ゲームが進行している場面に応じて異なるサービスIDが割り当てられていてもよい。
サービスIDは、ゲームを1回行う場合に1つのサービスIDが割り当てられる。また、ゲームを複数回(例えば3回)行う場合には、異なるサービスIDが割り当てられるようにしてもよい。また、ゲームにおいてはアイテムを購入することもできるものもある。このようなアイテムの購入についてもアイテム課金(都度課金)を表すサービスIDを割り当てることができる。また、ゲームにおいては、キャラクタとアイテムのうち少なくともいずれか一方を抽選(ガチャ)によって付与するサービスもある。このような抽選課金(都度課金)を表すサービスIDを割り当てることもできる。
【0018】
また、上位装置12は、サービスの提供内容に応じた金額を決めることができる。
例えば、ゲームがプレイされていない状態において、ゲームを始める場合には、1回または複数回のゲームを行う金額として、予め決められた金額を設定することができる。
また、ゲームのプレイ後に、プレイ終了時点から続きを再開するコンティニューを行う場合には、1回または複数回のゲームを行うための予め決められた金額を設定するようにしてもよいし、ゲームの進行状況に応じて、1回あたりの金額よりも低い金額を設定するようにしてもよい。例えば、ゲームのスタートからゴールまでの7割程度進んだ時点からコンティニューする場合には、1回あたりの金額の半分の金額にすることができる。コンティニューにおいては、上位装置12がゲームの進捗に応じて決済金額を決め、決定された決済金額を決済端末15に対し課金要求として送信する。決済端末15は、受信した決済金額を表示し、決済金額に対する支払をするか否かの問い合わせる決済画面を表示する。これにより、適切なタイミングで課金要求を案内することができる。ユーザによって電子マネーを利用して決済が行われると、決済端末15から決済完了通知が管理対象装置16および上位装置12に通知されることで、コンティニューすることができる。
【0019】
また、上位装置12が金額を決める他の例としては、ゲームの進行状況や特定のシーンに到達したことを上位装置12が検出すると、その時点に応じたアイテム課金や抽選課金を行う決済金額を決定し、決済端末15に課金要求を送信するようにしてもよい。
【0020】
決済端末15は、管理対象装置16の利用に対してユーザによって支払われる料金の決済を受け付ける端末である。例えば、決済端末15に備えられた後述する決済用媒体RW(リーダ・ライタ)部152に決済用媒体(例えば、ICカード)が近づけられることによって、決済用媒体から決済用媒体RW部152へ決済用媒体を識別する決済用媒体識別情報が送信されることにより、当該決済の受け付けが行われる。
また、決済端末15は、決済サーバ10から定期的に設定情報を取得して設定変更を行う。当該設定情報とは、例えば、決済端末15や管理対象装置16において動作するソフトウェアのアップデート情報等の決済システム1全体に関わる情報、あるいは、決済端末15において用いられるブランド毎の設定情報(例えば、画像情報、音声情報、および接続プロトコルを示す情報等)である。
【0021】
決済端末15は、カードリーダー、例えば、非接触型ICカードリーダー等を含んで構成される。また、決済用媒体は、決済用カード、例えば、非接触型ICカード、または、非接触型ICカードの機能を内蔵する携帯型端末(PDA)、例えば、スマートフォンや携帯電等である。
非接触型ICカードには、例えば、交通系ICカードや、流通系ICカード等が利用可能である。
【0022】
管理対象装置16は、決済端末15によりユーザによって支払われる料金に応じて、ユーザに対してサービスを提供する装置である。
管理対象装置16は、例えば、ゲーム機、カプセルトイの販売機器、自動販売機や自動券売機、コインロッカーの精算機、または駐輪場や駐車場における精算機である。
また、管理対象装置16が、ゲーム機である場合、イントラネット50とインターネット40とを介して上位装置12と通信を行い、上位装置12の支配下に置かれ、上位装置12からの指示に応じてゲームの進行を行う機能を有する。
【0023】
管理端末17は、決済端末15において決済が行われる際に、決済端末15の後述する表示部154によって表示させるブランド(決済サービス)毎の画像を示す画像情報、および決済端末15の後述する音声出力部155によって再生させるブランド毎の音声を示す音声データ等と、ブランドとを対応付けて管理する。また、管理端末17は、決済端末15において決済が行われる際に用いられる決済端末15側のブランド毎の接続プロトコル(インターフェース)を示す情報等と、ブランドとを対応付けて管理する。
【0024】
店舗20は、決済端末15および管理対象装置16が設置された店舗(施設)である。店舗20は、例えば、ゲームセンター、小売店、交通機関の各駅、または駐輪場や駐車場等である。ここで、店舗20は、商品の販売やサービスの提供を目的とした建物に限られるものではなく、少なくとも商品の販売やサービスの提供が可能な施設であればよい。例えば、複数店舗が収容された複合商業施設やテーマパークなどの施設であってもよい。
なお、ここで言う「施設」とは、法人毎に統括される施設であってもよいし、各地域の支店毎に統括される施設、または建物毎に統括される施設であってもよく、施設が統括される単位や、施設の規模等は任意である。
【0025】
ブランドサーバ30は、定期的(例えば、1日毎、または1週間毎)に決済サーバ10から送信された決済情報を取得する。ブランドサーバ30は、各ブランド(決済サービス)を運営する企業によって管理されるサーバ装置である。ブランドとは、例えば、流通系企業や鉄道系企業によって運営されるプリペイド型電子マネーのブランド、クレジット系企業によって運営されるポストペイ型電子マネーのブランド、または、インターネット決済専用のプリペイド型電子マネーのブランド等である。
【0026】
ここで、ブランドサーバ30におけるブランドは、商品や役務によっては、電子マネーによる決済を利用可能とするか否かを区別したい場合がある。例えば、ゲーム機において提供されるサービスのうち、電子マネーによる決済が可能な対象のサービスと、電子マネーによる決済の対象外のサービスとを分けたい場合がある。このようなブランドのポリシーについては、ブランドマスターリスト(後述する)において反映できるようになっている。
【0027】
また、決済端末15によって決済可能なブランドは、当該決済端末15が設置された店舗20によって異なる。各店舗20では、自らの店舗20に設置された決済端末15によって決済可能なブランドが予め定められている。ユーザは、当該ブランドの決済用媒体を使用して決済を行うことができる。
【0028】
[決済サーバの構成]
次に、決済サーバ10の機能構成について図面を参照して説明する。
図2は、この発明の一実施形態による決済システム1の決済サーバ10の機能構成を示すブロック図である。同図に示す決済サーバ10は、記憶部101と、取得部102と、抽出部103と、決済手数料算出部104と、決済処理部105と、通信部106と、を含んで構成される。
なお、この決済サーバ10は、1台のサーバ装置から構成されていてもよいし、クラウド上に構成されたサーバであってもよい。
【0029】
記憶部101は、サービスIDと利用可能な複数の決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを記憶する(第1記憶部の機能)。この決済ブランドデータは、店舗毎に異なるようにしたデータとして記憶してもよい。例えば、決済ブランドデータは、サービスIDと利用可能な複数の決済ブランドとの対応関係について、店舗毎に表すデータであってもよい。以下、サービスIDと利用可能な複数の決済ブランドとの対応関係を表す決済ブランドデータを、「ブランドマスターリスト」と称する。また、サービスIDと利用可能な複数の決済ブランドとの対応関係について、店舗毎に表した決済ブランドデータを、「店舗テーブル」と称する。
ここでは、決済ブランドのポリシーに応じて電子マネーの利用可否をサービスIDに設定することで、決済ブランドデータをブランドマスターリストとして決済処理において利用することができる。また、電子マネーの利用が許可されている範囲においてさらに、店舗のポリシーに応じて電子マネーの利用可否を設定することで、ブランドマスターリストを店舗テーブルとして決済処理において利用することができる。決済処理においてブランドマスターリストを用いる場合には、少なくとも決済ブランドのポリシーに沿って電子マネーによる決済をすることができる。また、決済処理において店舗テーブルを用いる場合には、決済ブランドのポリシーだけでなく、店舗のポリシーにも沿って電子マネーによる決済をすることができる。例えば、決済ブランドのポリシーにそのまま沿って決済処理を行う店舗では、ブランドマスターリストを用いて決済処理を行ってもよい。決済ブランドのポリシーと店舗のポリシーとの両方に沿って決済処理を行う店舗では、店舗テーブルを用いて決済処理を行ってもよい。
また、記憶部101は、サービスIDと、決済手数料との関係を表す決済手数料テーブルを記憶する(第2記憶部の機能)。また、記憶部101は、サービスIDと、決済端末の表示画面に表示させる表示態様との関係を表す表示態様リストを記憶する(第3記憶部)。
また、記憶部101は、決済情報を記憶する。
【0030】
図3は、記憶部101に記憶されるブランドマスターリストの一例を示す図である。
ブランドマスターリストは、サービスIDと、電子マネーによる決済が可能であるか否かを示す情報とをブランド毎に示すデータである。具体的には、ブランドマスターリストは、サービスIDとブランドとが対応付けられたデータである。
【0031】
より具体的には、本実施形態においては、サービスID「S1」は、イニシャルインカムを表す。例えば、ゲームを1回または複数回行うために支払う場面においては、サービスID「S1」が用いられる。サービスID「S2」は、アイテム課金(都度課金)を表す。アイテムをサービスID「S3」は、キャラクタとアイテムのうち少なくともいずれか一方を抽選(ガチャ)によって付与する抽選課金(都度課金)を表す。
【0032】
ブランドは、決済サービスのブランドを表す。
電子マネーによる決済が可能であるか否かについては、ブランド毎の方針(ポリシー)に応じて予め設定される。また、ブランドのポリシーに変更があった場合には、ブランドサーバ30からの要求または、決済サーバ10の管理者からの操作入力に応じて、ブランドマスターリストを更新することが可能である。これにより、ブランドのポリシーとブランドマスターリストの内容とを一致させることができる。
【0033】
この図の例では、ブランドBr01、Br02、Br03、Br04、Br05の5つのブランドがあり、サービスIDがS1、S2、S3の3種類がある場合について図示されている。そして決済サービスを利用可能な場合には「○」、利用できない場合には「×」が設定される。例えば、サービスID「S2」については、ブランドBr01、Br02、Br03、Br04については「○」であり、電子マネーによる決済を利用可能であることが示されており、ブランドBr05については、「×」であり、電子マネーによる決済を利用することができないことを示す。
【0034】
図4は、記憶部101に記憶される店舗テーブルの一例を示す図である。店舗テーブルは、ブランドマスターリストにおいて決済サービスを利用可能な範囲において、店舗のポリシーに応じて電子マネーによる決済を利用可能であるか否かをブランド毎に表す。
店舗テーブルは、店舗ID、端末ID、サービスID、ブランドが対応付けられたデータである。店舗IDは、店舗(施設)を識別する識別情報である。端末IDは、決済端末を識別する識別IDである。端末IDは、端末を個別に識別する識別情報である。
この図では、店舗が店舗ID「A」、「B」、「C」の3つの店舗があり、店舗ID「A」が示す店舗には、端末ID「pt000001」、「pt000002」、「pt000003」の3つの決済端末15が設けられていることが示されている。そして端末ID「pt000001」では、サービスIDが「S1」、「S2」、「S3」の3つのサービスに対応しており、端末ID「pt000002」では、サービスIDが「S1」、「S2」の2つのサービスに対応していることを示している。
【0035】
端末ID「pt000001」のサービスID「S1」では、ブランドBr01、Br02、Br03、Br04、Br05についていずれも「○」であり、決済サービスを利用可能であることを表しており、サービスID「S2」では、ブランドBr01、Br02、Br03については「○」であるが、Br04、Br05については「×」であり、決済サービスの利用対象外であることを示している。ここでは、ブランドマスターリストにおいて、サービスID「S2」は、ブランドBr01、Br02、Br03、Br04について「○」であるが、店舗テーブルにおいて店舗ID「A」の端末ID「pt000001」のサービスID「S2」では、このブランドマスターリストにおいて許可された範囲(ブランドBr01、Br02、Br03、Br04の4つ)のうち、ブランドBr01、Br02、Br03について「○」であり、ブランドBr04については、「×」となっており、店舗のポリシーがブランドBr04について利用しないことを示している。なお、ブランドマスターリストにおいて電子マネーによる決済の利用が許可されていない場合(「×」である場合)、店舗テーブルにおいて「○」を設定できないか、あるいは「○」が設定されたとしても、そのブランドは利用することができない。
【0036】
図5は、記憶部101に記憶される決済手数料テーブルの一例を示す図である。
決済手数料テーブルは、サービスIDと手数料とが対応付けられたデータである。
この図では、サービスID「S1」の手数料が「3%」に設定されており、サービスID「S3」の手数料が「10%」に設定されている。この手数料は、決済金額のうち、手数料として支払い先に対して支払う割合を示している。例えば、支払い先としては、予め定められていればよく、例えばサービスIDが示すサービスを提供する提供元であってもよい。手数料がサービス提供元に支払われることによりサービス提供元に対して、ユーザの利用に応じた対価を支払うことができ、サービス提供に対するインセンティブを高めることができる。
【0037】
図6は、記憶部151に記憶される表示態様リストの一例を示す図である。
表示態様リストは、サービスIDと、表示態様とが対応付けられたデータである。表示態様は、決済端末15の表示部154に決済処理に関連する画面を表示させる場合の表示態様を示すものであり、どのサービスの種別に対する決済を行うものであるかを識別できる態様となっていればよく、例えば、表示画面の背景の色、背景の模様、タッチ可能なボタンが配列されるレイアウト、ボタンの形状、ブランドのマーク、ブランドの名称等を規定するものである。
このように、サービスIDに応じて異なる表示態様にて決済における表示画面を表示することにより、ユーザは、いずれのサービス種別に対する決済を行おうとしているかについて表示態様を手がかりにして簡単に把握することが可能である。
このような表示態様リストは、管理端末17から受信して記憶されるようにしてもよい。
【0038】
記憶部101は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive;ハードディスクドライブ)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory;イーイーピーロム)、RAM(Random Access read/write Memory;読み書き可能なメモリ)、ROM(Read Only Memory;読み出し専用メモリ)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0039】
取得部102は、上位装置12から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を通信部106によって取得する。
【0040】
抽出部103は、取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを決済ブランドデータから抽出する。例えば、抽出部103は、取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドをブランドマスターリストまたは店舗テーブルから抽出する。
また、抽出部103は、取得したサービスIDに応じた表示態様を表示態様テーブルから抽出する。
【0041】
決済手数料算出部104は、取得したサービスIDに応じた決済手数料について、決済手数料テーブルを参照して読み出すことによって求める。
【0042】
決済処理部105は、前記決済端末15から決済の要求を受けると、記憶部101を参照し、決済端末15から送信される決済端末識別情報に基づいて、決済端末15が設けられた店舗20を特定し、特定された店舗20において利用可能なブランドを特定し、特定されたブランドのうち対応可能なブランドによって、決済の要求に対応した決済の処理を行う。
取得部102、抽出部103、決済手数料算出部104、決済処理部105は、例えば、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)を含んで構成される。
【0043】
通信部106は、インターネット40と通信接続する通信インターフェースである。
通信部106は、インターネット40を介して、決済サーバ10とブランドサーバ30との間におけるデータの送受信を行う。また、通信部106は、インターネット40およびイントラネット50を介して、上述した接続プロトコル(インターフェース)によって、決済サーバ10と決済端末15との間におけるデータの送受信を行う。
【0044】
通信部106は、抽出部103によって抽出された決済ブランド、決済処理部105から得られる決済金額を外部装置と通信することによって出力する。また、通信部106は、抽出部103によって抽出された決済ブランドに応じた表示態様を(例えば決済端末15)に通知することで、決済金額を表示画面に表示させる。
【0045】
[決済端末の構成]
次に、決済端末15および管理対象装置16の機能構成について図面を参照して説明する。
図8は、この発明の一実施形態による決済システム1の決済端末15の機能構成を示すブロック図である。同図に示す決済端末15は、制御部150と、記憶部151と、決済用媒体RW(リーダ・ライタ)部152と、照明部153と、表示部154と、音声出力部155と、通信部156と、パルス送信部157と、を含んで構成される。
【0046】
制御部150は、決済端末15の各機能ブロックによって行われる処理を制御する。制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)を含んで構成される。
【0047】
制御部150は、上位装置12から受信した内容に基づいて、決済金額と決済の可否をユーザに問い合わせる表示画面を表示することで、課金案内をする。
制御部150は、上位装置12から、サービスの種別を表すサービスIDと、決済金額とを含む決済情報を取得し、取得したサービスIDと決済金額とを決済サーバ10に送信する。
制御部150は、取得したサービスIDに応じた表示態様に従って、抽出された決済ブランドと決済金額とを表示装置に表示させる。
【0048】
記憶部151は、決済端末15によって決済可能なブランドに関するブランド情報、および決済が行われる際に用いられる決済端末15側のブランド毎の接続プロトコル(インターフェース)等を予め管理端末17から送信されて記憶している。
記憶部151は、記憶媒体、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0049】
決済用媒体RW部152は、決済用媒体(例えば、ICカード)からの決済情報の読み出し、および決済用媒体への決済情報の書き込みを行う。
【0050】
照明部153、表示部154、および音声出力部155は、決済端末15を利用するユーザに対して、照明、画像、および音声により通知や警告等を行うためのユーザインタフェースである。
照明部153は、例えば、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)、白熱電球、または蛍光灯等を含んで構成される。表示部154は、ディスプレイ、例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)、または有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイを含んで構成される。音声出力部155は、スピーカーを含んで構成される。
【0051】
通信部156は、イントラネット50およびインターネット40を介して、決済サーバ10、および管理端末17との通信を行う。
【0052】
パルス送信部157は、行われた決済の金額に応じたパルス信号を発生し、当該パルス信号を管理対象装置16へ送信する。例えば、当該パルス信号は、管理対象装置16において上記と同じ金額の硬貨(現金)が投入された際に管理対象装置16に入力されるパルス信号と同一のパルス信号である。これにより、管理対象装置16は、電子マネーによる支払いであっても、現金による支払いであっても、金額が同じ場合には同様の処理を行うことができる。
抽出部158は、取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを記憶部151に記憶された決済ブランドデータから抽出する。例えば、抽出部158は、取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドをブランドマスターリストまたは店舗テーブルから抽出する。また、抽出部158は、取得したサービスIDに応じた表示態様を表示態様テーブルから抽出する。
【0053】
なお、この実施形態において、管理対象装置16と決済端末15とが別の装置である場合について説明するが、決済端末15の機能を実現する決済モジュールを管理対象装置16に搭載することで、決済端末15と管理対象装置16とを一体として構成するようにしてもよい。
【0054】
[決済情報の構成]
次に、上述した決済情報の構成について図面を参照して説明する。
図7は、この発明の一実施形態による決済システム1の決済サーバ10の記憶部101に記憶される決済情報のテーブルの一例を示す図である。
【0055】
決済情報は、
図7に示すテーブルによって構成される。
図7に示すテーブルは、決済端末IDと、決済端末決済情報とが対応付けられたデータである。当該決済端末決済情報には、決済金額と、日時と、媒体種別と、媒体IDと、ブランドIDと、手数料を示すデータが含まれる。
決済情報は、決済端末15が決済サーバ10に対して決済を要求する際に決済端末15から決済サーバ10へ送信される、当該決済端末15の決済端末IDと決済端末決済情報とに基づいて決済サーバ10によって生成され、記憶部101に記憶される。
【0056】
[決済システムの動作]
次に、決済システム1の動作について図面を参照して説明する。
《決済ブランドデータの更新処理》
図9は、この発明の一実施形態による決済システム1における決済ブランドデータの更新処理の一例を示すシーケンス図である。
決済サーバ10は、決済ブランドデータを管理する管理者の端末装置から、決済ブランドデータの更新内容と更新要求が入力されると、その更新内容と更新要求を受け付け(ステップS100)、その更新内容に応じて、記憶部101に記憶された決済ブランドデータを更新する。例えば、更新内容に応じた、新たな決済ブランドデータに書き換える。
決済ブランドデータが更新されると、決済サーバ10の通信部106は、更新された後の決済ブランドデータを決済端末15に送信する(ステップS102)とともに、決済モジュールを有している管理対象装置16に送信する(ステップS103)。ここでは、決済モジュールを有していない管理対象装置16については、決済ブランドデータを送信しても送信しなくてもよい。
【0057】
決済端末15の制御部150は、通信部156を介して決済ブランドデータを受信すると、受信した決済ブランドデータを記憶部151に記憶することで、記憶部151に記憶された決済ブランドデータを更新する(ステップS104)。
決済モジュールを有する管理対象装置16は、決済ブランドデータを受信すると、受信した決済ブランドデータを、決済モジュール内の記憶部に記憶することで、記憶部に記憶された決済ブランドデータを更新する(ステップS105)。
【0058】
このような決済ブランドデータの更新は、更新が必要となったタイミングで実行してもよいし、定期的に、最新の決済ブランドデータを決済端末15等に送信することで、最新の決済ブランドデータとなるようにしてもよい。また、決済端末15または、決済モジュールを有する管理対象装置16からの要求に応じて、最新の決済ブランドデータを決済サーバ10から要求元の決済端末15または、決済モジュールを有する管理対象装置16に送信するようにしてもよい。
例えば、決済サーバ10において、ブランドマスターリストが更新された場合には、その更新された後のブランドマスターリストが決済端末15と、決済モジュールが搭載された管理対象装置16とに送信される。これにより、決済端末15と、決済モジュールが搭載された管理対象装置16とにおいてブランドマスターリストが更新される。また、決済サーバ10において、店舗テーブルが更新された場合には、その更新された後の店舗テーブルが決済端末15と、決済モジュールが搭載された管理対象装置16とに送信される。これにより、決済端末15と、決済モジュールが搭載された管理対象装置16とにおいて店舗テーブルが更新される。
【0059】
《決済処理》
図10は、この発明の一実施形態による決済システム1における決済処理の一例を示すシーケンス図である。
この実施形態では、決済サーバ10の抽出部103と決済端末15の抽出部158とのうち、決済端末15の抽出部158が、サービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを決済ブランドデータから抽出する場合について説明する。
上位装置12と管理対象装置16は、通信を行い、提供サービスに応じた処理を行う(ステップS200)。例えば、上位装置12は、管理対象装置16に対してメニュー画面を表示させる。管理対象装置16は、上位装置12からの制御に基づいて、例えば、「ゲームを始める」、「アイテムを購入する」、「抽選を行う」の3つの選択肢を含むメニュー画面を表示する。
ここでは、3つの選択肢が表示される場合について説明するが、ゲームが既にスタートしており、アイテムを購入可能なシーンに到達した場合には、「アイテムを購入しますか」等の案内画面が管理対象装置16のゲーム表示画面に表示されるとともに、上位装置12によって決定される、アイテム購入のための決済金額がゲーム表示画面と決済端末15の表示画面に表示される。ここでは、これらの情報は、管理対象装置16のゲーム表示画面と決済端末15の表示画面との両方に表示されてもよいが、決済端末15の表示画面にのみ表示されてもよい。また、抽選可能なシーンに到達した場合には、「抽選を行いますか」等の案内画面が管理対象装置16のゲーム表示画面に表示されるとともに、上位装置12によって決定される、抽選を行うための決済金額がゲーム表示画面と決済端末15の表示画面に表示される。
【0060】
ユーザは、管理対象装置16の表示画面に表示されたメニュー画面の選択肢のうち、希望するサービスを選択する。管理対象装置16は、メニュー画面におけるいずれかの選択肢のボタンがユーザによってタッチ操作されると、操作された選択肢を表すサービス内容を上位装置12に送信する(ステップS201)。例えば、ユーザによって「抽選を行う」が選択された場合には、管理対象装置16は、上位装置12に対して「抽選を行う」を示すサービス内容を送信する。
【0061】
上位装置12は、サービス内容を管理対象装置16から受信すると、受信したサービス内容に応じたサービスIDを特定し、特定されたサービスIDと、サービスIDに応じた決済金額とともに管理対象装置16に送信する(ステップS202)。例えば、上位装置12は、サービスID「S3」と決済金額「1,000円」とを管理対象装置16に送信する。ここで、提供可能なサービスとして複数の候補がある場合には、上位装置12は、サービスID「S3」と第1候補の決済金額「500円」、第2候補の決済金額「1,000円」のように、複数の決済金額を送信してもよい。
【0062】
管理対象装置16は、サービスIDと決済金額とを受信すると、自管理対象装置16に接続された決済端末15に対し、受信したサービスIDと決済金額とを送信する(ステップS203)。決済端末15の制御部150は、管理対象装置16からサービスIDと決済金額とを受信すると、記憶部151を参照し、サービスIDに応じた、利用可能なブランドを抽出するとともに(ステップS204)、サービスIDに応じた表示態様を特定し、特定された表示態様に基づいて、決済画面を表示する(ステップS205)。
【0063】
図11は、決済端末15の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
特に
図11では、決済サーバ10から受信したサービスIDが「S3」の場合に、決済サーバ10から受信した決済金額が表示される画面を示す。この画面では、決済金額として「500円」と「1,000円」のうちいずれかを選択可能な選択肢が表示される。ここで決済端末15は、決済サーバ10から受信したサービスIDに応じた表示態様に従って、表示画面を表示する。ユーザは、この選択肢のなかから希望する決済金額のボタンをタッチすることで金額を選択する。例えば、ユーザは、500円分の抽選を希望する場合には「500円」を選択し、1,000円分の抽選を希望する場合には「1,000円」を選択してタッチ入力をする。決済金額が指定されると、決済端末15は、ブランドを選択する選択画面を表示する。ここで、金額の選択肢がない場合(候補が1つのみの場合)には、
図11に示す金額選択の画面を表示する処理をスキップしてもよい(表示しない)。
【0064】
図12は、決済端末15の表示画面に表示される、ブランドを選択する選択画面の一例を示す図である。
特に
図12では、サービスIDに応じた利用可能なブランドが選択可能に表示される画面を示す。ここで決済端末15は、記憶部151から読み出したサービスIDに応じた表示態様に従って、表示画面を表示する。例えば、店舗ID「A」、端末ID「pt000001」、サービスID「S3」である場合、「Br01」と「Br02」との2つのブランドが利用可能であるため、ブランドの選択画面においては、「Br01」、「Br02」の選択ボタンが表示される。
【0065】
図13は、決済端末15の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
特に
図13では、決済サーバ10から受信したサービスIDが「2」の場合に決済金額が表示される画面を示す。この画面では、上位装置12から指定された決済金額が「100円」であり、決済可能なブランドが選択可能に表示される画面を示す。ここで決済端末15は、決済サーバ10から受信したサービスIDに応じた表示態様に従って、表示画面を表示する。
図11、
図12では、サービスIDが「S3」の場合であり、
図13ではサービスIDが「S2」の場合であるため、
図11及び
図12と、
図13とでは、背景の色、選択ボタンの色、選択ボタンのデザイン等が異なる。店舗ID「A」、端末ID「pt000001」、サービスID「S2」である場合、利用可能なブランドは、5つのブランドのうち、3つのブランドであるため、この画面では、利用可能なブランドとして「Br001」、「Br002」、「Br003」の3つの選択ボタンが表示される。
【0066】
決済端末15は、ユーザから決済金額とブランドとについて選択入力を受け付けると、「電子マネーカードをタッチして下さい」等のメッセージを表示画面に表示する。そして、選択されたブランドに応じた決済用媒体が、決済端末15の決済用媒体RW部152の通信可能な距離内に近づけられる(例えば、翳される)と、決済用媒体から決済用媒体RW部152へ、当該決済用媒体の媒体種別を示す情報、および当該決済用媒体を識別する媒体ID(決済用媒体識別情報)が送信される。これにより、決済媒体15は、これらの情報を決済用媒体から取得する(ステップS207)。なお、媒体種別を示す情報には、当該決済用媒体のブランドを示す情報が含まれる。
【0067】
また、決済端末15は、決済金額を決済用媒体RW部152を介して決済用媒体へ送信する。決済用媒体は、受信した当該決済金額に基づいて、自らの決済用媒体に記憶されている金額に関する情報を更新する。例えば、決済用媒体は、自ら記憶している、チャージされている金額を示す情報を読み出し、当該情報を、当該チャージされている金額から決済金額分を差し引いた金額を示す情報によって更新する。
決済端末15は、決済金額、決済用媒体が近づけられた日時、媒体種別を示す情報(ブランドを示す情報)、ステップS103において受信していたサービスID、媒体IDに基づいて決済端末決済情報を生成し、自らの決済端末15を識別する決済端末IDとともに決済サーバ10に送信する(ステップS208)。
【0068】
決済サーバ10は、決済端末15から送信される、決済端末決済情報と決済端末IDとを受信する(ステップS209)。
決済サーバ10の決済手数料算出部104は、手数料テーブルを参照し、サービスIDに応じた手数料を読み出す(ステップS210)。
決済処理部105は、決済端末決済情報に含まれる、決済金額、日時、媒体種別を示す情報(ブランドを示す情報)、サービスID、媒体ID、手数料、決済端末IDを対応づけて記憶部101に記憶し(ステップS211)、媒体種別を示す情報に対応するブランドによって決済処理をする(ステップS212)。
決済処理部105は、決済処理を行うと、決済端末15に決済完了通知を送信する(ステップS213)。
【0069】
決済端末15は、決済完了通知を決済サーバ10から受信すると、管理対象装置16に決済完了通知を送信する(ステップS214)。管理対象装置16は、決済端末15から決済完了通知を受信すると、サービスIDに応じたサービス提供をする(ステップS215)。例えば、管理対象装置16と上位装置12とが通信を行うことで、サービスIDに応じて、ゲームの開始、アイテムの販売、アイテムの抽選等のいずれかの処理を行うことで、提供サービスに応じた処理を行う(ステップS216)。
【0070】
以上説明した実施形態によれば、サービスIDに応じた利用可能なブランドを、ブランドマスターリストを参照することで抽出することができるため、利用対象外のブランドを店舗毎のポリシーよりも前の段階において排除することができる。
また、ブランドマスターリストを用いて利用可能なブランドが識別された後、店舗毎にポリシーに基づいて、利用可能なブランドの中から、店舗が利用するブランドを抽出することができるため、利用可能なブランドの中から、店舗の方針に応じて選択することができる。
【0071】
また、上述した実施形態においては、決済端末15が、
図10ステップS204において、決済端末15の記憶部151に記憶された決済ブランドデータを参照することで、サービスIDに応じたブランドを抽出する場合について説明した。しかし、別の処理として、決済サーバ10の抽出部103が、サービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを決済ブランドデータから抽出するようにしてもよい。この場合、例えば、決済端末15がサービスIDを決済サーバ10に送信し、決済サーバ10が、記憶部101に記憶された決済ブランドデータを参照することで、サービスIDに応じたブランドを抽出し、抽出されたブランドを、決済端末15に通知するようにしてもよい。この場合、決済端末15は、決済ブランドデータを記憶していなくても、決済サーバ10に要求することで、サービスIDに応じたブランドがいずれであるかを得ることができる。
また、抽出部の機能は、決済サーバ10、決済端末15、決済モジュールを有する管理対象装置16のそれぞれに設けられ、いずれかの装置における抽出部が、サービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを決済ブランドデータから抽出するようにしてもよい。また、決済サーバ10、決済端末15、決済モジュールを有する管理対象装置16のそれぞれに、必ずしも抽出部が設けられていなくてもよく、例えば、いずれか1つ、またはいずれか2つに抽出部が設けられるようにしてもよい。この場合、抽出部が設けられた装置において、サービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを決済ブランドデータから抽出するようにしてもよい。
また、決済ブランドデータは、抽出部が設けられた装置が有する記憶部に記憶されていてもよいし、抽出部が設けられた装置とは異なる装置が有する記憶部に記憶されていてもよい。この場合、抽出処理を実行する際に、抽出部が設けられた装置と、決済ブランドデータが記憶された記憶部が備えられた装置とが通信を行うことで、抽出部が、決済ブランドデータを参照するようにしてもよい。
【0072】
上述した実施形態において、ブランドマスターリスト、店舗テーブル、手数料テーブル、表示態様テーブルが決済サーバ10に記憶されている場合について説明したが、決済端末15が、1日1回など予め決められたタイミングで、決済サーバ10にアクセスし、ブランドマスターリスト、店舗テーブル、手数料テーブル、表示態様テーブルのうち少なくともいずれか1つを受信して記憶部151に記憶しておくようにしてもよい。この場合、決済端末15は、決済を行う場合に、ブランドマスターリスト、店舗テーブル、手数料テーブル、表示態様テーブルのうち、記憶部151に記憶されたデータを参照し、利用可能なブランドの抽出や、表示態様IDの特定をするようにしてもよい。
この場合、決済端末15は、サービスIDと利用可能な決済ブランドとの対応関係を表すブランドマスターリストを記憶する記憶部から、取得したサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを抽出する抽出部の機能と、抽出された決済ブランドと決済金額とを出力する出力部の機能とを有するようにしてもよい。
【0073】
なお、上述した実施形態における上位装置12に対し、他の機能を追加することもできる。
図14は、上位装置12の他の実施形態である上位装置12Aの構成を示す概略機能ブロック図である。
上位装置12Aは、決済情報生成部121、抽出部122、出力部123を含む。
決済情報生成部121は、サービスの提供内容に応じて決済金額を決定し、サービスの提供内容に応じたサービスIDと当該決定された決済金額とを含む決済情報を生成する。
抽出部122は、サービスIDと利用可能な決済ブランドとの対応関係を表すブランドマスターリストを記憶する記憶部から、決済情報に含まれるサービスIDに応じた、利用可能な決済ブランドを抽出する。この記憶部は、例えば決済サーバ10の記憶部101であってもよい。また、決済サーバ10から定期的にブランドマスターリストを受信して上位装置12A内の記憶部に記憶しておき、これを参照するようにしてもよい。
出力部123は、抽出された決済ブランドと決済金額とを出力する。出力先は、決済端末15であってもよいし、管理対象装置16であってもよい。
【0074】
上述した実施形態における取得部102、抽出部103、決済手数料算出部104、決済処理部105の機能、決済情報生成部121、抽出部122、出力部123の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0075】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1・・・決済システム、10・・・決済サーバ、15・・・決済端末、16・・・管理対象装置、17・・・管理端末、20・・・店舗、30・・・ブランドサーバ、40・・・インターネット、50・・・イントラネット、101・・・記憶部、102・・・取得部、103,158・・・抽出部、104・・・決済手数料算出部、105・・・決済処理部、106・・・通信部、121・・・決済情報生成部、122・・・抽出部、123・・・出力部、150・・・制御部、151・・・記憶部、152・・・決済用媒体RW部、153・・・照明部、154・・・表示部、155・・・音声出力部、156・・・通信部、157・・・パルス送信部