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特開2023-173102収容ボックスシステム、及び、アドレス設定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173102
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】収容ボックスシステム、及び、アドレス設定方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/12 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A47G29/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085104
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100163533
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 義信
(74)【代理人】
【識別番号】100199842
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 祥平
(72)【発明者】
【氏名】山本 守
(72)【発明者】
【氏名】西田 鉄郎
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA02
3K100CA45
3K100CA48
3K100CA51
3K100CC05
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】 収容ボックス毎に複数のセンサ・電子錠等を配置した場合であっても、配線に必要なケーブル数を従来よりも減少させ、組み立て時等における配線の手間を低減可能な収容ボックスシステムの提供。
【解決手段】 センサ(412~414)と電子錠(410、411)とがそれぞれ設置された複数の収容ボックス(101、104、106)と、上記センサと上記電子錠とを制御する制御装置(300)と、を備える収容ボックスシステムであって、上記収容ボックスは、上記センサと上記電子錠とに接続されたコントロール基板(205、305)をそれぞれ有し、上記制御装置と上記コントロール基板とは、上記制御装置をマスタとしてシリアル接続される、収容ボックスシステム。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサと電子錠とがそれぞれ設置された複数の収容ボックスと、
前記センサと前記電子錠とを制御する制御装置と、を備える収容ボックスシステムであって、
前記収容ボックスは、前記センサと前記電子錠とに接続されたコントロール基板をそれぞれ有し、
前記制御装置と前記コントロール基板とは、前記制御装置をマスタとしてシリアル接続される、収容ボックスシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、複数の前記コントロール基板のアドレスを設定するためのアドレス設定部を有し、
前記アドレス設定部は、前記センサの所定のステータスを意味する信号の受信順に前記アドレスを設定する、請求項1に記載の収容ボックスシステム。
【請求項3】
前記信号が、閉扉、又は、開扉を意味する信号である、請求項2に記載の収容ボックスシステム。
【請求項4】
前記収容ボックスは、前記アドレスの設定状態を表示する表示灯を有する、請求項2又は3に記載の収容ボックスシステム。
【請求項5】
前記収容ボックスは、それぞれ複数の前記電子錠を備え、
複数の前記電子錠は、前記コントロール基板と接続される、請求項1に記載の収容ボックスシステム。
【請求項6】
前記収容ボックスは、それぞれ複数の前記コントロール基板を備え、
複数の前記コントロール基板は、
前記制御装置をマスタとして、それぞれ別系統でシリアル接続される、請求項1に記載の収容ボックスシステム。
【請求項7】
前記収容ボックスは、それぞれ複数の前記電子錠を備え、
複数の前記電子錠は、複数の前記コントロール基板のそれぞれと接続される請求項6に記載の収容ボックスシステム。
【請求項8】
請求項2に記載の収容ボックスシステムにおける、前記コントロール基板のアドレスを設定する、アドレス設定方法であって、
前記制御装置は、複数の前記コントロール基板のアドレスを設定するための前記アドレス設定部を有し、
前記アドレス設定部から前記コントロール基板にアドレスの設定開始信号を送信することと、
前記コントロール基板から受信した前記センサの所定のステータスを意味する信号の受信順に、前記アドレス設定部が、前記コントロール基板のアドレスを設定することと、を含むアドレス設定方法。
【請求項9】
前記信号が、閉扉、又は、開扉を意味する信号である、請求項8に記載のアドレス設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容ボックスシステム、及び、アドレス設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅のエントランス、駅、公共施設、及び、会社内等に設置され、荷物、レンタル物、及び、郵便物等(以下、「荷物等」ともいう。)の受け渡し等に使われる収容ボックスシステムが知られている。
収容ボックスシステムは、一般に、複数の収容ボックスと、収容ボックス毎に施錠(及び解錠)可能な電子錠とを有する。荷物等を渡す者が、収容ボックスに荷物等を収容し、電子錠を施錠状態とし、受け取る者が電子錠を解錠状態とすることで、渡す者と受け取る者とが対面せずとも、安全に荷物等を受け取ることができる。
【0003】
このような収容ボックスシステムとして、特許文献1には、「制御部とロッカー・ボックスとからなるコントロール・ユニット及びロッカー・ボックスからなるボックス・ユニットから構成される荷物等自動管理ロッカー装置において、各コントロール・ユニット及び各ボックス・ユニットに、アドレスを有し、かつ、マイコンを搭載したボックスIF基板を設置し、制御部とコントロール・ユニットのボックスIF基板とをフラット・ケーブルで接続し、マルチドロップ型のシリアル通信を用い、同様にボックス・ユニットのボックスIF基板間をフラット・ケーブルで接続し、マルチドロップ型のシリアル通信を用い、各ボックスIF基板は、そのユニットの扉センサー、荷物センサー、人体センサー及び電気錠と接続してあり、各ユニットのマイコン搭載のボックスIF基板は同一ユニットの扉センサー、荷物センサー及び人体センサーの出力信号を時分割方式で常時監視し、当該情報をボックスIF基板に搭載されたメモリーに記憶し、次に、制御部からの要求信号に対して、当該メモリーに記憶している情報を制御部に送信し、一方、制御部からの要求信号によって、各ボックスIF基板が該当するロッカー・ボックスの電気錠に施解錠信号を送信することを特徴とする荷物等自動管理ロッカー装置。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-272054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、収容ボックスシステムは、限られた設置スペースを活用して、小サイズの荷物等を多数収容可能とするために、小サイズ多段化が求められている。また、高機能化も進み、収容ボックス毎に、複数の電子錠、及び/又は、複数種類のセンサ(荷物センサ、扉センサ、及び、ロックセンサ等)が備えられることも多くなってきた。
【0006】
特許文献1に記載の荷物等自動管理ロッカー装置では、ボックスIF基板から、それぞれのロッカー・ボックスが有する電気錠・センサ等が個々に配線、接続されているため、多数の配線用のケーブルを使用しなければならず、配線のスペースが圧迫されたり、IF基板上のコネクタ実装数(スペース)が多くなったりするという問題があった。
また、多数の配線用ケーブルを使用するため、配線用ケーブル自体のコストにより全体のコストが高くなってしまう問題や、多数のケーブルを設置現場で配線しなければならず、設置の手間の点でもコストが高くなってしまうという問題もあった。
また、顧客の要望に応じて組み込むセンサの種類や数を変更しようとすると、都度ロッカー・ボックス全体の配線を変更しなければならないという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は、収容ボックス毎に複数のセンサ・電子錠等を配置した場合であっても、配線に必要なケーブル数を従来よりも減少させ、組み立て時等における配線の手間を低減可能な収容ボックスシステムを提供することを課題とする。また、本発明は、アドレス設定方法を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決することができることを見出した。
【0009】
[1] センサと電子錠とがそれぞれ設置された複数の収容ボックスと、
上記センサと上記電子錠とを制御する制御装置と、を備える収容ボックスシステムであって、上記収容ボックスは、上記センサと上記電子錠とに接続されたコントロール基板をそれぞれ有し、
上記制御装置と上記コントロール基板とは、上記制御装置をマスタとしてシリアル接続される、収容ボックスシステム。
[2] 上記制御装置は、複数の上記コントロール基板のアドレスを設定するためのアドレス設定部を有し、上記アドレス設定部は、上記センサの所定のステータスを意味する信号の受信順に上記アドレスを設定する、[1]に記載の収容ボックスシステム。
[3] 上記信号が、閉扉、又は、開扉を意味する信号である、[2]に記載の収容ボックスシステム。
[4] 上記収容ボックスは、上記アドレスの設定状態を表示する表示灯を有する、[2]又は[3]に記載の収容ボックスシステム。
[5] 上記収容ボックスは、それぞれ複数の上記電子錠を備え、複数の上記電子錠は、上記コントロール基板と接続される、[1]に記載の収容ボックスシステム。
[6] 上記収容ボックスは、それぞれ複数の上記コントロール基板を備え、
複数の上記コントロール基板は、上記制御装置をマスタとして、それぞれ別系統でシリアル接続される、[1]に記載の収容ボックスシステム。
[7] 上記収容ボックスは、それぞれ複数の上記電子錠を備え、複数の上記電子錠は、複数の上記コントロール基板のそれぞれと接続される[6]に記載の収容ボックスシステム。
[8] [2]に記載の収容ボックスシステムにおける、上記コントロール基板のアドレスを設定する、アドレス設定方法であって、上記制御装置は、複数の上記コントロール基板のアドレスを設定するための上記アドレス設定部を有し、上記アドレス設定部から上記コントロール基板にアドレスの設定開始信号を送信することと、上記コントロール基板から受信した上記センサの所定のステータスを意味する信号の受信順に、上記アドレス設定部が、上記コントロール基板のアドレスを設定することと、を含むアドレス設定方法。
[9] 上記信号が、閉扉、又は、開扉を意味する信号である、[8]に記載のアドレス設定方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、収容ボックス毎に複数のセンサ・電子錠等を配置した場合であっても、配線に必要なケーブル数を従来よりも減少させ、組み立て時等における配線の手間を低減可能な収容ボックスシステムが提供できる。また、本発明によれば、アドレス設定方法も提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】収容ボックスシステム(第1の実施形態)の外観模式図である。
図2】収容ボックスシステムが有する収容ボックスの説明図である。
図3】収容ボックスシステムの一部概略図である。
図4】コントロールユニットのハードウェア構成図である。
図5】ボックスユニットのハードウェア構成図である。
図6】アドレス設定部によるコントロール基板のアドレス設定方法のフロー図である。
図7】順次、複数のコントロール基板のアドレスを設定する場合のアドレス設定方法のフロー図である。
図8】収容ボックスシステムによる、荷物の取り出しに係るタッチパネルディスプレイの画面表示の遷移の一例を表す図である。
図9】制御装置とコントロール基板との通信データの概要を表す図である。
図10】収容ボックスシステム(第2の実施形態)の一部概略図である。
図11】収容ボックスシステム(第2の実施形態)のコントロールユニットのハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される範囲は、「~」の前後に記載される値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0013】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化した一例であって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、及び、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があり、また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なることがある。
【0014】
[収容ボックスシステム(第1の実施形態)]
本発明の第1の実施形態に係る収容ボックスシステム(以下「本収容ボックスシステム」ともいう。)は、センサと電子錠とがそれぞれ設置された複数の収容ボックスと、上記センサと前記電子錠とを制御する制御装置と、を備える収容ボックスシステムであって、上記収容ボックスは、上記センサと上記電子錠とに接続されたコントロール基板をそれぞれ有し、上記制御装置と上記コントロール基板とは、上記制御装置をマスタとしてシリアル接続される。
以下、図面を参照しながら、本収容ボックスシステムについて説明する。
【0015】
まず、図1は、本収容ボックスシステムの外観模式図であり、図2は、本収容ボックスシステムが有する収容ボックスの説明図である。
【0016】
図1に示されるとおり、収容ボックスシステム100は、複数の収容ボックス101a~101dと、タッチパネルディスプレイ102に接続された制御装置(詳細は後述する)とを含むコントロールユニット103と、複数の収容ボックス104a~104dを含み、制御装置を含まないボックスユニット105、同様に、複数の収容ボックス106a~106bを含むボックスユニット107を組み合わせて構成される。
【0017】
コントロールユニット103が有する制御装置は、タッチパネルディスプレイ102によって、荷物等の預かり状況を表示したり、ユーザ(荷物等を渡す者、受け取る者)の操作を受け付けたり、各収容ボックスの電子錠、及び、センサを制御する命令を送信したり、その状態を受信したりする。
【0018】
第1の実施形態に係るコントロールユニット103では、制御装置以外にも複数の収容ボックス101a~101dが含まれているとしたが、これに限らず、コントロールユニット103には制御装置が含まれていればよく、収容ボックスが含まれていなくてもよい。
一方で、コントロールユニット103に収容ボックスが含まれる場合は、ボックスユニット105、107との大きさ(高さ、奥行き、及び/又は、幅)をより統一しやすい点で好ましい。
【0019】
コントロールユニット103、及び、ボックスユニット105、107に含まれる収容ボックス101a~101d、104a~104d、106a~106bのサイズは特に制限されず、用途に応じて適宜調整される。各収容ボックスのサイズは、同一でも異なっていてもよい。
例えば、ゴルフバッグが収容できるサイズの収容ボックスと、一般の郵便物が収容できるサイズの収容ボックス(レターボックス)と、をそれぞれ有していてもよい。
【0020】
なお、第1の実施形態では、図1に示した通り、コントロールユニット103及び各ボックスユニット105,107が接するように配列したが、これに限らず、離間して配列させて1つの収容ボックスシステム100としてもよい。
【0021】
また、図1において、収容ボックスシステム100は、コントロールユニット103の1つと、ボックスユニット105、107の2つから構成されているが、本発明の実施形態に係る収容ボックスシステムの構成は上記に制限されない。
例えば、コントロールユニット103に加えて、ボックスユニットを3つ以上有していてもよいし、コントロールユニット103に加えて、ボックスユニットを1つだけ有していてもよい。また、コントロールユニット103のみから構成されていてもよい。
【0022】
次に、収容ボックスシステム100が有する収容ボックスの構造について収容ボックス101aを例に説明する(図2)。なお、収容ボックスシステム100が有する収容ボックスは、サイズが異なる場合であっても、典型的にはハードウェア、機能は同一であってよい。以下では、収容ボックス101aを例に説明するが、収容ボックスシステム100が有する他の収容ボックスの構造も下記と同様である。
【0023】
収容ボックス101aの外形は、略直方体状であり、一方の面(図2では前方側の面)の開口部OPFと、それに対向する他方の面(後方側の面)の開口部OPBとに開口部が形成された筒(角筒)状の本体201と、上記、開口部OPF、OPBを閉鎖可能な扉(前方扉202、後方扉203)とを含む。
前方扉202、及び、後方扉203には、ロックカンヌキ204(後方側は図示せず)が配置され、本体201には、それぞれのロックカンヌキに対応して、扉を施錠可能な電子錠(図示せず)が備えられ、それぞれの電子錠は、電子錠ボックス(前方側電子錠ボックス205a、後方側電子錠ボックス206a)に収容されている。
なお、図2では、各電子錠ボックスが本体201の下方側に配置されているが、この配置は制限されず、中央部、又は、上方側に配置されていてもよい。
【0024】
収容ボックス101aは、前方扉202と、後方扉203とを有するため、例えば、以下のように使用できる。
まず、荷物等を渡す者(配達する者)が前方扉202を解錠して、荷物等を収容し、施錠する。その後、荷物等を受け取る者が後方扉を解錠して、荷物を取り出して施錠する。
このような構成は、例えば、収容ボックスシステム100が集合住宅のエントランス等に配置される場合に、公共スペース(例えば、前方側)と、居住者専用スペース(例えば、後方側)とを、収容ボックスシステム100を境に分離する場合等に有用である。
なお、本発明の実施形態に係る収容ボックスシステムにおいては、個々の収容ボックスが有する扉は、それぞれ1つであってもよい。
【0025】
前方扉202、及び、後方扉203の施錠用の電子錠は、公知の物を特に制限なく使用でき、シリンダ式であってもよいし、アクチュエータ式であってもよい。
【0026】
前方側電子錠ボックスには、いずれも図示しないものの、扉の開閉を検知する(制御装置からの問い合わせに対して、扉の開閉状態を応答する)扉センサ;電子錠のロック状態を検知する(制御装置からの問い合わせに対して、電子錠のロック状態を応答する)ロックセンサ;収容ボックス内に荷物等が載置されているかを検知・応答する荷物センサが収容されている。
なお、荷物センサは、光(例えば、赤外線)を照射する光源と、光源からの光を反射するミラー207と、ミラー207から反射された光を検知する受光部とを有し、光源及び受光部は、前方側電子錠ボックス205a内に収容され、ミラー207は収容ボックス101a内の適当な位置に載置されている。
【0027】
なお、収容ボックス101aは、荷物センサ、ロックセンサ、及び、扉センサを有しているが、本発明の実施形態に係る収容ボックスシステムにおける収容ボックスのそれぞれが有するセンサの種類は上記に制限されず、上記に代えて、又は、上記に加えて、人体センサ、振動センサ、及び、重量センサ等の公知のセンサを有していてもよい。
また、収容ボックスが有するセンサの種類は、3種でなくてもよく、4種以上であってもよいし、1種以上、2種以下であってもよい。
【0028】
例えば、前方扉202及び後方扉203を有する収容ボックス101aでは、ロックセンサ、及び、扉センサを前方扉202及び後方扉203にそれぞれ配置してそれぞれの状態を監視してもよいし、前方扉202又は後方扉203の一方にロックセンサ、及び、扉センサを配置して一方の扉の状態を監視することで、他方の扉の状態を監視してもよい。なお、1つのロックセンサ、及び、扉センサによって、前方扉202、及び、後方扉203の両方の状態を個別に監視できるように構成してもよい。
【0029】
また、前方側電子錠ボックス205aには、コントロール基板が収容されている。コントロール基板は、前方側電子錠、後方側電子錠、及び、各センサに接続される。
詳細は後述するが、制御装置と接続されたコントロール基板は、コントロールユニット103における、下流の(第1の実施形態では下方の)収容ボックスに配置されたコントロール基板とシリアル通信が可能なマルチドロップ接続(単に「シリアル接続」ともいう。)されている。これにより、接続順が最上位のマスタである制御装置から送信される各種コマンドを実行したり、及び、制御装置からの問い合わせに対してセンサのステータスを応答したりする。
【0030】
なお、収容ボックス101aにおいて、センサは前方側電子錠ボックス205aに収容されているが、センサの全部、又は、一部は、後方側電子錠ボックス206aに収容されていてもよい。また、前方側電子錠ボックス205aと、後方側電子錠ボックス206aとに分けて収容されていてもよい。その場合、前方側電子錠ボックス205aに収容されるセンサと、後方側電子錠ボックス206aに収容されるセンサは、同一のものであってもよいし(すなわち、同じセンサが1つの収容ボックスに複数配置されていてもよいし)、異なっていてもよい。
【0031】
また、コントロール基板は、前方側電子錠ボックス205aに収容されているが、後方側電子錠ボックス206aに収容されていてもよい。また、収容ボックスがコントロール基板を複数有する場合、一方のコントロール基板は、前方側電子錠(及び、センサ)を制御し、他方のコントロール基板は、後方側電子錠(及び、センサ)を制御する形態であってもよい。
【0032】
収容ボックスが1つのコントロール基板を有し、この1つのコントロール基板がその収容ボックスに配置された複数の電子錠、及び、センサ等を制御する形態である場合、各収容ボックスを接続するシリアル接続用のケーブル(典型的にはフラットケーブル等であってよい)を一系統、かつ、より短くできるため、ケーブルの取り回しが良く、センサ等の増設も容易で、より優れた本発明の効果が得られる。
【0033】
図3は、収容ボックスシステムの一部概略図である。
まず、コントロールユニット103に配置された制御装置300は、中継装置301aを介して、コントロールユニット103に含まれる収容ボックス101aのコントロール基板302aと接続されている。また、コントロール基板302aと、下流の(下側の)コントロール基板302b~302dとは、ケーブル303によって直列に接続されている。すなわち、制御装置300をマスタとして、コントロール基板302a~302dがシリアル接続されている。
【0034】
また、制御装置300と接続された中継装置301aは、ボックスユニット105に配置された中継装置301bと接続されている。ボックスユニット105の中継装置301bには、コントロールユニット103と同様に、収容ボックス104a~104dのコントロール基板305a~305dがシリアル接続される。
【0035】
コントロール基板302a~302dは、前方側電子錠ボックス205a~205dに収容され、コントロール基板302a~302dは、後方側電子錠ボックス206a~206dに収容された(図示しない)後方側電子錠とも、それぞれケーブル304a~304dによって接続されている。
つまり、各収容ボックスの後方側電子錠は、その収容ボックスのコントロール基板によって制御可能に構成されている。
【0036】
なお、一つの収容ボックスがコントロール基板を複数有する場合、前方側電子錠(及び、センサ)に関する一方のコントロール基板302a~302dを中継装置301aからシリアル接続し、後方側電子錠(及び、センサ)に関する他方のコントロール基板を、前方側電子錠のシリアル接続とは別に、中継装置301aからシリアル接続することもできる。この場合は、一方のコントロール基板は前方側電子錠を、他方のコントロール基板は後方側電子錠をそれぞれ独立して制御する。この実施形態では、前方側電子錠ボックス205a~205dに収容されたコントロール基板302a~302dと、後方側電子錠ボックス206a~206dに収容されたコントロール基板を接続するケーブル304a~304dが不要となり、全体の配線構造をより簡素化することができる。なお、この形態については、後段で「第2の実施形態」として詳述する。
【0037】
以上、コントロールユニット103における各機器の接続について説明したが、制御装置300を有しないボックスユニット105、107についても、図3に示されるとおり、コントロールユニット103と同様である。すなわち、それぞれ中継装置301b、301cを介して制御装置300を接続されたコントロール基板に対して、下流の(図3では下側の)コントロール基板が直列に接続されている。
【0038】
収容ボックスシステム100では、収容ボックスがそれぞれコントロール基板を有し、このコントロール基板に、その収容ボックスに配置された電子錠、及び、センサが接続されている。更に、制御装置とコントロール基板、コントロール基板同士は、シリアル接続(シリアル通信が可能なマルチドロップ接続)されているため、収容ボックスが複数の電子錠・センサを備えていた場合にも、制御装置に対して一対一の配線を行う必要がなく、従来と比較して大幅に必要なケーブル数が少なくなっている。
また、顧客の要望等に応じて、ボックスユニットを増設する場合であっても、中継装置を介して、同様に接続するだけでよく、組み立ての手間が大幅に低減される。
【0039】
更に、収容ボックスあたりのセンサ・電子錠を増やす(例えば、センサを増設する)場合にも、各収容ボックスのコントロール基板に配線すればよいため、収容ボックスシステム全体の配線を変更する必要がない。
【0040】
なお、収容ボックスシステム100は、コントロールユニット103、ボックスユニット105、107にそれぞれ中継装置301a、301b、301cを含むが、本発明の実施形態に係る収容ボックスシステムは上記に制限されない。
例えば、中継装置を有さず、全ての収容ボックスのコントロール基板が、直列に接続されていてもよいし、ボックスユニットにのみ中継装置が含まれていてもよい。
【0041】
また、収容ボックスシステム100では、中継装置301a、301b、301cは、コントロールユニット103、ボックスユニット105、107の上側に配置されているが、この配置についても上記に制限されず、どの部分に配置されていてもよい。
【0042】
次に、収容ボックスシステム100におけるハードウェア構成について、より詳細に説明する。図4は、コントロールユニット103のハードウェア構成図である。また、図5は、ボックスユニット105のハードウェア構成図である。
【0043】
図4に示されるとおり、収容ボックスシステム100のコントロールユニット103は、制御装置300と、中継装置301aと、コントロール基板302a~302d(コントロール基板302dは図示せず)を有する複数の収容ボックスと、を含んで構成される。
【0044】
制御装置300は、コントロールユニット103を含む収容ボックスシステム100全体の動作を制御するコンピュータである。例えば、制御装置300は、所定のタイミングでコントロール基板に指令を送信したり、コントロール基板からデータを受信したりする。
制御装置300は、プロセッサ400、メモリ401、通信部402、アドレス設定部403、及び、入出力部404を含む。
【0045】
プロセッサ400は制御用の集積回路であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やマイクロコントローラ等である。プロセッサ400は、図示しない作業用RAM(Random Access Memory)を有するようにしてよい。メモリ401は、一般的な情報記憶媒体である。メモリ401は、不揮発性メモリであり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、及び、ハードディスク等である。メモリ401は、プログラムや各種データを記憶する。
【0046】
通信部402は、コントロール用の一般的な通信用集積回路、例えば、ASIC(ApplicationSpecificIntegratedCircuit)等の専用の集積回路と、通信インタフェースを含んで構成され、コントロール基板302a~302d、及び、図示しない他のコントロール基板と通信するための通信インタフェースである。
【0047】
アドレス設定部403は、メモリ401に記憶されたプログラムをプロセッサ400が実行することにより実現され、マルチドロップ接続された複数のコントロール基板のアドレスを設定する機能を有する。なお、アドレスの設定方法については後述する。
【0048】
入出力部404は、タッチパネルディスプレイ102等の入出力デバイスを接続するためのインタフェースである。制御装置300は、入出力デバイスを介してユーザからの要求を受け付けたり、ユーザに対して情報を表示したりする。
【0049】
中継装置301aは、コントロールユニット103に含まれる収容ボックスが有するコントロール基板302a~302d、及び、ボックスユニット105、107に含まれる他の中継装置301b、301cと、制御装置300とを接続するための汎用的な入出力ユニットであり、典型的にはハブであってもよい。中継装置は、一般的な通信用集積回路を含む通信制御部と、複数の入出力ポートが備えられている。
【0050】
コントロール基板302aは、制御装置300の指令を受信して電子錠・センサを制御するとともに、制御装置300に対してセンサステータスを応答する制御用の電子基板である。コントロール基板302a~302dは、プロセッサとメモリとを含んで構成されるコントローラ405と、電子錠I/F406(インタフェース)と、センサI/F407と、上位通信ポート408と、下位通信ポート409とを含む。
【0051】
電子錠I/F406には、前方側電子錠410、及び、後方側電子錠411が接続されている。また、センサI/F407には、荷物センサ412、扉センサ413、ロックセンサ414がそれぞれ接続されている。
【0052】
コントロール基板302aは、自身の上位及び下位の少なくとも一方に他の機器が接続されており、その接続順位は(中継装置301aを介しても介さなくてもよいが)、制御装置300が最上位であり、各コントロール基板302a~302dがそれに続いている。
すなわち、中継装置301aを介して制御装置300と接続されたシリアル通信用のケーブル303は、コントロール基板302aの上位通信ポート408と接続され、コントロール基板302aの下位通信ポート409と、コントロール基板302bの(図示しない)上位通信ポートが接続される。この関係は、コントロール基板302c、(B端に接続される)コントロール基板302dについても同様である。
なお、コントロールユニット103では、ケーブル303は、B端に接続されているコントロール基板302dにより終端されるが、収容ボックスを増設する場合、コントロール基板302dの下位通信ポートに増設する収容ボックスのコントロール基板の上位通信ポートが接続されるように配線すればよい。収容ボックスは、マルチドロップ接続で任意の数を追加することができる(例えば、コントロール/ボックスユニットごとに1~32個等)。
【0053】
より単純に言い換えれば、通信路において、コントロール基板302a~302dはマルチドロップ接続され、上位のコントロール基板と下位のコントロール基板が1対1接続さている。ここで、上位とは、指令を送り、応答を受け取る側を意味し、下位とは、指令を受けとり、応答を送る側を意味する。
【0054】
なお、通信路における各コントロール基板の接続順位(アドレス)は、予め制御装置300のメモリ401に記憶されていてもよいし、後述する手順によって、アドレス設定部により設定されてメモリ記憶されてもよい。
【0055】
次に、中継装置301aのA端に接続されるボックスユニット105のハードウェア構成ついて説明する(図5)。
ボックスユニット105は制御装置300を有していないが、コントロールユニット103の中継装置301aから分岐した通信路(A端)が中継装置301bに接続されることで、制御装置300によるコントロール基板305a~305d(コントロール基板305dは図示せず、D端に接続される)の制御が可能になっている。
【0056】
コントロール基板305a~305dは、コントロールユニット103(図5)において説明したのと同様に、制御装置300を最上位とするマルチドロップ接続とされており、上位のコントロール基板と、下位のコントロール基板とが1対1接続された状態となっている。その他、各ハードウェアについては、コントロールユニット103と同様であるので説明を省略する。
【0057】
なお、中継装置301bに接続される通信路のC端には、ボックスユニット107の中継装置301cが接続される。ボックスユニットを増設する場合には、これと同様にして順次、中継装置を接続していけばよい。
また、第1の実施形態においては、各ユニット(コントロールユニット103、ボックスユニット105、107)にはそれぞれ中継装置301a~301cが含まれるが、これは必須ではなく、中継装置を用いずに、各コントロール基板をシリアル接続する形態であってもよい。
【0058】
[アドレス設定方法]
次に、アドレス設定部403によるコントロール基板のアドレス設定手順について説明する。図6は、アドレス設定部403によるコントロール基板のアドレス設定方法のフロー図である。
ステップS1として、まず、アドレスが設定される収容ボックスが開扉状態とされる。このとき、全収容ボックスの扉が開放されてもよい。
なお、収容ボックスが個々に2以上の扉を有する場合、各収容ボックスについて、所定の1つの扉が開放されることが好ましく、収容ボックスシステム単位で、同一方向の扉(例えば、前方扉202)が開放されることがより好ましい。このようにすることで、より簡便にアドレス設定を行うことができる。
【0059】
次に、ステップS2として、アドレス設定部403から、各コントロール基板に対して、設定開始信号が送信される。コントロール基板が上記設定開始信号を受信すると、アドレスがリセットされる(デフォルト状態となる)(ステップS3)。
なお、設定開始信号は、全収容ボックスの扉が開放されると、自動的に発信されるように構成されてもよい。このように構成すると、アドレス設定がより容易に行える。また、このとき、アドレス設定が開始された(アドレス設定状態に入った)ことを表示灯を使って作業者に知らせるよう構成してもよい。
例えば、全収容ボックスの扉が開放され、アドレス設定状態に入った場合、各収容ボックスに設置された表示灯を点滅等させればよい。
【0060】
次に、アドレスが設定される収容ボックスが閉扉される。このとき扉センサの閉扉信号によってその収容ボックスのアドレスが確定する(ステップS4)。
【0061】
次に、アドレス設定部403が設定終了信号を送信する(ステップS5)。アドレスが設定されたコントロール基板は、設定終了信号を受信すると、設定されたアドレスを記憶する(ステップS6)。
【0062】
上記手順によって、アドレスを予め設定してメモリに記憶させたり、ディップスイッチ等によってハードウェア的に設定したりしなくとも、収容ボックスシステムの組み立て後に簡単に各コントロール基板の(スレーブ)アドレスを設定できる。
【0063】
なお、ステップS4とステップS5の間に、更に、制御装置300が設定されたアドレスを読み出し、ACK(ACKnowledgement)応答で設定完了を検出するステップを有していてもよい(ステップS7)。
上記のアドレスの設定に際し、各収容ボックスに表示灯(例えば、LED灯)を配置し、アドレス設定状況に応じて、点灯/点滅/消灯/色の変化等を併せて実施することで、アドレス設定の作業性がより向上する。
【0064】
また、本アドレス設定方法によれば、順次、すなわち、閉扉信号の受信順に、複数のコントロール基板のアドレスを設定することもできる。図7は、上記方法のフロー図である。
この場合、まず、ステップS1で、設定対象となる収容ボックスが開扉状態とされる。次に、図6のフローと同様に、ステップS2~S4、S7を経て1つの収容ボックスのコントロール基板のアドレスが確定される。
【0065】
この方法では、上記ステップS4、及び、ステップS7を、アドレス設定対象のコントロール基板のすべてにアドレスが設定されるまで行う。すなわち、ステップS8として、対象のすべてにアドレスが設定されたことを確認し、未設定のものがあれば(ステップS8:NO)、ステップS4、及び、ステップS7を更に実行して、アドレスを設定する。一方、未設定のものがなければ(ステップS8:YES)、設定終了信号を送信して(ステップS5)、アドレスが記憶されて(ステップS6)、アドレス設定は終了する。
なお、上記アドレス設定方法は、ステップS7を有していなくてもよい。
【0066】
上記のようにすることで、予め(スレーブ)アドレスを割り当ててメモリに記憶させたり、ディップスイッチ等を利用してハードウェア的に設定したりしなくても、収容ボックスの扉を順番に閉扉するだけで、順次アドレス設定できる。
【0067】
なお、上記アドレス設定方法においては、閉扉(扉閉)信号をトリガーとしてアドレスが設定されているが、アドレス設定のための信号は上記以外にも、開扉(扉開)信号であってもよい。その場合、設定対象の収容ボックスを予め閉扉状態としておき、順次、開扉すればよい。
また、扉センサ以外のセンサの信号を利用してもよく、例えば、荷物センサを利用して、荷物が収容された、又は、収容された荷物が取り出された信号に基づいてアドレスを設定してもよい。
アドレス設定のトリガーとして、開扉、又は、閉扉信号を使用すると、収容ボックスシステムを組み立てた後であっても、より簡便にアドレス設定を行うことができる点で好ましい。本アドレス設定方法によれば、設置のコストも大きく削減される。
【0068】
次に、収容ボックスシステム100の動作の一例について説明する。説明の便宜のために、収容ボックスシステム100が、集合住宅に設置され、配達業者が、集合住宅の住人に荷物を届ける場合を例に説明する。
【0069】
図8は、収容ボックスシステム100による、荷物の取り出しに係るタッチパネルディスプレイ102の画面表示の遷移の一例を表す図である。
【0070】
まず、配達業者は、タッチパネルディスプレイ102を操作し、届け先の住人の部屋番号を入力するとともに、空の収容ボックスに、前方扉202から荷物等を収容し、タッチパネルディスプレイ102を操作して、その収容ボックスを施錠する。収容ボックスに荷物等が収容されると、タッチパネルディスプレイ102の画面には、荷物を預かっていることを示す部屋番号一覧801が表示される(図8(A))。
【0071】
受取者は、タッチパネルディスプレイ102に自分の部屋番号が表示されていることを確認し、タッチパネルディスプレイ102を操作して、自分の部屋番号を入力する(図8(B))。次に、予め定められた暗証番号(固定暗証)を入力する(図8(C))。
なお、図8(C)では固定暗証として説明しているが、配達業者が定め、受取者に通知する任意暗証を用いてもよいし、受取者の情報が記録されたICカード、及び、非接触キー等を暗証番号の代わりに用いてもよい。
【0072】
受取者が部屋番号と暗証番号とを入力すると、荷物が収容されている収容ボックスがタッチパネルディスプレイ102に表示される(図8(D))。この収容ボックスの番号は、複数の収容ボックスのそれぞれに予め割り当てられており、制御装置300のメモリ401等に記憶されている。
受取者は、タッチパネルディスプレイ102を操作し、当該収容ボックスを解錠して、荷物を受け取ることができる(図8(E))。
【0073】
収容ボックスの電子錠の解錠に際し、制御装置300は、荷物が収容された収容ボックスに対応するコントロール基板に対して、解錠実行のコマンドを送信する。
図9は、制御装置とコントロール基板との通信データの概要を表す図である。解錠実行に際しては、制御装置からコントロール基板に対して、荷物が収容されている収容ボックスのコントロール基板のアドレス901、それに続いて、解錠実行コマンド902、更に、チェックサム903を含むデータが送信される。そのアドレスが割り当てられたコントロール基板は、上記データを受信すると、電子錠を解錠する。解錠実行以外のコマンド(例えば、表示灯の点灯、消灯、及び、解錠キャンセル等)も上記と同様形式のデータ通信による。なお、上記の通信データは一例であり、上記以外の形式であってもよい。
【0074】
次に、受取者は、荷物等を受け取ったら、受取完了ボタン802を押し、受け取りを完了させる(図8(F))。
【0075】
このとき、受取者の錯誤等により、荷物等が収容ボックスに残っているにも関わらず、受取完了ボタン802が押される場合がある。
上記を防止する観点で、制御装置300は、対象の収容ボックスの荷物センサ、及び、扉センサのステータスを照会し、荷物の受領状況を確認することもできる。
すなわち、制御装置300は、そのアドレスを有するコントロール基板に対して、荷物センサのステータス、及び、扉センサのステータスを問い合わせる。このとき、荷物が収容されているにもかかわらず、扉センサのステータスが閉扉状態である場合、その収容ボックスに取り忘れの荷物があるものとして、施錠を行わない等の対応が可能である。
【0076】
通信データの概要は図9のとおりであり、荷物が収容されている収容ボックスのコントローラのアドレス904、それに続いて、センサのステータス905、更に、チェックサム906を含むデータが送信される。そのアドレスが割り当てられたコントローラは、各センサのステータスを返答する。
【0077】
本収容ボックスシステムによれば、各収容ボックスの電子錠、及び、センサがコントロール基板に接続されているため、電子錠、及び、センサを増設する場合であっても、制御装置から、一対一で配線する必要がない。
また、各コントロール基板は、シリアル接続されているため、収容ボックスシステム全体として、必要なケーブルの数が従来よりも少なくなる。
【0078】
本収容ボックスシステムによれば、収容ボックス毎に複数のセンサ・電子錠等を配置した場合であっても、配線に必要なケーブル数を従来よりも減少させ、組み立て時等における配線の手間が低減可能である。
【0079】
(収容ボックスシステムの第2の実施形態)
本発明の収容ボックスシステムの第2の実施形態について説明する。図10は、収容ボックスシステム200(第2の実施形態)の一部概略図である。また、図11は、収容ボックスシステム200のコントロールユニット103のハードウェア構成図である。
なお、以下の説明において、収容ボックスシステム100(第1の実施形態)と同様の部分は説明を省略し、主に、上記と異なる点について説明する。
【0080】
収容ボックスシステム200は、各収容ボックス101a~101d、104a~104d、106a~106bにそれぞれコントロール基板が複数配置されている。
すなわち、収容ボックス101aを例に説明すれば、前方側電子錠ボックス205aには、コントロール基板302aが収容され、後方側電子錠ボックス206aには、コントロール基板306aが収容されている。
【0081】
次に、収容ボックスシステム200における各コントロール基板の接続形態について、図10、及び、図11を参照しながら説明する。
まず、コントロール基板302aは、中継装置301aを介して、最上位の制御装置300と接続され、各コントロール基板302b~302dはそれに続いて、シリアル接続されている。
【0082】
一方、コントロール基板306a~306dについても上記と同様である。すなわち、コントロール基板306aは、中継装置301aを介して、最上位の制御装置300と接続され、各コントロール基板306b~306dはそれに続いて、上記コントロール基板302a~302dとは別系統でシリアル接続されている。
【0083】
すなわち、中継装置301aを介して制御装置300と接続されたシリアル通信用のケーブル307は、コントロール基板306aの上位通信ポート(図示せず)と接続され、コントロール基板306aの下位通信ポート(図示せず)と、コントロール基板302bの上位通信ポート(図示せず)が接続される。この関係は、コントロール基板306c、(B′端に接続される)コントロール基板306dについても同様である。
【0084】
次に、各コントロール基板に接続されるデバイスについて説明する。
前方側電子錠ボックス205aを例に説明すると、前方側電子錠ボックス205aに収容されたコントロール基板302aには、前方側電子錠410、荷物センサ412、扉センサ413、及び、ロックセンサ414が接続され、制御される。なお、第2の実施形態では、扉センサ413、及び、ロックセンサ414は前方扉202の状態を監視する。上記は、コントロール基板302b~302dについても同様である。
【0085】
一方、後方側電子錠ボックス206aに収容されたコントロール基板306aには、後方側電子錠411、扉センサ415、及び、ロックセンサ416が接続され、制御される。この扉センサ415、及び、ロックセンサ416は、後方扉203の状態を監視する。
なお、コントロール基板306aには、更に荷物センサ等が更に接続されていてもよいが、扉センサ、及び、ロックセンサ以外のセンサは、前方側、及び、後方側のどちらか一方のコントロール基板に接続されていればよい。すなわち、一形態としては、収容ボックスごとに、1つ配置されていればよい。なお、上記は、コントロール基板306b~306dについても同様である。
【0086】
図10図11(特に図10)に示されるとおり、収容ボックスシステム200では、前方側電子錠410がコントロール基板302a~302dと接続される。
一方、後方側電子錠411は、前方側とは別系統でシリアル接続されたコントロール基板306a~306dと接続される。各コントロール基板(前方側、後方側)にはそれぞれ(スレーブ)アドレスが与えられ、それぞれ独立に制御される。
【0087】
本実施形態では、すでに説明した収容ボックスシステム100における、前方側電子錠ボックス205a~205dと、後方側電子錠ボックス206a~206dとを接続するためのケーブル304a~304dが不要となり、全体の配線構造をより簡素化することができる。
【0088】
以上、収容ボックスシステム200のコントロールユニット103におけるコントロール基板の接続等について説明したが、ボックスユニット105、107については、制御装置300を有しない点を除いては、コントロールユニット103と同様であるため、説明を省略する。
【符号の説明】
【0089】
100、200:収容ボックスシステム、101a~101d:収容ボックス、102:タッチパネルディスプレイ、103:コントロールユニット、104a~104d:収容ボックス、105:ボックスユニット、106a~106b:収容ボックス、107:ボックスユニット、201:本体、202:前方扉、203:後方扉、204:ロックカンヌキ、205a~205d:前方側電子錠ボックス、206a~206d:後方側電子錠ボックス、207:ミラー、300:制御装置、301a~301c:中継装置、302a~302d、306a~306d:コントロール基板、303、307、304a~304d:ケーブル、305a~305d:コントロール基板、400:プロセッサ、401:メモリ、402:通信部、403:アドレス設定部、404:入出力部、405:コントローラ、408:上位通信ポート、409:下位通信ポート、410:前方側電子錠、411:後方側電子錠、412:荷物センサ、413、415:扉センサ、414、416:ロックセンサ、801:部屋番号一覧、802:受取完了ボタン、901:アドレス、902:解錠実行コマンド、903:チェックサム、904:アドレス、905:ステータス、906:チェックサム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11