(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173112
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A47J27/00 109C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085126
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萱森 雅之
(72)【発明者】
【氏名】木村 智志
(72)【発明者】
【氏名】三宅 一也
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055BA61
4B055BA72
4B055DB01
4B055GA05
4B055GB12
4B055GD03
(57)【要約】
【課題】より好みに応じて美味しくオートミール食を食べたいというニーズに応える加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器が、調理開始待機工程時間の長さに応じて加熱を制御する調理開始待機工程加熱制御手段65と、沸騰加熱工程で加熱量を制御して沸騰するまでの時間を可変に制御する沸騰加熱工程加熱制御手段66と、を備える。このような構成にすることにより、沸騰加熱を緩慢加熱とすることで柔らかくて粘りのある食感とすることができ、普通加熱とすることで適度な硬さと粘りのバランスの調理をすることができ、急速加熱とすることで硬めで粒感のある食感とすることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理開始待機工程時間の長さに応じて加熱を制御する調理開始待機工程加熱制御手段と、
沸騰加熱工程で加熱量を制御して沸騰するまでの時間を可変に制御する沸騰加熱工程加熱制御手段と、
を備えることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
沸騰継続工程時間を調理メニューに応じて可変に制御する沸騰継続工程加熱制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
ドライアップ後に加熱量を減少させ、加熱量を減少させた仕上加熱工程時間を調理メニューに応じて可変に制御する仕上加熱工程加熱制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
被調理物がオートミールを含み、前記調理開始待機工程加熱制御手段、および、前記沸騰加熱工程加熱制御手段が、前記オートミールの調理のために制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項5】
被調理物がオートミールを含み、前記沸騰継続工程加熱制御手段が、前記オートミールの調理のために制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項6】
被調理物がオートミールを含み、前記仕上加熱工程加熱制御手段が、前記オートミールの調理のために制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多様な調理メニューでオートミールを調理可能な加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オートミール等の調理物の調理中および保温中に内容物の追加があったと判定された場合に、調理物の再加熱を行う加熱調理器が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の加熱調理器は、タイマー予約調理や、調理後の保温はおかゆが主で、オートミールの好みに応じた食感の選択が可能な調理など、多様な調理メニューに対応していなかった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、より好みに応じて美味しくオートミール食を食べたいというニーズに応える加熱調理器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するため、調理開始待機工程時間の長さに応じて加熱を制御する調理開始待機工程加熱制御手段と、沸騰加熱工程で加熱量を制御して沸騰するまでの時間を可変に制御する沸騰加熱工程加熱制御手段と、を備えることを特徴とする加熱調理器を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の加熱調理器によれば、オートミール食の食感や、硬さ、粘りを好みに応じて調整可能であり、多様な調理メニューに応じたオートミールの調理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の好適な一実施形態に係る加熱調理器の外観斜視図である。
【
図2】本発明の好適な一実施形態に係る加熱調理器の縦断面図である。
【
図3】本発明の好適な一実施形態に係る加熱調理器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の好適な一実施形態に係る加熱調理器の操作パネルの位置例を示す概略図である。
【
図5】本発明の好適な一実施形態に係る加熱調理器の調理工程および保温工程における、鍋温度および蓋温度の経時的な変化と、各調理工程の時間とを示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の加熱調理器の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または、発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。そのような変形や変更もまた、本発明の範囲に含まれる。
【0010】
図1および
図2は、本発明の好適な一実施形態における加熱調理器の全体構成を示している。これらの各図において、1は上面が開口された本体、2は本体1の上面を開閉自在に覆う蓋体2で、これらの本体1と蓋体2により、加熱調理器全体の外郭が構成される。本体1は上面を開口した鍋収容部3を有し、蓋体2を開けたときに、被調理物Sを収容する有底状の鍋4が、鍋収容部3に着脱自在に収容される構成となっている。5は、鍋4により形成された被調理物Sの収容空間であり、以後この収容空間5を鍋4の内部という。
【0011】
本体1は、その上部と上側面部を構成する上枠6と、側底面部を構成する外枠7とを主な構成要素とする。その際、上枠6や外枠7は、PPやABSポリカなどの合成樹脂で形成される。凹状の鍋収容部3の上部から側部にかけては、上枠6と一体化で形成されており、鍋収容部3の底部は、上枠6と別部材の内枠8で形成してある。内枠8は、PETなどの合成樹脂で形成される。
【0012】
鍋収容部3の上端にはコードヒータ9を備えてあり、コードヒータ9は熱伝導がよいアルミ板などの金属板部10で覆われている。これらのコードヒータ9と金属板部10は、発熱手段としてのフランジヒータ12を構成する。フランジヒータ12には、鍋4の略中央部から外周方向全周に延出させたフランジ状の鍋リング部13の下面が載置し、鍋4が吊られた状態で鍋収容部3に収容される。フランジヒータ12は、調理時と保温時に鍋リング部13および鍋4の側面を加熱すると共に、本体1と蓋体2との隙間および鍋収容部3と鍋4との隙間に向けて、金属板部10から熱を放射することで、鍋4の冷えを抑制し、加熱により被調理物Sから発生する水分が、鍋4の上部内面へ結露するのを防止する構成となっている。
【0013】
鍋4は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材15とし、フェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体16が、主材15の外面の側面下部から底部にかけて接合して設けられる。鍋4の側面中央から上部に発熱体16を設けないのは、鍋4の軽量化を図るためである。なお
図2では、被調理物Sとして水WとオートミールOが図示されているが、オートミールOの他に、白米や玄米などの米、麦類や豆類を含む一乃至複数種類の穀物を、水Wと共に鍋4に入れてもよく、また筍や鶏肉、牛蒡などの具材、味付けのための塩や醤油などの調味料や調味液を加えてもよい。
【0014】
発熱体16に対向する内枠8の側面下部と底部には、鍋4を電磁誘導で加熱する加熱手段として、加熱コイル17が配置される。リッツ線からなる加熱コイル17は、お椀状に形成された内枠8の外面に渦巻き状に設けられる。また、鍋4の上部外側面に対向して、フランジヒータ12とは別のコードヒータ18が設けられる。胴ヒータとしてのコードヒータ18は、熱伝導がよいステンレスやアルミニウムなどの金属板からなる内蓋リング19に固定され、胴加熱手段としての内蓋リングヒータ20を構成している。
【0015】
内枠8の底部中央部には、鍋温度検知手段としての鍋温度センサ21が、鍋4の外面底部に当接して設けられる。鍋温度センサ21は、調理時や保温時に鍋4の温度を検知するもので、その検知信号を受けた加熱制御手段22が、加熱コイル17による鍋4の底部の加熱温度を主に温度管理するようになっている。なお、本実施形態の加熱制御手段22は、
図3に示すように、調理開始待機工程加熱制御手段65と、沸騰加熱工程加熱制御手段66と、沸騰継続工程加熱制御手段67と、仕上加熱工程加熱制御手段68とで構成され、それぞれの加熱制御手段65,66,67,68が加熱制御手段22の後述する構成および機能と同等の構成および機能を有する。
【0016】
蓋体2の前方上面には、蓋開ボタン23が露出状態で配設されており、この蓋開ボタン23を押すと、本体1と蓋体2との係合が解除され、ヒンジ軸24を回転中心として蓋体2が自動的に開く構成となっている。また、蓋体2の後方上面には、鍋4内の被調理物Sから発生する蒸気を、加熱調理器の外部に排出する蒸気口ユニット25が着脱可能に装着される。
【0017】
蓋体2は、その外郭上面をなす外観部品としての外蓋27と、蓋体2の下面を形成する放熱板28と、外蓋27および放熱板28を結合させて、蓋体2の骨格を形成する蓋ベース材としての外蓋カバー29とを、主な構成要素とする。蓋体2の内部にあって、放熱板28の上面には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ30が設けられる。この蓋ヒータ30は、コードヒータなどの電熱式ヒータや、電磁誘導加熱式による加熱コイルでもよい。
【0018】
放熱板28の下側には、蓋体2の下部部材としてのユニット化された内蓋組立体31が着脱可能に設けられる。内蓋組立体31は、鍋4の上方開口部と略同径で円盤状を有する金属製の内蓋32と、鍋4と内蓋32との間をシールするための弾性部材からなる蓋パッキン33と、蓋パッキン33を内蓋32の外側全周に装着するための内蓋リング34と、鍋4の内部の圧力となる内圧を調整する調圧部35と、をそれぞれ備えている。環状に形成された蓋パッキン33は、蓋体2を閉じた蓋閉時に鍋4の上面に当接して、鍋4と内蓋32との隙間を塞ぎ、鍋4から発生する蒸気を密閉するものである。
【0019】
放熱板28には、蓋体2の特に内蓋32の温度を検知する蓋温度検知手段として、加熱制御手段22が蓋ヒータ30による温度管理を行なうためのサーミスタ式の蓋温度センサ36が設けられる。また蓋体2の内部には、鍋4内で発生した蒸気を外部へ放出する通路として、蒸気口ユニット25と調圧部35とを連通する蒸気排出経路37が形成される。調圧部35には、鍋4の内部と蒸気口ユニット25との間の蒸気排出経路37を開閉する調圧弁38が設けられる。調圧弁38はボール状で、蓋体2の内部に設けたソレノイド39と連動し、鍋4内の蒸気を外部へ放出する場合には、蒸気排出経路37を開放するのに対し、鍋4内を加熱調理器外部の大気圧よりも低い減圧状態、または大気圧よりも高い加圧状態にする場合には、蒸気排出経路37を閉塞するように、電動のソレノイド39が調圧弁38を転動させる。そして加圧時には、加熱コイル17への高周波通電により鍋4内の被調理物Sが加熱され、鍋4の内圧が所定値に達すると、調圧弁38の自重に抗して蒸気排出経路37を開放することで、鍋4の内圧を大気圧以上に維持する構成となっている。
【0020】
蓋体2の内部には、蓋体2を本体1に閉じた蓋閉状態で、鍋4の内圧を大気圧よりも低くするための減圧手段41が配設される。減圧手段41は、蓋体2の後部に設けた減圧駆動源としての減圧ポンプ42の他に、蓋体2の内部において、減圧ポンプ42と鍋4の内部との間を連通する管状の経路(図示せず)と、その経路を開閉する電磁弁43(
図3を参照)とにより構成される。そして本実施形態では、鍋4を鍋収容部3に収容し、蓋体2を閉じた後でソレノイド39を通電して、調圧弁38が蒸気排出経路37を塞いだ状態で減圧ポンプ42を起動させると、電磁弁43により経路を開放して、鍋4内部の空気が経路及び減圧ポンプ42を通って加熱調理器の外部に排出され、密閉した鍋4内部の圧力が低下する。また、鍋4内部の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合には、減圧ポンプ42の動作を停止し、電磁弁43により経路を閉塞して、鍋4内を減圧状態に保っている。さらに、鍋4内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す場合には、減圧ポンプ42の動作を停止し、電磁弁43により経路を開放する。つまり減圧手段41は、鍋4内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す圧力戻し手段としての構成を兼用している。
【0021】
本体1の内部には、加熱制御手段22を含むユニット化された加熱基板組立44が配設される。加熱制御手段22は、後述する表示・操作制御手段40と組み合わせて、加熱調理器の各部を電気的に制御するために、マイクロコンピュータ(マイコン)や加熱手段の駆動素子などを含んで構成され、ここでは鍋温度センサ21と蓋温度センサ36からの各温度検知信号と、後述する操作部47からの操作信号とを受けて、調理時および保温時に鍋4を加熱するコードヒータ9,18や加熱コイル17と、蓋体2を加熱する蓋ヒータ30を各々制御すると共に、ソレノイド39と減圧ポンプ42の動作を各々制御する。また加熱制御手段22は、鍋温度センサ21の検知温度に基づいて主に加熱コイル17を制御して、鍋4の底部を温度管理すると共に、蓋温度センサ36の検知温度に基づいて主に蓋ヒータ30を制御して、収容空間5に入れた被調理物Sに対向する内蓋32を温度管理するようになっている。
【0022】
45は、加熱調理器の表示操作ユニットとなる操作パネルである。操作パネル45は、調理に関わる様々な情報を表示する表示部46の他に、調理を開始させたり、時刻や予約時間、調理メニュー、食感などを選択させたりするための操作部47(
図3および
図4を参照)を備えており、これらの下面には、制御用ICを含む様々な電子部品を制御基板48に搭載して構成される表示・操作制御手段49が配置される。
【0023】
その他、本体1の内部後方には、加熱調理器の各部に給電するコードリール装置51が設けられる。コードリール装置51は、自動的に巻取り可能な電源プラグ付きのコード52を備えて構成される。
【0024】
次に、加熱制御手段22と表示・操作制御手段49の制御系統について、
図3を参照しながら説明する。同図において、55は加熱制御手段22と表示・操作制御手段49とを含む制御手段で、この制御手段55は、鍋温度センサ21や蓋温度センサ36からの各温度検知信号と、操作部47からの操作信号を受けて、調理時および保温時に鍋4を加熱する加熱コイル17やコードヒータ9,18と、蓋体2を加熱する蓋ヒータ30を各々制御すると共に、前述した調圧弁38を動かすソレノイド39や、減圧ポンプ42や、電磁弁43の動作を各々制御し、さらには表示部46の表示を制御するものである。特に本実施形態の制御手段55は、鍋温度センサ21の検知温度に基づいて主に加熱コイル17を制御して鍋4の底部を温度管理し、蓋温度センサ36の検知温度に基づいて主に蓋ヒータ30を制御して、内蓋22を温度管理する。これらの加熱コイル17や蓋ヒータ30と、コードヒータ9,18は、鍋4内部の被調理物Sを加熱する加熱手段56に相当する。
【0025】
制御手段55は、記憶媒体となる記憶手段57に記憶されたプログラムを読み取ることで、操作部47の例えば調理キー47aを操作すると、調理開始から鍋4に投入したオートミールOの吸水を促進させる調理開始待機工程と、被調理物Sの温度を短時間に沸騰まで上昇させる沸騰加熱工程と、被調理物Sの沸騰状態を継続させドライアップ状態に調理する沸騰継続工程と、鍋4の温度がドライアップしたら加熱を停止するか焦げない程度に加熱量を減少させ、最終的に仕上げる仕上加熱工程の順に調理工程を実行して、鍋4内部の被調理物Sに対して所望の圧力で調理加熱する加熱制御手段22と、調理工程に引き続いて、鍋4内部のご飯を所望の圧力で所定の保温温度に保つように保温する保温制御手段62と、して機能する構成となっている。ユーザの手動操作が可能な調理キー47aは、調理の開始を指示する調理開始指示手段に相当する。
【0026】
また、
図4を併せて参照すると、本実施形態では、被調理物Sに含まれる種類71と、
図4では「メニュー」と表示されている調理メニュー73と、ユーザの好みにより選択可能な食感75とに応じた複数の加熱パターンが、予め記憶手段57に記憶保存されており、加熱制御手段22は、操作部47の例えば選択キー47bへの操作により、これらの複数の加熱パターンの中から特定の加熱パターンが選択され、次に調理キー47aへの操作により、調理の開始が指示されると、選択された特定の加熱パターンで減圧手段41や加熱手段56、ソレノイド39を制御することにより、鍋4に入れられた被調理物Sを調理して、最終的に目的の調理物に仕上げる機能を有する。
【0027】
ユーザの手動操作が可能な選択キー47bは、被調理物Sに含まれる種類71と、調理メニュー73と、食感75とにより区分けされた調理コースの選択手段となるもので、選択キー47bへのキー操作に伴い、複数の調理コースの中から一つの調理コースが特定され、それに対応した特定の加熱パターンが選択される構成となっている。例えば
図4では、種類71が72の欄で「オートミール」と選択され、調理メニュー73が74の欄で「お茶漬け」と選択され、食感75が76の欄で「普通」と選択された調理コースとなっており、後述するようにしてオートミールのお茶漬けを普通の食感で調理する加熱パターンが選択される。
【0028】
種類71は、上記の「オートミール」の他、例えば、「白米」や「玄米」などが選択されることができる。調理メニュー73は、上記の「お茶漬け」の他、例えば、「おかゆ」や、「リゾット」、「ポタージュ」、「パエリア」、「ピラフ」、「炊込み」などが選択されることができる。食感75は、上記の適度な硬さと粘りである「普通」の食感の他、例えば、「柔らかめで粘りあり」の食感や、「硬めで粒感あり」の食感などが選択されることができる。
【0029】
図4に示すように、表示部46には、上記の他、時刻である時計75や、予約時間である炊上り時間78が表示される。予約時間は、炊上りの時刻または炊上りまでの時間であり、例えば選択キー47bへのキー操作に伴い、選択される構成とすることができる。
【0030】
加熱制御手段22は、選択キー47bからの操作により、記憶手段57の中から選択できる調理コースに対応する特定(所定)の加熱パターンに応じて、被調理物Sを調理加熱する、上述した複数の加熱制御手段65,66,67,68を備えている。
【0031】
被調理物Sに含まれる種類71の1種としてのオートミールOは、加熱した後にプレスなど加熱処理し、そのままでも食べることができるオーツ麦を食事用に加工したものの総称であり、大別してロールドオーツ、クイックオーツおよびインスタントオーツの3種類がある。
【0032】
ロールドオーツは、オーツ麦(日本名:えん麦)のもみ殻を取り除いたオートグローツ(ホールオーツ)を蒸してから、薄く引き延ばして乾燥させたもので、すでに加熱処理されているので、約2分間煮込むだけですぐに食べられるというメリットがある。
【0033】
クイックオーツは、ロールドオーツをさらに食べやすく加工したもので、ロールドオーツを細かく砕いていて、熱や水が効率的に浸透しやすくなっていて、ロールドオーツに比べて短時間で調理できる特徴を有する。
【0034】
インスタントオーツは、ロールドオーツを調理して乾燥させたもので、味がついていたり、ロールドオーツのように煮詰めたり、電子レンジで調理する手間がなく、牛乳をかけるだけで、シリアル感覚で食べることができる。
【0035】
このようなオートミールOは、水溶性食物繊維のβグルカンなどの食物繊維が豊富で、鉄分やカルシウム、ビタミンB1も多く、また低GI(Glycemic Index)で、食後の血糖値が上昇しにくいといった健康志向、また調理の簡便さもあって需要が高まっており、多様な調理メニューに対応できる加熱調理器が期待されているが、オートミールOは吸水性がよいため、白米などの炊飯工程とは異なる加熱制御が求められる。以下、加熱制御手段22を構成する、調理開始待機工程加熱制御手段65と、沸騰加熱工程加熱制御手段66と、沸騰継続工程加熱制御手段67と、仕上加熱工程加熱制御手段68と、による、各調理工程における加熱制御について説明する。
【0036】
まず、調理開始待機工程では、調理開始待機工程加熱制御手段65により、調理開始待機工程時間の長さに応じて加熱を制御する。調理開始待機工程時間は、
図5に示すように、例えば0分~840分(14時間)の間で、所望する時間に任意に設定することができる。調理開始待機工程時間は、ユーザによる予約設定がない場合は0分であり、加熱は行わずにすぐに沸騰加熱工程へ移行する。調理開始待機工程時間は、ユーザによる予約設定がされている場合、予約時間から、沸騰加熱時間、沸騰継続時間および仕上加熱時間を差し引くことで、逆算して算出されることができる。または、調理開始待機工程時間は、例えばユーザによる例えば選択キー47bへのキー操作に伴い、選択される構成としてもよい。
【0037】
調理開始待機工程時間が例えば1分~30分の場合、調理開始待機工程加熱制御手段65により、水Wの温度を例えば50℃±10℃になるように加熱制御する。吸水に要す時間が短いが、水Wの温度を上昇させることでオートミールOの吸水を促進させ、オートミールOに水Wを浸透させてから沸騰加熱工程へ移行する。
【0038】
調理開始待機工程時間が例えば31分以上の場合、水Wが常温であってもオートミールOに水Wの浸透が進むので、加熱は行わないように構成してもよい。あるいは調理開始待機工程時間が例えば1分~60分の場合、5℃程度に冷たい水であっても確実にオートミールOに水Wが浸透するように、調理開始待機工程加熱制御手段65により、水Wの温度を例えば50℃±10℃になるように加熱制御し、調理開始待機工程時間が例えば61分以上の場合、加熱は行わないように構成してもよい。
【0039】
調理開始待機工程中、鍋4内の空間を0.6~0.7atmになるように減圧脱気し、オートミールへの水Wの浸透を促進させるようにしてもよい。また、減圧脱気を行うことで、調理開始待機工程時間が例えば2時間以上になった場合や、夏場などで水Wの温度が例えば20℃を超えるような場合などに、シュードモナス(バクテリア)の繁殖や、腐敗菌の増殖を抑制することもできる。
【0040】
沸騰加熱工程では、沸騰加熱工程時間を例えば10分以内で可変とできるように、鍋4内の水Wが沸騰するまでの加熱量を選択することができる。例えば、水Wが沸騰するまでの時間を10分とする緩慢加熱では600W、水Wが沸騰するまでの時間を7分とする普通加熱では800W、水Wが沸騰するまでの時間を4分とする急速加熱では1000Wなど、沸騰加熱工程加熱制御手段66により、加熱量を制御して、沸騰するまでの時間を可変に制御する。例えば、沸騰加熱を緩慢加熱とすることで「柔らかめで粘りあり」の食感とすることができ、普通加熱とすることで適度な硬さと粘りの「普通」の食感とすることができ、急速加熱とすることで「硬めで粒感あり」の食感とすることができる。ユーザによる例えば選択キー47bへのキー操作に伴い、これらの所望の食感75が選択されることで、沸騰加熱工程の加熱量が選択制御される。
【0041】
沸騰継続工程では、沸騰継続工程加熱制御手段67により、調理メニュー73に応じて、例えば0.5分~10分の間で沸騰継続工程時間を可変に制御し、沸騰後のオートミールOの硬さや粘りを調整する。
【0042】
調理メニュー73として「お茶漬け」が選択された場合、沸騰している時間を例えば0.5分と短くして、オートミールOが水Wを十分に吸って内部まで加温された状態で粒々感を残した仕上がりにし、水分を残してお茶漬けに調理する。
【0043】
調理メニュー73として「ポタージュ」が選択された場合、沸騰している時間を例えば10分と長くして煮込み、オートミールOが溶けてトロミのあるスープ状に仕上げる。
【0044】
ユーザによる例えば選択キー47bへのキー操作に伴い、所望の調理メニュー73が選択されることで、その他の調理メニュー73でも同様に、調理メニュー73に応じた仕上がりになるように、沸騰継続工程時間が選択される。
【0045】
また、予め、だし汁や具材を入れておくことで、より簡便でオートミールOに味がしみ込んだ美味しい調理が可能となる。
【0046】
沸騰継続工程中に、鍋4の温度がドライアップ(水Wが少なくなって急激に温度上昇)したら、仕上加熱工程加熱制御手段68により、加熱を停止するか、焦げない程度に加熱量を減少させ、仕上加熱工程へ移行して、調理メニュー73に応じて、例えば0分~15分の間で仕上加熱工程時間を可変に制御する。
【0047】
例えば、「お茶漬け」や、「おかゆ」、「リゾット」、「ポタージュ」などの水分を残した調理メニュー73が選択された場合、長時間加熱を続けると、糊状にべたつきを生じるので、仕上加熱工程時間は0分に設定される。「パエリア」や、「ピラフ」、「炊込み」などの調理メニュー73が選択された場合は、予め、オートミールOの量に対するか水量を少なめにし、ほぼ水分(液体)が残らないようにドライアップを行う。ドライアップの方式は、炊飯器の炊き干し法による白米炊飯と同じで、焦げない程度に加熱を減少し、仕上加熱工程時間は、例えば、「パエリア」が選択された場合は7分、「ピラフ」や「炊込み」が選択された場合は15分に設定される。
【0048】
沸騰後に鍋4の水Wが少なくなったら所定時間加熱を弱め、弱い加熱量での仕上加熱工程時間を任意に可変にすることで、「パエリア」は、オートミールOと魚介類やだし汁とを一緒に調理し、水分をわずかに残した食感に仕上げることができる。また、「ピラフ」や「炊込み」は、オートミールOと、トマトやケチャップ、筍、鶏肉、牛蒡などの具材と調味液とを鍋4に入れて、一緒に調理し、水分が残らないように仕上げることができる。
【0049】
ユーザによる例えば選択キー47bへのキー操作に伴い、所望の調理メニュー73が選択されることで、その他の調理メニュー73でも同様に、調理メニュー73に応じた仕上がりになるように、仕上加熱工程時間が選択される。
【0050】
次に、上述した構成を有する本実施形態の加熱調理器について、その作用を説明する。本実施形態の加熱調理器で調理を行なうには、先ず鍋4内に被調理物Sを入れ、これを本体1の鍋収容部3にセットした後に、蓋体2を閉じて選択キー47bを操作し、複数の調理コースの中から、所望する特定の調理コースを選択する。続いて、調理キー47aを操作すると、制御手段55に組み込まれた加熱制御手段22により、特定の調理コースに対応した特定の加熱パターンに基づく調理が開始する。
【0051】
加熱制御手段22は、記憶手段57に予め記憶された複数の加熱パターンにそれぞれに対応した調理手段を備えており、特定の調理コースが選択された後に、調理キー47aへの操作により調理開始が指示されると、特定の調理コースに対応した調理手段を選択して、その調理手段により特定の加熱パターンで減圧手段41や加熱手段56を制御する。これにより本実施形態の加熱調理器では、加熱制御手段22が、調理開始待機工程加熱制御手段65と、沸騰加熱工程加熱制御手段66と、沸騰継続工程加熱制御手段67と、仕上加熱工程加熱制御手段68とに基づき、各工程の加熱制御をできるようになっている。
【0052】
以下、一つの例として、種類71が「オートミール」と選択され、調理メニュー73が「お茶漬け」と選択され、食感75が「普通」と選択された調理コースのときに、鍋4内の被調理物SをオートミールOのお茶漬けで普通の食感に仕上げる手順を説明する。前述した調理キー47aへの操作により、加熱制御手段22への調理開始が指示されると、調理開始待機工程加熱制御手段65は、選択された予約時間から算出した調理開始待機工程時間が例えば1分~30分である場合、鍋4内のオートミールOに対する水Wの吸水を促進させるために、鍋温度センサ21による鍋4の底部の温度検知に基づき、加熱コイル17とコードヒータ18をそれぞれ通断電制御して、鍋4の底部と側面部をそれぞれ加熱し、鍋4内の水Wの温度を所定温度である例えば50℃±10℃に、所定時間保持する調理開始待機工程を行なう。
【0053】
調理開始待機工程中は、鍋4内の圧力が大気圧よりも低い減圧状態となるように、加熱制御手段22が、ソレノイド39や減圧ポンプ42や電磁弁43の動作を各々制御する。具体的には、調理開始待機工程を開始すると、加熱制御手段22はソレノイド39を非通電状態から通電状態に切替えて、調圧弁38で蒸気排出経路37を閉塞する。そしてこの状態で、密閉した鍋4の内部から減圧手段41を通して空気を排出するために、調理開始待機工程の全期間にわたり、鍋4内部から減圧ポンプ42に至る経路を開放するように、電磁弁43の動作を制御すると共に、減圧ポンプ42を連続動作させて、鍋4内部の空気を減圧ポンプ42で抜き取る真空引きを行ない、鍋4内部の圧力を例えば0.6~0.7atmに減圧する。
【0054】
こうして、調理開始待機工程中は、加熱制御手段22により鍋4の内部が減圧状態に維持される。そのため、調理開始待機工程時に鍋4の内部でオートミールOに水Wを十分に吸水させ、併せて鍋4に入れた水Wを脱気することが可能になる。
【0055】
その後、調理開始から所定時間の調理開始待機工程が終了し、次の沸騰加熱工程に移行すると、被調理物Sの沸騰検知を行なうまでの加熱で、沸騰加熱工程加熱制御手段66は加熱コイル17やコードヒータ18を連続通電することにより、調理開始待機工程よりも鍋4内部の被調理物Sを強く加熱し、被調理物Sの温度を短時間に沸騰まで上昇させる。ここでは、食感75として「普通」が選択されているので、水Wが沸騰するまでの沸騰加熱工程時間が例えば7分となるように、沸騰加熱工程加熱制御手段66が、加熱量を調整し、例えば800Wの電力で加熱コイル17やコードヒータ18を通電制御する。
【0056】
ここで加熱制御手段22は、調理開始待機工程から引き続いて鍋4の内部を大気圧よりも低い減圧状態に維持するように、沸騰に移行すると減圧ポンプ42の駆動を停止させる一方で、鍋4内部から減圧ポンプ42に至る経路を閉塞するように、電磁弁43の動作を制御する。そのため調理開始待機工程から沸騰加熱工程に移行した後も、鍋4への加熱やスローリークにより、鍋4の内部は次第に圧力が上昇するものの、暫くの間は消費電力の多い沸騰で、減圧ポンプ42を動作させることなく減圧状態を維持できる。
【0057】
こうして、調理開始待機工程の後の沸騰加熱工程も鍋4内部の被調理物Sが減圧状態に保持されることで、沸騰加熱工程中は100℃以下の温度で水Wが沸騰する。具体的には、鍋4内部の圧力が0.6気圧であると水Wは約88℃で沸騰するため、オートミールOを減圧状態で沸騰させることで、沸騰時の泡でオートミールOを舞わせて加熱ムラがなくなり、併せて被調理物Sを減圧状態にして、オートミールOの芯まで短時間に水Wを吸い込ませることができる。
【0058】
その後、加熱制御手段22は、沸騰加熱工程の手順中に鍋温度センサ21からの検知信号を取り込んで、鍋4の底部の検知温度が所定温度となる100℃に達したら、鍋4内部の被調理物Sが減圧状態で沸騰したと判断として、鍋4内部から減圧ポンプ42に至る経路を閉じ、減圧ポンプ42を動作させないまま、ソレノイド39を一時的に非通電状態にして、蒸気排出経路37を開放する位置に調圧弁38を動かす。これにより、蒸気排出経路37は密閉せずに鍋4の内外を連通させた開放状態となり、鍋4は直ちに外気と同じ常圧に戻る。その後、ソレノイド39を短時間で通電状態に切替え、鍋4の内部を再び密閉した状態にすると、引き続き鍋4内部の被調理物Sへの強い加熱により、鍋4の内部の被調理物Sが大気圧以上の所定圧力である例えば1.2気圧に達するまで加圧され、その加圧状態で被調理物Sを沸騰させることができる。
【0059】
こうして加熱制御手段22は、沸騰加熱工程中に鍋4内部の被調理物Sが減圧状態で沸騰したと判断したら、鍋4内部を減圧状態から大気圧よりも高い加圧状態へ一気に切替えて、被調理物Sに圧力ショックを加えるために、ソレノイド39ひいては調圧部35を構成する調圧弁38の動作を制御して、蒸気排出経路37を一時的に開放する。
【0060】
その後で加熱制御手段22は、鍋温度センサ21の検知温度が所定温度となる例えば90℃以上になり、それに加えて蓋温度センサ36の検知温度も所定温度となる例えば90℃以上になると、被調理物Sの加圧状態での沸騰を検知する沸騰検知を開始する。この沸騰加熱工程の手順中の沸騰検知では、引き続き加熱コイル17やコードヒータ18を連続通電して、鍋4内部の被調理物Sを強く加熱する一方で、蓋温度センサ36の検知温度の傾き(所定の時間に検知温度がどの程度上昇するのか)を算出する。そして、この蓋温度センサ36の検知温度の傾きが一定値以下になって安定したら、鍋4内の被調理物Sが加圧状態で沸騰したと判断して、沸騰加熱工程から次の沸騰継続工程に移行する。
【0061】
沸騰継続工程に移行すると、加熱制御手段22は蓋ヒータ30による蓋加熱を開始させる。ここでの蓋加熱は、内蓋32の温度が所定の例えば100℃になるように、蓋温度センサ36の検知温度により、蓋ヒータ30からの加熱量が管理される。また沸騰継続工程に移行したら、加熱制御手段22は鍋4内を常圧と大気圧よりも高い圧力との間に繰り返し変化させるために、ソレノイド39を周期的に通断電させて、調圧弁38で蒸気排出経路37を周期的に開閉する。
【0062】
沸騰継続工程では、沸騰継続工程加熱制御手段67により、沸騰継続工程時間を、調理メニュー73に応じて可変に制御し、沸騰後のオートミールOの硬さや粘りを調整する。ここでは、調理メニュー73として「お茶漬け」が選択されているので、沸騰している時間を例えば0.5分と短くして、オートミールOが水Wを十分に吸って内部まで加温された状態で粒々感を残した仕上がりにし、水分を残してお茶漬けに調理する。
【0063】
そして加熱制御手段22は、沸騰継続工程で鍋4内部の水Wが無くなり、内釜温度センサ12による鍋4の底部の検知温度が所定の温度上昇を生じたら、内釜温度センサ12の検知温度に基づき被調理物Sの炊上げを検知する。ここでは、鍋温度センサ21の検知温度が所定のドライアップ温度に達すると、鍋4内部の被調理物Sの炊上がりを検知して、沸騰継続工程から次の仕上加熱工程に移行する。
【0064】
ここでは、調理メニュー73として「お茶漬け」が選択されているので、仕上加熱工程時間は0分である。仕上加熱工程で加熱を行う場合は、蓋温度センサ36の検知温度による温度管理によって蓋ヒータ30を通断電し、内蓋32への露付きを防止すると共に、鍋4内部の被調理物Sが焦げない程度に高温(98~100℃)が保持されるように、加熱コイル17やコードヒータ18を通断電して、鍋4の底部の温度を管理する。仕上加熱工程は所定時間続けられ、仕上加熱工程時間が経過したら保温制御手段62による保温工程に移行する。
【0065】
以上のように本実施形態の加熱調理器では、調理開始待機工程時間の長さに応じて加熱を制御する調理開始待機工程加熱制御手段65と、沸騰加熱工程で加熱量を制御して沸騰するまでの時間を可変に制御する沸騰加熱工程加熱制御手段66と、を備える。
【0066】
このような構成にすることにより、沸騰加熱時間を制御して、例えば緩慢加熱とすることで「柔らかめで粘りあり」の食感とすることができ、例えば普通加熱とすることで適度な硬さと粘りの「普通」の食感とすることができ、例えば急速加熱とすることで「硬めで粒感あり」の食感とすることができる。
【0067】
また本実施形態の加熱調理器では、沸騰継続工程時間を調理メニューに応じて可変に制御する沸騰継続工程加熱制御手段67を備える。
【0068】
このような構成にすることにより、予めだし汁や具材を入れた調理において、より簡便で味がしみ込んだ美味しい調理が可能となる。
【0069】
また本実施形態の加熱調理器では、ドライアップ後に加熱量を減少させ、加熱量を減少させた仕上加熱工程時間を調理メニューに応じて可変に制御する仕上加熱工程加熱制御手段68を備える。
【0070】
このような構成にすることにより、調理メニューに応じて、水分をわずかに残した食感に仕上げたり、水分が残らないように仕上げたりすることができる。
【0071】
また本実施形態の加熱調理器では、被調理物SがオートミールOを含み、調理開始待機工程加熱制御手段65、および、沸騰加熱工程加熱制御手段66が、オートミールOの調理のために制御を行う。
【0072】
このような構成にすることにより、オートミールOの食感選択幅が広がり、多様なメニューに応じたオートミールOの調理が可能になる。
【0073】
また本実施形態の加熱調理器では、被調理物SがオートミールOを含み、沸騰継続工程加熱制御手段67が、オートミールOの調理のために制御を行う。
【0074】
このような構成にすることにより、オートミールの調理メニューに応じて、より簡便でオートミールOに味がしみ込んだ美味しい調理が可能となり、多様なメニューに応じたオートミールOの調理が可能になる。
【0075】
また本実施形態の加熱調理器では、被調理物SがオートミールOを含み、仕上加熱工程加熱制御手段68が、オートミールOの調理のために制御を行う。
【0076】
このような構成にすることにより、オートミールOを水分をわずかに残した食感に仕上げたり、オートミールOを具材や調味液と一緒に調理し、水分が残らないように仕上げたりして、多様なメニューに応じたオートミールOの調理が可能になる。
【0077】
以上、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、上記で述べた調理開始待機工程時間や、水Wの加熱温度、沸騰加熱工程時間、加熱量、沸騰継続工程時間、仕上加熱工程時間、調理物Sに含まれる種類71、調理メニュー73、食感75の具体的内容は例示であり、適宜調理コースを設定して、これに応じて変更することができるので、上記したものに限定されない。
【符号の説明】
【0078】
1 本体
22 加熱制御手段
65 調理開始待機工程加熱制御手段
66 沸騰加熱工程加熱制御手段
67 沸騰継続工程加熱制御手段
68 仕上加熱工程加熱制御手段
71 種類
73 調理メニュー
75 食感
O オートミール
S 被調理物