(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173121
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】脱臭装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A61L9/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085139
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】305032254
【氏名又は名称】サンスター技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】宇佐 智治
(72)【発明者】
【氏名】山口 勝浩
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180BB11
4C180CC03
4C180DD01
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH19
4C180JJ01
4C180MM01
(57)【要約】
【課題】厚みが小さい脱臭装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る脱臭装置1は、第1主壁201と、前記第1主壁に対向する第2主壁202と、前記第1主壁と前記第2主壁の側縁の間をそれぞれ封止する第1側壁203および第2側壁204と、前記第1主壁との間に隙間を形成せず、前記第2主壁との間に隙間を形成するよう配設される第1隔壁205と、前記第2主壁との間に隙間を形成せず、前記第1主壁との間に隙間を形成するよう配設される第2隔壁206と、前記第1隔壁と前記第2隔壁の間に保持され、前記第2主壁側から前記第1主壁側に空気が透過する光触媒ユニット30と、前記第2隔壁の前記光触媒ユニットと反対側に、前記第1主壁との間に間隔を空けて配置され、前記第1主壁に向かって開口する吸込口および前記第2隔壁と反対側に向かって開口する吐出口を有する遠心送風機40と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主壁と、
前記第1主壁に対向する第2主壁と、
前記第1主壁と前記第2主壁の側縁の間をそれぞれ封止する第1側壁および第2側壁と、
前記第1主壁との間に隙間を形成せず、前記第2主壁との間に隙間を形成するよう配設される第1隔壁と、
前記第2主壁との間に隙間を形成せず、前記第1主壁との間に隙間を形成するよう配設される第2隔壁と、
前記第1隔壁と前記第2隔壁の間に保持され、前記第2主壁側から前記第1主壁側に空気が透過する光触媒ユニットと、
前記第2隔壁の前記光触媒ユニットと反対側に、前記第1主壁との間に間隔を空けて配置され、前記第1主壁に向かって開口する吸込口および前記第2隔壁と反対側に向かって開口する吐出口を有する遠心送風機と、
を備える、脱臭装置。
【請求項2】
前記第2主壁に配設され、前記光触媒ユニットに投光する光源と、
前記第1隔壁の前記第2隔壁と反対側に、前記第2主壁との間に隙間を形成せず、前記第1主壁との間に隙間を形成するよう配設され遮光壁と、
をさらに備える、請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項3】
前記光源が実装され、前記第2主壁の外側に配設される回路基板をさらに備え、
前記第2主壁は前記光源を露出させる投光開口を有する、請求項2に記載の脱臭装置。
【請求項4】
前記第1側壁は、前記第1隔壁と前記第2隔壁の間に前記光触媒ユニットを挿入する着脱開口を有し、
前記第1隔壁および前記第2隔壁は、前記光触媒ユニットを案内するガイドを有する、請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項5】
前記光触媒ユニットは、板状の多孔質セラミック成形体に光触媒を担持させてなる光触媒担持体と、前記光触媒担持体を保持するフレームと、を有する、請求項1に記載の脱臭装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光触媒により空気中の臭気成分を分解する脱臭装置(空気清浄機)が利用されている。空気を効率よく光触媒に接触させるために、多孔質セラミック成形体に光触媒を担持させてなる光触媒担持体が用いられる。このような光触媒担持体を用いる脱臭装置は、ファンによって厚板状の厚み方向に透過する空気の流れを形成するよう構成される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような脱臭装置において光触媒担持体の面積を大きくすると、空気流路の断面積が増大し、装置全体が大型化する。例えば脱臭装置を壁に取り付けて使用する場合等では、脱臭装置の薄型化が望まれる。そこで、本発明は、厚みが小さい脱臭装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る脱臭装置は、第1主壁と、前記第1主壁に対向する第2主壁と、前記第1主壁と前記第2主壁の側縁の間をそれぞれ封止する第1側壁および第2側壁と、前記第1主壁との間に隙間を形成せず、前記第2主壁との間に隙間を形成するよう配設される第1隔壁と、前記第2主壁との間に隙間を形成せず、前記第1主壁との間に隙間を形成するよう配設される第2隔壁と、前記第1隔壁と前記第2隔壁の間に保持され、前記第2主壁側から前記第1主壁側に空気が透過する光触媒ユニットと、前記第2隔壁の前記光触媒ユニットと反対側に、前記第1主壁との間に間隔を空けて配置され、前記第1主壁に向かって開口する吸込口および前記第2隔壁と反対側に向かって開口する吐出口を有する遠心送風機と、を備える。
【0006】
上述の脱臭装置は、前記第2主壁に配設され、前記光触媒ユニットに投光する光源と、前記第1隔壁の前記第2隔壁と反対側で、前記第2主壁との間に隙間を形成せず、前記第1主壁との間に隙間を形成するよう配設される遮光壁と、をさらに備えてもよい。
【0007】
上述の脱臭装置は、前記光源が実装され、前記第2主壁の外側に配設される回路基板をさらに備え、前記第2主壁は前記光源を露出させる投光開口を有してもよい。
【0008】
上述の脱臭装置において、前記第1側壁は、前記第1隔壁と前記第2隔壁の間に前記光触媒ユニットを挿入する着脱開口を有し、前記第1隔壁および前記第2隔壁は、前記光触媒ユニットを案内するガイドを有してもよい。
【0009】
上述の脱臭装置において、前記光触媒ユニットは、板状の多孔質セラミック成形体に光触媒を担持させてなる光触媒担持体と、前記光触媒担持体を保持するフレームと、を有してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、厚みが小さい脱臭装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る脱臭装置を示す斜視図である。
【
図4】
図1の脱臭装置の光触媒ユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明をする。
図1は、本発明の一実施形態に係る脱臭装置1を示す斜視図である。また、
図2は脱臭装置1の分解斜視図であり、
図3は脱臭装置1の断面図である。
【0013】
本実施形態の脱臭装置1は、吸気口11および排気口12を有するハウジング10と、ハウジング10の内部に収容され、
図3に破線矢印で示すような経路で吸気口11と排気口12を接続する空気流路を画定する流路部材20と、空気流路を上流側と下流側とに区分するよう配置され、空気が透過可能な板状の光触媒ユニット30と、空気流路内に収容され、空気流路に光触媒ユニット30を透過する空気の流れを形成する遠心送風機40と、光触媒ユニット30に光を照射する光源である複数のLED51が実装される回路基板50と、を備える。
【0014】
脱臭装置1は、遠心送風機40により流路部材20の内部に空気を吸い込み、空気中の臭気成分を光触媒ユニット30により分解除去し、臭気成分を除去した空気を外部に放出する。脱臭装置1は、壁面に取り付けられて使用されることが想定されている。具体的には、脱臭装置1は、壁際に配置されるペット用トイレ等の臭気発生源の直上に、吸気口11を下にして配設され、下方の臭気発生源近傍の空気を吸入して脱臭し、脱臭した空気を上方に排出することができる。
【0015】
ハウジング10は、主に流路部材20の裏側を覆う裏側カバー13と、主に流路部材20の表側を覆う表側カバー14とに分割して形成され得る。裏側カバー13は、壁に取り付けるための取付構造、例えば壁に固定されるブラケットに係合する係合構造等が設けられ得る。本実施形態において、表側カバー14には、電源ボタン等を有する操作部15が設けられている。
【0016】
ハウジング10は、流路部材20と一体に形成されてもよいが、例えば樹脂成形により要求される形状を有する空気流路を形成する場合、外側のデザインが制約されるため、空気流路を画定する流路部材20と、流路部材20を覆うハウジング10とを別々に形成することによって、脱臭装置1の意匠性を向上できる。
【0017】
流路部材20は、想定される使用状態で裏側に位置する裏側半体21と、想定される使用状態で表側に位置する表側半体22と、に2分割されて形成され得る。
【0018】
流路部材20は、想定される使用状態で裏面側に位置する第1主壁201と、第1主壁201に対向し、表面側に位置する第2主壁202と、第1主壁201と第2主壁202の側縁の間をそれぞれ封止する第1側壁203および第2側壁204と、第1主壁201との間に隙間を形成せず、第2主壁202との間に隙間を形成するよう配設される第1隔壁205と、第1隔壁205の下流側で第2主壁202との間に隙間を形成せず、第1主壁201との間に隙間を形成するよう配設される第2隔壁206と、第1隔壁205の第2隔壁206と反対側(吸気口11側)に、第2主壁202との間に隙間を形成せず、第1主壁201との間に隙間を形成するよう配設される遮光壁207と、を備える。
【0019】
なお、これらの壁201~207は、それぞれ完全な平面状であることは要求されず段差を有してもよい。例として、本実施形態では、遠心送風機40の厚みがやや大きいため、遠心送風機40が配設される部分において第1主壁201と第2主壁202の間隔を僅かに大きくするよう、第2主壁202に段差が形成されている。また、これらの壁201~207は、それぞれが一体である必要はなく、複数に分割して形成されてもよい。本実施形態では、第1側壁203、第2側壁204および第2隔壁206は、裏側半体21に形成される部分と表側半体22に形成される部分とを組み合わせて形成される。
【0020】
流路部材20において、第1主壁201、第2主壁202、第1側壁203および第2側壁204は、一端が吸気口11、他端が排気口12に開口する扁平な四角筒状体を形成する。第1隔壁205および第2隔壁206は、流路部材20の内部で部分的に第1主壁201と第2主壁202の対向方向の空気の流れを形成するとともに、この部分に光触媒ユニット30を保持する。遮光壁207は、ユーザが吸気口11の中を覗き込んだとしても、第2主壁202に配設されるLED51の光を吸気口11を通して外部から直視できないようにする。
【0021】
より詳しくは、流路部材20は、第1隔壁205と第2隔壁206の間に第1主壁201および第2主壁202と平行に、かつ第1主壁201および第2主壁202とそれぞれ間隔を空けて光触媒ユニット30を保持する。このように光触媒ユニット30を保持するために、第1側壁203は、第1隔壁205と第2隔壁206の間に光触媒ユニット30を挿入するための着脱開口23を有し、第1隔壁205および第2隔壁206は、光触媒ユニット30を案内するガイド24をそれぞれ有する。第2側壁204は、光触媒ユニット30を係止する係止部25が設けられる。このように、流路部材20に着脱開口23およびガイド24を設けることによって、光触媒ユニット30の着脱を容易に行うことができる。本実施形態において、着脱開口23、一対のガイド24および係止部25は、互いの位置関係を担保できるよう同じ裏側半体21に設けられている。このため、本実施形態において、第2隔壁206は、第2主壁202と一体に表側半体22に形成される本体2061と、本体2061に実質的に空気の流路を形成せずに重ね合わされるよう、第1主壁201と一体に裏側半体21に形成され、ガイド24が設けられる構造付加部2062と、からなる。また、第2主壁202は、外側に配設される回路基板50のLED51をそれぞれハウジング10の内側の空気流路に露出させるよう、光触媒ユニット30に対向する位置に形成される複数の投光開口26を有する。
【0022】
光触媒ユニット30は、全体として板状に形成され、第1隔壁205と第2隔壁206の間に第1主壁201および第2主壁202と略平行に保持され、その厚み方向に、つまり第2主壁202側から第1主壁201側に空気が透過する。光触媒ユニット30と第1隔壁205および第2隔壁206との間隔としては、光触媒ユニット30の厚みの0.3倍以上1.5倍以下が好ましい。これにより、光触媒ユニット30を通してスムーズに空気が流れることを可能にすると共に、第1隔壁205と第2隔壁206の間隔、ひいては脱臭装置1の全体の厚みを比較的小さくすることができる。
【0023】
光触媒ユニット30は、
図4の斜視図、
図5の分解斜視図および
図6の断面図に示すように、それぞれ方形板状に形成される多孔質セラミック成形体に光触媒を担持させてなる複数の光触媒担持体31と、複数の光触媒担持体31を端面が互いに当接し合うよう平面的に並べた状態で収容する収容部321を有するベースフレーム32と、収容部321に収容される複数の光触媒担持体31を互いに圧接させるよう一端の光触媒担持体31を押圧する押圧部材33と、押圧部材33をベースフレーム32に締結する締結部材34と、ベースフレーム32に取り付けられ、収容部321からの光触媒担持体31の脱離を防止する脱落防止カバー35と、を備える。
【0024】
複数の光触媒担持体31は、互いに圧接されることで生じる摩擦力によって互いに位置ずれを抑制し合う。また、複数の光触媒担持体31を互いに圧接して保持することにより、光触媒ユニット30に外力が作用して光触媒ユニット30全体に歪みが生じても、光触媒担持体31の間にわずかなずれを生じさせて各光触媒担持体31の内部に作用する応力を低減できる。つまり、大型の光触媒担持体を使用すると、ベースフレーム32に大きな外力が作用してベースフレーム32が変形したときに光触媒担持体も同様に変形させるよう比較的大きな応力が作用するが、複数の小型の光触媒担持体31を挟持して一体に保持することで、ベースフレーム32が変形しても光触媒担持体31同士のずれによりベースフレーム32の変形を吸収することができる。このため、光触媒ユニット30は、落下等により衝撃力が作用した場合にも、光触媒担持体31の破損を効果的に抑制できる。
【0025】
光触媒担持体31は、厚み方向に貫通する多数の貫通孔311を有し、空気が透過可能に形成される。貫通孔311の径としては、空気との接触を促進するために例えば0.5mm以上3.0mm以下とすることができる。貫通孔311のピッチとしては、光触媒担持体31の強度を担保しつつ空気の流路面積を大きくするために例えば貫通孔311の径の1.5倍以上3倍以下とすることができる。
【0026】
光触媒担持体31の厚みとしては、空気との接触を促進するために、例えば10mm以上25mm以下とされ得る。光触媒担持体31の長辺の長さとしては、例えば50mm以上200mm以下とすることができ、光触媒担持体31の短辺の長さとしては、例えば30mm以上100mm以下とすることができる。光触媒担持体31は、摩擦力により互いの移動を抑制しやすいよう、長辺同士が圧接されるよう配置されることが好ましい。また、光触媒担持体31は、収容部321の長手方向に一列に並んで配置され、この配列方向に互いに圧接されることが好ましい。
【0027】
ベースフレーム32は、光触媒担持体31を収容する平面視方形状の収容部321の三方の外縁を画定する3つの垂直な規制面322,323,324と、収容部321の残りの外縁部に配設され、法線が収容部321の側に傾斜する傾斜面325と、光触媒担持体31の裏面側を部分的に支持する複数の桟326と、を有する。傾斜面325の傾斜角度(傾斜面325の法線と光触媒担持体31の法線との角度)としては例えば20°以上45°以下とすることができる。また、ベースフレーム32は、締結部材34が螺合するねじ穴327と、流路部材20のガイド24に摺動可能に嵌合する嵌合部328と、光触媒ユニット30を係止部25によって係止するための係合部329と、を有する。収容部321は、光触媒担持体31の寸法誤差を吸収でき、かつ光触媒担持体31同士の僅かな位置ずれを許容できるよう、収容する複数の光触媒担持体31の合計寸法よりも大きい寸法を有する。強度および寸法精度に劣る光触媒担持体31を例えば樹脂成形体によって形成できるベースフレーム32によって保持することにより、光触媒ユニット30を容易に着脱可能とすると共に、空気が確実に光触媒担持体31を通過するようにできる。
【0028】
押圧部材33は、傾斜面325に当接する摺動面331および光触媒担持体31の端面を押圧する押圧面332を有する。また、本実施形態の押圧部材33は、締結部材34が挿通される長孔333と、長孔333の周囲に形成される複数の弱化孔334と、を有する。
【0029】
押圧部材33は、ベースフレーム32に光触媒担持体31の法線方向に圧接されることにより、摺動面331が傾斜面325に沿って摺動し、押圧面332を光触媒担持体31に向かって突出させるよう移動する。つまり、押圧部材33は、傾斜面325の傾斜を圧力角として、収容部321側に移動させられるよう構成されている。これにより、押圧部材33は、ベースフレーム32の対向する位置に存在する規制面323との間に光触媒担持体31の列を挟み込むことで、複数の光触媒担持体31を互いに圧接させる。
【0030】
押圧部材33は、締結部材34に押圧される長孔333の周縁部の外側に複数の弱化孔334が形成されることにより、長孔333の周囲が弾性変形しやすくなっている。これにより、締結部材34が本実施形態のように十分な弾性力を発現できない構成を有する場合であっても、摺動面331を傾斜面325に安定して圧接することにより、押圧面332の光触媒担持体31に対する圧接力を発生させられる。
【0031】
締結部材34は、本実施形態において、長孔333を貫通してベースフレーム32のねじ穴327に螺合し、長孔333の周縁部をベースフレーム32に向かって押圧するねじである。
【0032】
脱落防止カバー35は、ベースフレーム32に係合し、収容部321に収容される光触媒担持体31の外縁部を覆う。脱落防止カバー35にも収容部321を横断する桟が設けられてもよい。
【0033】
遠心送風機40は、吸込口41および吐出口42を有するケーシング43と、ケーシング43に収容されるインペラ44と、ケーシング43の中に設けられ、インペラ44を回転駆動するモータ45と、を有する。遠心送風機40において、吸込口41はインペラ44の回転軸方向に開口し、吐出口42はインペラ44の接線方向に開口する。このような構成を有する遠心送風機40は、軸方向の寸法が小さい扁平な全体形状を有する。また、遠心送風機40は比較的静圧が高いため、比較的空気抵抗が大きい光触媒担持体31を用いても、光触媒担持体31を透過する空気の流れを確実に形成できる。
【0034】
遠心送風機40は、第1主壁201との間に間隔を空けて、吸込口41が第1主壁201に向かって開口し、吐出口42が第2隔壁206の光触媒ユニット30と反対側、つまり排気口12に向かって開口するよう配設される。遠心送風機40は、第1主壁201にスペーサを介して取り付けられてもよく、第2主壁202に取り付けられてもよい。
【0035】
回路基板50は、裏面側に実装されるLED51を投光開口26の中に配置すると共に、投光開口26を封止するよう、第2主壁202の外側に密着して配設される。このように、第2主壁202の投光開口26の中にLED51を配置することによって、LED51が空気の流れを阻害しない。また、回路基板50によって投光開口26を封止することによって、不必要な空気の流れを生じさせない。
【0036】
上述のような構成を有する脱臭装置1では、外部から吸気口11から吸い込まれた空気は、第1主壁201と遮光壁207の隙間および第2主壁202と第1隔壁205の隙間を通り、光触媒ユニット30の表面側に到達し、光触媒ユニット30を透過して、第1主壁201と第2隔壁206の隙間を通り、吸込口41から遠心送風機40に吸い込まれ、吐出口42から吐出され、排気口12を通して外部に排出される。つまり、脱臭装置1では全体としては、第1主壁201および第2主壁202に沿って空気が通過するが、光触媒ユニット30の直前、光触媒ユニット30の直後、遠心送風機40の直前および遠心送風機40の内部において空気が折れ曲がる。このような構成により、脱臭装置1は、第1主壁201と第2主壁202の間に、板状の光触媒ユニット30と扁平な遠心送風機40とを平面的に並べ配置するため、第1主壁201と第2主壁202の間隔を小さくできる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態に係る脱臭装置について説明したが、本発明に係る脱臭装置の構成およびその効果は、上述したものに限定されない。例として、本発明に係る脱臭装置は、表面側に第1主壁、裏面側に第2主壁を備えてもよい。また、本発明に係る脱臭装置において、光源は、第2主壁の内側に突出するよう配設されてもよく、第1主壁側に配設されてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 脱臭装置
10 ハウジング
11 吸気口
12 排気口
13 裏側カバー
14 表側カバー
15 操作部
20 流路部材
201 第1主壁
202 第2主壁
203 第1側壁
204 第2側壁
205 第1隔壁
206 第2隔壁
207 遮光壁
21 裏側半体
22 表側半体
23 着脱開口
24 ガイド
25 係止部
26 投光開口
30 光触媒ユニット
31 光触媒担持体
311 貫通孔
32 ベースフレーム
321 収容部
322,323,324 規制面
325 傾斜面
326 桟
327 ねじ穴
328 嵌合部
329 係合部
33 押圧部材
331 摺動面
332 押圧面
333 長孔
334 弱化孔
34 締結部材
35 脱落防止カバー
40 送風機
41 吸込口
42 吐出口
43 ケーシング
44 インペラ
45 モータ
50 回路基板
51 LED(光源)