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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017318
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】車両のドア構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/00 20060101AFI20230131BHJP
【FI】
B60J5/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121513
(22)【出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】中山 大輔
(72)【発明者】
【氏名】雪田 恭兵
(72)【発明者】
【氏名】駒路 知博
(72)【発明者】
【氏名】中重 壮寛
(57)【要約】
【課題】ドアアウタパネルにおける境界部の局所変形を抑制することができる車両のドア構造の提供を目的とする。
【解決手段】車幅方向外側に凸となる凸部28と、凸部28から離間して車幅方向内側に凹んで形成される凹部29と、凸部28と凹部29との間の境界部αと、を備えるドアアウタパネル12と、ドアアウタパネル12の車幅方向内側面に固定されるパネルレインフォースメント30と、を備えた車両のドア構造であって、パネルレインフォースメント30は、車両前後方向に延設される第1骨格部31と、境界部αに設けられ、境界部αに車幅方向内側方向の入力が入った際、第1骨格部31に荷重伝達可能に構成される第2骨格部32と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向外側に凸となる凸部と、
上記凸部から離間して車幅方向内側に凹んで形成される凹部と、
上記凸部と上記凹部との間の境界部と、を備えるドアアウタパネルと、
上記ドアアウタパネルの車幅方向内側面に固定されるパネルレインフォースメントと、を備えた車両のドア構造であって、
上記パネルレインフォースメントは、車両前後方向に延設される第1骨格部と、
上記境界部に設けられ、当該境界部に車幅方向内側方向の入力が入った際、上記第1骨格部に荷重伝達可能に構成される第2骨格部と、を備えたことを特徴とする
車両のドア構造。
【請求項2】
上記第1骨格部は略直線状に延びる稜線部を備えている
請求項1に記載の車両のドア構造。
【請求項3】
上記ドアアウタパネルの上記凸部および上記凹部は車両前後方向に延びており、上記凸部と上記凹部との間の上記境界部は、ドアアウタハンドルが設けられる略同じ高さで車両前後方向に延びる
請求項1または2に記載の車両のドア構造。
【請求項4】
上記第2骨格部は、ドアアウタハンドルが設けられる高さ位置において荷重伝達可能に車両前後方向に延びる前後方向骨格部と、
上記第1骨格部と上記前後方向骨格部とを上下方向に連結する上下方向骨格部と、を備えた
請求項1~3の何れか一項に記載の車両のドア構造。
【請求項5】
上記第2骨格部は上記前後方向骨格部と上記上下方向骨格部とでトラス形状に構成されたトラス部を備える
請求項4に記載の車両のドア構造。
【請求項6】
上記第2骨格部の上記トラス部の頂点近傍部に配置され、上記第2骨格部と上記ドアアウタパネルとを接着する接着剤を備えた
請求項5に記載の車両のドア構造。
【請求項7】
上記トラス部の頂点部は、上記ドアアウタハンドルの前端部と後端部とを結んで車両前方に延びる車両前後方向仮想線上に設けられる
請求項5または6に記載の車両のドア構造。
【請求項8】
上記第1骨格部および上記第2骨格部は、断面略U字形状に形成された
請求項1~7の何れか一項に記載の車両のドア構造。
【請求項9】
上記第1骨格部の前端部および後端部は、ドアインナパネルの前辺部および後辺部における稜線部近傍に固定された
請求項1~8の何れか一項に記載の車両のドア構造。
【請求項10】
上記第1骨格部の前端部および後端部の少なくとも何れか一方は、ドアインナパネルに設けられる補強部材に固定される
請求項1~9の何れか一項に記載の車両のドア構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のドア構造に関し、詳しくは、車幅方向外側に凸となる凸部と、上記凸部から離間して車幅方向内側に凹んで形成される凹部と、上記凸部と上記凹部との間の境界部と、を備えるドアアウタパネルと、上記ドアアウタパネルの車幅方向内側面に固定されるパネルレインフォースメントと、を備えた車両のドア構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ドア外板としてのドアアウタパネルの平面部をユーザが手で触れた時の局所変形を抑制する目的で、ドアアウタパネルの車幅方向内側面にパネルレインフォースメントを固定する構造が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
一方、ドアアウタパネルにおいて、車幅方向外側に突出する凸部と、車幅方向内側に凹んで形成される凹部とを隣接して設ける場合には、上記凸部と上記凹部との間に境界部が生じるが、ドアのデザインの関係上、斯る構造を採用した場合には、次の如き問題点があった。
【0004】
例えば、ドアアウタパネルに対してワックスをかけるようなユーザがある程度の力をかけながらドアアウタパネルを押圧する際に上記凸部と上記凹部との間の境界部が、車幅方向内側への荷重に対して変形しやすい凹領域に伴い、局所変形に弱い領域となり、洗練されたデザインの確保と高級感との両立が困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-45995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、ドアアウタパネルにおける境界部の局所変形を抑制することができる車両のドア構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による車両のドア構造は、車幅方向外側に凸となる凸部と、上記凸部から離間して車幅方向内側に凹んで形成される凹部と、上記凸部と上記凹部との間の境界部と、を備えるドアアウタパネルと、上記ドアアウタパネルの車幅方向内側面に固定されるパネルレインフォースメントと、を備えた車両のドア構造であって、上記パネルレインフォースメントは、車両前後方向に延設される第1骨格部と、上記境界部に設けられ、当該境界部に車幅方向内側方向の入力が入った際、上記第1骨格部に荷重伝達可能に構成される第2骨格部と、を備えたものである。
【0008】
上述の凸部とは、ドアアウタパネルの車幅方向外側に最も突出する頂点(点)または頂上領域(面)、凹部とは、ドアアウタパネルの車幅方向内側に最も突出する頂点(点)または頂上領域(面)を指す。
また、上述の荷重は、衝撃荷重ではなく、例えば、ドアアウタパネルに対してワックスをかける時、ユーザがある程度の力をかけながら当該ドアアウタパネルを押圧する際などの荷重を意味する。
【0009】
この発明によれば、上記凹部は車幅方向内側に凹んで形成されるため、境界部は車幅方向内側方向の荷重入力が入った際に変形しやすいが、境界部に設けられる第2骨格部が第1骨格部に対して荷重を伝達するので、境界部の局所変形を抑制することができる。
【0010】
この発明の態様として、上記第1骨格部は略直線状に延びる稜線部を備えていてもよい。
この発明によれば、第2骨格部から第1骨格部に伝達された荷重を、第1骨格部の剛性が高い稜線部を介してパネルレインフォースメントの固定部に伝達することができる。
【0011】
この発明の態様として、上記ドアアウタパネルの上記凸部および上記凹部は車両前後方向に延びており、上記凸部と上記凹部との間の上記境界部は、ドアアウタハンドルが設けられる略同じ高さで車両前後方向に延びてもよい。
この発明によれば、凸部と凹部との間の境界部の位置を、ドアアウタハンドルと略同じ高さとしたので、ユーザの手の触れる可能性が高い領域を、有効的に補強することができる。
【0012】
この発明の態様として、上記第2骨格部は、ドアアウタハンドルが設けられる高さ位置において荷重伝達可能に車両前後方向に延びる前後方向骨格部と、上記第1骨格部と上記前後方向骨格部とを上下方向に連結する上下方向骨格部と、を備えてもよい。
【0013】
この発明によれば、前後方向骨格部はドアアウタハンドルが設けられる高さ位置に存在するので、当該ドアアウタハンドル位置の前後方向骨格部から上下方向骨格部を介して、より一層効率的に第1骨格部に対して荷重を伝達することができる。
【0014】
この発明の態様として、上記第2骨格部は上記前後方向骨格部と上記上下方向骨格部とでトラス形状に構成されたトラス部を備えてもよい。
この発明によれば、上記トラス部は荷重の分散伝達効果が高いので、荷重伝達効率の向上を図ることができる。
【0015】
この発明の態様として、上記第2骨格部の上記トラス部の頂点近傍部に配置され、上記第2骨格部と上記ドアアウタパネルとを接着する接着剤を備えてもよい。
この発明によれば、トラス部の頂点近傍部は、荷重を効率よく分散できる部位であって、第2骨格部がドアアウタパネルに接着される接着部位として最適である。これにより、第2骨格部の荷重伝達効率の向上を図ることができる。
【0016】
この発明の態様として、上記トラス部の頂点部は、上記ドアアウタハンドルの前端部と後端部とを結んで車両前方に延びる車両前後方向仮想線上に設けられてもよい。
この発明によれば、トラス部の頂点部がドアアウタハンドルの上記仮想線上に設けられているので、ユーザの手の触れる可能性が高い領域で、確実に荷重分散を図ることができる。
【0017】
この発明の態様として、上記第1骨格部および上記第2骨格部は、断面略U字形状に形成されてもよい。
この発明によれば、上述の断面形状により第1骨格部、第2骨格部の断面二次モーメントの向上を図ることができ、パネルレインフォースメントの曲げ剛性を向上させることができる。
【0018】
この発明の態様として、上記第1骨格部の前端部および後端部は、ドアインナパネルの前辺部および後辺部における稜線部近傍に固定されてもよい。
この発明によれば、第1骨格部の前後両端部を、ドアインナパネルの剛性が高い稜線部近傍に固定するので、当該第1骨格部の荷重をドアインナパネルに確実に分散、伝達することができる。
【0019】
この発明の態様として、上記第1骨格部の前端部および後端部の少なくとも何れか一方は、ドアインナパネルに設けられる補強部材に固定されてもよい。
この発明によれば、第1骨格部の前端部、後端部の少なくとも一方を、剛性が高い補強部材に固定するので、第1骨格部の荷重を補強部材を介してドアインナパネルに確実に分散、伝達することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、ドアアウタパネルにおける境界部の局所変形を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】車両のドア構造を車両右側外方から見た状態で示す側面図。
図2】ドアアウタパネルを取外した状態で示す側面図。
図3】凸部を含む凸領域と凹部を含む凹領域とを示す説明図。
図4】パネルレインフォースメントを単品で示す拡大図。
図5】パネルレインフォースメントを単品で示す斜視図。
図6図2のA-A線矢視断面図。
図7】(a)は図2のB-B線矢視断面図、(b)は図2のC-C線矢視断面図。
図8】(a)は図2のD-D線矢視断面図、(b)は図2のE-E線矢視断面図。
図9図2のG-G線矢視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ドアアウタパネルにおける境界部の局所変形を抑制するという目的を、車幅方向外側に凸となる凸部と、上記凸部から離間して車幅方向内側に凹んで形成される凹部と、上記凸部と上記凹部との間の境界部と、を備えるドアアウタパネルと、上記ドアアウタパネルの車幅方向内側面に固定されるパネルレインフォースメントと、を備えた車両のドア構造であって、上記パネルレインフォースメントは、車両前後方向に延設される第1骨格部と、上記境界部に設けられ、当該境界部に車幅方向内側方向の入力が入った際、上記第1骨格部に荷重伝達可能に構成される第2骨格部と、を備えるという構成にて実現した。
【実施例0023】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両のドア構造を示し、図1は当該車両のドア構造を車両右側外方から見た状態で示す側面図、図2図1からドアアウタパネルを取外した状態のドア構造を示す側面図、図3は凸部を含む凸領域と凹部を含む凹領域とを示す説明図である。
【0024】
図4はパネルレインフォースメントを単品で示す拡大図、図5はパネルレインフォースメントを単品で示す斜視図、図6図2のA-A線矢視断面図、図7(a)は図2のB-B線矢視断面図、図7(b)は図2のC-C線矢視断面図、図8(a)は図2のD-D線矢視断面図、図8(b)は図2のE-E線矢視断面図、図9図2のG-G線矢視断面図である。
【0025】
図1に示すように、前席乗員の乗降口としてのドア開口部を開閉するサイドドアとしてのドア10(フロントドア)を設けている。
上述のドア10は、図1に示すように、ドアアウタハンドル11と、ドアアウタパネル12のベルトライン部BL近傍における前側部に開口形成されたドアミラー貫通孔を用いてドアアウタパネル12の車幅方向外面に当接されたドアミラー(図示せず)と、ドアウインドウガラスと、ドアサッシュ部13と、を備えている。
【0026】
図2に示すように、上述のドア10はドアインナパネル14と、図1で示したドアアウタパネル12と、をヘミング加工等により一体的に連結して構成されており、該ドア10は、上下一対のドアヒンジブラケット15,16が取付けられた前辺部10Aと、下辺部10Bと、後辺部10Cとを備えている。
上述のドア10は、上下一対のドアヒンジブラケット15,16を介して車体としてのヒンジピラーに開閉可能に取付けられる。
【0027】
そして、上述の前辺部10Aにおけるドアインナパネル14のドア内部空間側には、ドアヒンジブラケット15,16に対応すべく、上下方向に延びるヒンジレインフォースメント17を接合固定し、上述の後辺部10Cにおけるドアインナパネル14のドア内部空間側には、ラッチレインフォースメント18を接合固定している。
【0028】
また、ベルトライン部BLに沿って車両前後方向に延びるベルトラインレインフォースメントインナ19(図7図8図9参照)とベルトラインレインフォースメントアウタ20とを設けている。このベルトラインレインフォースメントインナ19とベルトラインレインフォースメントアウタ20はドアウインドウガラスの出入口の縁部を補強するものである。
【0029】
図7図8図9に示すように、ベルトラインレインフォースメントインナ19は、ドアインナパネル14の車幅方向内側上部に設けられており、図2図7図8図9に示すように、ベルトラインレインフォースメントアウタ20は、ドアアウタパネル12の車幅方向内側上部に設けられている。
【0030】
上述のドアウインドウガラスの前辺部および後辺部は、ドア10のドア内部空間に設けられた前後のガイドレール21,22でその昇降が案内されるように構成している。
さらに、上述のドア10の前辺部10Aの上部と、下辺部10Bの後部との間には、インパクトバー23がスラント状に設けられている。
【0031】
このインパクトバー23は剛性部材で形成され、その前端部および後端部にフランジ部23a,23bを一体形成したものである。前側に位置するフランジ部23aはヒンジレインフォースメント17の上部に接合している。後側に位置するフランジ部23bはインパクトバーレインフォースメント24(図8(b)参照)に接合している。これにより、インパクトバー23の後端がその前端に対して下方に位置するように後傾状に配置されている。
このインパクトバー23の後傾配置構造により、側突荷重を比較的広範囲において受け止めるように構成している。
【0032】
また、上述のインパクトバー23には車両前後方向に延びる複数条(この実施例では2条)のビード23c,23cが一体形成されている。
上述のドアインナパネル14の主体部には、開口部25,26が開口形成されている。これらの開口部25,26は、ドアモジュール配設用またはスピーカ配設用に供される。
【0033】
なお、図7(a)に示すように、ドアミラーが取付けられる位置において、ベルトラインレインフォースメントアウタ20の車幅方向内側には、ドアミラーのミラーベースと対応するようにミラーブラケット27が設けられている。
【0034】
図1図3に示すように、上述のドアアウタパネル12は、車幅方向外側に凸となる凸部28と、この凸部28から下方に離間して車幅方向内側に凹んで形成される凹部29と、上述の凸部28と上述の凹部29との間の境界部α(ここに、境界部とは帯域部、区域部の意)と、を備えている。
【0035】
この実施例では、上述の凸部28は、ドアアウタパネル12の上部においてベルトライン部BLと略平行に形成されていて、当該凸部28はドアアウタパネル12の車両前後方向の全長にわたって車両前後方向に連続して形成されている。
【0036】
また、上述の凹部29は、ドアアウタパネル12の上下方向中間部において、前辺部10A側が低位置で、車両後方ほど高位置となるように傾斜状に形成されていて、当該凹部29はドアアウタパネル12の車両前後方向の全長にわたって車両前後方向に連続してスラント形成されている。
【0037】
さらに、上述の凸部28と上述の凹部29との間に位置する境界部αは、前辺部10A側の上下寸法が長く、後辺部10C側ほど上下寸法が短くなるように形成されている。
【0038】
上述の凸部28は、図3に仮想線で囲んで示す凸領域Uの車幅方向外側へ最も突出した頂点ラインであり、また上述の凹部29は、図3に仮想線で囲んで示す凹領域Vの車幅方向内側へ最も凹んだ頂点ラインである。この実施例においては、凸領域Uの下側に凹領域Vが位置しており、凹領域Vの下側後部には上記各領域U,Vに対して比較的小さい直角三角形状の凸領域Wが位置している。
【0039】
ここで、上記凸領域Uの領域上端はベルトライン部BLと一致しており、当該凸領域Uはベルトラインレインフォースメントインナ19、ベルトラインレインフォースメントアウタ20、ミラーブラケット27、上側のドアヒンジブラケット15、ヒンジレインフォースメント17の上側部、開口部25,26の上側一部を含んで、これら各要素19,20,27,15,25,26と対向するように形成された領域である。
【0040】
また、上記凹領域Vは、ラッチレインフォースメント18、下側のドアヒンジブラケット16、ヒンジレインフォースメント17の下側部、開口部25,26の下側過半部を含んで、これら各要素18,16,17,25,26と対向するように形成された領域である。
【0041】
さらに、上述の上側の凸領域Uと下側の凹領域Vとの間には、境目ラインβが形成されている。図3に示すように、この境目ラインβは前辺部10A側の上下位置が低く、後辺部10C側ほど上下位置が高くなるように傾斜状に形成されている。
図1図2に示すように、ドアアウタパネル12の車幅方向内側面に固定されて車両前後方向に延びるパネルレインフォースメント30を備えている。
【0042】
要するに、上記実施例の車両のドア構造は、車幅方向外側に凸となる凸部28と、上記凸部28から離間して車幅方向内側に凹んで形成される凹部29と、上記凸部28と上記凹部29との間の境界部αと、を備えるドアアウタパネル12と、上記ドアアウタパネル12の車幅方向内側面に固定されるパネルレインフォースメント30と、を備えたものである。
【0043】
上述のパネルレインフォースメント30は、後述する接着剤a~iを用いて、ドアアウタパネル12の車幅方向内側面に接着固定されると共に、図6に示すように、ドアインナパネル14の前後の段部14c,14g間に接合固定されている。
【0044】
すなわち、ドア10の前辺部10A側においては、ドアインナパネル14は、ドアアウタパネル12のヘミング加工部に挟持固定されるフランジ部14aを備えている。このフランジ部14aの後端から車幅方向内方に延びる延出部14bを設け、また、当該延出部14bから車両後方に延びる段部14cを備え、さらに、該段部14cの後端から車幅方向内方に延びる前辺部14dを備えている。
上述の段部14cの前後両部には、上下方向に延びる稜線部X1,X2が形成されている。
【0045】
ドア10の後辺部10C側においては、ドアインナパネル14は、ドアアウタパネル12のヘミング加工部に挟持固定されるフランジ部14eを備えている。このフランジ部14eの前端から車幅方向内方に延びる延出部14fを設け、また、当該延出部14fから車両前方に延びる段部14gを備え、さらに、該段部14gの前端から車幅方向内方に延びる後辺部14hを備えている。
上述の段部14gの前後両部には、上下方向に延びる稜線部X3,X4が形成されている。
【0046】
図2図6に示すように、パネルレインフォースメント30の前端部(後述する第1骨格部31の前端部31f参照)は、上側のドアヒンジブラケット15の直上部における前辺部10Aのドアインナパネル14の上記段部14cに固定されている。同図に示すように、パネルレインフォースメント30の後端部(後述する第1骨格部31の後端部31r参照)は、ラッチレインフォースメント18の直下部における後辺部10Cのドアインナパネル14の上記段部14gに固定されている。
【0047】
上述の前後の各段部14c,14gの前後には上下方向に延びる稜線部X1,X2,X3,X4が形成されており、パネルレインフォースメント30の前端部および後端部は、ドアインナパネル14の前辺部10Aおよび後辺部10Cにおける稜線部X1,X2,X3,X4近傍に固定されている。
【0048】
ここで、パネルレインフォースメント30の前端部は、ドアインナパネル14の段部14cと、ヒンジレインフォースメント17と併せて3枚溶接固定されている。
上述のパネルレインフォースメント30の板厚は0.5mmであり、ドアアウタパネル12の板厚は0.65mmであり、ヒンジレインフォースメント17の板厚は1.6mmである。板厚は上記数値に限定されるものではないが、相対的に板厚が小さいパネルレインフォースメント30を、板厚が相対的に大きいヒンジレインフォースメント17と、ドアインナパネル14との3枚溶接構造とすることで、充分な荷重の伝達、分散効果を確保するように構成している。
【0049】
しかも、上述のパネルレインフォースメント30は、図2図5に示すように、車両前後方向に延設される第1骨格部31と、上記境界部αに設けられ、当該境界部αに車幅方向内側方向の入力が入った際、上記第1骨格部31に荷重伝達可能に構成された第2骨格部32と、を備えている。
【0050】
図2図5に示すように、この実施例では第2骨格部32の下部に第1骨格部31が位置するように構成されている。
第1骨格部31に対して、車幅方向内側方向への入力荷重を伝達する第2骨格部32を設けることで、次のような効果が得られる。
【0051】
すなわち、上記凹部29は車幅方向内側に凹んで形成されるため、境界部αは車幅方向内側方向の荷重入力が入った際に変形しやすいが、当該境界部αに設けられる第2骨格部32が第1骨格部31に対して荷重を伝達するので、境界部αの局所変形を抑制することができるものである。
【0052】
図7図9に示すように、上述の第1骨格部31は、上壁31aと、上壁31aの車幅方向内端から下方に延びる内壁31bと、内壁31bの下端から車幅方向外方に延びる下壁31cと、下壁31cの車幅方向外端から下方に延びる下部フランジ31dと、を有して、上下方向断面で略U字形状に形成されている。
【0053】
これにより、上壁31a、下壁31cの内外両部には、車両前後方向に略直線状に連続して延びる稜線部X5,X6,X7,X8が形成されている(図4図5参照)。
【0054】
つまり、第1骨格部31は略直線状に延びる4つの稜線部X5~X8を備えている。これにより、第2骨格部32から第1骨格部31に伝達された荷重を、第1骨格部31の剛性が高い複数の稜線部X5~X8、特に、上側に位置する2つの稜線部X5,X6を介して、パネルレインフォースメント30の前後の固定部であるドアインナパネル14の段部14c,14g、なかんずく、前側においては高剛性のヒンジレインフォースメント17に伝達するように構成している。
【0055】
図1に示すように、ドアアウタパネル12の凸部28および凹部29は車両前後方向に延びており、凸部28と凹部29との間の境界部αは、ドアアウタハンドル11が設けられる略同じ高さで車両前後方向に延びている。上述したようにパネルレインフォースメント30の第2骨格部32は上記境界部αに設けられている。
【0056】
このように、凸部28と凹部29との間の境界部αの位置を、ドアアウタハンドル11と略同じ高さとすることで、ユーザの手の触れる可能性が高い領域を、パネルレインフォースメント30の第2骨格部32により有効的に補強するように構成している。
【0057】
図1図4図5に示すように、上述の第2骨格部32は、ドアアウタハンドル11が設けられる高さ位置において、荷重伝達可能に車両前後方向に延びる前後方向骨格部33と、第1骨格部31と前後方向骨格部33とを上下方向に連結する複数の第1乃至第3の上下方向骨格部34,35,36と、を備えている。
【0058】
図2図4に示すように、上述の前後方向骨格部33は、パネルレインフォースメント30の前端部から第2上下方向骨格部35の上端部にかけて略水平に前後方向に延びる前部33aと、該前部33aの後端部から第3上下方向骨格部36の上端部にかけて後方ほど下方へ約20度の傾斜で後傾する中間部33bと、該中間部33bの後端部からパネルレインフォースメント30の後端部にかけて後方ほど下方へ約30度の傾斜で後傾する後部33cと、を備えている。
【0059】
このように、前後方向骨格部33は、ドアアウタハンドル11が設けられる高さ位置に存在することで、当該ドアアウタハンドル11位置の前後方向骨格部33から第1乃至第3の上下方向骨格部34,35,36を介して、より一層効率的に第1骨格部31に対して荷重を伝達するように構成している。
【0060】
図4図5に示すように、上述の第2骨格部32は、前後方向骨格部33と上下方向骨格部34,35,36とでトラス形状に構成された複数の第1乃至第3のトラス部T1,T2,T3を備えている。
この実施例では、上記トラス部T1,T2,T3を3つ形成しているが、トラス部の形成数量はこれに限定されるものではない。
【0061】
ここで、上述の第2骨格部32はトラス部T1,T3の底辺部を形成して、第1上下方向骨格部34と前後方向骨格部33の後部33cとの間を車両前後方向に一体連結する底辺部骨格部37を備えている。
【0062】
第1トラス部T1は各要素33a,35,37で囲繞され、これら各要素33a,35,37間には三角形状の開口部t1が形成されている。
第2トラス部T2は各要素33b,35,36で囲繞され、これら各要素33b,35,36間には三角形状の開口部t2が形成されている。
第3トラス部T3は各要素33c,36,37で囲繞され、これら各要素33c,36,37間には三角形状の開口部t3が形成されている。
【0063】
このように、上述の第2骨格部32はトラス形状に構成されたトラス部T1,T2,T3を備えており、該トラス部T1,T2,T3は荷重の分散伝達効果が高く、第2骨格部32から第1骨格部31への荷重伝達効率の向上を図るように構成している。
【0064】
図2図3に図示の便宜上、白抜き丸印で示すように、パネルレインフォースメント30とドアアウタパネル12とは、接着剤a~iにより接着固定されている。これらの各接着剤a~iは車両前後方向および上下方向にそれぞれ間隔を隔てて設けられている。
【0065】
接着剤a,bは第1骨格部31の下部フランジ31dをドアアウタパネル12に接着固定するものである。接着剤c,d,e,fは第2骨格部32の前後方向骨格部33をドアアウタパネル12に接着固定するものである。接着剤gは第2上下方向骨格部35をドアアウタパネル12に接着固定するものである。さらに、接着剤h,iは第1トラス部T1の底辺対応位置における底辺部骨格部37をドアアウタパネル12に接着固定するものである。
【0066】
図2図3図9に示すように、上記各接着剤a~iのうちの接着剤fは第2骨格部32の第3トラス部T3の頂点(頂点とは多角形で隣り合う二辺の交わる点)に配置され、第2骨格部32とドアアウタパネル12とを接着するものである。
【0067】
また、図2図3に示すように、上記各接着剤a~iのうちの接着剤e,gは第2骨格部32の第2トラス部T2の頂点近傍部に配置され、第2骨格部32とドアアウタパネル12とを接着するものである。
【0068】
このように、第2骨格部32の第3トラス部T3の頂点および第2トラス部T2の頂点近傍部に配置され、第2骨格部32とドアアウタパネル12とを接着する接着剤f,e,gとを備えている。
【0069】
上記トラス部T2,T3の頂点および頂点近傍部は、荷重を効率よく分散できる部位であって、第2骨格部32がドアアウタパネル12に接着される接着部位として最適であり、これにより、第2骨格部32の荷重伝達効率の向上を図るように構成している。
【0070】
図1図2に示すように、複数のトラス部T1,T2,T3のうちの第2トラス部T2の頂点部は、ドアアウタハンドル11の前端部11aと後端部11bとを結んで車両前方に延びる車両前後方向仮想線γ上に設けられている。
【0071】
このように、第2トラス部T2の頂点部がドアアウタハンドル11の上記仮想線γ上に設けられることで、ユーザの手の触れる可能性が高い領域で、確実に荷重分散を図るように構成している。
【0072】
図7図8図9に断面図で示すように、第1骨格部31および第2骨格部32は、断面略U字形状に形成されている。詳しくは、第1骨格部31は、開放側が車幅方向外側を向く断面略U字形状に形成されており、第2骨格部32は、開放側が車幅方向内側を向く断面略U字形状に形成されている。
【0073】
さらに詳しくは、第1骨格部31は、上下方向断面が略U字形状に形成されており、第2骨格部32は、当該第2骨格部32を構成する前後方向骨格部33および上下方向骨格部34,35,36の延設方向と直交する方向の断面がそれぞれ略U字形状に形成されている。
【0074】
上述の略U字形状の断面形状により、第1骨格部31、第2骨格部32の断面二次モーメント(一般にI=∫ydAで示され、曲げる力に対する抵抗性を表す)の向上を図り、パネルレインフォースメント30の曲げ剛性向上を図るように構成している。
【0075】
図6に示すように、上述の第1骨格部31の前端部31fおよび後端部31rは、ドアインナパネル14の前辺部10Aおよび後辺部10Cの段部14c,14gにおいて稜線部X1~X4の近傍に固定されている。
【0076】
このように、第1骨格部31の前後両端部を、ドアインナパネル14の剛性が高い稜線部X1~X4近傍に固定することで、当該第1骨格部31の荷重をドアインナパネル14に確実に分散、伝達するように構成している。
【0077】
さらに、図6に示すように、第1骨格部31の前端部31fおよび後端部31rのうちの少なくとも何れか一方は、ドアインナパネル14に設けられる補強部材に固定されている。
この実施例では、図6に示すように、第1骨格部31の前端部31fは、ドアインナパネル14に設けられる補強部材としてのヒンジレインフォースメント17に固定されている。
【0078】
さらに詳しくは、上記前端部31fと、ヒンジレインフォースメント17と、ドアインナパネル14の段部14cとの三者がスポット溶接手段にて3枚溶接固定されている。
このように、第1骨格部31の前端部31fを、剛性が高いヒンジレインフォースメント17に固定することで、第1骨格部31の荷重をヒンジレインフォースメント17を介してドアインナパネル14に確実に分散、伝達するように構成している。
【0079】
ここで、図2図3に示すラッチレインフォースメント18を第1骨格部31の後端部31rの下端位置まで下方に延ばし、第1骨格部31の後端部31rを、ドアインナパネル14に設けられる補強部材としてのラッチレインフォースメント18にも固定する構造を採用してもよい。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
【0080】
以上、詳述したように上記実施例の車両のドア構造は、車幅方向外側に凸となる凸部28と、上記凸部28から離間して車幅方向内側に凹んで形成される凹部29と、上記凸部28と上記凹部29との間の境界部αと、を備えるドアアウタパネル12と、上記ドアアウタパネル12の車幅方向内側面に固定されるパネルレインフォースメント30と、を備えた車両のドア構造であって、上記パネルレインフォースメント30は、車両前後方向に延設される第1骨格部31と、上記境界部αに設けられ、当該境界部αに車幅方向内側方向の入力が入った際、上記第1骨格部31に荷重伝達可能に構成される第2骨格部32と、を備えたことを特徴としている(図1図2図3参照)。
【0081】
このような車両のドア構造によれば、上記凹部29は車幅方向内側に凹んで形成されるため、境界部αは車幅方向内側方向の荷重入力が入った際に変形しやすいが、境界部αに設けられる第2骨格部32が第1骨格部31に対して荷重を伝達するので、境界部αの局所変形(弾性変形)を抑制することができる。
【0082】
また、かかる車両のドア構造においては、上記第1骨格部31は略直線状に延びる稜線部X5~X8を備えている(図4図5参照)。
このような車両のドア構造によれば、第2骨格部32から第1骨格部31に伝達された荷重を、第1骨格部31の剛性が高い稜線部X5~X8を介してパネルレインフォースメント30の固定部に伝達することができる。
【0083】
さらに、かかる車両のドア構造においては、上記ドアアウタパネル12の上記凸部28および上記凹部29は車両前後方向に延びており、上記凸部28と上記凹部29との間の上記境界部αは、ドアアウタハンドル11が設けられる略同じ高さで車両前後方向に延びる(図1参照)。
【0084】
このような車両のドア構造によれば、凸部28と凹部29との間の境界部αの位置を、ドアアウタハンドル11と略同じ高さとしたので、ユーザの手の触れる可能性が高い領域を、有効的に補強することができる。
【0085】
さらにまた、かかる車両のドア構造においては、上記第2骨格部32は、ドアアウタハンドル11が設けられる高さ位置において荷重伝達可能に車両前後方向に延びる前後方向骨格部33と、上記第1骨格部31と上記前後方向骨格部33とを上下方向に連結する上下方向骨格部34,35,36と、を備える(図4図5参照)。
【0086】
このような車両のドア構造によれば、前後方向骨格部33はドアアウタハンドル11が設けられる高さ位置に存在するので、当該ドアアウタハンドル11位置の前後方向骨格部33から上下方向骨格部34,35,36を介して、より一層効率的に第1骨格部31に対して荷重を伝達することができる。
【0087】
加えて、かかる車両のドア構造においては、上記第2骨格部32は上記前後方向骨格部33と上記上下方向骨格部34,35,36とでトラス形状に構成されたトラス部T1,T2,T3を備えている(図4図5参照)。
このような車両のドア構造によれば、上記トラス部T1,T2,T3は荷重の分散伝達効果が高いので、荷重伝達効率の向上を図ることができる。
【0088】
また、かかる車両のドア構造においては、上記第2骨格部32の上記トラス部T2,T3の頂点近傍部に配置され、上記第2骨格部32と上記ドアアウタパネル12とを接着する接着剤e,g,fを備える(図2図3参照)。
【0089】
このような車両のドア構造によれば、トラス部T2,T3の頂点近傍部は、荷重を効率よく分散できる部位であって、第2骨格部32がドアアウタパネル12に接着される接着部位として最適である。これにより、第2骨格部32の荷重伝達効率の向上を図ることができる。
【0090】
さらに、かかる車両のドア構造においては、上記トラス部T2の頂点部は、上記ドアアウタハンドル11の前端部11aと後端部11bとを結んで車両前方に延びる車両前後方向仮想線γ上に設けられる(図1図2参照)。
【0091】
このような車両のドア構造によれば、トラス部T2の頂点部がドアアウタハンドル11の上記仮想線γ上に設けられているので、ユーザの手の触れる可能性が高い領域で、確実に荷重分散を図ることができる。
【0092】
さらにまた、かかる車両のドア構造においては、上記第1骨格部31および上記第2骨格部32は、断面略U字形状に形成される(図7図9参照)。
このような車両のドア構造によれば、上述の断面形状により第1骨格部31、第2骨格部32の断面二次モーメントの向上を図ることができ、パネルレインフォースメント30の曲げ剛性を向上させることができる。
【0093】
加えて、かかる車両のドア構造においては、上記第1骨格部31の前端部31fおよび後端部31rは、ドアインナパネル14の前辺部10Aおよび後辺部10Cにおける稜線部X1~X4近傍に固定されている(図6参照)。
【0094】
このような車両のドア構造によれば、第1骨格部31の前後両端部を、ドアインナパネル14の剛性が高い稜線部X1~X4近傍に固定するので、当該第1骨格部31の荷重をドアインナパネル14に確実に分散、伝達することができる。
【0095】
また、かかる車両のドア構造においては、上記第1骨格部31の前端部31fおよび後端部31rの少なくとも何れか一方は、ドアインナパネル14に設けられる補強部材(ヒンジレインフォースメント17)に固定される(図6参照)。
【0096】
このような車両のドア構造によれば、第1骨格部31の前端部31f、後端部31rの少なくとも一方を、剛性が高い補強部材(ヒンジレインフォースメント17参照)に固定するので、第1骨格部31の荷重を補強部材(ヒンジレインフォースメント17)を介してドアインナパネル14に確実に分散、伝達することができる。
【0097】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の補強部材は、実施例のヒンジレインフォースメント17に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施例を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上説明したように、本発明は、
車幅方向外側に凸となる凸部と、
上記凸部から離間して車幅方向内側に凹んで形成される凹部と、
上記凸部と上記凹部との間の境界部と、を備えるドアアウタパネルと、
上記ドアアウタパネルの車幅方向内側面に固定されるパネルレインフォースメントと、を備えた車両のドア構造について有用である。
【符号の説明】
【0099】
10…ドア
10A…前辺部
10C…後辺部
11…ドアアウタハンドル
11a…前端部
11b…後端部
12…ドアアウタパネル
14…ドアインナパネル
17…ヒンジレインフォースメント(補強部材)
28…凸部
29…凹部
30…パネルレインフォースメント
31…第1骨格部
31f…前端部
31r…後端部
32…第2骨格部
33…前後方向骨格部
34~36…上下方向骨格部
α…境界部
γ…車両前後方向仮想線
T1~T3…トラス部
X1~X4…稜線部
X5~X8…稜線部
e,f,g…接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9