(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173186
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】洗濯機、及び処理剤容器
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20231130BHJP
D06F 33/37 20200101ALI20231130BHJP
D06F 34/08 20200101ALI20231130BHJP
D06F 34/14 20200101ALI20231130BHJP
D06F 34/04 20200101ALI20231130BHJP
D06F 34/32 20200101ALI20231130BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
D06F33/37
D06F34/08
D06F34/14
D06F34/04
D06F34/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085265
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】洪 庚杓
(72)【発明者】
【氏名】須坂 祐輔
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
【Fターム(参考)】
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3B167MA01
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3B167MA12
3B167MA17
(57)【要約】
【課題】使いやすさを向上した洗濯機、及び処理剤容器を提供する。
【解決手段】洗濯機は、外箱と、外箱の内部に設けられた洗濯槽と、複数回分の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤容器を有し、洗濯運転中に処理剤容器から所定量の洗濯処理剤を洗濯槽内に自動で投入する自動投入装置と、処理剤容器に設けられ、各種の情報を表示可能であってかつ情報の表示を維持可能及び電気的に書き換え可能な表示装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱と、
前記外箱の内部に設けられた洗濯槽と、
複数回分の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤容器を有し、洗濯運転中に前記処理剤容器から所定量の前記洗濯処理剤を前記洗濯槽内に自動で投入する自動投入装置と、
前記処理剤容器に設けられ、各種の情報を表示可能であってかつ前記情報の表示を維持可能及び電気的に書き換え可能な表示装置と、
を備える洗濯機。
【請求項2】
前記表示装置は、電力供給がなくても表示状態を維持可能な電子ペーパーで構成された表示部を有する、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記表示装置は、前記表示装置の外部の外部装置と無線通信する通信部を更に有し、
前記通信部によって前記外部装置から受信された前記処理剤情報に基づいて前記表示装置の表示内容を更新する更新処理を実行可能な更新処理部を更に備える、
請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記更新処理によって更新される前記表示装置の表示内容には、前記処理剤情報を含んだ情報コードが含まれており、
前記情報コードを読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた前記情報コードの内容に基づいて、洗濯運転の内容を変更する設定処理を実行可能な設定処理部と、を更に備える、
請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
洗濯運転中に所定量の洗濯処理剤を洗濯槽内に自動で投入する自動投入装置に用いられ、複数回分の前記洗濯処理剤を貯留可能な処理剤容器であって、
前記洗濯処理剤に関する処理剤情報を表示可能であってかつ前記処理剤情報の表示を維持可能及び電気的に書き換え可能な表示装置が設けられる、
処理剤容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機、及び処理剤容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗剤や柔軟剤等の洗濯処理剤を処理剤容器に予め複数回分貯留しておき、洗濯運転時に所定量を処理剤容器から水槽内へ自動投入する自動投入装置を備えた洗濯機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来構成では、ユーザは、複数の処理剤容器内にそれぞれ貯留された洗濯処理剤の種類を特定するためには、例えば洗濯機に保存されている設定を確認する又はユーザが保管管理するメモを確認する必要がある。したがって、ユーザが処理剤容器を見るだけでは、処理剤容器内に貯留された洗濯処理剤の種類を特定することができず、使いやすさの向上を図る点に課題があった。
【0005】
そこで、洗濯機において処理剤容器の使いやすさを向上させることができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
洗濯機は、外箱と、前記外箱の内部に設けられた洗濯槽と、複数回分の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤容器を有し、洗濯運転中に前記処理剤容器から所定量の前記洗濯処理剤を前記洗濯槽内に自動で投入する自動投入装置と、前記処理剤容器に設けられ、各種の情報を表示可能であってかつ前記情報の表示を維持可能及び電気的に書き換え可能な表示装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態による洗濯機の一例を概略的に示す斜視図
【
図2】第1実施形態による外部の水源から供給される水の経路の一例を示す図
【
図3】第1実施形態による処理剤容器に設けられた表示部周辺の一例を示す平面図
【
図4】第1実施形態による洗濯機本体の電気的構成の一例を示すブロック図
【
図5】第1実施形態による表示装置の電気的構成の一例を示すブロック図
【
図6】第1実施形態による洗濯機本体と表示装置との通信状態を示す図
【
図7】第1実施形態による情報端末と表示装置との通信状態を示す図
【
図8】第1実施形態による表示部の表示内容の更新制御の一例を示すフローチャート
【
図9】第2実施形態による処理剤容器の形状及び表示部の設置位置の一例を示す斜視図
【
図10】第2実施形態による処理剤容器の形状及び表示部の設置位置の他の例を示す斜視図
【
図11】第3実施形態による処理剤容器の形状及び表示部の設置位置の一例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、複数の実施形態による洗濯機について、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、以下の実施形態において、構成要素等に付された「第1」、「第2」との語句は、類似した構成要素を単に区別するためのものであり、構成要素間の優劣や時間的要素を意味するものではない。
【0009】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について、
図1から
図8を参照して説明する。
図1に示す洗濯機1は、横軸又は斜め軸型のドラム式洗濯機である。洗濯機1は、縦軸型の洗濯機であっても良い。また、洗濯機1は、例えばヒータ式又はヒートポンプ式の乾燥機能を備えたものであっても良いし、乾燥機能を備えていないものであっても良い。洗濯機1は、洗濯機本体10、自動投入装置20、及び表示装置30を備えている。
【0010】
洗濯機本体10は、外箱11、扉12、洗濯槽13、操作パネル14、給水機構15、自動投入装置20、及び表示装置30を備えている。なお、
図1において、重力方向つまり鉛直方向を洗濯機1の上下方向とする。また、外箱11に対して扉12側を洗濯機1の前側つまりユーザ側とし、前側とは反対側を洗濯機1の後側とし、上下方向及び前後方向に直交する水平方向を洗濯機1の左右方向とする。
【0011】
外箱11は、例えばステンレス鋼板等の金属又は樹脂材等の組合せによって中空箱状に形成されている。外箱11は、洗濯機1の外郭を構成している。外箱11は、前面側に外箱11の内部と外部とを連通する開口部111を有している。扉12は、外箱11の前面側に設けられて、開口部111を開閉する。ユーザは、扉12を開いた状態で、開口部111を通じて、洗濯槽13から衣類の出し入れをすることができる。
【0012】
洗濯槽13は、詳細は図示しないが、内部に水を貯留可能な水槽と、水槽内に回転可能に設けられた回転槽と、を有している。回転槽は、衣類を収容可能である。回転槽は、図示しないモータによって回転駆動され、回転槽の回転軸は、水槽の中心軸と一致している。洗濯槽13は、図示しない排水経路と接続されている。排水経路は、洗濯槽13内の水を機外に排水するためのものである。
【0013】
操作パネル14は、例えば外箱11の天面の前側部分に設けられている。操作パネル14は、図示しない表示部や操作部が設けられており、ユーザが洗濯運転コースを設定するための入力操作等を受け付けるとともに、入力された操作内容及び運転状況等を表示する。ユーザは、洗濯運転の実行にあたって、自動投入装置20によって自動で洗剤や柔軟剤等の洗濯処理剤を投入するか又は処理剤投入部152aを用いて手動で1回分の洗濯処理剤を投入するかを、操作パネル14に入力操作することで適宜選択することができる。
【0014】
給水機構15は、例えば水道等の外部の水源から供給される水を洗濯槽13内に注水するためのものである。給水機構15は、
図2に示すように、給水弁151及び注水ケース152を有している。給水弁151は、電磁的に開閉可能に構成されている。給水弁151は、図示しない水道の蛇口等の外部の水源に接続されている。そして、給水弁151は、外部の水源から注水ケース152を介して洗濯槽13内に至る給水経路153を開閉する。
【0015】
注水ケース152は、例えば合成樹脂製で、内部に空間を有する箱状に形成されている。注水ケース152は、給水経路153の途中に設けられている。注水ケース152は、処理剤投入部152aを有して構成することができる。処理剤投入部152aは、注水ケース152内から引出し式に出し入れ可能に設けられている。処理剤投入部152aは、例えば1回の洗濯運転に必要な洗濯処理剤の投入を受ける。この場合、処理剤投入部152aは、ユーザが洗濯処理剤を手動で投入する際に用いられる。処理剤投入部152a内に洗濯処理剤が投入された状態で給水弁151が開放されると、処理剤投入部152a内に投入された洗濯処理剤は、外部の水源から供給された水と混合されて洗濯槽13内に供給される。
【0016】
自動投入装置20は、複数回分の洗濯運転に必要な洗濯処理剤を貯留しておき、洗濯運転の進行に伴い所定量の洗濯処理剤を自動で洗濯槽13に投入する機能を有する。自動投入装置20は、複数この場合2つの処理剤容器21、22、容器カバー23、投入ポンプ24、及び残量検知部25を有している。処理剤容器21、22は、例えば合成樹脂製で容器状に構成され、複数回分の洗濯運転に必要な液体の洗濯処理剤を貯留可能である。
【0017】
処理剤容器21、22は、外箱11内に着脱可能に構成されている。本実施形態の場合、処理剤容器21と処理剤容器22とは、外箱11内に取付けられた状態で、上下方向に延びる線に対して互いに線対称となる形状で構成されている。これに限らず、処理剤容器21及び処理剤容器22は、互いに異なる形状で構成されても良い。
【0018】
この場合、外箱11は、容器収容部112を有している。容器収容部112は、
図1に示すように、外箱11の天面に設けられ、上部に開口112aを有した矩形箱状に形成されている。容器収容部112は、複数の処理剤容器21、22を収容可能な大きさに形成されている。
【0019】
各処理剤容器21、22は、それぞれ投入口211、221及び蓋部材212、222を有している。投入口211、221は、例えば処理剤容器21、22の天面の前面側に設けられ、処理剤容器21、22の天面を矩形状に貫通して形成されている。投入口211、221は、処理剤容器21、22の内部と外部とを連通している。蓋部材212、222は、例えば板状に形成され、投入口211、221の後縁部に設けられた図示しない支持軸によって回動可能に取付けられている。蓋部材212、222は、投入口211、221を開閉するためのものである。ユーザは、蓋部材212、222を開放した状態で、投入口211、221を通して処理剤容器21、22内に洗濯処理剤を投入することができる。
【0020】
本実施形態では、一方の処理剤容器21は、洗濯処理剤のうち洗剤を貯留し、他方の処理剤容器22は、洗濯処理剤のうち柔軟剤を貯留する。各処理剤容器21、22の容量や形状等は同じであっても良いし、異なっていても良い。なお、処理剤容器の数は2つに限らず、3つ以上であっても良い。以下の説明では、各処理剤容器21、22を区別する場合、処理剤容器21を第1処理剤容器21と称し、処理剤容器22を第2処理剤容器22と称する場合がある。
【0021】
容器カバー23は、
図1に示すように、例えば板状に形成され、容器収容部112の開口112aの後縁部に設けられた図示しない支持軸によって回動可能に取付けられている。容器カバー23は、開口112aを開閉するためのものである。ユーザは、容器カバー23を開放した状態で、開口112aを通して容器収容部112から処理剤容器21、22を出し入れすることができる。
【0022】
投入ポンプ24は、
図2に示すように、各処理剤容器21、22の下流側に設けられている。投入ポンプ24は、例えばピストンポンプで構成されており、各処理剤容器21、22に貯留された洗濯処理剤を吸引して給水経路153具体的には注水ケース152内に供給する機能を有する。投入ポンプ24によって処理剤容器21、22から注水ケース152内に投入された洗濯処理剤は、外部の水源から供給された水と混合されて洗濯槽13内に供給される。
【0023】
残量検知部25は、処理剤容器21、22に貯留される洗濯処理剤の残量を検知するためのものである。残量検知部25は、例えば磁気センサや永久磁石等を含んだ周知の構成とすることができる。この場合、残量検知部25は、磁気センサの検出結果に基づいて、処理剤容器21、22内の洗濯処理剤の液位が低下したことを検出することができる。
【0024】
表示装置30は、各種の情報を表示可能であって、かつ、その情報の表示を維持可能及び電気的に書き換え可能に構成されている。各種の情報は、例えば洗濯処理剤に関する処理剤情報を含んでいる。処理剤情報は、例えば洗濯処理剤の種類、銘柄、補充日、前回使用日、残量、投入量、利用注意事項、及び購入ページのURL等を含んでいる。洗濯処理剤の種類とは、例えば洗剤や柔軟剤等の品名を示すものである。銘柄とは、例えば洗濯処理剤の製造元であるメーカー名や具体的な製品名を示すものである。補充日とは、処理剤容器21、22内に洗濯処理剤が補充された日を示すものである。前回使用日とは、例えば洗濯処理剤が最後に使用された日を示すものである。
【0025】
残量は、例えば処理剤容器21、22内に貯留している洗濯処理剤の量を示すものである。残量は、例えば「多」や「少」等の文字で示すことができる。投入量とは、例えば給水量や洗濯物重量に対する洗濯処理剤の投入量の目安を示すものである。利用注意事項とは、例えば洗濯処理剤の品質等に応じて定められる使用上の注意事項を示すものである。購入ページのURLとは、例えば洗濯処理剤を購入可能なウェブサイトのURLを示すものである。
【0026】
表示装置30は、各処理剤容器21、22にそれぞれ設けられている。表示装置30は、
図1及び
図3に示すように、表示部31を有している。表示部31は、例えば処理剤容器21、22の天面の後側寄りに位置している。表示部31の表面は、処理剤容器21、22の天面と面一に配置することができる。この場合、ユーザは、容器カバー23を開放した状態で、外部から表示部31を視認することができる。なお、表示部31は、処理剤容器21、22の天面に設けられる構成に限らず、処理剤容器21、22の側面や底面に設けられる構成であっても良い。
【0027】
表示部31は、電力供給がなくても表示状態を維持する機能を有する。この場合、表示部31は、例えば耐水性や可撓性を有する電子ペーパーで構成されている。電子ペーパーは、表示を変更するときに電力の供給を必要とするが、表示を維持するためには電力の供給が不要である。このような電子ペーパーは、例えば電気泳動方式や粉体移動方式等の周知の方式を採用することができる。本実施形態では、表示部31は、電源を有しておらず、例えば外部装置からの電磁波による電磁誘導の起電力により動作可能に構成されている。これに限らず、表示部31が電源を有する構成としても良い。なお、表示部31は、電子ペーパー以外の液晶ディスプレイであっても良い。
【0028】
表示部31は、例えば洗濯処理剤に関する処理剤情報を示す文字や記号等を表示可能に構成されている。表示部31は、第1表示部311及び第2表示部312を有して構成することができる。第1表示部311は、処理剤容器21、22内に貯留された洗濯処理剤の種類や状態を示す情報が文字や記号等で表示される。第1表示部311の表示内容には、例えば洗剤の種類、補充日、前回使用日、及び残量等を示す情報が含まれる。ユーザは、第1表示部311に表示された情報を視認することで、処理剤容器21、22内に貯留された洗濯処理剤の種類や状態を特定することができる。
【0029】
第2表示部312は、例えばQRコード(登録商標)やバーコード等の一次元又は二次元コードで構成された情報コード312aが表示される。情報コード312aには、洗濯処理剤に関する処理剤情報を含めることができる。この場合、第1表示部311の表示内容と情報コード312aに含まれる情報は同一であっても良いし、異なっていても良い。本実施形態では、上述したように、表示部31は、処理剤容器21、22の天面に位置している。そのため、表示部31を配置可能な面積の都合上、ユーザが視認可能な第1表示部311に表示可能な情報量は制限される場合がある。そこで、第1表示部311と第2表示部312とを併用することで、ユーザに対して優先的に表示したい内容を第1表示部311に文字や記号によって表示し、より詳細な情報を第2表示部312の情報コード312aに記録することで、使い勝手を向上することができる。
【0030】
図4に示すように、洗濯機本体10は、本体通信部41、読取部42、記憶部43、本体制御部44、及び設定処理部45を有している。本体通信部41は、他の機器例えば表示装置30との間で無線通信を行うためのものであり、例えばNFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行う。
【0031】
読取部42は、
図1に示すように、処理剤容器21、22が容器収容部112に収容された状態で、表示部31に対応した位置にそれぞれ設けられている。読取部42は、例えばCMOSカメラ又はCCDカメラ等で構成され、第2表示部312に表示される情報コード312aを読み取ることができる。記憶部43は、例えば書き換え可能なハードディスクドライブやフラッシュメモリ等で構成することができる。記憶部43は、例えば読取部42で読み取った情報コード312aの情報等を保存することができる。
【0032】
本体制御部44は、例えばCPUや、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリ等の記憶領域を有する図示しないマイクロコンピュータを主体に構成されている。操作パネル14、給水弁151、投入ポンプ24、残量検知部25、本体通信部41、読取部42、及び記憶部43は、本体制御部44に電気的に接続されており、本体制御部44からの指令に基づいて動作する。
【0033】
設定処理部45は、本体制御部44において、記憶領域に記憶されているコンピュータプログラムをCPUで実行することによりソフトウェアによって仮想的に実現される。設定処理部45は、一部又は全部をハードウェアにより実現する構成としても良い。設定処理部45は、設定処理を実行可能である。設定処理は、読取部42によって読み取られた情報コード312aの内容に基づいて、洗濯運転の内容を変更する処理を含む。この場合、設定処理は、情報コード312aに記録された洗濯処理剤に関する処理剤情報に基づいて、自動投入装置20を用いた際の洗濯処理剤の投入量等を設定することができる。
【0034】
また、表示装置30は、
図5に示すように、装置通信部32、装置制御部33、及び更新処理部34を有している。装置通信部32は、表示装置30の外部の外部装置例えば洗濯機本体10及び情報端末50との間で近距離無線通信を行うためのものである。これにより、表示装置30は、洗濯機本体10が保持する情報や情報端末50が保持する情報等を受信することができる。情報端末50は、例えば他の電気機器と通信可能な通信機能を備えたいわゆるスマートフォンやタブレット端末若しくはパソコン等の情報通信端末で構成することができる。情報端末50は、洗濯機1のユーザが使用することが想定される。情報端末50には、各種機能を実現するための専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされている。
【0035】
図6に示すように、処理剤容器21、22は、収容部213、223を有している。収容部213、223は、例えば一面が開放した容器状に形成されている。収容部213、223は、装置通信部32を収容可能に構成されている。収容部213、223は、例えば収容部213、223の開放面が処理剤容器21、22の内側面によって閉塞された状態で、処理剤容器21、22の内側面に取付けられている。これにより、収容部213、223と処理剤容器21、22の内側面との間の空間に装置通信部32が内蔵される。なお、収容部213、223は、処理剤容器21、22の内側面に取付けられる構成に限らず、処理剤容器21、22の内面における他の箇所に取付けられる構成であっても良い。
【0036】
そして、
図6に示すように、容器収容部112に処理剤容器21、22が収容された状態で、本体通信部41と装置通信部32とが近づくことによって、装置通信部32は本体通信部41と通信可能状態となる。また、
図7に示すように、処理剤容器21、22を洗濯機1外部に取り出して、情報端末50を装置通信部32に近づけると、装置通信部32は情報端末50と通信可能状態となる。
【0037】
装置制御部33は、例えばCPUや、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリ等の記憶領域を有する図示しないマイクロコンピュータを主体に構成されている。表示部31及び装置通信部32は、装置制御部33に電気的に接続されており、装置制御部33からの指令に基づいて動作する。更新処理部34は、装置制御部33において、記憶領域に記憶されているコンピュータプログラムをCPUで実行することによりソフトウェアによって仮想的に実現される。更新処理部34は、一部又は全部をハードウェアにより実現する構成としても良い。
【0038】
更新処理部34は、更新処理を実行可能である。更新処理は、装置通信部32によって洗濯機本体10及び情報端末50から受信された処理剤情報に基づいて、表示部31つまり第1表示部311及び第2表示部312の表示内容を作成する処理を含む。また、更新処理は、装置通信部32によって洗濯機本体10及び情報端末50から受信された処理剤情報に基づいて、第1表示部311及び第2表示部312の表示内容を更新する処理を含む。つまり、更新処理によって、作成及び更新される表示部31の表示内容には、情報コード312aが含まれている。
【0039】
以下では、
図8を参照して、表示部31の表示内容の更新制御の一例について説明する。なお、以下の説明において、更新処理部34で行われる処理は、装置制御部33が主体となって行うものとし、設定処理部45で行われる処理は、本体制御部44が主体となって行うものとして説明する。まず、ユーザは、処理剤容器21、22内に所望の洗濯処理剤を投入する際に、情報端末50に専用のアプリケーションを起動させる(スタート)。当該アプリケーションを実行中に、ユーザは、情報端末50を操作して、洗濯処理剤に関する処理剤情報を入力する。そして、ユーザが、情報端末50を洗濯機1から取り出された処理剤容器21、22の装置通信部32に近づけると、装置通信部32は情報端末50と通信可能状態となる。装置制御部33は、ステップS11において、情報端末50から洗濯処理剤に関する処理剤情報を受信する。
【0040】
次に、装置制御部33は、ステップS12において、表示部31に表示させる表示内容を作成する。その後、装置制御部33は、ステップS13において、作成した表示内容に基づいて、表示部31の表示内容を更新させる。そして、ユーザによって容器収容部112内に処理剤容器21、22が収容されると、本体制御部44は、ステップS14において、読取部42によって第2表示部312の更新された情報コード312aを読み取る。
【0041】
その後、本体制御部44は、ステップS15において、読取部42によって読み取った情報コード312aの洗濯処理剤に関する処理剤情報を記憶部43に記憶する。ステップS16において、本体制御部44は、記憶部43に記憶された洗濯処理剤に関する処理剤情報に基づいて、自動投入装置20を用いた際の洗濯処理剤の投入量等の洗濯運転の内容を設定する。
【0042】
本体制御部44は、ステップS17において、例えばユーザが操作パネル14を操作して洗濯運転を開始すると、設定した洗濯運転の内容に基づいて、洗い、すすぎ、及び脱水等の工程を含んだ洗濯運転を実行する。そして、本体制御部44は、洗濯運転が完了したと判断すると(ステップS18でYES)、ステップS19に処理を移行させる。その後、ステップS19において、装置制御部33は、例えば残量検知部25の検出結果に基づく処理剤容器21、22内の洗濯処理剤の残量を含んだ情報を、洗濯機本体10との通信を介して受信する。
【0043】
次に、装置制御部33は、ステップS20において、洗濯機本体10から受信した情報に基づいて、表示部31に表示させる表示内容を作成する。その後、装置制御部33は、ステップS21において、作成した表示内容に基づいて、表示部31の表示内容を更新させる。すなわち、装置制御部33は、洗濯運転の実行により減少した処理剤容器21、22内の洗濯処理剤の残量を含んだ情報を表示部31に表示させることができる。これにより、表示部31の表示内容を最新の状態に維持することができる。このようにして、表示部31の表示内容の更新する際の一連の制御が終了する(エンド)。
【0044】
以上説明した実施形態によれば、洗濯機1は、外箱11と、洗濯槽13と、自動投入装置20と、表示装置30と、を備える。洗濯槽13は、外箱11の内部に設けられる。自動投入装置20は、複数回分の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤容器21、22を有し、洗濯運転中に処理剤容器21、22から所定量の洗濯処理剤を洗濯槽13内に自動で投入する。表示装置30は、処理剤容器21、22に設けられ、各種の情報を表示可能であってかつ情報の表示を維持可能及び電気的に書き換え可能である。
【0045】
これによれば、表示装置30を処理剤容器21、22に設けることで、例えば処理剤容器21、22内に貯留された洗濯処理剤の種類の特定が容易となるため、ユーザにとって使いやすさを向上させることができる。また、例えば市販の洗濯処理剤の詰替えパック等から処理剤容器21、22に洗濯処理剤を移し替えた状態で、処理剤容器21、22を洗濯機外部に保管することが考えられる。このとき、表示装置30の表示内容を確認することで、処理剤容器21、22に収容された洗濯処理剤の種類の特定が可能となるため、複数種類の洗濯処理剤の管理をし易くすることができる。また、多種多様な形状の複数の詰替えパックを保管する際に比べて煩雑さが低減し、整理整頓を容易にすることが可能となる。
【0046】
また、表示装置30は、電力供給がなくても表示状態を維持可能な電子ペーパーで構成された表示部31を有する。これによれば、表示部31を電子ペーパーで構成することによって、電力供給がなくても表示状態を維持可能かつ情報が保存可能となる。また、電子ペーパーは、紙に比べて例えば水や洗濯処理剤等の液体に対する耐水性を有するため、より長期的な表示を実現することができる。これにより、ユーザにとって使いやすさをより一層向上させることができる。
【0047】
更に、表示装置30は、装置通信部32を有する。装置通信部32は、表示装置30の外部の外部装置10、50と無線通信する。そして、洗濯機1は、更新処理部34を更に備える。更新処理部34は、通信部32によって外部装置10、50から受信された処理剤情報に基づいて表示装置30の表示内容を更新する更新処理を実行可能である。
【0048】
これによれば、表示装置30と外部装置10、50との無線通信によって表示装置30の表示内容を更新することで、表示装置30と外部装置10、50とを繋ぐための接続端子等の電気部品やその電気部品を保護するための構造が不要となる。そのため、部品点数の増加や構造の複雑化を抑えることができる。また、処理剤容器21、22を洗濯機1から外した状態で外部装置10、50との通信を行って、表示装置30の表示内容を更新できるため、ユーザにとって使いやすさを向上させることができる。
【0049】
また、更新処理によって更新される表示装置30の表示内容には、処理剤情報を含んだ情報コード312aが含まれている。洗濯機1は、読取部42及び設定処理部45を更に備える。読取部42は、情報コード312aを読み取る。設定処理部45は、読取部42によって読み取られた情報コード312aの内容に基づいて、洗濯運転の内容を変更する設定処理を実行可能である。
【0050】
これによれば、例えば処理剤容器21、22の入れ替えが行われた際に、読取部42によって情報コード312aを読み取ることで、洗濯処理剤の種類ごとに決められた1回の洗濯運転における洗濯処理剤の投入量等の設定変更を自動で行うことができる。また、表示装置30の外部の外部装置50と表示装置30の表示内容とを同期させることができる。これにより、ユーザの利便性の向上をより一層図ることができる。なお、表示装置30は、処理剤情報を含んだ情報を記憶可能なメモリを有する構成としても良い。この場合、表示装置30は、メモリを介して外部装置10、50との間で情報を送受信しても良い。
【0051】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、
図9を参照して説明する。この第2実施形態は、上記第1実施形態と処理剤容器21、22の形状及び表示部31の配置位置の構成が異なる。そして、処理剤容器21、22の形状及びの配置位置以外の構成は、上記第1実施形態と共通している。なお、各処理剤容器21、22は、外箱11内に二つを並べた際に互いに左右対称であるため、
図9では、第2処理剤容器22を代表して示し、第1処理剤容器21については図示を省略する。
【0052】
具体的には、上記第1実施形態では、処理剤容器21、22の形状は、平面視で矩形状であったのに対し、本実施形態では、処理剤容器21、22の形状は、平面視で台形状に形成されている。この場合、処理剤容器21、22は、傾斜面部26を有している。傾斜面部26は、例えば処理剤容器21、22の前方から後方へ向かうにつれて、外側へ向かって傾斜している。そして、表示部31は、傾斜面部26に設けられている。つまり、本実施形態では、表示部31は、処理剤容器21、22の側面のうち一面に設けられている。この場合、例えば処理剤容器21、22の側面のうち互いに対向する面に表示部31を設けることで、読取部42を共通にすることができる。すなわち、一つの読取部42を用いて各処理剤容器21、22のそれぞれの表示部31に表示された各情報コード312aを読み取ることができる。
【0053】
このような第2実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、表示部31を処理剤容器21、22の傾斜面部26に設けることで、例えば傾斜面部26と対向する容器収容部112の内側面に読取部42を設ける場合に、容器収容部112の内部空間を大きくすることなく、読取部42と表示部31との相互の離間距離を極力確保することができる。これにより、読取部42が表示部31に表示された情報コード312aをより読み取りやすくすることができる。その結果、情報コード312aの情報を読み取りやすくすることができる。
【0054】
上記第2実施形態において、傾斜面部26に表示部31を設ける構成を説明したが、
図10に示すように、表示部31のうち第1表示部311と第2表示部312とを、処理剤容器21、22の外周面において、それぞれ異なる面に設けることができる。
図10の例では、第1表示部311と第2表示部312とは、処理剤容器21、22の外周面において互いに隣接する面にそれぞれ設けられている。つまり、
図10に示すように、例えば第1表示部311は、処理剤容器21、22の前面に設けて、第2表示部312は、処理剤容器21、22の前面に隣接する傾斜面部26に設けることができる。この場合、傾斜面部26の面積は、第2表示部312の面積よりやや大きくなるように設定されている。
【0055】
これにより、第1表示部311と第2表示部312とを、処理剤容器21、22の外周面において、それぞれ異なる面に設けることで、第1表示部311及び第2表示部312を同一面に設ける場合に比べて、第1表示部311の範囲をなるべく大きく確保することができる。そのため、第1表示部311により多くの情報を表示させることができる。これにより、ユーザの使い勝手の向上をより一層図ることができる。
【0056】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、
図11を参照して説明する。この第3実施形態は、上記各実施形態と表示部31の配置位置の構成が異なる。この場合、処理剤容器21、22は、突出部27を有している。突出部27は、例えば処理剤容器21、22の天面から上方へ向かって突出して形成されている。突出部27は、処理剤容器21、22の前後方向において中央よりやや後側寄りに位置している。突出部27は、処理剤容器21、22と一体に形成されている。また、突出部27の幅方向の寸法は、例えば処理剤容器21、22の幅方向の寸法と略同一に設定されている。
【0057】
突出部27は、設置面部271を有している。設置面部271は、突出部27の前面側に位置して、処理剤容器21、22の後方へ向かうにつれて上方側へ向かって傾斜して形成されている。そして、表示部31は、設置面部271に設けられている。つまり、表示部31は、処理剤容器21、22の天面に対して傾斜して配置される。これによれば、ユーザに対する表示部31の表示の視認性の向上を図ることができる。なお、設置面部271は、処理剤容器21、22の天面に対して回動可能にすることで、表示部31の処理剤容器21、22の天面に対する傾斜角度を任意に調整可能としても良い。
【0058】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1…洗濯機、11…外箱、13…洗濯槽、20…自動投入装置、21、22…処理剤容器、30…表示装置、31…表示部、312a…情報コード、32…通信部、34…更新処理部、42…読取部、45…設定処理部