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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173197
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】汚泥凝集装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/14 20190101AFI20231130BHJP
   C02F 11/121 20190101ALI20231130BHJP
   C02F 11/143 20190101ALI20231130BHJP
   G06T 7/62 20170101ALI20231130BHJP
【FI】
C02F11/14
C02F11/121 ZAB
C02F11/143
G06T7/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085281
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】中野 剛
【テーマコード(参考)】
4D059
5L096
【Fターム(参考)】
4D059AA03
4D059BE55
4D059BE56
4D059BJ02
4D059DA00
4D059DB11
4D059EA20
4D059EB02
4D059EB11
4D059EB20
5L096AA02
5L096AA06
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA15
5L096FA59
5L096GA51
(57)【要約】
【課題】精度よく凝集剤の供給量と汚泥の供給量とを調整することが可能な汚泥凝集装置を提供する。
【解決手段】この汚泥凝集装置100は、汚泥および凝集剤が供給され、汚泥と凝集剤とを混合して、凝集フロック60を形成する混和槽1と、混和槽1に汚泥および凝集剤を供給する制御を行う制御部2と、混和液の液面を撮像する撮像部3と、を備え、制御部2は、撮像部3により撮像された液面の画像における凝集フロック60の色である第1基準色の面積の割合に基づいて、混和槽1に対する汚泥の供給量と、凝集剤の供給量とを制御するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥および凝集剤が供給され、前記汚泥と前記凝集剤とを混合して、凝集フロックを形成する混和槽と、
前記混和槽に前記汚泥および前記凝集剤を供給する制御を行う制御部と、
前記混和槽内の混和液の液面を撮像する撮像部と、を備え、
前記制御部は、前記撮像部により撮像された前記液面の画像における前記凝集フロックの色である第1基準色の面積の割合に基づいて、前記混和槽に対する前記汚泥の供給量と、前記混和槽に対する前記凝集剤の供給量とを制御するように構成されている、汚泥凝集装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記液面の画像における前記第1基準色の面積の割合が所定の割合になるように、前記汚泥の供給量と前記凝集剤の供給量とを制御するように構成されている、請求項1に記載の汚泥凝集装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記液面の画像における前記凝集フロックの色である前記第1基準色としての茶色の面積の割合に基づいて、前記混和槽に対する前記汚泥の供給量と前記凝集剤の供給量とを制御するように構成されている、請求項2に記載の汚泥凝集装置。
【請求項4】
前記液面の画像における前記第1基準色の面積の前記所定の割合は、70%以上90%以下の範囲内で設定される、請求項3に記載の汚泥凝集装置。
【請求項5】
前記液面の画像における前記第1基準色の面積の割合が前記所定の割合よりも大きい場合に、前記制御部は、前記汚泥の供給量を減少させる制御と、前記凝集剤の供給量を増加させる制御とを行うように構成されている、請求項2~4のいずれか1項に記載の汚泥凝集装置。
【請求項6】
前記第1基準色の面積の割合が前記所定の割合未満である場合に、前記制御部は、前記汚泥の供給量を増加させる制御と、前記凝集剤の供給量を減少させる制御とを行うように構成されている、請求項2~4のいずれか1項に記載の汚泥凝集装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1基準色の面積の割合が前記所定の割合未満である状態が所定時間続いた場合に、前記液面の画像における前記凝集剤の色である第2基準色の面積の割合に基づいて、前記混和槽に対する前記汚泥の供給量と前記凝集剤の供給量とを制御するように構成されている、請求項2に記載の汚泥凝集装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記凝集剤の色である前記第2基準色としての白色の面積の割合に基づいて、前記混和槽に対する前記汚泥の供給量と前記凝集剤の供給量とを制御するように構成されている、請求項7に記載の汚泥凝集装置。
【請求項9】
前記第2基準色の面積の前記所定の割合は70%以上90%未満の範囲内で設定される、請求項8に記載の汚泥凝集装置。
【請求項10】
前記液面の画像における前記第2基準色の面積の割合が前記所定の割合より大きい場合に、前記制御部は、前記汚泥の供給量を増加させる制御と、前記凝集剤の供給量を減少させる制御とを行うように構成されている、請求項7~9のいずれか1項に記載の汚泥凝集装置。
【請求項11】
前記混和槽は、上部が開口しており、
前記撮像部は、前記混和槽内の前記混和液の前記液面を上方から撮像するように構成されている、請求項1~4および7~9のいずれか1項に記載の汚泥凝集装置。
【請求項12】
汚泥および凝集剤が供給され、前記汚泥と前記凝集剤とを混合して、凝集フロックを形成する混和槽と、
前記混和槽の後段に配置される脱水機から排出される濾液を撮像する撮像部と、
前記混和槽に前記汚泥および前記凝集剤を供給する制御を行う制御部と、を備え、
前記脱水機には、銀色の内面を有し、前記濾液を流す第1管路と、黒色の内面を有し、前記第1管路を通過した前記濾液を流す第2管路とが設けられており、
前記撮像部は、前記濾液の背景色として、前記第1管路の前記銀色の内面と前記第2管路の前記黒色の内面との両方が撮像範囲に収まる状態で、前記濾液を撮像するように構成され、
前記制御部は、前記撮像部により撮像された前記濾液の画像における前記凝集フロックの色である第1基準色の面積の割合と、前記凝集剤の色である第2基準色の面積の割合とに基づいて、前記混和槽に対する前記汚泥の供給量と前記凝集剤の供給量とを制御するように構成されている、汚泥凝集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥凝集装置に関し、特に、撮像部を備える汚泥凝集装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像部を備える汚泥凝集装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、算出部と、制御部とを備える汚泥凝集装置が開示されている。上記特許文献1では、撮像部が、原液供給管を通過する凝集フロックを撮影し、撮影した画像を変換部が二値化する。さらに、特許文献1では、算出部が、二値化した画像から凝集フロック測定面積を算出するとともに、同一の凝集剤の添加量で撮影した複数の混和液の画像から得られた複数の凝集フロック測定面積の平均値に基づいて凝集フロック基準面積を算出する。そして、制御部は、算出した凝集フロック測定面積が凝集フロック基準面積よりも大きい場合に、凝集剤の添加量を減少させるとともに、凝集フロック測定面積が凝集フロック基準面積よりも小さい場合に、凝集剤の添加量を増加させるように構成されている。これにより、汚泥凝集装置は、混和液中における凝集フロックの割合を調整し、後段の脱水機で処理された脱水ケーキの含水率を小さくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-189321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている汚泥凝集装置では、汚泥の供給量に関わらず凝集剤の添加量によって凝集フロックの面積を調整しているため、凝集剤の供給量または汚泥の供給量に過不足が生じることが考えられ、精度よく凝集剤の供給量と汚泥の供給量とを調整することができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、精度よく凝集剤の供給量と汚泥の供給量とを調整することが可能な汚泥凝集装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における汚泥凝集装置は、汚泥および凝集剤が供給され、汚泥と凝集剤とを混合して、凝集フロックを形成する混和槽と、混和槽に汚泥および凝集剤を供給する制御を行う制御部と、混和槽内の混和液の液面を撮像する撮像部と、を備え、制御部は、撮像部により撮像された液面の画像における凝集フロックの色である第1基準色の面積の割合に基づいて、混和槽に対する汚泥の供給量と、混和槽に対する凝集剤の供給量とを制御するように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による汚泥凝集装置では、上記のように、制御部は、撮像部により撮像された液面の画像における凝集フロックの色である第1基準色の面積の割合に基づいて、混和槽に対する汚泥の供給量と、混和槽に対する凝集剤の供給量とを制御するように構成されている。これにより、凝集フロックの面積の割合に基づいて、混和槽に対する汚泥の供給量と凝集剤の供給量との両方を制御するため、汚泥の供給量または凝集剤の供給量が過多または過少になることを抑制することができる。この結果、精度よく凝集剤の供給量と汚泥の供給量とを調整することができる。また、精度よく凝集剤の供給量と汚泥の供給量とを調整することができることにより、混和液中における凝集フロックの濃度を大きくすることができ、汚泥から水分を分離しやすくすることができる。そのため、汚泥凝集装置の後段に脱水機を配置した場合に、汚泥から水分を分離しやすくすることができることにより、脱水機において処理された脱水ケーキの含水率を小さくすることができる。
【0009】
上記第1の局面による汚泥凝集装置において、好ましくは、制御部は、液面の画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合になるように、汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている。このように構成すれば、たとえば、脱水機において効果的に脱水を行うことが可能な第1基準色の面積の割合に設定することにより、混和液中における所望の凝集フロックの割合に精度よく調整することができる。
【0010】
上記第1の局面による汚泥凝集装置において、好ましくは、制御部は、液面の画像における凝集フロックの色である第1基準色としての茶色の面積の割合に基づいて、混和槽に対する汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている。このように構成すれば、混和槽の表面付近を浮遊している凝集フロックは画像中に茶色に映り、液分はほぼ透明であることにより、光が液分を通過し混和槽の底部に吸い込まれて黒く映るため、表面付近を浮遊している凝集フロックと、液分とを区別することができ、凝集フロックの割合をより正確に取得することができる。
【0011】
上記第1基準色の面積の割合が所定の割合になるように、汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている汚泥凝集装置において、好ましくは、液面の画像における第1基準色の面積の所定の割合は、70%以上90%以下の範囲内で設定される。このように構成すれば、第1基準色の面積の所定の割合が70%以上90%以下の範囲内である場合に、混和液中における凝集フロックの割合が十分に大きいため、供給された汚泥の多くが凝集剤と反応(結合)し、凝集フロックになったとみなすことができる。すなわち、汚泥の供給量と凝集剤の供給量が適正であるといえる。
【0012】
上記第1基準色の面積の割合が所定の割合になるように、汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている汚泥凝集装置において、好ましくは、液面の画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合よりも大きい場合に、制御部は、汚泥の供給量を減少させる制御と、凝集剤の供給量を増加させる制御とを行うように構成されている。このように構成すれば、液面の画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合よりも大きい場合は、供給される汚泥の量に対して凝集フロックが十分に形成されておらず、凝集フロックと汚泥とが混在している状態であるため、凝集剤の供給量を増やすことにより凝集フロックを形成することができるとともに、汚泥の供給量を減少させることにより未処理の汚泥の量が多くなることを抑制することができる。
【0013】
上記第1基準色の面積の割合が所定の割合になるように、汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている汚泥凝集装置において、好ましくは、第1基準色の面積の割合が所定の割合未満である場合に、制御部は、汚泥の供給量を増加させる制御と、凝集剤の供給量を減少させる制御とを行うように構成されている。このように構成すれば、液面の画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合よりも小さい場合は、汚泥の量よりも凝集剤の量が多い状態であるため、凝集剤の供給量を減少させることにより凝集剤の量が多くなることを抑制することができるとともに、汚泥の供給量を増加させることにより、混和液中に多く存在する凝集剤と汚泥とを反応させて、凝集フロックを形成することができる。
【0014】
上記第1基準色の面積の割合が所定の割合になるように、汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている汚泥凝集装置において、好ましくは、制御部は、第1基準色の面積の割合が所定の割合未満である状態が続いた場合に、液面の画像における凝集剤の色である第2基準色の面積の割合に基づいて、混和槽に対する汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている。これにより、第1基準色の面積の割合が所定の割合未満である場合は、供給される汚泥の濃度が低く、第2基準色の面積の割合が大きい場合であるため、凝集剤の色である第2基準色の面積の割合に基づいて混和槽に対する汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御することにより、適切に汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを調整することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、制御部は、凝集剤の色である第2基準色としての白色の面積の割合に基づいて、混和槽に対する汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている。このように構成すれば、供給される汚泥の濃度が低く、凝集剤が多い場合は、混和槽の液面は白濁するため、第2基準色としての白色の面積の割合に基づくことにより、正確に凝集剤の供給量と汚泥の供給量とを調整することができる。
【0016】
上記液面の画像における凝集剤の色である第2基準色の面積の割合に基づいて、混和槽に対する汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている汚泥凝集装置において、好ましくは、第2基準色の面積の所定の割合は70%以上90%未満の範囲内で設定される。このように構成すれば、第2基準色の面積の所定の割合が70%以上であると、凝集剤の量が十分に混和槽に供給されているとともに、90%未満とすることにより、凝集剤の供給量が過多になることを抑制することができる。
【0017】
上記液面の画像における凝集剤の色である第2基準色の面積の割合に基づいて、混和槽に対する汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている汚泥凝集装置において、好ましくは、液面の画像における第2基準色の面積の割合が所定の割合より大きい場合に、制御部は、汚泥の供給量を増加させる制御と、凝集剤の供給量を減少させる制御とを行うように構成されている。このように構成すれば、供給される汚泥の濃度が低い場合において、汚泥の供給量に対する凝集剤の供給量が最適な状態を所定の割合に設定することができる。これにより、液面の画像における第2基準色の面積の割合が所定の割合よりも大きい場合は、汚泥の量よりも凝集剤の量が多い状態であるため、凝集剤の供給量を減少させることにより凝集剤の量が多くなることを抑制することができるとともに、汚泥の供給量を増加させることにより、混和液中に多く存在する凝集剤と汚泥とを反応させて、凝集フロックを形成することができる。
【0018】
上記第1の局面の汚泥凝集装置において、好ましくは、混和槽は、上部が開口しており、撮像部は、混和槽内の混和液の液面を上方から撮像するように構成されている。このように構成すれば、混和液の液面に浮遊している凝集フロックを容易に撮像することができる。
【0019】
この発明の第2の局面における汚泥凝集装置は、汚泥および凝集剤が供給され、汚泥と凝集剤とを混合して、凝集フロックを形成する混和槽と、混和槽の後段に配置される脱水機から排出される濾液を撮像する撮像部と、混和槽に汚泥および凝集剤を供給する制御を行う制御部と、を備え、脱水機には、銀色の内面を有し、濾液を流す第1管路と、黒色の内面を有し、第1管路を通過した濾液を流す第2管路とが設けられており、撮像部は、濾液の背景色として、第1管路の銀色の内面と第2管路の黒色の内面との両方が撮像範囲に収まる状態で、濾液を撮像するように構成され、制御部は、撮像部により撮像された濾液の画像における凝集フロックの色である第1基準色の面積の割合と、凝集剤の色である第2基準色の面積の割合とに基づいて、混和槽に対する汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている。
【0020】
この発明の第2の局面による汚泥凝集装置では、上記のように、撮像部は、濾液の背景色として、第1管路の銀色の内面と第2管路の黒色の内面とのとの両方が撮像範囲に収まる状態で、濾液を撮像するように構成され、制御部は、撮像部により撮像された濾液の画像における凝集フロックの色である第1基準色の面積の割合と、凝集剤の色である第2基準色の面積の割合とに基づいて、混和槽に対する汚泥の供給量と凝集剤の供給量とを制御するように構成されている。これにより、銀色の内面を有する第1管路では、第1基準色が明確な画像を得ることができる。また、黒色の内面を有する第2管路では、第2基準色が明確な画像を得ることができる。そのため、これらの画像から、濾液における第1基準色の面積割合と、第2基準色の面積割合とをより正確に得ることができ、精度よく凝集剤の供給量と汚泥の供給量とを調整することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、精度よく凝集剤の供給量と汚泥の供給量とを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態における汚泥凝集装置のブロック図である。
図2】混和液における第1基準色の割合について説明するための図である。
図3】混和槽に対する汚泥の供給量と、凝集剤の供給量との制御のフローチャートである。
図4】第2実施形態における汚泥凝集装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態]
(汚泥凝集装置の構成)
図1を参照して第1実施形態の汚泥凝集装置100について説明する。汚泥凝集装置100は、混和槽1で凝集剤40と汚泥50(処理対象物)とを混和して凝集フロック60を生成した後に、混和液を後段の脱水機90に供給するように構成されている。汚泥凝集装置100と、脱水機90とを合わせて脱水機ユニット500とする。汚泥凝集装置100は、凝集フロック60を形成することにより脱水機90から排出される脱水ケーキの含水率を下げることができる。これにより、汚泥凝集装置100は、汚泥50を凝集することにより脱水機90の稼働にかかる負荷を軽減し、廃棄物の質量を低減できるため、SDGs(持続可能な開発目標)に寄与することができる。
【0025】
汚泥凝集装置100は、混和槽1と、制御部2と、撮像部3とを備える。
【0026】
混和槽1は、汚泥槽部11と、モータ12と、羽根車13と、排出口14とを含んでいる。
【0027】
汚泥槽部11は、汚泥50(処理対象物)および凝集剤40が供給される槽本体である。汚泥槽部11は、汚泥貯留部5から汚泥50が供給されるとともに、凝集剤供給部4から凝集剤40が供給される。汚泥槽部11(混和槽1)は、上部が開口している。
【0028】
モータ12は、回転軸12aを介して羽根車13に接続されている。モータ12は、羽根車13に駆動力(トルク)を付与するように構成されている。羽根車13は、汚泥槽部11内に配置されている。羽根車13は、汚泥槽部11内の汚泥50と凝集剤40とを撹拌することにより、汚泥50を凝集する(固体成分(フロック)の濃度を高める)ように構成されている。
【0029】
排出口14は、脱水機90に接続されている。排出口14は、凝集フロック60を含む混和液を脱水機90に供給する。
【0030】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、画像処理部とを含んでいる。制御部2は、モータ12を制御することにより、羽根車13を回転させる。制御部2は、インバータを制御することにより、モータ12の回転数を制御する。制御部2は、第1調整弁42を制御することにより、凝集剤供給部4からの凝集剤40の供給量を調整する。また、制御部2は、第2調整弁52を制御することにより、汚泥貯留部5からの汚泥50の供給量を制御する。制御部2は、撮像部3を制御することにより、混和液の液面1aを撮像する。なお、制御部2は、脱水機ユニット500の制御部2として、脱水機90を制御することが可能である。図1では、一点鎖線で制御部2による制御のための信号線を示している。
【0031】
制御部2は、混和液の液面1aの画像における基準色の面積の割合に基づいて、混和槽1に対する汚泥50の供給量と、凝集剤40の供給量とを制御するように構成されている。第1基準色は、凝集フロック60の色である。凝集フロック60の色は、汚泥50により異なるが、たとえば、茶色である。制御部2は、液面1aの画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合になるように、汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御するように構成されている。
【0032】
第1実施形態では、撮像部3は、混和槽1の上方に取り付けられ、混和槽1内の混和液の液面1aを上方から直接撮像する。
【0033】
凝集剤供給部4は、凝集剤40が貯留されている。凝集剤供給部4は、無機凝集剤を供給する供給部と、高分子凝集剤を供給する供給部とを含む。凝集剤供給部4は、水と凝集剤の原液または粉末とを攪拌することで凝集剤40を生成する。また、凝集剤供給部4と混和槽1との間をつなぐ第1配管4aには、凝集剤40を供給するための第1ポンプ41と、供給量を調整するための第1調整弁42とが取り付けられている。
【0034】
汚泥貯留部5は、汚泥50が貯蔵されている。汚泥貯留部5と、混和槽1との間をつなぐ第2配管5aには、汚泥50を供給するための第2ポンプ51と、供給量を調整するための第2調整弁52とが取り付けられている。
【0035】
(汚泥貯留部から混和槽への汚泥の供給量の制御および凝集剤供給部から混和槽への凝集剤の供給量の制御)
制御部2には、液面1aの画像における第1基準色の面積の所定の割合が記憶されている。液面1aの画像における第1基準色の面積の所定の割合とは、撮像された液面1aの範囲を100%とした場合の第1基準色の割合である。液面1aの画像における第1基準色の面積の所定の割合は、凝集剤40の供給量と汚泥50の供給量との割合が最適な混和液の液面1aにおける第1基準色の面積の割合である。
【0036】
所定の割合で凝集された場合に、脱水機90において効果的に脱水を行うことができる。液面1aの画像における第1基準色の面積の所定の割合は、たとえば、70%以上90%以下の範囲内で設定される。なお、所定の割合は、たとえば、75%のように特定の数値が記憶されていてもよく、または、75%以上80%以下のように範囲が記憶されていてもよい。なお、混和液中の液面1aを撮像した画像には、凝集フロック60の色と、凝集剤40の色と、汚泥50の色と、撮像部3の黒色の部分とが混在している。
【0037】
図1および図2に基づいて、凝集剤40の供給量と汚泥50の供給量との関係について説明する。図2(C)は、第1基準色の面積の割合が所定の割合である画像を示す。なお、液分はほぼ透明であるため、光が混和槽1の底部に吸い込まれ(乱反射または散乱し)、結果的には画像中に黒く映る。また、凝集剤40の供給量と汚泥50の供給量との割合が最適な場合は、浮遊している汚泥50と凝集剤40とがほとんどなく、画像中は、第1基準色と黒色とがほとんど占める。図2では、第1基準色をハッチングで表している。
【0038】
図2(B)に示すように、液面1aの画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合よりも大きい場合に、制御部2は、汚泥50の供給量を減少させる制御と、凝集剤40の供給量を増加させる制御とを行う。液面1aの画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合よりも大きい場合には、汚泥50の供給量が多く、混和液中に汚泥50が浮遊している。その結果、画像中では、第1基準色と同じ色の浮遊している汚泥50と凝集フロック60との合計面積割合が、第1基準色の面積割合として取得される。
【0039】
図2(A)に示すように、制御部2は、第1基準色の割合がほぼ100%(95%以上100%未満の範囲)の場合、第2調整弁52を閉じて、汚泥50の供給量を0にするとともに、第1調整弁42を全開にして、凝集剤40の供給量を最大にする。第1基準色の割合がほぼ100%の場合には、汚泥50の供給量がかなり多く、混和液中に汚泥50がかなり浮遊している。そのため、画像中では、第1基準色と同じ色の浮遊している汚泥50と凝集フロック60との区別がつかず、第1基準色が画像全体を占める。
【0040】
図2(D)に示すように、液面1aの画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合未満である場合に、制御部2は、汚泥50の供給量を増加させる制御と、凝集剤40の供給量を減少させる制御とを行う。液面1aの画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合よりも小さい場合には、凝集剤40の供給量が多い。その結果、画像中では、凝集フロック60よりも凝集剤40の割合が大きくなる。なお、この場合、凝集剤40の色が白色だと、混和液は灰色のような色になる。
【0041】
図2(E)に示すように、制御部2は、第1基準色の割合がほぼ0%(0%を超えて5%以下の範囲)になると、第2調整弁52を全開にして、汚泥50の供給量を最大にするとともに、第1調整弁42を閉じて、凝集剤40の供給量を0にする。第1基準色の割合がほぼ0%の場合には、凝集剤40の供給量がかなり多い。そのため、画像中では、凝集剤40により凝集フロック60がほとんど覆われて凝集剤40が画像全体を占める。なお、この場合、凝集剤40の色が白色だと、混和液は白濁する。
【0042】
また、制御部2は、液面1aの画像における凝集剤40の色である第1基準色の面積の割合に基づいて混和槽1に対する汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御した後であって、第1基準色の面積の割合が所定の割合未満である状態が所定時間続いた場合に、液面1aの画像における凝集剤40の色である第2基準色の面積の割合に基づいて混和槽1に対する汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御するように構成されている。第2基準色は、凝集剤40の色であり、たとえば、白色である。所定時間は、たとえば、3分間ないし10分間で設定される。
【0043】
制御部2には、液面1aの画像における第2基準色の面積の所定の割合が記憶されている。液面1aの画像における第2基準色の面積の所定の割合は、たとえば、70%以上90%未満の範囲内で設定される。なお、所定の割合は、たとえば、80%のように特定の数値が記憶されていてもよく、または、75%以上85%未満のように範囲が記憶されていてもよい。
【0044】
図2(D)に示すように、液面1aの画像における第2基準色の面積の割合が所定の割合よりも大きい場合に、制御部2は、汚泥50の供給量を増加させる制御と、凝集剤40の供給量を減少させる制御とを行う。特に、図2(E)のように、制御部2は、第2基準色の割合がほぼ100%(95%以上100%未満の範囲)の場合は、第2調整弁52を全開にして、汚泥50の供給量を最大にするとともに、第1調整弁42を閉じて、凝集剤40の供給量を0にする。
【0045】
(混和槽に対する汚泥の供給量と、凝集剤の供給量との制御フロー)
図3に基づいて、第1基準色の面積の割合に基づく凝集剤40の供給量および汚泥50の供給量の制御について説明する。ステップS1では、取得した混和液の液面1aの画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合か否かにより進むステップが異なる。第1基準色の面積の割合が所定の割合であれば終了し、所定の割合でなければ、ステップS2に進む。
【0046】
ステップS2では、第1基準色の面積の割合が所定の割合未満か否かにより進むステップが異なる。所定未満であればステップS3に進み、所定の割合より大きければ、ステップS4に進む。
【0047】
ステップS3では、第1基準色の面積の割合が所定の割合未満になってから所定時間が経過したか否かにより進むステップが異なる。所定時間経過していれば、ステップS6へ進み、所定時間以上経過していなければ、ステップS5に進む。
【0048】
ステップS4では、制御部2は、凝集剤40の供給量を増加させるとともに、汚泥50の供給量を減少させる制御を行う。そして、ステップS1に戻る。
【0049】
ステップS5では、制御部2は、凝集剤40の供給量を減少させるとともに、汚泥50の供給量を増加させる制御を行う。そして、ステップS1に戻る。
【0050】
ステップS6では、取得した混和液の液面1aの画像における第2基準色の面積の割合が所定の割合か否かにより進むステップが異なる。第2基準色の面積の割合が所定の割合であれば終了し、所定の割合でなければ、ステップS7に進む。
【0051】
ステップS7では、第2基準色の面積の割合が所定の割合未満か否かにより進むステップが異なる。第2基準色の面積の割合が所定の割合未満であればステップS8に進み、所定の割合未満でなければ、ステップS9に進む。
【0052】
ステップS8では、制御部2は、凝集剤40の供給量を増加させるとともに、汚泥50の供給量を減少させる制御を行う。そして、ステップS6に戻る。なお、所定の割合になった後は、凝集剤40の供給量を減らすように構成されている。
【0053】
ステップS9では、制御部2は、凝集剤40の供給量を減少させるとともに、汚泥50の供給量を増加させる制御を行う。そして、ステップS6に戻る。なお、所定の割合になった後は、汚泥50の供給量を減らすように構成されている。
【0054】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0055】
第1実施形態では、上記のように、汚泥凝集装置100は、汚泥50および凝集剤40が供給され、汚泥50と凝集剤40とを混合して、凝集フロック60を形成する混和槽1と、混和槽1に汚泥50および凝集剤40を供給する制御を行う制御部2と、混和液の液面1aを撮像する撮像部3と、を備え、制御部2は、撮像部3により撮像された液面1aの画像における凝集フロック60の色である第1基準色の面積の割合に基づいて、混和槽1に対する汚泥50の供給量と、混和槽1に対する凝集剤40の供給量とを制御するように構成されている。これによって、凝集フロック60の面積の割合に基づいて、混和槽1に対する汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量との両方を制御するため、汚泥50の供給量または凝集剤40の供給量が過多または過少になることを抑制することができる。この結果、精度よく凝集剤40の供給量と汚泥50の供給量とを調整することができる。また、精度よく凝集剤40の供給量と汚泥50の供給量とを調整することができることにより、混和液中における凝集フロック60の濃度を大きくすることができ、汚泥50から水分を分離しやすくすることができる。そのため、汚泥凝集装置100の後段に脱水機90を配置した場合に、汚泥50から水分を分離しやすくすることができることにより、脱水機90において処理された脱水ケーキの含水率を小さくすることができる。
【0056】
第1実施形態では、上記のように、制御部2は、液面1aの画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合になるように、汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御するように構成されている。これにより、たとえば、脱水機90において効果的に脱水を行うことが可能な第1基準色の面積の割合に設定することにより、混和液中における所望の凝集フロック60の割合に精度よく調整することができる。
【0057】
第1実施形態では、上記のように、制御部2は、液面1aの画像における凝集フロック60の色である第1基準色としての茶色の面積の割合に基づいて、混和槽1に対する汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御するように構成されている。これにより、混和槽1の表面付近を浮遊している凝集フロック60は画像中に茶色に映り、液分はほぼ透明であることにより光が液分を通過し混和槽1の底部に吸い込まれて黒く映るため、表面付近を浮遊している凝集フロック60と、液分とを区別することができ、凝集フロック60の割合をより正確に取得することができる。
【0058】
第1実施形態では、上記のように、液面1aの画像における第1基準色の面積の所定の割合は、70%以上90%以下の範囲内で設定される。これにより、第1基準色の面積の所定の割合が70%以上90%以下の範囲内である場合に、混和液中における凝集フロック60の割合が十分に大きいため、供給された汚泥50の多くが凝集剤40と反応(結合)し、凝集フロック60になったとみなすことができる。すなわち、汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量が適正であるといえる。
【0059】
第1実施形態では、上記のように、液面1aの画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合よりも大きい場合に、制御部2は、汚泥50の供給量を減少させる制御と、凝集剤40の供給量を増加させる制御とを行うように構成されている。これにより、液面1aの画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合よりも大きい場合は、供給される汚泥50の量に対して凝集フロック60が十分に形成されておらず、凝集フロック60と汚泥50とが混在している状態であるため、凝集剤40の供給量を増やすことにより凝集フロック60を形成することができるとともに、汚泥50の供給量を減少させることにより未処理の汚泥50の量が多くなることを抑制することができる。
【0060】
第1実施形態では、上記のように、第1基準色の面積の割合が所定の割合未満である場合に、制御部2は、汚泥50の供給量を増加させる制御と、凝集剤40の供給量を減少させる制御とを行うように構成されている。これにより、液面1aの画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合よりも小さい場合は、汚泥50の量よりも凝集剤40の量が多い状態であるため、凝集剤40の供給量を減少させることにより凝集剤40の量が多くなることを抑制することができるとともに、汚泥50の供給量を増加させることにより、混和液中に多く存在する凝集剤40と汚泥50とを反応させて、凝集フロック60を形成することができる。
【0061】
第1実施形態では、上記のように、制御部2は、第1基準色の面積の割合が所定の割合未満である状態が続いた場合に、液面1aの画像における凝集剤40の色である第2基準色の面積の割合に基づいて、混和槽1に対する汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御するように構成されている。これにより、第1基準色の面積の割合が所定の割合未満である場合は、供給される汚泥50の濃度が低く、第2基準色の面積の割合が大きい場合であるため、凝集剤40の色である第2基準色の面積の割合に基づいて混和槽1に対する汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御することにより、適切に汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを調整することができる。
【0062】
第1実施形態では、上記のように、制御部2は、凝集剤40の色である第2基準色としての白色の面積の割合に基づいて、混和槽1に対する汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御するように構成されている。これにより、供給される汚泥50の濃度が低く、凝集剤40が多い場合は、混和槽1の液面1aは、白濁するため、第2基準色としての白色の面積の割合に基づくことにより、正確に凝集剤40の供給量と汚泥50の供給量とを調整することができる。
【0063】
第1実施形態では、上記のように、第2基準色の面積の所定の割合は70%以上90%未満の範囲内で設定される。これにより、第2基準色の面積の所定の割合が70%以上であると、凝集剤40の量が十分に混和槽1に供給されているとともに、90%未満とすることにより、凝集剤40の供給量が過多になることを抑制することができる。
【0064】
第1実施形態では、上記のように、液面1aの画像における第2基準色の面積の割合が所定の割合より大きい場合に、制御部2は、汚泥50の供給量を増加させる制御と、凝集剤40の供給量を減少させる制御とを行うように構成されている。これにより、供給される汚泥50の濃度が低い場合において、汚泥50の供給量に対する凝集剤40の供給量が最適な状態を所定の割合に設定することができる。これにより、液面1aの画像における第2基準色の面積の割合が所定の割合よりも大きい場合は、汚泥50の量よりも凝集剤40の量が多い状態であるため、凝集剤40の供給量を減少させることにより凝集剤40の量が多くなることを抑制することができるとともに、汚泥50の供給量を増加させることにより、混和液中に多く存在する凝集剤40と汚泥50とを反応させて、凝集フロック60を形成することができる。
【0065】
第1実施形態では、上記のように、混和槽1の汚泥槽部11は、上部が開口しており、撮像部3は、混和槽1の汚泥槽部11内の混和液の液面1aを上方から撮像するように構成されている。これにより、混和液の液面1aに浮遊している凝集フロック60を撮像することができるため、正確に第1基準色の面積の割合を求めることができる。
【0066】
[第2実施形態]
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態の汚泥凝集装置200について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、撮像部30は、脱水機90の管路91に配置される。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0067】
撮像部3は、脱水機90の管路91に取り付けられている。撮像部3は管路91を流れる固液分離した濾液を撮影する。撮像部3は、管路91に設けられた窓から内部を撮影されるように構成されている。管路91は、第1管路91aと、第2管路91bとから構成される。第1管路91aは、銀色の内面を有する。第2管路91bは黒色の内面を有する。撮像部30は、第1管路91aと第2管路91bとを同時に撮影することができるように設定されている。撮像部30は、濾液の背景色として、銀色の内面と黒色の内面との両方が撮像範囲に収まる状態で、濾液を撮像するように構成されている。
【0068】
第1管路91aは、ステンレスで形成されている。第2管路91bは、樹脂で形成されている。第1管路91aと第2管路91bとは、直列でつながれている。
【0069】
制御部2は、第1管路91aおよび第2管路91bを流れる濾液を撮像した画像に基づいて、第1基準色の面積の割合が所定の割合になるように、汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御する。より詳細には、第1基準色の面積は、第1管路91aを流れる濾液を対象として求める。第1基準色は、凝集フロック60の色であり、汚泥50により異なるが、たとえば、茶色である。また、制御部2は、第1基準色の面積の割合が所定の割合未満である状態が続いた場合に、第2基準色の面積の割合が所定の割合になるように、汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御する。より詳細には、第2基準色の面積は、第2管路91bを流れる濾液を対象として求める。第2基準色は、凝集剤40の色であり、たとえば、白色である。
【0070】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0071】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
第2実施形態では、上記のように、撮像部30は、濾液の背景色として、第1管路91aの銀色の内面と第2管路91bの黒色の内面とのとの両方が撮像範囲に収まる状態で、濾液を撮像するように構成され、制御部2は、撮像部30により撮像された濾液の画像における凝集フロック60の色である第1基準色の面積の割合と、凝集剤40の色である第2基準色の面積の割合とに基づいて、混和槽1に対する汚泥50の供給量と凝集剤40の供給量とを制御するように構成されている。これにより、銀色の内面を有する第1管路91aでは、第1基準色が明確な画像を得ることができる。また、黒色の内面を有する第2管路91bでは、第2基準色が明確な画像を得ることができる。そのため、これらの画像から、濾液における第1基準色の面積割合と、第2基準色の面積割合とをより正確に得ることができ、精度よく凝集剤40の供給量と汚泥50の供給量とを調整することができる。
【0073】
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0074】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0075】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、第1基準色の面積の割合に基づいて制御する場合と、第2基準色の面積の割合に基づいて制御する場合が別である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1基準色と第2基準色との両方に基づいて、制御を行ってもよい。
【0076】
また、第1実施形態では、混和槽に撮像部を備え、第2実施形態では管路に撮像部を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、混和槽と管路との両方に撮像部を設けてもよい。
【0077】
また、第1実施形態では、液面の画像における第1基準色の面積の割合が所定の割合よりも大きい場合に、制御部は、汚泥の供給量を減少させる制御と、凝集剤の供給量を増加させる制御とを行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1基準色(茶色)の面積の割合が所定の割合よりも大きい状態が所定時間続いた場合(汚泥の濃度が濃い場合)に、制御部は、凝集剤供給量を上限まで増加させたり、あるいは、汚泥供給量を下限まで減少させたりしてもよい。
【0078】
また、上記第2実施形態では、管路に窓を設けて撮影する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、管路内に撮像部を設けてもよい。また、透明な管路を用いて、管路の一部を黒色の部材で覆い、管路の一部を銀色の部材で覆ってもよい。
【0079】
また、上記第2実施形態では、管路が第1管路および第2管路を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、管路は、どちらか一方でもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 混和槽
1a 液面
2 制御部
3、30 撮像部
60 凝集フロック
90 脱水機
91 管路
91a 第1管路
91b 第2管路
100、200 汚泥凝集装置
図1
図2
図3
図4