(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173212
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20231130BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G03G15/00 303
B41J29/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085301
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】石井 豪
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HJ10
2C061HK10
2C061HK11
2C061HK19
2H270LA26
2H270LA72
2H270LD05
2H270LD09
2H270LD15
2H270MA01
2H270MA14
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】画像形成ユニットの温度が高くなった状態で印刷が停止させられた後に印刷が再び開始された場合でも、印刷制御を適切に行うことができるようにする。
【解決手段】画像形成ユニットと、温度検出部と、印刷処理部Pr1と、該印刷処理部Pr1が印刷を停止させたときに特定の温度を取得する温度取得処理部Pr2と、特定の温度が閾値以上であり、印刷処理部Pr1が印刷を停止させてから経過した時間が閾値未満である場合に、前記特定の温度、及び印刷を停止させてから経過した時間に基づいて像担持体の温度を推測する温度推測処理部Pr3とを有する。印刷処理部Pr1が、画像形成ユニットの温度が高くなっている状態で印刷を停止させ、印刷を再び開始した場合でも、印刷制御を適切に行うことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)像担持体を備えた画像形成ユニットと、
(b)該画像形成ユニットの近傍に配設された温度検出部と、
(c)上位装置から受信した印刷ジョブについて印刷を行う印刷処理部と、
(d)該印刷処理部が印刷を停止させたときに特定の温度を取得する温度取得処理部と、
(e)該温度取得処理部が取得した前記特定の温度が閾値以上であり、前記印刷処理部が印刷を停止させてから経過した時間が閾値未満である場合に、前記特定の温度、及び印刷を停止させてから経過した時間に基づいて像担持体の温度を推測する温度推測処理部とを有するとともに、
(f)前記印刷処理部は、前記温度推測処理部が推測した温度に基づいて印刷制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記温度推測処理部は、前記特定の温度が閾値未満である場合に、印刷が行われているときの前記温度検出部による検出温度と、像担持体の実温度との相関関係に基づいて像担持体の温度を推測する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記温度推測処理部は、前記特定の温度が閾値以上であり、印刷を停止させてから経過した時間が閾値以上である場合に、印刷が行われているときの前記温度検出部による検出温度と、像担持体の実温度との相関関係に基づいて像担持体の温度を推測する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記温度推測処理部は、前記印刷処理部が印刷を停止させた後に印刷を再び開始してから経過した時間が閾値以上である場合に、印刷が行われているときの前記温度検出部による検出温度と、像担持体の実温度との相関関係に基づいて像担持体の温度を推測する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷処理部が印刷を停止させてから経過した時間を計測する計時装置を有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記特定の温度は、前記印刷処理部が印刷を停止させたときの前記温度検出部による検出温度である請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記特定の温度は、前記印刷処理部が印刷を停止させたときの前記温度検出部による検出温度、及び印刷が行われているときの前記温度検出部による検出温度と、像担持体の実温度との相関関係に基づいて推測された像担持体の温度である請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタは、画像形成ユニット、LEDヘッド、転写ローラ等を備え、前記画像形成ユニットにおいて、帯電ローラによって帯電させられた感光体ドラムの表面が前記LEDヘッドによって露光されて静電潜像が形成され、該静電潜像が現像ローラによって現像されて感光体ドラム上にトナー像が形成される。そして、該トナー像は、前記転写ローラによって、用紙カセットから給紙された用紙に転写され、定着器において用紙に定着させられる。
【0003】
ところで、前記画像形成ユニットにおける感光体ドラムの近傍に温度検出部としての温度センサを配設し、該温度センサによって検出される感光体ドラムの温度に基づいて、帯電ローラに印加される帯電電圧、現像ローラに印加される現像電圧等を補正する等の印刷制御を行うようにしたプリンタが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、連続印刷等の印刷が行われるのに伴って画像形成ユニットの温度が高くなっている状態で印刷が停止させられた場合、その後、温度センサによって検出される温度の推移と、実際の感光体ドラムの温度の推移とが異なるので、印刷が再び開始されたときに印刷制御を適切に行うことができない。
【0006】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、画像形成ユニットの温度が高くなった状態で印刷が停止させられた後に印刷が再び開始された場合でも、印刷制御を適切に行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の画像形成装置においては、像担持体を備えた画像形成ユニットと、該画像形成ユニットの近傍に配設された温度検出部と、上位装置から受信した印刷ジョブについて印刷を行う印刷処理部と、該印刷処理部が印刷を停止させたときに特定の温度を取得する温度取得処理部と、該温度取得処理部が取得した前記特定の温度が閾値以上であり、前記印刷処理部が印刷を停止させてから経過した時間が閾値未満である場合に、前記特定の温度、及び印刷を停止させてから経過した時間に基づいて像担持体の温度を推測する温度推測処理部とを有する。
【0008】
そして、前記印刷処理部は、前記温度推測処理部が推測した温度に基づいて印刷制御を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置においては、像担持体を備えた画像形成ユニットと、該画像形成ユニットの近傍に配設された温度検出部と、上位装置から受信した印刷ジョブについて印刷を行う印刷処理部と、該印刷処理部が印刷を停止させたときに特定の温度を取得する温度取得処理部と、該温度取得処理部が取得した前記特定の温度が閾値以上であり、前記印刷処理部が印刷を停止させてから経過した時間が閾値未満である場合に、前記特定の温度、及び印刷を停止させてから経過した時間に基づいて像担持体の温度を推測する温度推測処理部とを有する。
【0010】
そして、前記印刷処理部は、前記温度推測処理部が推測した温度に基づいて印刷制御を行う。
【0011】
この場合、印刷処理部が印刷を停止させたときに温度取得処理部によって特定の温度が取得され、該特定の温度が閾値以上であり、印刷処理部が印刷を停止させてから経過した時間が閾値未満である場合に、前記特定の温度、及び印刷を停止させてから経過した時間に基づいて像担持体の温度が推測されるので、印刷処理部が、連続印刷等の印刷を行うのに伴って画像形成ユニットの温度が高くなっている状態で印刷を停止させ、印刷を再び開始した場合でも、推測された像担持体の温度に基づいて印刷制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【
図3】本発明の実施の形態における画像形成ユニットの要部概念図である。
【
図4】本発明の実施の形態における第1の温度推測テーブルの例を示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態における印刷を停止させるのに伴って検出温度がオーバーシュートしたときの検出温度及び実温度の推移を説明するための図である。
【
図6】本発明の実施の形態における印刷を再び開始したときの検出温度及び実温度の推移を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態における第2の温度推測テーブルの例を示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第1のフローチャートである。
【
図9】本発明の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0014】
図2は本発明の実施の形態におけるプリンタの概略図、
図3は本発明の実施の形態における画像形成ユニットの要部概念図である。なお、本実施の形態においては、ブラック、イエロー、マゼンダ及びシアンの4色の画像形成ユニット(イメージドラムユニット)16Bk、16Y、16M、16Cが配設されるようになっているが、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cはいずれも同じ構造を有するので、
図3においては画像形成ユニット16Bkだけを図示する。
【0015】
図において、10はプリンタ、Csは該プリンタ10の外装である筐体、Bdは、プリンタ10の本体、すなわち、装置本体である。前記筐体Csは、筐体Csの本体、すなわち、筐体本体Cs1、及び該筐体本体Cs1に対してヒンジhgを介して揺動自在に支持されたカバーCs2を備える。
【0016】
前記装置本体Bdの下部には、第1の給紙部としての、かつ、媒体収容部としての用紙カセット11が配設され、媒体としての用紙Pが、第1の積載部としての、用紙カセット11のスタッカsk1に積載された状態で収容される。また、前記用紙カセット11の前端に隣接させて、第1の繰出部材としてのホッピングローラ12及び分離部材13が配設され、前記用紙Pは、ホッピングローラ12及び分離部材13によって1枚ずつ分離させられて媒体搬送路としての用紙搬送路Rt1に給紙され、第1の搬送部材としての給紙ローラ対m1によって用紙搬送路Rt1を搬送され、給紙ローラ対m1より下流側に配設された第2の搬送部材としてのレジストローラ対m2によって斜行が矯正された後、画像形成部Q1に送られる。
【0017】
前記レジストローラ対m2の近傍には、第2の給紙部としての手差しトレイTrが筐体本体Cs1に対して揺動自在に配設され、手差しトレイTrに積載された用紙Pは、第2の繰出部材としてのホッピングローラ15によって用紙搬送路Rt1に給紙され、前記レジストローラ対m2によって斜行が矯正された後、前記画像形成部Q1に送られる。
【0018】
該画像形成部Q1は、用紙搬送路Rt1における上流側から下流側にかけて並べて配設された画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16C、露光装置としてのLEDヘッドHd、転写ユニットu1、温度検出部としての温度センサs1等から成る。該温度センサs1は、形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cのうちの所定の画像形成ユニット、本実施の形態においては画像形成ユニット16Cの近傍に配設され、画像形成ユニット16Cの近傍の温度を検出温度Tsとして検出する。
【0019】
各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cは、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cの本体部に対して着脱自在に配設され、現像剤としてのトナーが収容された現像剤収容部としてのトナーカートリッジCt、矢印A方向に回転自在に配設された像担持体としての感光体ドラム21、該感光体ドラム21に当接させて矢印B方向に回転自在に配設された帯電部材としての帯電ローラ22、前記感光体ドラム21に当接させて矢印C方向に回転自在に配設された現像剤担持体としての現像ローラ23、該現像ローラ23に当接させて矢印D方向に回転自在に配設された供給部材としての供給ローラ24、所定の箇所を現像ローラ23に当接させて配設された規制部材としての現像ブレード25、前記感光体ドラム21と対向させて配設された第1の現像剤回収装置としてのトナー回収部Bx1、該トナー回収部Bx1に配設され、先端を感光体ドラム21に当接させて配設された第1のクリーニング部材としてのクリーニングブレード26等を備える。
【0020】
前記現像ローラ23、供給ローラ24及び現像ブレード25によって現像部30が形成される。また、前記画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cの本体部における現像部30より上方に、トナーカートリッジCtから供給されたトナーを受けるトナー受け部Rmが形成される。
【0021】
各色の前記トナーには、結着樹脂としてポリエステル樹脂が使用され、トナー粒子内に、帯電制御剤、離型剤、着色剤等の添加剤である内部添加剤が添加され、トナー粒子外に、トナーの流動性及び帯電性を保持するためのシリカ、酸化チタン等の添加剤である外部添加剤が添加される。
【0022】
前記感光体ドラム21は、有機系感光体から成り、導電性支持体、及び該導電性支持体の表面に形成された光導電層を備える。導電性支持体はアルミニウム製の金属パイプによって形成され、光導電層は、電荷発生層及び電荷輸送層を積層することによって形成される。
【0023】
前記帯電ローラ22は、金属シャフト、及び該金属シャフトの外周に形成された半導電性ゴム層から成り、感光体ドラム21の表面を一様に帯電させる。
【0024】
前記現像ローラ23は、金属シャフト、及び該金属シャフトの外周に形成された半導電性ウレタンゴム材から成り、感光体ドラム21の表面に形成された潜像としての静電潜像にトナーを静電的に付着させて静電潜像を現像する。
【0025】
前記供給ローラ24は、金属シャフト、及び該金属シャフトの外周に形成された発泡性のシリコーンゴム材から成り、現像ローラ23と同じ方向に回転させられ、トナーカートリッジCtからトナー受け部Rmに供給されたトナーを現像ローラ23に供給するとともに、トナーを摩擦によって帯電させる。
【0026】
現像ブレード25は、ステンレス等の板状部材から成り、所定の曲げ部が現像ローラ23に当接させられ、現像ローラ23上のトナーの層厚を規制し、現像剤層としてのトナー層を形成する。
【0027】
前記各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cにおいて、トナーカートリッジCtからトナー受け部Rmに供給されたトナーは、供給ローラ24によって現像ローラ23に供給される間に帯電させられ、現像ブレード25によって層厚が規制された後、感光体ドラム21に付着させられてトナー像を形成する。現像ローラ23上に残留したトナーは、現像ローラ23の回転に伴ってトナー受け部Rmに回収され、供給ローラ24によって擦り取られ、トナーカートリッジCtから供給された新しいトナーと混合される。
【0028】
前記クリーニングブレード26は、ポリウレタンゴム等のゴム状弾性体から成り、先端を感光体ドラム21の回転方向に対して突き当てるようにカウンタで当接させられ、トナー像が用紙Pに転写された後に感光体ドラム21上に残留したトナーを掻き取り、除去する。
【0029】
前記LEDヘッドHdは、発光素子としての複数のLEDから成るLEDアレイ、各LEDを発光させる駆動素子及びレンズアレイから成り、帯電ローラ22によって帯電させられた感光体ドラム21の表面を露光し、静電潜像を形成する。
【0030】
前記転写ユニットu1は、第1のローラとしての駆動ローラr1、第2のローラとしての従動ローラr2、前記駆動ローラr1と従動ローラr2との間に走行自在に張設されたベルト部材としての転写ベルトBt、該転写ベルトBtを介して前記各感光体ドラム21と対向させて転自在に配設された転写部材としての転写ローラ28、前記転写ベルトBtの下側走行部と対向させて配設された第2の現像剤回収装置としてのトナー回収部Bx2、該トナー回収部Bx2において先端を転写ベルトBtに当接させて配設された第2のクリーニング部材としてのクリーニングブレード29等を備える。
【0031】
前記転写ローラ28は、発泡性の半導電性弾性ゴム材料から成る。
【0032】
前記用紙搬送路Rt1における画像形成部Q1より下流側に、定着装置としての定着器31が配設される。該定着器31は、第1の定着部材としてのヒートローラ32、及び該ヒートローラ32と対向させて配設された対向部材としての、かつ、第2の定着部材としてのバックアップローラ33を備える。
【0033】
また、前記用紙搬送路Rt1における定着器31より下流側に、第3の搬送部材としての搬送ローラ対m3が配設され、該搬送ローラ対m3より下流側に、第4の搬送部材としての排出ローラ対m4が、前記カバーCs2に形成された第2の積載部としてのスタッカsk2に臨ませて配設される。
【0034】
前記帯電ローラ22に、トナーの極性と同じ極性の帯電電圧を帯電ローラ22に印加するための帯電用の電源43が、前記現像ローラ23に、トナーの極性と同じ極性、又は逆の極性の現像電圧を現像ローラ23に印加するための現像用の電源44が、前記供給ローラ24に、トナーの極性と同じ極性、又は逆の極性の供給電圧を供給ローラ24に印加するための供給用の電源45が、前記現像ブレード25に、トナーの極性と逆の極性、又は同じ極性の層形成電圧を現像ブレード25に印加するための層形成用の電源46が、前記転写ローラ28に、トナーの極性と逆の極性、又は同じ極性の転写電圧を転写ローラ28に印加するための転写用の電源47が接続される。電源43~47によって電源ユニット49が構成される。
【0035】
次に、プリンタ10の動作について説明する。
【0036】
感光体ドラム21が、帯電ローラ22によって一様に帯電させられ、LEDヘッドHdによって露光されて、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。現像部30において、供給ローラ24が、現像ローラ23との周速比を一定に保ちながら回転させられ、トナーカートリッジCtから供給されたトナーを、摩擦によって帯電させ、現像ローラ23に供給する。現像ローラ23に供給されたトナーは、現像ブレード25によって層厚が規制され、このとき、更に帯電させられる。
【0037】
現像ローラ23が、電源44によって現像電圧が印加された状態で感光体ドラム21に当接させられ、静電気力によってトナーを感光体ドラム21上の静電潜像に付着させて静電潜像を現像し、トナー像を形成する。
【0038】
一方、用紙Pが、用紙カセット11又は手差しトレイTrから画像形成部Q1に供給され、各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cの感光体ドラム21と転写ユニットu1の転写ローラ28との間を搬送され、各現像ローラ23上のトナー像が、転写ローラ28に印加された転写電圧によって形成された電界によって用紙Pに重ねて転写され、用紙P上にカラーのトナー像が形成される。
【0039】
トナー像が転写された後の感光体ドラム21の表面に残留したトナーは、クリーニングブレード26によって掻き取られて除去される。
【0040】
なお、帯電ローラ22に付着したトナー、外添剤等を所定のタイミングで除去するために、帯電ローラ22上のトナー、外添剤等は、一旦感光体ドラム21上に戻され、クリーニングブレード26によって掻き取られて除去される。
【0041】
続いて、用紙Pが定着器31に送られ、用紙P上のカラーのトナー像が、ヒートローラ32によって加熱され、バックアップローラ33によって加圧されて用紙Pに定着させられ、用紙P上にカラーの画像が形成される。
【0042】
カラーの画像が形成された用紙Pは、搬送ローラ対m3によって搬送され、排出ローラ対m4によって装置本体Bd外に排出され、スタッカsk2に積載される。
【0043】
次に、プリンタ10の制御装置について説明する。
【0044】
図1は本発明の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図、
図4は本発明の実施の形態における第1の温度推測テーブルの例を示す図、
図5は本発明の実施の形態における印刷を停止させるのに伴って検出温度がオーバーシュートしたときの検出温度及び実温度の推移を説明するための図、
図6は本発明の実施の形態における印刷を再び開始したときの検出温度及び実温度の推移を示す図、
図7は本発明の実施の形態における第2の温度推測テーブルの例を示す図である。なお、
図4において、横軸に前記温度センサs1による検出温度Tsを、縦軸に前記感光体ドラム21(
図2)の後述される推測温度Taを、
図5において、横軸に後述される印刷停止後経過時間τeを、縦軸に検出温度Ts及び実温度Trを、
図6において、横軸に後述される印刷再開後経過時間τsを、縦軸に検出温度Ts及び実温度Trを、
図7において、横軸に印刷停止後経過時間τeを、縦軸に検出温度Ts及び推測温度Taを採ってある。
【0045】
なお、前記検出温度Tsは、前述されたように、画像形成ユニット16Cの近傍に配設された温度センサs1によって検出された、画像形成ユニット16Cの近傍の温度を表し、前記実温度Trは、画像形成ユニット16Cの感光体ドラム21に接触式のサーミスタ等を配設することによって測定された感光体ドラム21の実際の温度を表す。
【0046】
図において、10はプリンタ、PCは、有線又は無線のLAN等によってプリンタ10に接続された上位装置としての、かつ、外部装置としてのホストコンピュータである。
【0047】
また、50は制御部、IFは、プリンタ10とホストコンピュータPCとを接続し、ホストコンピュータPCから印刷データ等を受信したり、プリンタ10のステータス情報をホストコンピュータPCに送信したりする通信部としてのインタフェース部、53は第1の記憶部としてのROM、54は第2の記憶部としてのRAM、55は、フラッシュメモリ、ハードディスク等から成る第3の記憶部としての記憶装置、56は操作・表示部としての操作パネル、57は、後述される印刷処理部Pr1が印刷を停止させてから経過した時間を表す印刷停止後経過時間τe、及び印刷処理部Pr1が印刷を停止させた後に再び印刷を開始してから経過した時間を表す印刷再開後経過時間τsを計測する計時装置としてのタイマ、s1は温度センサである。
【0048】
前記記憶装置55には、第1の温度推測テーブルTb1、第2の温度推測テーブルTb2、印刷処理部Pr1が印刷を停止させたときに温度センサs1による検出温度Tsがオーバーシュートしたかどうかを判断するための、後述される推測温度Taeの閾値Taeth、印刷処理部Pr1が印刷を停止させた後に、温度センサs1による検出温度Tsと感光体ドラム21の実温度Trとの相関が見られるようになるかどうかを判断するための、印刷停止後経過時間τeの閾値τeth、印刷処理部Pr1が印刷を再び開始した後、温度センサs1による検出温度Tsと感光体ドラム21の実温度Trとの相関が見られるようになるかどうかを判断するための、印刷再開後経過時間τsの閾値τsth等が記録される。
【0049】
また、43は帯電ローラ22に帯電電圧を印加するための電源、44は現像ローラ23に現像電圧を印加するための電源、45は供給ローラ24に供給電圧を印加するための電源、46は現像ブレード25に層形成電圧を印加するための電源、47は転写ローラ28に転写電圧を印加するための電源、HdはLEDヘッド、Dr1は、該LEDヘッドHdを駆動し、発光させる露光制御部、M1は感光体ドラム21を回転させる画像形成用の駆動部としての駆動モータ(IDモータ)、Dr2は、該駆動モータM1に駆動信号を送り、駆動モータM1を駆動する駆動制御部である。駆動モータM1を駆動し、感光体ドラム21を回転させると、帯電ローラ22が感光体ドラム21の回転に従動して回転させられ、現像ローラ23、供給ローラ24等が、感光体ドラム21に連結された図示されないギヤ列を介して回転させられる。
【0050】
前記制御部50は、図示されない演算装置としてのCPU、入出力ポート等を備え、プリンタ10の全体の制御を行うとともに、ROM53に記録されたプログラムに基づいて各種の処理を行う。ROM53には、前記プログラムのほかに、制御部50が前記各種の処理を行うために必要な設定値、閾値等が記録される。
【0051】
そして、前記RAM54には、前記印刷データに基づいて生成され、印刷を行うための画像データのほかに、各種の制御用のデータが一時的に記録される。なお、RAM54は、前記CPUが演算を行う際にワークエリアとして機能する。
【0052】
前記操作パネル56は、操作者がプリンタ10への指示を入力するためのスイッチ、キー等から成る操作部58、及びプリンタ10の状態を表示するためのLED画面等から成る表示部59を備える。なお、操作パネル56がタッチパネルによって形成されている場合、表示部59は操作部としても機能する。
【0053】
また、前記制御部50は、印刷処理部Pr1、温度取得処理部Pr2、温度推測処理部Pr3等を有する。
【0054】
印刷処理部Pr1は、ホストコンピュータPCから印刷データを受信すると、印刷処理を行い、印刷ジョブごとに印刷データを画像データに変換し、該画像データに基づいてヘッド発光命令データを生成し、LEDヘッドHdを駆動し、用紙Pに画像を形成し、印刷を行う。
【0055】
また、印刷処理部Pr1は、前記推測温度Taに基づいて各種の印刷制御を行う。すなわち、印刷処理部Pr1は、前記推測温度Taが過剰に高い場合に、感光体ドラム21の温度が上昇するのを抑制するために、駆動制御部Dr2を制御して印刷速度を低くしたり、印字品位が低下するのを抑制するために、電源43~46を調整して帯電電圧、現像電圧、供給電圧、規制電圧等を補正したりする。
【0056】
温度取得処理部Pr2は、温度取得処理を行い、印刷処理部Pr1が印刷を停止させたときに温度センサs1による検出温度Tsがオーバーシュートしたかどうかを判断するための特定の温度、本実施の形態においては、印刷処理部Pr1が印刷を停止させたときの検出温度Tseに基づいて推測される推測温度Taeを取得する。
【0057】
温度推測処理部Pr3は、温度推測処理を行い、検出温度Tsに基づいて感光体ドラム21の温度を推測し、推測温度とする。
【0058】
すなわち、本実施の形態においては、前述されたように、前記温度センサs1による検出温度Tsは、画像形成ユニット16Cの近傍の温度であり、感光体ドラム21の実温度Trと異なる。これは、感光体ドラム21が画像形成ユニット16C内に配設されていること、感光体ドラム21の周囲と温度センサs1の周囲とで空気の温度、流れ等が異なること等によるものと考えられる。
【0059】
したがって、印刷制御を行うのに必要な感光体ドラム21の実温度Trを直接取得することができないので、本実施の形態においては、前記温度推測処理部Pr3が、温度センサs1による検出温度Tsに基づいて感光体ドラム21の温度を推測するようになっている。
【0060】
なお、検出温度Tsと実温度Trとを比較すると、検出温度Tsと実温度Trとに相関が見られ、検出温度Tsは実温度Trに比例し、実温度Trより低い値で推移することが分かる。
【0061】
そこで、本実施の形態においては、検出温度Ts及び実温度Trに基づいて、
図4に示されるような、検出温度Tsと推測温度Taとが対応させられた、検出温度Tsと推測温度Taとの相関関係を表す第1の温度推測テーブルTb1が作成され、記憶装置55に記録される。
【0062】
したがって、前記温度推測処理部Pr3は、第1の温度推測テーブルTb1を参照し、温度センサs1による検出温度Tsに対応する推測温度Taを読み出すことによって、すなわち、検出温度Tsに基づいて、感光体ドラム21の温度を推測する。
【0063】
また、印刷処理部Pr1が、連続印刷等の印刷を行うことによって画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cの温度が高くなった状態で印刷を停止させたときの検出温度Tseが閾値Tseth以上である場合、すなわち、第1の温度推測テーブルTb1上において推測温度Taeが閾値Taeth以上である場合に、検出温度Tsが、領域Ar1で示されるようにオーバーシュートし、
図5に示されるように、検出温度Tsと実温度Trとに相関が見られなくなってしまう。その場合、所定の時間が経過するまで第1の温度推測テーブルTb1に基づいて感光体ドラム21の温度を推測することができない。なお、
図5において、L1は検出温度Tsの推移を示す線、L2は実温度Trの推移を示す線である。
【0064】
そこで、本実施の形態においては、
図5に示される検出温度Ts及び実温度Trの推移に基づいて、
図7に示されるような、印刷停止後経過時間τeと検出温度Ts及び推測温度Taの推移とが対応させられた第2の温度推測テーブルTb2が検出温度Tseごとに作成され、記憶装置55に記録される。なお、
図7において、L5はオーバーシュートした後の検出温度Tsの推移を示す線、L6はオーバーシュートした後の検出温度Tsに対応する推測温度Taの推移を示す線である。
【0065】
印刷処理部Pr1が印刷を停止させたときに検出温度Tsがオーバーシュートしたかどうかを判断するために、温度推測処理部Pr3は、第1の温度推測テーブルTb1を参照し、印刷処理部Pr1が印刷を停止させたときの検出温度Tseに対応する推測温度Taeを読み出し、温度取得処理部Pr2は、前記特定の温度として前記推測温度Taeを取得する。
【0066】
次に、温度推測処理部Pr3は、推測温度Taeが閾値Taeth未満であるかどうかを判断し、推測温度Taeが閾値Taeth未満である場合は、検出温度Tsがオーバーシュートしておらず、検出温度Tsと実温度Trとに相関が見られるので、第1の温度推測テーブルTb1に基づいて感光体ドラム21の温度を推測する。
【0067】
これに対して、推測温度Taeが閾値Taeth以上である場合は、検出温度Tsがオーバーシュートしているので、検出温度Tsと実温度Trとの相関が見られなくなるが、印刷を停止させた後、所定の時間が経過すると、画像形成部Q1が十分に冷却され、感光体ドラム21の温度が十分に低くなっていると考えられ、検出温度Tsと実温度Trとの相関が見られるようになる。
【0068】
そこで、温度推測処理部Pr3は、推測温度Taeが閾値Taeth以上である場合に、印刷停止後経過時間τeが閾値τeth未満であるかどうかを判断し、印刷停止後経過時間τeが閾値τeth未満である場合、第2の温度推測テーブルTb2を参照し、推測温度Tae及び印刷停止後経過時間τeに基づいて感光体ドラム21の温度を推測し、印刷停止後経過時間τeが閾値τeth以上である場合、第1の温度推測テーブルTb1に基づいて感光体ドラム21の温度を推測する。
【0069】
また、印刷処理部Pr1が、印刷を停止させた後、印刷を再び開始したときも、
図6に示されるように、印刷を開始した当初は、検出温度Tsと実温度Trとの相関が見られないが、所定の時間が経過すると、検出温度Tsと実温度Trとの相関が見られるようになる。なお、
図6において、L3は検出温度Tsの推移を示す線、L4は推測温度Taの推移を示す線である。
【0070】
したがって、温度推測処理部Pr3は、印刷再開後経過時間τsが閾値τsth未満であるかどうかを判断し、印刷再開後経過時間τsが閾値τsth未満である場合、第2の温度推測テーブルTb2を参照し、推測温度Tae及び印刷停止後経過時間τeに基づいて感光体ドラム21の温度を推測し、印刷再開後経過時間τsが閾値τsth以上である場合、第1の温度推測テーブルTb1に基づいて感光体ドラム21の温度を推測する。
【0071】
前記印刷処理部Pr1は、温度推測処理部Pr3が推測した感光体ドラムの温度に基づいて、各種の印刷制御を行う。
【0072】
次に、印刷処理部Pr1が、連続印刷等の印刷を行うのに伴って画像形成ユニットの温度が高くなっている状態で印刷を停止させたときのプリンタ10の制御装置の動作について説明する。
【0073】
図8は本発明の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第1のフローチャート、
図9は本発明の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【0074】
印刷処理部Pr1は、ホストコンピュータPCから受信した印刷ジョブについて印刷を行い(ステップS1)、この間、温度推測処理部Pr3は、印刷処理部Pr1が印刷を停止させるのを待機する(ステップS2)。
【0075】
印刷処理部Pr1が印刷を停止させると、温度推測処理部Pr3は、温度センサs1による検出温度Tseを読み込み、第1の温度推測テーブルTb1を参照し、検出温度Tseに対応する推測温度Taeを読み出す。温度取得処理部Pr2は、推測温度Taeを取得し、記憶装置55に記録する(ステップS3)とともに、タイマ57による計時を開始する(ステップS4)。
【0076】
続いて、制御部50はホストコンピュータPCから印刷ジョブを受信するのを待機し(ステップS5)、制御部50が印刷ジョブを受信すると、印刷処理部Pr1は印刷を再び開始する(ステップS6)。
【0077】
次に、温度推測処理部Pr3は、記憶装置55から推測温度Taeを読み出す(ステップS7)とともに、タイマ57による印刷停止後経過時間τeを読み込む(ステップS8)。
【0078】
そして、温度推測処理部Pr3は、推側温度Taeが閾値Taeth未満であるかどうかを判断し(ステップS9)、推側温度Taeが閾値Taeth未満である場合、第1の温度推測テーブルTb1を参照し、印刷が行われている間の検出温度Tsに基づいて(検出温度Tsに対応する推測温度Taを読み出すことによって)感光体ドラム21の温度を推測する(ステップS10)。
【0079】
印刷処理部Pr1は推測温度Taに基づいて印刷制御を行う(ステップS11)。
【0080】
続いて、温度推測処理部Pr3は、印刷処理部Pr1が印刷ジョブについての印刷を終了し、印刷を停止させたかどうかを判断し(ステップS12)、印刷処理部Pr1が印刷を停止させた場合、温度センサs1による検出温度Tseを読み込み、第1の温度推測テーブルTb1を参照し、検出温度Tseに対応する、印刷を停止させたときの推測温度Taeを読み出し、記憶装置55に記録する(ステップS13)とともに、タイマ57による計時を開始し(ステップS14)、処理を終了する。
【0081】
一方、印刷処理部Pr1が印刷を停止させたときの推側温度Taeが閾値Taeth以上である場合、温度推測処理部Pr3は、タイマ57から印刷停止後経過時間τeを読み込み、印刷停止後経過時間τeが閾値τethより短いかどうかを判断する(ステップS15)。
【0082】
印刷停止後経過時間τeが閾値τethより短い場合、温度推測処理部Pr3は、記憶装置55から印刷を停止させたときの推側温度Taeを読み出すとともに、タイマ57から印刷停止後経過時間τeを読み込み、第2の温度推測テーブルTb2を参照し、推測温度Tae及び印刷停止後経過時間τeに基づいて(推測温度Tae及び印刷停止後経過時間τeに対応する推測温度Taを読み出すことによって)感光体ドラム21の温度を推測する(ステップS16)。
【0083】
印刷処理部Pr1は推測温度Taに基づいて印刷制御を行う(ステップS17)。
【0084】
印刷停止後経過時間τeが閾値τeth以上である場合、温度推測処理部Pr3は、第1の温度推測テーブルTb1を参照し、印刷が行われている間の検出温度Tsに基づいて感光体ドラム21の温度を推測する(ステップS10)。
【0085】
次に、温度推測処理部Pr3は、タイマ57から印刷再開後経過時間τsを読み込み、印刷再開後経過時間τsが閾値τsthより短いかどうかを判断する(ステップS18)。
【0086】
印刷再開後経過時間τsが閾値τsthより短い場合、温度推測処理部Pr3は、印刷処理部Pr1が印刷ジョブについての印刷を終了し、印刷を停止させたかどうかを判断し(ステップS19)、印刷処理部Pr1が印刷を停止させた場合、温度センサs1による検出温度Tseを読み込み、第1の温度推測テーブルTb1を参照し、推測温度Taeを読み込み、記憶装置55に記録する(ステップS20)とともに、タイマ57による計時を開始し(ステップS21)、処理を終了する。
【0087】
また、印刷再開後経過時間τsが閾値τsth以上である場合、温度推測処理部Pr3は、第1の温度推測テーブルTb1を参照し、印刷が行われている間の検出温度Tsに基づいて感光体ドラム21の温度を推測する(ステップS10)。
【0088】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印刷処理部Pr1は印刷ジョブについて印刷を行う。
ステップS2 温度推測処理部Pr3は印刷処理部Pr1が印刷を停止させるのを待機する。印刷処理部Pr1が印刷を停止させた場合はステップS3に進む。
ステップS3 温度取得処理部Pr2は推測温度Taeを記憶装置55に記録する。
ステップS4 温度取得処理部Pr2はタイマ57による計時を開始する。
ステップS5 制御部50はホストコンピュータPCから印刷ジョブを受信するのを待機する。ホストコンピュータPCから印刷ジョブを受信した場合はステップS6に進む。
ステップS6 印刷処理部Pr1は印刷を再び開始する。
ステップS7 温度推測処理部Pr3は記憶装置55から推測温度Taeを読み出す。
ステップS8 温度推測処理部Pr3は印刷停止後経過時間τeを読み込む。
ステップS9 温度推測処理部Pr3は推側温度Taeが閾値Taeth未満であるかどうかを判断する。推側温度Taeが閾値Taeth未満である場合はステップS10に進み、推側温度Taeが閾値Taeth以上である場合はステップS15にむ。
ステップS10 温度推測処理部Pr3は検出温度Tsに基づいて感光体ドラム21の温度を推測する。
ステップS11 印刷処理部Pr1は推測温度Taに基づいて印刷制御を行う。
ステップS12 温度推測処理部Pr3は印刷処理部Pr1が印刷を停止させたかどうかを判断する。印刷処理部Pr1が印刷を停止させた場合はステップS13に進み、印刷処理部Pr1が印刷を停止させなかった場合はステップS10に戻る。
ステップS13 温度推測処理部Pr3は推測温度Taeを記憶装置55に記録する。
ステップS14 温度推測処理部Pr3はタイマ57による計時を開始し、処理を終了する。
ステップS15 温度推測処理部Pr3は印刷停止後経過時間τeが閾値τethより短いかどうかを判断する。印刷停止後経過時間τeが閾値τethより短い場合はステップS16に進み、印刷停止後経過時間τeが閾値τeth以上である場合はステップS10に進む。
ステップS16 温度推測処理部Pr3は印刷を停止させたときの推測温度Tae及び印刷停止後経過時間τeに基づいて感光体ドラム21の温度を推測する。
ステップS17 印刷処理部Pr1は推測温度Taに基づいて印刷制御を行う。
ステップS18 温度推測処理部Pr3は印刷再開後経過時間τsが閾値τsthより短いかどうかを判断する。印刷再開後経過時間τsが閾値τsthより短い場合はステップS19に進み、印刷再開後経過時間τsが閾値τsth以上である場合はステップS10に進む。
ステップS19 温度推測処理部Pr3は印刷処理部Pr1が印刷を停止させたかどうかを判断する。印刷処理部Pr1が印刷を停止させた場合はステップS20に進み、印刷処理部Pr1が印刷を停止させなかった場合はステップS16に戻る。
ステップS20 温度推測処理部Pr3は推測温度Taeを記憶装置55に記録する。
ステップS21 温度推測処理部Pr3はタイマ57による計時を開始し、処理を終了する。
【0089】
このように、本実施の形態においては、印刷処理部Pr1が印刷ジョブについて印刷を行った後に、印刷を停止させたときに、温度取得処理部Pr2によって印刷処理部Pr1が印刷を停止させたときの推測温度Taeが取得され、該推測温度Taeが閾値Taeth以上であり、印刷処理部Pr1が印刷を停止させてから経過した印刷停止後経過時間τeが閾値τethである場合に、前記推測温度Tae及び印刷停止後経過時間τeに基づいて感光体ドラム21の温度が推測されるので、印刷処理部Pr1が、連続印刷等の印刷が行われるのに伴って画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cの温度が高くなっている状態で印刷を停止させ、印刷を再び開始した場合でも、推測された感光体ドラム21の温度に基づいて印刷制御を適切に行うことができる。
【0090】
また、本実施の形態においては、温度取得処理部Pr2が、特定の温度として推測温度Taeを取得するようになっているが、特定の温度として、印刷処理部Pr1が印刷を停止させたときの温度センサs1による検出温度Tseを取得することもできる。
【0091】
さらに、本実施の形態においては、ブラック、イエロー、マゼンダ及びシアンの4色の画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cが配設され、カラーの印刷が行われるようになっているが、本発明を、一つの画像形成ユニットによってモノクロの印刷を行うプリンタに適用することができる。
【0092】
そして、本実施の形態においては、プリンタ10について説明したが、本発明を複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0093】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0094】
10 プリンタ
16Bk、16Y、16M、16C 画像形成ユニット
21 感光体ドラム
57 タイマ
PC ホストコンピュータ
Pr1 印刷処理部
Pr2 温度取得処理部
Pr3 温度推測処理部
s1 温度センサ