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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173217
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】定量吐出キャップ及び定量吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
B65D47/20 300
B65D47/20 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085323
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】紅谷 翔太
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB17
3E084DC03
3E084EA03
3E084EC03
3E084FA02
3E084FA09
3E084FB01
3E084FC04
3E084GA01
3E084GB01
3E084HA03
3E084HD01
3E084JA07
3E084KB01
3E084LA18
3E084LB03
3E084LB05
3E084LB10
3E084LD01
3E084LE07
(57)【要約】
【課題】キャップを取り外すことなく所定量の内容液を容易に吐出することが可能な定量吐出キャップ及び定量吐出容器を提供することである。
【解決手段】下側筒状部31と第1底壁部32とに連なって下側筒状部31の内側に第1計量室36を区画形成する第1側壁部33と、第1側壁部33よりも上端が下方に位置するとともに下側筒状部31と第2底壁部34とに連なって下側筒状部31の内側に第2計量室37を区画形成する第2側壁部35と、装着部41と天壁部43とを有する閉塞体40と、第1区画壁部44と、第1区画壁部44よりも下端が下方に位置するように設けられた第2区画壁部45と、天壁部43に設けられ、第1蓋体47により開閉自在の第1吐出孔46と、天壁部43に設けられ、第2蓋体49により開閉自在の第2吐出孔48と、を有する定量吐出キャップ20及び容器本体10と定量吐出キャップ20とを有する定量吐出容器1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液を収納する容器本体の口部に装着して使用される定量吐出キャップであって、
前記口部の内側に保持される下側筒状部と、
前記下側筒状部の下端に連なる第1底壁部と、
前記下側筒状部の内周面と前記第1底壁部とに連なって前記下側筒状部の内側に第1計量室を区画形成する第1側壁部と、
前記下側筒状部の下端に連なるとともに前記第1底壁部よりも下方に位置する第2底壁部と、
前記口部の軸線を挟んで前記第1側壁部と対向するとともに前記第1側壁部よりも上端が下方に位置するように設けられ、前記下側筒状部の内周面と前記第2底壁部とに連なって前記下側筒状部の内側に第2計量室を区画形成する第2側壁部と、
前記口部に装着される装着部と前記下側筒状部の上部開口を閉塞する天壁部とを有する閉塞体と、
前記天壁部に下方に延びて設けられ、前記下側筒状部の内周面に連なるとともに下端が前記第1計量室に配置された第1区画壁部と、
前記天壁部に下方に延びるとともに前記第1区画壁部よりも下端が下方に位置するように設けられ、前記下側筒状部の内周面に連なるとともに下端が前記第2計量室に配置された第2区画壁部と、
前記天壁部の前記第1区画壁部よりも径方向外側部分に設けられ、第1蓋体により開閉自在の第1吐出孔と、
前記天壁部の前記第2区画壁部よりも径方向外側部分に設けられ、第2蓋体により開閉自在の第2吐出孔と、を有することを特徴とする定量吐出キャップ。
【請求項2】
前記第1側壁部の上端と前記第1区画壁部の下端との間の前記軸線に沿う方向の距離が、前記第1側壁部の上端と前記第1区画壁部との間の前記軸線に垂直な径方向の距離の3倍以上であり、
前記第2側壁部の上端と前記第2区画壁部の下端との間の前記軸線に沿う方向の距離が、前記第2側壁部の上端と前記第2区画壁部との間の前記軸線に垂直な径方向の距離の3倍以上である、請求項1に記載の定量吐出キャップ。
【請求項3】
前記閉塞体が、前記天壁部の外周縁に一体に連なるとともに前記装着部が外周面に一体に設けられた、前記下側筒状部と同軸の上側筒状部を有し、
前記上側筒状部が前記下側筒状部の上端に嵌合されている、請求項1または2に記載の定量吐出キャップ。
【請求項4】
前記下側筒状部、前記第1底壁部、前記第1側壁部、前記第2底壁部及び前記第2側壁部が一体に形成されて計量部材を構成している、請求項1に記載の定量吐出キャップ。
【請求項5】
内容液を収納する容器本体と、
前記容器本体の口部に装着された請求項1に記載の定量吐出キャップと、を有することを特徴とする定量吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容液を収納する容器本体の口部に装着して使用される定量吐出キャップ及び容器本体と定量吐出キャップとを有する定量吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯用の液体洗剤や柔軟剤など、使用の際に計量が必要な液体を内容液として収納する容器として、内容液を収納する容器本体と、容器本体の口部に装着された計量キャップとを有し、口部から取り外した計量キャップに内容液を注ぎ入れて計量することができるようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-081582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のものでは、計量キャップを口部から取り外した後、内容液を計量キャップに注ぎ入れて計量する必要があり、その作業が煩雑であるという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャップを取り外すことなく所定量の内容液を容易に吐出することが可能な定量吐出キャップ及び定量吐出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の定量吐出キャップは、内容液を収納する容器本体の口部に装着して使用される定量吐出キャップであって、前記口部の内側に保持される下側筒状部と、前記下側筒状部の下端に連なる第1底壁部と、前記下側筒状部の内周面と前記第1底壁部とに連なって前記下側筒状部の内側に第1計量室を区画形成する第1側壁部と、前記下側筒状部の下端に連なるとともに前記第1底壁部よりも下方に位置する第2底壁部と、前記口部の軸線を挟んで前記第1側壁部と対向するとともに前記第1側壁部よりも上端が下方に位置するように設けられ、前記下側筒状部の内周面と前記第2底壁部とに連なって前記下側筒状部の内側に第2計量室を区画形成する第2側壁部と、前記口部に装着される装着部と前記下側筒状部の上部開口を閉塞する天壁部とを有する閉塞体と、前記天壁部に下方に延びて設けられ、前記下側筒状部の内周面に連なるとともに下端が前記第1計量室に配置された第1区画壁部と、前記天壁部に下方に延びるとともに前記第1区画壁部よりも下端が下方に位置するように設けられ、前記下側筒状部の内周面に連なるとともに下端が前記第2計量室に配置された第2区画壁部と、前記天壁部の前記第1区画壁部よりも径方向外側部分に設けられ、第1蓋体により開閉自在の第1吐出孔と、前記天壁部の前記第2区画壁部よりも径方向外側部分に設けられ、第2蓋体により開閉自在の第2吐出孔と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の定量吐出キャップは、上記構成において、前記第1側壁部の上端と前記第1区画壁部の下端との間の前記軸線に沿う方向の距離が、前記第1側壁部の上端と前記第1区画壁部との間の前記軸線に垂直な径方向の距離の3倍以上であり、前記第2側壁部の上端と前記第2区画壁部の下端との間の前記軸線に沿う方向の距離が、前記第2側壁部の上端と前記第2区画壁部との間の前記軸線に垂直な径方向の距離の3倍以上であるのが好ましい。
【0008】
本発明の定量吐出キャップは、上記構成において、前記閉塞体が、前記天壁部の外周縁に一体に連なるとともに前記装着部が外周面に一体に設けられた、前記下側筒状部と同軸の上側筒状部を有し、前記上側筒状部が前記下側筒状部の上端に嵌合されているのが好ましい。
【0009】
本発明の定量吐出キャップは、上記構成において、前記下側筒状部、前記第1底壁部、前記第1側壁部、前記第2底壁部及び前記第2側壁部が一体に形成されて計量部材を構成しているのが好ましい。
【0010】
本発明の定量吐出容器は、内容液を収納する容器本体と、前記容器本体の口部に装着された上記何れかの定量吐出キャップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、キャップを取り外すことなく所定量の内容液を容易に吐出することが可能な定量吐出キャップ及び定量吐出容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る定量吐出容器の正面視での一部切欠き断面図である。
図2図1に示す定量吐出容器の定量吐出容器の要部の拡大断面図である。
図3図2におけるA-A線に沿う断面図である。
図4図1に示す定量吐出容器の要部の、倒立姿勢とした状態の断面図である。
図5図1に示す定量吐出容器の要部の、図4に示す倒立姿勢から正立姿勢に戻した状態の断面図である。
図6図1に示す定量吐出容器の要部の、第1吐出孔から内容液を吐出している状態の断面図である。
図7図1に示す定量吐出容器の要部の、第2吐出孔から内容液を吐出している状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係る定量吐出キャップ及び定量吐出容器の構成について詳細に例示説明する。
【0014】
図1に示すように、定量吐出容器1は、内容液Lを収納する容器本体10と、容器本体10の口部11に装着して使用される、本発明の一実施形態に係る定量吐出キャップ20とを有している。
【0015】
なお、本明細書、特許請求の範囲においては、「上」、「下」は、それぞれ図1に示すように定量吐出容器1を正立姿勢とした状態における「上」、「下」を意味するものとし、径方向内側は軸線Oに垂直な方向であってより軸線Oに近い側を意味するものとする。
【0016】
本実施形態では、容器本体10は、軸線Oを中心とした円筒状の口部11の下端に、口部11と同軸の有底円筒状の胴部12が一体に連なる合成樹脂製のブローボトルとなっており、胴部12の内部に所定量の内容液Lを収納することができる。
【0017】
なお、容器本体10は、口部11を備えて内部に内容液Lを収納できるものであれば、その形状ないし材質、製法は種々変更可能である。
【0018】
定量吐出キャップ20は、計量部材30と閉塞体40とを有している。
【0019】
図2図3に示すように、本実施形態では、計量部材30は、下側筒状部31、第1底壁部32、第1側壁部33、第2底壁部34及び第2側壁部35が、合成樹脂材料の射出成形によって一体に形成された構成となっている。
【0020】
下側筒状部31は口部11と同軸且つ口部11よりも小径の円筒状となっており、上端に設けられた外向きのフランジ31aがシール部材13を挟んで口部11の上端に支持されることで口部11の内側に同軸に保持されている。下側筒状部31は、軸線Oを挟んだ一方側(図2中で左側)の半分における下端位置が、軸線Oを挟んだ他方側(図2中で右側)の半分における下端位置よりも高くなる段差を有した形状となっている。
【0021】
第1底壁部32は、下側筒状部31の内周面に沿った略半月形の平板状となっており、下側筒状部31の軸線Oを挟んだ一方側(図2中で左側)の下端に一体に連なっている。
【0022】
第1側壁部33は、両側端において下側筒状部31の内周面に一体に連なるとともに下端において第1底壁部32に一体に連なって下側筒状部31の軸線Oを挟んだ一方側における内側に第1計量室36を区画形成している。本実施形態では、第1側壁部33は、上端から下方に向けた所定範囲の上側部分33aが軸線Oに平行な平板状であり、上側部分33aの下端と第1底壁部32との間の下側部分33bは、下側ほど径方向外側に位置するように傾斜した平板状となっている。
【0023】
第2底壁部34は、第1底壁部32と同様に、下側筒状部31の内周面に沿った略半月形の平板状となっており、下側筒状部31の軸線Oを挟んだ他方側(図2中で右側)の下端に一体に連なっている。第2底壁部34は、下側筒状部31の段差形状により、第1底壁部32よりも下方に位置している。
【0024】
第2側壁部35は、口部11の軸線Oを挟んで第1側壁部33と対向するとともに、その上端が第1側壁部33の上端よりも下方に位置するように設けられている。そして、第2側壁部35は、両側端において下側筒状部31の内周面に一体に連なるとともに下端において第2底壁部34に一体に連なって下側筒状部31の軸線Oを挟んだ他方側における内側に第2計量室37を区画形成している。本実施形態では、第2側壁部35は、第1側壁部33と同様に、上端から下方に向けた所定範囲の上側部分35aが軸線Oに平行な平板状であり、上側部分35aの下端と第2底壁部34との間の下側部分35bは、下側ほど径方向外側に位置するように傾斜した平板状となっている。第1側壁部33の上側部分33aと第2側壁部35の上側部分35aは、軸線Oを挟んで対向しており、上側部分33aと上側部分35aとの間は、容器本体10の胴部12の内部に連通して内容液Lが流通可能な流路となっている。
【0025】
閉塞体40は、装着部41、上側筒状部42及び天壁部43を有している。
【0026】
装着部41は、口部11と同軸且つ口部11よりも大径の円筒状となっており、その内周面に一体に設けられた雌ねじ41aが口部11の外周面に一体に設けられた雄ねじ11aにねじ結合することで、口部11に着脱自在に装着されている。装着部41が口部11に装着されることで閉塞体40は口部11に固定される。また、装着部41の上端には内向きのフランジ41bが一体に設けられており、装着部41が口部11に装着されると、フランジ41bと口部11の上端との間にフランジ31aが挟み込まれて下側筒状部31ないし計量部材30が口部11に保持される。
【0027】
上側筒状部42は下側筒状部31と同軸の円筒状となっており、外周面に装着部41が一体に連ねて設けられることで、装着部41により支持されている。また、上側筒状部42は下側筒状部31の上端に嵌合され、その内側空間は下側筒状部31の内側空間と連通している。
【0028】
天壁部43は、上側筒状部42に対応した外径の円板状となっており、その外周縁において上側筒状部42の上端に一体に連なって、上側筒状部42ないし上側筒状部42に連なる下側筒状部31の上部開口を閉塞している。
【0029】
閉塞体40の内側には、さらに第1区画壁部44と第2区画壁部45とが設けられている。
【0030】
第1区画壁部44は、天壁部43に下方に延びて設けられており、その両側部が下側筒状部31の内周面に連なるとともに下端が第1計量室36に配置されている。本実施形態では、第1区画壁部44は、第1側壁部33と平行な平板状となっており、上端において天壁部43の下面に一体に連なり、下端は第1計量室36の内部において第1底壁部32よりも上側に配置されている。また、下側筒状部31の、第1区画壁部44の両側部に対応する両側部分における内周面には、それぞれ上下方向に延びる一対の第1係止突起31bが一体に設けられており、第1区画壁部44は、その両側部が一対の第1係止突起31bの間に嵌合することで、下側筒状部31の内周面に液密な状態で連なっている。
【0031】
一方、第2区画壁部45は、第1区画壁部44よりも下端が下方に位置するように天壁部43に下方に延びて設けられており、その両側部が下側筒状部31の内周面に連なるとともに下端が第2計量室37に配置されている。本実施形態では、第2区画壁部45は、第2側壁部35と平行な平板状となって第1区画壁部44に対して軸線Oを挟んで対称に配置されており、上端において天壁部43の下面に一体に連なり、下端は第2計量室37の内部において第2底壁部34よりも上側に配置されている。また、下側筒状部31の、第2区画壁部45の両側部に対応する両側部分における内周面には、それぞれ上下方向に延びる一対の第2係止突起31cが一体に設けられており、第2区画壁部45は、その両側部が一対の第2係止突起31cの間に嵌合することで、下側筒状部31の内周面に液密な状態で連なっている。
【0032】
閉塞体40の内部の第1区画壁部44と第2区画壁部45との間の空間は、第1計量室36及び第2計量室37に連通するとともに、定量吐出容器1を倒立姿勢としたときに所定量の内容液Lを収納可能な貯留空間S1となっている。
【0033】
また、閉塞体40の内部の第1区画壁部44よりも径方向外側の空間は、第1計量室36に連通するとともに貯留空間Sから分離された第1吐出空間S2となっており、閉塞体40の内部の第2区画壁部45よりも径方向外側の空間は、第2計量室37に連通するとともに貯留空間Sから分離された第2吐出空間S3となっている。
【0034】
天壁部43は、第1区画壁部44よりも径方向外側部分(図2において第1区画壁部44よりも左側部分)に、第1吐出空間S2に連通する第1吐出孔46を備えている。第1吐出孔46は、天壁部43に一体に設けられた第1蓋体47により開閉自在となっている。
【0035】
また、天壁部43は、第2区画壁部45よりも径方向外側部分(図2において第2区画壁部45よりも右側部分)に、第2吐出空間S3に連通する第2吐出孔48を備えている。第2吐出孔48は、天壁部43に一体に設けられた第2蓋体49により開閉自在となっている。
【0036】
本実施形態では、第1蓋体47及び第2蓋体49は、それぞれヒンジ式に開閉する構成となっているが、それぞれ第1吐出孔46ないし第2吐出孔48を開閉できる構成であれば、その構成ないし形式は種々変更可能である。
【0037】
次に、上記構成を有する定量吐出容器1から、所定量の内容液Lを吐出する手順について説明する。
【0038】
まず、容器本体10の内部に口部11を通して内容液Lを充填し、次に、計量部材30に閉塞体40を組み付けて定量吐出キャップ20を構成した後、装着部41を口部11にねじ結合させて定量吐出キャップ20を容器本体10に組み付ける。これにより、定量吐出容器1は、図1に示すように内容液Lが充填された状態となる。
【0039】
次に、図4に示すように、定量吐出容器1を倒立姿勢とする。定量吐出容器1を倒立姿勢とすると、容器本体10に収納されている内容液Lが、第1側壁部33と第2側壁部35との間の流路を通って計量部材30の第1区画壁部44と第2区画壁部45との間の貯留空間S1に流入する。
【0040】
ここで、貯留空間S1に流入した内容液Lの液面が第1側壁部33の上端(図4においては下端)に達すると、第1計量室36及び第1吐出空間S2の内部の空気が容器本体10の内部に向けて流れることができないことから、貯留空間S1に流入した内容液Lの第1計量室36の側における液面は第1側壁部33の上端(図4においては下端)の位置に維持される。
【0041】
一方、定量吐出容器1を倒立姿勢とした状態において、第2側壁部35の上端(図4においては下端)は第1側壁部33の上端(図4においては下端)よりも上方に位置するので、第2計量室37の側における内容液Lの液面は、第1側壁部33の上端よりも上方の第2側壁部35の上端(図4においては下端)にまで達するが、第2計量室37及び第2吐出空間S3の内部の空気が容器本体10の内部に向けて流れることができないことから、貯留空間S1に流入した内容液Lの第2計量室37の側における液面は第2側壁部35の上端(図4においては下端)の位置に維持される。
【0042】
このように、定量吐出容器1を倒立姿勢とすると、貯留空間S1の第2計量室37の側に第1計量室36の側よりも多くの内容液Lが充填される。
【0043】
次に、図5に示すように、定量吐出容器1を図4に示す倒立状態から正立状態に戻す。定量吐出容器1が正立状態に戻ると、貯留空間S1の内部の内容液Lが、第1側壁部33と第1区画壁部44との間から第1計量室36の内部に流れ込むとともに、第2側壁部35と第2区画壁部45との間から第2計量室37の内部に流れ込む。このとき定量吐出容器1の倒立状態において貯留空間S1の第2計量室37の側に第1計量室36の側よりも多くの内容液Lが充填されているので、正立状態に戻す際に、第1計量室36よりも第2計量室37の方により多くの内容液Lが流れ込むことになる。本実施形態では、定量吐出容器1の倒立状態において貯留空間S1に35mlの内容液Lが充填され、正立状態に戻したときに、貯留空間S1から第1計量室36に15mlの内容液Lが流れ込み、貯留空間S1から第2計量室37に20mlの内容液Lが流れ込むように、各部の寸法が設定されている。
【0044】
このように、定量吐出容器1を倒立姿勢とした後、正立姿勢に戻すことで、第1計量室36に所定量の内容液Lを充填するとともに、第2計量室37に第1計量室36よりも多い所定量の内容液Lを充填することができる。
【0045】
次に、第1計量室36に充填された少ない量の内容液L及び第2計量室37に充填された多い量の内容液Lのうち、出したい方の蓋体(第1蓋体47ないし第2蓋体49)を開き、第1吐出孔46ないし第2吐出孔48が下方を向くように定量吐出容器1を傾けて内容液Lを定量吐出させる。
【0046】
例えば、第1計量室36に充填された少ない量の内容液Lを定量吐出させる際には、図6に示すように、第1蓋体47を開いて第1吐出孔46を開放し、この状態で第1吐出孔46が第2吐出孔48よりも下方に位置し且つ第1吐出孔46が下方を向くように定量吐出容器1を傾ける。これにより、第1計量室36により所定量に計量された定量の内容液Lが、第1吐出空間S2を通して第1吐出孔46に達し、第1吐出孔46から外部に吐出される。
【0047】
反対に、第2計量室37に充填された多い量の内容液Lを定量吐出させる際には、図7に示すように、第2蓋体49を開いて第2吐出孔48を開放し、この状態で第2吐出孔48が第1吐出孔46よりも下方に位置し且つ第2吐出孔48が下方を向くように定量吐出容器1を傾ける。これにより、第2計量室37により所定量に計量された定量の内容液Lが、第2吐出空間S3を通して第2吐出孔48に達し、第2吐出孔48から外部に吐出される。
【0048】
また、図6図7に示すように、内容液Lを第1吐出孔46ないし第2吐出孔48から外部に吐出させるために定量吐出容器1を傾けると、容器本体10の内部の内容液Lが貯留空間S1に流れ込む。これにより、第1計量室36ないし第2計量室37の内部の内容液Lを第1吐出孔46ないし第2吐出孔48から外部に全て吐出した後、定量吐出容器1を正立姿勢に戻すと、第1計量室36及び第2計量室37に、それぞれ次の吐出のための所定量の内容液Lが充填される。したがって、一度内容液Lを吐出させた後は、定量吐出容器1を正立姿勢に戻した後、再度、定量吐出容器1を倒立姿勢として貯留空間S1に内容液Lを充填させる必要がなく、容易に次の内容液Lの定量吐出を行うことができる。
【0049】
このように、本実施形態の定量吐出容器1ないし定量吐出キャップ20によれば、定量吐出キャップ20を容器本体10から取り外すことなく、容器本体10に収納されている内容液Lを定量吐出容器1の向きを変え、第1蓋体47ないし第2蓋体49を開くだけの簡単な操作で容易に定量吐出させることができる。
【0050】
また、本実施形態の定量吐出容器1ないし定量吐出キャップ20によれば、閉塞体40を、天壁部43の外周縁に一体に連なるとともに装着部41が外周面に一体に設けられた、下側筒状部31と同軸の上側筒状部42を有し、上側筒状部42が下側筒状部31の上端に嵌合された構成としたので、定量吐出キャップ20をその内部に十分な量の内容液Lを収納可能な構成としつつ定量吐出キャップ20を容易に形成可能な構成として、定量吐出容器1ないし定量吐出キャップ20のコストを低減することができる。
【0051】
さらに、本実施形態の定量吐出容器1ないし定量吐出キャップ20によれば、下側筒状部31、第1底壁部32、第1側壁部33、第2底壁部34及び第2側壁部35が一体に形成されて計量部材30を構成するようにしたので、計量部材30を合成樹脂材料の射出成形により容易に形成可能な構成として、定量吐出容器1ないし定量吐出キャップ20のコストを低減することができる。
【0052】
図6図7に示すように、内容液Lを第1吐出孔46ないし第2吐出孔48から外部に吐出させるために定量吐出容器1を傾ける際に、定量吐出容器1の傾き(定量吐出容器1の軸線Oが水平方向に対してなす角度)が小さすぎると、容器本体10の内部から貯留空間S1に流れ込んだ内容液Lの液面が、第1区画壁部44ないし第2区画壁部45の下端(図6図7においては上側を向く端部)を超えてしまい、これにより貯留空間S1の内部の内容液Lが順次空気に置換されつつ外部に連続的に吐出されて内容液Lを定量吐出することができなくなる。
【0053】
これに対し、本実施形態の定量吐出容器1ないし定量吐出キャップ20では、第1側壁部33の上端と第1区画壁部44との間の軸線Oに垂直な径方向の距離を距離A1とし、第1側壁部33の上端と第1区画壁部44の下端との間の軸線Oに沿う方向の距離を距離B1とし、第2側壁部35の上端と第2区画壁部45との間の軸線Oに垂直な径方向の距離を距離A2とし、第2側壁部35の上端と第2区画壁部45の下端との間の軸線Oに沿う方向の距離を距離B2としたとき、距離B1が距離A1の3倍以上となり、距離B2が距離A2の3倍以上となるように第1側壁部33、第1区画壁部44及び第2側壁部35、第2区画壁部45の位置ないし寸法を設定するようにしている。
【0054】
このような構成により、図6図7に示すように、内容液Lを第1吐出孔46ないし第2吐出孔48から外部に吐出させる際に、定量吐出容器1の傾きが約20度以上であれば、容器本体10の内部から貯留空間S1に流れ込んだ内容液Lの液面が、第1区画壁部44ないし第2区画壁部45の下端(図6図7においては上側を向く端部)を超えることがないので、内容液Lを安定して定量吐出させることができる。
【0055】
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0056】
例えば、前記実施形態では、装着部41は口部11にねじ結合により装着される構成とされているが、口部11に打栓により装着される構成としてもよい。
【0057】
また、閉塞体40は、上側筒状部42を備えず、天壁部43が下側筒状部31の上端を直接閉塞する構成とすることもできる。この場合、計量部材30の内部に所望の容積の第1計量室36、第2計量室37、貯留空間S1、第1吐出空間S2及び第2吐出空間S3が形成されるように、各部の寸法が設定される。
【符号の説明】
【0058】
1 定量吐出容器
10 容器本体
11 口部
11a 雄ねじ
12 胴部
13 シール部材
20 定量吐出キャップ
30 計量部材
31 下側筒状部
31a フランジ
31b 第1係止突起
31c 第2係止突起
32 第1底壁部
33 第1側壁部
33a 上側部分
33b 下側部分
34 第2底壁部
35 第2側壁部
35a 上側部分
35b 下側部分
36 第1計量室
37 第2計量室
40 閉塞体
41 装着部
41a 雌ねじ
41b フランジ
42 上側筒状部
43 天壁部
44 第1区画壁部
45 第2区画壁部
46 第1吐出孔
47 第1蓋体
48 第2吐出孔
49 第2蓋体
O 軸線
L 内容液
S1 貯留空間
S2 第1吐出空間
S3 第2吐出空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7