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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173221
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】機電一体ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20231130BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20231130BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20231130BHJP
【FI】
H02K5/22
H02K11/33
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085331
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】結城 啓介
(72)【発明者】
【氏名】奥田 祐也
【テーマコード(参考)】
5H605
5H611
5H770
【Fターム(参考)】
5H605BB05
5H605CC01
5H605CC02
5H605DD01
5H605DD09
5H605EC07
5H605EC20
5H611BB01
5H611BB04
5H611TT01
5H611TT02
5H611TT05
5H611TT06
5H611UA04
5H770AA21
5H770BA02
5H770CA01
5H770DA22
5H770DA41
5H770QA25
5H770QA28
5H770QA31
5H770QA33
(57)【要約】
【課題】互いに連結すべき端子群の数に対して、必要とされるサービスホールの数を削減する。
【解決手段】機電一体ユニットは、ハウジングの第1室に収容されたモータと、ハウジングの第2室に収容された第1電気ユニット及び第2電気ユニットとを備える。ハウジングには、第2室に配列された複数のモータ端子が設けられている。第1電気ユニットには、モータ端子と共に配列された複数の第1端子が設けられている。第2電気ユニットには、複数のモータ端子及び第1端子に連結された複数の第2端子が設けられている。第1電気ユニットの第1電気部品は、第2電気部品の第2電気部品と共に、モータへ供給される電力を制御する電力制御回路を構成している。ハウジングの第2室には、サービスホールが設けられており、サービスホールを通じて外部に露出される範囲で、複数のモータ端子及び第1端子は、複数の第2端子に連結されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される機電一体ユニットであって、
第1室及び第2室を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記第1室に収容されており、前記車両の車輪に接続される少なくとも一つのモータと、
前記ハウジングの前記第2室に収容されており、少なくとも一つの第1電気部品を有する第1電気ユニットと、
前記ハウジングの前記第2室に収容されており、少なくとも一つの第2電気部品を有する第2電気ユニットと、
を備え、
前記ハウジングには、前記第2室に配列されているとともに、前記少なくとも一つのモータへ電気的に接続された複数のモータ端子が設けられており、
前記第1電気ユニットには、前記少なくとも一つの第1電気部品へ電気的に接続されているとともに、前記モータ端子と共に配列された複数の第1端子が設けられており、
前記第2電気ユニットには、前記少なくとも一つの第2電気部品へ電気的に接続されているとともに、前記複数のモータ端子及び前記第1端子に連結された複数の第2端子が設けられており、
前記第1電気ユニットの前記少なくとも一つの第1電気部品は、前記第2電気ユニットの前記第2電気部品とともに、前記少なくとも一つのモータへ供給される電力を制御する電力制御回路を構成しており、
前記ハウジングの前記第2室には、サービスホールが設けられており、
前記サービスホールの開口を通じて外部に露出される範囲において、前記複数のモータ端子及び前記複数の第1端子は、前記複数の第2端子に連結されている、
機電一体ユニット。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記第2室に開口部を有するハウジング本体と、前記ハウジング本体の前記開口部に着脱可能に取り付けられるカバープレートと、を有し、
前記第2電気ユニットは、前記複数の第2端子とともに、前記カバープレートに固定されている、請求項1に記載の機電一体ユニット。
【請求項3】
前記複数の第1端子は、前記複数のモータ端子と共に、一直線上に配列されている、請求項1に記載の機電一体ユニット。
【請求項4】
前記複数の第1端子は、前記複数のモータ端子の両側に配置された一対の端子を有する、請求項3に記載の機電一体ユニット。
【請求項5】
前記少なくとも一つの第1電気部品は、リアクトルを含む、請求項1に記載の機電一体ユニット。
【請求項6】
前記電力制御回路は、昇圧コンバータとインバータとを有し、
前記昇圧コンバータは、前記車両の電源からの直流電力を昇圧して、前記インバータに供給し、
前記インバータは、前記昇圧コンバータからの直流電力を交流電力に変換して、前記少なくとも一つのモータに供給し、
前記リアクトルは、前記昇圧コンバータの一部を構成している、請求項5に記載の機電一体ユニット。
【請求項7】
前記第2室は、前記第1室の上方に位置し、
前記第1電気ユニットは、前記第2電気ユニットの下方に位置し、
前記少なくとも一つのモータは、第1モータと、一部が前記第1モータより上方に位置する第2モータと、を有し、
前記第1電気ユニットの前記少なくとも一つの第1電気部品は、前記第1モータの上方に位置する一方で、前記第2モータの上方には位置しない、請求項1に記載の機電一体ユニット。
【請求項8】
前記第1電気ユニットは、少なくとも一つの第3電気部品をさらに有し、
前記少なくとも一つの第3電気部品は、前記車両の電源から供給される直流電力を、前記車両の補機バッテリへ供給される充電電力へ変換する充電回路を構成する、請求項1に記載の機電一体ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、機電一体ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、車両に搭載される機電一体ユニットが開示されている。この機電一体ユニットは、第1のハウジングに収容されたモータと、第2のハウジングに収容された電力制御回路(例えばコンバータ回路やインバータ回路)を備え、それら二つのハウジングが互いに固定されている。各々のハウジングには、その外部に電気コネクタが設けられている。それらの電気コネクタは互いに接続され、個別のハウジングに収容されたモータと電力制御回路とを電気的に接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-97524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような機電一体ユニットでは、例えば小型化を目的として、モータや電力制御回路といった複数の構成要素を、共通のハウジングに収容することが考えられる。この場合、ハウジングに一又は複数のサービスホールを形成しておくと、複数の構成要素をハウジング内へ配置した後に、それらの構成要素に設けられた各端子群を、サービスホールを通じて外部から互いに連結することができる。ハウジングに設けるサービスホールの数は、互いに連結すべき端子群の数(即ち、構成要素の数)に応じて、自由に設計することができる。しかしながら、ハウジングに複数のサービスホールを形成すると、例えばハウジングの大型化や剛性の低下を招くおそれがある。本明細書は、互いに連結すべき端子群の数に対して、必要とされるサービスホールの数を削減し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術は、車両に搭載される機電一体ユニットに具現化される。第1の態様では、前記機電一体ユニットが、第1室及び第2室を有するハウジングと、前記ハウジングの前記第1室に収容されており、前記車両の車輪に接続される少なくとも一つのモータと、前記ハウジングの前記第2室に収容されており、少なくとも一つの第1電気部品を有する第1電気ユニットと、前記ハウジングの前記第2室に収容されており、少なくとも一つの第2電気部品を有する第2電気ユニットとを備えてもよい。前記ハウジングには、前記第2室に配列されているとともに、前記少なくとも一つのモータへ電気的に接続された複数のモータ端子が設けられていてもよい。前記第1電気ユニットには、前記少なくとも一つの第1電気部品へ電気的に接続されているとともに、前記モータ端子と共に配列された複数の第1端子が設けられていてもよい。前記第2電気ユニットには、前記少なくとも一つの第2電気部品へ電気的に接続されているとともに、前記複数のモータ端子及び前記第1端子に連結された複数の第2端子が設けられていてもよい。前記第1電気ユニットの前記少なくとも一つの第1電気部品は、前記第2電気ユニットの前記第2電気部品とともに、前記少なくとも一つのモータへ供給される電力を制御する電力制御回路を構成していてもよい。前記ハウジングの第2室には、サービスホールが設けられており、前記サービスホールの開口を通じて外部に露出される範囲において、前記複数のモータ端子及び前記複数の第1端子は、前記複数の第2端子に連結されていてもよい。
【0006】
上記した機電一体ユニットでは、前記第1電気ユニットに設けられた少なくとも一つの前記第1電気部品と、前記第2電気ユニットに設けられた少なくとも一つの前記第2電気部品とを用いて、前記モータへの供給電力を制御する前記電力制御回路が構成されている。換言すると、前記電力制御回路を構成する前記複数の電気部品が、前記第1電気ユニットと前記第2電気ユニットとの二つの電気ユニットに分配されている。このような構成によると、前記第1電気ユニット及び前記第2電気ユニットの設計自由度を高めることができ、前記ハウジング内の限られたスペースを有効に利用して、前記第1電気ユニット及び前記第2電気ユニットを配置することができる。
【0007】
前記電力制御回路を構成する前記複数の電気部品が二つの電気ユニットに分配されていると、前記モータに前記二つの電気ユニットを含めた三つの構成要素を、互いに電気的に接続する必要が生じる。この点に関して、上記した機電一体ユニットでは、前記モータへ電気的に接続された前記複数のモータ端子と、前記第1電気ユニットに設けられた前記複数の第1端子と、前記第2電気ユニットに設けられた前記複数の第2端子との三者が、共通のサービスホールを通じて外部に露出されるように配置されている。このような構成によると、互いに連結すべき端子群の数に対して、必要とされる前記サービスホールの数を削減することができる。これにより、例えば前記ハウジングの大型化や剛性の低下を回避又は抑制することができる。
【0008】
第2の態様では、上記の第1の態様において、前記ハウジングは、前記第2室に開口部を有するハウジング本体と、前記ハウジング本体の前記開口部に着脱可能に取り付けられるカバープレートとを有し、前記第2電気ユニットは、前記複数の第2端子とともに、前記カバープレートに固定されてもよい。この構成によると、前記ハウジング本体に対して前記カバープレートを取り付けた後に、前記サービスホールを通じて、前記複数の第2端子と、前記複数のモータ端子及び前記複数の第1端子とを互いに連結することができる。
【0009】
第3の態様では、上記の第1又は第2の態様において、前記複数の第1端子は、前記複数のモータ端子と共に、一直線上に配列されてもよい。この構成によると、前記サービスホールが設けられた前記ハウジングの周壁に沿って、前記複数のモータ端子及び前記複数の第1端子を配置することができる。これにより、前記サービスホールを通じての前記複数のモータ端子及び前記複数の第1端子と、前記複数の第2端子との連結がしやすい。
【0010】
第4の態様では、上記の第3の態様において、前記複数の第1端子は、前記複数のモータ端子の両側に配置された一対の端子を有してもよい。この構成によると、前記複数の第1端子に接続される各配線が、前記複数のモータ端子に接続される複数の配線と交錯することを、回避又は抑制することができる。これにより、複数の配線が近接することによる過大な温度上昇を回避することができる。
【0011】
第5の態様では、上記の第1の態様から第4の態様のいずれかにおいて、前記少なくとも一つの第1電気部品は、リアクトルを含んでいてもよい。但し、他の態様において、前記少なくとも一つの第1電気部品は、前記リアクトルに限定されず、前記電力制御回路を構成する他の電気部品を含んでいてもよい。
【0012】
第6の態様では、上記の第5の態様において、前記電力制御回路は、昇圧コンバータとインバータとを有し、前記昇圧コンバータは、前記車両の電源からの直流電力を昇圧して、前記インバータに供給し、前記インバータは、前記昇圧コンバータからの直流電力を交流電力に変換して、前記少なくとも一つのモータに供給し、前記リアクトルは、前記昇圧コンバータの一部を構成していてもよい。
【0013】
第7の態様では、上記の第1の態様から第6の態様のいずれかにおいて、前記ハウジングの前記第2室は、前記ハウジングの前記第1室の上方に位置し、前記第1電気ユニットは、前記第2電気ユニットの下方に位置し、前記少なくとも一つのモータは、第1モータと、一部が前記第1モータより上方に位置する第2モータと、を有し、前記第1電気ユニットの前記少なくとも一つの第1電気部品は、前記第1モータの上方に位置する一方で、前記第2モータの上方には位置しなくてもよい。この構成によると、前記少なくとも一つの電気部品を、前記第1モータと前記第2モータとの配置によって生じ得る余剰スペースに配置することができる。これにより、前記機電一体ユニットの小型化を図ることができる。
【0014】
第8の態様では、上記の第1の態様から第7の態様のいずれかにおいて、前記第1電気ユニットは、少なくとも一つの第3電気部品をさらに有し、前記少なくとも一つの第3電気部品は、前記車両の電源から供給される直流電力を、前記車両の補機バッテリへ供給される充電電力へ変換する充電回路を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】機電一体ユニット10の構成を模式的に示す端面図。
図2図1のII-II線における端面図。
図3】機電一体ユニット10の電気的構成を示すブロック回路図。
図4】充電回路32の電気的構成を示すブロック回路図。
図5】サービスホール14fから露出される複数のモータ端子m1~m6、複数のリアクトル端子x1、x2、及び複数の接続端子y1~y8の構成を示す図。
図6】機電一体ユニット10の組立方法の一例を説明する分解図。
図7】複数のリアクトル端子x1、x2及び複数のモータ端子m1~m6と、複数の接続端子y1~y8との連結を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例)図1図5を参照して、実施例の機電一体ユニット10について説明する。機電一体ユニット10は、車両に搭載される。車両は、例えばエンジン及びモータで駆動するハイブリッド自動車である。但し、車両は、ハイブリッド自動車に限定されず、例えば電気自動車、燃料自動車等のモータで駆動する電動車両であってよい。
【0017】
ここで、図面における機電一体ユニット10の各方向は、車両に搭載されたときの方向、即ち車両の方向に準ずる。従って、方向FRは、車両の前後方向における前方を示し、方向RRは車両の前後方向における後方を示す。また、方向LHは車両の左右方向における左方を示し、方向RHは車両の左右方向における右方を示す。そして、方向UPは車両の上下方向における上方を示し、方向DWは車両の上下方向における下方を示す。
【0018】
図1及び図2に示すように、機電一体ユニット10は、複数のモータ50、52と、ギア機構54と、複数の電気ユニット20、30と、分岐ユニット36、電源ソケット38と、ハウジング12とを備える。ハウジング12は、複数のモータ50、52と、ギア機構54と、複数の電気ユニット20、30と、分岐ユニット36と、を一体に収容している。
【0019】
ハウジング12は、筐体部材である。ハウジング12は、第1室R1及び第2室R2を有する。第2室R2は、第1室R1の上方に位置する。ハウジング12は、ハウジング本体14と、カバープレート16と、を有する。ハウジング本体14は、底壁14aと、底壁14aの外周縁から上方に延びる周壁14bとを有する。ハウジング本体14は、例えばアルミニウムといった導体材料を用いて構成されている。ハウジング本体14は、第2室R2(即ち上部)に開口部14cを有する。ハウジング本体14の開口部14cは、周壁14bによって画定されている。ハウジング本体14には、隔壁14dが設けられている。ハウジング12では、第1室R1及び第2室R2が、隔壁14dによって画定される。カバープレート16は、ハウジング本体14の開口部14cに着脱可能に取り付けられている。カバープレート16は、ハウジング本体14の開口部14cを塞ぐ。カバープレート16は、板状の部材であり、例えばアルミニウムといった導体材料を用いて構成されている。カバープレート16の後部には、電源ソケット38がハウジング12の外部に露出されるように配置されている。電源ソケット38には、車両の電源2の電源ケーブル4を介して接続されたコネクタ6が接続される。これにより、電源2からの電力が機電一体ユニット10に供給される。
【0020】
ハウジング12の第1室R1には、複数のモータ50、52と、ギア機構54と、が配置されている。複数のモータ50、52は、車両の車輪を駆動する走行用モータである。複数のモータ50、52は、第1モータ50及び第2モータ52を有する。ギア機構54は、例えば遊星ギア機構と、減速ギア機構と、ディファレンシャルギア機構とを含む。複数のモータ50、52及びギア機構54は、車両の車輪に接続されている。具体的には、複数のモータ50、52、ギア機構54を介して車輪に接続される。機電一体ユニット10は、車両の電源2からの電力によって駆動する複数のモータ50、52の動力を、ギア機構54を介して車輪へ出力する。但し、モータは、複数(本実施例では二つ)に限定されず、少なくとも一つのモータを有していればよい。
【0021】
ハウジング12の第2室R2には、複数の電気ユニット20、30と、モータ端子台40と、分岐ユニット36と、が配置されている。複数の電気ユニット20、30は、上側電気ユニット20と下側電気ユニット30とを含む。下側電気ユニット30は、上側電気ユニット20の下方に配置されている。分岐ユニット36は、電源ソケット38と、複数の電気ユニット20、30の各々と、にそれぞれ電気的に接続されている。電源ソケット38を介して電源2から供給された電力は、分岐ユニット36によって各電気ユニット20、30へそれぞれ分配される。図3に示されるように、機電一体ユニット10は、複数の電気ユニット20、30によって構成される電力制御回路28と、充電回路32とを有する。言い換えると、分岐ユニット36は、電源2からの電力を、電力制御回路28と、充電回路32へ分配している。
【0022】
次いで、電力制御回路28について説明する。電力制御回路28は、複数のモータ50、52へ供給される電力を制御する回路である。電力制御回路28は、昇圧コンバータ22と複数のインバータ24、26とを有する。複数のインバータ24、26は、第1インバータ24と、第2インバータ26とを有する。昇圧コンバータ22は、車両の電源2からの直流電力を昇圧して、第1インバータ24及び第2インバータ26にそれぞれ供給する。第1インバータ24は、昇圧コンバータ22からの直流電力を交流電力に変換して、第1モータ50に電力を供給する。第2インバータ26は、昇圧コンバータ22からの直流電力を交流電力に変換して第2モータ52へ供給する。
【0023】
昇圧コンバータ22は、DCDCコンバータ回路である。具体的には、昇圧コンバータ22は、二つのスイッチング素子22aと、リアクトル22bと、二つの静電容量コンデンサ22cを有する。一方のスイッチング素子22aの一端は、電源2の負極2bに接続されている。一方のスイッチング素子22aの他端は、リアクトル22bを介して電源2の正極2aに接続されているとともに、他方のスイッチング素子22aの一端に接続されている。他方のスイッチング素子22aの他端は、複数のインバータ24、26に接続されている。一例ではあるが、一方の静電容量コンデンサ22cは、電源2と、リアクトル22b及びスイッチング素子22aとの間に配置されており、他方の静電容量コンデンサ22cは、スイッチング素子22aと、複数のインバータ24、26との間に配置されている。
【0024】
特に限定されないが、昇圧コンバータ22のスイッチング素子22aは、RC-IGBT(Reverse conducting Insulated Gate Bipolar Transistor)素子である。即ち、スイッチング素子22aは、IGBT構造と、それに対して逆並列に接続されたダイオード構造とを有している。前述したスイッチング素子22aの一端には、IGBT構造のエミッタ及びダイオード構造のアノードが接続されており、スイッチング素子22aの他端には、IGBT構造のコレクタ及びダイオード構造のカソードが接続されている。但し、スイッチング素子22aは、RC-IGBT素子に限定されず、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)素子又は他の種類のスイッチング素子であってもよい。
【0025】
第1インバータ24は、三相交流インバータ回路であり、六つのスイッチング素子24aを有する。第1インバータ24では、直流電力から変換されたV相、U相、及びW相といった異なる3つの位相の交流電力を、第1モータ50に出力する。第1インバータ24は、昇圧コンバータ22と第1モータ50との間に配置されている。第2インバータ26も、第1インバータ24と同様の三相交流インバータ回路であり、六つのスイッチング素子(不図示)を有する。第2インバータ26では、直流電力から変換されたV相、U相、及びW相といった異なる3つの位相の交流電力を、第2モータ52に出力する。第2インバータ26は、昇圧コンバータ22と第2モータ52との間に配置されている。なお、第1インバータ24の各スイッチング素子24a及び第2インバータ26の各スイッチング素子は、昇圧コンバータ22のスイッチング素子22aと同様のものが採用されている。
【0026】
本実施例における機電一体ユニット10では、上記した電力制御回路28を構成する複数の電気部品が、ハウジング12の第2室R2に収容された複数の電気ユニット20、30の各々に分配されている。上側電気ユニット20は、昇圧コンバータ22の二つのスイッチング素子22a及び二つの静電容量コンデンサ22cと、第1インバータ24のスイッチング素子24aと、第2インバータ26のスイッチング素子と、を有する。下側電気ユニット30は、昇圧コンバータ22のリアクトル22bを有する。
【0027】
ここで、下側電気ユニット30は、本明細書が開示する技術における「第1電気ユニット」の一例である。リアクトル22bは、本明細書が開示する技術における「少なくとも一つの第1電気部品」の一例である。なお、少なくとも一つの第1電気部品は、リアクトル22bに限定されず、代えて、又は加えて、電力制御回路28を構成する他の電気部品を含んでいてもよい。また、上側電気ユニット20は、本明細書が開示する技術における「第2電気ユニット」の一例である。昇圧コンバータ22の二つのスイッチング素子22a及び二つの静電容量コンデンサ22cと、第1インバータ24のスイッチング素子24aと、第2インバータ26のスイッチング素子とは、本明細書が開示する技術における「少なくとも一つの第2電気部品」の一例である。
【0028】
次いで、充電回路32を説明する。図4に示すように、充電回路32は、車両の電源2から供給される直流電力を、車両の補機バッテリ8へ供給される充電電力へ変換する。充電回路32は、DCDCコンバータ回路である。具体的には、充電回路32は、二つのスイッチング素子32aと、リアクトル32bと、二つの静電容量コンデンサ32cを有する。一方のスイッチング素子32aの一端は、電源2の正極2aに接続されている。一方のスイッチング素子32aの他端は、リアクトル32bを介して補機バッテリ8の正極8aに接続されているとともに、他方のスイッチング素子32aの一端に接続されている。他方のスイッチング素子32aの他端は、補機バッテリ8の負極8bに接続されているとともに、電源2の負極2bに接続されている。一例ではあるが、一方の静電容量コンデンサ32cは、電源2と、スイッチング素子32aとの間に配置されており、他方の静電容量コンデンサ32cは、スイッチング素子32a及びリアクトル32bと、補機バッテリ8との間に配置されている。補機バッテリ8の定格電圧は、12ボルトである。補機バッテリ8は、車両の種々の制御システムやその他の補機に接続されており、これらに電力を供給する。なお、充電回路32のスイッチング素子32aは、昇圧コンバータ22のスイッチング素子22aと同様のものが採用されている。
【0029】
下側電気ユニット30は、電力制御回路28のリアクトル22bに加え、充電回路32を構成する複数の電気部品と、これらの複数の電気部品を支持するベース板31を有する。ここで、充電回路32を構成する複数の電気部品(即ち、二つのスイッチング素子32aと、リアクトル32bと、二つの静電容量コンデンサ32c)は、本明細書が開示する技術における「少なくとも一つの第3電気部品」の一例である。
【0030】
下側電気ユニット30において、ベース板31の上面(即ち上側電気ユニット20側)に充電回路32が固定されており、ベース板31の下面(即ちハウジング本体14の隔壁14d側)にリアクトル22bが固定されている。下側電気ユニット30は、ベース板31を介して、ハウジング12の隔壁14dに取り付けられている。上述したが、本実施例では、第1室R1において、第2モータ52は、第1モータ50よりも上方に位置している。下側電気ユニット30の電力制御回路28のリアクトル22bは、第2室R2において、第1モータ50の上方に位置する一方で、第2モータ52の上方には位置しない(図1参照)。この構成によると、リアクトル22bを、第1モータ50と第2モータ52との配置によって生じ得る余剰スペースに配置することができる。これにより、機電一体ユニット10の小型化を図ることができる。
【0031】
第2室R2において、上側電気ユニット20は、ハウジング12のカバープレート16に固定されている。特に限定されないが、カバープレート16の下面には、第1インバータ24及び第2インバータ26と、昇圧コンバータ22のリアクトル22bを除く電気部品とが配置されており、カバープレート16の上面には、第1インバータ24及び第2インバータ26と昇圧コンバータ22に接続された制御基板27が配置されている。制御基板27は、CPUやメモリを内蔵するプロセッサ等の部品を有しており、第1インバータ24及び第2インバータ26と、昇圧コンバータ22との動作を制御する。カバープレート16上には、保護カバー18が設けられている。保護カバー18は、板状の部材であり、例えばアルミニウムといった導体材料を用いて構成されている。保護カバー18は、カバープレート16の上面に位置する制御基板27を覆っている。
【0032】
機電一体ユニット10は、複数のモータ端子m1~m6と、複数のリアクトル端子x1、x2と、複数の接続端子y1~y8とを備える。複数のモータ端子m1~m6は、ハウジング12の第2室R2に設けられている。複数のモータ端子m1~m6は、第1モータ端子m1から第6モータ端子m6の六つのモータ端子を含む。複数のモータ端子m1~m6は、第2室R2において、前から後ろに向かって、第1モータ端子m1から第6モータ端子m6の順序で、配列されている。各モータ端子m1~m6は、一対の幅広面を有する板形状を有する。複数のモータ端子m1~m6は、各々の幅広面が略一直線上になるように配列されている。複数のモータ端子m1~m6は、例えば金属といった導体材料で形成されている。ハウジング12の隔壁14dには、第1室R1から第2室R2まで貫通する貫通穴14eが設けられている。第2室R2に形成された貫通穴14eの開口上には、モータ端子台40が設けられている。モータ端子台40は、概して箱形状を有し、例えば樹脂といった絶縁性を有する材料を用いて形成されている。モータ端子台40は、当該開口を塞ぐように隔壁14d上に配置されている。複数のモータ端子m1~m6は、モータ端子台40によって隔壁14dよりも上方に支持されて、固定されている。複数のモータ端子m1~m6は、モータ端子台40の上面から上方に向かって突出している。モータ端子台40には、貫通穴14eを通じて、第1室R1に向かって突出する複数のモータバスバ56が設けられている。複数のモータバスバ56の各々の上端は、それぞれ対応するモータ端子m1~m6となっており、複数のモータバスバ56の各々の下端は、第1モータ50又は第2モータ52にそれぞれ電気的に接続されている。これにより、複数のモータ端子m1~m6は、複数のモータバスバ56を介して、第1モータ50又は第2モータ52に電気的に接続されている。具体的には、第1モータ端子m1から第3モータ端子m3は、第1モータ50に電気的に接続され、第4モータ端子m4から第6モータ端子m6は、第2モータ52に接続されている(図3参照)。
【0033】
上側電気ユニット20の左側面には、複数の接続端子y1~y8が設けられている。複数の接続端子y1~y8は、第1接続端子y1から第8接続端子y8の八つの接続端子を含む。一例ではあるが、複数の接続端子y1~y8は、前から後ろに向かって第1接続端子y1から第8接続端子y8の順序で、配列されている。各接続端子y1~y8は、一対の幅広面を有する板形状又は箔形状を有する。複数の接続端子y1~y8は、接続端子台42を介して、上側電気ユニット20に固定されることによって、上側電気ユニット20に一体に形成されている。即ち、複数の接続端子y1~y8は、上側電気ユニット20と共にカバープレート16に固定されている。接続端子台42は、概して箱形状を有し、例えば樹脂といった絶縁性を有する材料を用いて形成されている。複数の接続端子y1~y8は、接続端子台42の左側面において、接続端子台42の下端部から露出している。接続端子台42の内部には、電力制御回路28の一部を構成する配線(不図示)が配策されている。複数の端子y1~y8は、それぞれ対応する配線に接続されて、電力制御回路28に接続されている。具体的には、第1接続端子y1は、当該配線を介して、昇圧コンバータ22の他方のスイッチング素子の一端(リアクトル22bの出力側)に電気的に接続されている。第2接続端子y2~第7接続端子y7の各々は、当該配線を介して、第1インバータ24の複数のスイッチング素子24a又は第2インバータ26の複数のスイッチング素子のうち対応する二つに電気的に接続されている。第8接続端子y8は、当該配線を介して、電源2に電気的に接続されている。
【0034】
下側電気ユニット30には、複数のリアクトル端子x1、x2が設けられている。複数のリアクトル端子x1、x2は、第1リアクトル端子x1及び第2リアクトル端子x2を含む。一例ではあるが、複数のリアクトル端子x1、x2は、一対の幅広面を有する板形状を有する。複数のリアクトル端子x1、x2は、各々の幅広面が略一直線上になるように配列されている。複数のリアクトル端子x1、x2の各々は、複数のモータ端子m1~m6に隣接して配列されている。第1リアクトル端子x1は、複数のモータ端子m1の前方に位置し、第2リアクトル端子x2は、複数のモータ端子m1の後方に位置する。複数のリアクトル端子x1、x2は、複数のモータ端子と共に、略一直線上に配置されている(図1及び図2参照)。複数のリアクトル端子x1、複数のリアクトル端子x1、x2は、下側電気ユニット30の下部に位置するリアクトル22bから、上側電気ユニット20の複数の接続端子y1~y8に向かって上方に延びている。複数のリアクトル端子x1、x2は、リアクトル22bに電気的に接続されている。第1リアクトル端子x1は、リアクトル22bのスイッチング素子22aに接続される側に電気的に接続されており、第2リアクトル端子x2は、リアクトル22bの電源2に接続される側に電気的に接続されている。
【0035】
ここで、複数のリアクトル端子x1、x2は、本明細書が開示する技術における「複数の第1端子」の一例であり、複数の接続端子y1~y8は、本明細書が開示する技術における「複数の第2端子」の一例である。
【0036】
図1及び図5に示すように、ハウジング12の第2室R2には、サービスホール14fが設けられている。サービスホール14fの開口を通じて外部に露出される範囲において、複数のモータ端子m1~m8及び複数のリアクトル端子x1、x2は、複数の接続端子y1~y8に連結されている。一例ではあるが、複数のモータ端子m1~m8及び複数のリアクトル端子x1、x2は、複数の接続端子y1~y8上に、例えばボルト及びナットといった締結具によって締結される。具体的には、第1リアクトル端子x1が第1接続端子y1に連結されており、第2リアクトル端子x2が、第8接続端子y8に連結されている。従って、電源2からの直流電力が、下側電気ユニット30のリアクトル22bを介して上側電気ユニット20に供給される。第1モータ端子m1が、第2接続端子y2に連結されており、上側電気ユニット20から第1モータ50へV相の交流電力が供給される。第2モータ端子m2が、第3接続端子y3に連結されており、上側電気ユニット20から第1モータ50へU相の交流電力が供給される。第3モータ端子m3が、第4接続端子y4に連結されており、上側電気ユニット20から第1モータ50へW相の交流電力が供給される。第4モータ端子m4が、第5接続端子y5に連結されており、上側電気ユニット20から第2モータ52へV相の交流電力が供給される。第5モータ端子m5が、第6接続端子y6に連結されており、上側電気ユニット20から第2モータ52へU相の交流電力が供給される。第6モータ端子m6が、第7接続端子y7に連結されており、上側電気ユニット20から第2モータ52へW相の交流電力が供給される。
【0037】
本実施例のように機電一体ユニットでは、例えば小型化を目的として、モータや電力制御回路といった複数の構成要素を、共通のハウジングに収容することが考えられる。この場合、ハウジングに一又は複数のサービスホールを形成しておくと、複数の構成要素をハウジング内へ配置した後に、それらの構成要素に設けられた各端子群を、サービスホールを通じて外部から互いに連結することができる。ハウジングに設けるサービスホールの数は、互いに連結すべき端子群の数(即ち、構成要素の数)に応じて、自由に設計することができる。しかしながら、ハウジングに複数のサービスホールを形成すると、例えばハウジングの大型化や剛性の低下を招くおそれがある。
【0038】
本実施例の機電一体ユニット10では、下側電気ユニット30に設けられたリアクトル22bと、上側電気ユニット20に設けられた複数の電気部品(例えば、複数のスイッチング素子22a、24a等)とを用いて、複数のモータ50、52への供給電力を制御する電力制御回路28が構成されている。換言すると、電力制御回路28を構成する複数の電気部品が、上側電気ユニット20と下側電気ユニット30との二つの電気ユニットに分配されている。このような構成によると、上側電気ユニット20及び下側電気ユニット30の設計自由度を高めることができ、ハウジング12内の限られたスペースを有効に利用して、上側電気ユニット20及び下側電気ユニット30を配置することができる。
【0039】
電力制御回路28を構成する複数の電気部品が二つの電気ユニット20、30に分配されていると、モータ50、52に二つの電気ユニット20、30を含めた三つの構成要素を、互いに電気的に接続する必要が生じる。この点に関して、上記した機電一体ユニット10では、モータ50、52へ電気的に接続された複数のモータ端子m1~m6と、下側電気ユニット30に設けられた複数のリアクトル端子x1~x2と、上側電気ユニット20に設けられた複数の接続端子y1~y8との三者が、共通のサービスホール14fを通じて外部に露出されるように配置されている。このような構成によると、互いに連結すべき端子群の数に対して、必要とされるサービスホールの数を削減することができる。これにより、例えばハウジング12の大型化や剛性の低下を回避又は抑制することができる。
【0040】
ここで、図6及び図7を参照して、機電一体ユニット10の第2室R2における組立方法の一例について詳しく説明する。なお、ここでは、電源ソケット38及び分岐ユニット36の図示が省略されており、その取り付けについての説明は省略されている。先ず、図6及び図7に示すように、複数のモータ端子m1~m6を支持するモータ端子台40を隔壁14dの貫通穴14e上に取り付ける。このとき、第1室R1まで延びる複数のモータバスバ56が、図示省略の第1モータ及び第2モータのいずれかにそれぞれ電気的に接続される。次いで、下側電気ユニット30のベース板31を隔壁14dの第2モータ上に位置する領域に固定する。このとき、下側電気ユニット30は、複数のリアクトル端子x1、x2が複数のモータ端子m1~m6の両側に位置するように配置する。次いで、上側電気ユニット20をカバープレート16に取り付ける。このとき、接続端子台42は、上側電気ユニット20に固定されており、カバープレート16の下面に上側電気ユニット20とともに固定される。なお、カバープレート16の上面には制御基板27が固定されている。次いで、カバープレート16上に配置された制御基板27上に保護カバー18を取り付ける。次いで、上側電気ユニット20が取り付けられたカバープレート16をハウジング本体14の開口部14cに取り付ける。このとき、接続端子台42に配置されている複数の接続端子y1~y8上に、対応する複数のモータ端子m1~m6、及び下側電気ユニット30の複数のリアクトル端子x1,x2、が配置される。そして、最後に、ハウジング12のサービスホール14fを通じて、複数の接続端子y1~y8と、複数のリアクトル端子x1,x2、及び複数のモータ端子m1~m6をボルトで締結する。以上により、機電一体ユニット10が組み立てられる。
【0041】
本実施例におけるハウジング12は、第2室R2に開口部14cを有するハウジング本体14と、その開口部14cに着脱可能に取り付けられるカバープレート16とを有する。この場合、上側電気ユニット20は、複数の接続端子y1~y8とともに、カバープレート16に固定されている。この構成によると、ハウジング本体14に対してカバープレート16を取り付けた後に、サービスホール14fを通じて、複数の接続端子y1~y8と、複数のモータ端子m1~m6及び複数のリアクトル端子x1、x2とを互いに連結することができる。
【0042】
本実施例における複数のリアクトル端子x1、x2は、複数のモータ端子m1~m6と共に、一直線上に配列されている。この構成によると、サービスホール14fが設けられたハウジング12の周壁14bに沿って、複数のモータ端子m1~m6及び前記複数のリアクトル端子x1、x2を配置することができる。これにより、サービスホール14fを通じての複数のモータ端子m1~m6及び複数のリアクトル端子x1、x2と、複数の接続端子y1~y8との連結がしやすい。
【0043】
本実施例における複数のリアクトル端子x1、x2は、複数のモータ端子m1~m6の両側に配置された一対の端子を有する。この構成によると、複数のリアクトル端子x1、x2に接続される各配線が、複数のモータ端子m1~m6に接続される複数の配線と交錯することを、回避又は抑制することができる。これにより、複数の配線が近接することによる過大な温度上昇を回避することができる。但し、本実施例の構成に限定されず、複数のリアクトル端子x1、x2が複数のモータ端子m1~m6の両側に位置していなくてもよい。また、複数のモータ端子m1~m6の配列の順序も本実施例の形態に限定されず、複数のモータ端子m1~m6が他の順序で配列されていてもよい。その場合、複数のモータ端子m1~m6及び複数のリアクトル端子x1、x2の配列に応じて、複数の接続端子y1~y8の配列も変更されてよい。
【0044】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書、又は、図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。本明細書又は図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0045】
10:機電一体ユニット
12:ハウジング
14:ハウジング本体
16:カバープレート
20:上側電気ユニット
22:昇圧コンバータ
22a:昇圧コンバータのスイッチング素子
22b:リアクトル
24:第1インバータ
24a:第1インバータのスイッチング素子
26:第2インバータ
28:制御基板
30:下側電気ユニット
32:充電回路
32a:充電回路のスイッチング素子
50:第1モータ
52:第2モータ
m1~m6:モータ端子
x1~x2:リアクトル端子
y1~y8:接続端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7