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特開2023-173228設備の異常判定装置、異常判定システム、異常判定方法、異常判定システムの制御方法、及び、異常判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173228
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】設備の異常判定装置、異常判定システム、異常判定方法、異常判定システムの制御方法、及び、異常判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
G05B23/02 302Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085339
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】深田 恒
(72)【発明者】
【氏名】浦方 悠一郎
(72)【発明者】
【氏名】西村 幸治
(72)【発明者】
【氏名】木津 哲也
(72)【発明者】
【氏名】青田 浩美
(72)【発明者】
【氏名】久保 博義
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA05
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB01
3C223FF04
3C223FF13
3C223FF16
3C223FF24
3C223FF35
3C223FF45
3C223GG01
3C223HH04
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】シーケンス制御される設備に生じ得る異常を好適に判定する。
【解決手段】異常判定装置は、複数のイベントを順に実施するためのシーケンス制御が行われる設備の異常を判定する。本装置は、第1イベント及び第2イベントのイベント間隔、及び、少なくとも1つのプロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出する。評価指標は、予め設定された閾値と比較されることにより、設備の異常の有無が判定される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定装置であって、
前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するためのイベント間隔取得部と、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するためのプロセスデータ取得部と、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するための評価指標算出部と、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するための異常判定部と、
を備える、設備の異常判定装置。
【請求項2】
前記複数のイベントを登録するためのイベント登録部を更に備え、
前記イベント間隔取得部は、前記イベント登録部で登録された前記複数のイベントに含まれる前記第1イベント及び前記第2イベントについて前記イベント間隔を取得する、請求項1に記載の設備の異常判定装置。
【請求項3】
前記正常データは、前記設備が正常動作を行う期間に取得された前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む、請求項1又は2に記載の設備の異常判定装置。
【請求項4】
前記解析対象データは、前記プロセスデータが予め設定された許容範囲を逸脱した期間を含まない、請求項1又は2に記載の設備の異常判定装置。
【請求項5】
前記イベント間隔取得部は、前記第1イベント及び前記第2イベントの互いに異なる組み合わせに対応する複数の前記イベント間隔を取得し、
前記解析対象データは、前記複数のイベント間隔を含む、請求項1又は2に記載の設備の異常判定装置。
【請求項6】
前記異常判定部で前記異常が有ると判定された場合、前記評価指標に対する寄与度に基づいて前記異常の要因を特定するための要因特定部を更に備える、請求項5に記載の設備の異常判定装置。
【請求項7】
前記第2イベントは前記第1イベントの発行後、所定期間が経過することを条件に発行される、請求項1又は2に記載の設備の異常判定装置。
【請求項8】
前記イベント間隔、前記少なくとも1つのプロセスデータ、及び、前記評価指標を表示するための表示部を備える、請求項1又は2に記載の異常判定装置。
【請求項9】
前記イベント間隔は前記設備が備える異なる機器からそれぞれ取得した前記第1イベント及び前記第2イベントに基づいて求められる、請求項1又は2に記載の異常判定装置。
【請求項10】
複数のイベントが順に発行されるするためのシーケンス制御が行われる設備の異常判定方法であって、
前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するステップと、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するステップと、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するステップと、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するステップと、
を備える、設備の異常判定方法。
【請求項11】
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定プログラムであって、
コンピュータを用いて、
前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するステップと、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するステップと、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するステップと、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するステップと、
を実行可能である、設備の異常判定プログラム。
【請求項12】
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定装置と情報処理装置とからなる異常判定システムであって、
前記情報処理装置からの要求に従って、前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するためのイベント間隔取得部と、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するためのプロセスデータ取得部と、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するための評価指標算出部と、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するための異常判定部と、
を備えたことを特徴とする異常判定システム。
【請求項13】
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定装置と情報処理装置とからなる異常判定システムの制御方法であって、
前記異常判定装置は、
前記情報処理装置からの要求に従って、前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するためのイベント間隔取得ステップと、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するためのプロセスデータ取得ステップと、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するための評価指標算出ステップと、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するための異常判定ステップと、
を実行することを特徴とする異常判定システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設備の異常判定装置、異常判定システム、異常判定方法、異常判定システムの制御方法、及び、異常判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば火力発電ボイラや石炭ガス化複合発電プラント(IGCC)のような設備は、社会インフラに対する電力供給を担っており、不具合による稼働率低下がもたらす影響が大きい。そのため、この種の設備における不具合を早期に異常として判定することが求められる。例えば特許文献1では、設備に設けられたセンサによって取得されたデータから選択された正常な学習データに基づいて正常事例の存在範囲を決定し、新たに取得した観測データと正常事例の存在範囲との乖離度に基づいて、設備の異常判定を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5538597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に設備の制御はイベントごとに行われており、上記特許文献1では、設備に設けられたセンサによって取得された観測データについて、正常事例の存在範囲に対する乖離度に基づいて異常判定を行っているため、イベント発生時における異常判定が可能である。しかしながら、設備に一連の動作を実行させるための複数のイベントが順に発行されるシーケンス制御がなされる設備では、複数のイベントが連携して行われ、先方のイベントによる障害により後方のイベントに影響を与えるようなケースがある。上記特許文献1では、このようなシーケンスで発行されるイベントの影響が加味されていないため、シーケンス制御が実施される設備における異常判定を十分な精度で行うことが難しい。
【0005】
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、設備に生じ得る異常を好適に判定可能な設備の異常判定装置、異常判定システム、異常判定方法、異常判定システムの制御方法、及び、異常判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の少なくとも一実施形態に係る設備の異常判定装置は、上記課題を解決するために、
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定装置であって、
前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するためのイベント間隔取得部と、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するためのプロセスデータ取得部と、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するための評価指標算出部と、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するための異常判定部と、
を備える。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係る設備の異常判定方法は、上記課題を解決するために、
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定方法であって、
前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するステップと、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するステップと、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するステップと、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するステップと、
を備える。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係る設備の異常判定プログラムは、上記課題を解決するために、
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定プログラムであって、
コンピュータを用いて、
前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するステップと、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するステップと、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するステップと、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するステップと、
を実行可能である。
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態に係る設備の異常判定システムは、上記課題を解決するために、
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定装置と情報処理装置とからなる異常判定システムであって、
前記情報処理装置からの要求に従って、前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するためのイベント間隔取得部と、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するためのプロセスデータ取得部と、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するための評価指標算出部と、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するための異常判定部と、
を備える。
【0010】
本開示の少なくとも一実施形態に係る設備の異常判定システムの制御方法は、上記課題を解決するために、
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定装置と情報処理装置とからなる異常判定システムの制御方法であって、
前記異常判定装置は、
前記情報処理装置からの要求に従って、前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するためのイベント間隔取得ステップと、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するためのプロセスデータ取得ステップと、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するための評価指標算出ステップと、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するための異常判定ステップと、
を実行する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、設備に生じ得る異常を好適に判定可能な設備の異常判定装置、異常判定システム、異常判定方法、異常判定システムの制御方法、及び、異常判定プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る石炭ガス化炉発電設備を概略的に示す構成図である。
図2】一実施形態に係るシーケンス制御を示すフローチャートである。
図3図2に対応する搬送管シール窒素遮断弁及びホッパ出口遮断弁の開度について時間的変化を示すタイムチャートである。
図4図3で第1リミットスイッチに不良が生じた場合のタイムチャートである。
図5】一実施形態に係る異常判定装置の構成ブロック図である。
図6A】一実施形態に係る異常判定方法を示すフローチャートである。
図6B】一実施形態に係る異常判定方法を示すフローチャートである。
図7図5の評価指標算出部で算出されるマハラノビス距離、イベント間隔取得部102で取得されるイベント間隔、及び、プロセスデータ取得部で取得される各プロセスデータの一例を示すタイムチャートである。
図8】SN比の算出例である。
図9】一実施形態に係る異常判定システムの構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0014】
まず少なくとも一実施形態に係る異常判定装置の判定対象である設備について説明する。設備は複数のイベントを順に実施するためのシーケンス制御が行われる設備を広く含むことができるが、以下では、一実施形態として、石炭ガス化炉発電設備1を例示する。
【0015】
図1は一実施形態に係る石炭ガス化炉発電設備1を概略的に示す構成図である。石炭ガス化炉発電設備1は、粉体燃料供給装置2と、ガス化炉4と、ガスタービン6と、発電機8とを備える。
【0016】
粉体燃料供給装置2は、ガス化炉4に粉体燃料である微粉炭10を供給するための装置である。本実施形態では、粉体燃料供給装置2は、外部から供給される微粉炭10を一時的に貯蔵可能な微粉炭ビン11から、複数の供給系統(供給系統A、供給系統B、・・・)を介して、ガス化炉4に供給可能に構成される。
【0017】
微粉炭ビン11には、各供給系統A、B、・・・に対応する複数の払出管12-1、12-2、・・・が接続される。各払出管12-1、12-2、・・・は独立的に開閉可能であり、各供給系統A、B、・・・に対応する複数のホッパ14-1、14-2、・・・の上流側にそれぞれ接続される。複数のホッパ14-1、14-2、・・・の下流側には、複数の搬送管16-1、16-2、・・・が接続される。複数の搬送管16-1、16-2、・・・は、下流側で互いに合流してガス化炉4に接続される。
【0018】
複数の搬送管16-1、16-2、・・・には、各搬送管16-1、16-2、・・・に残存する微粉炭10を除去するために外部から窒素を供給するための窒素供給管17-1、17-2、・・・が接続される。複数の窒素供給管17-1、17-2、・・・には、窒素ガスの供給/停止を切り替えるための搬送管シール窒素遮断弁18-1、18-2、・・・が設けられる。搬送管シール窒素遮断弁18-1、18-2、・・・は、後述のシーケンス制御によって開閉状態が制御可能な制御弁であり、その開閉状態を検出するための第1リミットスイッチ20-1、20-2、・・・が設けられる。第1リミットスイッチ20-1、20-2、・・・は、搬送管シール窒素遮断弁18-1、18-2、・・・の全開状態を検知するリミットスイッチ(以下、第1リミットスイッチ全開)と全閉状態を検知するリミットスイッチ(以下、第1リミットスイッチ全閉)とが組となって、それぞれの搬送管シール窒素遮断弁18-1、18-2、・・・にそれぞれ設置されており、ON/OFFが切り替わることで、全開状態/全閉状態に対応する信号を出力可能な機械的スイッチである。
【0019】
また複数の搬送管16-1、16-2、・・・には、各搬送管16-1、16-2、・・・の開閉状態を切り替えるためのホッパ出口遮断弁22-1、22-2、・・・が設けられる。ホッパ出口遮断弁22-1、22-2、・・・は、後述のシーケンス制御によって開閉状態が制御可能な制御弁であり、その開閉状態を検出するための第2リミットスイッチ24-1、24-2、・・・が設けられる。第2リミットスイッチ24-1、24-2、・・・は、ホッパ出口遮断弁22-1、22-2、・・・の全開状態を検知するリミットスイッチ(以下、第2リミットスイッチ全開)と全閉状態を検知するリミットスイッチ(以下、第2リミットスイッチ全閉)とが組となって、それぞれのホッパ出口遮断弁22-1、22-2、・・・にそれぞれ設置されており、ON/OFFが切り替わることで、全開状態/全閉状態に対応する信号を出力可能な機械的スイッチである。
【0020】
上記構成を有する粉体燃料供給装置2では、複数の供給系統A、B、・・・において、複数のホッパ14-1、14-2、・・・に対する微粉炭10の補充、又は、複数のホッパ14-1、14-2、・・・からガス化炉4に対する微粉炭10の供給が可能である。例えば、供給系統Aに対応するホッパ14-1に対して微粉炭10の補充を行う場合には、供給系統Aに対応する払出管12-1を開状態にすることで、微粉炭ビン11及びホッパ14-1がともに常圧状態で均圧され、払出管12-1を介して微粉炭10がホッパ14-1に払い出される。このとき他の供給系統B、C、・・・に対応する払出管12-2、12-3、・・・は閉状態となる。また供給系統Bに対応するホッパ14-2からガス化炉4に微粉炭10を供給する場合には、ホッパ14-2に対応する搬送管16-2が開状態となり、他の供給系統A、C、・・・に対応する他の搬送管16-1、16-3、・・・は閉状態となる。
【0021】
ガス化炉4は、このような構成を有する粉体燃料供給装置2から供給される微粉炭10を部分燃焼することでガス化させて生成ガスを生成する。ガス化炉4で生成された生成ガスは図示しないガス精製設備により不純物が取り除かれて燃料ガスが製造される。ガスタービン6には発電機8が連結されており、ガスタービン6が燃料ガスによって駆動されることによって、発電機8によって発電が行われる。
【0022】
続いて、上記構成を有する石炭ガス化炉発電設備1で実施されるシーケンス制御について説明する。ここではシーケンス制御の一例として、石炭ガス化炉発電設備1が備える粉体燃料供給装置2において、供給系統Aを構成する搬送管シール窒素遮断弁18-1及びホッパ出口遮断弁22-1を制御対象とするシーケンス制御について述べる。
【0023】
尚、以下の説明では、粉体燃料供給装置2が備える複数の供給系統A、B、・・・のうち供給系統Aを対象とするシーケンス制御について述べるが、他の供給系統B、・・・を対象とするシーケンス制御についても特段の記載がない限りにおいて同様である。
【0024】
本実施形態では、供給系統Aにおいて、ホッパ14-1から搬送管16-1を介してガス化炉4に対する微粉炭10の供給を停止する際に、搬送管シール窒素遮断弁18-1を全閉状態から全開状態に切り替えることで搬送管16-1に残存する微粉炭10を、窒素供給管17-1からの窒素によって除去した後に、ホッパ出口遮断弁22-1を全開状態から全閉状態に切り替えるためのシーケンス制御について説明する。
【0025】
図2は一実施形態に係るシーケンス制御を示すフローチャートであり、図3図2に対応する搬送管シール窒素遮断弁18-1及びホッパ出口遮断弁22-1の開度について時間的変化を示すタイムチャートである。このシーケンス制御では、初期状態において、搬送管シール窒素遮断弁18-1は全閉状態であり、且つ、ホッパ出口遮断弁22-1は全開状態である。
【0026】
シーケンス制御が開始されると、まず全閉状態にある搬送管シール窒素遮断弁18-1に対して全開状態になるように開動作の指令(イベント)が発行される(ステップS100)。搬送管シール窒素遮断弁18-1は、時刻tn1において、ステップS100で発行された開動作の指令を受けると、図3に示すように、全閉状態(開度0%)から開度の増加を開始し、所定の動作期間Tnをかけて、時刻tn2において全開状態(開度100%)になる。動作期間Tnは、搬送管シール窒素遮断弁18-1が全閉状態から全開状態になるまでに必要な期間であり、搬送管シール窒素遮断弁18-1の仕様による。このようにステップS100で発行された開動作の指令によって搬送管シール窒素遮断弁18-1が全開状態になるまでに、第1リミットスイッチ全閉20-1がON状態からOFF状態に切り替わり、更に第1リミットスイッチ全開20-1がOFF状態からON状態に切り替わることにより、第1イベントE1が発行されたものとして検知される。
【0027】
続いて全開状態にあるホッパ出口遮断弁22-1に対して全閉状態になるように閉動作の指令(イベント)が発行される(ステップS101)。ホッパ出口遮断弁22-1は、ステップS101で発行された閉動作の指令を受けると、図3に示すように、時刻th1において全開状態(開度100%)から開度の減少を開始し、所定の動作期間Thをかけて、時刻th2において全閉状態(開度0%)になる。動作期間Thは、ホッパ出口遮断弁22-1が全開状態から全閉状態になるまでに必要な期間であり、ホッパ出口遮断弁22-1の仕様によるパラメータである。このようにステップS101で発行された閉動作の指令によってホッパ出口遮断弁22-1が全閉状態になるまでに、第2リミットスイッチ全開24-1がON状態からOFF状態に切り替わり、更に第2リミットスイッチ全閉24-1がOFF状態からON状態に切り替わることにより、第2イベントE2が発行されたものとして検知される。
【0028】
続いてステップS100で第1リミットスイッチ全開20-1及び第1リミットスイッチ全閉20-1によって検出される第1イベントE1、及び、ステップS101で第2リミットスイッチ全開24-1及び第2リミットスイッチ全閉24-1によって検出される第2イベントE2に基づいて、第1イベント間隔EI1を発行する(ステップS102)。第1イベント間隔EI1は、異なる機器で生じる2つのイベントの間隔であり、本実施形態では、第1リミットスイッチ全開20-1及び第1リミットスイッチ全閉20-1によって検出された搬送管シール窒素遮断弁18-1に関する第1イベントE1と、ステップS101で第2リミットスイッチ全開24-1及び第2リミットスイッチ全閉24-1によって検出されるホッパ出口遮断弁22-1に関する第2イベントE2との間隔であり、具体的には、次式により求められる。
EI1=E2-E1(th2―tn2)
【0029】
このようにシーケンス制御の制御対象である搬送管シール窒素遮断弁18-1及びホッパ出口遮断弁22-1の状態は、それぞれ第1リミットスイッチ全開20-1、第1リミットスイッチ全閉20-1、第2リミットスイッチ全開24-1、及び第2リミットスイッチ全閉24-1で検出された第1イベントE1及び第2イベントE2、並びに、これらに基づいて求められる第1イベント間隔EI1としてコントローラに送信される。コントローラではその受信結果に応じて、石炭ガス化炉発電設備1の各構成を制御する。ここで第1リミットスイッチ全開20-1、第1リミットスイッチ全閉20-1、第2リミットスイッチ全開24-1、及び第2リミットスイッチ全閉24-1が正常に動作している場合、コントローラは、図3に示す搬送管シール窒素遮断弁18及びホッパ出口遮断弁22-1の動作を適切に認識し、石炭ガス化炉発電設備1を安定的に制御する。しかしながら、第1リミットスイッチ全開20-1、第1リミットスイッチ全閉20-1、第2リミットスイッチ全開24-1、及び第2リミットスイッチ全閉24-1には、不良等の要因によって、搬送管シール窒素遮断弁18-1及びホッパ出口遮断弁22-1の開閉に伴って正常に切り替え動作を行わない不具合が生じることがある。
【0030】
例えば第1リミットスイッチ全開20-1に不良が生じることによって、第1イベントE1によって搬送管シール窒素遮断弁18が全閉状態から全開状態になったにも関わらず、第1リミットスイッチ全開20-1の出力がOFF信号からON信号に正常に切り替わらず(OFF信号のままとなり)、搬送管シール窒素遮断弁18の全開状態に対応する信号が正常に出力されない状況となってしまう。
【0031】
この場合、第1リミットスイッチ全開20-1、第1リミットスイッチ全閉20-1、第2リミットスイッチ全開24-1、及び第2リミットスイッチ全閉24-1の出力に基づく第1イベントE1、第2イベントE2、第1イベント間隔EI1を受信して制御を行うコントローラは、本来は、搬送管シール窒素遮断弁18に対して全開状態になるように開動作の指令がなされた後、ホッパ出口遮断弁22-1に対して全閉状態になるように閉動作の指令がなされるシーケンス制御において、図3に示すように第1リミットスイッチ全閉20-1がON状態からOFF状態に切り替わった後、第1リミットスイッチ全開20-1がOFF状態からON状態に切り替わり、その後、第2リミットスイッチ全開24-1がON状態からOFF状態に切り替わった後、第2リミットスイッチ全閉24-1がOFF状態からON状態に切り替わることが想定される。
【0032】
しかしながら、第1リミットスイッチ全開20-1に不良が生じると、搬送管シール窒素遮断弁18に対する開動作の指令とホッパ出口遮断弁22-1に対する閉動作の指令とはシーケンス制御により順番に指令がなされるものの、第1リミットスイッチ全開20-1がOFF状態のまま、第2リミットスイッチ全閉24-1がON状態となる事象が生じて第1イベントE1が第2イベントE2の後に実施されるような事象が生じてしまうおそれがある(すなわち本来、正であるべき第1イベント間隔EI1の値を負の値として認識してしまう)。
【0033】
図4には、この事象例が図示されているが、第1リミットスイッチ全開20-1に不良が生じているため、時刻tn3(時刻tn1に対応)において第1リミットスイッチ全閉20-1がON状態からOFF状態に切り替わり、時刻tn4(時刻tn2に対応)において搬送管シール窒素遮断弁18は全開の状態であっても、第1リミットスイッチ全開20-1はOFF状態のままであり、時刻tn5(時刻tn4より後の時刻)において、ようやく第1リミットスイッチ全開20-1がON状態となっている。
【0034】
仮に第1リミットスイッチ全開20-1に不良が生じていなければ、時刻tn4において第1リミットスイッチ全開20-1は、OFF状態からON状態へ切り替わるのが本来の流れである。つまり、前述したように、時刻tn5において第1リミットスイッチ全開20-1がON状態になるため、このタイミングで第1イベントE1が検知される。一方、ホッパ出口遮断弁22-1は正常な状態である為、時刻th3(時刻th1に対応)において第2リミットスイッチ全開24-1がON状態からOFF状態に切り替わり、さらに時刻th4(時刻th2に対応)において第2リミットスイッチ全閉24-1がOFF状態からON状態に切り替わるため、第2イベントE2が検知される。
【0035】
前述したように、EI1=E2-E1により、時刻th4から時刻tn5を減算するため、第1イベント間隔EI1は、負の値をとることとなる。このような事象が生じる理由として、例えば、第1リミットスイッチ全開20-1及び第2リミットスイッチ全閉24-1のON/OFFは、シーケンスとして発行されるイベントではあるもののシーケンス制御として発行されるべきイベントではない為、このような事象が生じ得る。このような事象が生じると、コントローラは、石炭ガス化炉発電設備1の安定的運用を維持するための稼働を行うことで、発電機8の出力等にも異常をきたしてしまうおそれがある。このような異常は、以下に説明する異常判定装置100によって好適に判定可能である。
【0036】
図5は一実施形態に係る異常判定装置100の構成ブロック図である。異常判定装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。尚、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0037】
図5に示すように、異常判定装置100は、イベント登録部101と、評価基準記憶部102と、評価指標算出部103と、評価部104と、表示部105とを備える。
【0038】
イベント登録部101は、シーケンス制御が有する複数のイベントを含め監視対象とするイベントに関する情報を登録するための構成である。一般的にシーケンス制御は順に発行される複数のイベントを含んでおり、イベント登録部101によってシーケンス制御が有するイベントも予め登録することが可能である(シーケンス制御の制御対象としていないイベントも当然のことながら登録可能である)。このようなシーケンス制御が有するイベントの登録は、例えばオペレータがシーケンス制御に含まれる複数のイベントを確認し、キーボードやマウス等のインターフェースを介して入力されることで行われてもよいし、シーケンス制御を解析することによりシーケンス制御に含まれる複数のイベントを自動的に特定することで行われてもよい。
【0039】
評価基準記憶部102は、評価部104において、異常判定のために評価指標算出部103で算出される評価指標と比較される評価基準(閾値MDref)を算出して記憶するための構成であり、イベント間隔取得部106と、プロセスデータ取得部107とを備える。
【0040】
イベント間隔取得部106は、石炭ガス化炉発電設備1が正常動作を行う期間における第1リミットスイッチ全開20-1、第1リミットスイッチ全閉20-1、第2リミットスイッチ全開24-1、及び第2リミットスイッチ全閉24-1の出力に基づいて、前述の第1イベント間隔EI1を取得するための構成である。
【0041】
プロセスデータ取得部107は、石炭ガス化炉発電設備1が正常動作を行う期間において、判定対象である石炭ガス化炉発電設備1の少なくとも1つのプロセスデータPdを取得するための構成である。プロセスデータPdは、石炭ガス化炉発電設備1に設置された各種センサで検出可能な物理量であってもよいし、コントローラが取り扱う制御信号であってもよい。本実施形態では、プロセスデータ取得部107は、プロセスデータPdとして、発電機8の出力Pd1、及び、ガス化炉4の入口に設置された空気比センサ23で検出された空気比Pd2を取得する。
【0042】
評価基準記憶部102では、イベント間隔取得部106で取得されたイベント間隔(第1イベント間隔EI1)、及び、プロセスデータ取得部107で取得されたプロセスデータPdに基づいて評価基準を求め、当該評価基準を読み出し可能に記憶する。
【0043】
評価指標算出部103は、異常判定のための評価指標を算出するための構成であり、イベント間隔取得部108と、プロセスデータ取得部109とを備える。
【0044】
イベント間隔取得部108は、前述の評価基準記憶部102が備えるイベント間隔取得部106と同様に、第1リミットスイッチ全開20-1、第1リミットスイッチ全閉20-1、第2リミットスイッチ全開24-1、及び第2リミットスイッチ全閉24-1の出力に基づいて、第1イベント間隔EI1を取得するための構成である。プロセスデータ取得部109は、前述の評価基準記憶部102が備えるプロセスデータ取得部107と同様に、プロセスデータPdを取得するための構成である。
【0045】
評価指標は、石炭ガス化炉発電設備1が正常動作を行うか否か不明な異常判定期間において、イベント間隔取得部108で取得された第1イベント間隔EI1、及び、プロセスデータ取得部109で取得されたプロセスデータPdに基づいて、正常データに対する類似度を示す指標として算出される。本実施形態では、このような評価指標の一例として、マハラノビス・タグチ法(MT法)によるマハラノビス距離MDが算出される。
【0046】
評価部104は、評価指標算出部103で算出された評価指標を、評価基準記憶部102に記憶された評価基準と比較して評価するための構成であり、異常判定部110と、要因特定部111とを備える。
【0047】
異常判定部110は、評価指標を評価基準である閾値と比較することにより、異常の有無を判定するための構成である。本実施形態では、評価指標算出部103で算出されたマハラノビス距離MDと、評価基準記憶部102から読み出した評価基準である閾値MDrefとの大小関係を比較し、マハラノビス距離MDが閾値MDrefを超えた場合に、異常判定がなされる。
【0048】
要因特定部111は、異常判定部110で異常が有ると判定された場合、評価指標に対する寄与度に基づいて異常の要因を特定するための構成である。上記のように評価指標としてマハラノビス距離MDを算出する場合には、マハラノビス距離MDに対する寄与度を示すSN比を算出することにより、SN比に基づく要因特定が行われる。
【0049】
表示部105は、第1イベント間隔EI1、プロセスデータPd、及び、評価指標であるマハラノビス距離MDを表示するための構成である。表示部105は、例えばディスプレイ等のオペレータに認識可能な態様で、これらを表示することで、オペレータに対して異常判定に関する各種情報を容易に把握させることができる。
【0050】
続いて上記構成を有する異常判定装置100によって実施される異常判定方法について説明する。図6A及び図6Bは一実施形態に係る異常判定方法を示すフローチャートであり、図7は、図5の評価指標算出部103で算出されるマハラノビス距離MD、イベント間隔取得部106又は108で取得される第1イベント間隔EI1、及び、プロセスデータ取得部107又は109で取得される各プロセスデータPdの一例を示すタイムチャートである。
【0051】
まず図6Aを参照して、評価基準記憶部102に記憶される評価基準(MDref)の求め方について説明する。評価基準記憶部102による評価基準の算出は、石炭ガス化炉発電設備1が正常動作を行う期間に取得された正常データを用いて行われる。正常データの取得期間は、石炭ガス化炉発電設備1の動作が正常であることが明らかである期間である。図7では、正常データの取得期間は時刻t1からt2までである。
【0052】
まずイベント登録部101によって、シーケンス制御が有する複数のイベントを含め監視対象とするイベントに関する情報が登録される(ステップS200)。具体的には、シーケンス制御に含まれる複数のイベントを特定し、特定された複数のイベントがそれぞれ登録される。このような登録は、オペレータによって手動により行われてもよいし、シーケンス制御に含まれる複数のイベントを自動的に認識することにより行われてもよい。
【0053】
続いて評価基準記憶部102が有するイベント間隔取得部106は、正常データの取得期間における第1リミットスイッチ全開20-1、第1リミットスイッチ全閉20-1、第2リミットスイッチ全開24-1、及び第2リミットスイッチ全閉24-1の切替状態に基づいて第1イベントE1及び第2イベントE2を特定し(ステップS201)、第1イベントE1及び第2イベントE2に基づいて第1イベント間隔EI1を取得する(ステップS202)。本実施形態では搬送管シール窒素遮断弁18に対応する第1リミットスイッチ全閉20-1のONからOFFへの切り替わりと第1リミットスイッチ全開20-1のOFFからONへの切り替わりとによって第1イベントE1が特定されるとともに、ホッパ出口遮断弁22に対応する第2リミットスイッチ全開24-1のONからOFFへの切り替わりと第2リミットスイッチ全閉24-1のONからOFFへの切り替わりとによって第2イベントE2が特定され、両者の間隔が第1イベント間隔EI1として取得される。
【0054】
図7では、ステップS202で逐次取得される第1イベント間隔EI1の時間的変化が示されている。正常データの取得期間(時刻t1からt2の間)では、第1リミットスイッチ全開20-1、第1リミットスイッチ全閉20-1、第2リミットスイッチ全開24-1、及び第2リミットスイッチ全閉24-1がともに正常に動作しているため、第1イベント間隔EI1は正の略一定値を示している。
【0055】
続いて評価基準記憶部102が有するプロセスデータ取得部107は、正常データの取得期間に、正常データとして判定対象である石炭ガス化炉発電設備1の少なくとも1つのプロセスデータPdを取得する(ステップS203)。本実施形態では、プロセスデータPdとして、発電機8の出力Pd1、及び、ガス化炉4の入口に設置された空気比センサ23で検出された空気比Pd2が取得され、それぞれ図7に示すような時間的変化を示している。
【0056】
続いて評価基準記憶部102は、正常データの取得期間において、ステップS202で取得された第1イベント間隔EI1、及び、ステップS203で取得されたプロセスデータPdに基づいて、異常判定のための評価基準となるマハラノビス距離MDの閾値MDrefを算出する(ステップS204)。このように算出された閾値MDrefは、評価基準として、評価基準記憶部102に読み出し可能に記憶される。
【0057】
続いて図6Bを参照して、図6Aで求められた評価基準を用いた異常判定について説明する。この異常判定は、石炭ガス化炉発電設備1の動作が正常であるか否か不明である期間に行われる。
【0058】
まず評価指標算出部103が有するイベント間隔取得部108は、ステップS200においてイベント登録部101で登録されたイベントに基づいて第1イベント間隔EI1を取得する(ステップS300)。図7では、ステップS300で逐次取得される第1イベント間隔EI1の時間的変化が示されている。正常データの取得期間(時刻t1からt2の間)では、前述のように、第1イベント間隔EI1は正の略一定値を示していたが、異常判定が行われる期間(時刻t2以降)では、第1リミットスイッチ全開20-1に不良が生じるタイミングで、第1イベント間隔EI1が一時的に乱れて負の値を示している。
【0059】
続いて評価指標算出部103が有するプロセスデータ取得部109は、判定対象である石炭ガス化炉発電設備1の少なくとも1つのプロセスデータPdを取得する(ステップS301)。本実施形態では、プロセスデータPdとして、発電機8の出力Pd1、及び、ガス化炉4の入口に設置された空気比センサ23で検出された空気比Pd2が取得され、それぞれ図7に示すような時間的変化を示している。
【0060】
続いて評価指標算出部103は、ステップS300で取得された第1イベント間隔EI1、及び、ステップS301で取得されたプロセスデータPdについて標本平均及び標本共分散を求め、各標本を用いて解析データについてマハラノビス距離MDを算出する(ステップS302)。
【0061】
続いて異常判定部110は、ステップS302で算出された評価指標であるマハラノビス距離MDを、評価基準記憶部102に記憶された評価基準である閾値MDrefと比較することにより、異常の有無を判定する(ステップS303)。閾値MDrefは、図6Aを参照して前述したように、評価基準記憶部102によって正常データを用いて予め算出される。その結果、マハラノビス距離MDが閾値MDrefを超えた場合には(ステップS303:YES)、「異常有り判定」がなされる(ステップS304)。
【0062】
図7では、時刻t8以降において各プロセスデータPd及びマハラノビス距離MDが変動することで、石炭ガス化炉発電設備1に顕著な異常が発生しているが、その前段階である時刻t5、t6、t7において、マハラノビス距離MDが閾値MDrefを超えることで、予兆段階で異常判定がなされていることが示されている。これは、評価指標として、第1イベント間隔EI1及びプロセスデータPdに基づいて算出されたマハラノビス距離MDを用いることで、プロセスデータPdでは判定が困難な異常を早期に判定できることを意味している。
【0063】
尚、図7では、時刻t3からt4にかけてマハラノビス距離MDが閾値MDrefを大きく超える振る舞いを示しているが、当該期間では、プロセスデータPdのうち発電機8の出力が一時的に低下する振る舞いを示しているため、判定対象外としている。このようにプロセスデータPdが許容範囲を超えるふるまいを示すことで判定に適さない状態にある場合には、異常判定を行わないようにしてもよい。
【0064】
続いて要因特定部111は、マハラノビス距離MDへの寄与度を示すSN比を算出することにより、異常の要因を特定する(ステップS305)。図8はSN比の算出例である。図8では、マハラノビス距離MDに対する寄与率が、解析データに含まれる第1イベント間隔EI1及びプロセスデータPdごとに示されている。このように算出されたSN比を参照することで、異常判定がなされた場合に、解析データに含まれる第1イベント間隔EI1又はプロセスデータPdの各々についてマハラノビス距離MDに対する寄与度に基づいて、異常要因を特定することができる。
【0065】
尚、マハラノビス距離MDが閾値MDref以下である場合には(ステップS303:NO)、「異常無し判定」がなされる(ステップS306)。
【0066】
続いて表示部105は、異常判定結果を表示する(ステップS307)。ステップS307では、異常判定結果に加えて、異常判定の根拠となる各種情報として、図7に示すように、マハラノビス距離MD、解析データに含まれる第1イベント間隔EI1やプロセスデータPdを表示することで、オペレータが石炭ガス化炉発電設備1の状況を容易に把握することができる。
【0067】
また上記実施形態では、ステップS302では、ステップS200で登録された複数のイベントから選択された1組の第1イベントE1及び第2イベントE2に基づく第1イベント間隔EI1を用いて評価指標を算出している。これに対して他の実施形態では、ステップS302では、ステップS200で登録された複数のイベントから選択された複数組の第1イベントE1及び第2イベントE2に基づく複数の第1イベント間隔EI1を用いて評価指標を算出してもよい。
【0068】
この場合、評価指標算出部103は、複数の第1イベント間隔EI1に基づいて、評価指標としてマハラノビス距離MDを算出し、要因特定部111は、このようなマハラノビス距離MDに対する寄与度を示すSN比を算出してもよい。これにより、要因特定部111では、異常判定時のマハラノビス距離MDについて、どのイベント間隔EIの寄与度が大きいかを特定することにより、シーケンスとして発行される多数のイベントに関して、異常の要因となっているイベントを特定することができる。
【0069】
尚、上記実施形態では、石炭ガス化炉発電設備1が有する複数の供給系統A、B、・・・のうち、単一の供給系統Aに関するシーケンス制御について異常判定を行ったが、2以上の供給系統に関するシーケンス制御について異常判定を行ってもよい。この場合、各供給系統に関する複数のシーケンス制御が有する複数のイベントは、供給系統ごとにそれぞれグループ分けして登録し、登録された各グループに含まれる第1イベントE1及び第2イベントE2について取得した第1イベント間隔EI1を、プロセスデータPdとともに解析データとして扱ってもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、搬送管シール窒素遮断弁18-1及びホッパ出口遮断弁22-1と異なる機器から発行されるイベントについて説明を行ったが、同一の機器で発行される複数のイベントを対象としてもよい。
【0071】
以上説明したように上記各実施形態によれば、異常判定対象である設備について少なくとも1つのプロセスデータが取得されるとともに、設備に対して実施されるシーケンス制御において順に実施される複数のイベントのうち第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔が取得される。少なくとも1つのプロセスデータ及びイベント間隔は解析対象データとして取り扱われ、正常データに対する類似度の評価指標の算出に用いられる。このようにプロセスデータとともにイベント間隔に基づいて算出された評価指標を閾値と比較することで、シーケンスとして発行されるイベント間の影響が加味された異常判定を行うことができる。
【0072】
尚、上記実施形態における異常判定装置100で実行する各処理を異常判定装置100と通信可能な情報処理装置202で実行する異常判定システム200として構成することが可能である(図9参照)。この場合、情報処理装置202はイベント登録部101や表示部105の少なくとも1つを備え、異常判定装置100は評価基準部102、評価算出部104、及び評価部104を備える。情報処置装置202の表示部105を介して、図6Bに示す異常判定を行なうように異常判定装置100に対してなされる要求に従って、標準指標算出部103における処理が実行される。
【0073】
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0074】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0075】
(1)一態様に係る設備の異常判定装置は、
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定装置(100)であって、
前記複数のイベントに含まれる第1イベント(E1)及び第2イベント(E2)についてイベント間隔(EI1)を取得するためのイベント間隔取得部(108)と、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータ(Pd)を取得するためのプロセスデータ取得部(109)と、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標(MD)を算出するための評価指標算出部(103)と、
前記評価指標を予め設定された閾値(MDref)と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するための異常判定部(110)と、
を備える。
【0076】
上記(1)の態様によれば、異常判定対象である設備について少なくとも1つのプロセスデータが取得されるとともに、設備に関して順に発行される複数のイベントのうち第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔が取得される。少なくとも1つのプロセスデータ及びイベント間隔は解析対象データとして取り扱われ、正常データに対する類似度の評価指標の算出に用いられる。このようにプロセスデータとともにイベント間隔に基づいて算出された評価指標を閾値と比較することで、シーケンスとして発行されるイベント間の影響が加味された異常判定を行うことができる。
【0077】
(2)他の態様では、上記(1)の態様において、
前記複数のイベントを登録するためのイベント登録部(101)を更に備え、
前記イベント間隔取得部は、前記イベント登録部で登録された前記複数のイベントに含まれる前記第1イベント及び前記第2イベントについて前記イベント間隔を取得する。
【0078】
上記(2)の態様によれば、複数のイベントが登録され、登録された複数のイベントから任意に選択される第1イベント及び第2イベントについて特定されるイベント間隔が、プロセスデータとともに評価指標の算出に用いられる。このように登録された各イベントから取得されるイベント間隔に基づいて評価指標を算出することで、設備における異常判定を好適に行うことができる。
尚、イベント登録部に対して一部のイベントの登録抜けがあった場合であっても、登録されたイベントに関するイベント間隔とプロセスデータとから評価指標を求めることで、登録抜けがあったイベントに関する潜在的な影響を加味した異常判定ができる。
【0079】
(3)他の態様では、上記(1)又は(2)の態様において、
前記正常データは、前記設備が正常動作を行う期間に取得された前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む。
【0080】
上記(3)の態様によれば、評価指標の算出に用いられる正常データの取得を良好な信頼性で行うことができる。
【0081】
(4)他の態様では、上記(1)から(3)のいずれか一態様において、
前記解析対象データは、前記プロセスデータが予め設定された許容範囲を逸脱した期間を含まない。
【0082】
上記(4)の態様によれば、評価指標の算出に用いられる解析対象データから、許容範囲を逸脱した期間を除外することで、異常判定精度を向上できる。
【0083】
(5)他の態様では、上記(1)から(4)のいずれか一態様において、
前記イベント間隔取得部は、前記第1イベント及び前記第2イベントの互いに異なる組み合わせに対応する複数の前記イベント間隔を取得し、
前記解析対象データは、前記複数のイベント間隔を含む。
【0084】
上記(5)の態様によれば、複数のイベントから第1イベント及び第2イベントを複数組選択することで、複数のイベント間隔が解析対象データに含まれる。これにより、シーケンス制御において連携する複数組のイベント間の影響を加味することで、より精度のよい異常判定を行うことができる。
【0085】
(6)他の態様では、上記(5)の態様において、
前記異常判定部で前記異常が有ると判定された場合、前記評価指標に対する寄与度に基づいて前記異常の要因を特定するための要因特定部(111)を更に備える。
【0086】
上記(6)の態様によれば、解析対象データに含まれる複数のイベント間隔について評価指標に対する寄与度を求めることで、寄与度の高いイベント間隔に基づいて異常の要因を好適に特定できる。
【0087】
(7)他の態様では、上記(1)から(6)のいずれか一態様において、
前記第2イベントは前記第1イベントの発行後、所定期間が経過することを条件に発行される。
【0088】
上記(7)の態様によれば、第1イベントから所定期間が経過して第2イベントが発行される設備において、異常を好適に判定できる。
【0089】
(8)他の態様では、上記(1)から(7)のいずれか一態様において、
前記イベント間隔、前記少なくとも1つのプロセスデータ、及び、前記評価指標を表示するための表示部(105)を備える。
【0090】
上記(8)の態様によれば、異常判定に関連するイベント間隔、プロセスデータ及び評価指標を表示することで、本装置のオペレータが設備の状況を容易に把握できる。
【0091】
(9)他の態様では、上記(1)から(8)のいずれか一態様において、
前記イベント間隔は前記設備が備える異なる機器からそれぞれ取得した前記第1イベント及び前記第2イベントに基づいて求められる。
【0092】
上記(9)の態様によれば、異常判定対象となる設備が備える異なる機器からそれぞれ取得した第1イベント及び第2イベントに基づいて、イベント間隔が求められる。
【0093】
(10)一態様に係る設備の異常判定方法は、
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定方法であって、
前記複数のイベントに含まれる第1イベント(E1)及び第2イベント(E2)についてイベント間隔(EI1)を取得するステップと、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータ(Pd)を取得するステップと、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標(MD)を算出するステップと、
前記評価指標を予め設定された閾値(MDref)と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するステップと、
を備える。
【0094】
上記(10)の態様によれば、異常判定対象である設備について少なくとも1つのプロセスデータが取得されるとともに、設備に関して、順に発行される複数のイベントのうち第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔が取得される。少なくとも1つのプロセスデータ及びイベント間隔は解析対象データとして取り扱われ、正常データに対する類似度の評価指標の算出に用いられる。このようにプロセスデータとともにイベント間隔に基づいて算出された評価指標を閾値と比較することで、シーケンスとして発行されるイベント間の影響が加味された異常判定を行うことができる。
【0095】
(11)一態様に係る設備の異常判定プログラムは、
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定プログラムであって、
コンピュータを用いて、
前記複数のイベントに含まれる第1イベント(E1)及び第2イベント(E2)についてイベント間隔(EI1)を取得するステップと、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータ(Pd)を取得するステップと、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標(MD)を算出するステップと、
前記評価指標を予め設定された閾値(MDref)と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するステップと、
を実行可能である。
【0096】
上記(11)の態様によれば、異常判定対象である設備について少なくとも1つのプロセスデータが取得されるとともに、設備に関して、順に発行される複数のイベントのうち第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔が取得される。少なくとも1つのプロセスデータ及びイベント間隔は解析対象データとして取り扱われ、正常データに対する類似度の評価指標の算出に用いられる。このようにプロセスデータとともにイベント間隔に基づいて算出された評価指標を閾値と比較することで、シーケンスとして発行されるイベント間の影響が加味された異常判定を行うことができる。
【0097】
(12)一態様に係る設備の異常判定システムは、
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定装置と情報処理装置とからなる異常判定システムであって、
前記情報処理装置からの要求に従って、前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するためのイベント間隔取得部と、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するためのプロセスデータ取得部と、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するための評価指標算出部と、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するための異常判定部と、
を備えたことを特徴とする異常判定システム。
【0098】
上記(12)の態様によれば、情報処理装置からの要求に従って、異常判定対象である設備について少なくとも1つのプロセスデータが取得されるとともに、設備に関して順に発行される複数のイベントのうち第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔が取得される。少なくとも1つのプロセスデータ及びイベント間隔は解析対象データとして取り扱われ、正常データに対する類似度の評価指標の算出に用いられる。このようにプロセスデータとともにイベント間隔に基づいて算出された評価指標を閾値と比較することで、シーケンスとして発行されるイベント間の影響が加味された異常判定を行うことができる。
【0099】
(13)一態様に係る設備の異常判定システムの制御方法は、
複数のイベントが順に発行される設備の異常判定装置と情報処理装置とからなる異常判定システムの制御方法であって、
前記異常判定装置は、
前記情報処理装置からの要求に従って、前記複数のイベントに含まれる第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔を取得するためのイベント間隔取得ステップと、
前記設備の少なくとも1つのプロセスデータを取得するためのプロセスデータ取得ステップと、
前記イベント間隔及び前記プロセスデータを含む解析対象データについて正常データに対する類似度の評価指標を算出するための評価指標算出ステップと、
前記評価指標を予め設定された閾値と比較することにより、前記設備の異常の有無を判定するための異常判定ステップと、
を実行することを特徴とする異常判定システムの制御方法。
【0100】
上記(13)の態様によれば、情報処理装置からの要求に従って、異常判定対象である設備について少なくとも1つのプロセスデータが取得されるとともに、設備に関して、順に発行される複数のイベントのうち第1イベント及び第2イベントについてイベント間隔が取得される。少なくとも1つのプロセスデータ及びイベント間隔は解析対象データとして取り扱われ、正常データに対する類似度の評価指標の算出に用いられる。このようにプロセスデータとともにイベント間隔に基づいて算出された評価指標を閾値と比較することで、シーケンスとして発行されるイベント間の影響が加味された異常判定を行うことができる。
【符号の説明】
【0101】
1 石炭ガス化炉発電設備
2 粉体燃料供給装置
4 ガス化炉
6 ガスタービン
8 発電機
10 微粉炭
11 微粉炭ビン
12-1、12-2、・・・ 払出管
14-1、14-2、・・・ ホッパ
16-1、16-2、・・・ 搬送管
17-1、17-2、・・・ 窒素供給管
18-1、18-2、・・・ 搬送管シール窒素遮断弁
20-1、20-2、・・・ 第1リミットスイッチ
22-1、22-2、・・・ ホッパ出口遮断弁
24-1、24-2、・・・ 第2リミットスイッチ
100 異常判定装置
101 イベント登録部
102 評価基準記憶部
103 評価指標算出部
104 評価部
105 表示部
106 イベント間隔取得部
107 プロセスデータ取得部
108 イベント間隔取得部
109 プロセスデータ取得部
110 異常判定部
111 要因特定部
200 異常判定システム
202 情報処理装置
A、B、・・・ 供給系統
E1 第1イベント
E2 第2イベント
EI1 第1イベント間隔
MD マハラノビス距離
MDref 閾値
Pd プロセスデータ

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9