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特開2023-173232デジタルコンテンツ信託プラットフォームで用いる信託プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173232
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】デジタルコンテンツ信託プラットフォームで用いる信託プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231130BHJP
   G06F 21/10 20130101ALI20231130BHJP
   G06F 21/64 20130101ALI20231130BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20231130BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F21/10
G06F21/64
G06F21/60 360
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085346
(22)【出願日】2022-05-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 浩気
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L049CC16
(57)【要約】
【課題】デジタルコンテンツ(DC)に対してNFTを付与し、NFTに関連付けられる受益権を流通させる信託プラットフォームで用いる信託プログラムを提供すること。
【解決手段】信託プログラムは、ネットワークを介して相互に接続された、サーバ、第1の情報端末および第2の情報端末にそれぞれ格納されており、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されると、サーバに、第1の情報端末から、DCを含む信託依頼要求を受信し、受信した信託依頼要求に署名し、暗号化して第1の情報端末および第2の情報端末へブロードキャストし、信託依頼要求に基づいて、DCを信託財産として承認し、信託承認情報を生成し、信託承認情報に署名し、暗号化して第1の情報端末および第2の情報端末へブロードキャストし、DCを信託財産として承認したことに応答して、非代替性トークンをDCへ関連付ける、ことを実行させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行可能命令を含む信託プログラムであって、
前記信託プログラムは、ネットワークを介して相互に接続された、サーバ、第1の情報端末および第2の情報端末にそれぞれ格納されており、
前記コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されると、前記サーバに、
前記第1の情報端末から、デジタルコンテンツを含む信託依頼要求を受信し、
受信した前記信託依頼要求に署名し、暗号化して前記第1の情報端末および前記第2の情報端末へブロードキャストし、
前記信託依頼要求に基づいて、前記デジタルコンテンツを信託財産として承認し、信託承認情報を生成し、
前記信託承認情報に署名し、暗号化して前記第1の情報端末および前記第2の情報端末へブロードキャストし、
前記デジタルコンテンツを信託財産として承認したことに応答して、非代替性トークンを前記デジタルコンテンツへ関連付ける、
ことを実行させる、信託プログラム。
【請求項2】
前記信託プログラムは、前記プロセッサによって実行されると、前記サーバに、
受信した前記信託依頼要求が所定の要件を満たしているか否かを判定させる、請求項1に記載の信託プログラム。
【請求項3】
前記信託プログラムは、前記プロセッサによって実行されると、前記サーバに、
前記デジタルコンテンツが前記信託財産として受け入れ可能か否かを審査させる、請求項2に記載の信託プログラム。
【請求項4】
前記信託プログラムは、前記プロセッサによって実行されると、前記サーバに、
前記第2の情報端末から前記デジタルコンテンツの信託受益権の移転要求を受信し、
受信した前記移転要求に署名し、暗号化して、前記非代替性トークンに関連付けて、前記第1の情報端末および前記第2の情報端末へブロードキャストし、
前記第1の情報端末から、前記移転要求に対する回答情報を受信し、
前記回答情報に応答して、前記デジタルコンテンツの前記信託受益権を前記第1の情報端末の第1のユーザから前記第2の情報端末の第2のユーザへ移転し、受益権移転情報を生成し、
前記受益権移転情報に署名し、暗号化して、前記非代替性トークンに関連付けて、前記第1の情報端末および前記第2の情報端末へブロードキャストさせる、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の信託プログラム。
【請求項5】
前記信託受益権が複数に分割されており、
前記信託プログラムは、前記プロセッサによって実行されると、前記サーバに、
前記第2の情報端末から前記デジタルコンテンツの前記分割された信託受益権の一部の移転要求を受信させる、請求項4に記載の信託プログラム。
【請求項6】
前記信託プログラムが、デジタルコンテンツ制作ツールを備え、前記デジタルコンテンツ制作ツールは、
ユーザの操作に従って、前記デジタルコンテンツを生成し、
生成した前記デジタルコンテンツに前記非代替性トークンを関連付ける、請求項1に記載の信託プログラム。
【請求項7】
ネットワークを介して相互に接続された、サーバ、第1の情報端末および第2の情報端末によって実行される方法であって、
前記第1の情報端末から、デジタルコンテンツを含む信託依頼要求を受信することと、
受信した前記信託依頼要求に署名し、暗号化して前記第1の情報端末および前記第2の情報端末へブロードキャストすることと、
前記信託依頼要求に基づいて、前記デジタルコンテンツを信託財産として承認し、信託承認情報を生成することと、
前記信託承認情報に署名し、暗号化して前記第1の情報端末および前記第2の情報端末へブロードキャストすることと、
前記デジタルコンテンツを信託財産として承認したことに応答して、非代替性トークンを前記デジタルコンテンツへ関連付けることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルコンテンツ信託プラットフォームで用いる信託プログラムに関する。より詳細に言えば、本発明は、デジタルコンテンツに対してNFTを付与し、NFTに関連付けられる受益権を流通させるための信託プラットフォームで用いる信託プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルコンテンツ(例えば、音楽、イラストなど)の作成者は、インターネット上の既存の販売用のプラットフォームやマーケットプレイスを介して、自らが作成したデジタルコンテンツを販売していた。これらのデジタルコンテンツはコピーが容易であり、かつ流通も容易である。そのため第三者がデジタルコンテンツを盗用して、不当に販売してしまう可能性があった。このようなデジタルコンテンツに関するセキュリティの問題を解決するため、デジタルコンテンツの取引において、ブロックチェーン技術が利用されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7033352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、デジタルコンテンツ(アート作品)をブロックチェーンの技術を利用して所有権トークン化し、その所有権トークン化されたデジタルコンテンツを販売する技術を開示している。この所有権トークン化は、いわゆる「非代替性トークン(Non-Fungible Token)」(以降、単にNFTと称す)へのトークン化なども想定されている。これにより、デジタルコンテンツ(アート作品)のセキュリティを確保しながら、取引の流動性を向上させている。
【0005】
しかしながら、特許文献1では、アート作品の取引を通じてアート作品の所有権が移転してしまうため、創作者であるアーティストの意に反した処分行為や活用態様が行われてしまうこともあった。また、複数の者がアート作品を共同利用したいと考えても、それらの者がアート作品の活用態様に関して同意できるとは限らず、うまくいかないこともあった。
【0006】
このような状況で、NFTを付与したデジタルコンテンツを、信託財産として取り扱いたいというニーズが高まっているが、現在のところ、デジタルコンテンツを信託財産として取り扱い、適切に保護、運用、および流通させるプラットフォームは存在していない。特許文献1は、デジタルコンテンツを所有権トークン化し、その所有権トークン化されたデジタルコンテンツを、売買することは開示しているが、信託財産として取り扱う方法は開示していない。仮に、デジタルコンテンツの作成者が自身で、自身の作品を適切に保護、運用、および流通させようとすると、非常に困難かつ手間がかかってしまい、創作活動にも支障がでてしまうことになる。
【0007】
このため、デジタルコンテンツの作成者は自身の作品を作成することに集中・注力することができ、作成した作品の保護、運用、流通などを第三者が信託のスキームを介して適切に行える環境が求められている。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、デジタルコンテンツに対してNFTを付与し、NFTに関連付けられる受益権を流通させるための信託プラットフォームで用いる信託プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様である、コンピュータ実行可能命令を含む信託プログラムは、ネットワークを介して相互に接続された、サーバ、第1の情報端末および第2の情報端末にそれぞれ格納されており、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されると、サーバに、第1の情報端末から、デジタルコンテンツを含む信託依頼要求を受信し、受信した信託依頼要求に署名し、暗号化して第1の情報端末および第2の情報端末へブロードキャストし、信託依頼要求に基づいて、デジタルコンテンツを信託財産として承認し、信託承認情報を生成し、信託承認情報に署名し、暗号化して第1の情報端末および第2の情報端末へブロードキャストし、デジタルコンテンツを信託財産として承認したことに応答して、非代替性トークンをデジタルコンテンツへ関連付ける、ことを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、デジタルコンテンツに対してNFTを付与し、NFTに関連付けられる受益権を流通させる信託プラットフォームで用いる信託プログラムを提供することができる。また、本発明によれば、信託のスキームを利用することができるため、創作者(委託者)が設定した信託目的に沿って受託者がNFTに関連付けられるデジタルコンテンツなどの信託財産の管理・処分その他の行為を行えるようになり、受益者は受益権の全てまたは一部を入手することにより、デジタルコンテンツから生み出される利益を享受することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
図1】本発明の実施形態に係るサーバを含むシステム全体の構成図である。
図2】本発明の実施形態に係るサーバのシステム構成図である。
図3】信託依頼処理を説明するフロー図である。
図4】信託受益権取引処理を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(用語の定義)
本発明における、「デジタルコンテンツ」とは、例えば、楽曲、イラスト、動画、文章、ゲーム、デザイン、デジタルファッション、デジタルグッズ、デジタルアイテムなどを含むが、これらに限定されない。本発明を適用できるデータおよびデジタルコンテンツであれば、どのようなものを取り扱ってもよい。例えば、現物のアート作品の電子的な証明書などを取り扱ってもよい。
【0013】
本発明における、「信託受益権」とは、「信託設定されたデジタルコンテンツを活用して得られた収益からの配当を受け取る権利」のことである。配当は、法定通貨、暗号通貨、クーポンなどであり得る。また、金銭価値に表せられない配当であってもよい。例えば、特定のアーティストと面談できる権利、特定のアーティストの限定グッズの購入権、または仮想空間などのデジタル上で利用可能なアイテムのデータなどであってもよい。どのような配当を設定するかは、ユーザおよび信託プラットフォームの運営者の間で調整され、設定され得る。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲であればどのような配当であってもよい。また本明細書では、説明を目的に、デジタルコンテンツの作成者を「委託者」および「受益者」として説明する。一般的な信託制度と同様に、信託受益権の流通を通じて「委託者」と「受益者」とが一致しなくなってもよい。
【0014】
本発明における、「ブロックチェーン」は、分散型台帳や分散型取引台帳と呼ばれ、取引記録(「トランザクション(TX)」ともいう)を複数にまとめて(ブロック)、時系列に並べた(チェーン)ものである。取引記録は、分散型ネットワークによって分散管理されるため、システムダウンや不正に強いネットワークが提供される。
【0015】
本発明における、「NFT」は、ブロックチェーンの技術を利用して生成された代替不可能な唯一のトークンである。NFTはデジタルコンテンツに付与され、デジタルコンテンツへ実行されたすべての取引が、付与されたNFTに関連付けられて、取引記録としてブロックチェーン上に記録される。本発明においては、信託契約の成立したデジタルコンテンツに対して、NFTが付与され、代替不可能な唯一のデジタル資産となる。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、どのようなデジタル資産を対象としてもよい。例えば、本明細書では、NFTの概念にセキュリティ・トークン(Security Token)などを含めることも可能であり、したがって、セキュリティ・トークンなどを後述の処理の対象としてもよい。
【0016】
[実施形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係るサーバ101を含むシステム全体の構成図である。サーバ101、情報端末102、情報端末103、情報端末104、情報端末105、および情報端末106のそれぞれは、インターネットなどの周知のネットワーク107を介して相互に通信可能に接続される。本明細書では、サーバ101を1つの装置として説明するが、サーバ101によって実行される様々な処理を複数の装置で分散して実行するように構成してもよい。図1において、情報端末102乃至106は、1つずつしか示されていないが、これらは複数存在し得る。
【0017】
サーバ101は、情報端末102乃至106に対して所定の情報をブロードキャストし、また、情報端末102乃至106のうちの特定の装置に対して所定の情報を送信することができる。本明細書で説明するように、ブロードキャストされた情報は、ブロックチェーンのデータとして、サーバ101、情報端末102乃至106のそれぞれにおいて共通に格納される。
【0018】
情報端末102は、サーバ101および情報端末103乃至106に対して所定の情報をブロードキャストし、また、サーバ101および情報端末103乃至106のうちの特定の装置に対して所定の情報を送信することができる。情報端末103乃至106も情報端末102と同様である。本明細書ではユーザAが情報端末102を使用し、ユーザBが情報端末103を使用することとして説明する。ユーザAはデジタルコンテンツを作成する作成者であり、ユーザBは、デジタルコンテンツ、その権利、および/またはその信託受益権の購入を希望するユーザであるとして説明をする。また情報端末104乃至106はその他のユーザが使用する。これらは単なる例示であり、本発明を限定しない。
【0019】
サーバ101は、情報端末102乃至106に対して、デジタルコンテンツを信託財産として受け付けるおよび信託受益権を流通させる信託プログラムをブロードキャストする。サーバ101は、信託プログラムを介して、情報端末102乃至106から、デジタルコンテンツの信託依頼に関する情報、およびデジタルコンテンツの購入希望に関する情報を受信することができる。デジタルコンテンツの信託依頼に関する情報は、例えば、デジタルコンテンツ自体、依頼しているユーザのアカウント情報、運用条件、運用指図(信託目的)などを含み得る。デジタルコンテンツの購入希望に関する情報は、例えば、デジタルコンテンツを識別する情報、デジタルコンテンツの所有者、信託受益権などを含み得る。信託プログラムは、信託依頼に関する情報から、信託を承認するか否かを判定する機能、デジタルコンテンツの販売および権利移転の機能を提供する。
【0020】
運用指図は、例えば、デジタルコンテンツの販売数量、コンテンツ作成者および信託受益権者への配当率やインセンティブ、デジタルコンテンツの所有権を金融機関へ譲渡するか否か、などを含むがこれらに限定されない。
【0021】
デジタルコンテンツの販売数量とは、例えば、NFTを付与されたデジタルコンテンツAの複製・コピーの販売数量上限などである。
【0022】
コンテンツ作成者および信託受益権者への配当率は、特定の期間ごとの配当上限を設定してもよい。例えば、年間110万円を上限として設定し、デジタルコンテンツの運用収益が年間110万円を超えていたとしても、年間110万円まで配当を受け取るといったことが可能である。
【0023】
またコンテンツ作成者および信託受益権者へのインセンティブは、例えば、楽曲の再生回数、イラストの閲覧回数、二次流通の回数などに基づいて決定される収益の配当率などである。
【0024】
運用指図は、信託依頼をするユーザおよび/または信託プラットフォームを運営する金融機関などが任意に設定してもよく、上記の例に限定されることはない。
【0025】
本明細書では、サーバ101は、金融機関などによって運営され、金融機関の信託システムと連携することが可能である、という前提で説明される。本発明の他の実施形態では、サーバ101は金融機関とは独立した事業体によって運営され、金融機関の信託システムとの間で予め定められたフォーマットのデータを送受信するように構成されることも可能である。同様に、信託プラットフォーム、信託プログラムなども、金融機関とは独立した事業体によって運営されてもよい。
【0026】
サーバ101が金融機関などによって運営される場合には、サーバ101は、信託システムと連携することにより、実際の信託受益権の移転に関する信託受益権移転処理を制御することができる。
【0027】
上記では、サーバ101、情報端末102乃至106のそれぞれが、ネットワーク107を介して相互に通信可能に接続される実施形態を説明したが、本発明の要旨は、他の実施形態にも適用可能である。例えば、近年広まりつつあるクラウドサービスに見られるように、外部の任意のコンピュータに本発明の実施に必要なデータやソフトウェアを格納しておき、情報端末102乃至106が当該コンピュータにアクセスして、それらのデータやソフトウェアを利用する実施形態にも本発明の要旨は適用可能である。
【0028】
(システム構成)
図2は、本発明の実施形態に係るサーバ101のシステム構成図である。図2に示すように、サーバ101は、一般的なコンピュータと同様に、バス210などによって相互に接続された制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、インターフェース(IF)部204および出力部205を備える。また、サーバ101は、ファイル/データベースなどの形式で、ブロック情報206、アプリケーション207、信託受益権移転情報208、およびユーザアカウント情報209を備えることができる。
【0029】
制御部201は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、サーバ101の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部203に格納されている各種プログラムを主記憶部202に読み出して実行する。主記憶部202は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。補助記憶部203は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0030】
図2の実施形態は、制御部201、主記憶部202および補助記憶部203を同一のコンピュータの内部に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、サーバ101は、制御部201、主記憶部202および補助記憶部203を複数個使用することにより、複数のコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成することもできる。また、他の実施形態として、サーバ101のための複数のサーバを設置し、複数のサーバが一つの補助記憶部203を共有する実施形態にすることも可能である。
【0031】
IF部204は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供する。出力部205は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供する。
【0032】
ブロック情報206は、サーバ101によって生成された取引記録データを格納し、あるいは他の装置(例えば、情報端末102乃至106)からブロードキャストされた取引記録データを格納する。ブロック情報206は、本発明に係る信託プログラムをブロック内に格納することができる。ブロック情報206に格納されているデータは、ブロックチェーンのデータとして格納されている。
【0033】
アプリケーション207は、本発明に係る信託プログラムを格納する。信託プログラムの機能は、後述する。この信託プログラムは、サーバ101によってブロック情報206のブロックに記録され、情報端末102乃至106にブロードキャストされる。あるいは、信託プログラムは、クライアントサーバシステムで利用されるプログラムとして、サーバ101によって情報端末102乃至106に提供されてもよい。
【0034】
信託受益権移転情報208は、デジタルコンテンツの信託受益権の移転情報を格納する。例えば、ユーザAの所有するデジタルコンテンツの信託受益権をユーザBが購入した場合、デジタルコンテンツの信託受益権がユーザAからユーザBへ移転したという情報と信託受益権の受益者がユーザBであるという情報が、信託受益権移転情報208に格納される。信託受益権移転情報208は、ある信託受益権の受益者が複数であることを示す情報を格納することもできる。
【0035】
ユーザアカウント情報209は、信託プラットフォーム(以降、単に信託PFと称す)を利用するユーザのアカウント情報を格納する。本明細書で説明する信託PFでは、ユーザは所定の情報を信託PFに入力および登録し、ユーザアカウントを作成する。所定の情報とは、氏名、年齢、性別、職業、住所、銀行口座などを含むが、これらに限定されない。登録された銀行口座の情報は、例えば、信託設定されたデジタルコンテンツの運用収益の支払いの際に、および/またはデジタルコンテンツの信託受益権を売買する際に、利用される。
【0036】
情報端末102乃至106は、図2に示されるような、バス210などによって相互に接続された制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、インターフェース(IF)部204および出力部205を備える。また、情報端末102乃至106は、ブロック情報206を備える。これらの構成要素の機能は、上述した機能と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0037】
本発明の他の実施形態では、ネットワーク107に接続された情報端末102乃至106以外のコンピュータ装置が存在し得る。当該コンピュータ装置は、上述した制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、インターフェース(IF)部204、出力部205、およびブロック情報206を備えることができる。当該コンピュータ装置に格納されているブロック情報206は、情報端末102乃至106によって利用されることができる。すなわち、当該コンピュータ装置に格納されているブロック情報206は、クラウドサービスに例示されるような、情報端末102乃至106に関連付けられるデータやソフトウェアを格納する記憶媒体として機能することが可能である。
【0038】
(処理フロー:デジタルコンテンツの信託依頼)
図3は、本発明に係る、デジタルコンテンツの信託依頼処理を説明するフロー図である。本実施形態では、アプリケーション207に格納されている信託プログラムを用いることを説明するが、説明される機能は複数のプログラムによって実行されても構わない。
【0039】
以下、説明するフローは、ユーザAが自身の作成したデジタルコンテンツAを信託PFへアップロードして、信託依頼することを前提とする。以下の説明では、説明を簡単にするために、アップロードされるデジタルコンテンツAにはNFTが付与されていないこととして説明する。本発明の信託PFは、既にNFTが付与されたデジタルコンテンツを受け入れることも可能である。その場合、取引記録は、既に付与されたNFTに関連付けて、ブロック情報206に格納される。
【0040】
S301にて、サーバ101は、情報端末102から信託依頼要求を受信する。信託依頼要求には、例えば、ユーザAのユーザアカウント情報、デジタルコンテンツA、希望する信託開始日および終了日、運用条件、運用指図(信託目的)などの一部または全てが含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
S302にて、サーバ101は、受信した信託依頼要求が所定の要件を満たしているか否かを判定する。所定の要件は、これらに限定されないが、例えば、コンテンツの権利の免責契約へ同意している、審査に必要な情報が信託依頼要求に含まれている、および/またはユーザがコンテンツの所有権者であるなどを含む。所定の要件を満たしていると判定した場合、S303へ進む。所定の要件を満たしていないと判定した場合、サーバ101は、ユーザAに所定の要件を満たしていないことを通知し、処理を終了する。
【0042】
コンテンツの権利の免責契約は、例えば、信託されたコンテンツに対して、第三者から何等かの訴えがあった場合に、信託PFの運営者ではなく、信託PFへ信託依頼したユーザが対処するなどを取り決めた契約である。どのような免責契約を設定するかについては、信託PFの運営者とユーザとの間で調整して、設定され得る。
【0043】
別の実施形態では、ユーザがコンテンツの所有権者であるか否かを、例えば、以下のような手段で判定する。(1)コンテンツの権利書または権利書に相当するものが存在するか否かを確認する。(2)権利書または権利書に相当するものが存在しない場合、インターネット上に類似のコンテンツが存在するか否かを確認する。これらの一部または全ては、信託PFの運営者が、人手を介して実施してもよく、プログラムを介して自動的に実施してもよい。これらの判定手段は単なる例示であり、本発明を限定するものではない。
【0044】
S303にて、サーバ101は、信託依頼要求にサーバ101の署名を加えて暗号化し、暗号化された信託依頼要求をブロック情報206に格納する。ブロック情報206に格納された信託依頼要求は、信託依頼要求トランザクション(TX)とも呼ばれ、サーバ101によって、情報端末102乃至106へブロードキャストされる。
【0045】
S304にて、サーバ101は、デジタルコンテンツAに対して、信託財産として受け入れ可能か否かを審査する。信託財産として受け入れ可能であると判定した場合、S305へ進む。信託財産として受け入れ不可能であると判定した場合、サーバ101は受け入れ不可能であると通知し、処理を終了する。
【0046】
信託財産として受け入れ可能か否かの審査は、例えば、事前設定された信託対象にデジタルコンテンツAが含まれるか否かを判定することによって、実施される。例えば、受け入れ可能な信託対象に楽曲が含まれ、デジタルコンテンツAが楽曲である場合、デジタルコンテンツAは信託財産として受け入れ可能と判断される。信託対象に合致しないコンテンツは、信託財産として受け入れ不可能と判断される。信託PFの運営者は、信託対象の設定を任意に変更できる。受け入れ可能な信託対象は、例えば、楽曲、イラスト、動画、文章、ゲーム、デザイン、デジタルファッション、デジタルグッズ、デジタルアイテム、および/またはそれらに関連したNFTそれ自体などを含む。上記の信託対象は単なる例示であり、上記以外が信託対象に含まれてよい。
【0047】
S305にて、サーバ101は、信託財産として受け入れ可能であると判定した場合、信託依頼要求を承認し、信託承認情報を生成する。サーバ101は、信託承認情報にサーバ101の署名を加えて暗号化し、暗号化された信託承認情報をブロック情報206に格納する。ブロック情報206に格納された信託承認情報は、信託承認情報トランザクション(TX)とも呼ばれ、サーバ101によって、情報端末102乃至106へブロードキャストされる。
【0048】
S306にて、サーバ101は、信託依頼要求が承認されたことに応答して、デジタルコンテンツAに対してNFTを発行し付与する。付与されたNFTには、例えば、作成者のユーザアカウント情報、NFTの識別子、対応するデジタルコンテンツの識別子、および/またはNFTの発行者の識別子などが記録される。以降、デジタルコンテンツAに関連しておよび/または対して実行される取引記録は、付与されたNFTに関連付けられた上でブロック情報206に格納され、サーバ101によって、情報端末102乃至106へブロードキャストされる。すなわち、ブロックチェーン上に記録される。
【0049】
上述の通り、既にNFTがデジタルコンテンツAに付与されている(関連付けられている)場合、S301乃至S306までの取引記録および上記情報の一部または全てが、NFTに関連付けられてブロック情報206に格納され、サーバ101によって、情報端末102乃至106へブロードキャストされる。
【0050】
以上の処理によって、デジタルコンテンツAにNFTを付与し、信託契約を成立することができる。信託設定されたデジタルコンテンツAは、運用指図に基づいて、信託PFを運営する金融機関によって運用される。その運用で得られた収益は、例えば、ユーザAの銀行口座に運用収益を送金することによって信託受益権を保有するユーザAに還元される。
【0051】
NFTを付与されたデジタルコンテンツAは、例えば、信託PFやNFTのマーケットプレイス上に掲載され、ユーザ間で取引することが可能となる。この時、デジタルコンテンツAは、データの一部のみが掲載される、および/または品質を低下させた状態で掲載されることが好ましい。例えば、楽曲の途中までは試聴できるようにする、イラストや動画の画質を低下させた状態で掲載するなどである。デジタルコンテンツを信託PFやNFTのマーケットプレイス上に掲載するかどうかは、ユーザAまたは運営者が任意に設定できる。
【0052】
NFTのマーケットプレイスとは、例えば、音楽配信サイト、動画配信サイト、仮想空間などを含むことができる。NFTを付与されたデジタルコンテンツを流通・販売できるならば、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、どのような形態でも構わない。
【0053】
取引対象は、デジタルコンテンツAの所有権、信託受益権などを含むが、これらに限定されない。また、信託受益権を複数に分割し、流通させることもできる。例えば、デジタルコンテンツAの信託受益権を100個に分割し、分割した信託受益権を流通させてもよい。この場合、分割された信託受益権を所有する(購入した)ユーザのそれぞれに運用収益が分配される。
【0054】
どの権利をいくつに分割するかは、デジタルコンテンツの制作者が決定してもよく、信託PF側が各デジタルコンテンツに適した分割する権利および分割数をユーザに提案するようにしてもよい。このような提案は、デジタルコンテンツの様々な属性から、推定され得る。信託PFが分割する権利および分割数を提案する場合、ユーザはその提案を承認したり、調整したりしてもよい。
【0055】
また、購入希望者側から、権利を分割した状態で購入したいとリクエストすることも想定される。例えば、あるユーザが、あるデジタルコンテンツの信託受益権に対して、贈与税の控除の上限である年間110万円までの配当分の購入希望をリクエストするといったことがあり得る。その後、デジタルコンテンツの権利者(信託受益権者)は、そのようなリクエストについて、承認するか否かを検討してもよく、購入希望者側から提示された購入条件に対して条件交渉してもよい。
【0056】
このような分割された権利の取引は、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば本発明のいずれかの実施形態に適用されてよく、本発明を限定しない。例えば、デジタルコンテンツの分割された信託受益権を、アプリケーション207に格納されている信託プログラムによって、管理および流通させることができる。
【0057】
信託契約の成立したデジタルコンテンツの所有権については、作成者であるユーザが保有していてもよく、受託者である金融機関に移転させてもよい。
【0058】
本発明の他の実施形態では、信託プログラムを格納するブロック情報206は、ネットワーク107に接続された情報端末102乃至106以外のコンピュータ装置に格納されることも可能である。かかる場合、情報端末102乃至106は、当該コンピュータ装置にアクセスして、信託プログラムを実行することにより、上述した処理を行うことができる。
【0059】
(処理フロー:デジタルコンテンツの受益権移転)
以下、デジタルコンテンツの受益権移転の処理のフローについて説明する。ここでは、ユーザBから情報端末103を介して、デジタルコンテンツAの信託受益権に対して購入希望があったこととして説明する。以下のフローでは、前述のデジタルコンテンツの信託依頼処理フローと同様に、アプリケーション207に格納されている信託プログラムを用いることを説明するが、説明される機能は複数のプログラムによって実行されても構わない。また、特に明記しない限り、以下のフローでは、デジタルコンテンツAの信託受益権は分割されていてもよく、分割されていなくてもよい。
【0060】
S401にて、サーバ101は、情報端末103から、信託PF上に掲載されているデジタルコンテンツAの信託受益権に対しての移転要求を受信し、移転要求にサーバ101の署名を加えて暗号化する。サーバ101は暗号化された移転要求をブロック情報206へ格納する。ブロック情報206に格納された移転要求は、移転要求トランザクション(TX)とも呼ばれ、サーバ101によって、デジタルコンテンツAのNFTに関連付けられて、情報端末102乃至106へブロードキャストされる。移転要求は、例えば、ユーザBのユーザアカウント情報、デジタルコンテンツAを識別する情報、購入金額、購入条件などの情報を含むが、これらに限定されない。
【0061】
S402にて、サーバ101は、移転要求があったという通知を情報端末102へ送信する。当該通知には、移転要求の情報の一部または全てが含まれ得る。ユーザAは通知を参照し、デジタルコンテンツAの信託受益権をユーザBに移転するか否かを判断することとなる。ここでは、ユーザAがデジタルコンテンツAの信託受益権のユーザBへの移転を承認し、情報端末102を介して、ユーザの回答を表す回答情報をサーバ101へ送信したこととする。説明を目的に、「移転を承認」または「移転を拒絶」のいずれかをユーザAが判断することとして説明するが、これら以外の選択肢があってもよい。例えば、「移転を承認」、「移転を拒絶」、および「条件交渉を希望」などの選択肢があってもよい。
【0062】
S403にて、サーバ101は、情報端末102から送信された回答情報を受信し、回答情報にサーバ101の署名を加えて暗号化する。サーバ101は暗号化された回答情報をブロック情報206へ格納する。ブロック情報206に格納された回答情報は、移転回答情報トランザクション(TX)とも呼ばれ、サーバ101によって、デジタルコンテンツAのNFTに関連付けられて、情報端末102乃至106へブロードキャストされる。
【0063】
S404にて、サーバ101は、回答情報が「移転を承認」か、または「移転を拒絶」かどうかを確認する。「移転を承認」であった場合、S405へ進む。「移転を拒絶」の場合、ユーザBに移転要求が拒絶されたことを通知して、処理を終了する。
【0064】
S405にて、サーバ101は、情報端末102から受信した回答情報に基づいて、デジタルコンテンツAの信託受益権をユーザAからユーザBへ移転する。具体的には、サーバ101は、デジタルコンテンツAのNFTに関連付けられる信託受益権の権利者がユーザAからユーザBに変更されたことを示す権利者変更情報にサーバ101の署名を加えて暗号化する。サーバ101は暗号化された権利者変更情報をブロック情報206へ格納する。ブロック情報206に格納された権利者変更情報は、権利者変更情報トランザクション(TX)とも呼ばれ、サーバ101によって、デジタルコンテンツAのNFTに関連付けられて、情報端末102乃至106へブロードキャストされる。また、サーバ101は、信託受益権移転情報208に、信託受益権の新たな保有者(ユーザB)の情報を格納する。本発明のある実施形態では、サーバ101は、信託受益権の新たな保有者が信託受益権の一部(例えば、10%など)を保有していることを示す情報を信託受益権移転情報208に格納するように構成されてもよい。このような処理を通じて、信託受益権を移転し、その移転したという取引記録が各情報端末へ共有される。
【0065】
以上の処理により、信託PF上で、デジタルコンテンツの信託受益権を、ユーザAからユーザBへ移転することができる。上記では、信託受益権の権利を移転することとして説明したが、移転する権利はこれらに限定されない。例えば、デジタルコンテンツ自体(すなわち、所有権)を取引してもよい。
【0066】
デジタルコンテンツAに紐づけられた現物が存在する場合、その現物を倉庫などの物理的なスペースで、金融機関などが預かってもよい。例えば、現実に存在する洋服と同じデザインのデジタルファッションを作成し、そのデジタルファッションを信託PF上で信託依頼することが想定される。現実に存在する洋服とこのようなデジタルファッションは、デジタルファッションを表す情報が記載されたタグなどを取り付けることで、紐づけられ得る。このようなデジタルファッションと紐づけられた現実の洋服を、デジタルファッションと併せて、金融機関などが保管、保護、運用してもよい。
【0067】
[その他の実施形態]
上述の実施形態1では、既に完成したデジタルコンテンツを信託PF上にアップロードして、信託依頼をする流れで説明した。しかしながら、あるユーザが他のユーザの作成したデジタルコンテンツを、盗用および/または転用し、信託PFに不当にアップロードし、信託依頼をする可能性がある。このような可能性を考慮し、信託PF上にデジタルコンテンツの作成を支援するツールを設け、信託PF内でデジタルコンテンツの作成から信託依頼を行う方法が企図される。
【0068】
この方法は、ユーザが信託PF上でデジタルコンテンツを作成すること、および作成したデジタルコンテンツの信託を依頼することを可能にする。したがって、デジタルコンテンツの作成者(すなわち、ユーザ)が明確となり、上記のような不当なアップロードを抑制できる。また、信託PF上でデジタルコンテンツを作成すると、デジタルコンテンツの作成者を証明しやすくなるため、信託PF上での所有権の確認作業を削減できる。
【0069】
信託PFに設けられる作成支援ツールは、特定の作成支援ツールに限定されない。例えば、楽曲の作成支援ツールは、時代別、性別、国/地域別、年代別の流行歌の特徴DBやコード進行、メロディ、曲のスピード、形式、展開、長さ、音域、利用楽器などの構成要素を取得し、試作した楽曲の分析を行える機能などを有しており、ユーザは、様々なデータや構成要素を利用して楽曲を作成することができる。支援ツールは、これ以外の種類、例えば、楽曲、イラスト、動画、文章、ゲーム、デザイン、デジタルファッション、デジタルグッズ、デジタルアイテムなど様々なデジタルコンテンツに対応した作成支援ツールを有することができる。
【0070】
これらのデジタルコンテンツの作成支援ツールは、それを実行するための支援ツールプログラムがアプリケーション207に格納されることで信託PFに設けられる。あるいは、実施形態1に記載の信託プログラム内に支援ツールプログラムが含まれていてもよい。この支援ツールプログラムは、サーバ101によってブロック情報206のブロックに記録され、情報端末102乃至106にブロードキャストされ得る。
【0071】
作成支援ツールおよびプログラムは、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、どのような作成支援ツールおよびプログラムでも構わない。例えば、信託PFの運営者が提供する作成支援ツールおよびプログラムだけでなく、第三者が提供する作成支援ツール(すなわち、サードパーティー製)を信託PF上で利用することが可能である。サードパーティー製の作成支援ツールを利用する際、信託PFの運営者は、サードパーティー製の作成支援ツールの安全性などを考慮の上で、信託PFに適用するか否かを決定することが好ましい。
【0072】
ユーザは、これらの作成支援ツールを利用してデジタルコンテンツを作成し、完成したデジタルコンテンツの信託依頼要求を、情報端末102を介してサーバ101へ送信する。サーバ101は、その信託依頼要求を受信し、デジタルコンテンツの信託依頼の処理を実行することとなる(すなわち、前述のデジタルコンテンツの信託依頼の処理フローが実行される)。また、作成支援ツールを利用して作成されたデジタルコンテンツには、自動的にNFTが付与され得る。
【0073】
以上、信託PFに設けられた作成支援ツールを利用し、デジタルコンテンツを作成することで、作成者や権利者を明確にしながら、デジタルコンテンツの信託依頼を行うことができる。
【0074】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プロ
グラムもしくは記憶媒体などとしての実施態様をとることが可能である。
【符号の説明】
【0075】
101 サーバ
102 情報端末
103 情報端末
104 情報端末
105 情報端末
106 情報端末
107 ネットワーク
201 制御部
202 主記憶部
203 補助記憶部
204 IF部
205 出力部
206 ブロック情報
207 アプリケーション
208 信託受益権移転情報
209 ユーザアカウント情報
210 バス
図1
図2
図3
図4