(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173239
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20230101AFI20231130BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20231130BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20231130BHJP
B65G 1/10 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G06Q10/08
B65G1/137 A
B65G1/00 501C
B65G1/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085359
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】大鶴 佳秀
(72)【発明者】
【氏名】柴田 雅充
(72)【発明者】
【氏名】中俣 洋一
(72)【発明者】
【氏名】松村 淳
(72)【発明者】
【氏名】杉山 正暁
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF21
3F022JJ11
3F522AA02
3F522BB25
3F522BB35
3F522CC01
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ベンダーが異なる物流設備からの設備情報を効果的に提示する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】異なるベンダーが供給する物流設備を備える物流センタや倉庫などで用いられる荷役システムのWES(Warehouse Execution System)10において、各設備インターフェースは、夫々のベンダーが供給し、収納機構に物品を格納する入庫オーダ又は収納機構から物品をピッキングする出庫オーダを処理するために用いられる各物流設備に接続する。プロセッサは、各インターフェースを通じて、各物流設備の動作に関する夫々の設備情報を取得し、各設備情報のフォーマットを共通フォーマットに変換し、各設備情報をモニタ(表示部)に表示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のベンダーが供給し、収納機構に物品を格納する入庫オーダ又は前記収納機構から前記物品をピッキングする出庫オーダを処理するために用いられる第1の物流設備に接続する第1のインターフェースと、
前記第1のベンダーと異なる第2のベンダーが供給し、前記入庫オーダ又は前記出庫オーダを処理するために用いられる第2の物流設備に接続する第2のインターフェースと、
前記第1のインターフェースを通じて、第1の物流設備の動作に関する第1の設備情報を取得し、
前記第1の設備情報のフォーマットを共通フォーマットに変換し、
前記第2のインターフェースを通じて、第2の物流設備の動作に関する第2の設備情報を取得し、
前記第2の設備情報のフォーマットを前記共通フォーマットに変換し、
前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とをモニタに表示する、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とに基づいて、前記第1の物流設備の状態及び前記第2の物流設備の状態を前記モニタに表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とに基づいて、前記第1の物流設備の稼働率及び前記第2の物流設備の稼働率を前記モニタに表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とに基づいて、前記第1の物流設備のスループット及び前記第2の物流設備のスループットを前記モニタに表示する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とに基づいて、前記第1の物流設備の性能評価及び前記第2の物流設備の性能評価を前記モニタに表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とに基づいて、前記第1の物流設備又は前記第2の物流設備のパラメータの変化を前記モニタに表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、第1の期間及び前記第1の期間と異なる第2の期間における前記第1の物流設備のパラメータの変化を前記モニタに表示する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記パラメータは、スループットである、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記第1の物流設備の模式図及び状態と前記第2の物流設備の模式図及び状態とを前記モニタに表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1の設備情報は、前記入庫オーダ又は前記出庫オーダの処理に関する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とに基づいて、前記入庫オーダ又は出庫オーダの進捗を前記モニタに表示する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記収納機構は、ステーションの1つにおいて物品を格納され、又は、ピッキングされ、
前記プロセッサは、前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とに基づいて、前記ステーションごとの入庫オーダ又は出庫オーダの処理に関する情報を前記モニタに表示する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
第1の物流設備は、前記収納機構を搬送する自動搬送車を制御するシステムである、
請求項1乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
第1の物流設備は、前記物品を搬送するコンベアである、
請求項1乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
第1の物流設備は、荷積み又は荷降ろしを行う荷積み機である、
請求項1乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
プロセッサによって実行される情報処理方法であって、
第1のベンダーが供給し、収納機構に物品を格納する入庫オーダ又は前記収納機構から前記物品をピッキングする出庫オーダを処理するために用いられる第1の物流設備の動作に関する第1の設備情報を取得し、
前記第1の設備情報のフォーマットを共通フォーマットに変換し、
前記第1のベンダーと異なる第2のベンダーが供給し、前記入庫オーダ又は前記出庫オーダを処理するために用いられる第2の物流設備に接続する第2の物流設備の動作に関する第2の設備情報を取得し、
前記第2の設備情報のフォーマットを前記共通フォーマットに変換し、
前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とをモニタに表示する、
情報処理方法。
【請求項17】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
第1のベンダーが供給し、収納機構に物品を格納する入庫オーダ又は前記収納機構から前記物品をピッキングする出庫オーダを処理するために用いられる第1の物流設備の動作に関する第1の設備情報を取得する機能と、
前記第1の設備情報のフォーマットを共通フォーマットに変換する機能と、
前記第1のベンダーと異なる第2のベンダーが供給し、前記入庫オーダ又は前記出庫オーダを処理するために用いられる第2の物流設備に接続する第2の物流設備の動作に関する第2の設備情報を取得する機能と、
前記第2の設備情報のフォーマットを前記共通フォーマットに変換する機能と、
前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とをモニタに表示する機能と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オーダに応じて物品を格納(又はピッキング)するシステムが提供されている。そのようなシステムは、棚を搬送する自動搬送車、荷積み又は荷降ろしを行う荷積み機及び物品を搬送するコンベアなどの物流設備を備える。
【0003】
システムは、物流設備の動作などに関する設備情報を各物流設備から取得する。システムは、取得された設備情報を表示する。
【0004】
従来、システムは、物流設備のベンダーが異なる場合、各物流設備からの設備情報を統一して取り扱うことができないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、ベンダーが異なる物流設備からの設備情報を効果的に提示することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、情報処理装置は、第1のインターフェースと、第2のインターフェースと、プロセッサと、を備える。第1のインターフェースは、第1のベンダーが供給し、収納機構に物品を格納する入庫オーダ又は前記収納機構から前記物品をピッキングする出庫オーダを処理するために用いられる第1の物流設備に接続する。第2のインターフェースは、前記第1のベンダーと異なる第2のベンダーが供給し、前記入庫オーダ又は前記出庫オーダを処理するために用いられる第2の物流設備に接続する。プロセッサは、前記第1のインターフェースを通じて、第1の物流設備の動作に関する第1の設備情報を取得し、前記第1の設備情報のフォーマットを共通フォーマットに変換し、前記第2のインターフェースを通じて、第2の物流設備の動作に関する第2の設備情報を取得し、前記第2の設備情報のフォーマットを前記共通フォーマットに変換し、前記第1の設備情報と前記第2の設備情報とをモニタに表示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る荷役システムの構成例を概念的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る荷役システムの制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るWESの構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るWESの表示する項目の例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るWESの表示例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るWESの表示例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るWESの表示例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る荷役システムの動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る荷役システムは、ロボットなどから構成される荷積み機を用いてパレットなどから物品を降ろす。荷役システムは、降ろされた物品をコンベアに投入する。荷役システムは、コンベアを用いて、物品をステーションに搬送する。荷役システムは、ステーションにおいて棚又はDAS(Digital Assort System)に物品を格納する。荷役システムは、棚に物品を格納した場合、自動搬送車(automated guided vehicle(AGV))を用いて、棚をステーションまで搬送し、格納が完了すると棚を戻す。
【0010】
また、荷役システムは、AGVを用いて、物品を格納した棚をステーションまで搬送する。荷役システムは、ステーションにおいて棚から物品をピッキングする。また、荷役システムは、DASから物品をピッキングしてもよい。荷役システムは、コンベアを用いて、ピッキングされた物品を荷積み機に投入する。荷役システムは、荷積み機を用いて、投入された物品をパレットなどに積む。
【0011】
また、荷役システムは、異なるベンダーが供給する物流設備を備える。ここでは、荷役システムは、A社(第1のベンダー、第2のベンダー)が供給する棚搬送システム、B社(第1のベンダー、第2のベンダー)が供給する棚搬送システム、C社(第1のベンダー、第2のベンダー)が供給するコンベアと、D社(第1のベンダー、第2のベンダー)が供給する荷積み機と、を備える。
たとえば、荷役システムは、物流センタ又は倉庫などで用いられる。
【0012】
図1は、荷役システム1の構成例を示す。
図1が示すように、荷役システム1は、ステーションP、DAS3、AGV7、複数のAGV棚8及び充電ステーション9などを備える。
【0013】
ステーションPには、オペレータ又はロボットがそれぞれ設置される。荷役システム1は、各ステーションPにおいて、オペレータ又はロボットを用いて、物品をDAS3又はAGV棚8に格納する。また、荷役システム1は、各ステーションPにおいて、オペレータ又はロボットを用いて、DAS3又は搬送されたAGV棚8から物品をピッキングする。
【0014】
また、荷役システム1は、ロボットの稼働を停止してオペレータに物品を格納又はピッキングさせることもできる。オペレータは、ステーションPに設置されている表示装置に表示される物品処理スケジュール等を目視確認して物品を処理することができる。なお、表示装置は、オペレータに割り当てられた無線通信端末であってもよい。
【0015】
また、いくつかのステーションPに表示装置を設置し、一部のステーションにロボットを設置するようにしてもよい。この場合、ロボットが設置されていないステーションPは、オペレータ用のステーションとして利用される。なお、ロボットが設置されているステーションPは、ロボット及びオペレータ用の何れのステーションとしても利用可能である。
【0016】
なお、荷役システムは、複数のカメラを備えてもよい。また、複数のカメラのうちの1又は数台を固定式カメラとし、残りを移動式カメラとしてもよい。固定式カメラは、たとえば天井、壁面、及びステーションPに対する上面と側面等に固定されたカメラであり、倉庫全体及び倉庫内で処理される物品を撮影し、撮影データをリアルタイムに出力する。撮影データは、撮影日時データ(撮影時刻含む)及び撮影画像データを含む。撮影画像データは、静止画データ及び動画データである。また、固定式カメラは、上下左右に回動してもよい。固定式カメラが、上下左右に回動することにより、広範囲に倉庫内を監視することができる。
【0017】
DAS3(収納機構)は、ステーションPに設置されている。DAS3は、物品を格納するケース4を複数個格納する。ケース4は、上部が開放された構造である。ケース4は、上部から物品を投入され又は取り出される。
【0018】
また、DAS3は、物品からコード等を読み取る端末を備えるものであってもよい。また、DAS3は、物品を投入するケース4又は物品の個数などを表示する表示装置を備えるものであってもよい。
【0019】
AGV7(第1の物流設備、第2の物流設備)は、A社又はB社が提供する物流設備である。AGV7は、後述するA社製棚搬送システム20又はB社製棚搬送システム30からの制御信号に基づき動作する。例えば、AGV7は、指定された積み込み位置へ向かって走行し、指定された積み込み位置のAGV棚8を持ち上げる。AGV7は、指定された積み降ろし位置へ向かって走行し、指定された積み降ろし位置でAGV棚8を降ろす。
【0020】
AGV棚8(収納機構)は、物品を格納する棚である。たとえば、AGV棚8は、複数の棚段から構成される。各棚段には、間口5が形成されている。各間口5は、物品を格納する。また、間口5は、物品を格納するケースを収納するものであってもよい。また、各棚段に収納される一つのケースに複数の間口5が形成されていてもよい。
【0021】
また、AGV棚8は、四本の支柱で直立する。AGV棚8の棚下の高さは(床面から棚底までの高さ)、AGV7の高さよりも高い。これにより、AGV7は、AGV棚8の棚下に潜り込むことができる。棚下に潜り込んだAGV7は、プッシャーにより床面から支柱の先端が数センチ離れる程度にAGV棚8を持ち上げて、AGV棚8を持ち上げた状態で走行する。このようにしてAGV7は、AGV棚8を搬送する。
【0022】
また、AGV棚8には、固定式カメラ又は移動式カメラ等で読み取り可能な棚識別情報が貼り付けられていてもよい。物品にも、固定式カメラ又は移動式カメラ等で読み取り可能な物品識別情報が貼り付けられていてもよい。例えば、棚識別情報及び物品識別情報は、バーコードや二次元コードである。なお、荷役システムは、固定式カメラ又は移動式カメラとは別に、これら棚識別情報及び物品識別情報を読み取る複数のリーダを備えてもよい。
【0023】
充電ステーション9は、AGV7を充電する。充電ステーション9は、電力出力部を備える。また、AGV7は、電力入力部及びバッテリーを備える。充電ステーション9は、電力出力部から出力される電力をAGV7へ供給する。AGV7は、電力入力部を介して入力される電力をバッテリーに供給する。たとえば、電力出力部の床面からの高さは、AGV7の電力入力部の床面からの高さと同一である。AGV7は、A社製棚搬送システム20又はB社製棚搬送システム30からの制御に基づき充電ステーション9の電力出力部に対応する位置まで走行し、電力入力部を電力出力部に接続し、電力供給を受ける。なお、電力入力部と電力出力部の接続は、接触又は非接触の何れでも良い。
【0024】
また、荷役システム1は、A社が提供するAGV7に対応する充電ステーション9と、B社が提供するAGV7に対応する充電ステーション9とを備えるものであってもよい。
【0025】
次に、荷役システム100の制御系について説明する。
図2は、実施形態に係る荷役システム100の制御系の構成例を示すブロック図である。
図2が示すように、荷役システム100は、WMS2(2A及び2B)、AGV7、WES10、A社製棚搬送システム20、B社製棚搬送システム30、C社製コンベア40及びD社製荷積み機50などを備える。
【0026】
WES10は、WMS2、A社製棚搬送システム20、B社製棚搬送システム30、C社製コンベア40及びD社製荷積み機50に接続する。A社製棚搬送システム20は、A社が提供するAGV7に接続する。B社製棚搬送システム30は、B社が提供するAGV7に接続する。
【0027】
WMS2(Warehouse Management System)は、倉庫管理システムと呼ばれ、1又は複数のコンピュータで実現可能である。WMS2は、AGV棚8に物品を入庫することを指示する入庫オーダをWES10に送信する。また、WMS2は、AGV棚8から物品をピッキングすることを指示する出庫オーダをWES10に送信する。
【0028】
ここでは、荷役システム100は、WMS2として、WMS2A及び2Bを備える。各WMS2は、荷主に対応する。即ち、各WMS2は、所定の荷主の入庫オーダ及び出庫オーダをWES10に送信する。
【0029】
WES10(Warehouse Execution System)(情報処理装置)は、倉庫運用管理システムと呼ばれ、1又は複数のコンピュータで実現可能である。WES10は、WMS2からの入庫オーダ及び出庫オーダなどに基づいて、DAS3、A社製棚搬送システム20、B社製棚搬送システム30、C社製コンベア40及びD社製荷積み機50などを制御する。WES10については、後に詳述する。
【0030】
A社製棚搬送システム20(第1の物流設備、第2の物流設備)は、A社が提供する物流設備である。A社製棚搬送システム20は、WES10からの制御に従って、A社が提供するAGV7を制御する。たとえば、A社製棚搬送システム20は、AGV7を用いてAGV棚8をステーションPに搬送する。また、A社製棚搬送システム20は、AGV7を用いてステーションPからAGV棚8を戻す。
【0031】
A社製棚搬送システム20は、各AGV棚8の各間口5又はDAS3のケース4が格納する物品を示す在庫情報を予め格納する。たとえば、在庫情報は、AGV棚8の識別子、当該AGV棚8に形成されている間口5の識別子、及び、当該間口5に格納されている物品を示す識別子を対応付けて格納する。また、在庫情報は、DAS3の識別子、当該DAS3が収納しているケース4の識別子、及び、当該ケース4に格納されている物品を示す識別子を対応付けて格納する。
【0032】
A社製棚搬送システム20は、所定の物品を出庫する出庫オーダをWES10から受信すると、在庫情報を参照して当該物品を格納するDAS3又はAGV棚8を特定する。
【0033】
AGV棚8を特定した場合、A社製棚搬送システム20は、AGV7を用いて特定されたAGV棚8をステーションPの1つに搬送する。A社製棚搬送システム20は、オペレータ又はロボットを用いて、搬送されたAGV棚8の間口5から当該物品をピッキングさせる。
【0034】
また、DAS3を特定した場合、A社製棚搬送システム20は、当該DAS3が設置されているステーションPにおいて、オペレータ又はロボットを用いて当該DAS3のケース4から当該物品をピッキングさせる。
【0035】
また、A社製棚搬送システム20は、所定の物品を入庫する入庫オーダをWES10から受信すると、在庫情報などに基づいて、当該物品を格納するDAS3のケース4又はAGV棚8の間口5を決定する。
【0036】
AGV棚8の間口5を決定した場合、A社製棚搬送システム20は、AGV7を用いて当該AGV棚8をステーションPの1つに搬送する。A社製棚搬送システム20は、オペレータ又はロボットを用いて、搬送されたAGV棚8の当該間口5に当該物品を格納させる。
【0037】
また、DAS3のケース4を決定した場合、A社製棚搬送システム20は、当該DAS3が設置されているステーションPにおいて、オペレータ又はロボットを用いて当該DAS3のケース4から当該物品に格納させる。
【0038】
また、A社製棚搬送システム20は、A社のフォーマット(フォーマットA1)に従って、A社製棚搬送システム20の動作に関する設備情報(第1の設備情報、第2の設備情報)をWES10に送信する。たとえば、A社製棚搬送システム20は、WES10からリクエストに従って、設備情報をWES10に送信するものであってもよい。
【0039】
たとえば、A社製棚搬送システム20は、A社製棚搬送システム20の動作に関する情報として、AGV7の状態(停止、走行、異常の有無、充電中など)を示す設備情報をWES10に所定の間隔で送信する。また、設備情報は、A社製棚搬送システム20の状態(起動、停止、異常の有無など)など)を示すものであってもよい。
【0040】
また、A社製棚搬送システム20は、A社製棚搬送システム20の動作に関する情報として、入庫オーダ及び出庫オーダの処理に関する設備情報をWES10に送信する。たとえば、A社製棚搬送システム20は、入庫オーダ又は出庫オーダを受信するごとに、入庫オーダ又は出庫オーダの成否及び完了時刻などを示す設備情報をWES10に送信する。
【0041】
なお、設備情報の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
また、A社製棚搬送システム20は、WES10からリクエストに従って、在庫情報をWES10に送信するものであってもよい。
【0042】
B社製棚搬送システム30(第1の物流設備、第2の物流設備)は、B社が提供する物流設備である。B社製棚搬送システム30は、WES10からの制御に従って、B社が提供するAGV7を制御する。
【0043】
また、B社製棚搬送システム30は、フォーマットA1と異なる、B社のフォーマット(フォーマットB1)に従って、B社製棚搬送システム30の動作に関する設備情報(第1の設備情報、第2の設備情報)をWES10に送信する。
【0044】
B社製棚搬送システム30の動作及び設備情報の構成については、A社製棚搬送システム20のそれらと同様であるため説明を省略する。
【0045】
C社製コンベア40(第1の物流設備、第2の物流設備)は、C社が提供する物流設備である。C社製コンベア40は、WES10の制御に従って、D社製荷積み機50によって投入された物品をステーションPに搬送する。C社製コンベア40は、搬送しながら物品を区分するものであってもよい。たとえば、C社製コンベア40は、物品に添付された帳票などに基づいて、配送先ごとに物品を区分する。
【0046】
たとえば、C社製コンベア40は、物品を積載する無端ベルトと無端ベルトを内側から支持するローラとローラを回転させるモータとから構成される。
【0047】
C社製コンベア40は、フォーマットA1及びB1と異なる、C社のフォーマット(フォーマットC1)に従って、C社製コンベア40の動作に関する設備情報(第1の設備情報、第2の設備情報)を送信する。たとえば、C社製コンベア40は、所定の間隔で又はWES10からのリクエストに従って設備情報をWES10に送信する。
【0048】
たとえば、C社製コンベア40は、単位時間(たとえば、1時間)あたりに搬送する物品の個数を示す設備情報をWES10に送信する。
【0049】
たとえば、C社製コンベア40は、C社製コンベア40を制御するプロセッサと物品の通過を検知するセンサとを備える。たとえば、センサは、赤外線を用いて物品の通過を検知するセンサである。
【0050】
プロセッサは、センサなどを用いて、通過する物品をカウントする。プロセッサは、カウントされた値に基づいて設備情報を生成しWES10に送信する。
【0051】
また、設備情報は、C社製コンベア40の状態(動作モード(低速モード又は高速モードなど)、又は、異常の有無))などを示すものであってもよい。
C社製コンベア40が生成する設備情報の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
なお、C社製コンベア40は、ステーションPからD社製荷積み機50に物品を搬送するものであってもよい。
【0052】
D社製荷積み機50(第1の物流設備、第2の物流設備)は、D社が提供する物流設備である。D社製荷積み機50は、荷降ろしを行う。D社製荷積み機50は、WES10の制御に従って、パレットなどから物品を降ろす。D社製荷積み機50は、降ろされた物品をC社製コンベア40に投入する。また、
たとえば、D社製荷積み機50は、物品を把持する把持機構と、把持機構を移動させるアームと、から構成される。
【0053】
また、D社製荷積み機50は、フォーマットA1、B1及びC1と異なる、D社のフォーマット(フォーマットD1)に従って、D社製荷積み機50の動作に関する設備情報(第1の設備情報、第2の設備情報)をWES10に送信する。たとえば、D社製荷積み機50は、所定の間隔で又はWES10からリクエストに従って、設備情報をWES10に送信する。
【0054】
たとえば、設備情報は、D社製荷積み機50の状態(異常の有無(正常、センサ異常、又は、投入不可など))を示す。
【0055】
また、設備情報は、D社製荷積み機50の動作モード(低速モード又は高速モードなど)などを示すものであってもよい。また、設備情報は、単位時間あたりに降ろした物品の個数を示すものであってもよい。
【0056】
D社製荷積み機50が生成する設備情報の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
なお、D社製荷積み機50は、荷降ろしを行うものであってもよい。即ち、D社製荷積み機50は、WES10の制御に従って、C社製コンベア40が搬送する物品をパレットなどに積載するものであってもよい。
【0057】
次に、WES10について説明する。
図3は、WES10の構成例を示すブロック図である。
図3が示すように、WES10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、操作部16、表示部17、第1の設備インターフェース18、第2の設備インターフェース19、第3の設備インターフェース111及び第4の設備インターフェース112などを備える。
【0058】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、操作部16、表示部17、第1の設備インターフェース18、第2の設備インターフェース19、第3の設備インターフェース111及び第4の設備インターフェース112と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、WES10は、
図3が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、WES10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0059】
プロセッサ11は、WES10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0060】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0061】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、WES10の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0062】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0063】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM14は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、WES10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0064】
通信部15は、WMS2などとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部15は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)接続をサポートする。
【0065】
操作部16は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部16は、入力された操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。たとえば、操作部16は、マウス、キーボード又はタッチパネルなどから構成される。
【0066】
表示部17は、プロセッサ11からの画像データを表示する。たとえば、表示部17は、液晶モニタから構成される。なお、操作部16がタッチパネルから構成される場合、表示部17は、操作部16としてのタッチパネルと一体的に形成されるものであってもよい。
【0067】
第1の設備インターフェース18(第1のインターフェース、第2のインターフェース)は、A社製棚搬送システム20とデータを送受信するためのインターフェースである。第1の設備インターフェース18は、ネットワークなどを介してA社製棚搬送システム20に接続する。たとえば、第1の設備インターフェース18は、有線又は無線のLAN接続をサポートする。
【0068】
第2の設備インターフェース19(第1のインターフェース、第2のインターフェース)は、B社製棚搬送システム30とデータを送受信するためのインターフェースである。第2の設備インターフェース19は、ネットワークなどを介してB社製棚搬送システム30に接続する。たとえば、第2の設備インターフェース19は、有線又は無線のLAN接続をサポートする。
【0069】
第3の設備インターフェース111(第1のインターフェース、第2のインターフェース)は、C社製コンベア40とデータを送受信するためのインターフェースである。第3の設備インターフェース111は、ネットワークなどを介してC社製コンベア40に接続する。たとえば、第3の設備インターフェース111は、有線又は無線のLAN接続をサポートする。
【0070】
第4の設備インターフェース112(第1のインターフェース、第2のインターフェース)は、D社製荷積み機50とデータを送受信するためのインターフェースである。第4の設備インターフェース112は、ネットワークなどを介してD社製荷積み機50に接続する。たとえば、第4の設備インターフェース112は、有線又は無線のLAN接続をサポートする。
【0071】
なお、通信部15、第1の設備インターフェース18、第2の設備インターフェース19、第3の設備インターフェース111及び第4の設備インターフェース112(又は、これらの一部)は、一体的に構成されるものであってもよい。
【0072】
次に、WES10が実現する機能について説明する。WES10が実現する機能は、プロセッサ11がROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0073】
まず、プロセッサ11は、WMS2からの入庫オーダ又は出庫オーダに基づいて、A社製棚搬送システム20、B社製棚搬送システム30、C社製コンベア40及びD社製荷積み機50を制御する機能を有する。
【0074】
プロセッサ11は、入庫オーダ又は出庫オーダを受信すると、A社製棚搬送システム20又はB社製棚搬送システム30などに入庫オーダ又は出庫オーダを送信する。ここで、プロセッサ11は、入庫オーダ又は出庫オーダを加工して送信してもよい。
【0075】
また、プロセッサ11は、入庫オーダ又は出庫オーダに基づいて、C社製コンベア40及びD社製荷積み機50を駆動する。
【0076】
入庫オーダ又は出庫オーダが処理されると、プロセッサ11は、通信部15を通じて、入庫オーダ又は出庫オーダの処理に関する通知(成否、処理完了日時、オペレータ情報、物品識別情報など)をWMS2に送信する。
【0077】
また、プロセッサ11は、各物流設備から設備情報を取得する機能を有する。
たとえば、プロセッサ11は、第1の設備インターフェース18を通じて、設備情報を要求するリクエストを所定のタイミングでA社製棚搬送システム20に送信する。プロセッサ11は、第1の設備インターフェース18を通じて、リクエストに対するレスポンスとして設備情報をA社製棚搬送システム20から取得する。
【0078】
また、プロセッサ11は、第1の設備インターフェース18を通じて、プッシュ通知で設備情報をA社製棚搬送システム20から取得するものであってもよい。
【0079】
また、プロセッサ11は、キューイング機能により設備情報をA社製棚搬送システム20から取得するものであってもよい。
【0080】
設備情報を取得すると、プロセッサ11は、設備情報のフォーマットを所定のフォーマット(共通フォーマット)に変換する。即ち、プロセッサ11は、設備情報をフォーマットA1から共通フォーマットに変換する。プロセッサ11は、共通フォーマットに変換された設備情報をNVM14に格納する。
【0081】
なお、プロセッサ11は、A社製棚搬送システム20に、物流設備を識別するためのIDを割り当ててもよい。たとえば、プロセッサ11は、A社製棚搬送システム20からの設備情報にA社製棚搬送システム20のIDを割り当てて管理してもよい。
【0082】
同様に、プロセッサ11は、第2の設備インターフェース19、第3の設備インターフェース111及び第4の設備インターフェース112を通じて設備情報をB社製棚搬送システム30、C社製コンベア40及びD社製荷積み機50からそれぞれ取得する。
プロセッサ11は、各設備情報を共通フォーマットに変換してNVM14に格納する。
【0083】
また、プロセッサ11は、A社製棚搬送システム20又はB社製棚搬送システム30から在庫情報を取得するものであってもよい。
【0084】
また、プロセッサ11は、設備情報を表示部17に表示する機能を有する。
プロセッサ11は、設備情報又は設備情報を加工して得られた情報を表示部17に表示する。
【0085】
図4は、プロセッサ11が設備情報に基づいて表示する項目の例を示す。
図4が示すようには、プロセッサ11は、項目として、「設備状態」、「作業状態」、「設備稼働率」、「オーダ処理率」、「性能評価」、「棚/DAS利用状況」及び「間口空き情報」などを表示する。
【0086】
「設備状態」は、各物流設備の状態を示す。たとえば、「設備状態」は、各AGV7の状態、A社製棚搬送システム20の状態、B社製棚搬送システム30の状態、C社製コンベア40及びD社製荷積み機50の状態などを示す。
【0087】
「作業状態」は、入庫オーダ又は出庫オーダの進捗を示す。たとえば、「作業状態」は、未処理の入庫オーダ又は出庫オーダ、処理中の入庫オーダ又は出庫オーダ、処理済みの入庫オーダ又は出庫オーダ、及び、処理に失敗した入庫オーダ又は出庫オーダなどを示す。また、「作業状態」は、入庫オーダ又は出庫オーダの処理が完了した日時を含むものであってもよい。たとえば、プロセッサ11は、A社製棚搬送システム20及びB社製棚搬送システム30からの設備情報に基づいて、入庫オーダ及び出庫オーダの進捗を判定する。
【0088】
「設備稼働率」は、各物流設備の稼働率を示す。たとえば、「設備稼働率」は、AGV7の個数に対する走行中のAGV7の個数の割合を示す。また、「設備稼働率」は、A社が提供するAGV7の稼働率と、B社が提供するAGV7の稼働率と、を個別に示すものであってもよい。また、「設備稼働率」は、荷役システム1の稼働時間に対する、C社製コンベア40又はD社製荷積み機50の稼働時間の割合などを示すものであってもよい。
【0089】
また、プロセッサ11は、各物流設備に稼働率に基づいて、台数の過不足、経年劣化、異常回数、各物流設備のスループットなどを推測してもよい。プロセッサ11は、「設備稼働率」として、推測された情報を含めてもよい。
【0090】
「オーダ処理率」は、各ステーションで処理された入庫オーダ及び出庫オーダに関する。たとえば、「オーダ処理率」は、各ステーションで処理された入庫オーダ及び出庫オーダの個数を示す。また、「オーダ処理率」は、各ステーションで単位時間あたりに処理された入庫オーダ及び出庫オーダの個数(スループット)を示す。また、「オーダ処理率」は、WES10が入庫オーダ及び出庫オーダを受信してから入庫オーダ及び出庫オーダが完了するまでの時間(リードタイム)を示すものであってもよい。
【0091】
「性能評価」は、各物流設備の性能に関する。たとえば、「性能評価」は、時間帯別のAGV棚8の待ち時間(ステーションPでの待ち時間)、作業時間(ステーションPにおける格納又はピッキングに掛かる時間)、又は、ヒット率(AGV棚8が格納する、同時にピッキングされる物品の個数、又は、物品の種類数)などを示す。
【0092】
「棚/DAS利用状況」は、AGV棚8及びDAS3が物品を格納している状況を示す。たとえば、「棚/DAS利用状況」は、どの位置又は種類の間口5又はケース4が利用されているかを示す。また、「棚/DAS利用状況」は、最新の状況を示すものであってもよいし、間口5又はケース4の位置又は種類の統計的な利用頻度を示すものであってもよい。「棚/DAS利用状況」は、在庫情報に基づくものであってもよい。
【0093】
「間口空き状況」は、間口5の種類ごとの空き状況を示す。「間口空き状況」は、在庫情報に基づくものであってもよい。
なお、プロセッサ11が表示する項目は、特定の構成に限定されるものではない。
【0094】
たとえば、プロセッサ11は、アイコンなどへのタップ又はクリックによって、表示する項目の選択を受け付ける。プロセッサ11は、上記の項目内でさらに詳細な項目の選択を受け付けてもよい。
【0095】
項目の選択を受け付けると、プロセッサ11は、選択された項目を表示部17に表示する。なお、プロセッサ11は、複数の項目を表示するものであってもよい。
【0096】
次に、プロセッサ11が設備情報を表示する他の例について説明する。
図5は、プロセッサ11が表示する表示画面(比較分析画面)の例を示す。比較分析画面は、物流設備のパラメータの変化を比較するための画面である。
【0097】
ここでは、プロセッサ11は、同一の物流設備において期間ごとのパラメータの変化を示す比較分析画面を表示する。
たとえば、プロセッサ11は、操作部16を通じて、比較分析画面を表示する操作を入力する。当該操作を入力すると、プロセッサ11は、操作部16を通じて、物流設備、パラメータ及び複数の期間を入力する。物流設備、パラメータ及び複数の期間を入力すると、プロセッサ11は、入力された各期間における当該物流設備の当該パラメータの変化を示す比較分析画面を表示部17に表示する。
【0098】
図5が示す例では、プロセッサ11は、物流設備としてA社製のAGV7、パラメータとしてスループット、期間として2022/1/1から2022/1/31(第1の期間)及び2022/2/2から2022/2/28(第2の期間)を入力したものとする。
【0099】
図5が示すように、比較分析画面は、表示領域61a乃至64a及び表示領域61b乃至64bを備える。
表示領域61a及び61bは、対象となる物流設備を表示する。ここでは、表示領域61a及び61bは、A社製AGV(A社が提供するAGV7)を表示する。
【0100】
表示領域62a及び62bは、対象となるパラメータを表示する。ここでは、表示領域62a及び62bは、スループットを表示する。
表示領域63a及び63bは、対象となる期間を表示する。ここでは、表示領域63aは、第1の期間を表示する。また、表示領域63bは、第2の期間を表示する。
【0101】
表示領域64a及び64bは、対象となる期間におけるパラメータの変化を示すグラフを表示する。横軸は、時間を示す。また、縦軸は、パラメータの値を示す。表示領域64aは、第1の期間におけるパラメータ(ここでは、スループット)の変化を示す。表示領域64bは、第2の期間におけるパラメータ(ここでは、スループット)の変化を示す。
【0102】
なお、比較分析画面は、同一の期間において異なる物流装置のパラメータの変化を表示するものであってもよい。また、比較分析画面は、同一の期間において同一の物流装置の異なるパラメータの変化を表示するものであってもよい。たとえば、比較分析画面は、所定の期間におけるA社製棚搬送システム20の入庫スループットと出庫スループットとの変化を表示するものであってもよい。
比較分析画面の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0103】
次に、プロセッサ11が設備情報を表示するさらに他の例について説明する。
図6は、プロセッサ11が表示する画面(俯瞰画面)の例を示す。俯瞰画面は、各物流設備の状態を表示するための画面である。
【0104】
たとえば、プロセッサ11は、操作部16を通じて、俯瞰画面を表示する操作を入力する。当該操作を入力すると、プロセッサ11は、俯瞰画面を表示部17に表示する。
【0105】
図6が示すように、俯瞰画面は、ウインドウ70、及び、模式
図7P、73、74、75、77、78並びに79などを表示する。
【0106】
ウインドウ70は、各物流設備の状態を表示する。たとえば、ウインドウ70は、各AGV7、C社製コンベア40及びD社製荷積み機50の状態などを表示する。また、プロセッサ11は、各物流設備からの設備情報に基づいてウインドウ70を適宜更新する。
【0107】
模式
図7Pは、ステーションPを模式した図である。模式
図7Pは、ステーションPの大まかな外観及び位置を示す。
【0108】
模式
図73は、DAS3を模式した図である。模式
図73は、DAS3の大まかな外観及び位置を示す。
【0109】
模式
図74は、C社製コンベア40を模式した図である。模式
図74は、C社製コンベア40の大まかな外観及び位置を示す。また、模式
図74は、C社製コンベア40が物品を搬送する方向を示す矢印を備えるものであってもよい。
【0110】
模式
図75は、D社製荷積み機50を模式した図である。模式
図75は、D社製荷積み機50の大まかな外観及び位置を示す。
【0111】
模式
図77は、AGV7を模式した図である。模式
図77は、AVG7の大まかな外観及び位置を示す。また、模式
図77は、走行中のAGV7の現在位置に表示されるものであってもよい。
【0112】
模式
図78は、AGV棚8を模式した図である。模式
図78は、AGV棚8の大まかな外観及び位置を示す。
模式
図79は、充電ステーション9を模式した図である。模式
図79は、充電ステーション9の大まかな外観及び位置を示す。
なお、俯瞰画面の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0113】
次に、エラーが生じた場合の俯瞰画面について説明する。
プロセッサ11は、設備情報の状態が異常(センサ異常などを含む)を示す場合、エラーが生じたと判定する。また、プロセッサ11は、所定の条件が充足した場合、エラーが生じたと判定する。たとえば、プロセッサ11は、C社製コンベア40が物品を搬送しない期間が所定の閾値を超えた場合、エラーが生じたと判定する。
【0114】
図7は、エラーが生じた場合の俯瞰画面の例を示す。
図7が示すように、俯瞰画面は、ウインドウ70、アイコン71並びに72、及び、模式
図7P、73、74、75、77、78並びに79などを表示する。
【0115】
ウインドウ70、及び、模式
図7P、73、74、75、77、78並びに79については、前述の通りである。
アイコン71及び72は、エラーの内容を表示する。
【0116】
ここでは、アイコン71は、C社製コンベア40に関するエラーの内容を表示する。アイコン71は、模式
図74を指す。
図7の例では、アイコン71は、エラーの内容として「一定時間物品なし」を表示する。
【0117】
アイコン72は、D社製荷積み機50に関するエラーの内容を表示する。アイコン72は、模式
図75を指す。
図7の例では、アイコン72は、エラーの内容として「センサ異常」を表示する。
なお、エラーが生じた場合の俯瞰画面の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0118】
次に、荷役システム1が状態情報を格納する動作例について説明する。
図8は、荷役システム1が状態情報を格納する動作例について説明するためのシーケンス図である。
【0119】
まず、A社製棚搬送システム20などの物流設備は、状態などに関する設備情報をWES10に送信する(S11)。
【0120】
WES10のプロセッサ11は、第1の設備インターフェース18などを通じて、各物流設備から設備情報を受信する。設備情報を受信すると、プロセッサ11は、受信された設備情報をNVM14に格納する(S12)。
荷役システム1は、所定の間隔でS11及びS12を繰り替える。
【0121】
ここで、WMS2(2A又は2B)は、入庫オーダ又は出庫オーダ(オーダ情報)をWES10に送信する(S13)。
【0122】
WES10のプロセッサ11は、通信部15を通じて、WMS2からオーダ情報を受信する。オーダ情報を受信すると、プロセッサ11は、受信されたオーダ情報をNVM14に格納する(S14)。
受信されたオーダ情報を格納すると、プロセッサ11は、第1の設備インターフェース18などを通じてA社製棚搬送システム20などの物流設備にオーダ情報を送信する(S15)。ここで、プロセッサ11は、物流設備ごとにオーダ情報を加工して送信するものであってもよい。
【0123】
A社製棚搬送システム20などの物流設備は、オーダ情報をWES10から受信する。オーダ情報を受信すると、物流設備は、オーダ情報に従って入庫オーダ又は出庫オーダを処理する。入庫オーダ又は出庫オーダを処理すると、物流設備は、入庫オーダ又は出庫オーダの処理などに関する設備情報をWES10に送信する(S16)。
【0124】
WES10のプロセッサ11は、第1の設備インターフェース18などを通じて、各物流設備から設備情報を受信する。設備情報を受信すると、プロセッサ11は、受信された設備情報をNVM14に格納する(S17)。
【0125】
受信された設備情報を格納すると、プロセッサ11は、通信部15を通じて、入庫オーダ又は出庫オーダの処理結果を示す通知をWMS2に送信する(S18)。
WMS2は、当該通知を受信する。WMS2が当該通知を受信すると、荷役システム1は、S11に戻る。
【0126】
なお、荷役システム1は、物品を格納又はピッキングするロボットを物流設備として備えるものであってもよい。この場合、荷役システム1は、ロボットからの設備情報を表示するものであってもよい。
【0127】
また、WES10のプロセッサ11は、所定のアルゴリズムに従って設備情報に基づいて物流設備の配置などを提案するものであってもよい。
たとえば、プロセッサ11は、AGV7の稼働率が所定の閾値よりも低い場合(又は、低い状態で所定の期間が経過した場合)、AGV7の台数を減らすよう提案する。また、プロセッサ11は、AGV7の稼働率が所定の閾値よりも高い場合(又は、高い状態で所定の期間が経過した場合)、AGV7の台数を増やすよう提案する。
【0128】
また、プロセッサ11は、所定の期間においてAGV棚8の待ち時間が所定の閾値よりも長い場合、ステーションPを増やすよう提案する。また、プロセッサ11は、所定の期間においてステーションPが作業していない時間の合計が所定の閾値以上である場合、ステーションPを減らすよう提案する。
プロセッサ11の提案の内容及びアルゴリズムは、特定の構成に限定されるものではない。
【0129】
また、プロセッサ11は、各設備情報の状態に基づいて、異常の真因を推定するものであってもよい。たとえば、プロセッサ11は、C社製コンベア40の状態が「一定時間物品なし」であることの真因として、D社製荷積み機50の「センサ異常」を推定する。
【0130】
以上のように構成された荷役システムは、異なるベンダーが供給する物流設備から設備情報を受信する。荷役システムは、複数の設備情報を統合して表示する。その結果、荷役システムは、各物流設備の状態をオペレータに効果的に提示することができる。
【0131】
また、荷役システムは、各設備情報の異常を一画面でオペレータに表示する。その結果、荷役システムは、オペレータによる異常の真因推定を支援することができる。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0133】
1…荷役システム、2…WMS、2A…WMS、2B…WMS、3…DAS、4…ケース、5…間口、7…AGV、7P…模式図、8…AGV棚、9…充電ステーション、10…WES、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…通信部、16…操作部、17…表示部、18…第1の設備インターフェース、19…第2の設備インターフェース、20…A社製棚搬送システム、30…B社製棚搬送システム、40…C社製コンベア、50…D社製荷積み機、61a…表示領域、61b…表示領域、62a…表示領域、62b…表示領域、63a…表示領域、63b…表示領域、64a…表示領域、64b…表示領域、70…ウインドウ、71…アイコン、72…アイコン、73…模式図、74…模式図、75…模式図、77…模式図、78…模式図、79…模式図、100…荷役システム、111…第3の設備インターフェース、112…第4の設備インターフェース。