IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社シマノの特許一覧

<>
  • 特開-ドライブユニット 図1
  • 特開-ドライブユニット 図2
  • 特開-ドライブユニット 図3
  • 特開-ドライブユニット 図4
  • 特開-ドライブユニット 図5
  • 特開-ドライブユニット 図6
  • 特開-ドライブユニット 図7
  • 特開-ドライブユニット 図8
  • 特開-ドライブユニット 図9
  • 特開-ドライブユニット 図10
  • 特開-ドライブユニット 図11
  • 特開-ドライブユニット 図12
  • 特開-ドライブユニット 図13
  • 特開-ドライブユニット 図14
  • 特開-ドライブユニット 図15
  • 特開-ドライブユニット 図16
  • 特開-ドライブユニット 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173281
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】ドライブユニット
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20231130BHJP
   B62M 6/55 20100101ALI20231130BHJP
   B62M 11/14 20060101ALI20231130BHJP
   B62M 9/08 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B62M6/45
B62M6/55
B62M11/14
B62M9/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085435
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】山本 貴士
(57)【要約】
【課題】変速し易くできるドライブユニットを提供する。
【解決手段】人力駆動車に推進力を付与するように構成される電気モータと、人力駆動力が入力される入力回転軸と、前記入力回転軸から人力駆動力が伝達され、かつ、前記電気モータからモータ駆動力が伝達される出力回転軸と、ベース部において前記入力回転軸と前記出力回転軸との間における前記人力駆動力の伝達経路に設けられ、変速比率を変更するように構成される変速機構と、前記電気モータを制御するように構成される制御部と、を備え、前記変速機構は、前記入力回転軸に接続される入力部分と、前記出力回転軸に接続される出力部分とを含み、前記電気モータは、前記変速機構の前記入力部分を介さずに、前記変速機構の前記出力部分に接続され、前記制御部は、前記変速機構の前記変速比率が変更される場合、前記モータ駆動力が増加するように前記電気モータを制御する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
ベース部と、
前記ベース部に設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成される電気モータと、
前記ベース部に回転可能に設けられ、人力駆動力が入力される入力回転軸と、
前記ベース部に回転可能に設けられ、前記入力回転軸から人力駆動力が伝達され、かつ、前記電気モータからモータ駆動力が伝達される出力回転軸と、
前記ベース部において前記入力回転軸と前記出力回転軸との間における前記人力駆動力の伝達経路に設けられ、変速比率を変更するように構成される変速機構と、
前記電気モータを制御するように構成される制御部と、を備え、
前記変速機構は、前記入力回転軸に接続される入力部分と、前記出力回転軸に接続される出力部分とを含み、
前記電気モータは、前記変速機構の前記入力部分を介さずに、前記変速機構の前記出力部分に接続され、
前記制御部は、前記変速機構の前記変速比率が変更される場合、前記モータ駆動力が増加するように前記電気モータを制御する、ドライブユニット。
【請求項2】
前記制御部は、前記人力駆動力が予め定める人力駆動力よりも小さい場合、かつ、前記変速機構の前記変速比率が変更される場合、前記モータ駆動力を増加させないように前記電気モータを制御する、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項3】
前記変速機構は、
前記ベース部に設けられ、前記入力回転軸からの前記人力駆動力によって回転可能な中継軸と、
前記中継軸に選択的に接続可能に設けられ、前記入力回転軸に接続される複数の中継軸入力回転体と、
前記人力駆動力が前記中継軸に伝達されるように、前記複数の中継軸入力回転体を選択的に前記中継軸に接続するように構成される接続部と、
前記中継軸に設けられ、前記出力回転軸に接続される1、または、複数の中継軸出力回転体と、を含み、
前記電気モータは、前記複数の中継軸入力回転体を介さずに前記中継軸に接続される、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項4】
前記1、または、複数の中継軸出力回転体は、複数の中継軸出力回転体を含み、
前記複数の中継軸出力回転体は、前記中継軸に選択的に接続可能に設けられ、
前記接続部は、前記人力駆動力が前記出力回転軸に伝達されるように、前記複数の中継軸出力回転体を選択的に前記出力回転軸に接続するように構成される、請求項3に記載のドライブユニット。
【請求項5】
前記制御部は、前記接続部によって前記複数の中継軸入力回転体と、前記中継軸との接続状態を変更する場合に、前記モータ駆動力を増加させる、請求項3、または、4に記載のドライブユニット。
【請求項6】
前記制御部は、前記接続部によって前記複数の中継軸入力回転体と、前記中継軸との接続状態を変更する前に、前記モータ駆動力を増加させる、請求項3、または4、に記載のドライブユニット。
【請求項7】
前記変速機構は、
前記出力回転軸と一体に回転するように構成され、前記1、または、複数の中継軸出力回転体にそれぞれ接続される前記1、または、複数の出力軸回転体を含み、
前記電気モータは、前記1、または、複数の中継軸出力回転体のいずれか1つに接続され、
前記1、または、複数の中継軸出力回転体と、前記1、または、複数の出力軸回転体とは、減速機を構成する、請求項3、または、4に記載のドライブユニット。
【請求項8】
前記変速機構は、無段変速機構、または、遊星歯車機構を含む、請求項1、または、2に記載のドライブユニット。
【請求項9】
前記入力回転軸は、クランク軸を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用のドライブユニットの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人力駆動車用のドライブユニットが知られている。例えば、特許文献1には、電気モータ、および、変速機構を備えるドライブユニットの技術が開示される。変速機構は、複数のギア、および、切替部を含む。変速機構は、ユーザの操作に応じて切替部を動作させることによって複数のギアの中から人力駆動力を伝達するギアを切り替えて、変速比率を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2012/066124A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のドライブユニットは、人力駆動車に人力駆動力が入力される状態において変速機構が変速比率を変更する場合に、変速機構に負荷がかかっているため変速し難い。
【0005】
本開示の目的は、変速し易くできるドライブユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、ベース部と、前記ベース部に設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成される電気モータと、前記ベース部に回転可能に設けられ、人力駆動力が入力される入力回転軸と、前記ベース部に回転可能に設けられ、前記入力回転軸から人力駆動力が伝達され、かつ、前記電気モータからモータ駆動力が伝達される出力回転軸と、前記ベース部において前記入力回転軸と前記出力回転軸との間における前記人力駆動力の伝達経路に設けられ、変速比率を変更するように構成される変速機構と、前記電気モータを制御するように構成される制御部と、を備え、前記変速機構は、前記入力回転軸に接続される入力部分と、前記出力回転軸に接続される出力部分とを含み、前記電気モータは、前記変速機構の前記入力部分を介さずに、前記変速機構の前記出力部分に接続され、前記制御部は、前記変速機構の前記変速比率が変更される場合、前記モータ駆動力が増加するように前記電気モータを制御する。
第1側面のドライブユニットによれば、変速比率が変更される場合にモータ駆動力が増加することによって、変速機構にかかる負荷を低減できるため、変速し易くできる。
【0007】
第1側面に従う第2側面のドライブユニットにおいて、前記制御部は、前記人力駆動力が予め定める人力駆動力よりも小さい場合、かつ、前記変速機構の前記変速比率が変更される場合、前記モータ駆動力を増加させないように前記電気モータを制御する。
第2側面のドライブユニットによれば、人力駆動力が予め定める人力駆動力よりも小さく、変速機構にかかる負荷が小さい場合において、モータ駆動力を増加させないようにして、電力の消費を抑制できる。
【0008】
第1側面に従う第3側面のドライブユニットにおいて、前記変速機構は、前記ベース部に設けられ、前記入力回転軸からの前記人力駆動力によって回転可能な中継軸と、前記中継軸に選択的に接続可能に設けられ、前記入力回転軸に接続される複数の中継軸入力回転体と、前記人力駆動力が前記中継軸に伝達されるように、前記複数の中継軸入力回転体を選択的に前記中継軸に接続するように構成される接続部と、前記中継軸に設けられ、前記出力回転軸に接続される1、または、複数の中継軸出力回転体と、を含み、前記電気モータは、前記複数の中継軸入力回転体を介さずに前記中継軸に接続される。
第3側面のドライブユニットによれば、モータの駆動力を増加させることによって中継軸の回転速度を増加させ、複数の中継軸入力回転体と、中継軸との接続状態を変更する際に接続部にかかる負荷を低減できる。
【0009】
第3側面に従う第4側面のドライブユニットにおいて、前記1、または、複数の中継軸出力回転体は、複数の中継軸出力回転体を含み、前記複数の中継軸出力回転体は、前記中継軸に選択的に接続可能に設けられ、前記接続部は、前記人力駆動力が前記出力回転軸に伝達されるように、前記複数の中継軸出力回転体を選択的に前記出力回転軸に接続するように構成されるものである。
第4側面のドライブユニットによれば、モータの駆動力を増加させることによって中継軸の回転速度を増加させ、複数の中継軸出力回転体と、中継軸との接続状態を変更する際に接続部にかかる負荷を低減できる。
【0010】
第3、または、第4側面に従う第5側面のドライブユニットにおいて、前記制御部は、前記接続部によって前記複数の中継軸入力回転体と、前記中継軸との接続状態を変更する場合に、前記モータ駆動力を増加させる。
第5側面のドライブユニットによれば、複数の中継軸入力回転体と、中継軸との接続状態を変更する際に接続部にかかる負荷を低減できる。
【0011】
第3、または、第4側面に従う第6側面のドライブユニットにおいて、前記制御部は、前記接続部によって前記複数の中継軸入力回転体と、前記中継軸との接続状態を変更する前に、前記モータ駆動力を増加させる。
第6側面のドライブユニットによれば、複数の中継軸入力回転体と、中継軸との接続状態を変更する際に接続部にかかる負荷を効果的に低減できる。
【0012】
第3、または、第4側面に従う第7側面のドライブユニットにおいて、前記変速機構は、前記出力回転軸と一体に回転するように構成され、前記1、または、複数の中継軸出力回転体にそれぞれ接続される前記1、または、複数の出力軸回転体を含み、前記電気モータは、前記1、または、複数の中継軸出力回転体のいずれか1つに接続され、前記1、または、複数の中継軸出力回転体と、前記1、または、複数の出力軸回転体とは、減速機を構成する。
第7側面のドライブユニットによれば、モータの回転速度を中継軸出力回転体、および、出力軸回転体によって減速できる。
【0013】
第1、または、第2側面に従う第8側面のドライブユニットにおいて、前記変速機構は、無段変速機構、または、遊星歯車機構を含む。
第8側面のドライブユニットによれば、無段変速機構、または、遊星歯車機構にかかる負荷を低減できる。
【0014】
第1から第4側面のいずれか1つに従う第9側面のドライブユニットにおいて、前記入力回転軸は、クランク軸を含む。
第9側面のドライブユニットによれば、クランク軸を備えるドライブユニットにおいて、変速機構にかかる負荷を低減できる。
【発明の効果】
【0015】
本開示のドライブユニットによれば、変速し易くできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係るドライブユニット、および、ドライブトレインを示す側面図。
図2】ドライブユニットの構成を示す模式図。
図3】接続部によって中継軸と中継軸回転体とが接続される状態を示す側面図。
図4】中継軸と中継軸回転体とが接続されない状態を示す側面図。
図5】ドライブユニットの一例を示すブロック図。
図6】第1実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図7】人力駆動力、および、モータ駆動力が伝達される様子を示す模式図。
図8】第2実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図9】第3実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図10】第4実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図11】第5実施形態に係るドライブユニットの構成を示す模式図。
図12】第6実施形態に係るドライブユニットの構成を示す模式図。
図13】第7実施形態に係るドライブユニットの構成を示す模式図。
図14】第8実施形態に係るドライブユニットの構成を示す模式図。
図15】第9実施形態に係るドライブユニットの構成を示す模式図。
図16】第10実施形態に係るドライブユニットの構成を示す模式図。
図17】第11実施形態に係る遊星歯車機構の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るドライブユニット6が説明される。第1実施形態に係るドライブユニット6の説明には、図1から図7が用いられる。図1には、ドライブユニット6、および、ドライブトレイン1が示される。ドライブユニット6、および、ドライブトレイン1は、人力駆動車に設けられる。
【0018】
人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば1輪車、および、2輪以上の車輪を有する乗り物を含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータ62の駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータ62によって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。
【0019】
図1に示されるドライブトレイン1は、人力駆動力を車輪に伝達するように構成される。ドライブトレイン1は、クランク2、フロントスプロケット3、ドライブチェーン4、および、リアスプロケット5を含む。
【0020】
クランク2は、人力駆動車のフレームに対して回転可能なクランク軸2a、クランク軸2aの軸方向の両端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム2bを含む。一対のクランクアーム2bには、それぞれペダル2cが連結される。
【0021】
フロントスプロケット3は、ドライブチェーン4を介してリアスプロケット5と連結される。フロントスプロケット3は、ベルト、および、シャフトの少なくとも1つを介してリアスプロケット5と連結されてもよい。ドライブトレイン1は、スプロケットにかえて、プーリ、および、ベベルギアの少なくとも1つを含んでもよい。
【0022】
ドライブユニット6は、人力駆動車用のドライブユニット6であって、ベース部10と、ベース部10に設けられ、人力駆動車に推進力を付与するように構成される電気モータ62と、ベース部10に回転可能に設けられ、人力駆動力が入力される入力回転軸20と、ベース部10に回転可能に設けられ、入力回転軸20から人力駆動力が伝達され、かつ、電気モータ62からモータ駆動力が伝達される出力回転軸30と、ベース部10において入力回転軸20と出力回転軸30との間における人力駆動力の伝達経路に設けられ、変速比率を変更するように構成される変速機構40と、電気モータ62を制御するように構成される制御部72と、を備える。
【0023】
図1から図5には、ドライブユニット6の一例が示される。ドライブユニット6は、ベース部10、入力回転軸20、出力回転軸30、変速機構40、駆動部60、および、制御装置70を含む。図1、および、図2に示されるベース部10は、中空状に形成され、ハウジングを形成する。ベース部10は、人力駆動車のフレームに設けられる。ベース部10は、クランク軸2aを回転可能に支持する。
【0024】
入力回転軸20は、ベース部10を貫通するように設けられる。入力回転軸20は、回転中心軸心を有する。入力回転軸20の回転中心軸心は、クランク軸2aの回転中心軸心と同軸上に配置される。本実施形態では、入力回転軸20は、クランク軸2aを含む。入力回転軸20は、クランク軸2aにかえて、クランク軸2aとは異なる部材を含んでもよい。入力回転軸20は、中空状に形成されてもよく、中実に形成されてもよい。
【0025】
出力回転軸30は、入力回転軸20に対して相対回転するように構成される。出力回転軸30には、フロントスプロケット3が固定される。出力回転軸30は、回転中心軸心を有する。出力回転軸30の回転中心軸心は、クランク軸2aの回転中心軸心と同軸上に配置される。出力回転軸30は、中空状に形成される。出力回転軸30は、入力回転軸20の径方向の外側に配置され、入力回転軸20の回転中心軸心まわりに入力回転軸20を囲んで配置される。入力回転軸20は、出力回転軸30を貫通するように配置される。
【0026】
変速機構40は、ベース部10に設けられる。変速機構40は、ベース部10の内部空間に配置される。変速機構40は、入力回転軸20に接続される入力部分41と、出力回転軸30に接続される出力部分44とを含む。本実施形態では、変速機構40は、ベース部10に設けられ、入力回転軸20からの人力駆動力によって回転可能な中継軸47と、中継軸47に選択的に接続可能に設けられ、入力回転軸20に接続される複数の中継軸入力回転体50と、人力駆動力が中継軸47に伝達されるように、複数の中継軸入力回転体50を選択的に中継軸47に接続するように構成される接続部56と、中継軸47に設けられ、出力回転軸30に接続される1、または、複数の中継軸出力回転体53と、をさらに含む。1、または、複数の中継軸出力回転体53は、複数の中継軸出力回転体53を含む。複数の中継軸出力回転体53は、中継軸47に選択的に接続可能に設けられる。
【0027】
図2には、変速機構40の一例が示される。図2に示される変速機構40は、入力部分41、出力部分44、中継軸47、少なくとも1つの中継軸入力回転体50、少なくとも1つの中継軸出力回転体53、および、接続部56を含む。
【0028】
入力部分41は、少なくとも1つの入力軸回転体42を含む。本実施形態では、入力部分41は、2つの入力軸回転体42を含む。2つの入力軸回転体42は、入力回転軸20の軸方向に並んで配置される。2つの入力軸回転体42は、入力回転軸20と一体的に回転するように構成される。2つの入力軸回転体42は、入力回転軸20の回転中心軸心と同軸上に配置される回転中心軸心を有する。各入力軸回転体42は、外歯車によって形成される。本明細書において、2つの入力軸回転体42のうち、入力回転軸20の軸方向においてフロントスプロケット3から遠い位置に配置される入力軸回転体42が第1入力軸回転体42aとして記載される。本明細書において、2つの入力軸回転体42のうち、入力回転軸20の軸方向においてフロントスプロケット3から近い位置に配置される入力軸回転体42が第2入力軸回転体42bとして記載される。第1入力軸回転体42aの直径と、第2入力軸回転体42bの直径とは異なる。第1入力軸回転体42aの歯数と、第2入力軸回転体42bの歯数とは異なる。
【0029】
出力部分44は、少なくとも1つの出力軸回転体45を含む。本実施形態では、出力部分44は、2つの出力軸回転体45を含む。2つの出力軸回転体45は、出力回転軸30の軸方向に並んで配置される。2つの出力軸回転体45は、出力回転軸30と一体的に回転するように構成される。2つの出力軸回転体45は、出力回転軸30の回転中心軸心と同軸上に配置される回転中心軸心を有する。各出力軸回転体45は、各入力軸回転体42と同様に、外歯車によって形成される。本明細書において、2つの出力軸回転体45のうち、入力回転軸20の軸方向においてフロントスプロケット3から遠い位置に配置される出力軸回転体45が第1出力軸回転体45aとして記載される。本明細書において、2つの出力軸回転体45のうち、入力回転軸20の軸方向においてフロントスプロケット3から近い位置に配置される出力軸回転体45が第2出力軸回転体45bとして記載される。第1出力軸回転体45aの直径と、第2出力軸回転体45bの直径とは異なる。第1出力軸回転体45aの歯数と、第2出力軸回転体45bの歯数とは異なる。
【0030】
中継軸47は、ベース部10に回転可能に設けられる。中継軸47は、中空状に形成される。中継軸47は、回転中心軸心を有する。中継軸47の回転中心軸心は、クランク軸2aの回転中心軸心とは異なる。中継軸47は、中継軸47の回転中心軸心がクランク軸2aの回転中心軸心と平行に配置される。
【0031】
少なくとも1つの中継軸入力回転体50の数は、少なくとも1つの入力軸回転体42の数と等しい。本実施形態では、少なくとも1つの中継軸入力回転体50は、2つの中継軸入力回転体50を含む。2つの中継軸入力回転体50は、中継軸47の軸方向に並んで配置される。各中継軸入力回転体50は、中継軸47の回転中心軸心と同軸上に配置される回転中心軸心を有する。本明細書において、2つの中継軸入力回転体50のうち、入力回転軸20の軸方向においてフロントスプロケット3から遠い位置に配置される中継軸入力回転体50が、第1中継軸入力回転体51として記載される。本明細書において、2つの中継軸入力回転体50のうち、入力回転軸20の軸方向においてフロントスプロケット3に近い位置に配置される中継軸入力回転体50が、第2中継軸入力回転体52として記載される。第1中継軸入力回転体51の直径と、第2中継軸入力回転体52の直径とは異なる。第1中継軸入力回転体51の歯数と、第2中継軸入力回転体52の歯数とは異なる。
【0032】
図3に示されるように、第1中継軸入力回転体51は、外歯車51aによって形成される。図3に示されるように、第1中継軸入力回転体51は、第1中継軸入力回転体51の回転中心軸心に関する径方向の内側の内周部に凹凸部51bを含む。凹凸部51bは、第1中継軸入力回転体51の回転中心軸心まわりに凹部と凸部とが交互に並んで形成される。第1中継軸入力回転体51を形成する外歯車51aは、第1入力軸回転体42aを形成する外歯車と噛み合うように構成される。
【0033】
図2に示される第2中継軸入力回転体52は、外歯車によって形成される。第2中継軸入力回転体52は、第2中継軸入力回転体52の回転中心軸心に関する径方向の内側の内周部に、第1中継軸入力回転体51の凹凸部51bと同様の凹凸部を含む。第2中継軸入力回転体52を形成する外歯車は、第2入力軸回転体42bを形成する外歯車と噛み合うように構成される。
【0034】
少なくとも1つの中継軸出力回転体53の数は、少なくとも1つの出力軸回転体45の数と等しい。本実施形態では、少なくとも1つの中継軸出力回転体53は、2つの中継軸出力回転体53を含む。2つの中継軸出力回転体53は、中継軸47の軸方向に並んで配置される。各中継軸出力回転体53は、中継軸47の回転中心軸心と同軸上に配置される回転中心軸心を有する。本明細書において、2つの中継軸出力回転体53のうち、入力回転軸20の軸方向においてフロントスプロケット3から遠い位置に配置される中継軸出力回転体53が、第1中継軸出力回転体54として記載される。本明細書において、2つの中継軸出力回転体53のうち、入力回転軸20の軸方向においてフロントスプロケット3に近い位置に配置される中継軸出力回転体53が、第2中継軸出力回転体55として記載される。第1中継軸出力回転体54の直径と、第2中継軸出力回転体55の直径とは異なる。第1中継軸出力回転体54の歯数と、第2中継軸出力回転体55の歯数とは異なる。
【0035】
第1中継軸出力回転体54は、外歯車によって形成される。第1中継軸出力回転体54は、第1中継軸出力回転体54の回転中心軸心に関する径方向の内側の内周部に、第1中継軸入力回転体51の凹凸部51bと同様の凹凸部を含む。第1中継軸出力回転体54を形成する外歯車は、第1出力軸回転体45aを形成する外歯車と噛み合うように構成される。
【0036】
第2中継軸出力回転体55は、外歯車によって形成される。第2中継軸出力回転体55は、第2中継軸出力回転体55の回転中心軸心に関する径方向の内側の内周部に、第1中継軸入力回転体51の凹凸部51bと同様の凹凸部を含む。第2中継軸出力回転体55を形成する外歯車は、第2出力軸回転体45bを形成する外歯車と噛み合うように構成される。
【0037】
本実施形態では、ライダーがペダル2cを踏み込んでクランク軸2aが第1方向に回転されると、人力駆動力がクランク軸2aからフロントスプロケット3に伝達される。人力駆動力は、入力回転軸20、少なくとも1つの入力軸回転体42のいずれか1つ、少なくとも1つの中継軸入力回転体50のいずれか1つ、中継軸47、少なくとも1つの中継軸出力回転体53のいずれか1つ、少なくとも1つの出力軸回転体45のいずれか1つ、出力回転軸30、および、フロントスプロケット3の順に伝達される。
【0038】
接続部56は、第1接続部57、および、第2接続部58を含む。第1接続部57によって、接続部56は、人力駆動力が中継軸47に伝達されるように、少なくとも1つの中継軸入力回転体50を選択的に中継軸47に接続するように構成される。第1接続部57は、少なくとも1つの中継軸入力回転体50を選択的に中継軸47に接続する。接続部56は、人力駆動力が出力回転軸30に伝達されるように、複数の中継軸出力回転体53を選択的に出力回転軸30に接続するように構成される。第2接続部58は、複数の中継軸出力回転体53を選択的に出力回転軸30に接続する。図3には、第1接続部57によって、第1中継軸入力回転体51が中継軸47に接続される状態が示される。図4には、第1中継軸入力回転体51が中継軸47に接続されない状態が示される。
【0039】
図2、および、図3に示されるように、第1接続部57は、第1シフト軸57a、少なくとも1つの第1爪部57b、および、第1連結部57cを含む。第1シフト軸57aは、中継軸47に設けられる。第1シフト軸57aは、中継軸47の内部空間に配置される。第1シフト軸57aは、中継軸47の回転中心軸心と同軸上に配置される回転中心軸心を有する。第1シフト軸57aの外周面には、少なくとも1つの凹部57dが形成される。各凹部57dは、第1シフト軸57aのうち、中継軸47の径方向において、いずれかの中継軸入力回転体50と重なる位置に形成される。本実施形態では、1つの中継軸入力回転体50に対応して2つの凹部57dが形成される。1つの中継軸入力回転体50に対応する2つの凹部57dは、第1シフト軸57aの回転中心軸心に関する周方向において、180°間隔をあけて配置される。
【0040】
本実施形態では、1つの中継軸入力回転体50に対応する2つの凹部57dは、中継軸47の径方向において、第1中継軸入力回転体51と重なる位置に形成される2つの凹部57d、および、第2中継軸入力回転体52と重なる位置に形成される2つの凹部57dを含む。第1中継軸入力回転体51と重なる位置に形成される2つの凹部57dの位相は、中継軸入力回転体50の回転中心軸心に関する中継軸入力回転体50の周方向において、第2中継軸入力回転体52と重なる位置に形成される2つの凹部57dの位相と異なる。
【0041】
図3を用いて、少なくとも1つの第1爪部57bの構成が説明される。少なくとも1つの第1爪部57bは、中継軸47に支持される。少なくとも1つの第1爪部57bは、第1シフト軸57aの少なくとも1つの凹部57dに1つずつ設けられる。各第1爪部57bは、基部57e、および、先端部57fを含む。基部57eは、中継軸47から第1シフト軸57aに向かって突出する。先端部57fは、中継軸47から対応する1つの中継軸入力回転体50に向かって突出する。先端部57fは、バネ等の付勢部によって、対応する1つの中継軸入力回転体50に向かって付勢される。
【0042】
図3に示される状態において、一対の第1爪部57bの基部57eの一部は、第1シフト軸57aの凹部57dに位置する。図3に示される状態において、一対の第1爪部57bの先端部57fは、第1中継軸入力回転体51の凹凸部51bに係合する。先端部57fが凹凸部51bに係合することによって、第1中継軸入力回転体51は、中継軸47と接続される。
【0043】
図3に示される第1中継軸入力回転体51が第1回転方向A1に回転されると、第1中継軸入力回転体51の回転力が一対の第1爪部57bを介して中継軸47に伝達され、中継軸47は、第1中継軸入力回転体51と一体的に回転される。第1回転方向A1は、クランク軸2aが第1方向に回転される場合に、第1中継軸入力回転体51が回転する方向を含む。本明細書においては、少なくとも1つの中継軸入力回転体50のそれぞれについて、中継軸入力回転体50が中継軸47と一体的に回転される状態が、第1状態として記載される。本明細書においては、少なくとも1つの中継軸出力回転体53のそれぞれについて、中継軸出力回転体53が中継軸47と一体的に回転される状態が、第1状態として記載される。
【0044】
少なくとも1つの中継軸入力回転体50のそれぞれについて、第1状態において、中継軸入力回転体50、および、中継軸47は、第1回転方向A1に一体的に回転可能であればよい。本実施形態では、少なくとも1つの中継軸入力回転体50のそれぞれについて、第1状態において、中継軸入力回転体50が第1回転方向A1とは異なる第2回転方向に回転されても、中継軸入力回転体50の回転力が一対の第1爪部57bを介して中継軸47に伝達されない。少なくとも1つの中継軸入力回転体50、少なくとも1つの第1爪部57b、および、中継軸47は、少なくとも1つの中継軸入力回転体50の対する中継軸47の第1回転方向A1の回転を許容すると共に、少なくとも1つの中継軸入力回転体50の対する中継軸47の第2回転方向の回転を規制するワンウェイクラッチを構成する。
【0045】
図3に示される状態から図4に示される状態まで、第1回転方向A1とは反対の第2回転方向に、中継軸47に対して第1シフト軸57aが相対回転されると、各第1爪部57bの基部57eは、第1シフト軸57aによって第1中継軸入力回転体51に向かって押圧される。基部57eが押圧されることによって、各第1爪部57bの先端部57fは、各付勢部の付勢力に抗して第1中継軸入力回転体51から離間するように移動され、先端部57fと第1中継軸入力回転体51の凹凸部51bとの係合が解除される。先端部57fと凹凸部51bとの係合が解除されると、第1中継軸入力回転体51、および、中継軸47は、互いに接続されない。
【0046】
第1中継軸入力回転体51と重なる位置に形成される2つの凹部57dの位相が、第2中継軸入力回転体52と重なる位置に形成される2つの凹部57dの位相と異なるため、一対の第1爪部57bが第1中継軸入力回転体51に係合するタイミング、および、一対の第1爪部57bが第2中継軸入力回転体52に係合するタイミングは、互いに異なる。一対の第1爪部57bと第1中継軸入力回転体51との係合が解除されるタイミング、および、一対の第1爪部57bと第2中継軸入力回転体52との係合が解除されるタイミングは、互いに異なる。
【0047】
図4に示される状態において第1中継軸入力回転体51が第1回転方向A1に回転されても、第1中継軸入力回転体51の回転力が中継軸47に伝達されず、第1中継軸入力回転体51が中継軸47に対して空転する。本明細書においては、少なくとも1つの中継軸入力回転体50のそれぞれについて、中継軸入力回転体50が中継軸47に対して空転する状態が、第2状態として記載される。本明細書においては、少なくとも1つの中継軸出力回転体53のそれぞれについて、中継軸出力回転体53が中継軸47に対して空転する状態が、第2状態として記載される。
【0048】
図2に示される第2接続部58は、第2シフト軸58a、少なくとも1つの第2爪部58b、および、第2連結部58cを含む。第2シフト軸58aは、第1接続部57の第1シフト軸57aと同様に構成される。少なくとも1つの第2爪部58bは、少なくとも1つの第1爪部57bと同様に構成される。少なくとも1つの中継軸出力回転体53、少なくとも1つの第2爪部58b、および、中継軸47は、少なくとも1つの中継軸出力回転体53の対する中継軸47の第1回転方向A1の回転を許容すると共に、少なくとも1つの中継軸出力回転体53の対する中継軸47の第2回転方向の回転を規制するワンウェイクラッチを構成する。
【0049】
第1連結部57cは、第2接続部58の第2連結部58cと連結される。第1連結部57cは、第1シフト軸57aと第2シフト軸58aとのそれぞれの回転軸線まわりの相対角度に応じて、第1シフト軸57aの回転力を第2連結部58cに伝達する第1伝達状態と、第1シフト軸57aの回転力を第2連結部58cに伝達しない第2伝達状態と、に伝達状態を切り替えるように構成される。
【0050】
第1連結部57cは、第1シフト軸57aのうち第2シフト軸58a側の端部に設けられる。第1シフト軸57aは、第2シフト軸58aと同軸に配置される。第2接続部58は、第2シフト軸58aのうち第1シフト軸57a側の端部に設けられる。第1伝達状態において、第1シフト軸57a、および、第2シフト軸58aは、互いに一体的に回転可能である。第2伝達状態において、第2シフト軸58aは、第1シフト軸57aと一体的に回転しない。第1連結部57c、および、第2連結部58cは、省略され、第1シフト軸57a、および、第2シフト軸58aは、一体に構成されてもよい。
【0051】
本実施形態では、2つの入力軸回転体42の一方が第2状態であり、かつ、2つの入力軸回転体42の他方が第1状態である場合に、第1接続部57によって2つの入力軸回転体42の一方を第2状態から第1状態に切り替えると共に、2つの入力軸回転体42の他方を第2状態とすることによって、変速機構40の変速比率が変更される。本明細書において、少なくとも1つの入力軸回転体42の1つ、および、少なくとも1つの中継軸入力回転体50の1つによって定義される変速比率が、入力側の変速比率として記載される。入力側の変速比率は、少なくとも1つの中継軸入力回転体50のうち第1状態である中継軸入力回転体50の歯数、および、少なくとも1つの入力軸回転体42のうち第1状態である中継軸入力回転体50と噛み合う入力軸回転体42の歯数によって規定される。入力側の変速比率は、第1中継軸入力回転体51が第1状態である場合と、第2中継軸入力回転体52が第1状態である場合とにおいて異なる。
【0052】
図2に示される第2接続部58は、2つの中継軸出力回転体53を選択的に中継軸47に接続するように構成される。本実施形態では、2つの中継軸出力回転体53の一方が第2状態であり、かつ、2つの中継軸出力回転体53の他方が第1状態である場合に、第2接続部58によって中継軸出力回転体53の一方を第2状態から第1状態に切り替えると共に、中継軸出力回転体53の他方を第1状態から第2状態に切り替えることによって、変速機構40の変速比率が変更される。本明細書において、少なくとも1つの出力軸回転体45の1つ、および、少なくとも1つの中継軸出力回転体53の1つによって定義される変速比率が、出力側の変速比率として記載される。出力側の変速比率は、少なくとも1つの中継軸出力回転体53のうち第1状態である中継軸出力回転体53の歯数、および、少なくとも1つの中継軸出力回転体53のうち第1状態である中継軸出力回転体53と噛み合う出力軸回転体45の歯数によって規定される。出力側の変速比率は、第1中継軸出力回転体54が第1状態である場合と、第2中継軸出力回転体55が第1状態である場合とにおいて異なる。
【0053】
図5に示される駆動部60は、アクチュエータ61、および、電気モータ62を含む。アクチュエータ61は、第1シフト軸57aを駆動することによって、図2に示される第1シフト軸57aを中継軸47に対して相対回転させるように構成される。アクチュエータ61は、第1シフト軸57aを駆動することによって、第2シフト軸58aを駆動するように構成される。
【0054】
本実施形態では、変速機構40は、アクチュエータ61によって、変速機構40の変速比率が異なる複数の変速ステージに切り替えられるように構成される。アクチュエータ61は、例えば電気モータを含む。本実施形態では、変速機構40の変速比率は、入力側の変速比率、および、出力側の変速比率によって規定される。複数の変速ステージは、第1変速ステージ、第1変速ステージよりも変速比率が高い第2変速ステージ、第2変速ステージよりも変速比率が高い第3変速ステージ、および、第3変速ステージよりも変速比率が高い第4変速ステージを含む。
【0055】
第1変速ステージにおいて、第1接続部57は、複数の入力側の変速比率のうち、最も低い変速比率となるように、第1中継軸入力回転体51を第2状態とし、第2中継軸入力回転体52を第1状態とする。第1変速ステージにおいて、第2接続部58は、複数の出力側の変速比率うち、最も低い変速比率となるように、第2中継軸出力回転体55を第1状態とし、第1中継軸出力回転体54を第2状態とする。
【0056】
変速ステージが第1変速ステージから第2変速ステージに切り替わる場合、第1接続部57は、第1変速ステージにおける入力側の変速比率よりも入力側の変速比率が高くなるように、中継軸47と少なくとも1つの中継軸入力回転体50との接続状態を切り替える。変速ステージが第1変速ステージから第2変速ステージに切り替わる場合、第2接続部58は、中継軸47と少なくとも1つの中継軸出力回転体53との接続状態を変更しない。
【0057】
変速ステージが第2変速ステージから第3変速ステージに切り替わる場合、第1接続部57は、第2変速ステージにおける入力側の変速比率よりも入力側の変速比率が低くなるように、中継軸47と少なくとも1つの中継軸入力回転体50との接続状態を切り替える。変速ステージが第2変速ステージから第3変速ステージに切り替わる場合、第2接続部58は、第2変速ステージにおける出力側の変速比率よりも出力側の変速比率が高くなるように、中継軸47と少なくとも1つの中継軸出力回転体53との接続状態を切り替える。アクチュエータ61は、第2変速ステージから第3変速ステージに切り替わる場合に、第1連結部57cを第2連結部58cに連結させる。第1連結部57cと第2連結部58cとが連結されることによって、第1シフト軸57aの回転力が第2シフト軸58aに伝達され、第2接続部58の接続状態が切り替わる。
【0058】
変速ステージが第3変速ステージから第4変速ステージに切り替わる場合、第1接続部57は、第3変速ステージにおける入力側の変速比率よりも入力側の変速比率が高くなるように、中継軸47と少なくとも1つの中継軸入力回転体50との接続状態を切り替える。第2接続部58は、中継軸47と少なくとも1つの中継軸出力回転体53との接続状態を変更しない。
【0059】
変速ステージの数は、本実施形態に限定されない。図2に示される変速機構40に歯車対を追加することによって、変速ステージを増加してもよい。本実施形態において、例えば、少なくとも1つの入力軸回転体42、および、少なくとも1つの中継軸入力回転体50が、3つの歯車対を含む場合、変速ステージが4ステージから6ステージに増加する。図2に示される変速機構40から歯車対を削減することによって、変速ステージを減少させてもよい。変速ステージの数は、例えば、3ステージから24ステージの範囲に設定される。
【0060】
図2、および、図5に示される電気モータ62は、人力駆動車に推進力を付与するように構成される。電気モータ62は、ベース部10に設けられる。例えば、電気モータ62は、ベース部10によって形成されるハウジングの内部空間に設けられる。電気モータ62は、変速機構40の入力部分41を介さずに、変速機構40の出力部分44に接続される。本実施形態では、電気モータ62は、複数の中継軸入力回転体50を介さずに中継軸47に接続される。電気モータ62は、電気モータ62の回転軸に固定される第1連結ギア62a、および、第1連結ギア62aと噛み合う第2連結ギア62bを含む。第2連結ギア62bは、第2中継軸出力回転体55と噛み合う。電気モータ62のモータ駆動力は、第1連結ギア62a、第2連結ギア62b、第2中継軸出力回転体55、第2出力軸回転体45b、出力回転軸30、および、フロントスプロケット3の順に伝達される。
【0061】
本実施形態では、電気モータ62からフロントスプロケット3までのモータ駆動力の伝達経路に、少なくとも1つの第2中継軸出力回転体55、少なくとも1つの第2爪部58b、および、中継軸47によって形成されるワンウェイクラッチが配置される。本実施形態とは異なり、電気モータ62からフロントスプロケット3までのモータ駆動力の伝達経路に、少なくとも1つの中継軸出力回転体53、少なくとも1つの第2爪部58b、および、中継軸47によって形成されるワンウェイクラッチが配置されない場合、モータ駆動力の伝達経路には、別途ワンウェイクラッチが配置される。ワンウェイクラッチは、ローラクラッチ、爪式クラッチ、および、スプラグクラッチのいずれでもよい。
【0062】
図5に示される制御装置70は、記憶部71、および、制御部72を含む。記憶部71は、制御プログラム、および、制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部71は、例えば不揮発性メモリ、揮発性メモリ、および、ハードディスクの少なくとも1つを含む。
【0063】
制御部72は、ドライブユニット6に関する制御を実行するように構成される。制御部72は、予め定められた制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)、または、MPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部72は、1、または、複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0064】
制御部72は、変速操作部80の操作状態に応じてアクチュエータ61を駆動するように構成される。変速操作部80は、例えば、人力駆動車のハンドルバーに設けられる。変速操作部80は、ユーザが手、または、指によって操作するように構成される。変速操作部80は、レバー、および、ボタンの少なくとも1つを含む。変速操作部80の操作状態は、アップシフトに関する操作状態、および、ダウンシフトに関する操作状態を含む。アップシフトに関する操作状態は、例えば、予め定める第1操作方向にレバーが揺動された状態を含む。ダウンシフトに関する操作状態は、例えば、第1操作方向とは異なる第2操作方向にレバーが揺動された状態を含む。変速操作部80は、操作状態を検出するように構成される操作状態検出部81を備える。操作状態検出部81は、例えば、レバーの移動量に基づいて操作状態を検出する。
【0065】
制御部72は、電気ケーブル、または、無線通信装置によって操作状態検出部81と通信できるように構成される。制御部72には、操作状態に応じた信号が操作状態検出部81から入力される。制御部72は、操作状態検出部81からの信号に基づいてアップシフトに関する操作状態を検出すると、変速機構40の変速比率が増加するようにアクチュエータ61を駆動させる。例えば、制御部72は、現在の変速ステージが第2変速ステージである場合、アップシフトに関する操作状態を検出すると、第2変速ステージから第3変速ステージに切り替えるように、アクチュエータ61を駆動させる。制御部72は、変速操作部80からの信号に基づいてダウンシフトに関する操作状態を検出すると、変速機構40の変速比率が減少するようにアクチュエータ61を駆動させる。
【0066】
制御部72は、予め定めるパラメータに応じて人力駆動車に推進力を付与するように、電気モータ62を制御する。本明細書において、人力駆動力に対するモータ駆動力の比率が、アシスト比として記載される。本実施形態では、予め定めるパラメータは、複数のアシストモード、および、人力駆動車に入力される人力駆動力を含む。複数のアシストモードは、人力駆動力に対する電気モータ62のモータ駆動力の最大アシスト比率、および、人力駆動力の入力に応じて電気モータ62の駆動を継続する人力駆動車の走行速度上限値の少なくとも1つが異なる。人力駆動車は、予め定める操作装置がライダーによって操作されることによって、複数のアシストモードの中から1つのモードを選択できるように構成される。記憶部71は、ライダーによって選択された現在のアシストモードを記憶する。
【0067】
制御部72は、人力駆動力を検出するように構成される。本実施形態では、制御部72は、人力駆動力検出部84からの信号に基づいて人力駆動力を検出するように構成される。人力駆動力検出部84は、例えば、ペダル2cからフロントスプロケット3までの間の駆動力の伝達経路に設けられる。人力駆動力検出部84は、歪センサ、磁歪センサ、光学センサ、および、圧力センサの少なくとも1つを含む。人力駆動力検出部84は、電気ケーブル、または、無線通信装置によって制御部72と通信できるように構成される。人力駆動力検出部84は、ペダル2cに加えられる人力駆動力に応じた信号を制御部72に出力する。
【0068】
制御部72は、人力駆動力検出部84からの信号に基づいて人力駆動力を検出すると、人力駆動力に対するモータ駆動力の比率が、現在のアシストモードにおける最大アシスト比率を超えないように電気モータ62を制御する。本実施形態では、制御部72が電気モータ62を制御する際に、人力駆動力等に応じて制御部72がモータ駆動力を算出するため、モータ駆動力は、人力駆動力に依存する。
【0069】
本実施形態では、制御部72は、変速機構40の変速比率が変更される場合、モータ駆動力が増加するように電気モータ62を制御する。制御部72が実行する制御の一例が説明される。制御部72が実行する制御の一例の説明には、図6が用いられる。制御部72は、図6に示されるフローチャートに従った第1制御フローを、予め定める条件が満たされた場合に開始する。本実施形態では、制御部72は、予め定める電源からドライブユニット6に電力の供給が開始された場合に、第1制御フローを開始する。制御部72は、第1制御フローが終了すると、予め定める条件が満たされるまで、第1制御フローを予め定める時間ごとに繰り返し実行する。本実施形態では、制御部72は、予め定める電源からドライブユニット6に電力が供給されなくなるまで、第1制御フローを繰り返し実行する。
【0070】
ステップS1において、制御部72は、変速機構40の変速比率が変更されることを検出する。制御部72は、例えば、操作状態検出部81からの信号に基づいてアップシフトに関する操作状態、および、ダウンシフトに関する操作状態の少なくとも1つを検出することによって、変速比率が変更されることを検出する。制御部72は、変速操作部80の操作状態とは異なる情報に基づいて、変速機構40の変速比率が変更されることを検出してもよい。制御部72は、変速機構40の変速比率が変更される場合、ステップS2に移行する。制御部72は、変速機構40の変速比率が変更されない場合、第1制御フローを終了する。
【0071】
ステップS2において、制御部72は、モータ駆動力が増加するように電気モータ62を制御する。ステップS2において、制御部72は、人力駆動力が増加しなくてもモータ駆動力を増加させる。ステップS2において、制御部72は、アシストモードに応じて算出されるモータ駆動力に予め定める駆動力を加算してもよい。ステップS2において、制御部72は、アシスト比を増加してもよい。ステップS2を制御部72が実行することによって、人力駆動力が減少する場合でも、人力駆動力に対応するモータ駆動力が増加する場合がある。制御部72は、本実施形態とは異なり、モータ駆動力が入力回転軸20の回転速度に依存する場合も、モータ駆動力が人力駆動力に依存する場合と同様に対応できる。制御部72は、ステップS2の処理を行った後、ステップS2-1に移行する。
【0072】
ステップS2-1において、制御部72は、予め定める条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、例えば、ステップS2の処理を行ってから予め定める時間が経過すると、予め定める条件が満たされると判定する。予め定める時間は、例えば、0.5秒以上、かつ、5秒以下の範囲の時間である。制御部72は、例えば、変速が完了すると、予め定める条件が満たされると判定してもよい。制御部72は、予め定める条件が満たされると判定するまで、ステップ2-1を繰り返し実行する。ステップS2-1において、制御部72は、予め定める条件が満たされると判定すると、ステップ2-2に移行する。
【0073】
ステップS2―2において、制御部72は、ステップS2において増加したモータ駆動力が減少するように電気モータ62を制御して、第1制御フローを終了する。ステップS2-2において、制御部72は、例えば、ステップS2において増加したモータ駆動力分だけモータ駆動力を減少させる。ステップS2-2において、制御部72は、例えば、ステップS2において増加したモータ駆動力分とは異なるモータ駆動分だけモータ駆動力を減少させてもよい。
【0074】
制御部72が第1制御フローを実行することによって、変速機構40にかかる負荷を低減できるため、変速機構40は、変速機構40の変速比率を変更し易くなる。図2、および、図3を用いて、変速機構40にかかる負荷が説明される。
【0075】
人力駆動車に人力駆動力が入力されると、図3に示される第1中継軸入力回転体51には、図2に示される入力回転軸20、および、第1入力軸回転体42aを介して人力駆動力が伝達される。第1中継軸入力回転体51は、人力駆動力が伝達されることによって、第1中継軸入力回転体51の回転中心軸心まわりに第1回転方向A1に回転する。第1中継軸入力回転体51が回転すると、第1中継軸入力回転体51の凹凸部51bによって一対の第1爪部57bの先端部57fが押圧され、一対の第1爪部57bに負荷がかかる。中継軸47は、一対の第1爪部57bの先端部57fが押圧されることによって、第1中継軸入力回転体51と同じ方向に回転する。
【0076】
図3に示される状態において変速機構40の変速比率が変更される場合、一対の第1爪部57bの先端部57fは、第1シフト軸57aの回転によって第1中継軸入力回転体51から離間するように移動される。変速機構40の変速比率の変更時に人力駆動車に人力駆動力が入力される場合、凹凸部51bによって一対の第1爪部57bの先端部57fが押圧されるため、一対の第1爪部57bの先端部57fの移動時に、第1中継軸入力回転体51と一対の第1爪部57bとの間に摩擦力が生じる。摩擦力が大きくなると、先端部57fが第1中継軸入力回転体51から抜け難くなるため、変速の抵抗が増加する。
【0077】
制御部72は、第1制御フローの実行によって、変速機構40の変速比率が変更される場合にモータ駆動力を増加させる。モータ駆動力の増加によって、例えば、図7に示される第2中継軸出力回転体55が第1状態であり、かつ、第1中継軸出力回転体54が第2状態である場合、モータ駆動力は、第1連結ギア62a、第2連結ギア62b、および、第2中継軸出力回転体55を介して中継軸47に伝達される。第1中継軸出力回転体54が第1状態であり、かつ、第2中継軸出力回転体55が第2状態である場合、モータ駆動力は、第1連結ギア62a、第2連結ギア62b、第2中継軸出力回転体55、第2出力軸回転体45b、出力回転軸30、第1出力軸回転体45a、および、第1中継軸出力回転体54を介して中継軸47に伝達される。
【0078】
中継軸47にモータ駆動力が伝達されると、第1中継軸入力回転体51に対する中継軸47の相対的な回転速度が上昇する。回転速度が上昇すると、一対の第1爪部57bの先端部57fが第1中継軸入力回転体51の凹凸部51bによって押圧される力が小さくなるため、第1中継軸入力回転体51と一対の第1爪部57bとの間の摩擦力が小さくなる。摩擦力が小さくなると変速機構40にかかる負荷が低減され、一対の第1爪部57bの先端部57fが第1中継軸入力回転体51の凹凸部51bから抜け易くなる。変速機構40は、先端部57fが凹凸部51bから抜け易い状態において第1シフト軸57aを回転できるため、変速機構40の変速比率を変更し易くなる。
【0079】
人力駆動力による中継軸47の回転速度、および、電気モータ62による回転速度が同一であっても、人力駆動力によって中継軸47にかかるトルクが低下し、変速の抵抗が低下する。
【0080】
制御部72は、変速ステージに応じて、ステップS2において増加させるモータ駆動力の大きさを変更してもよい。制御部72は、少なくとも1つの中継軸出力回転体53の接続状態が変更される場合に、少なくとも1つの中継軸出力回転体53の状態が変更されない場合よりも、モータ駆動力の増加量を多くしてもよい。
【0081】
(第2実施形態)
第2実施形態のドライブユニット6が説明される。第2実施形態のドライブユニット6の説明には、図3図6、および、図8が用いられる。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0082】
本実施形態では、制御部72は、人力駆動力が予め定める人力駆動力よりも小さい場合、かつ、変速機構40の変速比率が変更される場合、モータ駆動力を増加させないように電気モータ62を制御する。制御部72が実行する制御の一例が説明される。制御部72が実行する制御の一例の説明には、図8が用いられる。制御部72は、図8に示されるフローチャートに従った第2制御フローを、予め定める条件が満たされた場合に開始する。制御部72は、第2制御フローが終了すると、予め定める条件が満たされるまで、第2制御フローを予め定める時間ごとに繰り返し実行する。第2制御フローの開始の条件、および、第2制御フローの実行を繰り返す条件は、第1実施形態における第1制御フローと同様である。
【0083】
ステップS11において、制御部72は、変速機構40の変速比率が変更される場合、ステップS12に移行する。制御部72は、変速機構40の変速比率が変更されない場合、第2制御フローを終了する。
【0084】
ステップS12において、制御部72は、人力駆動力検出部84からの信号に基づいて人力駆動力を検出する。制御部72は、記憶部71に記憶される情報を読み込むことによって、予め定める人力駆動力を取得する。予め定める駆動力は、例えば、5Nmに設定される。予め定める駆動力は、5Nmに限定されない。制御部72は、人力駆動力が予め定める人力駆動力よりも小さい場合、ステップS13に移行する。制御部72は、人力駆動力が予め定める人力駆動力以上の場合、ステップS14に移行する。
【0085】
ステップS13において、制御部72は、図6に示されるステップS2と同様の処理によって、モータ駆動力が増加するように電気モータ62を制御する。制御部72は、ステップS13の処理を行った後、ステップS13-1に移行する。
【0086】
ステップS13-1において、制御部72は、予め定める条件が満たされるか否かを判定する。予め定める条件は、例えば、図6に示されるステップS2-1の予め定める条件と同様である。予め定める条件は、図6に示されるステップS2-1の予め定める条件とは異なってもよい。制御部72は、予め定める条件が満たされると判定するまで、ステップ13-1を繰り返し実行する。ステップS13-1において、制御部72は、予め定める条件が満たされると判定すると、ステップ13-2に移行する。
【0087】
ステップS13―2において、制御部72は、図6に示されるステップS2-2と同様に、ステップS13-1において増加したモータ駆動力が減少するように電気モータ62を制御して、第2制御フローを終了する。
【0088】
ステップS14において、制御部72は、モータ駆動力を増加させないように電気モータ62を制御する。制御部72は、ステップS14の処理を行った後、第2制御フローを終了する。ステップS14において、制御部72は、人力駆動力が増加してもモータ駆動力を増加させないように電気モータ62を制御してもよく、ステップS13の処理を実行しないことによってモータ駆動力を増加させないように電気モータ62を制御してもよい。
【0089】
人力駆動力が予め定める人力駆動力よりも小さい場合、変速機構40にかかる負荷が小さいため、図3に示される一対の第1爪部57bの先端部57fの移動時に生じる第1中継軸入力回転体51と一対の第1爪部57bとの間の摩擦力が比較的小さい。制御部72は、第2制御フローを実行することによって、変速機構40にかかる負荷が小さい場合にモータ駆動力を増加させずに、アシストモード、および、人力駆動力に応じて電気モータ62を制御する通常の制御を行う。制御部72の制御によって、変速し難くなることを回避すると共に、消費電力の削減を図れる。
【0090】
(第3実施形態)
第3実施形態のドライブユニット6が説明される。第3実施形態のドライブユニット6の説明には、図6、および、図9が用いられる。第1実施形態、および、第2実施形態と共通する構成については、第1実施形態、および、第2実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0091】
本実施形態では、制御部72は、接続部56によって複数の中継軸入力回転体50と、中継軸47との接続状態を変更する場合に、モータ駆動力を増加させる。制御部72が実行する制御の一例が説明される。制御部72が実行する制御の一例の説明には、図9が用いられる。制御部72は、図9に示されるフローチャートに従った第3制御フローを、予め定める条件が満たされた場合に開始する。制御部72は、第3制御フローが終了すると、予め定める条件が満たされるまで、第3制御フローを予め定める時間ごとに繰り返し実行する。第3制御フローの開始の条件、および、第3制御フローの実行を繰り返す条件は、第1実施形態における第1制御フローと同様である。
【0092】
ステップS21において、制御部72は、少なくとも1つの中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態が変更されることを検出する。本実施形態では、現在の変速ステージがいずれの変速ステージであっても、変速ステージが変更される場合には、少なくとも1つの中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態が変更される。制御部72は、例えば、変速操作部80の操作状態に基づいて変速ステージが変更されることを検出することによって、中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態が変更されることを検出する。
【0093】
本実施形態とは異なり、一部の変速ステージの変更においてのみ、少なくとも1つの中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態が変更される場合、制御部72は、記憶部71に記憶される情報を読み込むことによって、現在の変速ステージを取得する。制御部72は、現在の変速ステージ、アップシフトに関する操作状態、および、ダウンシフトに関する操作状態に基づいて、変速機構40の変速比率の変更において、少なくとも1つの中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態が変更されることを検出する。制御部72は、少なくとも1つの中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態が変更される場合、ステップS22に移行する。制御部72は、少なくとも1つの中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態が変更されない場合、第3制御フローを終了する。
【0094】
ステップS22において、制御部72は、図6に示されるステップS2と同様の処理によって、モータ駆動力が増加するように電気モータ62を制御する。例えば、制御部72は、少なくとも1つの中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態を変更するようにアクチュエータ61を駆動させるタイミングと同じタイミングにおいて、モータ駆動力を増加させる。制御部72は、ステップS22の処理を行った後、ステップS22-1に移行する。
【0095】
ステップS22-1において、制御部72は、予め定める条件が満たされるか否かを判定する。予め定める条件は、例えば、図6に示されるステップS2-1の予め定める条件と同様である。予め定める条件は、図6に示されるステップS2-1の予め定める条件とは異なってもよい。制御部72は、予め定める条件が満たされると判定するまで、ステップ22-1を繰り返し実行する。ステップS22-1において、制御部72は、予め定める条件が満たされると判定すると、ステップS22-2に移行する。
【0096】
ステップS22-2において、制御部72は、図6に示されるステップS2-2と同様に、ステップS22-1において増加したモータ駆動力が減少するように電気モータ62を制御して、第3制御フローを終了する。
【0097】
制御部72が第3制御フローを実行することによって、少なくとも1つの中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態が変更される場合にモータ駆動力が増加される。モータ駆動力が増加されることによって、一対の第1爪部57bの先端部57fが少なくとも1つの中継軸入力回転体50から抜け易くなるため、変速機構40は、変速比率を変更し易くなる。
【0098】
(第4実施形態)
第4実施形態のドライブユニット6が説明される。第4実施形態のドライブユニット6の説明には、図6、および、図10が用いられる。第1実施形態から第3実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第3実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0099】
本実施形態では、制御部72は、接続部56によって複数の中継軸入力回転体50と、中継軸47との接続状態を変更する前に、モータ駆動力を増加させる。制御部72が実行する制御の一例が説明される。制御部72が実行する制御の一例の説明には、図10が用いられる。制御部72は、図10に示されるフローチャートに従った第4制御フローを、予め定める条件が満たされた場合に開始する。制御部72は、第4制御フローが終了すると、予め定める条件が満たされるまで、第4制御フローを予め定める時間ごとに繰り返し実行する。第4制御フローの開始の条件、および、第4制御フローの実行を繰り返す条件は、第1実施形態における第1制御フローと同様である。
【0100】
ステップS31において、制御部72は、変速機構40の変速比率が変更される場合、ステップS32に移行する。制御部72は、変速機構40の変速比率が変更されない場合、第4制御フローを終了する。
【0101】
ステップS32において、制御部72は、少なくとも1つの中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態が変更される前にモータ駆動力が増加するように電気モータ62を制御する。制御部72は、ステップS32の処理を行った後、ステップS32-1に移行する。
【0102】
ステップS32-1において、制御部72は、予め定める条件が満たされるか否かを判定する。予め定める条件は、例えば、図6に示されるステップS2-1の予め定める条件と同様である。予め定める条件は、図6に示されるステップS2-1の予め定める条件とは異なってもよい。制御部72は、予め定める条件が満たされると判定するまで、ステップ32-1を繰り返し実行する。ステップS32-1において、制御部72は、予め定める条件が満たされると判定すると、ステップS32-2に移行する。
【0103】
ステップS32-2において、制御部72は、図6に示されるステップS2-2と同様に、ステップS23-1において増加したモータ駆動力が減少するように電気モータ62を制御して、第4制御フローを終了する。制御部72は、第4制御フローを終了した後、アクチュエータ61を駆動させ、少なくとも1つの中継軸入力回転体50と中継軸47との接続状態を変更する。
【0104】
制御部72は、第4制御フローを実行することによって、変速機構40は、中継軸47にモータ駆動力が伝達され、一対の第1爪部57b、および、一対の第2爪部58bが少なくとも1つの中継軸入力回転体50、および、少なくとも1つの中継軸出力回転体53から抜け易くなってから、変速比率を変更できる。第4制御フローによる制御によって、変速機構40にかかる負荷を効果的に低減できる。
【0105】
(第5実施形態)
第5実施形態のドライブユニット6が説明される。第5実施形態のドライブユニット6の説明には、図6図8から図11が用いられる。第1実施形態から第4実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第4実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0106】
本実施形態では、図11に示されるドライブユニット6の電気モータ62は、中継軸47に直接的に接続される。電気モータ62は、中継軸47に固定される固定ギア62cに連結されることによって、中継軸47に直接的に接続される。固定ギア62cは、外歯車によって構成される。電気モータ62の出力ギアは、固定ギア62cに噛合う。固定ギア62cは、少なくとも1つの中継軸入力回転体50、および、少なくとも1つの中継軸出力回転体53の間に設けられる。固定ギア62cの位置は、本実施形態に限定されず、固定ギア62cと少なくとも1つの中継軸出力回転体53との間に、少なくとも1つの中継軸入力回転体50が配置されてもよく、固定ギア62cと少なくとも1つの中継軸入力回転体50との間に、少なくとも1つの中継軸出力回転体53が配置されてもよい。
【0107】
本実施形態において、制御部72は、図6に示される第1制御フロー、図8に示される第2制御フロー、図9に示される第3制御フロー、および、図10に示される第4制御フローの少なくとも1つを実行する。制御フローの実行によって、変速機構40は、変速比率を変更し易くなる。
【0108】
(第6実施形態)
第6実施形態のドライブユニット6が説明される。第6実施形態のドライブユニット6の説明には、図12が用いられる。第1実施形態から第5実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第5実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0109】
本実施形態では、ドライブユニット6の電気モータ62は、連結ギア62dを介して少なくとも1つの出力軸回転体45のうちの1つの出力軸回転体45に接続される。本実施形態では、連結ギア62dは、第2出力軸回転体45bに接続される。連結ギア62dは、第2出力軸回転体45bを構成する外歯車に噛み合う。連結ギア62dは、第2出力軸回転体45bではなく、第1出力軸回転体45aに接続されてもよい。
【0110】
本実施形態において、制御部72は、第5実施形態の制御部72と同様に、第1制御フローから第4制御フローの少なくとも1つを実行する。制御フローの実行によって、変速機構40は、変速比率を変更し易くなる。
【0111】
(第7実施形態)
第7実施形態のドライブユニット6が説明される。第7実施形態のドライブユニット6の説明には、図13が用いられる。第1実施形態から第6実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第6実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0112】
ドライブユニット6の電気モータ62は、連結ギア62eを介して少なくとも1つの中継軸入力回転体50のうちの1つの中継軸入力回転体50に接続される。本実施形態では、ドライブユニット6の電気モータ62は、連結ギア62eを介して第1中継軸入力回転体51に接続される。連結ギア62eは、第1中継軸入力回転体51を構成する外歯車に噛み合う。連結ギア62eは、第1中継軸入力回転体51ではなく、第2中継軸入力回転体52に接続されてもよい。
【0113】
本実施形態において、制御部72は、第5実施形態の制御部72と同様に、第1制御フローから第4制御フローの少なくとも1つを実行する。制御フローの実行によって、変速機構40は、変速比率を変更し易くなる。
【0114】
(第8実施形態)
第8実施形態のドライブユニット6が説明される。第8実施形態のドライブユニット6の説明には、図14が用いられる。第1実施形態から第7実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第7実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0115】
本実施形態では、中継軸47に1つの中継軸入力回転体43が設けられる。中継軸入力回転体43は、クランク軸2aが第1方向に回転する場合に、中継軸47と一体的に回転するように構成される。本実施形態では、接続部56は、第1接続部57、および、第1シフト軸57aを含まない。
【0116】
本実施形態において、制御部72は、第5実施形態の制御部72と同様に、第1制御フローから第4制御フローの少なくとも1つを実行する。制御フローの実行によって、変速機構40は、変速比率を変更し易くなる。
【0117】
(第9実施形態)
第9実施形態のドライブユニット6が説明される。第9実施形態のドライブユニット6の説明には、図15が用いられる。第1実施形態から第8実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第8実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0118】
本実施形態では、中継軸47に1つの中継軸出力回転体83が設けられる。電気モータ62は、第1連結ギア62a、および、第2連結ギア62fを介して第2中継軸入力回転体52に連結される。中継軸出力回転体83は、クランク軸2aが第1方向に回転する場合に、中継軸47と一体的に回転するように構成される。本実施形態では、接続部56は、第2接続部58、および、第2シフト軸58aを含まない。
【0119】
本実施形態において、制御部72は、第5実施形態の制御部72と同様に、第1制御フローから第4制御フローの少なくとも1つを実行する。制御フローの実行によって、変速機構40は、変速比率を変更し易くなる。
【0120】
(第10実施形態)
第10実施形態のドライブユニット6が説明される。第10実施形態のドライブユニット6の説明には、図16が用いられる。第1実施形態から第9実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第9実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0121】
本実施形態では、変速機構40は、出力回転軸30と一体に回転するように構成され、1、または、複数の中継軸出力回転体53にそれぞれ接続される1、または、複数の出力軸回転体45を含む。電気モータ62は、1、または、複数の中継軸出力回転体53のいずれか1つに接続される。1、または、複数の中継軸出力回転体53と、1、または、複数の出力軸回転体45とは、減速機を構成する。図16には、変速機構40の一例が示される。
【0122】
図16に示される変速機構40において、複数の出力軸回転体45は、2つの出力軸回転体45を含む。2つの出力軸回転体45は、第1出力軸回転体45a、および、第2出力軸回転体45cを含む。1、または、複数の中継軸出力回転体53は、2つの中継軸出力回転体53を含む。2つの中継軸出力回転体53は、第1出力軸回転体45aと噛み合う第1中継軸出力回転体54、および、第2出力軸回転体45cと噛み合う第2中継軸出力回転体85を含む。
【0123】
電気モータ62が駆動されると、第2中継軸出力回転体85には、第1連結ギア62a、および、第2連結ギア62bを介してモータ駆動力が伝達される。モータ駆動力は、第2出力軸回転体45cを介して出力回転軸30に伝達される。本実施形態では、第1連結ギア62aから出力回転軸30にモータ駆動力が伝達される経路において、減速機が配置されるので、電気モータ62が駆動される場合において、電気モータ62の回転速度に対して出力回転軸30の回転速度が減少する。
【0124】
電気モータ62が駆動される場合において、電気モータ62の回転速度に対して出力回転軸30の回転速度が減少することによって、例えば、電気モータ62から出力回転軸30までの動力の伝達経路に別途減速機を設ける必要がなくなるため、部品点数を低減できる。
【0125】
第2連結ギア62bは、第2中継軸出力回転体85ではなく、第1中継軸出力回転体54と噛み合うように構成されてもよい。第2連結ギア62bが第1中継軸出力回転体54と噛み合う場合、第1連結ギア62a、第2連結ギア62b、第1中継軸出力回転体54、および、第1出力軸回転体45aの順に伝達されるモータ駆動力の伝達経路において、電気モータ62が駆動される場合において、電気モータ62の回転速度に対して出力回転軸30の回転速度が減少する。
【0126】
(第11実施形態)
第11実施形態のドライブユニット6が説明される。第11実施形態のドライブユニット6の説明には、図17が用いられる。第1実施形態から第10実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第10実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0127】
本実施形態では、ドライブユニット6の変速機構89は、無段変速機構、または、遊星歯車機構90を含む。図17には、変速機構89の一例が示される。図17に示される変速機構89は、人力駆動車のリアハブに設けられる。変速機構89は、遊星歯車機構90、少なくとも1つの爪部95、および、制御部材96を含む。
【0128】
遊星歯車機構90は、少なくとも1つの太陽ギア91、少なくとも1つの遊星ギア92、遊星ギアキャリア93、および、少なくとも1つのリングギア94を含む。少なくとも1つの太陽ギア91は、ハブ軸98に設けられる。少なくとも1つの太陽ギア91は、第1太陽ギア91a、第2太陽ギア91b、第3太陽ギア91c、および、第4太陽ギア91dを含む。第1太陽ギア91a、第2太陽ギア91b、第3太陽ギア91c、および、第4太陽ギア91dは、ハブ軸98の軸方向に並ぶように配置される。第1太陽ギア91aは、ハブ軸98に固定される。第2太陽ギア91b、第3太陽ギア91c、および、第4太陽ギア91dは、少なくとも1つの爪部95を介してハブ軸98に選択的に接続可能に設けられる。各爪部95は、例えば、図3に示される少なくとも1つの第1爪部57bと同様に構成される。
【0129】
少なくとも1つの遊星ギア92は、第1遊星ギア92a、および、第2遊星ギア92bを含む。第1遊星ギア92aは、歯数の異なる2つの外歯部を含む。2つの外歯部は、それぞれ第1太陽ギア91a、および、第2太陽ギア91bと噛み合うように構成される。第1遊星ギア92aは、遊星ギアキャリア93によって回転可能に支持される。
【0130】
第2遊星ギア92bは、歯数の異なる3つの外歯部を含む。3つの外歯部は、それぞれ第2太陽ギア91b、第3太陽ギア91c、および、第4太陽ギア91dと噛み合うように構成される。第2遊星ギア92bは、遊星ギアキャリア93によって回転可能に支持される。
【0131】
少なくとも1つのリングギア94は、第1リングギア94a、および、第2リングギア94bを含む。第1リングギア94aは、第1遊星ギア92aと噛み合うように構成される。第2リングギア94bは、第2遊星ギア92bと噛み合うように構成される。
【0132】
少なくとも1つの爪部95は、第1爪部95a、第2爪部95b、および、第3爪部95cを含む。第1爪部95aは、第2太陽ギア91bとハブ軸98との間に設けられる。第2爪部95bは、第3太陽ギア91cとハブ軸98との間に設けられる。第3爪部95cは、第4太陽ギア91dとハブ軸98との間に設けられる。
【0133】
制御部材96は、少なくとも1つの太陽ギア91とハブ軸98との接続状態を制御するように構成される。制御部材96は、ハブ軸98に設けられる。制御部材96は、ハブ軸98に対して相対回転することによって、少なくとも1つの爪部95と少なくとも1つの太陽ギア91との係合、または、係合の解除を行う。例えば、制御部材96は、第1爪部95aと第2太陽ギア91bとを係合させて第2太陽ギア91bとハブ軸98とを接続する。
【0134】
図17に示されるドライブユニット6における人力駆動力の伝達経路が説明される。図17に示されるリアスプロケット5には、ドライブチェーン4を介して人力駆動力が伝達される。人力駆動力によってリアスプロケット5が回転すると、少なくとも1つのリングギア94は、リアスプロケット5と一体的に回転する。遊星ギアキャリア93は、少なくとも1つのリングギア94と一体的に回転する。遊星ギアキャリア93の回転に伴って少なくとも1つの遊星ギア92が少なくとも1つの太陽ギア91の回りを回転する。
【0135】
少なくとも1つの遊星ギア92が周りを回転する少なくとも1つの太陽ギア91は、少なくとも1つの太陽ギア91とハブ軸98との接続状態に応じて切り替えられる。例えば、第4太陽ギア91dがハブ軸98と接続される場合、少なくとも1つのリングギア94の回転に伴って第2遊星ギア92bが第4太陽ギア91dの回りを回転する。少なくとも1つの遊星ギア92の回転に伴って、ハブシェル99が回転する。本実施形態では、変速機構89の変速比率は、少なくとも1つの太陽ギア91とハブ軸98との接続状態に応じて変更される。
【0136】
図17に示されるドライブユニット6において、電気モータ62は、例えば、モータ駆動力によってハブ軸98の回転速度を増加させるように、ハブシェル99の内部空間に設けられる。図17に示されるドライブユニット6に電気モータ62が設けられることによって、リアハブにおいて変速機構89にかかる負荷を小さくできる。
【0137】
本実施形態において、変速機構89は、図17とは異なる遊星歯車機構90を含んでもよい。変速機構89は、例えば、特許第5649549号に記載される遊星歯車機構を含んでもよい。特許第5649549号に記載されるドライブユニットにおいても、本発明を適用できる。
【0138】
本実施形態において、変速機構89は、遊星歯車機構90ではなく、無段変速機構を含んでもよい。変速機構89は、例えば、ドイツ特許公開公報10 20102 023 150 A1に記載される無段変速機構を含んでもよい。ドイツ特許公開公報10 20102 023 150 A1に記載されるドライブユニットにおいても、本発明を適用できる。
【0139】
(変形例)
各実施形態に関する説明は、本発明が取り得る形態の例示であり、本発明を制限することを意図していない。本発明は、例えば以下に示す各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わされた形態を取り得る。
【0140】
例えば、各実施形態におけるドライブユニット6の構成は一例であり、ドライブユニット6は、各実施形態において示されない各種装置を含んでいてもよく、各実施形態において示す各種装置のうち一部を含まない構成としてもよい。
【0141】
各実施形態において例示される制御において用いられる各種の閾値は限定されず、任意に設定されてもよい。各種の閾値は、予め定める操作装置の操作等によって任意に変更されてもよい。
【0142】
各実施形態において例示される構成は、相互に矛盾しない範囲において互いに組み合わせられてもよい。各実施形態において例示されるフローチャートの処理内容、および、処理順序は一例であり、本発明の範囲内において適宜処理内容、および、処理順序を変更できる。
【0143】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0144】
2a…クランク軸、6…ドライブユニット、10…ベース部、20…入力回転軸、30…出力回転軸、40…変速機構、41…入力部分、44…出力部分、45…出力回転体、47…中継軸、50…中継軸入力回転体、53…中継軸出力回転体、56…接続部、62…電気モータ、72…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17