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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173300
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20231130BHJP
   B60N 2/20 20060101ALI20231130BHJP
   B60N 2/015 20060101ALI20231130BHJP
   B60N 2/68 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/20
B60N2/015
B60N2/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085460
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大木 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】上木 昌徳
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BD01
3B087DA06
3B087DA10
3B087DB02
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】ロック装置のバックフレームに対する位置決めを容易に行う。
【解決手段】車両用シート10は、シートクッション12と、シートバック14と、ロック装置16と、を備えている。シートバック14の骨格を構成するバックフレーム22は、左右一対のサイドフレーム部26と、左右一対のサイドフレーム部26をシート幅方向に接続する接続フレーム部28と、を備えている。ロック装置16は、接続フレーム部28の端部28Bが嵌合するフレーム嵌合部34Dと、シートバック14が支持位置P1に配置された状態で車体側に設けられた車体側係止部24に係止されるロック部36と、を有している。ロック装置16は、接続フレーム部28の端部28Bがフレーム嵌合部34Dに嵌合した状態でサイドフレーム部26に固定されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座乗員の臀部をシート下方側から支持するシートクッションと、
前記シートクッションに対して変位可能に設けられ、支持位置に配置された状態で着座乗員の背部をシート下方側から支持するシートバックと、
シート幅方向に間隔をあけて配置された左右一対のサイドフレーム部と、左右一対の前記サイドフレーム部をシート幅方向に接続する接続フレーム部と、を有し、前記シートバックの骨格を構成するバックフレームと、
前記接続フレーム部の端部が嵌合するフレーム嵌合部と、前記シートバックが前記支持位置に配置された状態で車体側に設けられた車体側係止部に係止されるロック部と、を有し、前記接続フレーム部の端部が前記フレーム嵌合部に嵌合した状態で前記サイドフレーム部に固定されたロック装置と、
を備えた車両用シート。
【請求項2】
前記ロック装置は、該ロック装置の外殻を構成すると共に樹脂材料を用いて形成されかつ前記フレーム嵌合部が形成された外殻部と、該外殻部に取付けられた前記ロック部と、を含んで構成されている請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記接続フレーム部の端部は、前記サイドフレーム部に対してシート幅方向外側へ突出している請求項1に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記接続フレーム部の端部をシート幅方向から見た形状は、前記サイドフレーム部の端部とは反対側へ向かうにつれて窄まる形状に形成されており、
前記接続フレーム部の端部における前記サイドフレーム部の端部側の面は平面状に形成された当接面とされ、
前記サイドフレーム部の端部が前記当接面に当接している状態で、前記サイドフレーム部の端部と前記接続フレーム部の端部とが溶接で接合されている請求項1に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、リヤシートバックのロック装置が開示されている。この文献に記載されたロック装置は、ロック機構及びロック解除機構を備えており、リヤシートバックのバックフレームにブラケットを介して取付けられている。そして、リヤシートバックを起立させた状態で、ロック装置のロック機構が車体側に設けられたキャッチに係合することで、シートバックの変位が制限されるようになっている。また、ロック装置のロック解除機構を操作して、ロック機構とキャッチとの係合を解除させることで、シートバックの変位が許容されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭64-22543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成では、ロック装置をリヤシートバックのバックフレームに取付ける際に、ロック装置のバックフレームに対する位置決めを容易に行うことが難しい。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、ロック装置のバックフレームに対する位置決めを容易に行うことができる車両用シートを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の車両用シートは、着座乗員の臀部をシート下方側から支持するシートクッションと、前記シートクッションに対して変位可能に設けられ、支持位置に配置された状態で着座乗員の背部をシート下方側から支持するシートバックと、シート幅方向に間隔をあけて配置された左右一対のサイドフレーム部と、左右一対の前記サイドフレーム部をシート幅方向に接続する接続フレーム部と、を有し、前記シートバックの骨格を構成するバックフレームと、前記接続フレーム部の端部が嵌合するフレーム嵌合部と、前記シートバックが前記支持位置に配置された状態で車体側に設けられた車体側係止部に係止されるロック部と、を有し、前記接続フレーム部の端部が前記フレーム嵌合部に嵌合した状態で前記サイドフレーム部に固定されたロック装置と、を備えている。
【0007】
第1の態様の車両用シートによれば、シートバックをシートクッションに対して変位させることができる。また、シートバックが支持位置に位置している状態で、ロック装置のロック部を車体側係止部に係止させると、シートバックのシートクッションに対する変位が制限される。ここで、ロック装置は、接続フレーム部の端部が嵌合するフレーム嵌合部を有している。そして、ロック装置は、接続フレーム部の端部がフレーム嵌合部に嵌合した状態でサイドフレーム部に固定されている。このように、ロック装置が、接続フレーム部及びサイドフレーム部の2箇所に係合するように構成することで、ロック装置のバックフレームに対する位置決めを容易に行うことができる。
【0008】
第2の態様の車両用シートは、第1の態様の車両用シートにおいて、前記ロック装置は、該ロック装置の外殻を構成すると共に樹脂材料を用いて形成されかつ前記フレーム嵌合部が形成された外殻部と、該外殻部に取付けられた前記ロック部と、を含んで構成されている。
【0009】
第2の態様の車両用シートによれば、ロック装置が外殻部と当該外殻部に取付けられたロック部とを含んで構成されている。また、外殻部が樹脂材料を用いて形成されている。これにより、例えば、外殻部を射出成形により形成する際に、フレーム嵌合部を外殻部に容易に形成することができる。
【0010】
第3の態様の車両用シートは、第1の態様の車両用シートにおいて、前記接続フレーム部の端部は、前記サイドフレーム部に対してシート幅方向外側へ突出している。
【0011】
第3の態様の車両用シートによれば、接続フレーム部の端部が、サイドフレーム部に対してシート幅方向外側へ突出している。これにより、接続フレーム部の端部をロック装置のフレーム嵌合部に嵌合させ易くすることができる。その結果、ロック装置をバックフレームに取付ける際の作業性を良好にすることができる。
【0012】
第4の態様の車両用シートは、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記接続フレーム部の端部をシート幅方向から見た形状は、前記サイドフレーム部の端部とは反対側へ向かうにつれて窄まる形状に形成されており、前記接続フレーム部の端部における前記サイドフレーム部の端部側の面は平面状に形成された当接面とされ、前記サイドフレーム部の端部が前記当接面に当接している状態で、前記サイドフレーム部の端部と前記接続フレーム部の端部とが溶接で接合されている。
【0013】
第4の態様の車両用シートによれば、接続フレーム部の端部をシート幅方向から見た形状が、サイドフレーム部の端部とは反対側へ向かうにつれて窄まる形状に形成されている。また、接続フレーム部の端部におけるサイドフレーム部の端部側の面は平面状に形成された当接面とされ、サイドフレーム部の端部が当接面に当接している状態で、サイドフレーム部の端部と接続フレーム部の端部とが溶接で接合されている。このように構成することで、サイドフレーム部の端部と接続フレーム部の端部との溶接による接合を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る車両用シートは、ロック装置のバックフレームに対する位置決めを容易に行うことができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態の車両用シートを模式的に示す側面図であり、シートバックが支持位置に配置されている状態を示している。
図2】本実施形態の車両用シートを模式的に示す側面図であり、シートバックが格納位置に配置されている状態を示している。
図3】バックフレームにおいてロック装置が取付けられた部分及びロック装置のロック部を示す斜視図である。
図4】ロック装置を模式的に示す図である。
図5】フレーム嵌合部の内側の部分が十字状に形成されたリブとなっている例を示す側面図である。
図6】フレーム嵌合部の内側の部分がハニカム構造のリブとなっている例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図4を用いて、本発明の実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、図中に示す矢印FR、矢印UP、矢印RH及び矢印LHは、シートバック14が後述する支持位置P1に設定された状態の車両用シート10に着座した乗員から見たシート前方側、上方側、右側及び左側をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、シート左右方向の左右を示すものとする。また、シート左右方向は、シート幅方向と一致している。
【0017】
図1に示されるように、本実施形態の車両用シート10は、着座乗員の臀部を下方側から支持するシートクッション12と、着座乗員の背部を後方側から支持するシートバック14と、シートバック14に設けられたロック装置16と、を備えている。
【0018】
シートクッション12は、表皮材に覆われたクッションパッド18がシートクッション12の骨格を構成する図示しないクッションフレームに取付けられた構成となっている。このシートクッション12は、一例として車体のフロア等に固定されている。
【0019】
シートバック14は、表皮材に覆われたバックパッド20がシートバック14の骨格を構成するバックフレーム22(図3参照)に取付けられた構成となっている。このシートバック14は、シートクッション12の後端部に支持されている。シートバック14とシートクッション12との間には、図示しないリクライニング機構が設けられている。これにより、図1に示された支持位置P1と図2に示された格納位置P2との間において、シートバック14をシートクッション12に対して変位(傾動)させることが可能となっている。また、シートバック14が支持位置P1に位置している状態では、シートバック14に設けられたロック装置16が車体側に設けられた車体側係止部24に係止される。これにより、シートバック14のシートクッション12に対する変位が制限される。なお、図示しない解除操作部を操作することにより、ロック装置16と車体側係止部24との係止状態が解除される。これにより、シートバック14のシートクッション12に対する変位が許容される。
【0020】
図3に示されるように、シートバック14の骨格を構成するバックフレーム22は、シート幅方向に間隔をあけて配置された左右一対のサイドフレーム部26と、左右一対のサイドフレーム部26をシート幅方向に接続する接続フレーム部28と、を備えている。なお、図3においては、右側のサイドフレーム部26のみを示している。
【0021】
左右一対のサイドフレーム部26は、金属材料を用いて円筒状に形成されており、シートバック14が支持位置P1に配置された状態(図1参照)において上下方向に伸びる姿勢となっている。なお、以下におけるバックフレーム22やロック装置16の説明では、シートバック14が支持位置P1に配置されているものとして説明する。左右一対のサイドフレーム部26の上端部26Aには、後述する接続フレーム部28が掛け渡されている。右側のサイドフレーム部26の上端側には、ブラケット30が固定されている。ブラケット30は、金属板を用いて形成されており、シート幅方向を厚み方向として上下方向に延在する基板部30Aと、基板部30Aの上端及び下端からそれぞれ左側へ向けて延びる一対の脚部分30Bと、を備えている。一対の脚部分30Bにおける左側の端部は、右側のサイドフレーム部26の上端側に溶接で接合されている。ブラケット30の基板部30Aには、図示しない一対の溶接ナットが接合されている。そして、ロック装置16に挿通された一対のボルト32を一対の溶接ナットに螺合させることで、ロック装置16がブラケット30を介して右側のサイドフレーム部26の上端側に固定されるようになっている。
【0022】
接続フレーム部28は、金属材料を用いて筒状に形成されている。この接続フレーム部28の左右方向の中央部28Aは、円筒状に形成されている。また、接続フレーム部28の右側の端部28Bを右側から見た形状は、サイドフレーム部26の上端部26Aとは反対側へ向かうにつれて窄まる略三角形状に形成されている。なお、接続フレーム部28の右側の端部28Bに絞り加工等が施されることにより、接続フレーム部28の右側の端部28Bが上記形状に形成されている。ここで、接続フレーム部28の右側の端部28Bにおいてサイドフレーム部26の上端部26Aと上下方向に対向する部分を底壁部28B1と呼ぶ。また、接続フレーム部28の右側の端部28Bにおいて底壁部28B1の前端から上方側へ延びている部分を前側傾斜壁部28B2と呼ぶことにする。前側傾斜壁部28B2は、上方側へ向かうにつれて後方側へ傾斜している。また、接続フレーム部28の右側の端部28Bにおいて底壁部28B1の後端から上方側へ延びている部分を後側傾斜壁部28B3と呼ぶことにする。後側傾斜壁部28B3は、上方側へ向かうにつれて前方側へ傾斜している。また、前側傾斜壁部28B2の上端と後側傾斜壁部28B3の上端とは、接続フレーム部28の右側の端部28Bにおける前後方向の中央部においてつながっている。
【0023】
また、底壁部28B1におけるサイドフレーム部26の上端部26A側の面は平面状に形成された当接面Sとされている。そして、サイドフレーム部26の上端部26Aが当接面Sに当接している状態で、サイドフレーム部26の上端部26Aと接続フレーム部28の右側の端部28Bとが溶接で接合されている。また、サイドフレーム部26の上端部26Aと接続フレーム部28の右側の端部28Bとが溶接で接合されている状態では、接続フレーム部28の右側の端部28Bの一部が、サイドフレーム部26に対してシート幅方向外側(右側)へ突出している。
【0024】
図3及び図4に示されるように、ロック装置16は、当該ロック装置16の外殻を構成する外殻部34と、外殻部34に取付けられたロック部36と、を含んで構成されている。なお、図1においては、外殻部34の図示を省略している。また、図4においては、外殻部34及びロック部36の構成を簡略化して示している。
【0025】
図4に示されるように、外殻部34は、樹脂材料を用いて形成されている。ここで、本実施形態の外殻部34は、図示しない解除操作部を有する構成となっている。この外殻部34は、ロック部36を右側から覆う右側被覆部34Aと、右側被覆部34Aの前端から左側へ向けて延びる前側被覆部34Bと、右側被覆部34Aの後端から左側へ向けて延びる後側被覆部34Cと、を備えている。右側被覆部34Aの下端側には、ロック部36が固定されている。また、右側被覆部34Aの上端側には、接続フレーム部28の右側の端部28B(図3参照)が嵌合するフレーム嵌合部34Dが形成されている。このフレーム嵌合部34Dは、右側被覆部34Aに形成された窪みである。また、フレーム嵌合部34Dの形状は、接続フレーム部28の右側の端部28Bの形状に対応して略三角形状に形成されている。ここで、フレーム嵌合部34Dの寸法は、当該フレーム嵌合部34Dと接続フレーム部28の右側の端部28Bとが圧入状態で嵌合するような寸法に設定してもよい。また、フレーム嵌合部34Dの寸法は、当該フレーム嵌合部34Dと接続フレーム部28の右側の端部28Bとが定められたクリアランスを有する状態で嵌合するような寸法に設定してもよい。また、本実施形態では、フレーム嵌合部34Dの内側の部分34E(接続フレーム部28の右側の端部28Bに挿入される部分)が中実のブロック状となっている。
【0026】
ロック部36は、ロック部本体38と、ロック部本体38に支持されたロック片40と、を含んで構成されている。
【0027】
ロック部本体38には、一対のボルト挿通孔38Aが形成されている。一対のボルト挿通孔38Aは、上下方向に間隔をあけて配置されている。このボルト挿通孔38Aには、一対のボルト32(図3参照)が挿通されるようになっている。また、ロック部本体38の上下方向の中央部には、後方側が開放された第1凹部38Bが形成されている。
【0028】
ロック片40は、板状に形成されており、ロック部本体38に傾動可能に支持されている。また、ロック片40には、一方側が開放された第2凹部40Aが形成されている。そして、車体側に設けられた車体側係止部24が、ロック部本体38に形成された第1凹部38B内に配置された状態かつロック片40に形成された第2凹部40A内に配置された状態では、ロック部36(ロック装置16)と車体側係止部24との係合状態が保たれるようになっている。また、ロック片40がロック部本体38に対して傾動して、車体側係止部24がロック片40に形成された第2凹部40Aから抜け出した状態では、車体側係止部24がロック部本体38に形成された第1凹部38Bから抜け出し可能となる。この状態では、ロック部36(ロック装置16)と車体側係止部24との係合状態が解除されている。
【0029】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0030】
図1及び図2に示されるように、本実施形態の車両用シート10によれば、シートバック14をシートクッション12に対して支持位置P1と格納位置P2との間において変位させることができる。また、図1及び図4に示されるように、シートバック14が支持位置P1に位置している状態で、ロック装置16のロック部36を車体側係止部24に係止させると、シートバック14のシートクッション12に対する変位が制限される。
【0031】
ここで、図3及び図4に示されるように、ロック装置16の外殻部34には、接続フレーム部28の右側の端部28Bが嵌合するフレーム嵌合部34Dが形成されている。そして、本実施形態では、接続フレーム部28の右側の端部28Bを外殻部34のフレーム嵌合部34Dに嵌合させた状態で、ロック部36に挿通された一対のボルト32をブラケット30に接合された一対の溶接ナットに螺合させる。これにより、ロック装置16がブラケット30を介して右側のサイドフレーム部26の上端側に固定される。このように、ロック装置16が、接続フレーム部28及びサイドフレーム部26の2箇所に係合するように構成することで、ロック装置16のバックフレーム22に対する位置決めを容易に行うことができる。また、ロック装置16が、接続フレーム部28及びサイドフレーム部26の2箇所に係合するように構成することで、車両の衝突時に生じる荷重に対する強度を確保することができる。
【0032】
また、本実施形態では、ロック装置16が外殻部34と当該外殻部34に取付けられたロック部36とを含んで構成されている。また、外殻部34が樹脂材料を用いて形成されている。これにより、外殻部34を射出成形により形成する際に、フレーム嵌合部34Dを外殻部34に容易に形成することができる。
【0033】
また、本実施形態では、接続フレーム部28の右側の端部28Bの一部が、サイドフレーム部26に対してシート幅方向外側へ突出している。これにより、接続フレーム部28の右側の端部28Bをロック装置16の外殻部34のフレーム嵌合部34Dに嵌合させ易くすることができる。その結果、ロック装置16をバックフレーム22に取付ける際の作業性を良好にすることができる。
【0034】
また、本実施形態では、接続フレーム部28の右側の端部28Bを右側から見た形状が、サイドフレーム部26の上端部26Aとは反対側へ向かうにつれて窄まる略三角形状に形成されている。また、接続フレーム部28の右側の端部28Bにおけるサイドフレーム部26の上端部26A側の面は平面状に形成された当接面Sとされている。そして、サイドフレーム部26の上端部26Aが当接面Sに当接している状態で、サイドフレーム部26の上端部26Aと接続フレーム部28の右側の端部28Bとが溶接で接合されている。このように構成することで、サイドフレーム部26の上端部26Aと接続フレーム部28の右側の端部28Bとの溶接による接合を容易にすることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、接続フレーム部28の右側の端部28Bを上記のように略三角形状に形成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。接続フレーム部28の右側の端部28Bの形状は、サイドフレーム部26との接合部の構成等を考慮して適宜設定すればよい。例えば、接続フレーム部28の右側の端部28Bの形状は、真円形状、楕円形状、四角形状等の他の形状であってもよい。
【0036】
また、本実施形態では、図4に示されるように、フレーム嵌合部34Dの内側の部分34E(接続フレーム部28の右側の端部28Bに挿入される部分)が中実のブロック状となっている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5及び図6に示されるように、フレーム嵌合部34Dの内側の部分34Eがリブ34Fによって肉抜きされた構成となっていてもよい。図5に示されたフレーム嵌合部34Dの内側の部分34Eは、十字状に形成されたリブ34Fとなっており、図6に示されたフレーム嵌合部34Dの内側の部分34Eは、ハニカム構造のリブ34Fとなっている。
【0037】
また、本実施形態では、接続フレーム部28の右側の端部28Bの一部をサイドフレーム部26に対してシート幅方向外側へ突出させた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ロック装置16側のフレーム嵌合部が棒状に形成され、このフレーム嵌合部が接続フレーム部28の右側の端部28Bに挿入された状態で嵌合する構成においては、接続フレーム部28の右側の端部28Bの一部をサイドフレーム部26に対してシート幅方向外側へ突出させなくてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、ロック装置16が外殻部34と当該外殻部34に取付けられたロック部36とを含んで構成されている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ロック装置16が外殻部34を備えていない構成となっていてもよい。この場合、ロック装置16のロック部36と対応する部分にフレーム嵌合部を設ければよい。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
16 ロック装置
22 バックフレーム
24 車体側係止部
26 サイドフレーム部
28 接続フレーム部
28A 接続フレーム部の端部
34 外殻部
34D フレーム嵌合部
36 ロック部
P1 支持位置
S 当接面
図1
図2
図3
図4
図5
図6