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  • 特開-プラスチックボトルおよび液体製品 図1
  • 特開-プラスチックボトルおよび液体製品 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173309
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】プラスチックボトルおよび液体製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
B65D1/02 221
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085470
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】松竹 直斗
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 拓人
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA15
3E033BA16
3E033BA18
3E033CA05
3E033DD05
3E033EA04
3E033FA03
(57)【要約】
【課題】胴部の一部に局所的なくびれが設けられた特徴的な外観を有するプラスチックボトルおよび液体製品を実現する。
【解決手段】口部2、胴部3、および底部4を備えるプラスチックボトル1であって、胴部3が、口部2に連設されている上側部分31と、底部4に連設されている下側部分32と、上側部分31と下側部分32とを接続する接続部分33と、を含み、上側部分31および下側部分32の少なくとも一方が、円筒状部分32として形成され、接続部分33が、円筒状部分32に比べて縮径する部分として設けられ、接続部分33のうち最も直径が小さい最小部分33bにおける直径が、円筒状部分32の接続部分33に連設されている部分32aにおける直径の65%以上75%以下であり、垂直断面において、円筒状部分32と接続部分33とのなす角が、130°以上150°以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部、胴部、および底部を備えるプラスチックボトルであって、
前記胴部が、口部に連設されている上側部分と、底部に連設されている下側部分と、前記上側部分と前記下側部分とを接続する接続部分と、を含み、
前記上側部分および前記下側部分の少なくとも一方が、円筒状部分として形成され、
前記接続部分が、前記円筒状部分に比べて縮径する部分として設けられ、
前記接続部分のうち最も直径が小さい最小部分における直径が、前記円筒状部分の前記接続部分に連設されている部分における直径の65%以上75%以下であり、
垂直断面において、前記円筒状部分と前記接続部分とのなす角が、130°以上150°以下であるプラスチックボトル。
【請求項2】
前記接続部分における肉厚が0.25mm以上0.45mm以下である請求項1に記載のプラスチックボトル。
【請求項3】
前記上側部分および前記下側部分のいずれか一方が、前記円筒状部分として形成され、他方が、水平方向および垂直方向の双方に曲率を有する形状で形成されている請求項1または2に記載のプラスチックボトル。
【請求項4】
口部、胴部、および底部を備え、
前記胴部が、口部に連設されている上側部分と、底部に連設されている下側部分と、前記上側部分と前記下側部分とを接続する接続部分と、を含み、
前記上側部分および前記下側部分の少なくとも一方が、円筒状部分として形成され、
前記接続部分が、前記円筒状部分から連続的に縮径する部分として設けられ、
前記接続部分のうち最も直径が小さい最小部分における直径が、前記円筒状部分における直径の65%以上75%以下であり、
垂直断面において、前記円筒状部分と前記接続部分とのなす角が130°以上150°以下であるプラスチックボトルに、液体が充填されている液体製品。
【請求項5】
前記液体が炭酸飲料であり、
前記プラスチックボトルの内圧が0.3MPa以上0.5MPa以下である請求項4に記載の液体製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックボトル、および、当該プラスチックボトルに液体が充填されている液体製品、に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料、薬品、化粧品などの液体を流通、販売、保管などに供するための容器として、プラスチックボトルが汎用されている。これらの液体製品は、最終消費者向けに小売店で販売されることが多いため、内容物自体の付加価値が高いことはもちろんのこと、消費者に訴求しやすい外観であることも重要である。そのため、液体製品の外観を左右しうるプラスチックボトルの形状について、種々の検討が行われている。たとえば、特許文献1~3に示す各プラスチックボトルでは、内部が加圧状態になっても特徴的な外観が維持されるように、ボトルの形状などに工夫が加えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-88520号公報
【特許文献2】特開平7-300121号公報
【特許文献3】特開2007-62800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1および2のプラスチックボトルでは、内圧に対する耐力が得られやすい略円筒状の構造を基本としており、くびれを有する外観を実現することはできなかった。また、特許文献3のプラスチックボトルでは、くびれを有する外観が志向されているものの、胴部が全体的に縮径した形状が実現されるにとどまり、局所的なくびれを実現するには至らなかった。
【0005】
そこで、胴部の一部に局所的なくびれが設けられた特徴的な外観を有するプラスチックボトルおよび液体製品の実現が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプラスチックボトルは、口部、胴部、および底部を備えるプラスチックボトルであって、前記胴部が、口部に連設されている上側部分と、底部に連設されている下側部分と、前記上側部分と前記下側部分とを接続する接続部分と、を含み、前記上側部分および前記下側部分の少なくとも一方が、円筒状部分として形成され、前記接続部分が、前記円筒状部分に比べて縮径する部分として設けられ、前記接続部分のうち最も直径が小さい最小部分における直径が、前記円筒状部分の前記接続部分に連設されている部分における直径の65%以上75%以下であり、垂直断面において、前記円筒状部分と前記接続部分とのなす角が、130°以上150°以下であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る液体製品は、口部、胴部、および底部を備え、前記胴部が、口部に連設されている上側部分と、底部に連設されている下側部分と、前記上側部分と前記下側部分とを接続する接続部分と、を含み、前記上側部分および前記下側部分の少なくとも一方が、円筒状部分として形成され、前記接続部分が、前記円筒状部分から連続的に縮径する部分として設けられ、前記接続部分のうち最も直径が小さい最小部分における直径が、前記円筒状部分における直径の65%以上75%以下であり、垂直断面において、前記円筒状部分と前記接続部分とのなす角が130°以上150°以下であるプラスチックボトルに、液体が充填されていることを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、胴部の一部である接続部分に局所的なくびれが設けられた特徴的な外観を有するプラスチックボトルおよび液体製品を実現できる。また、接続部分の耐圧性が比較的高いので、液体が充填される等の要因により内圧が発生した後においてもくびれが維持されやすい。
【0009】
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
【0010】
本発明に係るプラスチックボトルは、一態様として、前記接続部分における肉厚が0.25以上0.45mm以下であることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、材料使用量の抑制と、接続部分に対する耐圧性の付与とを両立しうる。
【0012】
本発明に係るプラスチックボトルは、一態様として、前記上側部分および前記下側部分のいずれか一方が、前記円筒状部分として形成され、他方が、水平方向および垂直方向の双方に曲率を有する形状で形成されていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、上側部分に特徴的なデザインを付与するとともに、接続部分に耐圧性を付与できる。
【0014】
本発明に係る液体製品は、一態様として、前記液体が炭酸飲料であり、前記プラスチックボトルの内圧が0.3MPa以上0.5MPa以下であることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、いわゆる強炭酸に分類される炭酸飲料製品において、接続部分に特徴的なくびれを有する外観を実現できる。
【0016】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係るプラスチックボトルの正面図である。
図2】実施形態に係るプラスチックボトルの接続部分周辺の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るプラスチックボトルおよび充填製品の実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係るプラスチックボトルを、主として炭酸飲料を充填して使用されるプラスチックボトル1(以下、単にボトル1という。)に適用した例について説明する。また、本発明に係る液体製品を、ボトル1に炭酸飲料が充填されている炭酸飲料製品(液体製品の例である。)に適用した例についても説明する。
【0019】
〔ボトルの全体構成〕
ボトル1は、口部2、胴部3、および底部4を備える(図1)。口部2には、キャップ(不図示)を螺合可能な雄ねじ部分21や、サポートリング22などの、当分野におけるボトルの口部として公知の構造物が設けられている。また、底部4は、複数の溝41を有するペタロイド状に形成されており、当分野において炭酸飲料用に使用されるボトルとして公知の構造を有する。すなわち、口部2および底部4としては、当分野において公知の構成を適用できる。したがって、これらの部分について以下では詳細な説明を省略する。
【0020】
本実施形態では、サポートリング22の下端を、口部2と胴部3との境界と定義する。また、底部4に設けられた溝41の上端を、胴部3と底部4との境界と定義する。なお、本発明が属するプラスチックボトルの分野において、口部に連設されている部分を首部と称し、首部よりさらに下方(底部側)にある部分を胴部と称する場合があるが、本実施形態では首部と(狭義の)胴部とを区別せずに、一括して胴部3として扱っている。
【0021】
以下の説明において方向を表す用語を用いるときは、特記しない限り、底部4を接地部分としてボトル1を設置した際の姿勢(すなわち、図1に示した姿勢である。)を基準として各用語を用いる。たとえば、垂直方向は図1紙面の上下方向であり、水平方向は図1紙面と直交する方向である。また、上下方向も、図1紙面の上下方向である。
【0022】
ボトル1は、特に炭酸飲料の充填を志向して設計されているが、炭酸飲料以外の液体が収容されることを妨げるものではない。したがって、ボトル1に収容される液体は特に限定されず、たとえば、清涼飲料水(果実飲料、紅茶飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター、豆乳類、野菜飲料、スポーツ飲料、ココア飲料など)、アルコール飲料、乳飲料などの飲料、スープなどの液体食品、ソースや醤油などの液体調味料、薬品、化粧品などでありうる。
【0023】
本実施形態に係るボトル1は、いわゆるペットボトルである。ボトル1は、二軸延伸ブロー成形などの延伸成形法によってプリフォームを延伸して得られる。本実施形態では、ボトル1はポリエチレンテレフタレート製であり、無色透明である。ボトル1の容量は特に限定されず、一般的に流通している280mL、350mL、500mLなど、200mL~2L程度とすることができ、500~2000mLであることが好ましい。以下の説明では、ボトル1の満注容量が1035mLである場合を例として説明する。
【0024】
ただし、ボトル1を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレートが代表的であるが、ポリエチレンやポリプロピレンなどであってもよい。任意の材料製のボトル1を、使用する材料製のプリフォームを原料として使用する延伸成形法によって得ることができる。なお、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂材料は、石油化学プロセス、使用済みのペットボトル等のリサイクルプロセス、植物由来原料に由来するプロセス、などから選択される供給源、またはこれらの供給源の組合せから供給されうる。
【0025】
ボトル1は、従来のボトルに比べて薄肉のボトルであってもよい。具体的には、ボトル1の満注容量(mL単位)に対するボトル1の重量(g単位)の比率が0.025g/mL以上0.050g/mL以下であることが好ましく、0.030g/mL以上0.040g/mL以下であることがより好ましい。満注容量に対する重量の比率が上記の範囲にあると、適切な強度を確保できる範囲で樹脂の使用量を十分に減らすことができ、ボトル1の省資源化および軽量化に資する。
【0026】
本実施形態に係るボトル1は、重量が35gである。また、前述のようにボトル1の満注容量が1035mLであるので、ボトル1の満注容量に対するボトル1の重量の比率は0.034g/mLである。なお、この例のようにボトル1の重量が31g以上であると、ボトル1の肉厚を十分に確保しやすいため、強度および歩留まりの観点で良好である。また、ボトル1の重量が41g以下であると、省資源化の観点で好適である。ボトル1の重量は、33g以上であることがより好ましく、40g以上であることがさらに好ましい。
【0027】
〔胴部の構成〕
胴部3は、口部2に連設されている上側部分31と、底部4に連設されている下側部分32と、上側部分31と下側部分32とを接続する接続部分33と、を有する。上側部分31は、概して、水平方向および垂直方向の双方に曲率を有する卵状の形状を有する。一方、下側部分32は、水平断面が円形の円筒状部分として形成されている。以下では、下側部分32を円筒状部分32と称する。
【0028】
前述の通り、上側部分31は概して卵状に形成されているが、接続部分33に連設されている部分には台座部分31aが設けられており、上側部分31の主たる部分である卵状部分31bが台座部分31aによって支持されているように見えるデザインが実現されている。上側部分31の最大の直径は79mmであり、当該最大の直径は、上側部分31の下端から24.8mmの位置に現れる。
【0029】
本実施形態において、円筒状部分32は、接続部分33に連設されている第一部分32aと、第一部分32aと底部4との間に延在する第二部分32bと、に区分される。第一部分32aおよび第二部分32bはいずれも円筒状であるが、第一部分32aが第二部分32bに比べてわずかに拡径して設けられている。具体的には、第一部分32aは直径80mm、長さ4mmの円筒状に形成されており、第二部分32bは直径77.8mm、長さ96.2mmの円筒状に形成されている。なお、第一部分32aおよび第二部分32bの長さは、各部分の垂直方向の長さとして定義される。
【0030】
接続部分33は、円筒状部分32に比べて縮径する部分として設けられている。より詳細には、接続部分33は、円筒状部分32に連設されている円錐台状部分33aと、上側部分31と円錐台状部分33aとの間に延在する最小部分33bと、に区分される。最小部分33bは、接続部分33において直径が最も小さい部分であり、直径56mm、長さ3mmの円筒状部分として形成されている。この例のように、最小部分33bの長さが1mm以上10mm以下であると、ボトル1に炭酸飲料を充填した際の接続部分33の変形が抑制されるため、好ましい。なお、最小部分33bの長さは、最小部分33bの垂直方向の長さとして定義される。
【0031】
第一部分32a(接続部分33に連設されている部分である。)の直径が80mmであり、最小部分33bの直径が56mmであるので、最小部分33bの直径は第一部分32aの直径の70%である。この例のように、第一部分32aの直径に対する最小部分33bの直径の割合は、65%以上75%以下の範囲で設定される。
【0032】
図2は、接続部分33周辺の垂直断面を示す断面図である。当該垂直断面において、円筒状部分32(第一部分32a)と接続部分33(円錐台状部分33a)とのなす角θが、140°である。この例のように、円筒状部分32と接続部分33とのなす角θは、130°以上150°以下の範囲で設定される。なお、円筒状部分32(第一部分32a)と接続部分33(円錐台状部分33a)との接続部分には、半径8mmの丸め加工が施されている。
【0033】
なお、図2に示すように、本実施形態では、接続部分33の上端側において拡径しはじめる位置を、上側部分31と接続部分33との境界と定義する。また、円筒状部分32の上端側において拡径しはじめる位置を、円筒状部分32と接続部分33との境界と定義する。
【0034】
ボトル1の肉厚は、底部4などの補強されている部分を除き、0.35mmである。特に、本実施形態では、胴部3(上側部分31、円筒状部分32、および接続部分33)において、肉厚が0.35mmである。この例のように、ボトル1の肉厚が0.45mm以下であると、ボトル1の重量、ひいては材料使用量を抑制できるため、好ましい。また、ボトル1の肉厚が0.25mm以上であると、ボトル1(特に接続部分33)の強度を高めやすい。
【0035】
〔炭酸飲料製品の構成〕
本実施形態に係る炭酸飲料製品は、ボトル1に炭酸飲料が充填されたものである。炭酸飲料がボトル1に充填され、キャップ(不図示)により口部2が封止された状態で、当該炭酸飲料の流通、販売、保管等(以下、「流通等」と称する。)に供される。
【0036】
ボトル1に炭酸飲料を充填して口部2を封止すると、ボトル1の内圧が上昇する。この内圧に起因してボトル1が変形する(膨らむ)場合があり、この変形は比較的強度が低い部分に集中することがある。本実施形態に係るボトル1の形状に鑑みると、卵状の上側部分31および円筒状の円筒状部分32が、いずれも比較的耐圧性が高い形状であるので、接続部分33の耐圧性が相対的に低いといえる。したがってボトル1では、接続部分33が、内圧上昇による変形が特に懸念される部分である。しかし本実施形態では、接続部分33の特徴的な構造によって、ボトル1に炭酸飲料を充填した際の接続部分33の変形が抑制されている。
【0037】
第一に、円筒状部分32と接続部分33とのなす角θを130°以上150°以下にすることで、接続部分33(円錐台状部分33a)が、球面に近い形で円筒状部分32の上端から上方に延びることになる。これによって、円錐台状部分33aにおいて球面に類する耐圧性が得られる。
【0038】
第二に、第一部分32aの直径に対する最小部分33bの直径の割合を65%以上75%以下にすることで、角θが130°以上150°以下である前提の下で、円錐台状部分33aの寸法を十分な大きさにすることができる。そして、円錐台状部分33aは、耐圧構造として機能する部分に他ならない。したがって、第一部分32aの直径に対する最小部分33bの直径の割合を上記の範囲にすることによって、円錐台状部分33aにおいて、接続部分33の変形を十分に抑制しうる水準の耐圧性を付与しうる。
【0039】
第三に、最小部分33bの長さを1mm以上10mm以下にすることで、接続部分33の上端に、強度が比較的強い部分を設けている。これによって、接続部分33全体の耐圧性をさらに高めている。
【0040】
以上の特徴によって、接続部分33の耐圧性が高められているので、ボトル1に充填される炭酸飲料のガス圧が高い水準(たとえば20℃での充填時において0.5MPa以上)であっても、接続部分33の変形を抑制しうる。これによって、接続部分33にくびれを有する特徴的なデザインが、炭酸飲料の充填後においても維持される。すなわち、流通等に供される炭酸飲料製品に、特徴的な外観を付与できる。
【0041】
本実施形態に係る炭酸飲料製品では、ボトル1の内圧が0.45MPaである。この内圧は上記の充填時の値(0.5MPa)より小さいが、これは、流通等に供される間に炭酸ガスの一部が離脱するためである。この例のように、炭酸飲料製品におけるボトル1の内圧が0.3MPa以上0.5MPa以下である場合は、いわゆる強炭酸に分類される炭酸飲料が充填されており、ボトル1が変形しやすい条件にある。このような条件であっても、本実施形態に係るボトル1を適用すれば、ボトル1(特に接続部分33)の変形を抑制できる。
【0042】
なお、炭酸飲料製品におけるボトル1の内圧とは、ボトル1に炭酸飲料が充填された後にキャップにより口部2が封止され、その後一度も開封されていない炭酸飲料製品について20℃において測定した内圧をいう。ボトル1が炭酸飲料の充填後一度も開封されていないことは、たとえばキャップのタンパーエビデンスリングが切断されていないことによって確認できる。
【0043】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係るプラスチックボトルおよび液体製品のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0044】
上記の実施形態では、胴部3のうち、上側部分31が卵状に形成され、下側部分32が円筒状に形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明に係るプラスチックボトルは、上側部分および下側部分の少なくとも一方が円筒状部分として形成されていれば足る。したがって、上記の実施形態に加えて、上側部分のみが円筒状であってもよいし、上側部分および下側部分の双方が円筒状であってもよい。
【0045】
上記の実施形態では、ボトル1に炭酸飲料が充填された炭酸飲料製品を例として説明し、ボトル1の内圧が0.45MPaである場合を例示した。しかし、本発明に係る液体製品において、プラスチックボトルに充填される液体は炭酸飲料に限定されず、その内圧も限定されない。
【0046】
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、たとえば炭酸飲料を充填するための容器に利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 :プラスチックボトル
2 :口部
21 :雄ねじ部分
22 :サポートリング
3 :胴部
31 :上側部分
31a :台座部分
31b :卵状部分
32 :下側部分(円筒状部分)
32a :第一部分
32b :第二部分
33 :接続部分
33a :円錐台状部分
33b :最小部分
4 :底部
41 :溝
θ :円筒状部分と接続部分とのなす角
図1
図2