(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173330
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】蒸気弁装置およびそれを備えた発電プラント
(51)【国際特許分類】
F01D 17/10 20060101AFI20231130BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20231130BHJP
F16K 1/44 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
F01D17/10 B
F01D17/10 C
F01D25/00 G
F16K1/44 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085505
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】進藤 蔵
(72)【発明者】
【氏名】二森 都
(72)【発明者】
【氏名】堀井 俊一
(72)【発明者】
【氏名】竹丸 竜平
【テーマコード(参考)】
3G071
3H052
【Fターム(参考)】
3G071AA01
3G071AB01
3G071BA22
3G071DA02
3G071DA05
3H052AA01
3H052BA35
3H052CA04
3H052CA12
3H052CA13
3H052CD01
3H052CD02
3H052EA05
(57)【要約】
【課題】全閉状態の止め弁の弁体に対して、弁体を閉める方向に力が作用する場合であっても、止め弁を容易に全開状態にする。
【解決手段】本実施形態の蒸気弁装置が備える止め弁部において、親弁体は、弁棒に摺動可能に設けられ、全閉状態であるときに弁座部に接触する。子弁体は、弁棒に固定されており、全閉状態であるときに親弁体に接触する。止め弁部は、親弁体が全閉状態であるときに子弁体が開き始め、子弁体が全開状態になったときに親弁体が開き始めるように構成されている。弁棒は、連通路を含む。連通路は、親弁体が全閉状態であるときに子弁体が開けられた際に、弁箱内部空間において弁座部よりも弁箱出口の側に位置する空間と、弁箱内部空間において弁座部よりも弁箱入口の側に位置する空間との間を連通させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
止め弁部
を備える
蒸気弁装置であって、
蒸気が弁箱入口から弁箱内部空間を介して弁箱出口に流れるように構成されている弁箱と、
前記弁箱内部空間に設けられている弁座部と
を有し、
前記止め弁部は、
弁棒と、
前記弁箱内部空間において前記弁棒に摺動可能に設けられ、全閉状態であるときに前記弁座部に接触する親弁体と、
前記弁箱内部空間において前記弁棒に固定されており、全閉状態であるときに前記親弁体に接触する子弁体と
を有し、前記親弁体が全閉状態であるときに前記子弁体が開き始め、前記子弁体が全開状態になったときに前記親弁体が開き始めるように構成されており、
前記弁棒は、
前記親弁体が全閉状態であるときに前記子弁体が開けられた際に、前記弁箱内部空間において前記弁座部よりも前記弁箱出口の側に位置する空間と、前記弁箱内部空間において前記弁座部よりも前記弁箱入口の側に位置する空間との間を連通させるための連通路
を含む、
蒸気弁装置。
【請求項2】
前記止め弁部よりも上流側に設けられた加減弁部
を更に備える、
請求項1に記載の蒸気弁装置。
【請求項3】
止め弁部と、
前記止め弁部よりも上流側に設けられた加減弁部と
を備える
蒸気弁装置であって、
蒸気が弁箱入口から弁箱内部空間を介して弁箱出口に流れるように構成されている弁箱と、
前記弁箱内部空間に設けられている弁座部と
を有し、
前記止め弁部は、
弁棒と、
前記弁箱内部空間において前記弁棒に固定され、全閉状態であるときに前記弁座部に接触する弁体と
を有し、
前記弁棒は、
前記止め弁部が全閉状態であるときに、前記弁箱内部空間において前記弁座部よりも前記弁箱出口の側に位置する空間と、前記弁箱内部空間において前記弁座部よりも前記弁箱入口の側に位置する空間との間を連通させるための連通路
を含み、
前記連通路は、前記連通路を閉じるための閉止プラグが着脱自在に設けられている、
蒸気弁装置。
【請求項4】
止め弁部と、
前記止め弁部よりも上流側に設けられた加減弁部と
を備える
蒸気弁装置であって、
蒸気が弁箱入口から弁箱内部空間を介して弁箱出口に流れるように構成されている弁箱と、
前記弁箱内部空間に設けられている弁座部と
を有し、
前記止め弁部は、
弁棒と、
前記弁箱内部空間において前記弁棒に固定され、全閉状態であるときに前記弁座部に接触する弁体と
を有し、
前記弁体は、
前記止め弁部が全閉状態であるときに、前記弁箱内部空間において前記弁座部よりも前記弁箱出口の側に位置する空間と、前記弁箱内部空間において前記弁座部よりも前記弁箱入口の側に位置する空間との間を連通させるための連通路
を含み、
前記連通路は、前記連通路を閉じるための閉止プラグが着脱自在に設けられている、
蒸気弁装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の蒸気弁装置を備える
発電プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蒸気弁装置およびそれを備えた発電プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、関連技術にかかる蒸気タービン発電プラント100を模式的に示す図である。
【0003】
蒸気タービン発電プラント100は、コンバインドサイクル発電システムの一部であって、
図6に示すように、排熱回収ボイラ110と蒸気タービン140とを備え、排熱回収ボイラ110で生成された蒸気が作動媒体として蒸気タービン140に供給されるように構成されている。
【0004】
ここでは、排熱回収ボイラ110は、過熱器111(蒸気発生器)と再熱器112とを含み、ガスタービン(図示省略)から排出された排ガスの熱を用いて、過熱器111および再熱器112が加熱を行うように構成されている。また、蒸気タービン140は、高圧タービン141と中圧タービン142と低圧タービン143とを含む。
【0005】
図6に示すように、蒸気タービン発電プラント100においては、過熱器111で加熱された蒸気が主蒸気管P10を介して高圧タービン141に作動媒体として導入され、高圧タービン141において仕事を行う。主蒸気管P10には、蒸気弁装置V10が設置されている。蒸気弁装置V10は、蒸気加減弁部V102と主蒸気止め弁部V101とを含む。主蒸気止め弁部V101は、主に、高圧タービン141に作動媒体として導入する蒸気の流れを非常時に止める止め弁部として機能する。蒸気加減弁部V102は、主に、高圧タービン141に作動媒体として導入する蒸気の流量を調整する加減弁部として機能する。蒸気弁装置V10は、例えば、蒸気加減弁部V102と主蒸気止め弁部V101とを組み合わせた組み合わせ弁である。
【0006】
高圧タービン141から排出された蒸気は、逆止弁V11が設置された低温再熱蒸気管P11を経由して、再熱器112に供給され、再熱器112において再度加熱される。
【0007】
再熱器112で加熱された蒸気は、高温再熱蒸気管P12を介して、中圧タービン142に作動媒体として導入され、中圧タービン142において仕事を行う。高温再熱蒸気管P12には、蒸気弁装置V12が設置されている。蒸気弁装置V12は、インターセプト弁部V122(再熱蒸気加減弁)と再熱蒸気止め弁部V121とを含む。再熱蒸気止め弁部V121は、主に、中圧タービン142に作動媒体として導入する蒸気の流れを非常時に止める止め弁部として機能する。インターセプト弁部V122は、主に、中圧タービン142に作動媒体として導入する蒸気の流量を調整する加減弁部として機能する。蒸気弁装置V12は、インターセプト弁部V122と再熱蒸気止め弁部V121とを組み合わせた組み合わせ弁である。
【0008】
中圧タービン142から排出された蒸気は、クロスオーバ管P13を介して、低圧タービン143に作動媒体として導入され、低圧タービン143において仕事を行う。そして、低圧タービン143から排出された蒸気は、復水器150で凝縮される。復水器150で凝縮された水(復水)は、給水ポンプ151において昇圧される。給水ポンプ151で昇圧された水(給水)は、過熱器111に戻される。
【0009】
蒸気タービン発電プラント100では、高圧タービン141と中圧タービン142と低圧タービン143との間においてタービンロータが連結されており、蒸気の仕事によってタービンロータが回転する。そして、そのタービンロータの回転によって発電機(図示省略)が駆動し、発電が行われる。
【0010】
上記の蒸気タービン発電プラント100では、蒸気タービン140の起動前に、排熱回収ボイラ110を単独で運転できるように、高圧タービンバイパス管BP1および低圧タービンバイパス管BP2が更に設けられている。
【0011】
高圧タービンバイパス管BP1は、主蒸気管P10において蒸気弁装置V10よりも上流側に位置する部分に一端が接続され、低温再熱蒸気管P11において逆止弁V11よりも下流側に位置する部分に他端が接続されている。高圧タービンバイパス管BP1には、高圧タービンバイパス弁BV1が設置されている。高圧タービンバイパス弁BV1は、例えば、蒸気タービン140の起動時に、過熱器111から高圧タービン141へ供給される蒸気(主蒸気)の圧力を制御するために用いられる。
【0012】
低圧タービンバイパス管BP2は、高温再熱蒸気管P12において蒸気弁装置V12よりも上流側に位置する部分に一端が接続され、他端が復水器150に接続されている。低圧タービンバイパス管BP2には、低圧タービンバイパス弁BV2が設置されている。低圧タービンバイパス弁BV2は、例えば、蒸気タービン140の起動時に、再熱器112から中圧タービン142へ供給される蒸気(再熱蒸気)の圧力を制御するために用いられる。
【0013】
蒸気タービン140の起動前に排熱回収ボイラ110を単独で運転させる際には、タービンバイパス運転が実行される。タービンバイパス運転では、主蒸気止め弁部V101および再熱蒸気止め弁部V121が全閉状態にされる。これにより、タービンバイパス運転において、排熱回収ボイラ110で生じた蒸気は、蒸気タービン140に導入されずに蒸気タービン140を迂回し、高圧タービンバイパス管BP1および低圧タービンバイパス管BP2を流れて循環する。
【0014】
上記のタービンバイパス運転が実行されているときには、主蒸気止め弁部V101の弁体には、主蒸気管P10の蒸気圧力が作用する。また、再熱蒸気止め弁部V121の弁体には、高温再熱蒸気管P12の蒸気圧力が作用する。
【0015】
タービンバイパス運転の実施後に蒸気タービン140の起動を行う際には、主蒸気止め弁部V101および再熱蒸気止め弁部V121を全閉状態から全開状態にするタービンリセット作動が行われる。このとき、タービンバイパス運転の際に主蒸気止め弁部V101の弁体および再熱蒸気止め弁部V121の弁体に圧力が作用しているために、タービンリセット作動を的確に行うことが困難な場合がある。
【0016】
タービンリセット作動を的確に行うために、さまざまな技術が提案されている。例えば、主蒸気止め弁部V101および再熱蒸気止め弁部V121等の止め弁の弁体として親弁と子弁とを弁棒に設け、子弁を開けたときに蒸気が流れる貫通孔を親弁に形成することが提案されている。この場合、親弁よりも先に子弁を開けることで、親弁を閉める方向に作用する力が低減するため、親弁を容易に開けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】実開昭60-195906号公報
【特許文献2】特開2020-106120号公報
【特許文献3】特開2017-207174号公報
【特許文献4】特開2006-329073号公報
【特許文献5】特開2009-041588号公報
【特許文献6】特開平6-173611号公報
【特許文献7】特開昭57-122104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上記のように、子弁を開けたときに蒸気が流れる貫通孔を親弁に形成したときには、その貫通孔を閉じるために子弁の口径を大きくする必要がある。このため、例えば、蒸気タービン140の起動時に蒸気の圧力が変動したときには、子弁を閉める方向に作用する力が、子弁を開ける方向に作用する力よりも著しく大きくなる場合がある。つまり、両者の力がアンバランスになる。その結果、子弁を開けることが容易でなく、それに伴って親弁も開けることも困難になる場合がある。
【0019】
上記のような事情により、全閉状態の止め弁の弁体に対して、弁体を閉める方向に力が作用する場合には、止め弁を全開状態にすることが容易でない場合がある。
【0020】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、全閉状態の止め弁の弁体に対して、弁体を閉める方向に力が作用する場合であっても、止め弁を容易に全開状態にすることができる蒸気弁装置およびそれを備えた発電プラントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
実施形態の蒸気弁装置は、止め弁部を備える蒸気弁装置であって、弁箱と弁座部とを有する。弁箱は、蒸気が弁箱入口から弁箱内部空間を介して弁箱出口に流れるように構成されている。弁座部は、弁箱内部空間に設けられている。止め弁部は、弁棒と親弁体と子弁体とを有する。親弁体は、弁箱内部空間において弁棒に摺動可能に設けられ、全閉状態であるときに弁座部に接触する。子弁体は、弁箱内部空間において弁棒に固定されており、全閉状態であるときに親弁体に接触する。止め弁部は、親弁体が全閉状態であるときに子弁体が開き始め、子弁体が全開状態になったときに親弁体が開き始めるように構成されている。弁棒は、連通路を含む。連通路は、親弁体が全閉状態であるときに子弁体が開けられた際に、弁箱内部空間において弁座部よりも弁箱出口の側に位置する空間と、弁箱内部空間において弁座部よりも弁箱入口の側に位置する空間との間を連通させるために設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る蒸気弁装置V10を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である(親弁体52,子弁体53、主弁体72、および、副弁体73の全てが全閉状態)。
【
図3A】
図3Aは、第1実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である(子弁体53:全開状態、親弁体52,主弁体72,副弁体73:全閉状態)。
【
図3B】
図3Bは、第1実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である(親弁体52,子弁体53:全開状態、主弁体72,副弁体73:全閉状態)。
【
図3C】
図3Cは、第1実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である(親弁体52,子弁体53,副弁体73:全開状態、主弁体72:全閉状態)。
【
図3D】
図3Dは、第1実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である(親弁体52,子弁体53,主弁体72,副弁体73:全開状態)。
【
図4A】
図4Aは、第2実施形態に係る蒸気弁装置V10を模式的に示す断面図である。
【
図4B】
図4Bは、第2実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である。
【
図5A】
図5Aは、第3実施形態に係る蒸気弁装置V10を模式的に示す断面図である。
【
図5B】
図5Bは、第3実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である。
【
図6】
図6は、関連技術にかかる蒸気タービン発電プラント100を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
[A]蒸気弁装置V10の構成
図1は、第1実施形態に係る蒸気弁装置V10を模式的に示す断面図である。
図2は、第1実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である。
【0024】
図2は、
図1中の領域Aについて拡大して図示している。
図1および
図2において、縦方向は、鉛直方向zであり、横方向は、第1水平方向xであり、紙面に直交する方向は、第1水平方向xおよび鉛直方向zに直交する第2水平方向yである。
図1および
図2においては、鉛直方向zと第1水平方向xとで規定される鉛直面(xz面)の断面について示している。
【0025】
図1および
図2に示すように、本実施形態の蒸気弁装置V10は、弁箱30を備え、主蒸気止め弁部V101と蒸気加減弁部V102とが弁箱30に一体的に組み合わせた「組み合わせ弁」であって、蒸気タービン発電プラント100(
図6参照)に設けられている。図示を省略しているが、蒸気タービン発電プラント100(
図6参照)において、インターセプト弁部V122(再熱蒸気加減弁)と再熱蒸気止め弁部V121とを含む蒸気弁装置V12も、蒸気弁装置V10と同様に構成されている。
【0026】
蒸気弁装置V10を構成する各部について順次説明する。
【0027】
[A-1]弁箱30
弁箱30は、弁箱本体部31と弁蓋32とを有する。
【0028】
[A-1-1]弁箱本体部31
弁箱本体部31は、弁箱内部空間SP30(蒸気室)が内部に設けられている。弁箱本体部31は、蒸気が弁箱入口K301から弁箱内部空間SP30を介して弁箱出口K302に流れるように構成されている。
【0029】
ここでは、弁箱入口K301は、弁箱本体部31において、第1水平方向xの一端側に設けられている。弁箱出口K302は、弁箱本体部31において、第1水平方向xの他端側に設けられている。また、弁箱本体部31は、鉛直方向zの上端に開口K303が設けられている。
【0030】
[A-1-2]弁蓋32
弁蓋32は、弁箱本体部31の開口K303を塞ぐように、弁箱本体部31において鉛直方向zの上端に設置されている。弁蓋32は、ボルトB30で弁箱本体部31に固定されている。
【0031】
弁蓋32は、弁蓋貫通孔K32の内周面に傾斜面S32がバックシートとして形成されている。弁蓋32の傾斜面S32は、上側USから下側DSへ向かって径が大きくなるように軸方向LDに対して傾斜している。
【0032】
[A-1-3]弁座部40
弁箱内部空間SP30には、弁座部40が設けられている。弁座部40は、弁箱内部空間SP30において、下側DSに位置する第1の弁箱内部空間部SP31と、上側USに位置する第2の弁箱内部空間部SP32との間に介在するように設けられている。
【0033】
弁座部40は、例えば、弁箱本体部31と一体で形成されている。この他に、弁座部40は、溶接等によって弁箱30に接合されていてもよく、ボルト等の取付部材(図示省略)を用いて弁箱30に取り付けられていてもよい。
【0034】
弁座部40は、弁孔F40を含み、上側USに位置する第2の弁箱内部空間部SP32から、下側DSに位置する第1の弁箱内部空間部SP31へ、弁孔F40を介して、蒸気が通過するように構成されている。弁孔F40は、水平面(xy面)に沿った断面が円形状の孔であって、孔の中心軸線CLに沿った軸方向LDが鉛直方向zと平行である。弁孔F40の断面は、軸方向LDにおいて上側USから下側DSへ向かうに伴って狭くなる部分を含むように構成されている。
【0035】
[A-1-4]ストレーナ33
弁箱内部空間SP30には、ストレーナ33が設けられている。ストレーナ33は、弁箱内部空間SP30のうち上側USに位置する第2の弁箱内部空間部SP32の内部において、弁蓋32と弁座部40との間に挟まれるように設置されている。
【0036】
ストレーナ33は、例えば、円筒形状であって、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。ストレーナ33は、蒸気に混入した異物を捕捉するための孔が複数形成されている。
【0037】
[A-1-5]ガイド片34
また、弁箱30には、ガイド片34が設けられている。ガイド片34は、管状体であって、弁箱30を構成する弁箱本体部31において弁箱内部空間SP30よりも下側DSに位置する部分に形成された弁箱貫通孔K31を貫通するように設置されている。
【0038】
ここでは、ガイド片34の内周面には、傾斜面S34がバックシートとして形成されている。ガイド片34の傾斜面S34は、上側USから下側DSへ向かって径が大きくなるように軸方向LDに対して傾斜している。
【0039】
[A-1-6]弁蓋ガイド部35
更に、弁箱30には、弁蓋ガイド部35(チャンバー)が設けられている。弁蓋ガイド部35は、管状体であって、弁蓋32の下側DSに設けられている。
【0040】
[A-2]主蒸気止め弁部V101
主蒸気止め弁部V101は、弁棒51(止め弁弁棒)と親弁体52(止め弁親弁体)と子弁体53(止め弁子弁体)とを含み、蒸気の流れを止めるために、弁箱内部空間SP30に設けられている。
【0041】
主蒸気止め弁部V101は、弁棒51の操作によって、親弁体52と子弁体53とのそれぞれが開閉動作を行うように構成されている。
【0042】
ここでは、主蒸気止め弁部V101においては、親弁体52が全閉状態を保持したまま弁棒51の操作によって子弁体53が開き始め、子弁体53が全開状態になったときに親弁体52が開き始めて全開状態になる。主蒸気止め弁部V101では、親弁体52が全閉状態であると共に子弁体53が全閉状態であるときに、主蒸気止め弁部V101が全閉状態になる。そして、親弁体52が全開状態であると共に子弁体53が全開状態であるときに、主蒸気止め弁部V101が全開状態になる。主蒸気止め弁部V101では、親弁体52が全開状態であるときの開度が、子弁体53が全開状態であるときの開度よりも大きくなるように構成されている。
【0043】
主蒸気止め弁部V101を構成する各部について順次説明する。
【0044】
[A-2-1]弁棒51
主蒸気止め弁部V101において、弁棒51は、例えば、円柱状の棒状体であって、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。弁棒51は、弁座部40の弁孔F40を貫通する部分を含むように、軸方向LDのうち下側DSへ親弁体52から延在している。
【0045】
弁棒51は、弁箱本体部31に取り付けられたガイド片34を貫通しており、弁棒51が軸方向LDに沿って移動するようにガイド片34が案内している。
【0046】
弁棒51は、下側DSの端部が、弁箱30の外部において止め弁駆動装置50(油筒)に連結されており、止め弁駆動装置50によって軸方向LDに沿って移動する。止め弁駆動装置50は、制御装置(図示省略)から出力される信号に応じて、弁棒51を上側USと下側DSとに移動することで、主蒸気止め弁部V101の開閉動作を行う。
【0047】
本実施形態では、弁棒51には、連通路F51(弁棒連通路)が形成されている。連通路F51は、連通路入口部F511と連通路本体F512と連通路出口部F513とを有する(
図2参照)。
【0048】
連通路入口部F511は、弁棒51において半径方向に貫通する流路である。連通路本体F512は、弁棒51において軸方向LDに沿った流路であって、連通路入口部F511に連通するように構成されている。連通路出口部F513は、弁棒51において半径方向に貫通する流路であって、連通路入口部F511および連通路本体F512よりも下側DSに形成されており、連通路本体F512に連通するように構成されている。各部は複数でもよい。
【0049】
弁棒51は、傾斜面S51aと傾斜面S51bとがバックシートとして外周面に形成されている。弁棒51の傾斜面S51aは、上側USから下側DSへ向かって径が大きくなるように軸方向LDに対して傾斜している。弁棒51の傾斜面S51bは、上側USから下側DSへ向かって径が大きくなるように軸方向LDに対して傾斜している。傾斜面S51bは、傾斜面S51aよりも上側USに位置している。傾斜面S51bにおいて下側DSに位置する部分の径は、傾斜面S51aにおいて上側USに位置する部分の径と同じである。
【0050】
[A-2-2]親弁体52
親弁体52は、例えば、中央部分が下側DSへ突き出た部分を含む円板体であって、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。
【0051】
親弁体52は、弁棒51が挿入される挿入孔K52を含み、弁棒51が軸方向LDに移動したときに、第2の弁箱内部空間部SP32において軸方向LDに沿って移動するように構成されている。
【0052】
具体的には、親弁体52は、弁棒51が最も下側DSまで移動し、親弁体52が弁座部40に接触することで、全閉状態になる。これに対して、親弁体52は、弁棒51が最も上側USまで移動し、親弁体52が弁座部40から最も離れることで、全開状態になる。
【0053】
親弁体52は、弁棒51に固定されておらず、軸方向LDにおいて摺動可能に弁棒51に連結されている。換言すると、親弁体52が全閉状態を保持したまま、弁棒51が軸方向LDにおいて移動可能なように、親弁体52と弁棒51との間が連結されている。
【0054】
親弁体52は、挿入孔K52の内周面に傾斜面S52がバックシートとして形成されている。親弁体52の傾斜面S52は、上側USから下側DSへ向かって径が大きくなるように軸方向LDに対して傾斜している。
【0055】
[A-2-3]子弁体53
子弁体53は、弁棒51において親弁体52が設けられた部分よりも上側USに位置する先端部分に固定されている。ここでは、子弁体53は、例えば、内周面に雌ネジが形成された円筒部を含むキャップであって、弁棒51において雄ネジが形成された先端部分に取り付けられている。子弁体53は、親弁体52よりも小さい。
【0056】
子弁体53は、親弁体52に接触することによって全閉状態になるように構成されている。ここでは、親弁体52において上側USの面が子弁体53の弁座として機能する。
【0057】
具体的には、弁棒51が上側USへ移動し、子弁体53が親弁体52から離れて、子弁体53が開いたときには、第1の弁箱内部空間部SP31と第2の弁箱内部空間部SP32との間が、連通路F51を介して、連通する。第1の弁箱内部空間部SP31と第2の弁箱内部空間部SP32との間の連通は、連通路F51の他に、親弁体52において弁棒51が挿入された挿入孔K52の内周面と、その挿入孔K52に挿入された弁棒51の外周面との間に介在する隙間を経由する。
【0058】
弁棒51が下側DSへ移動し、子弁体53が親弁体52に接触して子弁体53が全閉状態になったときには、連通路F51が閉じて、第1の弁箱内部空間部SP31と第2の弁箱内部空間部SP32との間の連通が解除される。
【0059】
[A-3]蒸気加減弁部V102
蒸気加減弁部V102は、弁棒71(加減弁弁棒)と主弁体72(加減弁主弁体)と副弁体73(加減弁副弁体)とを含み、蒸気の流量を調整するために設けられている。
【0060】
蒸気加減弁部V102では、弁棒71の操作によって、主弁体72と副弁体73とのそれぞれが開閉動作を行うように構成されている。
【0061】
ここでは、蒸気加減弁部V102においては、主弁体72が全閉状態を保持したまま弁棒71の操作によって副弁体73が開き始め、副弁体73が全開状態になったときに主弁体72が開き始めて全開状態になる。蒸気加減弁部V102では、主弁体72が全閉状態であると共に副弁体73が全閉状態であるときに、蒸気加減弁部V102が全閉状態になる。そして、主弁体72が全開状態であると共に副弁体73が全開状態であるときに、蒸気加減弁部V102が全開状態になる。蒸気加減弁部V102では、主弁体72が全開状態であるときの開度が、副弁体73が全開状態であるときの開度よりも大きくなるように構成されている。
【0062】
蒸気加減弁部V102を構成する各部について順次説明する。
【0063】
[A-3-1]弁棒71
蒸気加減弁部V102において、弁棒71は、例えば、円柱状の棒状体であって、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。弁棒71は、軸方向LDのうち下側DSに対して反対側に位置する上側USへ延在している。
【0064】
弁棒71は、弁蓋32に形成された弁蓋貫通孔K32に挿入されており、上側USの端部が弁箱30の外部において加減弁駆動装置70(油筒)に連結されている。弁棒71は、加減弁駆動装置70によって、軸方向LDに沿って移動する。加減弁駆動装置70は、制御装置(図示省略)から出力される信号に応じて、弁棒71を上側USと下側DSとに移動することで、蒸気加減弁部V102の開閉動作を行う。
【0065】
弁棒71は、傾斜面S71が外周面にバックシートとして形成されている。弁棒71の傾斜面S71は、上側USから下側DSへ向かって径が大きくなるように軸方向LDに対して傾斜している。
【0066】
[A-3-2]主弁体72
主弁体72は、弁箱内部空間SP30において副弁体73を介して弁棒71に連結されている。
【0067】
主弁体72は、弁棒71が軸方向LDに移動したときに、第2の弁箱内部空間部SP32において軸方向LDに沿って移動するように構成されている。具体的には、主弁体72は、弁棒71が最も下側DSまで移動して、主弁体72が弁座部40に接触することで、全閉状態になる。主弁体72が全閉状態になるときには、弁座部40において親弁体52が接触する第1接触部位A1よりも外周側に位置する第2接触部位A2に主弁体72が接触する。これに対して、主弁体72は、弁棒71が最も上側USまで移動し、主弁体72が弁座部40から最も離れることで、全開状態になる。
【0068】
主弁体72は、弁棒71に固定されておらず、軸方向LDにおいて摺動可能に弁棒71に連結されている。換言すると、主弁体72が全閉状態を保持したまま、弁棒71が軸方向LDにおいて移動可能なように、主弁体72と弁棒71との間が連結されている。
【0069】
本実施形態では、主弁体72は、主弁基体部720と主弁円筒部721と主弁ガイド部722とを有する(
図2参照)。主弁体72において、主弁基体部720、主弁円筒部721、および、主弁ガイド部722は、例えば、一体で形成されている。
【0070】
[A-3-2-1]主弁基体部720
主弁基体部720は、円板状であって、親弁体52よりも上側USに位置しており、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。
【0071】
主弁基体部720は、副弁体73が全閉状態であるときに副弁体73が接触するように構成されている。これと共に、主弁基体部720は、主弁連通路F720が形成されている。主弁連通路F720は、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられており、副弁体73が開けられたときに蒸気が流れる。
【0072】
[A-3-2-2]主弁円筒部721
主弁円筒部721は、円筒形状であって、主弁基体部720よりも下側DSに位置しており、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。主弁円筒部721は、主弁体72が全閉状態になるときに、弁座部40の第2接触部位A2に接触する先端部分を含む。
【0073】
また、主弁円筒部721は、第1の主弁内部空間SP721を内部に含む(
図2参照)。第1の主弁内部空間SP721は、主弁連通路F720に連通しており、主蒸気止め弁部V101を構成する親弁体52および子弁体53が、第1の主弁内部空間SP721において軸方向LDに移動する。
【0074】
[A-3-2-3]主弁ガイド部722
主弁ガイド部722は、円筒形状であって、主弁基体部720よりも上側USに位置しており、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。
【0075】
主弁ガイド部722は、弁蓋32の下側DSに設けられた弁蓋ガイド部35の内部において摺動するように設置されており、主弁体72が軸方向LDに沿って移動するように弁蓋ガイド部35が案内している。
【0076】
また、主弁ガイド部722は、第2の主弁内部空間SP722を内部に含む(
図2参照)。第2の主弁内部空間SP722は、主弁連通路F720に連通しており、弁棒71および副弁体73を収容している。
【0077】
[A-3-3]副弁体73
副弁体73は、弁棒71において下側DSに位置する先端部分に設けられている。副弁体73は、例えば、半球形状であって、弁棒71と一体に形成されている。
【0078】
副弁体73は、主弁基体部720の上面に設置された副弁体キャップ部74の内部において、軸方向LDに沿って移動可能なように収容されている。
【0079】
[A-3-4]副弁体キャップ部74
副弁体キャップ部74は、例えば、ボルト(図示省略)を用いて主弁基体部720の上面に固定されている。
【0080】
副弁体キャップ部74は、副弁体キャップ貫通孔K74および副弁体キャップ蒸気孔F74が形成されている(
図2参照)。副弁体キャップ貫通孔K74は、副弁体キャップ部74において軸方向LDに貫通した孔であって、弁棒71が貫通している。副弁体キャップ蒸気孔F74は、副弁体キャップ部74において半径方向に貫通した孔である。
【0081】
副弁体73は、主弁体72の主弁基体部720に接触することによって全閉状態になる。ここでは、主弁基体部720において上側USの面が副弁体73の弁座として機能する。
【0082】
具体的には、弁棒71が上側USへ移動し、副弁体73が主弁体72の主弁基体部720から離れて、副弁体73が開いたときには、第1の主弁内部空間SP721と第2の主弁内部空間SP722との間が副弁体キャップ蒸気孔F74および主弁連通路F720を介して連通する。
【0083】
これに対して、弁棒71が下側DSへ移動し、副弁体73が主弁体72の主弁基体部720に接触して副弁体73が全閉状態になったときには、主弁連通路F720が閉じて、第1の主弁内部空間SP721と第2の主弁内部空間SP722との間との間の連通が解除される。
【0084】
[B]蒸気弁装置V10の動作
本実施形態において、タービンバイパス運転の実施後に蒸気タービン140(
図6参照)を起動するときの蒸気弁装置V10の動作について、
図2と共に
図3Aから
図3Dを用いて説明する。
【0085】
図3Aから
図3Dは、第1実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である。
【0086】
【0087】
本実施形態の蒸気弁装置V10では、まず、主蒸気止め弁部V101および蒸気加減弁部V102の両者が全閉状態である状態(
図2参照)から、主蒸気止め弁部V101を構成する子弁体53を全開状態にする(
図3A参照)。そして、主蒸気止め弁部V101を構成する親弁体52を全開状態にする(
図3B参照)。つぎに、蒸気加減弁部V102において、副弁体73を全開状態にした後に、主弁体72を全開状態にする(
図3C,
図3D参照)。
【0088】
各動作の詳細について順次説明する。
【0089】
[B-1]親弁体52,子弁体53、主弁体72、および、副弁体73の全てが全閉状態
図2では、主蒸気止め弁部V101において親弁体52および子弁体53が全閉状態であると共に、蒸気加減弁部V102において主弁体72および副弁体73が全閉状態である場合を示している。
【0090】
具体的には、
図2に示すように、主蒸気止め弁部V101では、親弁体52が弁座部40に接触することで全閉状態になっており、子弁体53が親弁体52に接触することで全閉状態になっている。このとき、弁棒51の傾斜面S51aとガイド片34の傾斜面S34との間が離間していると共に、弁棒51の傾斜面S51bと親弁体52の傾斜面S52との間が離間している。
【0091】
図2に示すように、蒸気加減弁部V102では、主弁体72が弁座部40に接触することで全閉状態になっており、副弁体73が主弁体72に接触することで全閉状態になっている。このとき、副弁体73と副弁体キャップ部74との間が離間していると共に、弁棒71の傾斜面S71と弁蓋32の傾斜面S32との間が離間している。
【0092】
[B-2]子弁体53が全開状態で、親弁体52と主弁体72と副弁体73とが全閉状態
図3Aでは、主蒸気止め弁部V101において親弁体52が全閉状態であって子弁体53が全開状態であると共に、蒸気加減弁部V102において主弁体72および副弁体73が全閉状態である場合を示している。つまり、子弁体53を全開状態にする開弁信号が止め弁駆動装置50(
図1参照)に送信された場合の状態を示している。
【0093】
具体的には、
図3Aに示すように、主蒸気止め弁部V101では、弁棒51が上側USへ移動することで、親弁体52が全閉状態を保持したまま、子弁体53が親弁体52から離間して、全開状態になる。このとき、弁棒51の傾斜面S51aとガイド片34の傾斜面S34との間は接近する。そして、弁棒51の傾斜面S51bと親弁体52の傾斜面S52との両者は、傾斜角が互いに同じであるため、両者の間が密着した状態になる。
【0094】
これにより、第1の弁箱内部空間部SP31と第1の主弁内部空間SP721(第2の弁箱内部空間部SP32の一部に相当)との間が連通路F51を介して連通する。その結果、第1の主弁内部空間SP721に滞留している高圧の蒸気が、連通路F51を介して、第1の弁箱内部空間部SP31へ排出される。このため、第1の主弁内部空間SP721と第1の弁箱内部空間部SP31との圧力が同じになる。
【0095】
[B-3]親弁体52と子弁体53とが全開状態で、主弁体72と副弁体73とが全閉状態
図3Bでは、主蒸気止め弁部V101において親弁体52および子弁体53が全開状態であると共に、蒸気加減弁部V102において主弁体72および副弁体73が全閉状態である場合を示している。つまり、親弁体52を全開状態にする開弁信号が止め弁駆動装置50(
図1参照)に送信された場合の状態を示している。
【0096】
具体的には、
図3Bに示すように、主蒸気止め弁部V101では、弁棒51が上側USへ更に移動することで、子弁体53が全開状態を保持したまま、親弁体52が弁座部40から離間することで全開状態になる。このとき、弁棒51の傾斜面S51bと親弁体52の傾斜面S52との間が密着した状態を保持している。そして、弁棒51の傾斜面S51aとガイド片34の傾斜面S34との両者は、傾斜角が互いに同じであるため、両者の間が密着した状態になる。
【0097】
上記したように、親弁体52が全閉状態であるときに子弁体53が全開状態になったときには、親弁体52よりも上流側に位置する第1の主弁内部空間SP721と、親弁体52よりも下流側に位置する第1の弁箱内部空間部SP31との圧力が同じになる。このため、親弁体52を閉める方向に作用する力が低減するため、親弁体52を全閉状態から全開状態へ容易に開けることができる。
【0098】
[B-4]親弁体52と子弁体53と副弁体73とが全開状態で、主弁体72が全閉状態
図3Cでは、主蒸気止め弁部V101において親弁体52および子弁体53が全開状態であると共に、蒸気加減弁部V102において主弁体72が全閉状態であって副弁体73が全開状態である場合を示している。つまり、副弁体73を全開状態にする流量制御信号が加減弁駆動装置70(
図1参照)に送信された場合の状態を示している。
【0099】
具体的には、
図3Cに示すように、蒸気加減弁部V102では、弁棒71が上側USへ移動することで、主弁体72が全閉状態を保持したまま、副弁体73が主弁体72から離間して、全開状態になる。このとき、副弁体73は、副弁体キャップ部74の内部において上側USに移動する。そして、副弁体73のうち弁棒71の外周面よりも半径方向に突き出た部分の上面が、副弁体キャップ部74に接触する。また、これと共に、弁棒71の傾斜面S71と弁蓋32の傾斜面S32との間が接近する。
【0100】
これにより、弁蓋ガイド部35および主弁ガイド部722の内部に位置する第2の主弁内部空間SP722と、主弁円筒部721の内部に位置する第1の主弁内部空間SP721との間が、主弁連通路F720を介して連通する。その結果、第2の主弁内部空間SP722に滞留している高圧の蒸気が、主弁連通路F720を介して、第1の主弁内部空間SP721へ排出される。このため、第2の主弁内部空間SP722と第1の主弁内部空間SP721との圧力が同じになる。
【0101】
[B-5]親弁体52,子弁体53、主弁体72、および、副弁体73の全てが全開状態
図3Dでは、主蒸気止め弁部V101において親弁体52および子弁体53が全開状態であると共に、蒸気加減弁部V102において主弁体72および副弁体73が全開状態である場合を示している。つまり、主弁体72を全開状態にする流量制御信号が加減弁駆動装置70(
図1参照)に送信された場合の状態を示している。
【0102】
具体的には、
図3Dに示すように、蒸気加減弁部V102では、弁棒71が上側USへ更に移動することで、副弁体73が全開状態を保持したまま、主弁体72が弁座部40から離間することで全開状態になる。このとき、副弁体73と副弁体キャップ部74との間は、密着した状態を保持する。そして、弁棒71の傾斜面S71と弁蓋32の傾斜面S32との両者は、傾斜角が互いに同じであるため、両者の間が密着した状態になる。
【0103】
上記したように、主弁体72が全閉状態であるときに副弁体73が全開状態になったときには、第2の主弁内部空間SP722と第1の主弁内部空間SP721との圧力が同じになる。このため、主弁体72を閉める方向に作用する力が低減するため、主弁体72を全閉状態から全開状態へ容易に開けることができる。
【0104】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の蒸気弁装置V10において、主蒸気止め弁部V101は、親弁体52が全閉状態であるときに子弁体53が開き始め、子弁体53が全開状態になったときに親弁体52が開き始めるように構成されている。子弁体53が全開状態になったときには、連通路F51の遮断が解除される。これにより、弁箱内部空間SP30において弁座部40よりも弁箱出口K302の側(下側DS)に位置する空間と、弁箱内部空間SP30において弁座部40よりも弁箱入口K301の側(上側US)に位置する空間(
図3Aでは、第1の主弁内部空間SP721)との間が連通する。
【0105】
上記の連通路F51と同様な機能を有する連通路を親弁体52に形成した場合、その親弁体52に形成された連通路の開放と遮断とを行うためには、子弁体53の口径が大きくなる。しかしながら、本実施形態では、連通路F51は、弁棒51に形成されている。このため、本実施形態では、子弁体53の口径を弁棒51の径に近づけることができるので、子弁体53の口径を小さくすることができる。その結果、子弁体53を閉める方向へ作用する力を低減可能であるので、子弁体53を容易に全開状態にすることができる。
【0106】
そして、子弁体53を全開状態にした後には、親弁体52を閉める方向に作用する力を低減することができるので、主蒸気止め弁部V101を容易に全閉状態から全開状態にすることができる。つまり、本実施形態では、タービンバイパス運転を行った場合のように、全閉状態の主蒸気止め弁部V101において弁体(親弁体52および子弁体53)を閉める方向へ力が作用する場合であっても、主蒸気止め弁部V101を全閉状態から全開状態にするタービンリセット作動を的確に実行することができる。
【0107】
[F]変形例
上記した実施形態は、一例であって、適宜、変形例を採用可能である。
【0108】
上記実施形態では、蒸気弁装置V10は、主蒸気止め弁部V101と蒸気加減弁部V102とが一体的に組み合わせた「組み合わせ弁」である場合について説明したが、これに限らない。蒸気加減弁部V102が主蒸気止め弁部V101とは別体で設けられていてもよい。
【0109】
<第2実施形態>
[A]蒸気弁装置V10の構成
図4Aは、第2実施形態に係る蒸気弁装置V10を模式的に示す断面図である。
図4Bは、第2実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である。
【0110】
【0111】
図4Aでは、
図1と同様に、主蒸気止め弁部V101が全閉状態であると共に、蒸気加減弁部V102が全閉状態である場合を示している。これに対して、
図4Bでは、
図3Dと同様に、主蒸気止め弁部V101が全開状態であると共に、蒸気加減弁部V102が全開状態である場合を示している。
【0112】
図4Aおよび
図4Bに示すように、蒸気弁装置V10は、主蒸気止め弁部V101と蒸気加減弁部V102とが一体的に組み合わせた「組み合わせ弁」である。しかし、本実施形態では、主蒸気止め弁部V101の一部が、第1実施形態の場合(
図1、
図3D参照)と異なる。この点、および、関連する点を除き、本実施形態は、第1実施形態と同様である。このため、重複する事項については、適宜、説明を省略する。
【0113】
本実施形態の主蒸気止め弁部V101は、弁棒51bと弁体52b(止め弁弁体)とを含み、弁棒51bの操作によって、弁体52bが開閉動作を行うように構成されている。
【0114】
[A-1]弁棒51b
主蒸気止め弁部V101において、弁棒51bは、例えば、円柱状の棒状体であって、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。弁棒51bは、弁座部40の弁孔F40を貫通する部分を含むように、弁体52bから下側DSへ延在している。
【0115】
弁棒51bには、連通路F51b(弁棒連通路)が形成されている。連通路F51bは、弁箱内部空間SP30において弁座部40よりも弁箱出口K302の側(下側DS)に位置する空間と、弁箱内部空間SP30において弁座部40よりも弁箱入口K301の側(上側US)に位置する空間との間を連通させるように構成されている。
【0116】
ここでは、連通路F51bは、連通路本体F512bと連通路出口部F513bとを有する(
図4B参照)。連通路本体F512bは、弁棒51において軸方向LDに沿った流路であって、上端が弁棒51bの外部に連通するように構成されている。連通路出口部F513bは、弁棒51において半径方向に貫通する流路であって、連通路本体F512bよりも下側DSに形成されており、連通路本体F512bに連通するように構成されている。
【0117】
本実施形態では、連通路F51bは、連通路F51bを閉じるための閉止プラグ55が着脱自在に設けられている(
図4A参照)。具体的には、閉止プラグ55は、連通路F51bを構成する連通路本体F512bの上端部に取り付けられる。例えば、連通路本体F512bの上端部に設けられた雌ネジ部に、閉止プラグ55に設けられた雄ネジ部が挿入されることで、閉止プラグ55が連通路F51bに取り付けられる。
【0118】
閉止プラグ55は、蒸気タービン発電プラント100の建設時に水圧試験を実行する際には、漏洩が生ずることを防止するために、連通路F51bに取り付けられる。これに対して、水圧試験を実行する場合以外は、閉止プラグ55は、連通路F51bから取り除かれる。
【0119】
[A-2]弁体52b
弁体52bは、例えば、中央部分が下側DSへ突き出た部分を含む円板体であって、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。
【0120】
弁体52bは、挿入孔K52(
図4B参照)に弁棒51bが挿入されることで弁棒51bに固定されている。弁体52bは、ナット54を用いて、弁棒51bに固定されている。
【0121】
弁体52bは、弁棒51bが軸方向LDに移動したときに、第2の弁箱内部空間部SP32において軸方向LDに沿って移動する。具体的には、弁体52bは、弁棒51bが最も下側DSまで移動し、弁体52bが弁座部40に接触することで、全閉状態になる。これに対して、弁体52bは、弁棒51bが最も上側USまで移動し、弁体52bが弁座部40から最も離れることで、全開状態になる。
【0122】
[B]蒸気弁装置V10の動作
本実施形態において、タービンバイパス運転の実施後に蒸気タービン140(
図6参照)を起動するときの蒸気弁装置V10の動作について説明する。
【0123】
本実施形態の蒸気弁装置V10では、まず、主蒸気止め弁部V101および蒸気加減弁部V102の両者が全閉状態である状態(
図4A参照)から、主蒸気止め弁部V101を全開状態にする。このとき、主蒸気止め弁部V101では、弁棒51が上側USへ移動することで、弁体52bが弁座部40から離間して全開状態になる。
【0124】
蒸気タービン140(
図6参照)を起動する際には、閉止プラグ55は、連通路F51bから取り除かれた状態である。これにより、本実施形態では、弁体52bよりも上流側に位置する第1の主弁内部空間SP721と、弁体52bよりも下流側に位置する第1の弁箱内部空間部SP31との圧力が同じになる。このため、弁体52bを閉める方向に作用する力が低減するため、弁体52bを容易に開けることができる。
【0125】
そして、主蒸気止め弁部V101を全開状態にした後には、第1実施形態の場合と同様に、蒸気加減弁部V102において、副弁体73を全開状態にした後に、主弁体72を全開状態にする(
図4B参照)。
【0126】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の蒸気弁装置V10において、主蒸気止め弁部V101の弁棒51bには、連通路F51bが形成され、連通路F51bには、閉止プラグ55が着脱自在に設けられている。上記したように、蒸気タービン140(
図6参照)を起動する際には、閉止プラグ55は、連通路F51bから取り除かれるため、弁体52bよりも上流側に位置する第1の主弁内部空間SP721と、弁体52bよりも下流側に位置する第1の弁箱内部空間部SP31との圧力が同じになる。その結果、弁体52bを閉める方向に作用する力が低減し、弁体52bを容易に開けることができる。つまり、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、タービンリセット作動を的確に実行することができる。
【0127】
第1実施形態の主蒸気止め弁部V101では子弁体53を開ける動作によって上記効果を得ているが、本実施形態の主蒸気止め弁部V101では、閉止プラグ55を取り除くことで上記効果を得ている。このため、本実施形態の主蒸気止め弁部V101は、第1実施形態よりも簡便な構成で上記効果を得ることができるので、第1実施形態よりも安価である。
【0128】
また、本実施形態の主蒸気止め弁部V101では、弁体52bが弁棒51bに固定されているため、弁体52bと弁棒51bとの間からリークが生じにくい。
【0129】
<第3実施形態>
[A]蒸気弁装置V10の構成
図5Aは、第3実施形態に係る蒸気弁装置V10を模式的に示す断面図である。
図5Bは、第3実施形態に係る蒸気弁装置V10の一部を拡大して示す断面図である。
【0130】
【0131】
図5Aでは、
図4Aと同様に、主蒸気止め弁部V101が全閉状態であると共に、蒸気加減弁部V102が全閉状態である場合を示している。これに対して、
図5Bでは、
図4Bと同様に、主蒸気止め弁部V101が全開状態であると共に、蒸気加減弁部V102が全開状態である場合を示している。
【0132】
図5Aおよび
図5Bに示すように、蒸気弁装置V10は、主蒸気止め弁部V101と蒸気加減弁部V102とが一体的に組み合わせた「組み合わせ弁」である。しかし、本実施形態では、主蒸気止め弁部V101の一部が、第2実施形態の場合(
図4A、
図4B参照)と異なる。この点、および、関連する点を除き、本実施形態は、第1実施形態と同様である。このため、重複する事項については、適宜、説明を省略する。
【0133】
本実施形態の主蒸気止め弁部V101は、弁棒51cと弁体52c(止め弁弁体)とを含み、弁棒51cの操作によって、弁体52cが開閉動作を行うように構成されている。
【0134】
[A-1]弁棒51c
主蒸気止め弁部V101において、弁棒51cは、例えば、円柱状の棒状体であって、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。弁棒51cは、弁座部40の弁孔F40を貫通する部分を含むように、弁体52cから下側DSへ延在している。
【0135】
[A-2]弁体52c
弁体52cは、例えば、中央部分が下側DSへ突き出た部分を含む円板体であって、弁座部40の中心軸線CLと同軸に設けられている。
【0136】
弁体52cは、挿入孔K52(
図5B参照)に弁棒51cが挿入されることで弁棒51cに固定されている。弁体52cは、ナット54を用いて、弁棒51cに固定されている。
【0137】
弁体52cは、弁棒51cが軸方向LDに移動したときに、第2の弁箱内部空間部SP32において軸方向LDに沿って移動する。具体的には、弁体52cは、弁棒51cが最も下側DSまで移動し、弁体52cが弁座部40に接触することで、全閉状態になる。これに対して、弁体52cは、弁棒51cが最も上側USまで移動し、弁体52cが弁座部40から最も離れることで、全開状態になる。
【0138】
弁体52cには、連通路F52c(弁体連通路)が形成されている。連通路F52cは、弁体52cにおいて軸方向LDに沿った流路である。連通路F52cは、弁箱内部空間SP30において弁座部40よりも弁箱出口K302の側(下側DS)に位置する空間と、弁箱内部空間SP30において弁座部40よりも弁箱入口K301の側(上側US)に位置する空間との間を連通させるように構成されている。
【0139】
本実施形態では、連通路F52cは、連通路F52cを閉じるための閉止プラグ55が着脱自在に設けられている(
図5A参照)。具体的には、閉止プラグ55は、連通路F52cの上端部に取り付けられる。例えば、連通路F52cの上端部に設けられた雌ネジ部に、閉止プラグ55に設けられた雄ネジ部が挿入されることで、閉止プラグ55が連通路F52cに取り付けられる。
【0140】
閉止プラグ55は、蒸気タービン発電プラント100の建設時に水圧試験を実行する際には、漏洩が生ずることを防止するために、連通路F52cに取り付けられる。これに対して、水圧試験を実行する場合以外は、閉止プラグ55は、連通路F52cから取り除かれる。
【0141】
[B]蒸気弁装置V10の動作
本実施形態において、タービンバイパス運転の実施後に蒸気タービン140(
図6参照)を起動するときの蒸気弁装置V10の動作について説明する。
【0142】
本実施形態の蒸気弁装置V10では、まず、主蒸気止め弁部V101および蒸気加減弁部V102の両者が全閉状態である状態(
図5A参照)から、主蒸気止め弁部V101を全開状態にする。このとき、主蒸気止め弁部V101では、弁棒51cが上側USへ移動することで、弁体52cが弁座部40から離間して全開状態になる。
【0143】
蒸気タービン140(
図6参照)を起動する際には、閉止プラグ55は、連通路F52cから取り除かれた状態である。これにより、本実施形態では、弁体52cよりも上流側に位置する第1の主弁内部空間SP721と、弁体52cよりも下流側に位置する第1の弁箱内部空間部SP31との圧力が同じになる。このため、弁体52cを閉める方向に作用する力が低減するため、弁体52cを容易に開けることができる。
【0144】
そして、主蒸気止め弁部V101を全開状態にした後には、第1実施形態の場合と同様に、蒸気加減弁部V102において、副弁体73を全開状態にした後に、主弁体72を全開状態にする(
図5B参照)。
【0145】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の蒸気弁装置V10において、主蒸気止め弁部V101の弁体52cには、連通路F52cが形成され、連通路F52cには、閉止プラグ55が着脱自在に設けられている。上記したように、蒸気タービン140(
図6参照)を起動する際には、閉止プラグ55は、連通路F52cから取り除かれるため、弁体52cよりも上流側に位置する第1の主弁内部空間SP721と、弁体52cよりも下流側に位置する第1の弁箱内部空間部SP31との圧力が同じになる。その結果、本実施形態では、弁体52cを閉める方向に作用する力が低減し、弁体52cを容易に開けることができる。つまり、本実施形態では、第2実施形態の場合と同様に、タービンリセット作動を的確に実行することができる。
【0146】
本実施形態の主蒸気止め弁部V101では、第2実施形態の場合と同様に、閉止プラグ55を取り除くことで上記効果を得ている。このため、本実施形態の主蒸気止め弁部V101は、第2実施形態の場合と同様に、簡便な構成で上記効果を得ることができるので、第1実施形態よりも安価である。
【0147】
また、本実施形態の主蒸気止め弁部V101では、第2実施形態の場合と同様に、弁体52cが弁棒51cに固定されているため、弁体52cと弁棒51cとの間からリークが生じにくい。
【0148】
この他に、本実施形態の主蒸気止め弁部V101では、弁棒51cでなく、弁体52cに連通路F52cを形成している。このため、連通路F52cの形成を容易に行うことができる。
【0149】
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0150】
30:弁箱、31:弁箱本体部、32:弁蓋、33:ストレーナ、34:ガイド片、35:弁蓋ガイド部、40:弁座部、50:止め弁駆動装置、51:弁棒、51b:弁棒、51c:弁棒、52:親弁体、52b:弁体、52c:弁体、53:子弁体、54:ナット、55:閉止プラグ、70:加減弁駆動装置、71:弁棒、72:主弁体、73:副弁体、74:副弁体キャップ部、100:蒸気タービン発電プラント、110:排熱回収ボイラ、111:過熱器、112:再熱器、140:蒸気タービン、141:高圧タービン、142:中圧タービン、143:低圧タービン、150:復水器、151:給水ポンプ、720:主弁基体部、721:主弁円筒部、722:主弁ガイド部、A1:第1接触部位、A2:第2接触部位、B30:ボルト、BP1:高圧タービンバイパス管、BP2:低圧タービンバイパス管、BV1:高圧タービンバイパス弁、BV2:低圧タービンバイパス弁、CL:中心軸線、DS:下側、F40:弁孔、F51:連通路、F511:連通路入口部、F512:連通路本体、F512b:連通路本体、F513:連通路出口部、F513b:連通路出口部、F51b:連通路、F52c:連通路、F720:主弁連通路、F74:副弁体キャップ蒸気孔、K301:弁箱入口、K302:弁箱出口、K303:開口、K31:弁箱貫通孔、K32:弁蓋貫通孔、K52:挿入孔、K74:副弁体キャップ貫通孔、LD:軸方向、P10:主蒸気管、P11:低温再熱蒸気管、P12:高温再熱蒸気管、P13:クロスオーバ管、S32:傾斜面、S34:傾斜面、S51a:傾斜面、S51b:傾斜面、S52:傾斜面、S71:傾斜面、SP30:弁箱内部空間、SP31:第1の弁箱内部空間部、SP32:第2の弁箱内部空間部、SP721:第1の主弁内部空間、SP722:第2の主弁内部空間、US:上側、V10:蒸気弁装置、V101:主蒸気止め弁部、V102:蒸気加減弁部、V11:逆止弁、V12:蒸気弁装置、V121:再熱蒸気止め弁部、V122:インターセプト弁部