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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173350
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】流体測定システム及び流体測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01P 5/22 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
G01P5/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085537
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】神保 直道
(72)【発明者】
【氏名】武田 直希
(57)【要約】
【課題】測定流体の流速を高精度に測定可能な流体測定システム及び流体測定方法を提供する。
【解決手段】同一の配管に一定の距離を離して設置される第1センサ及び第2センサと、前記第1センサから出力される第1出力と前記第2センサから出力される第2出力に基づいて、前記配管を流れる流体の流速を算出する測定制御部と、を備え、前記測定制御部は、(a)第1期間における前記第1出力と前記第2出力を比較し、前記第1出力に対する前記第2出力の第1時間差を、前記第1期間をずらしながら繰り返して算出する工程と、(b)前記第1期間より長い第2期間に含まれる前記第1期間において算出された複数の前記第1時間差の発生頻度に基づいて、第2時間差を算出する工程と、(c)前記第2時間差に基づいて前記流速を算出する工程と、を実行する流体測定システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の配管に一定の距離を離して設置される第1センサ及び第2センサと、
前記第1センサから出力される第1出力及び前記第2センサから出力される第2出力に基づいて、前記配管を流れる流体の流速を算出する測定制御部と、
を備え、
前記測定制御部は、
(a)第1期間における前記第1出力と前記第2出力とを比較し、前記第1出力に対する前記第2出力の第1時間差を、前記第1期間をずらしながら繰り返して算出する工程と、
(b)前記第1期間より長い第2期間に含まれる前記第1期間において算出された複数の前記第1時間差の発生頻度に基づいて、第2時間差を算出する工程と、
(c)前記第2時間差に基づいて前記流速を算出する工程と、
を実行する、
流体測定システム。
【請求項2】
前記(b)工程は、
(b1)前記第2期間に含まれる前記第1期間における複数の前記第1時間差について前記第1時間差の度数分布を算出する工程と、
(b2)前記度数分布において、頻度の高い時間差区間に含まれる前記第1時間差に基づいて、前記第2時間差を算出する工程と、
を含む、
請求項1に記載の流体測定システム。
【請求項3】
前記(a)工程において、前記第1出力及び前記第2出力について相互相関法又は動的時間伸縮法を用いて前記第1時間差を算出する、
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の流体測定システム。
【請求項4】
(a)第1期間における第1センサから出力される第1出力と、前記第1センサと同一の配管に一定の距離を離して設置される第2センサから出力される第2出力とを比較し、前記第1出力に対する前記第2出力の第1時間差を、前記第1期間をずらしながら繰り返して算出する工程と、
(b)前記第1期間より長い第2期間に含まれる前記第1期間において算出された複数の前記第1時間差の発生頻度に基づいて、第2時間差を算出する工程と、
(c)前記第2時間差に基づいて流速を算出する工程と、
を含む、
流体測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体測定システム及び流体測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パイプ内の二相混合物の相組成比を計算する方法が開示されている。特許文献1には、パイプの上下流に配置したロードセルを用いて、2か所でのロードセルの測定パターンを比較することによって、二相混合物の流速を計算することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0322063号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような測定パターンを比較する相関式の流速測定において、振動や音に起因する雑音による影響によって、所望の応答が得られない場合がある。
【0005】
本開示は、測定流体の流速を高精度に測定可能な流体測定システム及び流体測定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、同一の配管に一定の距離を離して設置される第1センサ及び第2センサと、前記第1センサから出力される第1出力及び前記第2センサから出力される第2出力に基づいて、前記配管を流れる流体の流速を算出する測定制御部と、を備え、前記測定制御部は、(a)第1期間における前記第1出力と前記第2出力とを比較し、前記第1出力に対する前記第2出力の第1時間差を、前記第1期間をずらしながら繰り返して算出する工程と、(b)前記第1期間より長い第2期間に含まれる前記第1期間において算出された複数の前記第1時間差の発生頻度に基づいて、第2時間差を算出する工程と、(c)前記第2時間差に基づいて前記流速を算出する工程と、を実行する、流体測定システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の流体測定システム及び流体測定方法によれば、測定流体の流速を高精度に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る流体測定システムの全体構成を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る流体測定システムのセンサの出力を説明する図である。
図3図3は、本実施形態に係る流体測定システムにおける時間差の測定結果を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る流体測定システムにおける時間差の度数分布を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る流体測定システムの処理について説明するフローチャートである。
図6図6は、本実施形態に係る流体測定システムの処理について説明するフローチャートである。
図7図7は、本実施形態に係る流体測定システムの処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の又は対応する機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするために、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0010】
≪流体測定システム1≫
図1は、本実施形態に係る流体測定システム1の使用時の全体構成を示す図である。流体測定システム1は、配管P内を流れる流体の流速を測定するシステムである。流体測定システム1は、例えば、液体と気体とが混合した二相流体の流速を求める。測定する二相流体としては、例えば、地熱発電における温水と蒸気の混合流体である。また、流体測定システム1は、求めた流速から流路の断面積をかけて流量を求めてもよい。なお、図1における矢印は、流体の流れる向きを示す。
【0011】
流体測定システム1は、第1センサ11及び第2センサ12と、測定制御部20と、を備える。流体測定システム1は、配管Pに取り付けられた第1センサ11及び第2センサ12を用いて、配管P内を流れる流体の流速を測定する。第1センサ11及び第2センサ12は、同一の配管、すなわち、配管Pに設置される。また、第1センサ11及び第2センサ12は、一定の距離(設置距離L)を離して配管Pに設置される。
【0012】
第2センサ12は、第1センサ11と同じ種類のセンサである。第1センサ11及び第2センサ12のそれぞれは、例えば、配管Pにかかる荷重を測定する荷重センサである。荷重センサは、例えば、ロードセルである。なお、第1センサ11及び第2センサ12のそれぞれは、荷重センサに限らない。第1センサ11及び第2センサ12のそれぞれは、配管を流れる流体に関連する量を測定できる、例えば、振動センサ、容量センサ、圧力センサ、電波式センサ、湿度センサ、密度センサ、温度センサ、電気抵抗度センサ及び超音波センサのいずれかであってもよい。
【0013】
第1センサ11及び第2センサ12のそれぞれは、実時間で測定を行う。そして、第1センサ11及び第2センサ12のそれぞれは、時系列に測定した測定結果をそれぞれ測定制御部20に実時間で出力する。
【0014】
図2は、本実施形態に係る流体測定システムのセンサの出力を説明する図である。図2の(A)は、第1センサ11から出力される時系列の測定波形を示す。図2の(B)は、第2センサ12から出力される時系列の測定波形を示す。縦軸は、第1センサ11又は第2センサ12から出力される信号の信号強度、横軸は時間である。なお、横軸は、(A)と(B)との間で一致させている。
【0015】
第2センサ12は、第1センサ11の配管Pの下流に、配管Pに沿って所定の距離(設置距離L)を離して設けられる。したがって、第1センサ11で測定された流体は、流体が第1センサ11から第2センサ12まで移動する時間遅れて、第2センサ12で測定される。したがって、第1センサ11での測定結果と第2センサ12での測定結果を比較すると、第2センサ12での測定結果は、第1センサ11での測定結果から遅れて測定される。すなわち、第2センサ12の出力は、時間差ΔTだけ第1センサ11の出力に遅れて測定される。
【0016】
時間差ΔT(単位:秒(s))は、流体の流速V(単位:メートル毎秒(m/s))、設置距離L(単位:メートル(m))とすると、式1で表される。
【0017】
ΔT = L / V ・・・ 式1
【0018】
例えば、配管Pの内部を流れる流体が二相流体である場合には、配管Pの場所によって、二相流体の例えば液体と気体の混合比が異なる。液体と気体の混合比が異なると、配管の場所によって内部の流体の重量が異なる。したがって、第1センサ11及び第2センサ12のそれぞれに荷重センサを採用して、配管Pにおける異なる位置で、配管Pからかかる荷重を測定することにより、流体測定システム1は、第1センサ11と第2センサ12との間を流体が移動する時間を算出できる。そして、流体測定システム1は、第1センサ11と第2センサ12との間を流体が移動する時間、すなわち、時間差を用いて、流体の速度(流速)を求める。
【0019】
流体測定システム1は、第1センサ11の測定結果に対して、第2センサ12の測定結果が遅れる時間差ΔTmを求める。すなわち、流体測定システム1が求めた時間差ΔTmは、配管Pの内部を流体が第1センサ11から第2センサ12まで移動する時間を表す。したがって、流体測定システム1は、第1センサ11と第2センサ12との間の配管Pに沿う距離である設置距離Lを、当該算出した時間差ΔTmで割ることにより、流体の流速Vmを算出する。
【0020】
流速Vm(単位:メートル毎秒(m/s))は、時間差ΔTm(単位:秒(s))及び設置距離L(単位:メートル(m))を用いて式2により算出される。
【0021】
Vm = L / ΔTm ・・・ 式2
【0022】
なお、設置距離Lは、第1センサ11の測定結果に対する第2センサ12の測定結果の時間差が大きくなるように、長くするとよい。ただし、設置距離Lが長くなると、第1センサ11の測定結果と第2センサ12の測定結果との相関が小さくなり、時間差の測定が困難になる。したがって、設置距離Lは、第1センサ11の測定結果に対する第2センサ12の測定結果の時間差が測定可能な範囲内で、長くするとよい。
【0023】
測定制御部20は、第1センサ11からの第1測定結果及び第2センサ12からの第2測定結果を時系列データとして取得する。そして、測定制御部20は、取得した第1測定結果及び第2測定結果を処理して、配管Pの内部を流れる流体の速度を算出する。
【0024】
測定制御部20は、例えば、第1測定結果及び第2測定結果として、時間に対する荷重の波形を取得する。そして、当該波形を比較することにより、第1センサ11で検出された波形と類似する波形が、第1センサ11で検出されてから第2センサ12で検出されるまでの時間差を算出する。例えば、測定制御部20は、時間差を算出する際に、相互相関法や動的時間伸縮法を用いる。
【0025】
本実施形態に係る流体測定システム1を用いて、時間差を算出した結果を図3に示す。図3は、本実施形態に係る流体測定システム1における時間差の算出結果を示す図である。図3の横軸は、測定を開始してからの時間(単位:秒)を示す。図3の縦軸は、算出した時間差(単位:秒)を示す。
【0026】
図3に示す結果において、時間差は、0秒から5秒の範囲内で算出した。なお、図3に示す結果は、配管Pに時間差で約0.5秒となる流速の二相流体を測定した結果である。また、時間差の算出は、約650秒間にわたって行った。
【0027】
図3において、矢印PAにより示すように、センサ間通過時間(図2における時間差ΔT)は約0.5秒に多く応答を示している。しかしながら、約0.5秒以外の時間差が0秒から5秒の範囲において、広く応答している。流体の流速以外において応答があるのは、例えば、振動又は風等によるノイズの影響と考えられる。
【0028】
図4は、本実施形態に係る流体測定システム1において測定した時間差の度数分布を示す図である。図4は、図3の結果を度数分布で示す図である。図4において、最も頻度が高くなっているのは時間差0秒付近であるが、時間差0秒とは相互相関による通過時間算出が行えなかったなどのエラーを示している。したがって、流速を求める際には、時間差0秒は除外する。時間差0秒以外において図4における最頻値が含まれる区間は、矢印PBにより示すように、0.49秒から0.50秒までの間で区切られた区間となる。すなわち、測定した時間差について度数分布を求めることにより、理論値とも一致する測定結果が得られる。
【0029】
流体測定システム1において、より流速の測定精度を向上させるためには、ノイズによる誤応答の影響を減らす必要がある。
【0030】
本実施形態に係る流体測定システム1は、測定した時間差について一定時間ごとに度数分布を算出することにより、ノイズによる誤応答の影響を減らす。ノイズによる誤応答の影響を減らすことによって、流体測定システム1は、流速の測定精度を高めて、流速をより高精度で測定できる。
【0031】
処理についてより具体的に説明すると、最初に、流体測定システム1は、図3に示す時間差の測定結果について、一定時間ごとに度数分布を算出する。次に、流体測定システム1は、算出した度数分布から、最頻値を算出する。そして、流体測定システム1は、最頻値をセンサ間通過時間(時間差)として決定する。
【0032】
流体測定システム1において、相互相関によって検出されるセンサ間通過時間の方が、ホワイトノイズ的に生じる誤応答より出現頻度が高いと考えられる。したがって、流体測定システム1において、一定時間ごとに度数分布を算出することにより、誤応答を抑制できる。
【0033】
流体測定システム1の処理について具体的に説明する。また、流体測定システム1が備える測定制御部20が実行する工程について説明する。流体測定システム1の処理について説明することにより、流体測定システム1による流体測定方法について説明する。図5は、本実施形態に係る流体測定システム1の処理について説明するフローチャートである。
【0034】
(ステップS10)
処理を開始すると、流体測定システム1における測定制御部20は、予め定められた期間(計測期間)における時間差を測定する(時間差算出工程)。
【0035】
時間差算出工程について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態に係る流体測定システム1における時間差算出工程の処理について説明するフローチャートである。
【0036】
(ステップS12)
測定制御部20は、予め定められた期間(測定期間)における第1センサ11から出力される第1出力及び第2センサ12から出力される第2出力を取得する。測定制御部20は、第1センサから出力される第1出力及び第2センサから出力される第2出力のそれぞれを、例えば、サンプリング周期3ミリ秒でサンプリングする。測定制御部20は、サンプリングした第1出力及び第2出力のそれぞれを、測定期間分の長さを有するメモリに格納する。測定期間は、例えば、10秒である。
【0037】
(ステップS14)
次に、測定制御部20は、ステップS12で取得した第1出力及び第2出力から、第1出力に対する第2出力の時間差ΔT(第1時間差)を算出する。測定制御部20は、メモリに格納した第1出力のデータに対して、メモリに格納した第2出力のデータを時間的にずらしながら、第1出力の波形と第2出力の波形の類似度を算出する。波形の類似度は、相互相関法又は動的時間伸縮法により求める。そして、測定制御部20は、類似度が最大になるときのずらした時間を、時間差ΔT(第1時間差)として算出する。
【0038】
なお、相互相関法は、時系列データ同士の類似度を、相互相関により求める手法である。また、動的時間伸縮法は、2つの時系列の各点の距離を総当たりで求めて、2つの時系列が最短となるパスを類似度とする手法である。
【0039】
(ステップS16)
次に、測定制御部20は、予め定められた数の時間差を算出したかどうかについて判断する。予め定められた数の時間差ΔTを算出した場合(ステップS16のYes)、測定制御部20は、時間差算出工程を終了する。予め定められた数の時間差ΔTを算出していない場合(ステップS16のNo)、測定制御部20は、ステップS12に戻って処理を繰り返す。
【0040】
ステップS12に戻った測定制御部20は、直前に測定を行った測定期間からずらして、予め定められた期間(測定期間)における第1センサ11から出力される第1出力及び第2センサ12から出力される第2出力を取得する。なお、直前に測定を行った測定期間と、次に測定を行う期間は重なっていてもよい。すなわち、測定制御部20は、保存している第1出力及び第2出力のそれぞれのデータについて、時間的に古い結果を破棄して、破棄したデータ分の新しい結果を追加するようにしてもよい。そして、測定制御部20は、処理を繰り返す。
【0041】
測定制御部20は、上述のように、測定期間をずらしながら、時間差ΔTを、繰り返して算出する。測定制御部20は、例えば、0.01秒(10ミリ秒)周期で、時間差ΔTの算出を繰り返す。
【0042】
(ステップS20)
次に、測定制御部20は、予め定められた期間(頻度算出期間)における度数分布を算出し、発生頻度の高い時間差を算出する(頻度算出工程)。なお、頻度算出期間は、計測期間より長い。例えば、頻度算出期間は、所定の数(例えば100)以上の複数の測定期間を含むように、すなわち、当該所定の数以上の複数の時間差ΔTが取得できるように、設定される。頻度算出期間は、例えば、11秒である。
【0043】
頻度算出工程について、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る流体測定システム1における頻度算出工程の処理について説明するフローチャートである。
【0044】
(ステップS22)
測定制御部20は、ステップS10で算出した複数の時間差ΔTから、頻度分布を算出する。測定制御部20は、例えば、時間差ΔTが時間幅0.01秒(10ミリ秒)で区分した区間(時間差区間)に、どれだけ含まれるか頻度を算出する。
【0045】
(ステップS24)
次に、測定制御部20は、ステップS22で算出した頻度分布に基づいて、最頻値となる区間を算出する。
【0046】
(ステップS26)
次に、測定制御部20は、最頻値となる区間に含まれる時間差に基づいて、時間差(第2時間差)を算出する。時間差(第2時間差)は、例えば、最頻値となる区間の中心値としてもよいし、最頻値となる区間に含まれる時間差の平均値又は中央値を求めてもよい。
【0047】
(ステップS30)
次に、測定制御部20は、ステップS30において算出された時間差に基づいて、流速を算出する(流速算出工程)。測定制御部20は、算出した時間差から、例えば、式2に基づいて、流速を算出する。
【0048】
(ステップS40)
次に、測定制御部20は、処理を継続するか、終了するか判定する(処理を継続するかどうか判定する工程)。処理を継続する場合(ステップS40のYes)、測定制御部20はステップS10に戻って処理を繰り返す。処理を終了する場合(ステップS40のNo)、測定制御部20は処理を終了する。
【0049】
<まとめ>
本開示の流体測定システムによれば、測定流体の流速を高精度に測定できる。すなわち、本開示の流体測定システムによれば、度数分布を用いることにより、流速の測定を高精度化できる。
【0050】
なお、測定期間が第1期間の一例、頻度算出期間が第2期間の一例、である。
【0051】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 流体測定システム
11 第1センサ
12 第2センサ
20 測定制御部
L 設置距離
P 配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7