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  • 特開-小物収納具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173382
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】小物収納具
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20231130BHJP
   A47G 29/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G03B17/56 Z
G03B17/56 B
A47G29/00 A
A47G29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085597
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】595039520
【氏名又は名称】株式会社エツミ
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】粥川 博行
【テーマコード(参考)】
2H105
3K100
【Fターム(参考)】
2H105AA18
2H105EE00
3K100AA20
3K100AB10
3K100AE20
3K100AF05
3K100AH30
3K100AJ05
3K100AJ08
(57)【要約】
【課題】持ち運びが容易であってかつ三脚等の錐体物に簡単に脱着できる小物収納具を提供する。
【解決手段】とする。
小物収納具は、シート体と、シート体に設けられ、小物を収容するかまたは小物が引っ掛かることで小物を保持する小物保持部材と、を備える。シート体は、装着対象物である錐体物の側面の全体あるいは部分を被覆する中空の錐体形を成す。シート体は、広げられた状態のとき、装着対象物である錐体物の側面の全体あるいは部分を展開したときにできる略扇形に相当する略扇形であって、シート体の両側の側辺を係脱自在に連結する連結手段が設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着対象物である錐体物の外側面に装着される小物収納具であって、
当該小物収納具は、
シート体と、
前記シート体に設けられ、小物を収容するかまたは小物が引っ掛かることで小物を保持する小物保持部材と、を備え、
前記シート体は、装着対象物である前記錐体物の側面の全体あるいは部分を被覆する中空の錐体形を成す
ことを特徴とする小物収納具。
【請求項2】
請求項1に記載の小物収納具において、
前記シート体は、広げられた状態のとき、装着対象物である前記錐体物の側面の全体あるいは部分を展開したときにできる略扇形に相当する略扇形であって、
当該小物収納具は、さらに、
前記シート体の両側の側辺を係脱自在に連結する連結手段を有する
ことを特徴とする小物収納具。
【請求項3】
請求項1に記載の小物収納具において、
前記シート体は、裁頭の錐体形を成し、当該シート体の錐体形の頂部に開口があり、
装着対象物である前記錐体物に当該小物収納具を装着したときに、前記装着対象物である錐体物の頭頂部が前記シート体の頂部の前記開口から露出する
ことを特徴とする小物収納具。
【請求項4】
請求項1に記載の小物収納具において、
装着対象物である前記錐体物が三脚であり、
前記シート体は、装着対象物である前記三脚の側面の全体あるいは部分を被覆する中空の三角錐形を成す
ことを特徴とする小物収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小物収納具に関する。例えば、カメラ用三脚アクセサリーとして三脚に装着できる小物収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラマンは、三脚を立ててカメラをセットした態勢で被写体のタイミングを長時間待つことが多い。このとき、カメラマンは、携帯電話機、ドリンク(ペットボトル飲料等)、手袋やその他のカメラアクセサリーを保管する場所に苦労する。短期撮影時間でもカメラシャッターなどを押す際に使用するシャッターケーブルやストロボライトなど様々な用品をどこに保管しておくかに苦労している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明の目的は、持ち運びが容易であってかつ三脚等の錐体物に簡単に脱着できる小物収納具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の小物収納具は、
装着対象物である錐体物の外側面に装着される小物収納具であって、
当該小物収納具は、
シート体と、
前記シート体に設けられ、小物を収容するかまたは小物が引っ掛かることで小物を保持する小物保持部材と、を備え、
前記シート体は、装着対象物である前記錐体物の側面の全体あるいは部分を被覆する中空の錐体形を成す
ことを特徴とする。
【0005】
本発明の一実施形態では、
前記シート体は、広げられた状態のとき、装着対象物である前記錐体物の側面の全体あるいは部分を展開したときにできる略扇形に相当する略扇形であって、
当該小物収納具は、さらに、
前記シート体の両側の側辺を係脱自在に連結する連結手段を有する
ことが好ましい。
【0006】
本発明の一実施形態では、
前記シート体は、裁頭の錐体形を成し、当該シート体の錐体形の頂部に開口があり、
装着対象物である前記錐体物に当該小物収納具を装着したときに、前記装着対象物である錐体物の頭頂部が前記シート体の頂部の前記開口から露出する
ことが好ましい。
【0007】
本発明の一実施形態では、
装着対象物である前記錐体物が三脚であり、
前記シート体は、装着対象物である前記三脚の側面の全体あるいは部分を被覆する中空の三角錐形を成す
ことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】小物収納具の使用状態の一例を示す図である。
図2】小物収納具の使用状態の一例を示す図である。
図3】小物収納具の使用状態の一例を示す図である。
図4】小物収納具を展開した状態の一例を示す図である。
図5】小物収納具を畳んだ状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態を説明する。
図1から図3は、本実施形態の小物収納具100の使用状態の一例を示す図である。
図1図3は、互いに見る方向を変えて、それぞれが各面を例示している。
本実施形態の小物収納具100は、例えばカメラ用三脚20のような錐体形の物の外側面に装着して使用される小物収納具100である。
【0010】
装着対象としては、錐体形の物であれば、円錐形でも角錐形でもよい。言い換えると、装着対象としての錐体物は、上にいくに従って断面が小さくなるかあるいは錐体物を構成する脚(22)同士の間隔が狭くなり、下方にいくに従って断面が大きくなるかあるいは錐体物を構成する脚(22)同士の間隔が広くなるような形状のものであればよい。三脚20の他、例えば、カラーコーン(登録商標)、パイロン、三角コーンと呼ばれるような円錐形や角錐形の標識(ロードコーン)でもよい。ここでは、装着対象の錐体物として、カメラ用三脚20を例に説明する。
カメラ用三脚20は、カメラを取り付ける雲台21と、三本の脚22と、を有する。三本の脚22は、伸縮自在であり、また、三本の脚22が開閉するように、脚22は雲台21に回転自在に取り付けられている。例えば、脚22は、雲台21に枢支または軸支されている。三本の脚22を適宜開いて、三脚20を地面に置くと、三脚20は三角錐を形成する。
【0011】
小物収納具100は、シート体200と、小物保持部材300と、連結手段400と、を有する。
【0012】
シート体200は、小物収納具100の基体(本体、ベース)を構成する。
シート体200は、図1から図3に表れるように、装着対象の錐体物に被せられるように、中空の錐体形を成す。ただし、小物収納具100を三脚20(装着対象)から外したときには、持ち運びに便利なように、小物収納具100は立体形状ではなく、平たいシート状にできる。
図4は、小物収納具100を広げた状態を示す図である。図4に表れるように、シート体200を広げたとき、シート体200の全体的な形状は、装着対象物である錐体物(ここでは三角錐)の側面を展開したときにできる略扇形に相当する略扇形である。
【0013】
シート体200としては、織物、例えば、天然素材(例えば綿、麻)、樹脂(例えばナイロン、ポリエステル、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル)のフィラメントで織った織物であるが、織らずに、樹脂を延伸や圧延したシート体であってもよい。
シート体200は、三角形の小シート体210、220、230が接合されることによって構成されている。
シート体200を構成する三つの小シート体210、220、230を、図4において、左から順に、第一サブシート体210、第二サブシート体220、第三サブシート体230、と称することにする。
【0014】
第一サブシート体210、第二サブシート体220および第三サブシート体230の形状はほぼ共通であり、それぞれのサブシート体210、220、230は、二等辺三角形の頂点部分を底辺211、221、231に平行な線で切り落としたような台形である。各サブシート体210、220、230において、底辺211、221、231に対向する辺を上辺212、222、232とし、底辺211、221、231と上辺212、222、232とを結ぶ一組の辺(台形の脚)を、ここでは、"斜辺213、223、233"と称することとする。各サブシート体210、220、230の形状は、立った状態の三脚20(装着対象)の各側面の形状にほぼ対応している。
三脚20は、通常、脚22を23°から26°に開いて使用される。(一本の脚について、鉛直線(あるいはセンターポール)に対して23°から26°に開く。)これに合わせて、各サブシート体200の斜辺233同士の角度(仮想的な頂角の角度)を例えば38°から42°にすることが例として挙げられ、ここでは40°に設計しておく。
【0015】
各サブシート体210、220、230において、上辺212、222、232に補強用の細幅テープ(細幅ベルト)を付けておくとよい。後述のように、三つのサブシートの上辺212、222、232で囲まれる三角形の開口部が小物収納具100の重量を支えることになるためである。
【0016】
第一サブシート体210の斜辺213と第二サブシート体220の斜辺223とが接合されており、第二サブシート体220の斜辺223と第三サブシート体230の斜辺233とが接合されている。
いま、第一サブシート体210の二つの斜辺213のうちで第二サブシート体220の斜辺223と接合されていない斜辺213を、シート体200の左側辺201とする。また、第三サブシート体230の二つの斜辺233のうちで第二サブシート体220の斜辺223と接合されていない斜辺233を、シート体200の右側辺202とする。
【0017】
小物保持部材300は、シート体200のおもて面に付設されるポケット、ベルト、リングなどである。
小物保持部材300としては、小物を収容する袋や小物を引っ掛けるベルトやリングであればよい。
ここでは、第一サブシート体210および第二サブシート体220における小物保持部材300の配置は共通である。すなわち、第一サブシート体210および第二サブシート体220において、上段に小ポケット301、下段の大ポケット302、中段には細幅ベルト303を配している。細幅ベルト303は、水平方向に延在し、間隔を持ってところどころがシート体200に接合されることによって棒状の小物を差し込む輪っかを形成している。第三サブシート体230のおもて面には、大きくて深いポケット304を配している。
【0018】
連結手段400は、線ファスナー400であり、シート体200の左側辺201とシート体200の右側辺202とに設けられている。線ファスナー400により、シート体200の左側辺201とシート体200の右側辺202とは係脱可能に連結される。線ファスナー400によって、シート体200の左側辺201とシート体200の右側辺202とを連結したとき、シート体200は全体として中空の三角錐を構成する。このとき、各サブシート210、220、230は、二等辺三角形の頂点部分を切り落としたような台形であるから、三つのサブシート210、220、230の上辺212、222、232で囲まれる開口部は三角形を成し、三脚20の頭頂部(雲台21)がこの三角の開口部から外にちょうど露出できる。
【0019】
なお、連結手段400としては、線ファスナー400に代えて、スナップボタン、ボタンとボタンホールなどでもよい。連結手段400として、長さ調整具が付いた紐(ベルト)や伸縮性の紐(ベルト)の先にスナップボタン、ボタンとボタンホール、バックルなどを付けてもよい。連結手段400として線ファスナー400を用いた場合は着脱(開閉)が簡単である一方、三脚20の脚22の開き角度の上限が決まってしまう。連結手段400として紐(ベルト)の長さ調整ができれば、三脚20の脚22の開き角度に応じて、紐(ベルト)の長さを適宜調整することができる。
【0020】
本実施形態の小物収納具100の使用方法を説明する。
まず、本実施形態の小物収納具100は、全体的には、シート体であるから、持ち運びのときには、小さく畳んだ状態で運搬することができる。例えば、図5は、小物収納具100を畳んだ状態の一例を示す図である。図5では、第一サブシート体210と第二サブシート体220との接合部と、第二サブシート体220と第三サブシート体230との接合部と、の二箇所(二本のライン)で折り畳んだ状態を例示しているが、さらに縦や横に折り畳んだり、丸めたりしてもよい。
【0021】
小物収納具100を三脚20に装着するにあたっては、三脚20を立てて、三脚20の外側面に小物収納具100のシート体200をぐるりと巻き付ける。そして、シート体200の両側辺(左側辺201、右側辺202)を互いに引きつけて、線ファスナー400で連結する。すると、図1から図3に例示のように、小物収納具100が三脚20の外側に取り付けられる。このとき、小物収納具100は三脚20のまわりに巻き付けられて線ファスナー400で止められているだけであるが、シート体200の頂部の開口部の大きさは決まっているから、錐体形である三脚20の所定の高さ、すなわち、水平方向の断面で見たときに、三脚20の三本の脚22が作る図形(三角形)の大きさとシート体200の開口部の大きさとが一致したところで三脚20と小物収納具100との相対位置は規制され、それ以上に小物収納具100が下方にすべり落ちることなく止まる。すなわち、小物収納具100のシート体200と三脚20の脚22とを個別に紐やベルトで結んだりするような手間は必要ない。
【0022】
小物収納具100には、カメラ用品(レンズ、フィルム、シャッターケーブル、ストロボライトなど)の他、モバイルバッテリー、携帯電話機、ドリンクなどを入れて保持することができる。小物収納具100に、例えば石のような重りの代わりになるものを入れておいてもよい。これにより、小物収納具100とともに三脚20が安定する。
【0023】
本発明によれば、持ち運びが容易であってかつ三脚等の錐体物に簡単に脱着できる小物収納具が提供される。
【0024】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0025】
20 三脚
21 雲台
22 脚
100 小物収納具
200 シート体
210 第一サブシート体
220 第二サブシート体
230 第三サブシート体
201 左側辺
202 右側辺
300 小物保持部材
301 小ポケット
302 大ポケット
303 細幅ベルト
304 深いポケット
400 連結手段(線ファスナー)
図1
図2
図3
図4
図5