(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173403
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】後方確認鏡装着具
(51)【国際特許分類】
A45D 42/00 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A45D42/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085634
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】593161032
【氏名又は名称】塚本 龍三
(72)【発明者】
【氏名】塚本 竜三
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ジョッキング、ウォーキング、自転車走行時に手作業や運動をしながら必要な時に後方から近づくものを振り返ることなく素早く確認出来る手軽で安定した手段を提供する。
【解決手段】身体の手から手首近くの腕の部位の範囲に設けた装着体9と、前記装着体9の手の甲側に当たる位置より手首近くの腕部の周りに当たる位置の範囲に設けた後方確認鏡16の装着手段を備える後方確認鏡装着具を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の手から手首近くの腕の周りの部位に設けた装着体と、前記装着体の手の甲側に当たる位置より手首近くの腕部の周りに当たる位置に設けた後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具。
【請求項2】
身体の手から手首近くの腕の周りの部位に設けた装着体と、前記装着体の手の甲側に当たる位置より手首近くの腕の周りに当たる位置に設けた後方確認鏡の装着手段と、前記装着手段を介して装着される後方確認鏡を備えることを特徴とする後方確認鏡具。
【請求項3】
身体の手の第2指と第5指の第1関節の根元の部位の手の平側と手の甲側の周りを巻き囲うバンド体と、前記バンド体の手の甲側に当たる位置に後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の後方確認鏡装着具。
【請求項4】
身体の手の第1指(親指)の付け根部の周りをその内側に通す第1指通孔を有し手の平側と手の甲側の周りを巻き囲うバンド体と、前記バンド体の手の甲側に当たる位置に後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の後方確認鏡装着具。
【請求項5】
身体の腕の手首関節の外端部をその内側に露出させる外関節穴と手首関節の内端部をその内側に露出させる内関節穴を有し手首の背側と腹側の周りを巻き囲うバンド体と、前記バンド体の手首関節周りの位置に後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の後方確認鏡装着具。
【請求項6】
前記装着体が身体の腕の手首関節の下側の腕部の周りを巻き囲うバンド体から成り、前記バンド体の腕部周りの位置に後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の後方確認鏡装着具。
【請求項7】
前記装着体が身体の手の部位を含むカバー体から成り、前記カバー体の手の甲側に当る位置に後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の後方確認鏡装着具。
【請求項8】
前記後方確認鏡が前記装着体上の前記後方確認鏡の装着部位に取り付けられ身体の装着部位の形に倣う保持板上の装着手段を介して装着されることを特徴とする後方確認鏡装着具。
【請求項9】
前記バンド体が身体の手から腕の装着部位の周囲に適合する大きさの輪状の被覆ゴムの帯体により形成されることを特徴とする後方確認鏡装着具。
【請求項10】
前記バンド体の着脱自在の結合手段が一方側がループ面で他方側がフック面の一組の面ファスナーから成ることを特徴とする後方確認鏡装着具。
【請求項11】
前記バンド体の着脱自在の結合手段が一方側が凸で他方側が凹の1組以上のホックボタン手段からなることを特徴とする後方確認鏡装着具。
【請求項12】
前記後方確認鏡が前記装着体との間で一方が面より突出し頭部が球形の枢軸部からなり他方がこれに嵌る大きさの内面が球面の軸受部から成る枢着構造の装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具。
【請求項13】
前記後方確認鏡と前記装着体との間に一方が円筒形の内面の一定長さの摺動軸受部であり他方が面より幾分突出して前記摺動軸受部の円筒形部分に適合する直径と長さの摺動軸部から成る装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の手から手首近くの腕の周りに装着してジョッキング、ウォーキング、自転車走行時など手作業や運動をしながら必要な時に振り返ることなく手軽にかつ安定に後方の確認が出来る後方確認鏡装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
市場には、女性がバッグの中などに入れて化粧や顔の手入れなどをするのに使いやすいようにした小形の鏡などが知られており、一部は市販されている。これらはあくまでも自らの手の平側に保持するなどして自らの顔を見るものであり、自転車のハンドルを握るなどの作業や運動を続けながら後方を確認するものではない。
また、自転車のハンドル部にバックミラーを装着したものが存在する。今日では自転車などは軽くて手軽に取り扱えるものであることが好まれるものであり、バックミラーを装着した自転車などはハンドルの向きやハンドル操作との関係で見ようとする要所を見難い面がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ジョッキング、ウォーキング、自転車走行時に後方から近づくものの有無は気になるものである。運動を続けながら振り返って確認するのは運動のリズムを乱す。
また、自転車走行中に後ろを振り向くのは危険な動作でもある。
運動中や自転車走行中などに振り返ることなく、また、手間を煩わすことなく素早くかつ安定に後方の確認が出来る手軽な道具の案出が強く望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成する為に本発明は、身体の手から手首近くの腕の周りの部位に設けた装着体と、前記装着体の手の甲側に当たる位置より手首近くの腕部の周りに当たる位置に設けた後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
ここで、装着体とはバンド体並びにカバー体を総称して呼ぶものである。
また、バンド体とは手の部位や腕の部位の周りに着脱自在に設けられるバンド状の帯体であり、連続した輪状の弾性帯体等を含む。また、カバー体とは身体の手の部位より腕の部位を被うあらゆる種類の着脱自在の手袋や腕カバーなどの身体の保護具などである。
そして、後方確認鏡の装着体への装着手段としは、装着体に直に縫い付ける手段、縫い付けないし接着タイプの面ファスナーを介して装着する手段、同様にホックボタンを介して装着する手段、縫い付けないし接着タイプの金属板とマグネットを介して装着する手段、粘着テープにより貼り付ける手段などの他、古くからの腕時計のように後方確認鏡体側にバンド軸などを設け、該バンド軸などを介してバンド体と後方確認鏡側とを結合して一体にする手段などのように公知のあらゆる手段が可能である。
【0006】
また、身体の手から手首近くの腕の周りの部位に設けた装着体と、前記装着体の手の甲側に当たる位置より手首近くの腕の周りに当たる位置に設けた後方確認鏡の装着手段と、前記装着手段を介して装着される後方確認鏡を備えることを特徴とする後方確認鏡具を提供する。
【0007】
また、身体の手の第2指と第5指の第1関節の根元の部位の手の平側と手の甲側の周りを巻き囲うバンド体と、前記バンド体の手の甲側に当たる位置に後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
【0008】
また、身体の手の第1指(親指)の付け根部の周りをその内側に通す第1指通孔を有し手の平側と手の甲側の周りを巻き囲うバンド体と、前記バンド体の手の甲側に当たる位置に後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
【0009】
また、身体の腕の手首関節の外端部をその内側に露出させる外関節穴と手首関節の内端部をその内側に露出させる内関節穴を有し手首の背側と腹側の周りを巻き囲うバンド体と、前記バンド体の手首関節周りの位置に後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
【0010】
また、前記装着体が身体の腕の手首関節の下側の腕部の周りを巻き囲うバンド体から成り、前記バンド体の腕部周りの位置に後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
【0011】
また、前記装着体が身体の手の部位を含むカバー体から成り、前記カバー体の手の甲側に当る位置に後方確認鏡の装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
【0012】
また、前記後方確認鏡が前記装着体上の前記後方確認鏡の装着部位に取り付けられ身体の装着部位の形に倣う保持板上の装着手段を介して装着されることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
【0013】
また、前記バンド体が身体の手から腕の装着部位の周囲に適合する大きさの輪状の被覆ゴムの帯体により形成されることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
【0014】
また、前記バンド体の着脱自在の結合手段が一方側がループ面で他方側がフック面の一組の面ファスナーから成ることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
【0015】
また、前記バンド体の着脱自在の結合手段が一方側が凸で他方側が凹の1組以上のホックボタン手段からなることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
【0016】
また、前記後方確認鏡が前記装着体との間で一方が面より突出し頭部が球形の枢軸部からなり他方がこれに嵌る大きさの内面が球面の軸受部から成る枢着構造の装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
【0017】
また、前記後方確認鏡と前記装着体との間に一方が円筒形の内面の一定長さの摺動軸受部であり他方が面より幾分突出して前記摺動軸受部の円筒形部分に適合する直径と長さの摺動軸部から成る装着手段を備えることを特徴とする後方確認鏡装着具を提供する。
以上のように、本発明の後方確認鏡装着具では後方確認鏡を日常不断に動く身体の手の甲側の部位から手首近くの腕の周りの部位に装着して使用する。
【0018】
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上説明したように構成されるので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0020】
後ろの状況を見たい時に、後方確認鏡具を装着した手の甲側や手首近くを目の高さにあげて、後方確認鏡を斜め前方に翳すことで後方の状況をすばやく確認することが出来る。
【0021】
装着や取り外しが簡単であり、必要な時にすぐ使用することが出来る。
【0022】
ポケットに入る大きさで邪魔にならず、携帯に便利である。
【0023】
手作業や着衣などの邪魔になり難いように装着される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】後方確認鏡装着具の実施例で、後方確認鏡を装着体の右手の甲側に当たる位置に装着した図。
【
図3】
図1における3-3断面図で拡大して示す図。
【
図6】
図4における6-6断面図で拡大して示す図。
【
図9】
図7における9-9断面図で拡大して示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
図1~
図3は、後方確認鏡装着具の一実施例を示す。
図1に身体の右手1の甲側が、
図2にその手の平側が示されている。手の指は第1指(親指)2から第5指(小指)3の5本の指からなる。全ての指は物を掴んだり指先での細かな動きのできる第1関節、第2関節、第3関節を有する。
後方確認鏡装着具は手や腕の左右に関わらず装着することが出来る。
【0026】
以下の実施例においては便宜上、身体の右手および右腕を主体にして説明する。ここで、後方確認鏡を装着する装着体はバンド体9から成っている。バンド体9は第2指(人差し指)4の第1関節5と第5指3の第1関節6の根元の位置の手の平側7と手の甲側8の周りを巻き囲うように装着されている。バンド体9は第2指4の根元側と第1指2の根元側の指間部10との間に十分納まる幅の面ファスナーの帯体から成っている。面ファスナーは帯体の一面側にフック面を有するものと一面側にループ面を有するものの2つの帯体を1組とするもので、互いに貼り付けたり剥がしたり出来る着脱自在のものである。
【0027】
ここでのバンド体9は、一面側にループ面を有し他面側は接着糊面を有していないナイロン製などの帯体から成っており、そのループ面側を内側(手の皮膚側)にして手の平側7と手の甲側8の周りに巻いて装着されている。従って、巻きの外側面は接着糊面を有しない帯体である。
【0028】
このバンド体9は第2指4の第1関節5の根元側に位置せしめ、その巻きの先端側11の一定長さを手の甲側8の第5指3の第1関節6の根元側の方向に向かって延ばし、巻きの後方側を手の平側7の第5指3の第1関節6の根元側の位置に導き、該第5指3側の外側の側面を手の甲側9に巻き回して前記巻きの先端側11の下側にその巻きの後端側12を導いて前記巻きの先端側11の下側に巻き重ねた状態で巻かれている。
【0029】
前記巻きの後端側12の外側面にはその外側にフック面を備える一定の長さの面ファスナー13がその内側面の接着糊面により接着されている。
そこで、バンド体9の巻きの先端側11の内側面のループ面は前記巻きの後端側12に接着されている面ファスナー13のフック面上に確り貼り付くことが出来る。このようにしてバンド体9は面ファスナーの結合手段により第2指4の第1関節5と第5指3の第1関節6の根元の位置の手の平側7と手の甲側8の周りに装着される。
【0030】
バンド体9は第2指4の第1関節5と第5指3の第1関節6の内側と外側に出っ張った部分によってその指先側への移動が抑止される。一方第1指2と第2指4の指間部10の底部によって手首側への移動が抑えられてその位置に安定に保持される。
このようにバンド体9はループ側とフック側から成る面ファスナー帯体の適切な組み合わせによって構成されている。
【0031】
バンド体9の巻きの先端側11の外側面には、その外側面にフック面を備える一定長さの面ファスナー14がその内側面の接着糊面により接着されている。
そこで、バンド体9の該面ファスナー14部分にはその裏面側にループ面の面ファスナー15が貼り付けられている後方確認鏡16を貼り付けて装着することが出来る。後方確認鏡16の貼り付けは面ファスナー14の長さの範囲内の任意の位置に任意の向きで行うことが出来る。
このような面ファスナーを介してのバンド体への後方確認鏡の装着手段においては、その装着の位置や鏡の向きを自由に選択できる利点がある。
【0032】
この面ファスナー帯体のバンド体からなる後方確認鏡装着具はバンド体の先端側と後端側の重なり部分の長さを調節することによって広い範囲の手の大きさに対応出来る利点がある。また、バンド体の占め具合の調整にも便利である。
【0033】
バンド体9は、この実施例とは逆に巻きの内面側をフック面とする帯体とし、全てのファスナーを逆のものと置き換えて実施することも出来るが、この実施例のように柔らかいループ面側を内面側(手の皮膚側)とすることによって手の肌との間に空間を与え、肌に優しく発汗を防ぐ装着感に優れたものとすることが出来る。
【0034】
図4~
図6は、後方確認鏡装着具の他の実施例を示す。
以下の実施例の説明においては前に示した実施例と同一の部分や同一の機能を有する部分については、同一の符号にa 、b 、c、 ‘ の添え文字を附して示すに止め、なるべくその説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0035】
図4に身体の右手1aの甲側8aが
図5にその手の平側7bが示されている。
この実施例においては、後方確認鏡を装着する装着体はバンド体9aから成っている。バンド体9aは伸縮可能の布で被覆されたゴムのバンドから成っている。平たい帯状の被覆部分の中に多数の細いゴム紐を並置して編んだもので、長手方向に伸び縮み出来る。以下被覆ゴムの帯体と言う。
【0036】
該バンド体9aは前例と同じように第2指4aの第1関節5aと第5指3aの第1関節6aの根元の位置の手の平側7aと手の甲側8aの周りを巻き囲うように装着されている。バンド体9aは第2指4aの根元側と第1指2aの根元側の指間部10aとの間に納まる幅の被覆ゴムの帯体である。
【0037】
被覆ゴムの帯体から成るバンド体9aは前例と同じように第2指4aの第1関節5aの根元側に位置せしめ、その巻きの先端側11aの一定長さを手の甲側8aの第5指3aの第1関節6aの根元側方向に向かって延ばし、巻きの後方側を手の平側7aの第5指3aの第1関節6aの根元側の位置に導き、該第5指3aの外側の側面を手の甲側9aに巻き回して前記巻きの先端側11aの下側にその巻きの後端側12aを導いて前記巻きの先端側11aの下側に巻き重ねた状態で巻かれている。
【0038】
ここで、前記巻きの先端側11aと巻きの後端側12aの結合手段は一組の嵌め外し自在のホックボタンから成っている。即ち、バンド体9aの巻きの後端側12aの外側面には一定の間隔で3個のホックボタンの凸側17が外向きに縫い付けられている。一方、巻きの先端側11aの内側面には先端より少し離れた位置に1個のホックボタンの凹側18が内向きに縫い付けられている。そこで、該ホックボタンの凹側18を前記3個のホックボタンの凸側17の中の適合する位置のホックボタンの凸側17に嵌め合わせることでバンド体9aは第2指4aの第1関節5aと第5指3aの第1関節6aの根元側の位置の手の平側7aと手の甲側8aの周りを巻き囲うようにして結合され、右手1aに装着される。
【0039】
ここで、ホックボタンの凹側18は前記3個の内の中央のホックボタンの凸側17に嵌っている。ホックボタンの凹側18は前記3個のホックボタンの凸側17の中のどれにも嵌め合わせることが出来、手の大きさに応じて、あるいはバンド体9aの張りの具合に応じて選択できる。
【0040】
バンド体9aの巻きの先端側11aの外側面には前例と同じように外側面にフック面を有する一定長さの面ファスナー14aがその内側面の接着糊面により接着されている。そこで、別途用意した市販の小型鏡の裏面側にループ面の面ファスナー15aを接着して後方確認鏡16aと成し、それを該面ファスナー14aの部分に貼り付けることが可能である。
【0041】
被覆ゴムの帯体からなるバンド体はその弾性により広い範囲の手の大きさに対応できる利点がある。また、ホックボタンとの組み合わせにより締め付け力の選択が出来る。バンド体の装着の安定性にも優れている。
【0042】
後方確認鏡を装着する装着体は被覆ゴムの帯体を輪の形に形成したバンド体とすることも出来る。手の大きさに応じて数種類のサイズの輪状の被覆ゴムのバンド体の装着体を提供することが出来る。
【0043】
図7~
図9は、後方確認鏡装着具の他の実施例を示す。
図7に身体の右手1bの甲側8bが
図8にその手の平側7bが示されている。
この実施例においては、後方確認鏡を装着する装着体はバンド体9bから成っている。幅の広いバンド体9bは手の第1指2bの付け根部の周りの部分をその内側に通す第1指通孔20を有し巻きの先端側11bは第1指2bの付け根部より手の甲側8bの中程の先まで延びている。前例同様に、巻きの後方側を手の平側7bの第5指3bの下部の外側の側面を手の甲側8bに巻き回し、その巻きの後端側12bを前記巻きの先端側11bの下側に導いて巻き重ねた状態で巻かれている。
【0044】
該バンド体9bは、巻きの外側面にフック面を有し、巻きの内側面は接着糊面を有しない帯体である。そして、巻きの先端側11bの内側面にはその内側面にループ面を有する一定長さの面ファスナー13bがその外側面の接着糊面により接着されている。そこで、バンド体9bの巻きの先端側11bはこの面ファスナー13bにより前記巻きの後端側12bのフック面上に確り貼り付くことが出来る。こうしてバンド体9bは手の第1指2bの付け根部の周りの手の平側7bと手の甲側8bの周りに着脱自在に結合され右手1bに装着されている。
【0045】
バンド体9bの手の平側7bに形成される逃がし孔21は手の平の外側下部の肉厚部の当たる部分を逃がす孔である。ハンドルなど物を確り掴む時の滑りを抑止する効果がある。
バンド体9bの巻きの先端側11bを含む手の甲側8bに露出するフック面の部分にはその裏面側にループ面の面ファスナー15bを備える後方確認鏡16bを任意の位置に任意の向きに貼り付けることが出来る。
【0046】
図10~
図11は、後方確認鏡装着具の他の実施例を示す。
図10に身体の右手1cの甲側8cから手首の下側の腕の背側27の部分までが、
図11に手の平側7cから手首の下側の腕の腹側26の部分までが示されている。
ここで、後方確認鏡を装着する装着体はバンド体9cから成っている。
この実施例では、幅の広いバンド体9cは身体の腕の手首関節の外端部22をその内側に露出させる外関節穴23と手首関節の内端部24をその内側に露出させる内関節穴25を有し、腕の手首関節の周りの腕の腹側26と腕の背側27の周りを巻き囲うようにして装着されている。
【0047】
バンド体9cは前述の
図7~
図9の実施例のバンド体9bと同じように巻きの外面側にフック面を有し、巻きの内側面は接着糊面を有しない帯体である。
そして、巻きの先端側11bの内側面には前述の実施例のバンド体9bと同じようにその外側面に接着糊面を備えその内側面にループ面を有する一定長さの面ファスナー13cが接着されている。
そこで、バンド体9cの巻きの先端側11cは面ファスナー13cにより巻きの後端側12cのフック面上に確り貼り付くことが出来、バンド体9cは面ファスナーの結合手段により結合され腕の手首関節の周りに着脱自在に装着される。
【0048】
バンド体9cの腕の背側27に露出するフック面の部分には、その裏面側にループ面の面ファスナーを備える後方確認鏡16cを貼り付けることが出来る。
ここで、バンド体9cの腕部の周りに露出するフック面の部分には裏面側にループ面の面ファスナーを備える後方確認鏡16cを使用者が任意の位置に任意の向きで貼り付けることが出来、後方確認鏡16cの腕部周りの装着手段を形成する。即ち、巻きの外面側にフック面ないしループ面の面ファスナーを備えるバンド体から成る装着体には該バンド体に対応するループ面ないしフック面を備える後方確認鏡を任意の位置に任意の向きで装着することが出来る。
バンド体9cは外関節穴23及び内関節穴25に突出する手首関節の外端部22及び手首関節の内端部24の部分によって上下方向と腕の周囲方向への移動がより確り抑えられ、後方確認鏡16cの位置を安定に保持することが出来る。
【0049】
また、バンド体は腕の手首関節近くの下側の位置に装着することも出来る。
図12~
図13はその実施例を示している。この後方確認鏡装着具の実施例では後方確認鏡16dは腕の手首近くの腕の腹側26dに装着されている。後方確認鏡16dは装着体のバンド体に恰も腕時計のようにして装着されている。後方確認鏡16dは硬質のゴムなどで成型された保持体29の中に保持されている。保持体29の左右の両側にバンド軸30を有しており、2分割されたバンド体9d及びバンド体9’dのバンド端31及びバンド端31’が各々バンド軸30に掛けられて保持体29と結合されている。
このようにして後方確認鏡16dはバンド体9d及びバンド体9’dの間の保持体29内に保持されて装着されている。
【0050】
保持体29には中央の面上に上方に突出し頭部が球形の枢軸部32が形成されている。一方、後方確認鏡16dの裏面の中央には枢軸部32の頭部に嵌る大きさの内面が球面の軸受部33が形成されている。球面の軸受部33の下側の1/3程が切除されており、後方確認鏡16dはこの軸受部33が枢軸部32に上方より固く嵌って保持体29に保持されている。これによって後方確認鏡16dの鏡面上を指などで操作することによって保持体29内の鏡面を任意の方向に傾けることが出来る。
【0051】
ここで、後方確認鏡16dと保持体29と間で、枢軸部32をどちら側に形成しても
よい。このように、後方確認鏡を装着体との間で枢着する装着手段とすることによって鏡を傾けて手や腕の傾け加減を望みのようにすることが出来る。このようにして後方確認鏡16dはバンド体9d及びバンド体9’dの間の保持体29内に保持されて装着されている。
この実施例においては、バンド体9dは腕の背側27dで一方側のスポーク穴と他方側のベルトガード及びスポークから成る腕時計バンドの周知の構造で着脱自在に結合されて腕部に装着されている。
このようにしてバンド体9dとバンド体9’dは保持体29と共に一体の装着体を成している。
もし望むなら、このままで後方確認鏡16dを腕の手首近くの腕の背側27dに装着しバンド体9dを腕の腹側26dで結合するように装着することも出来る。
全てのバンド体及びバンド体の結合手段は、ここに示した実施例の他に腕時計等の革や布、あるいは金属製のバンドなどに用いられている公知のあらゆる形式のバンド体やバンド体の結合手段を採用することができる。
また、結合手段を用いずに被覆ゴムの帯体を輪状に形成した着脱自在のバンド体とすることも出来る。
【0052】
図14は、後方確認鏡装着具の他の実施例を示す。
この実施例は、前述の
図12~
図13の実施例と同じ腕への装着位置における別の実施例である。
図14は
図13の断面位置と同じ断面位置における後方確認鏡16eの装着状態を示している。ここでは、後方確認鏡16eが腕の腹側26eではなく、腕の内側36(手の第1指側)の位置に装着されている。
後方確認鏡16eは装着体である内側面にループ面の面ファスナーを備えるバンド体9eと外側面にフック面の面ファスナーを備えるバンド体9’eにより恰も腕時計のようにして装着されている。ここで、後方確認鏡16eは軽い金属で成型された保持体29eの中に保持されている。保持体29eの左右の両側にバンド軸30eを備えており、バンド体9eのバンド端31e及びバンド体9’eのバンド端31’eがそれぞれバンド軸30eに掛けられて保持体29eと結合されている。バンド体9eの他端は腕の背側27eの側においてバンド体9’eの他端側の上側に貼りついて結合され保持体29eと共に一体の装着体を成している。
【0053】
保持体29eはその腕への装着面が腕の内側36部分の形に沿って略倣うように成形されている。該保持体29eの内側には肌に優しいクッション材37が貼られている。バンド体9e及びバンド体9’e部分と保持体29e部分は装着時にこの位置に安定に保持される。保持体29eの上面の中央にはその幅方向(腕の長手方向)に一定長さの円筒形の内面の摺動軸受部35が形成されている。該摺動軸受部35の円筒形部分の上部と下部は各々その1/3程が切除されて開かれている。一方、後方確認鏡16eの裏面の中央には該裏面より幾分下方へ突出して前記摺動軸受部35の円筒形部分に適合する直径と長さの摺動軸部34が形成されており、該摺動軸部34が前記摺動軸受部35の切り開かれた上方部分より固く嵌って該摺動軸受部35保持されており、後方確認鏡16eは摺動軸受部35の周りに傾斜出来るようになっている。図では後方確認鏡16eが5度ほど腕の腹側26e側へ傾いた状態で装着されている。身体の腕はその周り方向に180度近くは回転させることが出来る。鏡の傾きを腕の周り方向に調整することで腕を好みの向きに保つことが出来る。
【0054】
図15~
図16は、後方確認鏡装着具の他の実施例を示す。
図15に身体の右手1fの甲側8fから手首の下側の腕の背側27fの部分までが示されている。この実施例において、後方確認鏡を装着する装着体は右手1fに嵌められた手袋のカバー体28である。そして、後方確認鏡の装着は一組のホックボタンを介して行われる。
カバー体28には第2指4fの第1関節5fの根元の位置の手の内側の側面に当たる部位の形に沿って手の平側及び手の甲側に伸びる形の一定幅の保持板29fが取り付けられている。該保持板29fは適度の柔軟性を有するプラスチックやゴム材などにより成型されている。
そしてホックボタンの凸側17fは該保持板29fの手の甲側8fの第2指4f寄りの1箇所に突出する形に形成されている。
ここで、保持板29fはホックボタンの凸側17fの手の甲側における位置及びその向きをカバー体28上において確り保持する働きをする。
【0055】
一方、後方確認鏡16fの裏面側には中央の一箇所に前記ホックボタンの凸側17fに嵌め外し可能に適合するホックボタンの凹側18fが取り付けられており、後方確認鏡16fを一箇所の一組のホックボタンを介して嵌めたり外したりすることが出来る。後方確認鏡16fを一箇所の一組のホックボタンによって取り付けられるから、後方確認鏡16fを縦や横など自由に回すことが出来る。
また、ホックボタンの凸側17fの先端部分は根元側より大きい球形に形成されているから、後方確認鏡16fをこの先端部分の球形の周りに傾けることも出来る。
この例においても前述の実施例と同じように保持板29fと後方確認鏡16fの間でどちら側にホックボタンの凸側を設けるかは任意に出来る。
【0056】
後方確認鏡の装着体への装着手段は前述の実施例の他に粘着テープ手段、接着糊手段、マグネット手段、縫い付け手段など、従来より広く公知の装着手段によることが出来る。
【符号の説明】
【0057】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f------------右手
2、2a、2b、2d------第1指(親指)
3、3a、3b-------------第5指(小指)
4、4a、4b、4f -------------第2指(人差し指)
5、5a、5b、5f --------第2指(人差し指)の第1関節
6、6a、6b---第5指の第1関節
7、7a、7b、7c、7e、7d ---------手の平側
8、8a、8b、8c、8d、8e--------手の甲側
9、9a、9b、9c、9d、9’d、9e、9’e-----------バンド体(装着体)
10、10a、10b----指間部
11、11a、11b、11c ---------巻きの先端側
12、12a、12b、12c----------巻きの後端側
13、13b-----------------面ファスナー
14、14a ----------------面ファスナー
15、15a、15b---面ファスナー
16、16a、16b、16c、16d、16e、16f --------後方確認鏡
17、17f------------ホックボタンの凸側
18、18f------------ホックボタンの凹側
20-------第1指通孔
21-------逃がし孔
22、22d-------手首関節の外端部
23-------外関節穴
24、24d -------手首関節の内端部
25-------内関節穴
26、26d、26e -------腕の腹側
27、27d、27e -------腕の背側
28-------カバー体(手袋)(装着体)
29、29e、29f -------保持体
30、30e -------バンド軸
31、31’、31e、31’e -------バンド端
32-------枢軸部
33-------軸受部
34-------摺動軸部
35-------摺動軸受部
36-------腕の内側
37-------クッション材