(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173429
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】電池充放電装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H02M3/155 U
H02M3/155 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085682
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100210240
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 友幸
(72)【発明者】
【氏名】森田 一徳
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS05
5H730AS17
5H730BB13
5H730BB57
5H730BB82
5H730BB85
5H730BB86
5H730BB88
5H730BB89
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE13
(57)【要約】
【課題】スイッチングレギュレータの電池充放電装置においてスイッチング周波数を上昇させることなく電流脈動を小さくする。
【解決手段】第1,第2可変直流電源C3,C4が直列接続される。第1可変直流電源C3の正極と第2可変直流電源C4の負極との間に第5,第6スイッチング素子Q5,Q6が直列接続され、第7,第8スイッチング素子Q7,Q8が直列接続される。第5~第8スイッチング素子Q5~Q8に還流ダイオードが各々並列接続される。第5,第6スイッチング素子Q5,Q6の接続点に第3直流リアクトルL3の一端が接続される。第7,第8スイッチング素子Q7,Q8の接続点に第4直流リアクトルL4の一端が接続される。第3,第4直流リアクトルL3,L4の他端は電池300の一端に接続される。電池300の他端は第1可変直流電源C3と第2可変直流電源C4の接続点に接続される。電流検出手段は電池300の充放電電流を検出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1可変直流電源と、
前記第1可変直流電源に直列接続された第2可変直流電源と、
前記第1可変直流電源の正極と前記第2可変直流電源の負極との間に直列接続された第5スイッチング素子及び第6スイッチング素子と、
前記第1可変直流電源の正極と前記第2可変直流電源の負極との間に直列接続された第7スイッチング素子及び第8スイッチング素子と、
前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子と前記第7スイッチング素子と前記第8スイッチング素子に各々並列接続された還流ダイオードと、
前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子の接続点に一端が接続され、他端が電池の一端に接続された第3直流リアクトルと、
前記第7スイッチング素子と前記第8スイッチング素子の接続点に一端が接続され、他端が前記電池の一端に接続された第4直流リアクトルと、
前記電池の充放電電流を検出する電流検出手段と、
を備え、
前記電池の他端は、前記第1可変直流電源と前記第2可変直流電源の接続点に接続されたことを特徴とする電池充放電装置。
【請求項2】
第1直流電源に接続された第1入力コンデンサと、
前記第1入力コンデンサの正極と負極との間に直列接続された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の接続点に一端が接続された第1リアクトルと、
第2直流電源に接続された第2入力コンデンサと、
前記第2入力コンデンサの正極と負極との間に直列接続された第3スイッチング素子及び第4スイッチング素子と、
前記第1~第4スイッチング素子に各々並列接続された還流ダイオードと、
前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2リアクトルと、
を備え、
前記第1直流電源に前記第2直流電源が直列接続され、前記第1リアクトルの他端に前記第1可変直流電源の正極が接続され、前記第2リアクトルの他端に前記第2可変直流電源の負極が接続され、前記第1可変直流電源と前記第2可変直流電源の接続点は前記第1直流電源と前記第2直流電源の接続点に接続されたことを特徴とする請求項1記載の電池充放電装置。
【請求項3】
前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子および前記第7スイッチング素子と前記第8スイッチング素子は相補的に点弧し、
前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子、前記第7スイッチング素子と前記第8スイッチング素子は同一周波数、180度位相差で点弧し、
前記第1可変直流電源と前記第2可変直流電源の各々の出力電圧を前記充放電電流に基づいて制御することを特徴とする請求項1記載の電池充放電装置。
【請求項4】
前記充放電電流が前記電池の充電方向に流れている時、前記第1可変直流電源の電圧V
C3を以下の(5)式、前記第2可変直流電源の電圧V
C4を以下の(9)式で制御し、
前記充放電電流が前記電池の放電方向に流れている時、前記第1可変直流電源の電圧V
C3を以下の(13)式、前記第2可変直流電源の電圧V
C4を以下の(17)式で制御することを特徴とする請求項3記載の電池充放電装置。
【数5】
【数9】
【数13】
【数17】
V
C3:第1可変直流電源の電圧
V
L3C+:V
B,k
1,Iの可変可能範囲から取り得る第3直流リアクトルの最小の印加電圧
V
B:電池の電圧
k
1:充放電電流が充電方向で第5スイッチング素子がON、第6スイッチング素子がOFFの時の閉回路の合成抵抗
k
2:充放電電流が充電方向で第5スイッチング素子がOFF、第6スイッチング素子がONの時の閉回路の合成抵抗
k
3:充放電電流が放電方向で第5スイッチング素子がON、第6スイッチング素子がOFFの時の閉回路の合成抵抗
k
4:充放電電流が放電方向で第5スイッチング素子がOFF、第6スイッチング素子がONの時の閉回路の合成抵抗
I:電池の平均充放電電流
V
C4:第2可変直流電源の電圧
V
L3C-:V
B,k
2,Iの可変可能範囲から取り得る第3直流リアクトルの最大の印加電圧
V
L3D-:V
B,k
3,Iの可変可能範囲から取り得る第3直流リアクトルの最小の印加電圧
V
L3D+:V
B,k
4,Iの可変可能範囲から取り得る第3直流リアクトルの最大の印加電圧
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の充放電を行う電池充放電装置に係り、特に、充放電電流が大電流の場合でも電流脈動を小さくする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電池の充放電を行う直流電源を電池充放電装置と呼ぶ。直流電源はスイッチングレギュレータとリニアレギュレータに分類される。
【0003】
スイッチングレギュレータはトランジスタのスイッチングにより出力電流(または電圧)を調整するため、出力電流・電圧の脈動(リプル)が大きいという問題がある。一方、電力損失が小さいため、大電流または高電圧を出力する充放電装置にも使用できるという利点がある。
【0004】
リニアレギュレータは電力損失が大きいため、大電流または高電圧を出力する充放電装置に使用できないという問題がある。一方、出力電流・電圧の脈動が小さいという利点がある。充放電装置においては充電電流脈動が大きいと電池に悪影響を及ぼすため、小容量の充放電装置ではリニアレギュレータを使用する傾向がある。
【0005】
また、電池充放電装置の用途として電池容量[Ah]の測定がある。電流脈動が大きい場合は容量測定の誤差が大きくなるため、容量測定においてはリニアレギュレータが適している。近年では電池容量測定により電池の寿命評価を行う研究がなされている(非特許文献1)。
【0006】
非特許文献1では電池の寿命評価には10ppm程度の超高精度の電流精度が必要となると記載されている。このような超高精度の電池充放電装置には現状ではリニアレギュレータが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】山崎温子、宮代一、小林陽、三田裕一、「電池寿命評価のための簡易・高精度充放電容量測定法の開発-システム構築と高精度計測手法の検討-」、電力中央研究所報告、Q16010,2017年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一方、電池のCレート(1時間で電池容量を完全充電または完全放電させる電流値)はますます大きくなっており、電池充放電装置をリニアレギュレータで構成することが電力損失の点で困難となりつつある。
【0010】
特許文献1にはスイッチングレギュレータの電池充放電装置において電流脈動を小さくする技術が開示されている。特許文献1ではスイッチング周波数を高くすることによりスイッチングによる電流脈動を小さくしている。しかしながら、スイッチングレギュレータではスイッチング周波数に比例してスイッチング損失が増大するため、スイッチング周波数を無限に高い値にすることはできない。
【0011】
つまり、電池寿命測定のために、超高精度の充放電装置が求められており、測定対象の電池は大容量化が進んでいるが、超高精度(超低リプル)かつ出力電流の大きい充放電装置は電力損失の観点から現状の技術では実現できない。
【0012】
以上示したようなことから、スイッチングレギュレータの電池充放電装置において、スイッチング周波数を上昇させることなく、電流脈動を小さくすることが課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、第1可変直流電源と、前記第1可変直流電源に直列接続された第2可変直流電源と、前記第1可変直流電源の正極と前記第2可変直流電源の負極との間に直列接続された第5スイッチング素子及び第6スイッチング素子と、前記第1可変直流電源の正極と前記第2可変直流電源の負極との間に直列接続された第7スイッチング素子及び第8スイッチング素子と、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子と前記第7スイッチング素子と前記第8スイッチング素子に各々並列接続された還流ダイオードと、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子の接続点に一端が接続され、他端が電池の一端に接続された第3直流リアクトルと、前記第7スイッチング素子と前記第8スイッチング素子の接続点に一端が接続され、他端が前記電池の一端に接続された第4直流リアクトルと、前記電池の充放電電流を検出する電流検出手段と、を備え、前記電池の他端は、前記第1可変直流電源と前記第2可変直流電源の接続点に接続されたことを特徴とする。
【0014】
また、その一態様として、第1直流電源に接続された第1入力コンデンサと、前記第1入力コンデンサの正極と負極との間に直列接続された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の接続点に一端が接続された第1リアクトルと、第2直流電源に接続された第2入力コンデンサと、前記第2入力コンデンサの正極と負極との間に直列接続された第3スイッチング素子及び第4スイッチング素子と、前記第1~第4スイッチング素子に各々並列接続された還流ダイオードと、前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2リアクトルと、を備え、前記第1直流電源に前記第2直流電源が直列接続され、前記第1リアクトルの他端に前記第1可変直流電源の正極が接続され、前記第2リアクトルの他端に前記第2可変直流電源の負極が接続され、前記第1可変直流電源と前記第2可変直流電源の接続点は前記第1直流電源と前記第2直流電源の接続点に接続されたことを特徴とする。
【0015】
また、その一態様として、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子および前記第7スイッチング素子と前記第8スイッチング素子は相補的に点弧し、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子、前記第7スイッチング素子と前記第8スイッチング素子は同一周波数、180度位相差で点弧し、前記第1可変直流電源と前記第2可変直流電源の各々の出力電圧を前記充放電電流に基づいて制御することを特徴とする。
【0016】
また、その一態様として、前記充放電電流が前記電池の充電方向に流れている時、前記第1可変直流電源の電圧VC3を以下の(5)式、前記第2可変直流電源の電圧VC4を以下の(9)式で制御し、前記充放電電流が前記電池の放電方向に流れている時、前記第1可変直流電源の電圧VC3を以下の(13)式、前記第2可変直流電源の電圧VC4を以下の(17)式で制御することを特徴とする。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
VC3:第1可変直流電源の電圧
VL3C+:VB,k1,Iの可変可能範囲から取り得る第3直流リアクトルの最小の印加電圧
VB:電池の電圧
k1:充放電電流が充電方向で第5スイッチング素子がON、第6スイッチング素子がOFFの時の閉回路の合成抵抗
k2:充放電電流が充電方向で第5スイッチング素子がOFF、第6スイッチング素子がONの時の閉回路の合成抵抗
k3:充放電電流が放電方向で第5スイッチング素子がON、第6スイッチング素子がOFFの時の閉回路の合成抵抗
k4:充放電電流が放電方向で第5スイッチング素子がOFF、第6スイッチング素子がONの時の閉回路の合成抵抗
I:電池の平均充放電電流
VC4:第2可変直流電源の電圧
VL3C-:VB,k2,Iの可変可能範囲から取り得る第3直流リアクトルの最大の印加電圧
VL3D-:VB,k3,Iの可変可能範囲から取り得る第3直流リアクトルの最小の印加電圧
VL3D+:VB,k4,Iの可変可能範囲から取り得る第3直流リアクトルの最大の印加電圧。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、スイッチングレギュレータの電池充放電装置において、スイッチング周波数を上昇させることなく、電流脈動を小さくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態における電池充放電装置の主回路構成を示す図。
【
図2】第一チョッパ回路10、第二チョッパ回路20、第三チョッパ回路30の範囲を示す図。
【
図7】電池をCC-CV充電にて満充電まで充電する際の充電電流とV
C3、V
C4の関係の一例を示す図。
【
図8】[モード1]と[モード2]、[モード1’]と[モード2’]時の第3,第4直流リアクトルの電流、充放電電流を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本願発明における電池充放電装置の実施形態を
図1~
図8に基づいて詳述する。
【0025】
[実施形態]
図1に基づき本実施形態の電池充放電装置の主回路構成を説明する。第1直流電源100と第2直流電源200が直列に接続される。第1直流電源100と第2直流電源200に第1入力コンデンサC1と第2入力コンデンサC2が各々接続される。
【0026】
第1入力コンデンサC1の正極と負極との間には第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2が直列接続される。第2入力コンデンサC2の正極と負極との間には第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4が直列接続される。
【0027】
第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2の接続点に第1直流リアクトルL1の一端が接続される。第1直流リアクトルL1の他端には、第1中間コンデンサ(第1可変直流電源)C3の正極が接続される。
【0028】
同様に、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4の接続点に第2直流リアクトルL2の一端が接続される。第2直流リアクトルL2の他端には、第2中間コンデンサ(第2可変直流電源)C4の負極が接続される。
【0029】
第1中間コンデンサC3と第2中間コンデンサC4は直列接続される。第1中間コンデンサC3と第2中間コンデンサC4の接続点は第2スイッチング素子Q2と第3スイッチング素子Q3の接続点(第1直流電源100と第2直流電源200の接続点)に接続される。
【0030】
第1中間コンデンサC3の正極と第2中間コンデンサC4の負極との間に第5スイッチング素子Q5と第6スイッチング素子Q6が直列接続される。また、第1中間コンデンサC3の正極と第2中間コンデンサC4の負極との間に第7スイッチング素子Q7と第8スイッチング素子Q8が直列接続される。第5スイッチング素子Q5と第6スイッチング素子Q6の接続点に第3直流リアクトルL3の一端が接続される。第7スイッチング素子Q7と第8スイッチング素子Q8の接続点に第4直流リアクトルL4の一端が接続される。第1中間コンデンサC3と第2中間コンデンサC4の接続点に電流検出のためのシャント抵抗R1の一端が接続される。
【0031】
第3直流リアクトルL3の他端と第4直流リアクトルL4の他端は接続される。第3直流リアクトルL3の他端および第4直流リアクトルL4の他端とシャント抵抗R1の他端(第1,第2中間コンデンサC3,C4の接続点)の間に充放電対象の電池300が接続される。このとき電池300の正極は第3直流リアクトルL3と第4直流リアクトルL4の接続点に、負極はシャント抵抗R1の他端に接続するものとする。第1~第8スイッチング素子Q1~Q8には還流ダイオードが逆並列に接続されているものとする(図示省略)。
【0032】
ここで、
図2に示すように、第1入力コンデンサC1、第1スイッチング素子Q1、第2スイッチング素子Q2、第1直流リアクトルL1、第1中間コンデンサC3はスイッチングレギュレータの一種であるチョッパ回路を構成しており、第一チョッパ回路10と呼ぶこととする。
【0033】
同様に、第2入力コンデンサC2、第3スイッチング素子Q3、第4スイッチング素子Q4、第2直流リアクトルL2、第2中間コンデンサC4で構成されるチョッパ回路を第二チョッパ回路20と呼ぶ。
【0034】
また、第1中間コンデンサC3、第2中間コンデンサC4、第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6、第7スイッチング素子Q7、第8スイッチング素子Q8、第3直流リアクトルL3、第4直流リアクトルL4、シャント抵抗R1で構成されるチョッパ回路を第三チョッパ回路30と呼ぶ。
【0035】
本実施形態の電池充放電装置の作用・動作を説明する。まず、第一チョッパ回路10の動作を説明する。なお、この第一チョッパ回路10では、第1直流リアクトルL1と第1中間コンデンサC3への通電動作時では、「モードA:第1スイッチング素子Q1:ON、第2スイッチング素子Q2:OFF」、「モードB:第1スイッチング素子Q1:OFF、第2スイッチング素子Q2:ON」のいずれかとなる(ただしデッドタイム期間は除く)。
【0036】
第1スイッチング素子Q1をON、第2スイッチング素子Q2をOFFとしたときに第1直流リアクトルL1には第1入力コンデンサC1と第1中間コンデンサC3の電圧差が印加される。C1→Q1→L1→C3→C1の経路で電流が流れ、第1直流リアクトルL1に流れる電流(ここで第1スイッチング素子Q1、第2スイッチング素子Q2の接続点から第1中間コンデンサC3の向きの電流を正とする。)が増加する。
【0037】
第1スイッチング素子Q1をOFF、第2スイッチング素子Q2をONとしたときにL1→C3→Q2の還流ダイオード→L1の経路で電流が流れる。第1直流リアクトルL1には第1中間コンデンサC3の電圧が印加され、第1直流リアクトルL1に流れる電流が減少する。
【0038】
よって、第1入力コンデンサC1の電圧指令値と第1入力コンデンサC1の電圧検出値との大小関係に基づいて第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2の通流率(第1スイッチング素子Q1のON期間と第2スイッチング素子Q2のON期間との比率)を制御することにより第1直流リアクトルL1に流れる電流を自由に制御でき、第1中間コンデンサC3の電圧を制御することができる。
【0039】
次に、第二チョッパ回路20の動作を説明する。なお、この第二チョッパ回路20では、第2直流リアクトルL2と第2中間コンデンサC4への通電動作時では、「モードA:第3スイッチング素子Q3:ON、第4スイッチング素子Q4:OFF」、「モードB:第3スイッチング素子Q3:OFF、第4スイッチング素子Q4:ON」のいずれかとなる(ただしデッドタイム期間は除く)。
【0040】
第3スイッチング素子Q3をOFF、第4スイッチング素子Q4をONとしたときに第2直流リアクトルL2には第2入力コンデンサC2と第2中間コンデンサC4の電圧差が印加される。C2→C4→L2→Q4→C2の経路で電流が流れ、第2直流リアクトルL2に流れる電流(ここで、第3スイッチング素子Q3、第4スイッチング素子Q4の接続点から第2中間コンデンサC4の向きの電流を正とする。)が増加する。
【0041】
第3スイッチング素子Q3をON、第4スイッチング素子Q4をOFFとしたときにL2→Q3の還流ダイオード→C4→L2の経路で電流が流れる。第2直流リアクトルL2には第2中間コンデンサC4の電圧が印加され、第2直流リアクトルL2に流れる電流が減少する。
【0042】
よって、第2入力コンデンサC2の電圧指令値と第2入力コンデンサC2の電圧検出値との大小関係に基づいて第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4の通流率(第3スイッチング素子Q3のON期間と第4スイッチング素子Q4のON期間との比率)を制御することにより第2直流リアクトルL2に流れる電流を自由に制御でき、第2中間コンデンサC4の電圧を制御することができる。
【0043】
上記第一チョッパ回路10と第二チョッパ回路20の動作は第1直流リアクトルL1と第2直流リアクトルL2の電流が正の時を記載したが、電流が負の場合もそれぞれ第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4の通流率を制御することにより第1直流リアクトルL1と第2直流リアクトルL2の電流および第1中間コンデンサC3と第2中間コンデンサC4の電圧を制御することが可能であることは自明である。
【0044】
次に、第三チョッパ回路30の動作を説明する。なお、この第三チョッパ回路30では、電池の充放電動作時では、「モードA:第5スイッチング素子Q5:ON、第6スイッチング素子Q6:OFF」、「モードB:第5スイッチング素子Q5:OFF、第6スイッチング素子Q6:ON」のいずれかとなる(ただしデッドタイム期間は除く)。
【0045】
第3直流リアクトルL3に流れる充放電電流が正(以下では第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6の接続点から電池300の向きの充電方向の電流を正とする。)、第5スイッチング素子Q5をON、第6スイッチング素子Q6をOFFとしたときを[モード1]とする。
【0046】
図3に示すように、[モード1]のとき第3直流リアクトルL3には第1中間コンデンサC3と電池300の電圧差が印加される。C3→Q5→L3→電池300→R1→C3の経路で電流が流れ、第3直流リアクトルL3に流れる電流が増加する。
【0047】
第3直流リアクトルL3に流れる充放電電流が正(充電方向の電流)、第5スイッチング素子Q5をOFF、第6スイッチング素子Q6をONとしたときを[モード2]とする。
【0048】
図4に示すように、[モード2]のとき第3直流リアクトルL3には第2中間コンデンサC4と電池300の電圧合計値が印加される。L3→電池300→R1→C4→Q6の還流ダイオード→L3の経路で電流が流れ、第3直流リアクトルL3に流れる電流が減少する。
【0049】
第3直流リアクトルL3に流れる充放電電流が負(放電方向の電流)、第5スイッチング素子Q5をON、第6スイッチング素子Q6をOFFとしたときを[モード3]とする。
【0050】
図5に示すように、[モード3]のとき第3直流リアクトルL3には第1中間コンデンサC3と電池300の電圧差が印加される。L3→Q5の還流ダイオード→C3→R1→電池300→L3の経路で電流が流れ、第3直流リアクトルL3に流れる電流が減少する。
【0051】
第3直流リアクトルL3に流れる充放電電流が負(放電方向の電流)、第5スイッチング素子Q5をOFF、第6スイッチング素子Q6をONとしたときを[モード4]とする。
【0052】
図6に示すように、[モード4]のとき第3直流リアクトルL3には第2中間コンデンサC4と電池300の電圧合計値が印加される。C4→R1→電池300→L3→Q6→C4の経路で電流が流れ、第3直流リアクトルL3に流れる電流が増加する。
【0053】
よって、第3直流リアクトルL3の電流指令値と第3直流リアクトルL3の電流検出値との大小関係と第3直流リアクトルL3の電流検出値の極性に基づいて第5スイッチング素子Q5と第6スイッチング素子Q6の通流率(第5スイッチング素子Q5のON期間と第6スイッチング素子Q6のON期間との比率)を制御することにより第3直流リアクトルL3に流れる電流を自由に制御することができる。
【0054】
また、第4直流リアクトルL4に流れる電流も同様に制御する。第5スイッチング素子Q5を第7スイッチング素子Q7、第6スイッチング素子Q6を第8スイッチング素子Q8、第3直流リアクトルL3を第4直流リアクトルL4に置き換えただけで電流経路は
図3~
図6と同様である。
【0055】
つまり、第4直流リアクトルL4に流れる充放電電流が正の時、第7スイッチング素子Q7をON、第8スイッチング素子Q8をOFFとしたときを[モード1’]、第7スイッチング素子Q7をOFF、第8スイッチング素子Q8をONとしたときを[モード2’]とする。第4直流リアクトルL4に流れる充放電電流が正の時、[モード1’]と[モード2’]を繰り返すことにより、第4直流リアクトルL4に流れる電流を制御する。
【0056】
また、第4直流リアクトルL4に流れる充放電電流が負(放電方向の電流)の時、第7スイッチング素子Q7をON、第8スイッチング素子Q8をOFFとしたときを[モード3’]、第7スイッチング素子Q7をOFF、第8スイッチング素子Q8をONとしたときを[モード4’]とする。第4直流リアクトルL4に流れる充放電電流が負の時、[モード3’]と[モード4’]を繰り返すことにより、第4直流リアクトルL4に流れる電流を制御する。
【0057】
図7は、電池をCC-CV充電にて満充電まで充電する際の充電電流とV
C3、V
C4の関係の一例を示す図である。
【0058】
第3直流リアクトルL3の平均通過電流をI、第3直流リアクトルL3のインダクタンスをLとする。なお以下では電流の極性は第3直流リアクトルL3→電池300→シャント抵抗R1の向きを正とする。また電圧の極性は、前記電流正の向きの抵抗に印加される電圧が正となる向きとする。例えば、第1,第2中間コンデンサC3,C4の接続点から測定したシャント抵抗R1と電池300の接続点との電位差をシャント抵抗R1の印加電圧とし、シャント抵抗R1と電池300の接続点から測定した電池300と第3直流リアクトルL3の接続点との電位差を電池300の印加電圧とする。
【0059】
第三チョッパ回路30の[モード1]おいて、第1中間コンデンサC3の電圧をVC3、第5スイッチング素子Q5の印加電圧をVQ5、第3直流リアクトルL3の印加電圧をVL3、シャント抵抗R1の印加電圧をVR1とし、電池300の電圧をVBとする。
【0060】
第1中間コンデンサC3は印加電圧を逆向きに測定することとなるため電圧VC3は負の値となり、他は正の値となる。キルヒホッフの第2法則より(1)式が成り立つ。
【0061】
【0062】
第5スイッチング素子Q5の印加電圧VQ5とシャント抵抗R1の印加電圧VR1は通過電流の関数となる。ここでは簡単に各々が通過電流に比例すると仮定すると(2)式が成り立つ。なお、(2)式のk1は[モード1]の時の閉回路の合成抵抗とする。
【0063】
【0064】
(2)式を(1)式に代入すると(3)式となる。VL3、VB、k1、Iは正の値、VC3は負の値であるため印加電圧VL3の範囲は限られる。
【0065】
【0066】
第3直流リアクトルL3の印加電圧VL3と電流の関係から(4)式が成り立つ。
【0067】
【0068】
よって、充電電流のリプルは第3直流リアクトルL3の印加電圧に比例する。
【0069】
(3)式、(4)式より充電電流のリプルが最小となるのは、VB、k1、Iの可変可能範囲から取り得る最小の印加電圧VL3をVL3C+とすると以下の(5)式のようにVC3を制御したときである。
【0070】
【0071】
電圧VC3は第一チョッパ回路10により制御できるため、第一チョッパ回路10により(5)式のように電圧VC3を制御することにより充電電流のリプルを最小化できる。
【0072】
第三チョッパ回路30の[モード2]において、第2中間コンデンサC4の電圧をVC4、第6スイッチング素子Q6の還流ダイオードの印加電圧をVQ6、第3直流リアクトルL3の印加電圧をVL3、シャント抵抗R1の印加電圧をVR1とし、電池300の電圧をVBとする。
【0073】
第3直流リアクトルL3は負の電圧が印加されて電流が減少しているので、電圧VL3のみ負の値となり、他は正の値となる。キルヒホッフの第2法則より(6)式が成り立つ。
【0074】
【0075】
第6スイッチング素子Q6の還流ダイオードの印加電圧VQ6とシャント抵抗R1の印加電圧VR1は通過電流の関数となる。ここでは簡単に各々が通過電流に比例すると仮定すると(7)式が成り立つ。なお、(7)式のk2は[モード2]の時の閉回路の合成抵抗とする。
【0076】
【0077】
(7)式を(6)式に代入すると(8)式となる。
【0078】
【0079】
VC4、VB、k2、Iは正の値、VL3は負の値であるため印加電圧VL3の範囲は限られる。
【0080】
[モード1]と同様に充電電流のリプルは第3直流リアクトルL3の印加電圧に比例するため、(8)式より充電電流のリプルが最小となるのは、VB、k2、Iの可変可能範囲から取り得る最大のVL3(絶対値が最小)をVL3C-とすると以下の(9)式のように電圧VC4を制御したときである。
【0081】
【0082】
電圧VC4は第二チョッパ回路20により制御できるため、第二チョッパ回路20により(9)式のように電圧VC4を制御することにより充電電流のリプルを最小化できる。
【0083】
第三チョッパ回路30の[モード3]において、第1中間コンデンサC3の電圧をVC3、第5スイッチング素子Q5の還流ダイオードの印加電圧をVQ5、第3直流リアクトルL3の印加電圧をVL3、シャント抵抗R1の印加電圧をVR1とし、電池300の電圧をVBとする。第1中間コンデンサC3は印加電圧を逆向きに測定することとなるため電圧VC3は負の値となり、平均通過電流Iが負のため、電圧VQ5、電圧VR1は負の値となり、他は正の値となる。キルヒホッフの第2法則より(10)式が成り立つ。
【0084】
【0085】
第5スイッチング素子Q5の還流ダイオードの印加電圧VQ5とシャント抵抗R1の印加電圧VR1は通過電流の関数となる。ここでは簡単に各々が通過電流に比例すると仮定すると(11)式が成り立つ。なお、(11)式のk3は[モード3]の時の閉回路の合成抵抗とする。
【0086】
【0087】
(11)式を(10)式に代入すると(12)式となる。
【0088】
【0089】
VL3、VB、k3は正の値、VC3、Iは負の値であるため印加電圧VL3の範囲は限られる。
【0090】
[モード1]と同様に放電電流のリプルは第3直流リアクトルL3の印加電圧に比例するため、(12)式より放電電流のリプルが最小となるのは、VB、k3、Iの可変可能範囲から取り得る最小の印加電圧VL3をVL3D-とすると以下の(13)式のようにVC3を制御したときである。
【0091】
【0092】
電圧VC3は第一チョッパ回路10により制御できるため、第一チョッパ回路10により(13)式のように電圧VC3を制御することにより放電電流のリプルを最小化できる。
【0093】
第三チョッパ回路30の[モード4]において、第2中間コンデンサC4の電圧をVC4、第6スイッチング素子Q6の印加電圧をVQ6、第3直流リアクトルL3の印加電圧をVL3、シャント抵抗R1の印加電圧をVR1とし、電池300の電圧をVBとする。
【0094】
第3直流リアクトルL3は負の電圧が印加されて電流が減少しているので、電圧VL3は負の値となり、平均通過電流Iが負のため、電圧VQ6、電圧VR1は負の値となり、他は正の値となる。キルヒホッフの第2法則より(14)式が成り立つ。
【0095】
【0096】
第6スイッチング素子Q6の還流ダイオードの印加電圧VQ6とシャント抵抗R1の印加電圧VR1は通過電流の関数となる。ここでは簡単に各々が通過電流に比例すると(15)式となる。なお、(15)式のk4は[モード4]の時の閉回路の合成抵抗とする。
【0097】
【0098】
(15)式を(14)式に代入すると(16)式となる。
【0099】
【0100】
VC4、VB、k4は正の値、VL3、Iは負の値であるため印加電圧VL3の範囲は限られる。
【0101】
[モード1]と同様に充電電流のリプルは第3直流リアクトルL3の印加電圧に比例するため、(16)式より放電電流のリプルが最小となるのは、VB、k4、Iから取り得る最大の電圧VL3(絶対値が最小)をVL3D+とすると以下の(17)式のようにVC4を制御したときである。
【0102】
【0103】
電圧VC4は第二チョッパ回路20により制御できるため、第二チョッパ回路20により(17)式のように電圧VC4を制御することにより放電電流のリプルを最小化できる。
【0104】
上記のように本実施形態の電池充放電装置の動作は、第3直流リアクトルL3に流れる電流が正の時(電池300の充電時)、電圧VC3を(5)式、電圧VC4を(9)式で、第3直流リアクトルL3に流れる電流が負の時(電池300の放電時)、電圧VC3を(13)式、電圧VC4を(17)式で制御することによりリプルを最小化する。
【0105】
なお、上記説明では、電池300や第1中間コンデンサC3と第2中間コンデンサC4の内部抵抗や第3直流リアクトルL3の巻線抵抗を考慮していないが、それをシャント抵抗R1の抵抗と同様に考慮することもできる。
【0106】
また、上記説明では印加電圧と通過電流の関係を比例関係としたが、比例に関わらず印加電圧と通過電流の関係が事前にわかっていれば事足りる。電流検出のためにシャント抵抗R1を使用しているが、ホールCT等別の電流検出器を用いてもよい。
【0107】
第1,第2中間コンデンサC3,C4の電圧と電流リプルの関係について、第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6、第3直流リアクトルL3を含む経路について説明したが、第7スイッチング素子Q7、第8スイッチング素子Q8、第4直流リアクトルL4を含む経路についても同様である。
【0108】
第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6、第3直流リアクトルL3を含む経路と、第7スイッチング素子Q7、第8スイッチング素子Q8、第4直流リアクトルL4を含む経路は、第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6と第7スイッチング素子Q7、第8スイッチング素子Q8のスイッチングタイミングが異なるだけで動作およびオン抵抗は同一である。
【0109】
そのため、スイッチング素子が4つ(Q5~Q8)の2並列の回路についても、第3直流リアクトルL3の印加電圧基準で(5)式、(9)式、(13)式、(17)式により第1中間コンデンサC3,第2中間コンデンサC4の電圧を制御すれば事足りる。
【0110】
ただし、合成抵抗k1~k4はスイッチング素子が2つ(Q5、Q6)しかない1並列の回路と比較して本実施形態のスイッチング素子が4つ(Q5~Q8)の2並列の回路は、スイッチング素子のオン抵抗が1/2となり、スイッチング素子が2つしかない1並列の回路の合成抵抗k1~k4とは同一の値とはならない。
【0111】
電池の充放電電流指令値の1/2ずつを第3直流リアクトルL3、第4直流リアクトルL4の電流指令値とすることにより、装置の出力電流は電流指令値どおりとなる。第3直流リアクトルL3、第4直流リアクトルL4を流れる電流は第5~第8スイッチング素子Q5~Q8により制限されるが、2並列となっているため、スイッチング素子が2つ(Q5、Q6)しかない1並列の回路と比較して1スイッチング素子あたりの電力損失は1/2となる。通流可能な電池300の充放電電流は1スイッチング素子あたりの電力損失に依存するため、2並列とすることで充放電電流を大きくすることができる。
【0112】
第5スイッチング素子Q5と第6スイッチング素子Q6および第7スイッチング素子Q7と第8スイッチング素子Q8は相補的に点弧する。また、第5スイッチング素子Q5と第6スイッチング素子Q6、第7スイッチング素子Q7と第8スイッチング素子Q8は同一周波数、180度位相差で点弧する。すなわち、[モード1]⇔[モード2]と[モード1’]⇔[モード2’]は同一周波数180度位相差として制御する。
【0113】
これにより、
図8に示すように、[モード1](L3の電流増加)と[モード2´](L4の電流減少)が同時に、[モード2](L3の電流減少)と[モード1´](L4の電流増加)が同時に発生し、スイッチング素子2つの1並列回路よりも電流リプルを減少させることができる。
【0114】
以上示したように、本実施形態によれば、第3直流リアクトルL3、第4直流リアクトルL4に印加する電圧を最小限となるように中間コンデンサの電圧を制御することにより、スイッチング周波数を上昇させることなく、電池の充放電電流リプルを小さくすることができる。また、第5~第8スイッチング素子Q5~Q8による2並列回路の採用によって、出力可能な充放電電流を大きくしつつ、電流リプルも低減する。
【0115】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【符号の説明】
【0116】
10…第一チョッパ回路
20…第二チョッパ回路
30…第三チョッパ回路
100…第1直流電源
200…第2直流電源
300…電池
C1…第1入力コンデンサ
C2…第2入力コンデンサ
C3…第1中間コンデンサ(第1可変直流電源)
C4…第2中間コンデンサ(第2可変直流電源)
Q1~Q8…第1~第8スイッチング素子
L1~L4…第1~第4直流リアクトル
R1…シャント抵抗