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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173432
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20231130BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20231130BHJP
   B66F 9/075 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B66F9/24 W
B66F11/04
B66F9/075 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085685
(22)【出願日】2022-05-26
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000116644
【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100218095
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(72)【発明者】
【氏名】大葉 孝明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 充
(72)【発明者】
【氏名】森山 亮
(72)【発明者】
【氏名】田野 稔
(72)【発明者】
【氏名】青木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 耕
(72)【発明者】
【氏名】酒井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岡村 祐香
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA08
3F333AB01
3F333AB04
3F333BD02
3F333CA09
3F333FA36
(57)【要約】
【課題】ユーザが必要とするバッテリ容量に応じて搭載するバッテリの容量を変更することができる作業車を提供する。
【解決手段】走行可能な車体と、車体上に設けられた作業装置と、作業装置を作動させるポンプ駆動モータ53と、車体に固定設置される固定設置バッテリ70と、車体から着脱自在に設置される可搬型バッテリ80と、固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80からポンプ駆動モータ53へ電力を供給する電力供給装置100と、を備え、電力供給装置100は、固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80を並列接続してポンプ駆動モータ53へ電力を供給可能とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能な車体と、前記車体上に設けられた作業装置と、前記作業装置を作動させる電動装置と、前記車体に固定設置される固定設置バッテリと、前記車体から着脱自在に設置される可搬型バッテリと、前記固定設置バッテリおよび前記可搬型バッテリから前記電動装置へ電力を供給する電力供給装置と、を備える作業車であって、
前記電力供給装置は、前記固定設置バッテリおよび前記可搬型バッテリを並列接続して前記電動装置へ電力を供給可能とすることを特徴とする作業車。
【請求項2】
前記電力供給装置は、前記電動装置に対して前記固定設置バッテリによる電力のみを供給可能とし、前記固定設置バッテリの残量が所定値以下となると、前記電動装置へ供給する電力を前記固定設置バッテリから前記可搬型バッテリへ切り替え可能とすることを特徴とする請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記電力供給装置は、前記固定設置バッテリよる電力を前記電動装置へ供給し、前記可搬型バッテリの電力を前記電動装置とは異なる電気駆動装置へ供給可能とすることを特徴とする請求項2に記載の作業車。
【請求項4】
前記電力供給装置は、前記固定設置バッテリの電圧値と前記可搬型バッテリの電圧値との差が所定の許容値を超えた場合、前記電動装置に対して前記固定設置バッテリまたは前記可搬型バッテリのいずれか一方の電力のみを供給可能とすることを特徴とする請求項1に記載の作業車。
【請求項5】
前記電力供給装置が前記電動装置に対して前記固定設置バッテリの電力のみを供給しているときに、前記固定設置バッテリの残量が所定値以下となった場合は警報作動する警報装置を備えることを特徴とする請求項2に記載の作業車。
【請求項6】
前記可搬型バッテリは、前記車体から個別に着脱可能な複数のバッテリユニットを直列接続することによって構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の架装部に設置された作業用の装置を作動させるための電源を供給するバッテリを備えた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運搬する荷物を車体の架装部に設けられた荷台から積み下ろしするための装置や、高所作業を行うために作業員や機材を昇降する昇降装置など、様々な作業に適した作業装置を備えた作業車が存在している。上述した作業装置としては、油圧アクチュエータにより作動するものが一般的に知られているが、この種の作業装置を作動させるための油圧は、作業車に搭載されたエンジンからPTO機構(パワーテイクオフ機構)を介して取り出した駆動力によって油圧ポンプを駆動することで発生させている。
【0003】
また、例えば住宅地のような作業現場において、エンジンの騒音や排気ガスの発生を抑制する必要がある場合は、作業装置を作動させる油圧を発生する油圧ポンプの駆動源として、バッテリによって回転する電動モータを備えているものもある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている作業車では、さらに充電器を常備して作業性を向上させるとともに、モータ制御装置および充電器からなる電力供給ユニットをアウトリガボックス上に配設することで、作業装置の格納スペースおよび積載スペースを邪魔することなく電力供給ユニットをコンパクトに配設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003‐221194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようにバッテリを動力源として油圧を発生させる作業車では、ユーザや作業内容に応じて必要となるバッテリ容量が異なるが、多様なニーズに対応する必要がある中で、バッテリ容量の不足により作業装置の稼動が停止してしまう事態を避けるため、余裕のある大容量バッテリを搭載していることが多い。しかしながら、一般に大容量バッテリは、サイズや重量が大きくコストも高くなるため、さほど容量を必要としないユーザにとっては、必要とするバッテリ容量に対して、バッテリの大型化に伴う作業車の積載スペースの減少や、バッテリ交換時の費用や作業負担などが見合っていないという不満を抱かせてしまう虞がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが必要とするバッテリ容量に応じて搭載するバッテリの容量を変更することができる作業車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る作業車は、走行可能な車体と、前記車体上に設けられた作業装置(例えば、実施形態における旋回台20、ブーム30および作業台40など)と、前記作業装置を作動させる電動装置(例えば、ポンプ駆動モータ53)と、前記車体に固定設置される固定設置バッテリと、前記車体から着脱自在に設置される可搬型バッテリと、前記固定設置バッテリおよび前記可搬型バッテリから前記電動装置へ電力を供給する電力供給装置と、を備える作業車であって、前記電力供給装置は、前記固定設置バッテリおよび前記可搬型バッテリを並列接続して(例えば、電力供給切替器107のS
W1→オン、SW2→オン、SW3→オフ)前記電動装置へ電力を供給可能とすることを特徴とする。
【0008】
上記構成の作業車において、前記電力供給装置は、前記電動装置に対して前記固定設置バッテリによる電力のみを供給可能とし(例えば、電力供給切替器107のSW1→オン、SW2→オフ、SW3→オフ)、前記固定設置バッテリの残量が所定値以下となると、前記電動装置へ供給する電力を前記固定設置バッテリから前記可搬型バッテリへ切り替え可能とする(例えば、電力供給切替器107のSW1→オフ、SW2→オン、SW3→オフ)ように構成されていることが好ましい。
【0009】
上記構成の作業車において、前記電力供給装置は、前記固定設置バッテリよる電力を前記電動装置へ供給し、前記可搬型バッテリの電力を前記電動装置とは異なる電気駆動装置へ供給可能とする(例えば、電力供給切替器107のSW1→オン、SW2→オフ、SW3→オン)ように構成されていることが好ましい。
【0010】
上記構成の作業車において、前記電力供給装置は、前記固定設置バッテリの電圧値と前記可搬型バッテリの電圧値との差が所定の許容値を超えた場合、前記電動装置に対して前記固定設置バッテリまたは前記可搬型バッテリのいずれか一方の電力のみを供給可能とする(例えば、電力供給切替器107のSW1→オン、SW2→オフまたはSW1→オフ、SW2→オン)ように構成されていることが好ましい。
【0011】
上記構成の作業車において、前記電力供給装置が前記電動装置に対して前記固定設置バッテリの電力のみを供給しているときに、前記固定設置バッテリの残量が所定値以下となった場合は警報作動する警報装置(例えば、コントローラ60)を備えて構成されていることが好ましい。
【0012】
上記構成の作業車において、前記可搬型バッテリは、前記車体から個別に着脱可能な複数のバッテリユニット(例えば、バッテリユニット81a,81b,81c)を直列接続することで構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る作業車によれば、車体に固定設置される固定設置バッテリと、車体から着脱自在に設置される可搬型バッテリとを備え、車体に設けられた作業装置を作動させる電動装置に対して、電力供給装置が、固定設置バッテリおよび可搬型バッテリを並列接続して電動装置へ電力を供給可能とするように構成される。このように構成することで、可搬型バッテリを車体に対して着脱することによって、電動装置に電力を供給するバッテリの容量をユーザが必要に応じて変更することができる。
【0014】
また、上記構成の作業車において、電力供給装置は、電動装置に対して固定設置バッテリによる電力のみを供給可能とし、固定設置バッテリの残量が所定値以下となると、電動装置へ供給する電力を固定設置バッテリから可搬型バッテリへ切り替え可能とするので、例えば、固定設置バッテリの残量が所定値以下になった場合は、電動装置に供給する電力を可搬型バッテリに切り替え、固定設置バッテリの容量で実現可能な作業時間を超えて、作業を継続することができる。
【0015】
また、上記構成の作業車において、電力供給装置は、固定設置バッテリの電力を電動装置へ供給する一方で、可搬型バッテリの電力を電動装置とは異なる電気駆動装置へ供給可能とすることにより、固定設置バッテリのみから電動装置と電気駆動装置とに電力を供給する場合に比べて、長時間継続して電力を供給することができる。
【0016】
また、上記構成の作業車において、固定設置バッテリと可搬型バッテリとが並列接続する前に、固定設置バッテリの電圧値と可搬型バッテリの電圧値との差が所定の許容値を超えた場合は、電力供給装置が、固定設置バッテリまたは可搬型バッテリのいずれか一方の電力のみを電動装置へ供給可能とするので、固定設置バッテリおよび可搬型バッテリの一方から他方へ大電流が流れてバッテリや導電部品などの破損を回避することができる。
【0017】
また、上記構成の作業車において、可搬型バッテリは、車体から個別に着脱可能な複数のバッテリユニットを直列接続することによって構成されるので、複数のバッテリユニットからなる可搬型バッテリのうち、例えば1つバッテリユニットを車体から取り外して、単体のバッテリユニットの電圧に適応する電動機器に対する電源として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態である高所作業車の左側の側面を示す側面図である。
図2】上記高所作業車の右側の側面を示す側面図である。
図3】上記高所作業車の作動制御に関する構成を示すブロック図である。
図4】上記ブロック図における固定設置バッテリ、可搬型バッテリおよび電力供給装置の各構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1および図2は本実施形態に係る高所作業車1の側面外観を示しており、図1は高所作業車1の前方に向かって左側の側面を示し、図2は高所作業車1の前方に向かって右側の側面を示している。なお、図2において図1と同じ構成については同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。以下、これらの図を参照して高所作業車1の全体構成について説明する。
【0020】
高所作業車1は、図1および図2に示すように、車体2の前部に運転キャブ7を有し、車体2の前後に配設された左右一対のタイヤ車輪5により走行可能なトラック車両をベースに構成されている。タイヤ車輪5は、左前輪5Flおよび右前輪5Frからなる前輪5Fと、左後輪5Rlおよび右後輪5Rrからなる後輪5Rによって構成されている。車体2は、左前輪5Fl、右前輪5Fr、左後輪5Rlおよび右後輪5Rrが配設されたシャシフレームと、このシャシフレーム上に取り付けられたサブフレームとからなる車体フレームを備えて構成されている。
【0021】
車体2の前後左右には、高所作業時に車体2を持ち上げ支持するジャッキ装置10が設けられている。ジャッキ装置10は、前輪5Fの後方に配設された左右一対のフロントジャッキ10Fと、後輪5Rの後方に配設された左右一対のリアジャッキ10Rとを有して構成される。詳細には、左前輪5Flの後方に左フロントジャッキ10Flが配設され、右前輪5Frの後方に右フロントジャッキ10Frが配設され、左後輪5Rlの後方に左リアジャッキ10Rlが配設され、右後輪5Rrの後方に右リアジャッキ10Rrが配設されている。各ジャッキ10F,10Rは、各内部に設けられたジャッキシリンダ11を駆動させて下方に伸長させることで車体2を持ち上げ支持し、これにより車両全体を安定させた状態とする。
【0022】
また、左フロントジャッキ10Fl、右フロントジャッキ10F、左リアジャッキ10Rlおよび右リアジャッキ10Rrには、各々、アウトリガ装置(図示略)が設けられている。各アウトリガ装置の内部にはアウトリガシリンダ12(図3参照)が設けられており、アウトリガシリンダ12を伸縮させることで対応するジャッキ装置10を車体2の幅方向(図1の紙面手前から奥/紙面奥から手前へ向かう方向)に水平移動させる。具体的には、アウトリガシリンダ12を伸長させることでジャッキ装置10を車体2の側面から
外側方へ張り出す方向へ移動させる。また、伸長させたアウトリガシリンダ12を収縮させることで車体2の側面から外側方へ張り出したジャッキ装置10を車体2へ収納する方向へ移動させる。車体2の後端部には、各ジャッキ装置10およびアウトリガ装置や、後述するブーム30等の作動操作を行うための下部操作装置27が設けられている。
【0023】
図1に示すように、車体2の左側のサブフレームの下側において、左後輪5Rlと左リアジャッキ10Rlとの間には積載スペースLSが設けられており、この積載スペースLSには車体2から個々に着脱自在な3つの可搬型バッテリ80が設置されている。この積載スペースLS内において、可搬型バッテリ80の前方には2つのジャッキベース13(路面に敷いて、伸長するジャッキ装置10の先端部を受けるもの)と2つの輪止め14が収容されている。また、車体2の左側部には作業工具や作業機材などを収納するための工具箱26が2つ、上下に重ねて設けられている。上側の工具箱26は上面が扉になっており、その扉は上方に開くようになっている。これに対して下側の工具箱26は、図1における正面が扉になっており、扉の下側にヒンジが設けられ、扉の上側が手前に倒れるように開くようになっている。左フロントジャッキ10Flの後側、かつ下側の工具箱26の下方には、後述する油圧ポンプ52(図3参照)およびポンプ駆動モータ53(図3参照)を収容したパワーユニット51が取り付けられている。
【0024】
図2に示すように、車体2の右側部かつサブフレームの下側において、右後輪5Rrと右リアジャッキ10Rrとの間には積載スペースLSが設けられており、この積載スペースLSには固定具Fxによって車体2に固定された固定設置バッテリ70が設置されている。この積載スペースLS内において、固定設置バッテリ70の前方に2つのジャッキベース13と1つの輪止め14が収容されている。また、固定設置バッテリ70が設置されている積載スペースLSと、右リアジャッキ10Rrとの間には外部のAC100V~200V電源と接続するための通常充電用コンセント15と、外部の急速充電器と接続するための急速充電用コンセント16とが設けられている。
【0025】
右後輪5Rrの前側には、高所作業車1のエンジンからの排気ガスが排出されるマフラー17が設けられている。また車体2のサブフレームの上側において、右フロントジャッキ10Frの背後から右後輪5Rrの位置までは、作業現場で使用されるセーフティコーンやコーンバーなどの工事用具を積載することができる荷台スペースが設けられており、この荷台スペースの側面には側あおり板18が開閉自在に取り付けられている。
【0026】
図1に示すように、車体2における運転キャブ7の背後の架装領域におけるサブフレーム上には、旋回モータ24により駆動されて上下軸回りに水平旋回作動自在に構成された旋回台20が設けられている。この旋回台20から上方に延びた支柱21には、ブーム30の基端部がフートピン22を介して上下方向に揺動自在(起伏自在)に取り付けられている。ブーム30は、旋回台20側から順に、基端ブーム30a、中間ブーム30b及び先端ブーム30cが入れ子式に組み合わされた構成を有しており、その内部に設けられた伸縮シリンダ31の伸縮駆動により、ブーム30を軸方向(長手方向)に伸縮作動させることができる。また、基端ブーム30aと支柱21との間には起伏シリンダ23が跨設されており、この起伏シリンダ23を伸縮駆動させることにより、ブーム30全体を上下面(垂直面)内で起伏作動させることができる。
【0027】
先端ブーム30cの先端部には、垂直ポスト(図示せず)が上下方向に揺動自在に枢支されている。この垂直ポストは、先端ブーム30cの先端部との間に跨設された上部レベリングシリンダ(図示せず)と、基端ブーム30aと支柱21との間に跨設された下部レベリングシリンダ25とにより、ブーム30の起伏の如何に拘らず常時垂直姿勢に保持されるように揺動制御(レベリング制御)される。この垂直ポストには、作業者搭乗用の作業台40が作業台ブラケット(図示せず)を介して取り付けられている。この作業台ブラ
ケットの内部には首振りモータ34(図3を参照)が設けられており、この首振りモータ34を駆動させることにより、作業台40全体を垂直ポスト回りに首振り作動(水平旋回作動)させることができる。ここで、垂直ポストは、上述のように常時垂直姿勢が保たれるため、結果として作業台40の床面はブーム30の起伏角度によらず常時水平に保持される。
【0028】
作業台40には、これに搭乗した作業者が操作する操作レバーや操作スイッチ、操作ダイヤル等の各操作手段を備えた上部操作装置45が設けられている。このため、作業台40に搭乗した作業者は、上部操作装置45を操作することにより、旋回台20の旋回作動(旋回モータ24の回転作動)、ブーム30の起伏作動(起伏シリンダ23の伸縮作動)、ブーム30の伸縮作動(伸縮シリンダ31の伸縮作動)、作業台40の首振り作動(首振りモータ34の回転作動)などの各作動操作を行うことができる。
【0029】
<固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80の配置について>
上述したように、固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80は、各々、後輪5Rとリアジャッキ10Rとの間に設置されている。このため、例えば、車体2の前方、後方または側方から他の車両に衝突された場合であっても、後輪5Rやリアジャッキ10Rによって固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80が保護されるため、これらバッテリを破損し難くすることができる。特に、固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80をサブフレームの下側に配設することで、各バッテリが、後輪5R、リアジャッキ10Rおよびサブフレームによって三方から囲まれることになるため、これらの部材よる各バッテリの保護をより強化することができる。
【0030】
また、固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80を、車体2のサブフレームよりも低い位置に設置することで、高所作業車1の重心位置を下げることができるため、高所作業車1の走行時における安定性の低下を防ぐことができる。また、作業者が可搬型バッテリ80を車体2に対して着脱する場合、その着脱作業を地上に立ったまま行うことができる。すなわち、可搬型とはいえ重量物であるバッテリを持ちつつ車体2のサブフレームと地上との間を上り下りする必要がないため、着脱作業に伴うリスクを低減することができる。
【0031】
また、前述したように、下側の工具箱26の扉は上側が手前に倒れるように開くようになっているため、高所作業車1を道路沿いに駐車させて作業を行う場合、下部の工具箱26の扉を開閉するためのスペースを確保されている可能性が高くなっている。したがって、可搬型バッテリ80を下部の工具箱26の扉が開閉する側(すなわち、車体2の左側部)に着脱自在に設置することで、可搬型バッテリ80の着脱作業を行うためのスペースも自ずと確保される可能性が高くなる。
【0032】
また、可搬型バッテリ80を、高所作業車1が道路を走行するときの対向車側と反対の車体側部、すなわち車体2の左側部に設置することで、高所作業車1を道路沿いに駐車して可搬型バッテリ80の着脱作業を行う場合、対向車や駐車中の自車の横を通り抜ける車両などと接触する虞が低くなるため安全性を確保することができる。このことは、高所作業車1のような作業車に限らず、道路沿いに車両を駐車して作業を行う作業車(例えば、バス、トラック、ごみ収集車など)にも同様のことがいえる。
【0033】
また、例えば高所作業車1により道路沿いに埋設された電柱の設備に対して作業を行うときに、アウトリガ装置によって車体2の左側(すなわち、対向車線の反対側)にジャッキ装置10を張り出し、作業者が搭乗した作業台40を電柱に近づけて作業を行ったとする。このときに、車体2から可搬型バッテリ80を取り外したとすると車体2の左側部が軽くなり安定度が低下するが、車体2の右側部(安定側)が軽くなるよりは、作業中にお
ける車体2の安定度が低下しにくくなるため、左側に可搬型バッテリ80を設置することが望ましい。
【0034】
なお、上述したことは交通規則などによって車両は道路の左側を走行することが定められている場合に当て嵌まるのであって、道路の右側を車両が走行するように定められている場合は、車体2の右側部に可搬型バッテリ80を設置し、車体2の左側部に固定設置バッテリ70を設置することが望ましい。
【0035】
次に図3を参照して、上述した上部操作装置45もしくは下部操作装置27の操作により出力された操作信号に基づいて、前述したジャッキシリンダ11、アウトリガシリンダ12、旋回モータ24、起伏シリンダ23、伸縮シリンダ31および首振りモータ34等を含む各油圧アクチュエータの作動制御などを行うための構成について説明する。
【0036】
図3に示すように、高所作業車1は、上述した各油圧アクチュエータを作動させるために作動油を供給する油圧ユニット50と、上部操作装置45や下部操作装置27からの操作信号を受けて、各油圧アクチュエータの作動を制御するコントローラ60と、を備えている。油圧ユニット50は、図1に示したパワーユニット51に収容されている油圧ポンプ52およびポンプ駆動モータ53と、油圧ポンプ52から各油圧アクチュエータに供給する作動油の供給方向および供給量を制御する制御バルブ54とを有して構成される。
【0037】
ポンプ駆動モータ53は、後述する電力供給装置100から供給される電力によって回転駆動され、これにより油圧ポンプ52を作動させて制御バルブ54へ作動油を吐出する。制御バルブ54は、ジャッキシリンダ11に対応する電磁比例制御バルブV1、アウトリガシリンダ12に対応する電磁比例制御バルブV2、旋回モータ24に対応する電磁比例制御バルブV3、起伏シリンダ23に対応する電磁比例制御バルブV4、伸縮シリンダ31に対応する電磁比例制御バルブV5、首振りモータ34に対応する電磁比例制御バルブV6を有している。
【0038】
上部操作装置45または下部操作装置27の操作により出力された操作信号がコントローラ60に入力されると、コントローラ60は、その操作信号に応じた指令信号を制御バルブ54へ出力する。この制御バルブ54は、コントローラ60からの指令信号に基づき、各電磁比例制御バルブV1~V6のスプールを電磁駆動して、油圧ポンプ52から各油圧アクチュエータに供給される作動油の供給方向および供給量を制御し、各油圧アクチュエータの作動方向および作動速度を制御する。この結果、上部操作装置45または下部操作装置27によって、前述したジャッキ装置10およびアウトリガ装置の伸縮作動、旋回台20の旋回作動、ブーム30の起伏作動、ブーム30の伸縮作動、作業台40の首振り作動などの操作を行うことができる。
【0039】
また、コントローラ60は電力供給装置100を監視しており、電力供給装置100において何らかの異常が検出された場合は警報作動を行う。この警報作動としては、例えば、警報ランプや警報ブザー等を用いて警報を行う作動や、作業装置(例えばジャッキ装置10、旋回台20、ブーム30、作業台40、アウトリガ装置等)の作動を規制する作動を含む。
【0040】
電力供給装置100は、図1に示した固定設置バッテリ70、可搬型バッテリ80、通常充電用コンセント15および急速充電用コンセント16と接続されており、通常充電用コンセント15および急速充電用コンセント16から供給された電力をポンプ駆動モータ53などの車体2に設けられている電動装置に対して供給する。また、通常充電用コンセント15および急速充電用コンセント16から供給された電力を固定設置バッテリ70、可搬型バッテリ80およびDC-DCコンバータ104を介して車両バッテリ61に供給
する。電力供給装置100はDC-ACインバータ63に対して直流電圧を出力しており、DC-ACインバータ63は、電力供給装置100から供給された直流電圧をAC100Vに変換して車体2に設けられたサービスコンセント19から出力する。
【0041】
次に図4を参照して、固定設置バッテリ70、可搬型バッテリ80および電力供給装置100の構成について説明する。まず、固定設置バッテリ70は、リチウムイオンバッテリ71aおよび71bを並列接続して構成されている。リチウムイオンバッテリ71aおよび71bは各々、出力電圧がVボルトのリチウムイオンバッテリのモジュール(以下、「バッテリモジュール」という。)を3つ直列接続して構成されている。これによりリチウムイオンバッテリ71aおよび71bの電圧は、バッテリモジュールの出力電圧Vボルトの3倍(V×3)となる。この電圧値は、ポンプ駆動モータ53のように車体2に設けられている電動装置において使用される電源の電圧値になっている。
【0042】
リチウムイオンバッテリ71aおよび71bの端子電圧、入出力電流および温度が、各々、CMU(Cell Management Unit)72aおよび72bによって監視されており、CMU72aおよび72bは、監視している端子電圧、入出力電流および温度の値をバッテリ管理ユニット73に出力する。バッテリ管理ユニット73は、CMU72aおよび72bから出力されたリチウムイオンバッテリ71aおよび71bの端子電圧、入出力電流および温度の値が許容値を越える(または下回る)とコンタクタ74をオフにして、リチウムイオンバッテリ71aおよび71bによる電力供給を遮断する。
【0043】
可搬型バッテリ80は、バッテリユニット81a,81b,81cによって構成されている。各バッテリユニットは1つのバッテリモジュール(前述した出力電圧がVボルトのリチウムイオンバッテリのモジュール)と、CMUとで構成されている。このCMUは固定設置バッテリ70のCMU72aおよび72bと同様の機能を有し、バッテリモジュールの端子電圧、入出力電流および温度の値を電力供給装置100へ出力する。なお、バッテリユニット81aはバッテリモジュール82aとCMU83aとで構成され、バッテリユニット81bはバッテリモジュール82bとCMU83bとで構成され、バッテリユニット81cはバッテリモジュール82cとCMU83cとで構成されている。
【0044】
各バッテリユニットは、バッテリモジュールおよびCMUをケースに収容しており、ケースに取り付けられているコネクタを、図1に示した積載スペースLSに設置されているコネクタに嵌合することで、ケース内のバッテリモジュールおよびCMUを電力供給装置100と電気的に接続することが可能となる。バッテリユニット81a,81b,81cが電力供給装置100と電気的に接続すると、これら3つのバッテリユニット81a,81b,81cは、電力供給装置100内において直列接続されることになる。これにより、バッテリユニット81a,81b,81cを直列接続したときの電圧は、固定設置バッテリ70のリチウムイオンバッテリ71a,71bと同じ電圧(V×3)になる。
【0045】
このように、バッテリユニット81a,81b,81cの個々の電圧値を、車体2に設けられている電動装置で使用される電源の電圧値よりも低く設定し、そのバッテリユニットを複数個、直列接続することによって電動装置で使用される電圧値となるように構成することで、バッテリユニット81a,81b,81cを、使用する電圧値が異なる電動装置が設置された他の作業車にも流用することができるという利点が生じる。例えば、ある作業車に設置されている電動装置が(V×2)という電圧値で作動するのであれば、バッテリユニット81a,81b,81cのうち、2つのバッテリユニットを用いてその作業車に設置されている電動装置を作動させることができる。
【0046】
バッテリユニット81a,81b,81cのCMU83a,83b,83cによって各々監視されているバッテリモジュールの端子電圧、入出力電流および温度の値は電力供給
装置100のバッテリ管理ユニット108へ出力される。バッテリ管理ユニット108は、CMU83a,83b,83cから出力された各バッテリモジュールの端子電圧、入出力電流および温度の値が許容値を越える(または下回る)とコンタクタ109をオフにして、バッテリユニット81a,81b,81cからの電力供給を遮断する。
【0047】
固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80から供給された電力は、電力供給装置100の電力供給切替器107へ出力される。電力供給切替器107は、並列接続モード、バッテリ切替モード、外部供給モードという3種類の電力供給モードに応じて、固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80から供給された電力の供給形態を切り替える。上述した電力供給モードと電力の供給形態との関係については後に詳しく説明する。電力供給切替器107からの電力の出力先は、端子103とDC-ACインバータ63になっており、電力供給切替器107から端子103へ出力された電力は、DC-DCコンバータ104およびコンタクタ105を介してACコントローラ106へ供給される。
【0048】
DC-DCコンバータ104は、高所作業車1に設置されている車両バッテリ61を充電するために、端子103から供給された電力の電圧値を車両バッテリ61の充電電圧の電圧値に変換して車両バッテリ61に供給する。なお、車両バッテリ61は、高所作業車1に設けられた電装品だけでなく、車両コントローラ62、バッテリ管理ユニット73、充電電圧制御装置102およびバッテリ管理ユニット108に対しても電源を提供している(図4中、白抜きの矢印で示す。)。ACコントローラ106は、端子103から供給された電力を交流電力に変換し、交流電力の周波数や電圧を変化させることでポンプ駆動モータ53の回転数およびトルクを制御する。
【0049】
通常充電用コンセント15から供給されたAC100V~200V電源は、電力供給装置100の充電器101へ出力される。充電器101は、充電電圧制御装置102からの指令値によって指定された電圧値の充電電圧を端子103へ出力する。本実施形態では、充電電圧制御装置102は充電器101に対して固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80を充電するための充電電圧(V×3)となるような指令値を出力する。外部の急速充電器から急速充電用コンセント16に供給された充電電圧は端子103に出力される。
【0050】
ここで、通常はコンタクタ105がオンになっており、端子103に入力された電力はACコントローラ106へ供給されるが、通常充電用コンセント15または急速充電用コンセント16から充電電圧が供給されている間は、車両コントローラ62によってコンタクタ105がオフにされるため、これらの充電電圧がACコントローラ106に供給されることはない。
【0051】
<電力供給モードに応じた電力の供給形態について>
前述したように、電力供給切替器107は3種類の電力供給モードに対応して電力の供給形態を切り替えるが、この供給形態の切り替えは単極単投のスイッチSW1,SW2,SW3のオン/オフ制御によって実現している。ここで、スイッチSW1の一方の端子は固定設置バッテリ70(より詳細にはコンタクタ74)と接続され、他方の端子は端子103に接続されている。また、スイッチSW2の一方の端子は可搬型バッテリ80(より詳細にはコンタクタ109)と接続され、他方の端子は端子103に接続されている。さらに、スイッチSW3の一方の端子は可搬型バッテリ80(より詳細にはコンタクタ109)と接続され、他方の端子はDC-ACインバータ63に接続されている。なお、スイッチSW1はコンタクタ74で、スイッチSW3はコンタクタ109で代用することができ、これにより、スイッチSW1およびSW3は省略することができる。以下、各電力供給モードに対応するスイッチSW1,SW2,SW3のオン/オフ状態について説明する。
【0052】
(並列接続モード)
ユーザによって並列接続モードが選択された場合、電力供給切替器107はスイッチSW1およびSW2をオン、スイッチSW3をオフにする。これにより、固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80が並列接続された状態で端子103を介してACコントローラ106に電力が供給されることになる。したがって、バッテリ容量は固定設置バッテリ70の容量と可搬型バッテリ80の容量とを足し合わせた容量となり、より大きなバッテリ容量が必要な場合に適した電力供給形態となる。
【0053】
なお、このモードが選択されているときに、固定設置バッテリ70の電圧値と可搬型バッテリ80の電圧値とを監視し、双方の電圧値の差が所定の許容範囲を超えた場合は、スイッチSW1またはSW2のいずれか一方をオフにして、固定設置バッテリ70または可搬型バッテリ80のいずれか一方の電力のみを端子103へ供給するようにしてもよい。このような制御を行うことで、双方のバッテリの電圧差に起因して固定設置バッテリ70および可搬型バッテリ80の一方から他方へ大電流が流れてしまい、各バッテリや導電部品などが破損してしまう虞を低くすることができる。また、固定設置バッテリ70の電圧値と可搬型バッテリ80の電圧値との差が許容範囲を超えた場合は、異常が発生したことを電力供給装置100からコントローラ60へ報知し、コントローラ60によって警報作動を行うようにしてもよい。
【0054】
(バッテリ切替モード)
ユーザによってバッテリ切替モードが選択された場合、電力供給切替器107は、まずスイッチSW1をオンにし、スイッチSW2およびSW3をオフにする。これにより、最初は固定設置バッテリ70のみが端子103を介してACコントローラ106に電力を供給する。この間、固定設置バッテリ70のバッテリ残量は、バッテリ管理ユニット73およびバッテリ管理ユニット108からの通信情報に基づいて車両コントローラ62が監視し、固定設置バッテリ70のバッテリ残量が所定値以下になるとスイッチSW1をオフにして、スイッチSW2をオンにする。これにより、端子103を介してACコントローラ106に電力を供給するバッテリが、固定設置バッテリ70から可搬型バッテリ80に切り替わる。
【0055】
このモードが選択された場合、例えば、固定設置バッテリ70の残量が所定値以下になった場合は、ACコントローラ106に供給する電力を可搬型バッテリ80に切り替えることで、固定設置バッテリ70の容量で実現可能な作業時間を超えて、ACコントローラ106に対して継続して電力を供給することができる。また、可搬型バッテリ80の残量も所定値以下になった場合は、バッテリユニット81a,81b,81cをそれぞれ充電された別のバッテリユニットに付け替えることによって、更に継続して電力を供給することができる。
【0056】
なお、このモードにおいて、固定設置バッテリ70のバッテリ残量が所定値以下になったときに、電力を供給するバッテリを固定設置バッテリ70から可搬型バッテリ80に切り替える作業を手動で行うようにしてもよい。この場合、固定設置バッテリ70のバッテリ残量が所定値以下になったときに、そのことを電力供給装置100からコントローラ60へ報知し、固定設置バッテリ70のバッテリ残量が所定値以下になったことを作業者に知らせるために、コントローラ60によって警報作動を行うようにしてもよい。
【0057】
(外部供給モード)
ユーザによって外部供給モードが選択された場合、電力供給切替器107は、スイッチSW1およびSW3をオンにし、スイッチSW2をオフにする。これにより、固定設置バッテリ70は端子103を介してACコントローラ106に電力を供給し、可搬型バッテ
リ80はDC-ACインバータ63に電力を供給することになる。このモードにおいては、ACコントローラ106に電力を供給するバッテリと、DC-ACインバータ63に電力を供給するバッテリとが各々独立しているため、ACコントローラ106およびDC-ACインバータ63に対して固定設置バッテリ70のみから電力を供給する場合に比べて、長時間継続して電力を供給することができる。
【0058】
なお、上記実施形態では、ユーザに選択された電力供給モードに応じて電力供給切替器107がスイッチSW1,SW2,SW3のオン/オフ制御を行っていたが、ユーザが所望する電力供給モードとなるようにユーザ自身が手動でスイッチSW1,SW2,SW3のオン/オフを切り替えるようにしてもよい。また、必ずしも3種類の電力供給モードに応じた切替制御を行う必要はなく、これらの電力供給モードのうち所望する2種類の電力供給モードの間で切替制御が可能となるように構成してもよい。
【0059】
さらに、3種類の電力供給モードのうち、いずれか1つの電力供給モードだけ実現できればよい場合は、不要なスイッチを省略することができる。たとえば、並列接続モードのみを実現する場合は、スイッチSW1,SW2,SW3を排除して、配線によって固定設置バッテリ70と可搬型バッテリ80とを並列接続したうえで、端子103に接続するようにしてもよい。この構成でバッテリ容量を少なくしたい場合は、車体2から可搬型バッテリ80を取り外せばよい。同様に、外部供給モードのみを実現する場合は、スイッチSW1,SW2,SW3を排除して、配線によって固定設置バッテリ70を端子103に接続し、可搬型バッテリ80をDC-ACインバータ63に接続してもよい。
【0060】
上記実施形態では、本発明に係る車両(作業車両)として、トラックマウント式の高所作業車を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ごみ収集車やクレーン車などの他の作業車両や、バスやダンプトラックなどの運搬車両等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 高所作業車
2 車体
5 タイヤ車輪
10 ジャッキ装置
10R リアジャッキ
20 旋回台
30 ブーム
40 作業台
52 油圧ポンプ
53 ポンプ駆動モータ
60 コントローラ
70 固定設置バッテリ
80 可搬型バッテリ
81a,81b,81c バッテリユニット
100 電力供給装置
107 電力供給切替器
図1
図2
図3
図4