(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173439
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】管理方法、管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20231130BHJP
F24F 11/49 20180101ALI20231130BHJP
F24F 11/50 20180101ALI20231130BHJP
F24F 11/62 20180101ALI20231130BHJP
F24F 11/70 20180101ALI20231130BHJP
F24F 11/88 20180101ALI20231130BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
F24F11/49
F24F11/50
F24F11/62
F24F11/70
F24F11/88
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085699
(22)【出願日】2022-05-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 馨亮
(72)【発明者】
【氏名】萩原 良彦
(72)【発明者】
【氏名】埴岡 浩
【テーマコード(参考)】
3L260
5L049
【Fターム(参考)】
3L260BA32
3L260CB90
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】空気調和機のサブスクリプションサービスに対して付加的に提供されるオプションサービスを管理する。
【解決手段】空気調和機のサブスクリプションサービスを管理する管理システムが実行する管理方法であって、管理システムの制御部が、サブスクリプションサービスに関する情報と、付加的に提供されるオプションサービスに関する情報とを記憶し、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と当該第1契約情報に付加されたオプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機のサブスクリプションサービスを管理する管理システムが実行する管理方法であって、
前記管理システムの制御部が、
前記サブスクリプションサービスに関する情報と、付加的に提供されるオプションサービスに関する情報とを記憶し、
前記サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と当該第1契約情報に付加された前記オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録する、
管理方法。
【請求項2】
前記制御部は、
前記サブスクリプションサービスを利用しているユーザに前記オプションサービスを提案するための提案情報を出力する、
請求項1に記載の管理方法。
【請求項3】
前記制御部は、
前記空気調和機の設置環境に関する属性情報を記憶し、
前記属性情報に基づいて、前記提案情報を出力する、
請求項2に記載の管理方法。
【請求項4】
前記制御部は、
前記空気調和機の運転データを記憶し、
前記運転データに基づいて、前記提案情報を出力する、
請求項2に記載の管理方法。
【請求項5】
空気調和機のサブスクリプションサービスを管理する制御部を有する管理システムであって、
前記制御部が、
前記サブスクリプションサービスに関する情報と、付加的に提供されるオプションサービスに関する情報とを記憶し、
前記サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と当該第1契約情報に付加された前記オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録する、
管理システム。
【請求項6】
空気調和機のサブスクリプションサービスを管理する管理システムの制御部に、
前記サブスクリプションサービスに関する情報と、付加的に提供されるオプションサービスに関する情報とを記憶する手順と、
前記サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と当該第1契約情報に付加された前記オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録する手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理方法、管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや店舗等の物件に設置される設備機器は定期的な点検が必要とされる。設備機器の中には、空気調和機等のように、法令により定期的な点検が義務付けられている機器もある。そのような背景から、空気調和機から収集した運転データを用いて点検又は修理等を行う保守サービスが提供されている。
【0003】
空気調和機から運転データを収集するために、空気調和機の室外機に接続する通信制御装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。通信制御装置は、空気調和機が内蔵する各種センサを用いて記録した運転データを、インターネット等の通信ネットワークを介して定期的に管理装置に送信する。
【0004】
一方、空気調和機を定額料金で利用するサブスクリプションサービスがある。空気調和機のサブスクリプションサービスでは、機器費用及び取付工事費用等の初期費用を一括して算出した定額料金を定期的に支払うことで、空気調和機を利用することができる。サブスクリプションサービスでは、さらに点検や修理等の保守サービスが定額料金に含まれることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、空気調和機のサブスクリプションサービスに付加可能なオプションサービスが提供されていないという課題がある。
【0007】
本開示は、空気調和機のサブスクリプションサービスに対して付加的に提供されるオプションサービスを管理する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様に係る管理方法は、空気調和機のサブスクリプションサービスを管理する管理システムが実行する管理方法であって、前記管理システムの制御部が、前記サブスクリプションサービスに関する情報と、付加的に提供されるオプションサービスに関する情報とを記憶し、前記サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と当該第1契約情報に付加された前記オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録する。
【0009】
本開示の第1の態様によれば、空気調和機のサブスクリプションサービスに対して付加的に提供されるオプションサービスを管理することができる。
【0010】
本開示の第2の態様は、第1の態様に係る管理方法であって、前記制御部は、前記サブスクリプションサービスを利用しているユーザに前記オプションサービスを提案するための提案情報を出力する。
【0011】
本開示の第3の態様は、第2の態様に係る管理方法であって、前記制御部は、前記空気調和機の設置環境に関する属性情報を記憶し、前記属性情報に基づいて、前記提案情報を出力する。
【0012】
本開示の第4の態様は、第2の態様に係る管理方法であって、前記制御部は、前記空気調和機の運転データを記憶し、前記運転データに基づいて、前記提案情報を出力する。
【0013】
本開示の第5の態様に係る管理システムは、空気調和機のサブスクリプションサービスを管理する制御部を有する管理システムであって、前記制御部が、前記サブスクリプションサービスに関する情報と、付加的に提供されるオプションサービスに関する情報とを記憶し、前記サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と当該第1契約情報に付加された前記オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録する。
【0014】
本開示の第6の態様に係るプログラムは、空気調和機のサブスクリプションサービスを管理する管理システムの制御部に、前記サブスクリプションサービスに関する情報と、付加的に提供されるオプションサービスに関する情報とを記憶する手順と、前記サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と当該第1契約情報に付加された前記オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録する手順と、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態における空調管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】保守管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】空気調和機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態における保守管理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態における保守管理情報の一例を示す概念図である。
【
図6】第1実施形態における保守管理情報の一例を示す概念図である。
【
図7】第1実施形態における保守管理情報の一例を示す概念図である。
【
図8】第1実施形態における空調管理方法の処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態における空調管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】第2実施形態における契約管理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】第2実施形態における保守管理情報の一例を示す概念図である。
【
図12】第2実施形態における契約管理情報の一例を示す概念図である。
【
図13】第2実施形態における空調管理方法の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0017】
[第1実施形態]
本開示の第1実施形態は、空気調和機の運転データを用いて行う保守サービスを提供する空調管理システムである。本実施形態における空調管理システムは、空気調和機から運転データを収集し、その運転データを用いて空気調和機の点検又は修理等の保守サービスを提供するための情報を管理する。
【0018】
本実施形態における空調管理システムは、保守サービスに関する保守サービス情報に、サブスクリプションサービスを利用しているか否かを表す情報を登録する。したがって、本実施形態における空調管理システムによれば、運転データを用いて行う保守サービスの対象機器がサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別可能となる。
【0019】
<システム構成>
図1は、本実施形態における空調管理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
図1に示されているように、本実施形態における空調管理システム1は、保守管理装置10及び1台以上の空気調和機30を含む。
【0020】
保守管理装置10及び空気調和機30は、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークN1を介してデータ通信可能に接続されている。通信ネットワークN1は、例えば、WiFi(登録商標)等の無線LAN、LTE(Long Term Evolution)又は5G(5th Generation)等の移動体通信網、若しくはLPWA(Low Power Wide Area)等の特定小電力無線通信等によるネットワークが含まれていてもよい。
【0021】
保守管理装置10は、空調管理システム1に含まれる空気調和機30を利用するユーザに対して提供される保守サービスを管理するパーソナルコンピュータ、ワークステーション又はサーバ等の情報処理装置である。保守管理装置10は、空気調和機30から運転データを収集し、その運転データを用いて空気調和機30に対して保守サービスを提供するための情報を管理する。
【0022】
空気調和機30は、オフィス又は店舗等の物件に設置され、1以上の部屋を含む所定の室内空間の空気調和を行う設備機器である。空気調和機30は、所定の室内空間に対して、冷房、暖房、空気清浄、換気、加湿及び除湿等の少なくとも1つを行う。空気調和機30は、運転中の状態等を表す運転データを記録し、所定の時間間隔で保守管理装置10に運転データを送信する。
【0023】
以降では、空気調和機30が複数ある場合に、各々を区別するときは、「空気調和機30-1」、「空気調和機30-2」等と枝番を用いて表記する。
【0024】
なお、
図1に示した空調管理システム1の全体構成は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があり得る。例えば、保守管理装置10は、複数台のコンピュータにより実現してもよいし、クラウドコンピューティングのサービスとして実現してもよい。
【0025】
<ハードウェア構成>
≪保守管理装置≫
図2は、本実施形態における保守管理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示されているように、保守管理装置10は、プロセッサ101、メモリ102、補助記憶装置103、操作装置104、表示装置105、通信装置106、ドライブ装置107を有する。保守管理装置10の各ハードウェアは、バス108を介して相互に接続されている。
【0026】
プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)等の各種演算デバイスを有する。プロセッサ101は、補助記憶装置103にインストールされている各種プログラムをメモリ102上に読み出して実行する。
【0027】
メモリ102は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶デバイスを有する。プロセッサ101とメモリ102とは、いわゆるコンピュータ(以下、「制御部」ともいう)を形成し、プロセッサ101が、メモリ102上に読み出した各種プログラムを実行することで、当該コンピュータは各種機能を実現する。
【0028】
補助記憶装置103は、各種プログラムや、各種プログラムがプロセッサ101によって実行される際に用いられる各種データを格納する。
【0029】
操作装置104は、保守管理装置10のユーザが各種操作を行うための操作デバイスである。表示装置105は、保守管理装置10により実行される各種処理の処理結果を表示する表示デバイスである。
【0030】
通信装置106は、不図示のネットワークを介して外部装置と通信を行うための通信デバイスである。
【0031】
ドライブ装置107は、記憶媒体109をセットするためのデバイスである。ここでいう記憶媒体109には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記憶する媒体が含まれる。また、記憶媒体109には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記憶する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0032】
なお、補助記憶装置103にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記憶媒体109がドライブ装置107にセットされ、記憶媒体109に記憶された各種プログラムがドライブ装置107により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置103にインストールされる各種プログラムは、通信装置106を介してネットワークからダウンロードされることで、インストールされてもよい。
【0033】
≪空気調和機≫
図3は、本実施形態における空気調和機30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示されているように、空気調和機30は、室外機31及び室内機32を有する。空気調和機30に含まれる室外機31及び室内機32は、それぞれ複数台であってもよい。
【0034】
室外機31は、空気調和を行う室内空間の外部に設置される。室内機32は、空気調和を行う室内空間の内部に設置される。室外機31と室内機32とは冷媒配管P1で接続される。冷媒配管P1を流れる冷媒の循環により蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路が構成される。
【0035】
室外機31は、各種のセンサ310、制御部311、記憶部312及び通信部313を有する。室外機31が備えるセンサ310の一例は、温度センサ及び圧力センサである。温度センサは、圧縮機の吸入管に設けられた吸入管温度センサと吐出管に設けられた吐出管温度センサとを含む。圧力センサは、圧縮機の吸引側に設けられた低圧圧力センサと、圧縮機の吐出側に設けられた高圧圧力センサとを含む。温度センサとして、室外側熱交換器のガス側及び液側の温度を測定するものを備えていてもよい。
【0036】
室内機32は、各種のセンサ320、制御部321、記憶部322及び通信部323を有する。室内機32が備えるセンサ320の一例は、吸込温度センサである。
【0037】
室外機31が備える通信部313と室内機32が備える通信部323とは通信回線N2を介して通信可能に接続される。
【0038】
室外機31が備えるセンサ310の検出信号は、室外機31が備える記憶部312に記憶される。室内機32が備えるセンサ320の検出信号は、通信回線N2を介して室外機31に転送され、室外機31が備える記憶部312に記憶される。
【0039】
室外機31が備える記憶部312には、さらに、冷暖房等の運転モード、所定の設定データ、所定の制御データ及び異常データ等が記憶される。設定データの一例は、蒸発温度及び凝縮温度の目標値等である。制御データの一例は、空気調和機30の運転時間、圧縮機及びファンの運転回転数や運転時間、及び膨張弁の開度等である。異常データは、空気調和機30の運転に異常が発生したときの異常コード等である。本実施形態では、室外機31が備える記憶部312に記憶されるデータを総称して「運転データ」と呼ぶ。
【0040】
なお、運転データのフォーマットは、空気調和機30の機種等により異なる場合がある。古い機種と新しい機種とでは、室外機31又は室内機32が備えるセンサの数や種類、又は制御可能な項目等が異なるためである。
【0041】
室外機31には、通信制御装置33が接続される。通信制御装置33は、室外機31が備える記憶部312から運転データを取得し、通信ネットワークN1を介して保守管理装置10に運転データを送信する。
【0042】
通信制御装置33は、データ処理モジュール331及び通信モジュール332を有する。データ処理モジュール331は、室外機31のオプション基板を設置するスペースに設置され、オプション基板等に電源を供給する電源供給ポートから電力供給される。通信モジュール332は、室外機31において外部との通信が可能な位置、例えば室外機31の筐体の外側に設けられる。通信モジュール332は、室外機31の筐体の内部であって、開口部等を介して外部との間で電波が通じる位置に設けられてもよい。
【0043】
データ処理モジュール331は、室外機31の制御部311に定期的にデータ送信要求信号を送信する。室外機31の制御部311は、データ送信要求信号に応じて記憶部312から運転データを読み出し、データ処理モジュール331に送信する。データ処理モジュール331は、室外機31の制御部311から受信した運転データを通信モジュール332に転送する。
【0044】
通信モジュール332は、データ処理モジュール331から運転データを受信する。通信モジュール332は、無線LAN、移動体通信網又は特定小電力無線通信等の無線通信方式により、通信ネットワークN1を介して運転データを保守管理装置10に送信する。運転データは、通信モジュール332から基地局を経由してネットワーク提供事業者等のサーバ等に送信され、このサーバ等からインターネット等を介して保守管理装置10に送信される。
【0045】
<機能構成>
≪保守管理装置≫
図4は、本実施形態における保守管理装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示されているように、本実施形態における保守管理装置10は、登録部11、保守情報記憶部12、受信部13、運転データ記憶部14、判別部15及び提案部16を備える。
【0046】
保守情報記憶部12及び運転データ記憶部14は、
図2に示されているメモリ102又は補助記憶装置103によって実現される。登録部11、受信部13、判別部15及び提案部16は、
図2に示されているプロセッサ101がメモリ102上に読み出した各種のプログラムを実行することで実現される。
【0047】
登録部11は、空調管理システム1の利用者(例えば、空気調和機30のユーザ又はシステム管理者等)の操作に応じて、保守サービス情報及びサブスクリプションサービス情報の入力を受け付ける。登録部11は、受け付けた保守サービス情報及びサブスクリプションサービス情報を、保守情報記憶部12に記憶される保守管理情報に登録する。
【0048】
保守サービス情報は、保守サービスを提供するための顧客情報及び機器情報を含む。顧客情報は、保守サービスを契約しているユーザに関する情報である。機器情報は、保守サービスの対象となる空気調和機30に関する情報である。
【0049】
サブスクリプションサービス情報は、サブスクリプションサービスを提供するための情報である。サブスクリプションサービス情報は、サブスクリプションサービスに関する契約情報(以下、「第1契約情報」とも呼ぶ)と、オプションサービスに関する契約情報(以下、「第2契約情報」とも呼ぶ)とを含む。
【0050】
登録部11は、保守管理情報にサブスクリプションサービス情報を登録する際に、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と、オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録する。例えば、保守管理情報は、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報に対応するカラムと、オプションサービスに関する第2契約情報に対応するカラムとを有する1つのテーブルで構成することができる。この場合、登録部11が、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と、オプションサービスに関する第2契約情報とを同一のレコードに格納することで、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報とオプションサービスに関する第2契約情報とが関連付けて登録される。
【0051】
また、例えば、保守管理情報は、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報に対応するテーブルと、オプションサービスに関する第2契約情報に対応するテーブルとを含む、複数のテーブルで構成することができる。このとき、各契約情報に対応するテーブルは、サブスクリプションサービスの契約を識別する契約IDを有するように構成する。この場合、登録部11が、各テーブルにおいて同一の契約に対応するレコードに当該契約を識別する契約IDを格納することで、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報とオプションサービスに関する第2契約情報とが関連付けて登録される。
【0052】
サブスクリプションサービスは、空気調和機30を定額料金で利用するサービスである。定額料金には、空気調和機30の機器費用及び取付工事費用が含まれる。定額料金には、所定の保守サービスに関する費用が含まれていてもよい。定額料金は、機器費用及び取付工事費用等の初期費用、無償で提供される保守サービスに関する費用、及び契約期間に基づいて算出される。
【0053】
オプションサービスは、サブスクリプションサービスで利用される空気調和機30に対して有償で提供される点検又は修理等の保守サービスである。オプションサービスは複数種類のサービスが提供されてもよい。複数種類のオプションサービスが利用可能である場合、オプションサービスに関する第2契約情報には、各オプションサービスを利用しているか否かを表す情報が含まれる。
【0054】
登録部11は、サブスクリプションサービス情報を保守管理情報に登録する際、サブスクリプションサービスに関連する情報を、空気調和機30が保守サービスの対象であるか、サブスクリプションサービスの対象であるかを区別できるように登録する。
【0055】
登録部11は、空調管理システム1の利用者(例えば、保守作業員等)の操作に応じて、保守サービス又はオプションサービスの履歴を表す保守履歴情報の入力を受け付けてもよい。登録部11は、受け付けた保守履歴情報を、保守情報記憶部12に記憶される保守管理情報に登録する。
【0056】
保守情報記憶部12には、保守サービス情報及びサブスクリプションサービス情報を含む保守管理情報が記憶される。保守管理情報には、保守履歴情報が登録されてもよい。
【0057】
受信部13は、空気調和機30が定期的に送信する運転データを、通信ネットワークN1を介して受信する。受信部13は、例えば、5分ごとに運転データを受信する。
【0058】
運転データ記憶部14には、空気調和機30の運転データが記憶される。運転データは、空気調和機30の運転中の状態を表すデータである。運転データには、空気調和機30に設置された各種センサの検出信号、空気調和機30の設定データ、制御データ及び異常データ等が含まれる。
【0059】
判別部15は、保守情報記憶部12に記憶されている保守管理情報に基づいて、空気調和機30がサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別する。判別部15は、特定の空気調和機30がサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別してもよい。また、判別部15は、各空気調和機30がサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別することで、サブスクリプションサービスを利用しているユーザ、又はサブスクリプションサービスを利用していないユーザを抽出してもよい。
【0060】
提案部16は、保守情報記憶部12に記憶されている保守管理情報に基づいて、空気調和機30のユーザにサービスを提案するための提案情報を出力する。提案部16は、サブスクリプションサービスを利用しているユーザに対しては、オプションサービスを提案するための提案情報を出力する。一方、提案部16は、サブスクリプションサービスを利用していないユーザに対しては、保守サービスを提案するための提案情報を出力する。
【0061】
≪保守管理情報≫
図5は、本実施形態における保守管理情報の一例を示す概念図である。
図5に示されているように、本実施形態における保守管理情報は、顧客情報(1001)、機器情報(1002)、機器登録情報(1003)、設置場所情報(1004)、相談先情報(1005)、漏洩情報(1006)、簡易点検情報(1007)、修理情報(1008)、定期点検情報(1009)、保守サービス契約情報(1010)、サブスクリプションサービス契約情報(1011)及びオプションサービス契約情報(1012)を含む。
【0062】
顧客情報(1001)、機器情報(1002)、機器登録情報(1003)、設置場所情報(1004)、相談先情報(1005)及び保守サービス契約情報(1010)は、保守サービス情報に含まれる。漏洩情報(1006)、簡易点検情報(1007)、修理情報(1008)及び定期点検情報(1009)は、保守履歴情報に含まれる。サブスクリプションサービス契約情報(1011)及びオプションサービス契約情報(1012)は、サブスクリプションサービス情報に含まれる。
【0063】
図6及び
図7は、本実施形態における保守管理情報の一例を詳細に示す概念図である。
図6に示されているように、顧客情報(1001)は、ユーザを識別するユーザID、空調管理システム1にログインするためのログインID、ユーザの住所、ユーザの法人名(会社名又は店舗名)、機器管理者の氏名、機器管理者の連絡先等を含む。
【0064】
機器情報(1002)は、機器を識別する機器ID、メーカー名、機種名、管理番号、冷媒名称、製造番号、製造年月、冷媒充填量、追加冷媒充填量、定期点検要否等を含む。機器登録情報(1003)は、機器情報が登録された機器登録日、機器情報が最後に更新された機器更新日、保守履歴情報等が最後に登録された機器最終操作日等を含む。
【0065】
設置場所情報(1004)は、設置場所、設置年月日、物件の住所、設置場所種別等を含む。設置場所種別は、空気調和機30が設置されている環境を表す情報である。設置場所種別は、例えば、オフィス、レストラン(厨房又は客席)、工場、服飾店等の業種及び設置場所に関する情報である。相談先情報(1005)は、点検等に関する相談先の会社名、住所、電話番号等を含む。
【0066】
図7に示されているように、漏洩情報(1006)は、フロン点検サービスにおいて検出されたフロン漏洩量(kg)、フロン漏洩量(CO2トン)等を含む。簡易点検情報(1007)は、簡易点検の最終実施日、簡易点検結果(異常有無)、実施回数等を含む。修理情報(1008)は、修理記録の最終登録日、登録件数等を含む。定期点検情報(1009)は、定期点検の最終実施日、実施回数等を含む。
【0067】
保守サービス契約情報(1010)は、保守サービスの契約を識別する契約ID、保守サービスの契約開始日及び契約終了日、運転データを最後に受信した最終データ受信日時、フロンケア契約の有無、フィルタ洗浄契約の有無、ドレンパン洗浄契約の有無、圧縮機の累計運転時間、通信制御装置33で最後に異常が発生した端末異常発生日時、通信制御装置33を識別する端末ID、保守サービスに関する費用を請求する費用請求先等を含む。
【0068】
サブスクリプションサービス契約情報(1011)は、サブスクリプションサービスの契約を識別する契約ID、サブスクリプションサービスの契約開始日及び契約終了日等を含む。オプションサービス契約情報(1012)は、フィルタ洗浄契約の有無、フィルタ洗浄を最後に実施した最終実施日、ドレンパン洗浄契約の有無、ドレンパン洗浄を最後に実施した最終実施日等を含む。
【0069】
保守サービス契約情報(1010)に含まれるフロンケア、フィルタ洗浄及びドレンパン洗浄は、運転データを用いて行う保守サービスの一例である。その他の点検又は修理等の保守サービスに関する情報が保守サービス契約情報(1010)に含まれていてもよい。
【0070】
オプションサービス契約情報(1012)に含まれるフィルタ洗浄及びドレンパン洗浄は、オプションサービスの一例である。その他の点検又は修理等の保守に関するオプションサービスの情報がオプションサービス契約情報(1012)に含まれていてもよい。
【0071】
図6及び
図7に示した保守管理情報の各項目は、保守管理情報を1つのテーブルで構成した場合の例である。保守管理情報を複数のテーブルで構成した場合、各テーブルを関連付ける識別情報が各テーブルに追加される。例えば、サブスクリプションサービス契約情報(1011)とオプションサービス契約情報(1012)とを異なるテーブルで構成した場合、オプションサービス契約情報(1012)には、サブスクリプションサービス契約情報(1011)の契約IDを格納するためのカラムが追加される。
【0072】
<空調管理方法の流れ>
図8は、本実施形態における空調管理システム1が実行する空調管理方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS1において、登録部11は、空調管理システム1の利用者(例えば、空気調和機30のユーザ等)の操作に応じて、保守サービス情報の入力を受け付ける。登録部11は、受け付けた保守サービス情報を保守情報記憶部12に記憶する。
【0074】
具体的には、登録部11は、顧客情報(1001)、機器情報(1002)、設置場所情報(1004)、相談先情報(1005)及び保守サービス契約情報(1010)の入力を受け付ける。登録部11は、受け付けた各情報を保守管理情報に登録する。このとき、登録部11は、機器登録情報(1003)の機器登録日にシステム日時を登録する。
【0075】
ステップS2において、登録部11は、空調管理システム1の利用者(例えば、システム管理者等)の操作に応じて、サブスクリプションサービス情報の入力を受け付ける。登録部11は、受け付けたサブスクリプションサービス情報を保守情報記憶部12に記憶する。
【0076】
具体的には、登録部11は、サブスクリプションサービス契約情報(1011)及びオプションサービス契約情報(1012)の入力を受け付ける。登録部11は、受け付けた各情報を保守管理情報に登録する。このとき、登録部11は、機器登録情報(1003)の機器更新日をシステム日時に更新する。
【0077】
ステップS3において、空気調和機30に接続された通信制御装置33は、空気調和機30の記憶部312に記憶された運転データを取得する。次に、通信制御装置33は、取得した運転データを保守管理装置10に送信する。
【0078】
保守管理装置10では、受信部13が、運転データを通信制御装置33から受信する。受信部13は、受信した運転データを運転データ記憶部14に記憶する。
【0079】
ステップS4において、登録部11は、空調管理システム1の利用者(例えば、保守作業員等)の操作に応じて、保守履歴情報の入力を受け付ける。登録部11は、受け付けた保守履歴情報を保守情報記憶部12に記憶する。
【0080】
具体的には、登録部11は、漏洩情報(1006)、簡易点検情報(1007)、修理情報(1008)又は定期点検情報(1009)の入力を受け付ける。登録部11に入力される情報は、実施した保守サービスの内容によって異なる。例えば、簡易点検を実施した場合、簡易点検情報(1007)が入力される。また、例えば、フロン点検サービスを実施した場合、漏洩情報(1006)が入力される。登録部11は、受け付けた保守履歴情報を保守管理情報に登録する。このとき、登録部11は、機器登録情報(1003)の機器最終操作日をシステム日時に更新する。
【0081】
ステップS5において、判別部15は、空調管理システム1の利用者(例えば、保守作業員等)の操作に応じて、空気調和機30のユーザがサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別する。判別部15は、特定の空気調和機30が指定された場合、当該空気調和機30がサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別する。
【0082】
サブスクリプションサービスを利用しているか否かは、保守情報記憶部12に記憶されている保守管理情報のサブスクリプションサービス契約情報(1011)に基づいて判別する。判別部15は、まず、指定された空気調和機30の機器IDに基づいて、保守情報記憶部12に記憶されている保守管理情報から、当該空気調和機30に関する保守管理情報を読み出す。次に、判別部15は、読み出した保守管理情報にサブスクリプションサービス情報が登録されているか否かを検証する。
【0083】
例えば、判別部15は、サブスクリプションサービス契約情報(1011)の契約IDに有効なIDが設定されている場合、サブスクリプションサービス情報が登録されていると判定する。また、例えば、判別部15は、サブスクリプションサービス契約情報(1011)の契約IDが設定されていない、又は無効なIDが登録されている場合、サブスクリプションサービス情報が登録されていないと判定する。
【0084】
保守管理情報にサブスクリプションサービス情報が登録されている場合、判別部15は、当該空気調和機30がサブスクリプションサービスを利用していると判定する。保守管理情報にサブスクリプションサービス情報が登録されていない場合、判別部15は、当該空気調和機30がサブスクリプションサービスを利用していない(言い替えると、保守サービスを利用している)と判定する。
【0085】
判別部15は、空調管理システム1の利用者等の操作に応じて、サブスクリプションサービスを利用しているユーザ、又はサブスクリプションサービスを利用していないユーザを抽出してもよい。
【0086】
サブスクリプションサービスを利用しているユーザを抽出する場合、判別部15は、サブスクリプションサービス契約情報(1011)が登録されている保守管理情報を抽出し、抽出された保守管理情報に登録されている顧客情報(1001)を出力する。例えば、判別部15は、サブスクリプションサービス契約情報(1011)の契約IDに有効なIDが設定されている保守管理情報を、サブスクリプションサービス契約情報(1011)が登録されている保守管理情報として抽出する。
【0087】
サブスクリプションサービスを利用していないユーザを抽出する場合、判別部15は、サブスクリプションサービス契約情報(1011)が登録されていない保守管理情報を抽出し、抽出された保守管理情報に登録されている顧客情報(1001)を出力する。例えば、判別部15は、サブスクリプションサービス契約情報(1011)の契約IDが設定されていない、又は無効なIDが登録されている保守管理情報を、サブスクリプションサービス契約情報(1011)が登録されていない保守管理情報として抽出する。
【0088】
ステップS6において、提案部16は、空気調和機30のユーザに対してサービスを提案するための提案情報を、表示装置105等に出力する。ユーザがサブスクリプションサービスを利用している場合、提案部16は、当該ユーザが用いる空気調和機30にとって適切なオプションサービスを提案するための提案情報を出力する。一方、ユーザがサブスクリプションサービスを利用していない(言い替えると、保守サービスを利用している)場合、提案部16は、当該ユーザが用いる空気調和機30にとって適切な保守サービスを提案するための提案情報を出力する。
【0089】
提案部16は、保守情報記憶部12に記憶されている保守管理情報に基づいて、予め定めた規則に従って、提案情報を出力する。提案部16は、保守管理情報に含まれる保守サービス契約情報(1010)を参照し、当該ユーザが未契約の保守サービスを提案するための提案情報を出力する。また、提案部16は、保守管理情報に含まれるオプションサービス契約情報(1012)を参照し、当該ユーザが未契約のオプションサービスを提案するための提案情報を出力する。
【0090】
提案部16は、空気調和機30の属性情報に基づいて、提案情報を出力してもよい。属性情報は、例えば、空気調和機30の設置環境に関する情報である。設置環境に関する情報の一例は、保守管理情報に含まれる設置場所情報(1004)等である。設置場所情報(1004)が、空気が汚れやすい環境(例えば、工場の作業場やレストランの厨房等)を表している場合、フィルタ洗浄やドレンパン洗浄を提案するとよい。
【0091】
提案部16は、空気調和機30の運転データに基づいて、提案情報を出力してもよい。例えば、運転データに基づいてファンの累積稼働時間を算出し、一定時間を超過している場合に、フィルタ洗浄を提案するとよい。また、例えば、異常データ等に基づいて修理や交換が必要なパーツを特定し、点検や修理等に関するサービスを提案してもよい。
【0092】
[変形例]
第1実施形態では、保守管理装置10がサブスクリプションサービス情報を保守管理情報に登録し、保守管理情報にサブスクリプションサービス情報が登録されているか否かに基づいて、空気調和機30のユーザがサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別した。変形例における保守管理装置10は、サブスクリプションサービス情報を記憶せず、保守管理情報に登録されている保守サービス情報に基づいて、空気調和機30のユーザがサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別する。
【0093】
変形例における保守管理装置10は、保守管理情報に登録されている保守サービス情報に、サブスクリプションサービスに関連する情報を登録する。変形例における保守管理装置10は、保守管理情報に登録されているサブスクリプションサービスに関連する情報に基づいて、空気調和機30のユーザがサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別する。
【0094】
具体的には、登録部11は、サブスクリプションサービスを利用している空気調和機30の保守サービス情報を登録する際に、保守サービス契約情報(1010)の費用請求先に特定の主体を表す情報を設定する。判別部15は、管理情報の費用請求先が特定の主体を表す情報である場合、当該空気調和機30のユーザがサブスクリプションサービスを利用していると判定する。一方、保守サービス契約情報(1010)の費用請求先が特定の主体を表す情報以外である場合、判別部15は、当該空気調和機30のユーザがサブスクリプションサービスを利用していない(言い替えると、保守サービスを利用している)と判定する。
【0095】
サブスクリプションサービスでは、空気調和機30の所有者が特定の事業者(例えば、リース会社等)になるため、保守サービスに関する費用請求先は、その事業者となる。したがって、保守サービス契約情報(1010)の費用請求先が特定の事業者である場合、当該空気調和機30は、サブスクリプションサービスを利用していると判断することができる。
【0096】
[第2実施形態]
本開示の第2実施形態は、空気調和機を定額料金で利用するサブスクリプションサービスを提供する空調管理システムである。本実施形態における空調管理システムは、サブスクリプションサービス及びサブスクリプションサービスに付加可能なオプションサービスを提供するための情報を管理する。
【0097】
本実施形態における空調管理システムは、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と、そのサブスクリプションサービスに付加されたオプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて記憶する。したがって、本実施形態における空調管理システムによれば、空気調和機のサブスクリプションサービスに対して付加的に提供されるオプションサービスを管理することができる。
【0098】
以下、本実施形態における空調管理システム1について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0099】
<システム構成>
図9は、本実施形態における空調管理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
図9に示されているように、本実施形態における空調管理システム1は、保守管理装置10、契約管理装置20及び1台以上の空気調和機30を含む。
【0100】
契約管理装置20は、空調管理システム1に含まれる空気調和機30を利用するユーザに対して提供されるサブスクリプションサービスを管理するパーソナルコンピュータ、ワークステーション又はサーバ等の情報処理装置である。契約管理装置20は、サブスクリプションサービス及びオプションサービスを提供するための契約管理情報を管理する。また、契約管理装置20は、契約管理情報に基づいて、サブスクリプションサービスのユーザにオプションサービスを提案するための提案情報を出力する。
【0101】
<ハードウェア構成>
≪契約管理装置≫
本実施形態における契約管理装置20のハードウェア構成は、第1実施形態における保守管理装置10と同様である。本実施形態における契約管理装置20は、プロセッサ101、メモリ102、補助記憶装置103、操作装置104、表示装置105、通信装置106、ドライブ装置107を有する。契約管理装置20の各ハードウェアは、バス108を介して相互に接続されている。
【0102】
<機能構成>
≪保守管理装置≫
本実施形態における保守管理装置10は、登録部11、保守情報記憶部12、受信部13及び運転データ記憶部14を備える。本実施形態における保守管理装置10は、第1実施形態における保守管理装置10と比較して、判別部15及び提案部16を備えず、保守情報記憶部12に記憶される保守管理情報が異なる点で相違する。
【0103】
≪契約管理装置≫
図10は、本実施形態における契約管理装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図10に示されているように、本実施形態における契約管理装置20は、登録部11、受信部13、運転データ記憶部14、提案部16及び契約情報記憶部17を備える。本実施形態における契約管理装置20は、第1実施形態における保守管理装置10と比較して、判別部15を備えず、保守情報記憶部12の代わりに契約情報記憶部17を備える点で相違する。
【0104】
本実施形態における登録部11は、空調管理システム1の利用者(例えば、システム管理者等)の操作に応じて、サブスクリプションサービス情報の入力を受け付ける。登録部11は、受け付けたサブスクリプションサービス情報を、契約情報記憶部17に記憶される契約管理情報に登録する。サブスクリプションサービス情報は、第1実施形態と同様に、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と、オプションサービスに関する第2契約情報とを含む。
【0105】
登録部11は、契約管理情報にサブスクリプションサービス情報を登録する際に、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と、オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録する。例えば、契約管理情報は、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報に対応するカラムと、オプションサービスに関する第2契約情報に対応するカラムとを有する1つのテーブルで構成することができる。この場合、登録部11が、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と、オプションサービスに関する第2契約情報とを同一のレコードに格納することで、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報とオプションサービスに関する第2契約情報とが関連付けて登録される。
【0106】
また、例えば、契約管理情報は、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報に対応するテーブルと、オプションサービスに関する第2契約情報に対応するテーブルとを含む、複数のテーブルで構成することができる。このとき、各契約情報に対応するテーブルは、サブスクリプションサービスの契約を識別する契約IDを有するように構成する。この場合、登録部11が、各テーブルにおいて同一の契約に対応するレコードに当該契約を識別する契約IDを格納することで、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報とオプションサービスに関する第2契約情報とが関連付けて登録される。
【0107】
契約情報記憶部17には、サブスクリプションサービス情報を含む契約管理情報が記憶される。契約管理情報には、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報とオプションサービスに関する第2契約情報とが関連付けて登録される。
【0108】
契約管理情報には、空気調和機30に関する顧客情報及び機器情報が登録されてもよい。契約管理情報に登録される顧客情報及び機器情報は、保守管理装置10が備える保守情報記憶部12から定期的に取得すればよい。
【0109】
本実施形態における提案部16は、契約情報記憶部17に記憶されている契約管理情報に基づいて、空気調和機30のユーザにオプションサービスを提案するための提案情報を出力する。
【0110】
≪保守管理情報≫
図11は、本実施形態における保守管理情報の一例を示す概念図である。
図11に示されているように、本実施形態における保守管理情報は、顧客情報(1001)、機器情報(1002)、機器登録情報(1003)、設置場所情報(1004)、相談先情報(1005)、漏洩情報(1006)、簡易点検情報(1007)、修理情報(1008)、定期点検情報(1009)及び保守サービス契約情報(1010)を含む。
【0111】
本実施形態における保守管理情報は、第1実施形態における保守管理情報と比較すると、サブスクリプションサービス契約情報(1011)及びオプションサービス契約情報(1012)を含まない点で異なる。
【0112】
≪契約管理情報≫
図12は、本実施形態における契約管理情報の一例を示す概念図である。
図12に示されているように、本実施形態における契約管理情報は、顧客情報(1001)、機器情報(1002)、機器登録情報(1003)、設置場所情報(1004)、サブスクリプションサービス契約情報(1011)及びオプションサービス契約情報(1012)を含む。
【0113】
<空調管理方法の流れ>
図13は、本実施形態における空調管理システム1が実行する空調管理方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【0114】
ステップS11において、登録部11は、空調管理システム1の利用者(例えば、システム管理者等)の操作に応じて、サブスクリプションサービス情報の入力を受け付ける。登録部11は、受け付けたサブスクリプションサービス情報を契約情報記憶部17に記憶する。
【0115】
ステップS12において、登録部11は、保守管理装置10が備える保守情報記憶部12から保守管理情報を読み出す。登録部11が読み出す保守管理情報は、ステップS11で受け付けたサブスクリプションサービス情報の対象となる空気調和機30に関する保守管理情報である。次に、登録部11は、読み出した保守管理情報に含まれる顧客情報及び機器情報を契約情報記憶部17に記憶する。
【0116】
ステップS13において、空気調和機30に接続された通信制御装置33は、空気調和機30の記憶部312に記憶された運転データを取得する。次に、通信制御装置33は、取得した運転データを保守管理装置10に送信する。
【0117】
保守管理装置10では、受信部13が、運転データを通信制御装置33から受信する。受信部13は、受信した運転データを運転データ記憶部14に記憶する。
【0118】
ステップS14において、提案部16は、空気調和機30のユーザに対してオプションサービスを提案するための提案情報を、表示装置105等に出力する。
【0119】
提案部16は、契約情報記憶部17に記憶されている契約管理情報に基づいて、予め定めた規則に従って、提案情報を出力する。提案部16は、オプションサービス契約情報(1012)を参照し、当該ユーザが未契約のオプションサービスを提案するための提案情報を出力する。
【0120】
提案部16は、空気調和機30の属性情報に基づいて、提案情報を出力してもよい。また、提案部16は、空気調和機30の運転データに基づいて、提案情報を出力してもよい。
【0121】
<まとめ>
以上、本開示の各実施形態によれば、運転データを用いて行う保守サービスの対象機器がサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別可能となる。第1実施形態における空調管理システム1は、空気調和機30の運転データを用いて行う保守サービスを管理する。空調管理システム1は、保守サービスを行うための顧客情報及び機器情報を含む管理情報を記憶し、管理情報にサブスクリプションサービスに関連する情報を保守サービスとサブスクリプションサービスとを区別できるように登録する。したがって、第1実施形態における空調管理システム1によれば、運転データを用いて行う保守サービスの対象機器がサブスクリプションサービスを利用しているか否かを判別可能となる。
【0122】
また、本開示の各実施形態によれば、空気調和機のサブスクリプションサービスに対して付加的に提供されるオプションサービスを管理することができる。第2実施形態における空調管理システム1は、空気調和機30を定額料金で利用するサブスクリプションサービスを管理する。空調管理システム1は、サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と、サブスクリプションサービスに付加されたオプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて記憶する。したがって、第2実施形態における空調管理システム1によれば、空気調和機のサブスクリプションサービスに対して付加的に提供されるオプションサービスを管理することができる。
【0123】
さらに、本開示の各実施形態によれば、サブスクリプションサービスを利用しているユーザに、オプションサービスを提案することができる。各実施形態における空調管理システム1は、サブスクリプションサービス契約情報とオプションサービス契約情報とが関連付けて登録された管理情報に基づいて、オプションサービスを提案するための提案情報を出力する。したがって、各実施形態における空調管理システム1によれば、サブスクリプションサービスを利用しているユーザに、オプションサービスを提案することができる。
【0124】
特に、本開示の各実施形態によれば、サブスクリプションサービスを利用しているユーザに、より適切なオプションサービスを提案することができる。サブスクリプションサービスでは、サービス提供者が空気調和機の設置時から運転データを取得することが容易である。そのため、利用期間全体にわたる詳細な保守や点検の履歴及び運転データに基づいて、適切なオプションサービスを提案することができる。
【0125】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0126】
1 空調管理システム
10 保守管理装置
11 登録部
12 保守情報記憶部
13 受信部
14 運転データ記憶部
15 判別部
16 提案部
17 契約情報記憶部
20 契約管理装置
30 空気調和機
31 室外機
32 室内機
33 通信制御装置
【手続補正書】
【提出日】2023-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機のサブスクリプションサービスを管理する管理システムが実行する管理方法であって、
前記管理システムの制御部が、
前記サブスクリプションサービスに関する情報と、付加的に提供されるオプションサービスに関する情報とを記憶し、
前記サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と当該第1契約情報に付加された前記オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録し、
前記サブスクリプションサービスを利用しているユーザに前記オプションサービスを提案するための提案情報を出力する、
管理方法。
【請求項2】
前記制御部は、
前記空気調和機の設置環境に関する属性情報を記憶し、
前記属性情報に基づいて、前記提案情報を出力する、
請求項1に記載の管理方法。
【請求項3】
前記制御部は、
前記空気調和機の運転データを記憶し、
前記運転データに基づいて、前記提案情報を出力する、
請求項1に記載の管理方法。
【請求項4】
空気調和機のサブスクリプションサービスを管理する制御部を有する管理システムであって、
前記制御部が、
前記サブスクリプションサービスに関する情報と、付加的に提供されるオプションサービスに関する情報とを記憶し、
前記サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と当該第1契約情報に付加された前記オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録し、
前記サブスクリプションサービスを利用しているユーザに前記オプションサービスを提案するための提案情報を出力する、
管理システム。
【請求項5】
空気調和機のサブスクリプションサービスを管理する管理システムの制御部に、
前記サブスクリプションサービスに関する情報と、付加的に提供されるオプションサービスに関する情報とを記憶する手順と、
前記サブスクリプションサービスに関する第1契約情報と当該第1契約情報に付加された前記オプションサービスに関する第2契約情報とを関連付けて登録する手順と、
前記サブスクリプションサービスを利用しているユーザに前記オプションサービスを提案するための提案情報を出力する手順と、
を実行させるためのプログラム。