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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173448
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085715
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 良孝
(72)【発明者】
【氏名】川添 智久
(72)【発明者】
【氏名】中山 覚
(72)【発明者】
【氏名】牧 智宣
(72)【発明者】
【氏名】下田 諒
(72)【発明者】
【氏名】梶野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】柏木 浩志
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA49
2C333CA50
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣を向上させること。
【解決手段】パチンコ遊技機PY1は、キャラクタのセリフを表示する第1のセリフ演出(横書きセリフ演出)と、第1のセリフ演出とは異なる演出であって、キャラクタのセリフを表示する第2のセリフ演出(キャラ移動セリフ演出)と、を実行可能である。第1のセリフ演出では、複数のキャラクタ(キャラクタA、キャラクタB)がそれぞれ1回ずつセリフを発する。第2のセリフ演出では、複数のキャラクタ(キャラクタA、キャラクタB)がそれぞれ複数回(3回)セリフを発する。
【選択図】図39
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタのセリフを表示する第1のセリフ演出と、
前記第1のセリフ演出とは異なる演出であって、キャラクタのセリフを表示する第2のセリフ演出と、を実行可能であり、
前記第1のセリフ演出では、複数のキャラクタがそれぞれ1回ずつセリフを発し、
前記第2のセリフ演出では、複数のキャラクタがそれぞれ複数回セリフを発することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記第2のセリフ演出は、前記第1のセリフ演出よりも演出時間が長いことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記第1のセリフ演出とも前記第2のセリフ演出とも異なる他の演出の実行中に、前記第1のセリフ演出を実行することと、
前記他の演出の実行中に、前記第2のセリフ演出を実行することと、が可能であり、
前記第1のセリフ演出では、或るセリフの次のセリフを表示する場合に当該或るセリフの表示が残り、
前記第2のセリフ演出では、或るセリフの次のセリフを表示する場合に当該或るセリフの表示が消えることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば下記特許文献1に記載されているように、あるキャラクタが1回セリフ(メッセージ)を発する演出によって、リーチが成立する期待度や大当たり遊技が実行される期待度を示唆する遊技機が知られている。この演出では、キャラクタの主張内容が文字として画像表示装置に表示されるとともに、音声としてスピーカから出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-57883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているようなキャラクタがセリフ(メッセージ)を発する演出は現在ではよく見かけるものとなっており、遊技者に興趣を提供するためには、演出の態様等に改良の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊技機は、
キャラクタのセリフを表示する第1のセリフ演出と、
前記第1のセリフ演出とは異なる演出であって、キャラクタのセリフを表示する第2のセリフ演出と、を実行可能であり、
前記第1のセリフ演出では、複数のキャラクタがそれぞれ1回ずつセリフを発し、
前記第2のセリフ演出では、複数のキャラクタがそれぞれ複数回セリフを発することを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の遊技機によれば、新たな演出を通じて遊技の興趣を向上可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】遊技機の正面図である。
図2】遊技盤ユニットの正面図である。
図3】第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。
図4】表示器類の正面図である。
図5】(A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。
図6】主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図7】サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図8】遊技機の裏側を示す斜視図である。
図9】7セグ表示器を示す正面図である。
図10】(A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。
図11】(A)は当たり判定テーブルの一例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの一例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの一例である。
図12】(A)は大当たり判定テーブルの一例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの一例であり、(C)はリーチ判定テーブルの一例である。
図13】特図1変動パターン判定テーブルの一例である。
図14】特図2変動パターン判定テーブルの一例である。
図15】先読み判定テーブルの一例である。
図16】大当たり遊技制御テーブルの一例である。
図17】遊技状態の説明図である。
図18】演出モードの具体例を示す説明図である。
図19】特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。
図20】特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。
図21】特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。
図22】保留演出の具体例を示す説明図である。
図23】可動体演出の具体例を示す説明図である。
図24】操作演出の具体例を示す説明図である。
図25】主制御メイン処理のフローチャートである。
図26】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
図27】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
図28】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図29】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図30】パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る大当たり遊技制御テーブルである。
図31】パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る非時短状態の特図1変動パターン判定テーブルである。
図32】パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る時短状態の特図2変動パターン判定テーブルである。
図33】セリフ演出の実行抽選テーブルである。
図34】キャラ移動セリフ演出の態様選択テーブルである。
図35】横書きセリフ演出の態様選択テーブルである。
図36】縦書きセリフ演出の態様選択テーブルである。
図37】パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る時短状態の特図2先読み判定テーブルである。
図38】(A)先読みセリフ演出の実行抽選テーブルである。(B)先読みセリフ演出の態様選択テーブルである。
図39】キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出の実行タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図40】横書きセリフ演出と縦書きセリフ演出の演出内容を説明するための表である。
図41】キャラ移動セリフ演出の具体例を示す図である。
図42】キャラ移動セリフ演出の具体例を示す図であり、図41の続きを示す図である。
図43】横書きセリフ演出の具体例を示す図である。
図44】縦書きセリフ演出の具体例を示す図である。
図45】先読みセリフ演出の実行タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図46】先読みセリフ演出の具体例を示す図である。
図47】先読みセリフ演出の具体例を示す図であり、図46の続きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
【0009】
1.遊技機の構造
第1実施形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
【0010】
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。透明板23tは、パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
【0011】
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
【0012】
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。通常ボタン40は、振動可能に構成されている。すなわち、通常ボタン40には、当該通常ボタン40を振動させるための振動機構が内蔵されており、この振動機構に含まれる振動用モータが駆動されると、遊技者が目視でもわかる程度に通常ボタン40がブルブルと振動するようになっている。なお、通常ボタン40を振動させるための振動機構については公知の構成を適宜採用することができる。通常ボタン40は、操作部の一例であり、振動体の一例でもある。
【0013】
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
【0014】
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0015】
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
【0016】
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
【0017】
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。なお、第1始動口11や第2始動口12といった始動口を入球口と称し、第1大入賞口14や第2大入賞口15といった大入賞口を特別入賞口あるいは特定の入賞口と称し、ゲートを通過口あるいは通過領域と称することができるものとする。
【0018】
遊技領域6の中央付近には、開口部1Aの周縁を装飾するセンター枠(センター装飾体)61が設けられている。センター枠61には、後述する第1始動口11へ遊技球を誘導可能なステージや、ステージへ遊技球を誘導可能なワープが設けられている。
【0019】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
【0020】
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」ともいう)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0021】
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
【0022】
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」ともいう)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。
【0023】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口(普通入賞口)10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(本形態では3個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0024】
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
【0025】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0026】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0027】
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
【0028】
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
【0029】
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
【0030】
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
【0031】
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。なお、振分部材16kの作動態様は適宜変更可能である。
【0032】
特定領域16と非特定領域17には、各領域16,17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
【0033】
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。また、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dのような、特定領域や振分装置のない大入賞装置を2つ設ける構成とすることが可能である。また、第1大入賞装置14Dと第2大入賞装置15Dとが設けられているものの、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dだけを利用することとしたり、第2大入賞装置15Dだけを利用することとしたりすることが可能である。なお、第1大入賞装置14Dだけを利用する構成とした場合には、第2大入賞装置15Dに関する処理は行われないものとし、第2大入賞装置15Dだけを利用する構成とした場合には、第1大入賞装置14Dに関する処理は行われないものとする。
【0034】
また、図2に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
【0035】
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6B(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
【0036】
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、一般入賞口10と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
【0037】
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
【0038】
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
【0039】
図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図あるいは特別図柄といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
【0040】
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、大当たり遊技が行われている遊技状態を大当たり遊技状態という。大当たり遊技状態は、遊技者に有利な特別遊技状態の一例である。
【0041】
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81は、「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
【0042】
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
【0043】
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(本形態では4個)が設定されている。特図1保留数や特図2保留数の上限は適宜変更可能であり、上限を「無し」としてもよい。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
【0044】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
【0045】
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
【0046】
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
【0047】
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
【0048】
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
【0049】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(本形態では4個)が設定されている。普図保留数の上限は適宜変更可能であり、上限を「無し」としてもよい。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。また、本形態では、普図保留数を表示する普図保留表示器を設けていないが、普図保留表示器を表示器類8に加えてもよい。普図保留表示器としては、例えば特図保留表示器83と同様の構成のものを採用することが可能である。
【0050】
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
【0051】
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示部(表示画面)50aを具備する。なお、画像表示装置50は、画像を表示することが可能であれば、複数枚の液晶ディスプレイで構成されるものや、EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成されるもの等、他の表示装置であってもよい。
【0052】
盤上可動装置55は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
【0053】
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
【0054】
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0055】
2.遊技機の電気的構成
次に、図6図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出など)や客待ち演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部(メイン制御部)と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部(サブ制御部)と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,58等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
【0056】
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191が設けられている。RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば主制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
【0057】
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ193が接続されている。電源スイッチ193のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
【0058】
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
【0059】
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0060】
また遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。また遊技用RAM104には、非消去記憶部107が設けられていて、非消去記憶部107には、総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107cが設けられている。非消去記憶部107では、RAMクリアが実行されても、遊技用CPU102が記憶内容を消去しないようになっている。
【0061】
遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数をカウントしていて、カウントされた総賞球数の情報は、総賞球数記憶部107aに記憶される。総賞球数は、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において遊技者が獲得する(遊技者に払い出される)賞球数のことである。また遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総発射球数をカウントしていて、カウントされた総発射球数の情報は、総発射球数記憶部107bに記憶される。総発射球数は、全ての遊技状態において、遊技者が発射した発射球数のことである。そして遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数から総発射球数を減算した差玉数を演算していて、演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107cに記憶される。遊技制御用マイコン101は、差玉数(特定計測数の一例)が基準数(例えば「80000」)以上となったことを条件に、遊技を実行不能にする。この機能を、過賞球防止機能と言う。過賞球防止機能は、最大差玉数(最大持ち球、MY等ということもある)が予め定められた基準数となることに応じて作動させてもよい。最大差玉数は、計測された差玉数の最低値である最低差玉数と、最低差玉数が計測された後における差玉数のピーク(最高値)との差である。この場合、最大差玉数が特定計測数に相当する。
【0062】
また主制御基板100には、7セグ表示器300と、設定キーシリンダ180と、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)と、が設けられている(図8参照)。7セグ表示器300は、図9に示すように、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」~「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0063】
設定キーシリンダ180は、大当たり判定確率に対応する設定値を設定する際に、操作手段として機能するものである。この設定キーシリンダ180の内部は、設定キー(図示省略)が挿入された状態で、初期位置と回転位置との間で回転操作される。よって、本パチンコ遊技機PY1では、設定キーシリンダ180を回転位置へ回転操作しておき、RAMクリアスイッチ191を押下操作しながら、電源を投入することで、設定値を設定可能な設定モードに移行することができる。そして、この設定モードにおいて、設定値を「1」に設定することができる。しかしながら、本パチンコ遊技機PY1では、設定値が1種類である「1」しか設けられていない。従って、設定値を「1」から変更できないようになっている。なお、設定モードに設定されているときに、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ回転操作すると、設定モードが終了して、RAMクリアが実行される。
【0064】
また主制御基板100には、押下操作可能な特別リセットスイッチ181が設けられている。図8に示すように、特別リセットスイッチ181は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された主制御基板100上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、特別リセットスイッチ181を操作することはできない。即ち、特別リセットスイッチ181は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。特別リセットスイッチ181の機能については、後に詳述する。また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が実装されている。
【0065】
また、主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSやアクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
【0066】
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
【0067】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10毎に設けられている。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
【0068】
また図6では図示を省略しているが、各種センサ類MSには、遊技領域6を流下する全ての遊技球(総発射球数)を検知する排出口センサが含まれている。ここで、遊技領域6の外部へ流下した遊技球は、遊技盤取付枠2Aの下部に設けられている排出経路(図示省略)を通って、本パチンコ遊技機PY1の外部に排出される。そのため、排出口センサは、排出経路内に設けられている。また各種センサ類MSには、不正な磁気を検知する磁気センサが含まれている。磁気センサは、遊技者が磁石等を用いて遊技球を不正に各種入賞口10、11、12、14、15へ入賞させる際に生じる磁気を検知するものである。上記した各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
【0069】
また各種センサ類MSには、前扉23の外枠22に対する開放を検知する前扉開放センサと、前枠23mの遊技盤取付枠2Aに対する開放を検知する前枠センサと、が含まれている。前扉開放センサは、前扉23の開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。前枠センサは、前枠23mの開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0070】
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
【0071】
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0072】
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0073】
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
【0074】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0075】
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
【0076】
また払出制御基板170は、外部端子板160に接続されている。つまり、外部端子板160は、払出制御基板170を介して、主制御基板100に接続されている。外部端子板160は、主制御基板100から送信される外端信号を、パチンコ遊技機PY1の外部に設けられている外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信するものである。外端信号に含まれる情報には、例えば、大当たりに当選したかを示す情報、遊技状態の情報、エラーや不正(異常)を示す情報が含まれる。なお、外部端子板160は、外端信号をパラレル通信によって外部ユニットGUに送信しているが、外端信号を非同期シリアル通信(共通の非同期シリアル通信ポート)で送信するようにしても良い。また、主制御基板100を払出制御基板170を介して外部端子板160に接続したが、主制御基板100を払出制御基板170以外の基板(例えば中継基板)を介して外部端子板160に接続したり、主制御基板100と外部端子板160とを直接接続したりするようにしても良い。
【0077】
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0078】
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
【0079】
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0080】
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
【0081】
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
【0082】
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
【0083】
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
【0084】
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
【0085】
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
【0086】
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
【0087】
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
【0088】
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0089】
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55を駆動する盤上駆動モータ55m、盤下可動装置56を駆動する盤下駆動モータ56m、枠可動装置58を駆動する枠駆動モータ58m等が含まれている。演出制御用マイコン121は、これらのモータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。またサブ制御基板120には、通常ボタン40を振動させるための振動用モータ(不図示)も接続されているものとする。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0090】
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53、盤ランプ54等が含まれている。演出制御用マイコン121は、各ランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0091】
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0092】
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図10図17を用いて説明する。なお、図10図17に示す各テーブルは、本項目の説明のための一般的なものであり、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明においてこれらとは別のテーブルを示した場合、パチンコ遊技機PY1ではそのテーブルが用いられているものとする。但し、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示さない構成については、この項目で示したテーブルが用いられているものとし、また、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示した構成についても、この項目で示したテーブルに変更することが可能であるとする。
【0093】
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、遊技球がゲート13を通過することを「普図始動条件の成立」という。
【0094】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図10(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0095】
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、図11(A)に示すような当たり判定テーブルに従って、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに従って判定することにより、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、当たり判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0096】
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、図11(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルに従って、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
【0097】
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。なお、普図変動パターン判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0098】
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
【0099】
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
【0100】
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図11(C)に示すような補助遊技制御テーブルに従って補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。なお、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
【0101】
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせている。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.0秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。なお、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間が同じであってもよい。
【0102】
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0103】
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0104】
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
【0105】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図10(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0106】
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、図12(A)に示すような大当たり判定テーブルに従って、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
【0107】
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図12(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
【0108】
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図12(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルに従って大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
【0109】
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定の起因となる入賞(当該大当たり図柄種別判定を発生させた入賞)が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
【0110】
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
【0111】
例えば、図12(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
【0112】
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図12(C)に示すようなリーチ判定テーブルに従って、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
【0113】
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。なお、リーチ判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0114】
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに従って判定することにより、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させるか否か)を判定する。図12(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数が異なっている。なお、リーチ有りと判定される確率については、適宜に変更することが可能である。以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
【0115】
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、図13図14に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報が含まれている。特図変動パターンに含ませる識別情報は、適宜に変更することが可能である。また、特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
【0116】
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定の起因となる入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図13)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図14)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特別図柄の種別(特図1/特図2)に応じて分けなくてもよい。
【0117】
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0118】
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、大当たり判定結果やリーチ判定結果に応じて分けなくてもよい。
【0119】
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特図保留数に応じて分けなくてもよい。
【0120】
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
【0121】
また、各特図変動パターンには、図13図14の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローが関連付けられている。なお、特図変動パターンに特図変動演出の演出フローを関連付けなくてもよい。
【0122】
また、図13図14の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンを、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けた名称で呼ぶことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」と言い、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と言う。そして、大当たり変動の中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SP大当たり変動」と言い、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「L大当たり変動」と言い、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「N大当たり変動」と言い、リーチが成立するとすぐにゾロ目が揃う特図変動パターンのことを「即大当たり変動」と言う。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」と言い、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」と言い、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」と言い、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」と言う。通常ハズレ変動には、変動時間が互いに異なる3種類の変動(通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、通常Cハズレ変動)がある。また、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンであって「通常ハズレ変動」に比べて変動時間が短い特図変動パターンを「短縮ハズレ変動」と言う。短縮ハズレ変動には、変動時間が異なる2種類の変動(短縮Aハズレ変動、短縮Bハズレ変動)がある。なお、SP大当たりとSPハズレ変動とを総称する場合、SP変動あるいはSPリーチ変動と言う。
【0123】
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図15に示すような先読み判定テーブルに従って先読み判定を行う。先読み判定は、大当たり判定よりも前に(具体的には例えば始動口への入賞時に)行われる。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。第1始動口11は特図1の抽選の契機となる始動口であるため、第1先読み判定テーブルを特図1先読み判定テーブルと言うこともできる。また、第2始動口12は特図2の抽選の契機となる始動口であるため、第2先読み判定テーブルを特図2先読み判定テーブルと言うこともできる。なお、先読み判定テーブルを、始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に応じて分けなくてもよい。また、始動入賞とは、始動口への入賞のことである。
【0124】
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
【0125】
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。また、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
【0126】
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14あるいは第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようにすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
【0127】
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間あるいはインターバル時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図16に示すような大当たり遊技制御テーブルに従って大当たり遊技を制御する。
【0128】
図16に示すように、大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎(例えば大当たり遊技A~C毎)に大当たり遊技構成要素が格納されている。各大当たり遊技では、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
【0129】
なお、図16に示す大当たり遊技Aは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄A(図12(B)参照)である場合に実行され、大当たり遊技Bは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Bである場合に実行され、大当たり遊技Cは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Cである場合に実行される構成とすることが可能である。
【0130】
また、各大当たり遊技構成要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。第1大入賞口14だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成、あるいは、第2大入賞口15だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成とする場合には、用いない方の大入賞口を備えない構成としてもよい。また、実行可能な大当たり遊技の種類は、複数種類であってもよいし、1種類であってもよい。
【0131】
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。また、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいい、特定領域16が閉状態にあることを「V閉鎖」ともいう。
【0132】
振分部材16kは一定の作動態様で制御される(つまり、特定領域16は一定の開閉態様で制御される)。例えば、第2大入賞口15の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)を設定することが可能である。なお、振分部材16kの作動態様は適宜に変更可能である。後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別の作動態様を示した場合、パチンコ遊技機PY1ではその作動態様が採用されているものとする。
【0133】
なお、大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16への通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vロング大当たり」といい、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vショート大当たり」という。
【0134】
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図17に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することがある。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては、非時短状態と時短状態とがある。
【0135】
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態に切り替える契機をV通過とするか、大当たり図柄の種別とするかは、実現したい遊技性に応じて予め定められているものとする。高確率状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
【0136】
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターン判定が行われる(図13図14参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0137】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くなっている。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される(図11(B))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
【0138】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くなっている。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される(図11(A))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
【0139】
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
【0140】
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
【0141】
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。つまり、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。また、時短状態における特図変動パターン判定テーブルが、非時短状態におけるものよりも、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いものでなくてもよい。
【0142】
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、普図抽選(普図に関する当たり判定)は行われるが特図抽選(大当たり判定)は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。また、本明細書で説明している各種の遊技状態については、「第n遊技状態」(nは1以上の整数)の形式で任意に表現できるものとする。また、低確率低ベース遊技状態(低確低ベース状態)を低確非時短状態、低確率高ベース遊技状態(低確高ベース状態)を低確時短状態、高確率低ベース遊技状態(高確低ベース状態)を高確非時短状態、高確率高ベース遊技状態(高確高ベース状態)を高確時短状態と呼ぶことができるものとする。
【0143】
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図18図24を用いて説明する。
【0144】
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
【0145】
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図18(A―1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図18(A―2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定などがある。
【0146】
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図18(B―1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図18(B―2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図18(B―3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
【0147】
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図18(B―4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0148】
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図18(B―5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0149】
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図18(C―1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図18(C―2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C―3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
【0150】
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
【0151】
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
【0152】
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
【0153】
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図19(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
【0154】
また、図19(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
【0155】
なお、図19(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。また、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)だけでなく、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も、演出用に表示部50aに表示される図柄であるため、「演出図柄」の一例である。
【0156】
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
【0157】
特図の可変表示が開始されると、例えば、図19(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図19(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図19(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図19(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図19(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
【0158】
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0159】
Nリーチでは、図20(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図20(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図20(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図20(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
【0160】
また、ハズレを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン121によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン121によって選択される。
【0161】
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0162】
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図21(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図21(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図21(C―1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタの一人)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図21(C―2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0163】
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%として、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%として、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とすれば、SPリーチAの大当たり期待度を、SPリーチBの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
【0164】
4-2-5.Lリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、SPリーチよりは低いがNリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチのリーチ演出の実行時間は、SPリーチのリーチ演出の演出時間よりも短い(図13および図14)。よって、Lリーチのリーチ演出では、例えば、SPリーチのリーチ演出よりも短い動画が表示部50aに表示される。なお、Lリーチのリーチ演出の内容は適宜変更可能である。また、Lリーチのリーチ演出の後にSPリーチのリーチ演出が発展的に実行される特図変動パターンを設けてもよい。
【0165】
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図22(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
【0166】
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図22(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じ当該アイコンTA(当該保留アイコンTAとも言う)を表示することが可能である。なお、当該アイコンTAとして、保留アイコンHAと異なるアイコンを表示することがあってもよい。
【0167】
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。また、保留アイコン表示領域50dを設けるが当該アイコン表示領域50eを設けない構成としたり、両者を設けない構成としたりすることも可能である。
【0168】
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
【0169】
保留演出では、特図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図22(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図22(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
【0170】
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
【0171】
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0172】
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図23(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図23(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。この可動体演出は、発展演出の一例である。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出において作動させる可動装置は、適宜変更可能である。また、演出が発展しない場合(例えばNハズレ変動の場合)に、所謂ガセ演出として、可動体演出を行うようにすることも可能である。可動体演出を、可動体駆動演出とも言う。
【0173】
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者に通常ボタン40や特殊ボタン41を操作させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0174】
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、入力装置(特殊ボタン41)の押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図24(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。操作促進演出において、表示部50aに、操作促進画像G30が表示される。操作促進画像G30は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作方法(すなわち、押下操作)を表す画像(操作方法指示画像G32)と、操作有効期間の残り時間を表す画像(有効期間画像G33)と、を含む。なお、有効期間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなく操作有効期間が経過した後、図24(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、特殊ボタン41や通常ボタン40といった操作手段(操作部)の操作を促す操作促進演出を、操作指示演出とも言う。
【0175】
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
【0176】
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。このように、保留アイコンHAや当該アイコンTAを通常態様(本形態では「〇」、通常表示態様ともいう)ではなく特殊態様(本形態では例えば「☆」、特殊表示態様ともいう)で表示する先読み演出を、保留変化演出と言う。また、保留アイコンHAや当該アイコンTAを総称して、保留表示と言う。本形態では、保留表示として、保留アイコンHAと当該アイコンTAとを表示するが、保留アイコンHAだけを表示し当該アイコンTAを表示しない構成としてもよい。また、保留変化演出において特殊態様の保留表示を行うタイミングは、その保留表示の契機となる始動入賞の発生時であってもよいし、その保留表示のシフト表示時(保留アイコンHAの表示領域を変更したとき)であってもよいし、その保留表示に対応する特図変動(いわゆる当該変動)の実行中(当該アイコンTAとして表示しているとき)であってもよい。また、保留表示の特殊態様には複数の種類があってもよい。
【0177】
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。保留変化演出以外の先読み演出としては、例えば、所謂連続予告などが挙げられる。
【0178】
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に図25図26に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
【0179】
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図25に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
【0180】
また電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191への押下操作に基づく信号を入力すると、RAMクリアを実行する。RAMクリアが実行されると、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される。これにより、遊技状態は通常遊技状態(低確低ベース状態、低確非時短状態)に設定される。但し、RAMクリアが実行されても、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報は、クリアされない。
【0181】
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図10(A)および図10(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0182】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0183】
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図26に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず入力処理(S102)を実行する。入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0184】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図25の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図10(A)および図10(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0185】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S107)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
【0186】
特別動作処理(S107)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理(S108)を行う。なお、振分装置16Dを作動させるのは、第2大入賞装置15Dを用いた特別遊技を行う場合である。但し、振分装置16Dを、電源投入から常に一定動作で作動させてもよい。
【0187】
次に、遊技制御用マイコン101は、出力処理(S112)を実行する。出力処理(S112)では、上記の各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0188】
その後、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S113)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S113)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S113)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
【0189】
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し(図25参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。
【0190】
[2-1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理、排出口センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0191】
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0192】
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
【0193】
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
【0194】
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
【0195】
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0196】
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0197】
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
【0198】
排出口センサ処理では、排出口センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。
【0199】
[2-2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0200】
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
【0201】
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
【0202】
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
【0203】
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
【0204】
[2-3.特別動作処理]
特別動作処理(S107)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0205】
[2-3-1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数に基づいて、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理を行うとともに、特図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数に基づいて、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理を行うとともに、特図1保留記憶部シフト処理を行う。
【0206】
図2判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特図2大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
【0207】
図2変動パターン判定処理は、特図2判定処理の後に行われる処理である。特図2変動パターン判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図2変動パターン判定テーブルとを用いて、特図2変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図2変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図2変動パターンが判定される。なお、特図2変動パターンの判定は、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特図2変動パターンを表す特図2変動開始コマンドを生成する。特図2変動開始コマンドには、特図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の可変表示を開始させる。
【0208】
図2保留記憶部シフト処理は、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図2保留記憶部シフト処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図2保留数を表す特図2保留数コマンドを生成する。
【0209】
図1判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特図1大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
【0210】
図1変動パターン判定処理は、特図1判定処理の後に行われる処理である。特図1変動パターン判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図1変動パターン判定テーブルとを用いて、特図1変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図1変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図1変動パターンが判定される。なお、特図1変動パターンの判定は、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特図1変動パターンを表す特図1変動開始コマンドを生成する。特図1変動開始コマンドには、特図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の可変表示を開始させる。
【0211】
図1保留記憶部シフト処理は、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図1保留記憶部シフト処理では、特図1保留記憶部105aに記憶されていた特図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図1関係乱数を特図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図1保留数を表す特図1保留数コマンドを生成する。
【0212】
なお、特図2保留数および特図1保留数の何れも存在する場合、特図2判定処理が優先して行われ、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。つまり、遊技制御用マイコン101は、特図2保留がある場合には、特図1保留があっても特図1判定処理を行うことはない。なお、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが入賞順に行われるように構成したり、同時に行われるように構成したりしてもよい。
【0213】
[2-3-2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
【0214】
[2-3-3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特図2保留数および特図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
【0215】
[2-3-4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブルに従って、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。
【0216】
[2-3-5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
【0217】
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
【0218】
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、図27図29に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
【0219】
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図27に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0220】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0221】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、大当たり遊技演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
【0222】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0223】
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S112)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
【0224】
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図28に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
【0225】
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
【0226】
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図29に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
【0227】
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
【0228】
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、特図変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、特図変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SP大当たり変動やSPハズレ変動)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する特図変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、大当たり遊技演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出などの他の演出についても基本的には同じである。
【0229】
7.パチンコ遊技機PY1の特徴部
以下、パチンコ遊技機PY1の特徴部を詳細に説明する。なお、パチンコ遊技機PY1の特徴の1つは、セリフ演出にある。
【0230】
まず、パチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101が実行可能な大当たり遊技について説明する。遊技制御用マイコン101は、図30の大当たり遊技制御テーブルに示す各種の大当たり遊技(大当たり遊技1~4)を実行可能である。
【0231】
図30に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理(第1始動口11への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄1」又は「大当たり図柄2」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄1」を60%の割合で決定し、「大当たり図柄2」を40%の割合で決定する。また、遊技制御用マイコン101は、特図2判定処理(第2始動口12への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄3」又は「大当たり図柄4」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄3」を60%の割合で決定し、「大当たり図柄4」を40%の割合で決定する。
【0232】
そして、遊技制御用マイコン101は、決定した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。具体的には、「大当たり図柄1」が決定された場合に実行される「大当たり遊技1」、および、「大当たり図柄2」が決定された場合に実行される「大当たり遊技2」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから4Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放し、5Rから10Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14を開放する。この大当たり遊技の5Rから10Rまでは、第1大入賞口14の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口14への入賞が見込めないラウンドとなっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は10回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は4回である。
【0233】
また、「大当たり図柄3」が決定された場合に実行される「大当たり遊技3」、および、「大当たり図柄4」が決定された場合に実行される「大当たり遊技4」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの全てにおいて、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放する。つまり、この大当たり遊技は、ラウンド遊技の総数も実質的なラウンド遊技の回数も10回である。
【0234】
従って、実質的なラウンド遊技の回数が10回である「大当たり遊技3」や「大当たり遊技4」は、実質的なラウンド遊技の回数が4回である「大当たり遊技1」または「大当たり遊技2」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技3」や「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技1」または「大当たり遊技2」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
【0235】
次に、遊技制御用マイコン101が制御可能な遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン101は、「大当たり遊技1」、「大当たり遊技2」、「大当たり遊技3」、および「大当たり遊技4」の何れの大当たり遊技を実行した場合でも、大当たり遊技後の遊技状態を、時短状態(高ベース状態)に設定する。また、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」の何れかの大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を、高確率状態に設定する一方、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」の何れかの大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を、通常確率状態に設定する。つまり、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」の後は、高確率高ベース遊技状態(高確率状態且つ時短状態)に制御し、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」の後は、低確率高ベース遊技状態(通常確率状態且つ時短状態)に制御する。
【0236】
本形態では、大当たり遊技の終了に応じて高確率高ベース遊技状態に制御される大当たり(確変大当たりと称する)に当選した場合には、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の最終的な停止態様として、奇数図柄(1図柄、3図柄、5図柄、7図柄、又は9図柄)のゾロ目、又は、偶数図柄(2図柄、4図柄、6図柄、又は8図柄)のゾロ目が表示される。一方、大当たり遊技の終了に応じて低確率高ベース遊技状態に制御される大当たり(通常大当たりや時短大当たりと称する)に当選した場合には、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の最終的な停止態様として、偶数図柄のゾロ目が表示され、奇数図柄のゾロ目が表示されることはない。つまり、奇数図柄のゾロ目は確変大当たりが確定する。よって奇数図柄を確変図柄とも言う。また、偶数図柄のゾロ目は通常大当たりの可能性がある。よって偶数図柄を通常図柄とも言う。
【0237】
本形態では、「高確率高ベース遊技状態」は、次回の大当たり遊技が実行されるまで継続可能とする。一方、「低確率高ベース遊技状態」は、特図の可変表示の回数が100回(所定の上限実行回数)となるまで継続可能とする。
【0238】
従って、その後に高確率状態が設定される「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」は、その後に高確率状態が設定されない「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言える。また、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
【0239】
なお、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の種類を問わず、通常遊技状態よりも有利な遊技状態と言える。また、高確率状態の1つである「高確率高ベース遊技状態」は、通常確率状態の1つである「低確率高ベース遊技状態」よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。本明細書では、遊技者に有利な遊技状態を有利遊技状態あるいは有利状態と言うことがある。
【0240】
次に、非時短状態における特図1の変動パターン判定について説明する。遊技制御用マイコン101は、非時短状態では、図31に示す特図1変動パターン判定テーブルを用いて特図1変動パターンを判定する。
【0241】
遊技制御用マイコン101は、非時短状態に設定しているときの特図1変動パターン判定処理において、特図1判定処理で行った大当たり判定(特図判定)の結果、リーチ判定の結果、および特図変動パターン乱数に基づいて、特図1変動パターンを決定する。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、図31に示すように、大当たり判定において大当たり当選と判定したときには、「大当たり図柄1」である場合も「大当たり図柄2」である場合も、特図1変動パターンとして、「THP001」~「THP005」の何れかを決定することが可能である。何れの特図1変動パターンに決定するかは、特図変動パターン乱数によって振り分けられる。振分率は、図31に示す通りである。なお、特図変動パターンの振分率(選択割合)については、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更することが可能である。このことは、「THP001」~「THP005」以外の特図変動パターンについても同様である。
【0242】
また、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ有り」である場合には、特図1変動パターンとして、「THP021」~「THP025」の何れかを決定することが可能である。
【0243】
また、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ無し」である場合には、特図1変動パターンとして、「THP041」、「THP042」、「THP043」の3種類の何れかを決定することが可能である。この3種類の特図1変動パターンのうち何れに決定するかは、特図1保留数によって割り振られている。特図1保留数が0~2個の場合には、特図変動時間が比較的長い特図変動パターンが決定され易く、特図1保留数が3~4個の場合には、特図変動時間が比較的短い特図変動パターンが決定され易くなっている。
【0244】
ここで、特図1変動パターン「THP001」、「THP002」、「THP003」、「THP021」、「THP022」、「THP023」は、擬似連演出が実行される変動である。擬似連演出とは、1回の特別図柄の変動表示(特図変動)において複数回の変動が行われているように見せる演出であり、擬似連演出を伴う変動演出は、全ての演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を一旦仮停止表示させたあと再び変動表示させる再変動表示を1回以上含む。本形態では、仮停止表示に係る演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の出目は、所定の擬似連出目である。具体的には、中演出図柄EZ2を、擬似連演出の実行を示唆する擬似連図柄GZとする出目である(図41(E)参照)。擬似連図柄GZは、擬似連演出を意味する「擬似」の文字を含む演出図柄(アイコン)である。擬似連図柄GZの表示(擬似連表示)は、実行中の演出が擬似連演出であることを示す表示とも言えるし、擬似連演出の実行を示唆する表示とも言える。擬似連演出を、単に「擬似連」とも言う。また後述するように、擬似連演出は、実行される回数が多いほど大当たり期待度が高くなるように実行される。
【0245】
なお、仮停止表示とは、演出図柄の変動速度は「0」であるが、演出図柄が表示されている位置で揺れたり拡大や縮小を繰り返したりといった変化をしており、完全に停止していない状態を言う。これに対して、確定停止表示(確定的な停止表示)や最終停止表示(最終的な停止表示)と言った場合には、演出図柄が完全に停止している状態を言う。単に「停止表示」という場合は、仮停止表示を指すこともあるし、確定停止表示を指すこともある。
【0246】
特図変動パターン「THP001」および「THP021」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示を開始した後、2回の擬似連(再変動)を経て、Nリーチを行い、SPリーチに発展させる変動である。また、特図変動パターン「THP002」および「THP022」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示を開始した後、1回の擬似連(再変動)を経て、Nリーチを行い、SPリーチに発展させる変動である。また、特図変動パターン「THP003」および「THP023」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示を開始した後、1回の擬似連(再変動)を経て、Nリーチを行うがSPリーチには発展させない変動である。1回の擬似連(再変動)を含む変動を擬似2変動といい、2回の擬似連(再変動)を含む変動を擬似3変動という。つまり、特図変動パターン「THP001」は、擬似3SP大当たり変動であり、特図変動パターン「THP002」は、擬似2SP大当たり変動であり、特図変動パターン「THP003」は、擬似2N大当たり変動である。また、特図変動パターン「THP021」は、擬似3SPハズレ変動であり、特図変動パターン「THP022」は、擬似2SPハズレ変動であり、特図変動パターン「THP023」は、擬似2Nハズレ変動である。
【0247】
擬似連(再変動)が行われる場合には、その前に、擬似連が行われるか否かを煽る擬似連煽りが行われる。具体的には、擬似連煽りは、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が停止表示された後に行われる演出であって、中演出図柄EZ2として擬似連図柄GZが停止表示されるか否かを煽る演出である(図41(D)参照)。擬似連煽りでは、中演出図柄EZ2である擬似連図柄GZが停止位置に向けて比較的ゆっくりと移動表示される。これにより、中演出図柄EZ2として擬似連図柄GZが停止表示されるか否かが煽られる。擬似連煽りは、擬似連が実行されることに期待させる演出として機能する。
【0248】
擬似連煽りには、中演出図柄EZ2として擬似連図柄GZが停止表示される成功の態様と、擬似連図柄GZが停止表示されない失敗の態様とがある。失敗の擬似連煽りでは、擬似連図柄GZが所定の停止位置(中演出図柄EZ2の停止位置)で止まることなく表示部50aからフレームアウトするまで移動表示され、中演出図柄EZ2として、ハズレ目(バラケ目)を構成する数字図柄が停止表示される。
【0249】
擬似連(再変動)は、成功の擬似連煽りを経て行われる(図31に示す特図変動パターン「THP001」、「THP002」、「THP003」、「THP021」、「THP022」、「THP023」)。これに対して、失敗の擬似連煽りが行われた場合には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はハズレ目で停止表示される。特図変動パターン「THP041」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始された後、失敗の擬似連煽りが行われて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレ目で停止表示される変動である。特図変動パターン「THP041」を擬似ガセ変動と言う。
【0250】
また図31に示すように、特図1変動パターン「THP004」は、擬似連演出が行われることなくSPリーチまで発展する「SP大当たり変動」であり、特図1変動パターン「THP005」は、擬似連演出が行われることなく演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになるもののSPリーチには発展しない「N大当たり変動」である。
【0251】
また、特図1変動パターン「THP024」は、擬似連演出が行われることなくSPリーチまで発展する「SPハズレ変動」であり、特図1変動パターン「THP025」は、擬似連演出が行われることなく演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになるもののSPリーチには発展しない「Nハズレ変動」である。
【0252】
また、特図1変動パターン「THP042」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになることなく変動演出が10秒で終了する「通常Aハズレ変動」であり、「THP042」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになることなく変動演出が5秒で終了する「通常Bハズレ変動」である。なお、リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で、遊技者に有利な遊技状態になること(例えば大当たり遊技状態になること)を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。
【0253】
本形態では、図31に示すように、大当たりに当選している場合(大当たり変動の場合)には、SPリーチまで発展する変動演出が、Nリーチで終了する変動演出よりも実行され易い。一方、ハズレの場合(ハズレ変動の場合)には、SPリーチまで発展する変動演出よりも、Nリーチで終了する変動演出の方が実行され易い。すなわち本形態では、SPリーチは、Nリーチよりも大当たり期待度が高い演出となっている。
【0254】
また本形態では、図31に示すように、大当たりに当選している場合(大当たり変動の場合)には、擬似連演出を含む変動(THP001~003)が、擬似連演出を含まない変動(THP004~005)よりも選択され易く、擬似3変動(THP001)が擬似2変動(THP002~003)よりも選択され易い。一方、ハズレの場合(ハズレ変動の場合)には、擬似連演出を含む変動(THP021~023)よりも、擬似連演出を含まない変動(THP024~025)が選択され易く、擬似3変動(THP021)よりも擬似2変動(THP022~023)が選択され易い。すなわち本形態では、擬似3変動は、擬似2変動よりも大当たり期待度が高い変動となっており、擬似2変動は、擬似連演出を含まない変動よりも大当たり期待度が高い変動となっている。
【0255】
なお本形態では、SPリーチとしてバトルリーチが実行される。バトルリーチは、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行うリーチ演出である。バトルリーチには、当落分岐があり、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利する成功演出(勝利演出)、又は、主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北する失敗演出(敗北演出)に分岐する。成功演出は、遊技者に大当たりに当選していることを示唆する演出として機能する。失敗演出は、遊技者に大当たりに当選していないことを示唆する演出として機能する。本形態では、非時短状態における特図1の抽選に基づくバトルリーチとして、図21に示したリーチ演出が実行される。なお、演出制御用マイコン121は、特図変動演出を構成する各演出(通常変動、擬似連煽り、擬似連演出、Nリーチ、SPリーチなど)において、表示部50aに演出画像を表示するとともに、演出画像の表示に応じて、枠ランプ53や盤ランプ54を用いた発光演出や、スピーカ52を用いた音演出、可動装置55,56,58を用いた可動体演出、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)を用いた操作演出等を実行可能である。
【0256】
次に、時短状態(高確時短状態(高確率状態且つ時短状態)、低確時短状態(通常確率状態且つ時短状態))における特図2の変動パターン判定について説明する。遊技制御用マイコン101は、時短状態では、図32に示す特図2変動パターン判定テーブルを用いて特図2変動パターンを判定する。
【0257】
遊技制御用マイコン101は、時短状態に設定しているときの特図2変動パターン判定処理において、特図2判定処理で行った大当たり判定(特図判定)の結果、リーチ判定の結果、および特図変動パターン乱数に基づいて、特図2変動パターンを決定する。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、図32に示すように、大当たり判定において大当たり当選と判定したときには、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄3」であっても「大当たり図柄4」であっても、特図2変動パターンとして、「THP051」を選択する。また、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ有り」である場合には、特図2変動パターンとして、「THP061」を選択する。
【0258】
また、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ無し」である場合には、特図2変動パターンとして、「THP071」又は「THP072」の何れかを選択する。この2種類の特図2変動パターンのうち何れを選択するかは、特図2保留数に応じて振分率が異なっている。具体的には、特図2保留数が0~1個の場合には、特図変動時間が比較的長い特図変動パターンが決定され易く、特図2保留数が2~4個の場合には、特図変動時間が比較的短い特図変動パターンが決定され易くなっている。
【0259】
ここで、特図2変動パターン「THP051」は、演出図柄の変動表示が開始されると、Nリーチを経てSPリーチに発展し、そのSPリーチの結果として成功演出(当選報知演出)が実行される変動(SP大当たり変動)である。また、特図2変動パターン「THP061」は、演出図柄の変動表示が開始されると、Nリーチを経てSPリーチに発展し、そのSPリーチの結果として失敗演出(落選報知演出)が実行される変動(SPハズレ変動)である。また、特図2変動パターン「THP071」は、演出図柄がリーチになることなく変動演出が10秒で終了する「通常Cハズレ変動」であり、特図2変動パターン「THP072」は、演出図柄がリーチになることなく変動演出が3秒で終了する「通常Dハズレ変動」である。
【0260】
次に、演出制御用マイコン121によるセリフ演出の実行について説明する。本形態では、演出制御用マイコン121は、非時短状態中の特図1の抽選に基づく変動演出において、いわゆる予告演出の一種として、セリフ演出を実行可能である。セリフ演出には複数の種類がある。キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出の3種類である。各セリフ演出は、何れも複数のキャラクタが会話をする(セリフを言い合う、メッセージを発信し合う)演出であるが、キャラクタの表示態様、セリフの表示態様、セリフに対応する音声の出力態様などが異なっている。
【0261】
端的には、キャラクタ移動セリフ演出は、二人のキャラクタが会話をしながら表示部50aを右端から左端へ移動していく演出である(図41図42参照)。横書きセリフ演出は、キャラクタを静止画像で表示するとともに、そのキャラクタが発するセリフを横書きで表示する演出である(図43参照)。縦書きセリフ演出は、キャラクタを静止画像で表示するとともに、そのキャラクタが発するセリフを縦書きで表示する演出である(図44参照)。各セリフ演出の態様の詳細については後述する。
【0262】
セリフ演出の実行抽選は、図33に示すテーブルに基づいて行われる。図33に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似3SP大当たり変動」(THP001)、「擬似2SP大当たり変動」(THP002)、又は、「擬似2N大当たり変動」(THP003)である場合には、「キャラ移動セリフ演出」を40%の割合で選択し、「横書きセリフ演出」を20%の割合で選択し、「縦書きセリフ演出」を30%の割合で選択する。何れのセリフ演出も実行しない割合は10%である。なお本形態では、キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出が、1回の変動演出中に重複して行われることはない。
【0263】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「SP大当たり変動」(THP004)、又は、「N大当たり変動」(THP005)である場合には、「横書きセリフ演出」を20%の割合で選択し、「縦書きセリフ演出」を30%の割合で選択する。何れのセリフ演出も実行しない割合は50%であり、「キャラ移動セリフ演出」を選択することはない。
【0264】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似3SPハズレ変動」(THP021)、「擬似2SPハズレ変動」(THP022)、又は、「擬似2Nハズレ変動」(THP023)である場合には、「キャラ移動セリフ演出」を10%の割合で選択し、「横書きセリフ演出」を10%の割合で選択し、「縦書きセリフ演出」を10%の割合で選択する。何れのセリフ演出も実行しない割合は70%である。
【0265】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「SPハズレ変動」(THP024)、又は、「Nハズレ変動」(THP025)である場合には、「横書きセリフ演出」を10%の割合で選択し、「縦書きセリフ演出」を10%の割合で選択する。何れのセリフ演出も実行しない割合は80%であり、「キャラ移動セリフ演出」を選択することはない。
【0266】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似ガセ変動」(THP041)、又は、「通常Aハズレ変動」(THP042)である場合には、「横書きセリフ演出」を5%の割合で選択し、「縦書きセリフ演出」を5%の割合で選択する。何れのセリフ演出も実行しない割合は90%であり、「キャラ移動セリフ演出」を選択することはない。なお、演出制御用マイコン121が受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「通常Bハズレ変動」(THP043)である場合には、何れのセリフ演出も実行することはない。
【0267】
このように本形態では、いずれのセリフ演出も、大当たり変動の方がハズレ変動よりも実行され易い。よって、各セリフ演出は、大当たりに期待させる演出として機能する。また、各セリフ演出の実行確率は図33に示す表の通りとなっているため、各セリフ演出の大当たり期待度は、キャラ移動セリフ演出>縦書きセリフ演出>横書きセリフ演出の関係にある。また、キャラ移動セリフ演出は、擬似連演出が行われる変動(THP001~THP003、THP021~THP023)でのみ実行されることがある。よって、キャラ移動セリフ演出は、擬似連演出の実行を示唆する演出(言い換えれば、大当たり期待度が高い変動であることを示唆する演出)としても機能する。なお、キャラ移動セリフ演出を擬似連演出が行われない変動でも実行され得るように構成してもよい。また、縦書きセリフ演出および横書きセリフ演出は、リーチが成立しない変動(THP041、THP042)よりもリーチが成立する変動(THP021~THP025、THP001~THP005)の方が実行される確率が高いため、リーチの成立に期待させる演出としても機能する。
【0268】
セリフ演出の実行抽選の結果、キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出の何れかを実行すると決定した場合には、実行するセリフ演出の態様を決定する。具体的には、キャラ移動セリフ演出を実行すると決定した場合には、図34に示す態様選択テーブルに基づいて、キャラ移動セリフ演出の態様を選択する。キャラ移動セリフ演出には、3つの態様(「キャラA&B且つ通常セリフ」、「キャラA&B且つ特別セリフ」、「キャラC&D」)があり、各態様は、セリフを発するキャラクタの種類や、キャラクタが発するセリフの内容が異なっている。
【0269】
「キャラA&B且つ通常セリフ」の態様は、キャラクタAとキャラクタBとが通常のセリフを発する(会話をする)態様である。「キャラA&B且つ特別セリフ」の態様は、キャラクタAとキャラクタBとが特別なセリフを発する(会話をする)態様である。「キャラC&D」の態様は、キャラクタCとキャラクタDとがセリフを発する(会話をする)態様である。なお本形態では、キャラクタAは、野球部でピッチャーをしている高校生のキャラクタであり、キャラクタBは、野球部で強打者をしている高校生のキャラクタであり、キャラクタCは、ライバル校の野球部で強打者をしている高校生のキャラクタであり、キャラクタDは、ライバル校の野球部でマネージャーをしている高校生のキャラクタであるとする。キャラクタは、遊技機のモチーフに合わせて適宜変更可能である。また、通常のセリフおよび特別なセリフは、互いに内容がことなっていればよく、セリフの内容は適宜変更可能である。なお、後に図41及び図42に基づいて説明する演出例は、「キャラA&B且つ通常セリフ」の態様である。
【0270】
図34に示すキャラ移動セリフ演出の態様の抽選では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似3SP大当たり変動」(THP001)である場合には、「キャラA&B且つ通常セリフ」を20%の割合で選択し、「キャラA&B且つ特別セリフ」を30%の割合で選択し、「キャラC&D」を50%の割合で選択する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似2SP大当たり変動」(THP002)である場合には、「キャラA&B且つ通常セリフ」を20%の割合で選択し、「キャラA&B且つ特別セリフ」を50%の割合で選択し、「キャラC&D」を30%の割合で選択する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似2N大当たり変動」(THP003)である場合には、「キャラA&B且つ通常セリフ」を40%の割合で選択し、「キャラA&B且つ特別セリフ」を30%の割合で選択し、「キャラC&D」を30%の割合で選択する。
【0271】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似3SPハズレ変動」(THP021)である場合には、「キャラA&B且つ通常セリフ」を55%の割合で選択し、「キャラA&B且つ特別セリフ」を25%の割合で選択し、「キャラC&D」を20%の割合で選択する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似2SPハズレ変動」(THP022)である場合には、「キャラA&B且つ通常セリフ」を65%の割合で選択し、「キャラA&B且つ特別セリフ」を20%の割合で選択し、「キャラC&D」を15%の割合で選択する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似2Nハズレ変動」(THP023)である場合には、「キャラA&B且つ通常セリフ」を75%の割合で選択し、「キャラA&B且つ特別セリフ」を15%の割合で選択し、「キャラC&D」を10%の割合で選択する。
【0272】
このように本形態では、「キャラA&B且つ通常セリフ」は、ハズレ変動であるときの方が、大当たり変動であるときよりも選択され易い。一方、「キャラA&B且つ特別セリフ」や「キャラC&D」は、ハズレ変動であるときよりも、大当たり変動であるときの方が選択され易い。また、「キャラC&D」は、「キャラA&B且つ特別セリフ」よりもハズレ変動において選択され難い。よって本形態では、キャラ移動セリフ演出の各態様の大当たり期待度は、「キャラA&B且つ通常セリフ」<「キャラA&B且つ特別セリフ」<「キャラC&D」の関係にある。また、大当たり変動のうち擬似2N大当たり変動では、「キャラA&B且つ通常セリフ」が最も選択され易く、擬似2SP大当たり変動では、「キャラA&B且つ特別セリフ」が最も選択され易く、擬似3SP大当たり変動では、「キャラC&D」が最も選択され易い。よって、「キャラC&D」は、2回の擬似連(擬似3)を経てSPリーチが実行されることに期待させる演出として機能し、「キャラA&B且つ特別セリフ」は、1回の擬似連(擬似2)を経てSPリーチが実行されることに期待させる演出として機能する。
【0273】
次に、横書きセリフ演出の態様の抽選について説明する。演出制御用マイコン121は、セリフ演出の実行抽選において横書きセリフ演出を実行すると決定した場合には、図35に示す態様選択テーブルに基づいて、横書きセリフ演出の態様を選択する。横書きセリフ演出には、3つの態様(「キャラA&B、会話1、通常枠」、「キャラA&B、会話2、通常枠」、「キャラA&B、会話3、特別枠」)があり、各態様は、キャラクタが発するセリフの内容(会話の内容)が異なっていたり、セリフを囲む枠の態様が異なっていたりする。
【0274】
「キャラA&B、会話1、通常枠」の態様は、キャラクタAとキャラクタBとがある内容の会話(会話1)を行う態様である。「キャラA&B、会話2、通常枠」の態様は、キャラクタAとキャラクタBとが別の内容の会話(会話2)を行う態様である。「キャラA&B、会話3、特別枠」の態様は、キャラクタAとキャラクタBとが更に別の内容の会話(会話3)を行う態様である。横書きセリフ演出では、各キャラクタが発するセリフを囲む枠の画像(枠画像)が表示される。会話1および会話2のセリフは、通常の枠(通常枠)で囲まれるが、会話3は、通常の枠とは異なる特別な枠(特別枠)で囲まれる。つまり、「キャラA&B、会話1、通常枠」の態様、及び、「キャラA&B、会話2、通常枠」の態様は、キャラクタが発するセリフが通常枠で囲まれる態様であり、「キャラA&B、会話3、特別枠」の態様は、キャラクタが発するセリフが特別枠で囲まれる態様である。なお、通常枠と特別枠とは、異なる態様の枠であれば、適宜変更可能である。また、横書きセリフ演出の各会話の内容(セリフの内容)は、適宜変更可能である。なお、後に図43に基づいて説明する演出例は、「キャラA&B、会話1、通常枠」の態様であり、図43に示す枠画像G72および枠画像G75は、通常枠である。
【0275】
図35に示す横書きセリフ演出の態様の抽選では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、SPリーチに発展する大当たり変動(THP001、THP002、THP004)である場合には、「キャラA&B、会話1、通常枠」を15%の割合で選択し、「キャラA&B、会話2、通常枠」を35%の割合で選択し、「キャラA&B、会話3、特別枠」を50%の割合で選択する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、Nリーチで終わる大当たり変動(THP003、THP005)である場合には、「キャラA&B、会話1、通常枠」を20%の割合で選択し、「キャラA&B、会話2、通常枠」を35%の割合で選択し、「キャラA&B、会話3、特別枠」を45%の割合で選択する。
【0276】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、SPリーチに発展するハズレ変動(THP021、THP022、THP024)である場合には、「キャラA&B、会話1、通常枠」を60%の割合で選択し、「キャラA&B、会話2、通常枠」を30%の割合で選択し、「キャラA&B、会話3、特別枠」を10%の割合で選択する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、Nリーチで終わるハズレ変動(THP023、THP025)である場合には、「キャラA&B、会話1、通常枠」を70%の割合で選択し、「キャラA&B、会話2、通常枠」を20%の割合で選択し、「キャラA&B、会話3、特別枠」を10%の割合で選択する。
【0277】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、リーチが成立しないハズレ変動(THP041、THP042)である場合には、「キャラA&B、会話1、通常枠」を95%の割合で選択し、「キャラA&B、会話2、通常枠」を4%の割合で選択し、「キャラA&B、会話3、特別枠」を1%の割合で選択する。
【0278】
このように本形態では、「キャラA&B、会話1、通常枠」は、ハズレ変動であるときの方が、大当たり変動であるときよりも選択され易い。一方、「キャラA&B、会話2、通常枠」や「キャラA&B、会話3、特別枠」は、ハズレ変動であるときよりも、大当たり変動であるときの方が選択され易い。また、「キャラA&B、会話3、特別枠」は、「キャラA&B、会話2、通常枠」よりもハズレ変動において選択され難く、大当たり変動において選択され易い。よって本形態では、横書きセリフ演出の各態様の大当たり期待度は、「キャラA&B、会話1、通常枠」<「キャラA&B、会話2、通常枠」<「キャラA&B、会話3、特別枠」の関係にある。また、「キャラA&B、会話3、特別枠」は、SPリーチに発展する変動の方がNリーチで終わる変動よりも選択され易い。よって、「キャラA&B、会話3、特別枠」は、SPリーチに発展することに期待させる演出として機能する。また、「キャラA&B、会話1、通常枠」は、SPリーチに発展する変動よりも、Nリーチで終わる変動の方が選択され易い。よって、SPリーチに発展しないことを予感させる演出として機能する。
【0279】
次に、縦書きセリフ演出の態様の抽選について説明する。演出制御用マイコン121は、セリフ演出の実行抽選において縦書きセリフ演出を実行すると決定した場合には、図36に示す態様選択テーブルに基づいて、縦書きセリフ演出の態様を選択する。縦書きセリフ演出には、3つの態様(「キャラC&D、会話1、通常文字色」、「キャラC&D、会話2、通常文字色」、「キャラC&D、会話3、特別文字色」)があり、各態様は、キャラクタが発するセリフの内容(会話の内容)が異なっていたり、セリフを表す文字の色が異なっていたりする。
【0280】
「キャラC&D、会話1、通常文字色」の態様は、キャラクタCとキャラクタDとがある内容の会話(会話1)を行う態様である。「キャラC&D、会話2、通常文字色」の態様は、キャラクタCとキャラクタDとが別の内容の会話(会話2)を行う態様である。「キャラC&D、会話3、特別文字色」の態様は、キャラクタCとキャラクタDとが更に別の内容の会話(会話3)を行う態様である。縦書きセリフ演出では、各キャラクタが発するセリフを表す文字が通常の色(通常文字色)で表示されるときと、通常の色とは異なる特別な色(特別文字色)で表示されるときとがある。会話1および会話2のセリフは、通常文字色で表示されるが、会話3は、特別文字色で表示される。つまり、「キャラC&D、会話1、通常文字色」の態様、及び、「キャラC&D、会話2、通常文字色」の態様は、キャラクタが発するセリフが通常文字色で表示される態様であり、「キャラC&D、会話3、特別文字色」の態様は、キャラクタが発するセリフが特別文字色で表示される態様である。なお、通常文字色と特別文字色とは、異なる色であれば、何色に設定してもよい。また、縦書きセリフ演出の各会話の内容(セリフの内容)は、適宜変更可能である。なお、後に図44に基づいて説明する演出例は、「キャラC&D、会話1、通常文字色」の態様である。
【0281】
図36に示す縦書きセリフ演出の態様の抽選では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、SPリーチに発展する大当たり変動(THP001、THP002、THP004)である場合には、「キャラC&D、会話1、通常文字色」を10%の割合で選択し、「キャラC&D、会話2、通常文字色」を35%の割合で選択し、「キャラC&D、会話3、特別文字色」を55%の割合で選択する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、Nリーチで終わる大当たり変動(THP003、THP005)である場合には、「キャラC&D、会話1、通常文字色」を15%の割合で選択し、「キャラC&D、会話2、通常文字色」を35%の割合で選択し、「キャラC&D、会話3、特別文字色」を50%の割合で選択する。
【0282】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、SPリーチに発展するハズレ変動(THP021、THP022、THP024)である場合には、「キャラC&D、会話1、通常文字色」を65%の割合で選択し、「キャラC&D、会話2、通常文字色」を30%の割合で選択し、「キャラC&D、会話3、特別文字色」を5%の割合で選択する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、Nリーチで終わるハズレ変動(THP023、THP025)である場合には、「キャラC&D、会話1、通常文字色」を75%の割合で選択し、「キャラC&D、会話2、通常文字色」を20%の割合で選択し、「キャラC&D、会話3、特別文字色」を5%の割合で選択する。
【0283】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、リーチが成立しないハズレ変動(THP041、THP042)である場合には、「キャラC&D、会話1、通常文字色」を95%の割合で選択し、「キャラC&D、会話2、通常文字色」を4%の割合で選択し、「キャラC&D、会話3、特別文字色」を1%の割合で選択する。
【0284】
このように本形態では、「キャラC&D、会話1、通常文字色」は、ハズレ変動であるときの方が、大当たり変動であるときよりも選択され易い。一方、「キャラC&D、会話2、通常文字色」や「キャラC&D、会話3、特別文字色」は、ハズレ変動であるときよりも、大当たり変動であるときの方が選択され易い。また、「キャラC&D、会話3、特別文字色」は、「キャラC&D、会話2、通常文字色」よりもハズレ変動において選択され難く、大当たり変動において選択され易い。よって本形態では、縦書きセリフ演出の各態様の大当たり期待度は、「キャラC&D、会話1、通常文字色」<「キャラC&D、会話2、通常文字色」<「キャラC&D、会話3、特別文字色」の関係にある。また、「キャラC&D、会話3、特別文字色」は、SPリーチに発展する変動の方がNリーチで終わる変動よりも選択され易い。よって、「キャラC&D、会話3、特別文字色」は、SPリーチに発展することに期待させる演出として機能する。また、「キャラC&D、会話1、通常文字色」は、SPリーチに発展する変動よりも、Nリーチで終わる変動の方が選択され易い。よって、SPリーチに発展しないことを予感させる演出として機能する。
【0285】
次に、時短状態中の特図2に係る先読み判定について説明する。遊技制御用マイコン101は、時短状態では、図37に示す特図2先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)に基づいて、特図2に関する先読み判定(第2始動口12への入賞に基づく先読み判定)を行う。時短状態における先読み判定には、特別図柄乱数が大当たり判定で「大当たり」と判定されるか否かの判定と、リーチ乱数がリーチ判定で「リーチ有り」又は「リーチ無し」の何れと判定されるかの判定と、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンと判定されるかの判定とが含まれる。
【0286】
そして、遊技制御用マイコン101は、先読み判定により判明した特図変動パターンの情報を含む始動入賞コマンドを生成し、出力バッファにセットする。具体的には例えば、図37に示すように、特図2変動パターンが「SP大当たり変動」である旨の先読み判定結果である場合、その旨を示す始動入賞コマンド(コマンド121)を生成し、出力バッファにセットする。また、特図2変動パターンが「SPハズレ変動」である旨の先読み判定結果である場合、その旨を示す始動入賞コマンド(コマンド122)を生成し、出力バッファにセットする。また、特図2変動パターンが「通常ハズレ変動」(通常Cハズレ変動又は通常Dハズレ変動)である旨の先読み判定結果である場合、その旨を示す始動入賞コマンド(コマンド123)を生成し、出力バッファにセットする。
【0287】
次に、上記の各始動入賞コマンドを演出制御用マイコン121が受信した場合の先読み演出(先読み判定の結果に基づいて実行される演出)の抽選について説明する。本形態のパチンコ遊技機PY1は、時短状態中の先読み演出として先読みセリフ演出を実行可能である。先読みセリフ演出は、先読み判定の結果に基づいて、1又は連続する複数の特図変動にわたって実行されるセリフ演出であり、複数のキャラクタによるセリフ(メッセージ)のやり取りが、1変動につき1回のペースで行われる演出である(図46及び図47参照)。なお、先読み演出の実行契機となる特図保留を、ターゲット保留と言うものとする。つまり、先読みセリフ演出は、ターゲット保留よりも前に記憶された特図保留に基づく変動演出から、ターゲット保留に基づく変動演出までの連続する複数の変動演出にわたって実行され得る演出と言える。上述した各セリフ演出(キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出)を、先読みセリフ演出と区別するため、変動時セリフ演出とも称する。本明細書では、変動時セリフ演出だけを指してセリフ演出と言うこともあるし、先読みセリフ演出と変動時セリフ演出とを総称してセリフ演出と言うこともある。
【0288】
先読みセリフ演出の実行抽選は、図38(A)に示すテーブルに基づいて実行される。図38(A)に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した始動入賞コマンドが示す特図変動パターンが「SP大当たり変動」である場合、50%の割合で先読みセリフ演出を実行することに決定し、50%の割合で先読みセリフ演出を実行しないことに決定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した始動入賞コマンドが示す特図変動パターンが「SPハズレ変動」である場合、25%の割合で先読みセリフ演出を実行することに決定し、75%の割合で先読みセリフ演出を実行しないことに決定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した始動入賞コマンドが示す特図変動パターンが「通常ハズレ変動」である場合、3%の割合で先読みセリフ演出を実行することに決定し、97%の割合で先読みセリフ演出を実行しないことに決定する。
【0289】
このように本形態では、先読みセリフ演出は、大当たり当選の先読み判定結果であるときの方が、ハズレの先読み判定結果であるときよりも実行され易い。よって、先読みセリフ演出は、大当たり当選に期待させる演出として機能する。また、先読みセリフ演出は、SPリーチに発展する旨の先読み判定結果であるときの方が、SPリーチに発展しない通常ハズレの先読み判定結果であるときよりも実行され易い。よって、先読みセリフ演出は、SPリーチの実行に期待させる演出としても機能する。
【0290】
なお、演出制御用マイコン121は、図38(A)に示す実行抽選の結果、先読みセリフ演出を実行すると決定した場合、その決定に係る始動入賞(ターゲット保留)よりも前に記憶された特図保留がなければ(すなわちターゲット保留が1つ目の特図保留として記憶された場合には)、ターゲット保留に基づく変動演出においてのみ、先読みセリフ演出としてのセリフ(メッセージ)の表示を行う。また、ターゲット保留が2つ目の特図保留として記憶された場合には、ターゲット保留の1つ前に記憶された特図保留に基づく変動演出と、ターゲット保留に基づく変動演出とにおいて、セリフの表示を行う。また、ターゲット保留が3つ目の特図保留として記憶された場合、及び、4つ目の特図保留として記憶された場合には、ターゲット保留の2つ前に記憶された特図保留に基づく変動演出と、ターゲット保留の1つ前に記憶された特図保留に基づく変動演出と、ターゲット保留に基づく変動演出とにおいて、セリフの表示を行う。つまり、先読みセリフ演出は、最大で3変動にわたって連続して行われ得る所謂連続予告である。
【0291】
先読みセリフ演出の実行抽選の結果、先読みセリフ演出を実行すると決定した場合には、演出制御用マイコン121は続いて、図38(B)に示す態様選択テーブルに基づいて、先読みセリフ演出の態様の選択を行う。先読みセリフ演出の態様とは、先読みセリフ演出において、セリフ(メッセージ)を囲む枠の画像(枠画像)の最終的な態様(最終態様)のことであり、最終態様とは、ターゲット保留に基づくセリフ(メッセージ)の表示における枠画像の態様のことである。先読みセリフ演出における枠画像の最終態様には、枠の部分が青色で表示される「青色枠」と、枠の部分が赤色で表示される「赤色枠」とがある。なお、先読みセリフ演出に複数の態様を設けるにあたって、どの部分にどのような態様を設けるかは適宜変更可能である。後に図46及び図47に基づいて説明する演出例は、先読みセリフ演出における枠画像の最終態様が「赤色枠」の例である。
【0292】
図38(B)に示すように、先読みセリフ演出の態様の抽選では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した始動入賞コマンドが示す特図変動パターンが「SP大当たり変動」である場合、30%の割合で青色枠を選択し、70%の割合で赤色枠を選択する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した始動入賞コマンドが示す特図変動パターンが「SPハズレ変動」である場合、70%の割合で青色枠を選択し、30%の割合で赤色枠を選択する。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した始動入賞コマンドが示す特図変動パターンが「通常ハズレ変動」である場合、100%の割合で青色枠を選択し、赤色枠を選択することはない。
【0293】
このように本形態では、枠画像の最終態様を赤色枠とする先読みセリフ演出は、大当たり当選の先読み判定結果であるときの方が、ハズレの先読み判定結果であるときよりも実行され易い。よって、枠画像の最終態様を赤色枠とする先読みセリフ演出は、大当たり期待度が高いことを示唆する演出として機能する。また、枠画像の最終態様を赤色枠とする先読みセリフ演出は、SPリーチに発展する旨の先読み判定結果であるときのみ実行され、SPリーチに発展しない通常ハズレの先読み判定結果であるときには実行されない。よって、枠画像の最終態様を赤色枠とする先読みセリフ演出は、SPリーチの実行を示唆する演出としても機能する。
【0294】
次に、本パチンコ遊技機PY1における各種のセリフ演出の実行例を説明する。なお以下の説明では、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の図示を省略することがある。また、図41図44に示す街の背景画像は、通常遊技状態において設定される一の演出モードに応じた背景画像であるとする。
【0295】
図39は、各変動時セリフ演出(キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出)の実行タイミングを説明するタイミングチャートである。図39(A)は変動演出を示し、(B)はキャラ移動セリフ演出を示し、(C)は横書きセリフ演出を示し、(D)は縦書きセリフ演出を示している。
【0296】
<キャラ移動セリフ演出>図39(A)(B)に示すように、キャラ移動セリフ演出は、擬似連演出を伴う変動演出において擬似連(再変動)を跨いで実行される。具体的には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると間もなくして、キャラ移動セリフ演出が開始される。図41(A)(B)に示すように、キャラ移動セリフ演出(ここでは「キャラA&B且つ通常セリフ」の態様)では、まず、キャラクタA(キャラA画像G50)とキャラクタB(キャラB画像G52)とが表示部50aの右端下部に表示される。このキャラ移動セリフ演出は、キャラクタAとキャラクタBとが会話をしながら表示部50aの下部を左方へ移動していく演出である(図41(C)~(F)、図42(A)~(B))。キャラ移動セリフ演出においてキャラクタAおよびキャラクタBは最終的に表示部50aの左端へフレームアウトする(図42(B)~(C))。
【0297】
図39(B)に示すように、キャラ移動セリフ演出では、キャラクタA(キャラA)とキャラクタB(キャラB)とが交互にセリフを発する。すなわち、キャラクタAが1つ目のセリフ(キャラAのセリフ1)を発すると、これに応えるようにキャラクタBが1つ目のセリフ(キャラBのセリフ1)を発する。そしてまたこれに応えるように、キャラクタAが2つ目のセリフ(キャラAのセリフ2)を発し、これに応えるようにキャラクタBが2つ目のセリフ(キャラBのセリフ2)を発する。そして更にこれに応えるように、キャラクタAが3つ目のセリフ(キャラAのセリフ3)を発し、これに応えるようにキャラクタBが3つ目のセリフ(キャラBのセリフ3)を発する。これで二人のキャラクタによる会話は終了する。なお、擬似連演出を伴う変動において、キャラAのセリフ1からキャラAのセリフ2までが、変動開始から擬似連までの区間(初回の変動区間)に伴って行われ、キャラBのセリフ2からキャラBのセリフ3までが、1回目の擬似連(再変動)からリーチまでの区間(擬似2の変動区間)に伴って行われる(図39(A)(B)参照)。キャラ移動セリフ演出は、擬似連を跨いで実行されるため、横書きセリフ演出や縦書きセリフ演出よりも演出時間の長い演出である。
【0298】
具体的には、キャラ移動セリフ演出ではまず、図41(B)(C)に示すように、キャラクタAの「調子良さそうだな!」というセリフ(キャラAのセリフ1、キャラAセリフ1画像G53)が表示され、続いて図41(D)に示すように、キャラクタBの「試合が近いしな!」というセリフ(キャラBのセリフ1、キャラBセリフ1画像G54)が表示される。キャラクタAとキャラクタBの各セリフ1の組み合わせは、1つの単位セリフ演出を構成する。ここで、キャラクタBのセリフが表示される際には、その前に表示されたキャラクタAのセリフは非表示とされる。このようにキャラクタ移動セリフ演出では、先行するセリフの表示を消してから、後続するセリフを表示する。これにより、複数のキャラクタが移動しながら各キャラクタが何度もセリフを発する演出であっても、セリフの表示が煩雑にならないようにしている。
【0299】
その後、キャラクタBのセリフ1が非表示とされると、図41(E)に示すように、キャラクタAの「オレ達ががんばらないと!」というセリフ(キャラAのセリフ2、キャラAセリフ2画像G55)が表示され、続いて、キャラクタAのセリフ2が非表示とされると、図41(F)に示すように、キャラクタBの「ホームラン狙うぜ!」というセリフ(キャラBのセリフ2、キャラBセリフ2画像G56)が表示される。この時点で、キャラクタAおよびキャラクタBは、表示部50aの中央よりも左寄りの位置まで移動している。キャラクタAとキャラクタBの各セリフ2の組み合わせは、1つの単位セリフ演出を構成する。
【0300】
そして更に、キャラクタBのセリフ2が非表示とされると、図42(A)に示すように、キャラクタAの「燃えているな!」というセリフ(キャラAのセリフ3、キャラAセリフ3画像G57)が表示され、キャラクタAのセリフ3が非表示とされると続いて、図42(B)に示すように、キャラクタBの「熱いぜ!」というセリフ(キャラBのセリフ3、キャラBセリフ3画像G58)が表示される。なお、このキャラBのセリフ3では、「熱」の文字が他の文字よりも強調されて表示される。これにより、大当たり期待度が高いことが遊技者にわかり易く示唆される。キャラBのセリフ3が表示されると間もなくして、キャラクタBも表示部50aの左端にフレームアウトする。これによりキャラ移動セリフ演出が終了する。その後、例えば、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチを形成し、NリーチやSPリーチといったリーチ演出が行われる(図42(C))。キャラクタAとキャラクタBの各セリフ3の組み合わせは、1つの単位セリフ演出を構成する。
【0301】
ここで、キャラ移動セリフ演出では、各キャラクタが発するセリフを表す文字は表示されるものの、そのセリフに対応する音声の出力はなされない(図39(B)参照)。これは次の理由による。すなわち、キャラ移動セリフ演出は、擬似連(再変動)を跨ぐような長い演出時間にわたって実行される。この間には、変動演出に関する種々の音(演出音)がスピーカ52から出力される。具体的には、BGM(図41(A))や、変動演出を開始する際の効果音(図41(B)(F))、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示される際の効果音(図41(C)、図42(A))、擬似連図柄GZが中演出図柄EZ2として停止表示されるかを煽る効果音(図41(D))、擬似連図柄GZが中演出図柄EZ2として停止表示されたとき(擬似連煽りが成功したとき)の効果音(図41(E))、リーチが成立したときの効果音や音声(図42(C))が、スピーカ52から出力される。仮にキャラ移動セリフ演出においてセリフに対応する音声を出力してしまうと、これらの変動演出(擬似連を伴う変動演出)に関する音が聞き取り難くなってしまうおそれがある。そこで本形態では、キャラ移動セリフ演出ではセリフに対応する音声を出力しないこととして、変動演出に関する音が聞き取り難くならないようにしている。
【0302】
なお、キャラ移動セリフ演出では、各キャラクタのセリフが吹き出しの中に表示される。言い換えれば、吹き出しを表す吹き出し画像(キャラクタAのセリフを囲む吹き出し画像G60、キャラクタBのセリフを囲む吹き出し画像G62)の内部にセリフを表す文字画像(G53~G58)が表示される(図41図42参照)。これにより、各キャラクタの音声が出力されなくても、各キャラクタが会話していることが遊技者に容易に認識される。また、キャラ移動セリフ演出の態様が「キャラC&D」である場合は、キャラクタAに代えてキャラクタCが表示され、キャラクタBに代えてキャラクタDが表示されることとなり、これらのキャラクタが所定の会話をしながら表示部50aの右端から左端へ移動していく演出となる。
【0303】
<横書きセリフ演出>次に横書きセリフ演出について説明する。図39(A)(C)に示すように、横書きセリフ演出は、変動演出において擬似連を跨いで実行されることはなく、変動開始から再変動までの区間や、変動開始からリーチの成立までの区間といった単位変動区間内で実行される。具体的には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると間もなくして、横書きセリフ演出が開始される。図43(A)(B)に示すように、横書きセリフ演出では、まず、キャラクタAを表すアイコン(キャラAアイコン画像G70)が表示部50aの左端下部に表示される。続いて図43(C)に示すように、キャラクタAのセリフを表す文字(キャラAセリフ画像G71)が、キャラAアイコン画像G70の右方に横書きで表示されるとともに、キャラクタAのセリフに対応する音声がスピーカ52から出力される。
【0304】
その後、図43(D)に示すように、キャラAアイコン画像G70およびキャラAセリフ画像G71が表示されたまま、キャラクタAの会話の相手であるキャラクタBを表すアイコン(キャラBアイコン画像G73)が表示部50aの右端上部に表示される。続いて図43(E)に示すように、キャラクタBのセリフを表す文字(キャラBセリフ画像G74)が、キャラBアイコン画像G73の左方に横書きで表示されるとともに、キャラクタBのセリフに対応する音声がスピーカ52から出力される。このようにキャラクタAおよびキャラクタBが1回ずつセリフを発して、横書きセリフ演出は終了する。横書きセリフ演出が終了すると、例えば図43(F)に示すように、リーチが成立するかが煽られる。そして、リーチが成立した場合は、リーチ演出に発展し、リーチが成立しなかった場合は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレ目で停止表示されて、変動演出が終了する。
【0305】
ここで、横書きセリフ演出のセリフ(会話)の種類について図40に基づいて説明する。上述したように本形態では、横書きセリフ演出のセリフの種類には、3つの種類がある(会話1~3、図35参照)。図40に示すように、横書きセリフ演出におけるセリフの長さは、会話の種類がいずれの種類であっても、縦書きセリフ演出におけるセリフの長さ(後述)に比べて長い。具体的には、横書きセリフ演出における会話1では、キャラクタAが「明日の天気は晴れみたいだから、予定通り野球の試合ができそうだよ。」という32文字からなるセリフを発し、キャラクタBが「楽しみだな!投手の〇〇からホームラン2本打ってやるぜ!」という27文字からなるセリフを発する。また、横書きセリフ演出における会話2では、キャラクタAが「コーチが考えた新しい練習メニュー、きつ過ぎるよな。」という25文字からなるセリフを発し、キャラクタBが「でも頑張って練習したら〇〇高校にだって試合で勝てそうだよな。」という30文字からなるセリフを発する。また、横書きセリフ演出における会話3では、キャラクタAが「〇〇高校のピッチャー、練習で腕を骨折してしまったらしいよ。」という29文字からなるセリフを発し、キャラクタBが「今度の試合のピッチャー、誰が出るのかな?」という20文字からなるセリフを発する。
【0306】
このように本形態では、横書きセリフ演出における何れの会話も、キャラクタAのセリフおよびキャラクタBのセリフが長い(セリフを構成する文字数が多い)。そのため、横書きセリフ演出では、キャラクタAのセリフを表す文字(キャラAセリフ画像G71)は、セリフを表す文字を囲む枠の画像(枠画像G72)に囲われ(図43(C)~(E))、キャラクタBのセリフを表す文字(キャラBセリフ画像G74)は、セリフを表す文字を囲む枠の画像(枠画像G75)に囲われる(図43(E))。これにより、各キャラクタの発するセリフが長くても、セリフの範囲を明確に遊技者に認識させることが可能である。この点は、後に詳述する縦書きセリフ演出と大きく異なるところである。
【0307】
また、横書きセリフ演出では、各キャラクタのセリフが音声で出力されるが、横書きセリフ演出は、擬似連(再変動)に跨って行われることがない演出、すなわち、上述のキャラ移動セリフ演出と比べて演出時間が短いセリフ演出であるため、セリフに対応する音声を出力しても、変動演出の邪魔になることはない。
【0308】
<縦書きセリフ演出>次に縦書きセリフ演出について説明する。図39(A)(D)に示すように、縦書きセリフ演出は、変動演出において擬似連を跨いで実行されることはなく、上述した横書きセリフ演出(図39(C))と同様、変動開始から再変動までの区間や、変動開始からリーチの成立までの区間といった単位変動区間内で実行される。具体的には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると間もなくして、縦書きセリフ演出が開始される。図44(A)(B)に示すように、縦書きセリフ演出では、まず、キャラクタCを表すアイコン(キャラCアイコン画像G80)が表示部50aの左側に表示されるとともに、キャラクタDを表すアイコン(キャラDアイコン画像G83)が表示部50aの右側に表示される。
【0309】
その後、図44(C)に示すように、キャラCアイコン画像G80およびキャラDアイコン画像G83が表示されたまま、キャラクタCのセリフを表す文字(キャラCセリフ画像G81)が、キャラCアイコン画像G80の右方に縦書きで表示されるとともに、キャラクタCのセリフに対応する音声がスピーカ52から出力される。そして続いて、キャラCセリフ画像G81が表示されたまま、図44(D)に示すように、キャラクタDのセリフを表す文字(キャラDセリフ画像G84)が、キャラDアイコン画像G83の左方に縦書きで表示されるとともに、キャラクタDのセリフに対応する音声がスピーカ52から出力される。
【0310】
このようにキャラクタCおよびキャラクタDが1回ずつセリフを発して、縦書きセリフ演出は終了する。縦書きセリフ演出が終了すると、例えば図44(E)に示すように、リーチが成立するかが煽られる。そして、リーチが成立した場合は、リーチ演出に発展し、リーチが成立しなかった場合は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレ目で停止表示されて、変動演出が終了する。
【0311】
ここで、縦書きセリフ演出のセリフ(会話)の種類について図40に基づいて説明する。上述したように本形態では、縦書きセリフ演出のセリフの種類には、3つの種類がある(会話1~3、図36参照)。図40に示すように、縦書きセリフ演出におけるセリフの長さは、会話の種類がいずれの種類であっても、上述した横書きセリフ演出におけるセリフの長さに比べて短い。具体的には、縦書きセリフ演出における会話1では、キャラクタCが「バットを取って!」という8文字からなるセリフを発し、キャラクタDが「OK!」という3文字からなるセリフを発する。また、縦書きセリフ演出における会話2では、キャラクタCが「グローブ破れてる!」という9文字からなるセリフを発し、キャラクタDが「直すよ!」という4文字からなるセリフを発する。また、縦書きセリフ演出における会話3では、キャラクタCが「弁当もってきた?」という8文字からなるセリフを発し、キャラクタDが「もちろん!」という5文字からなるセリフを発する。
【0312】
このように本形態では、縦書きセリフ演出における何れの会話も、キャラクタCのセリフおよびキャラクタDのセリフが短い(セリフを構成する文字数が少ない)。そのため、縦書きセリフ演出では各キャラクタのセリフが枠で囲まれていなくても、セリフの範囲が遊技者にとってわかり難くなることはない。そのため縦書きセリフ演出では、図44(C)(D)に示すようにセリフを枠で囲むことなく表示するようにしている。この点は、上述した横書きセリフ演出と大きく異なるところである。すなわち横書きセリフ演出と縦書きセリフ演出とは、セリフを表す文字の表示方向が左右方向(横書き)と上下方向(縦書き)で異なっているだけでなく、セリフを表す文字を枠で囲むか否かも異なっている。よって、ある1台の遊技機において複数のセリフ演出(横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出)が適宜実行され得るように構成されていても、遊技者は各セリフ演出が別種の演出であることを容易に認識することが可能である。
【0313】
なお本形態では、縦書きセリフ演出においては、キャラクタが発するセリフを表す文字は枠の画像で囲まれないものの、キャラクタCのアイコン(キャラCアイコン画像G80)は枠の画像(枠画像G82)によって囲まれ、キャラクタDのアイコン(キャラDアイコン画像G83)も枠の画像(枠画像G85)によって囲まれている(図44(B)~(D)参照)。この点も、キャラクタのアイコン(キャラAアイコン画像G70、キャラBアイコン画像G73)が枠の画像に囲まれない横書きセリフ演出(図43)と異なる点であり、これにより、両セリフ演出の区別がより容易になっている。
【0314】
また、縦書きセリフ演出では、横書きセリフ演出と同様、各キャラクタのセリフが音声で出力されるが、縦書きセリフ演出は、擬似連(再変動)に跨って行われることがない演出、すなわち、上述のキャラ移動セリフ演出と比べて演出時間が短いセリフ演出であるため、セリフに対応する音声を出力しても、変動演出の邪魔になることはない。
【0315】
<先読みセリフ演出>次に、先読みセリフ演出について説明する。図45は、先読みセリフ演出の実行タイミングを説明するタイミングチャートである。図45(A)は変動演出を示し、(B)は先読みセリフ演出を示している。上述したように、先読みセリフ演出は、最大で3回の連続する特図変動にわたって継続して実行される。
【0316】
図45は、先読みセリフ演出が3回の連続する特図変動にわたって継続して実行される場合を示している。図45に示すように、ターゲット保留(先読みセリフ演出の実行契機となった始動入賞に対応する特図保留)よりも2つ前に記憶された特図保留に基づく変動演出の開始に際して、まず、キャラクタAがセリフ1を発する先読みセリフ演出が実行される。キャラクタAのセリフ1は、表示部50aにおける特定位置(図46(A)に示す第1の表示領域50x内)に表示されるとともに、音声としてスピーカ52から出力される。第1の表示領域50xを初期表示領域とも言い、特定位置を初期表示位置とも言う。
【0317】
次に、ターゲット保留よりも1つ前に記憶された特図保留に基づく変動演出の開始に際して、キャラクタBがセリフ2を発する先読みセリフ演出が実行される。この2連続目の先読みセリフ演出が実行される場合、キャラクタAのセリフ1が特定位置から第1移動位置(図46(B)に示す第2の表示領域50y内)に移動され、この移動によって空いた特定位置(第1の表示領域50x内)に、キャラクタBのセリフ2が表示される。また、キャラクタBのセリフ2の表示に伴って、このセリフに対応する音声がスピーカ52から出力される。第2の表示領域50yを第1移動表示領域とも言う。
【0318】
続いて、ターゲット保留に基づく変動演出の開始に際して、キャラクタAがセリフ3を発する先読みセリフ演出が実行される。この3連続目の先読みセリフ演出が実行される場合、キャラクタAのセリフ1が第1移動位置から第2移動位置(図47(A)に示す第3の表示領域50z内)に移動されるとともに、キャラクタBのセリフ2が特定位置から第1移動位置(第2の表示領域50y内)に移動される。そして、これらの移動によって空いた特定位置(第1の表示領域50x内)に、キャラクタAのセリフ3が表示される。また、キャラクタAのセリフ3の表示に伴って、このセリフに対応する音声がスピーカ52から出力される。第3の表示領域50zを第2移動表示領域とも言う。
【0319】
このように先読みセリフ演出では、ターゲット保留に基づく先読みセリフ演出の実行が終了するまで、先行して表示された各セリフが、その表示位置を変更しながら継続して表示される。この点は、上述した各変動時セリフ演出(キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出)と大きく異なる点である。なお、各種のセリフ演出において、先行して表示されるキャラクタを先行キャラクタと称し、後続して表示されるキャラクタを後続キャラクタと称する。また、先読みセリフ演出は、発信演出の一例であり、先読みセリフ演出における「キャラクタAのセリフ1の表示」、「キャラクタBのセリフ2の表示」、「キャラクタCのセリフ3の表示」は、単位発信演出の一例である。
【0320】
次に先読みセリフ演出の実行例を具体的に説明する。図46及び図47は、連続する3回の特図変動にわたって先読みセリフ演出が実行される例を示している。先読みセリフ演出が実行される特図変動のうち1変動目(ターゲット保留の2つ前の特図保留に基づく変動)では、1つ目の先読みセリフ演出として、図46(A)に示すように、キャラクタAのセリフ1が表示部50aに表示される。
【0321】
なお本形態では、先読みセリフ演出は、表示部50aの全域ではなく、表示部50aの一部である特定の表示領域50fに表示される。特定の表示領域50fは、表示部50aの左端部と右端部とを除いた表示領域であり、表示部50aの全幅の3/5程度の表示領域である。
【0322】
1つ目の先読みセリフ演出において、キャラクタAのセリフ1は、特定の表示領域50fにおける第1の表示領域50xに表示される。第1の表示領域50x内は、特定位置(初期表示位置)に相当する。キャラクタAのセリフ1の表示には、キャラクタAを表すアイコン(キャラAアイコン画像G90)と、キャラクタAのセリフ1を表す文字(キャラAセリフ1画像G91)と、キャラAアイコン画像G90およびキャラAセリフ1画像G91を囲む枠の画像(枠画像G92)とが含まれる。枠画像G92には、図46(A)に示すような所定のデザイン(形状や模様など)が施されている。キャラAアイコン画像G90と、キャラAセリフ1画像G91と、枠画像G92とを含む1つ目の先読みセリフ演出で表示される画像を、第1セリフ画像G94と言う。
【0323】
第1セリフ画像G94において、キャラAアイコン画像G90は遊技者から見て左側に位置し、キャラAセリフ1画像G91は遊技者から見て右側に位置する。第1セリフ画像G94は、特定の表示領域50fの左端50flに沿って表示される。第1セリフ画像G94の左右方向の幅寸法は、特定の表示領域50fの左右方向の幅寸法よりも短いため、第1セリフ画像G94の右端は、特定の表示領域50fの右端50frから離れて位置し、キャラAアイコン画像G90は、特定の表示領域50fの左端50flの近くに位置する。
【0324】
また、この演出例では、キャラクタAがセリフ1として「一人で頑張るなよ」というセリフ(メッセージ)を発信する。そして、このセリフ1の表示に伴って、セリフ1に対応する音声(「一人で頑張るなよ」という音声)がスピーカ52から出力される。
【0325】
続いて、次の変動演出(ターゲット保留の1つ前の特図保留に基づく変動演出)に伴う2つ目の先読みセリフ演出について説明する。2つ目の先読みセリフ演出では、図46(B)に示すように、キャラクタBのセリフ2が新たに表示部50aに表示される。キャラクタBのセリフ2の表示に際しては、第1セリフ画像G94を第1の表示領域50xから、第1の表示領域50xの上方の第2の表示領域50yに移動させ、これにより空いた第1の表示領域50xに、キャラクタBのセリフ2を表示する。第2の表示領域50y内は、第1移動位置に相当する。キャラクタBのセリフ2の表示には、キャラクタBを表すアイコン(キャラBアイコン画像G95)と、キャラクタBのセリフ2を表す文字(キャラBセリフ2画像G96)と、キャラBアイコン画像G95およびキャラBセリフ2画像G96を囲む枠の画像(枠画像G97)とが含まれる。キャラBアイコン画像G95と、キャラBセリフ2画像G96と、枠画像G97とを含む2つ目の先読みセリフ演出で表示される画像を、第2セリフ画像G99と言う。
【0326】
ここで、第2セリフ画像G99における枠画像G97のデザインは、第1セリフ画像G94における枠画像G92と左右対称(特定の表示領域50fの左右方向の中央に上下方向に沿って引いた線を対称軸とする線対称)になるデザインである。第2セリフ画像G99において、キャラBアイコン画像G95は遊技者から見て右側に位置し、キャラBセリフ2画像G96は遊技者から見て左側に位置する。また、第2セリフ画像G99は、特定の表示領域50fにおける右端50frに沿って表示される。第2セリフ画像G99の左右方向の幅寸法は、特定の表示領域50fの左右方向の幅寸法よりも短いため、第2セリフ画像G99の左端は、特定の表示領域50fの左端50flから離れて位置し、キャラBアイコン画像G95は、特定の表示領域50fの右端50frの近くに位置する。なお、先読みセリフ演出では、キャラクタAのセリフ(キャラAセリフ1画像G91)についてもキャラクタBのセリフ(キャラBセリフ2画像G96)についても、セリフ(メッセージ)を表す文字は枠内で左に詰めて表示される。よって、枠で囲まれたセリフの表示領域には、セリフの右側に余白が残る。
【0327】
また、この演出例では、キャラクタBがセリフ2として「頼ってもいいのか」というセリフ(メッセージ)を発信する。そして、このセリフ2の表示に伴って、セリフ2に対応する音声(「頼ってもいいのか」という音声)がスピーカ52から出力される。なお、セリフ2は、セリフ1に応答する内容となっている。
【0328】
続いて、次の変動演出(ターゲット保留に基づく変動演出)に伴う3つ目の先読みセリフ演出について説明する。3つ目の先読みセリフ演出では、図47(A)に示すように、キャラクタAのセリフ3が新たに表示部50aに表示される。キャラクタAのセリフ3の表示に際しては、第1セリフ画像G94を第2の表示領域50yから、第2の表示領域50yの上方の第3の表示領域50zに移動させるとともに、第2セリフ画像G99を第1の表示領域50xから第2の表示領域50yに移動させ、これにより空いた第1の表示領域50xに、キャラクタAのセリフ3を表示する。第3の表示領域50z内は、第2移動位置に相当する。キャラクタAのセリフ3の表示には、キャラクタAを表すアイコン(キャラAアイコン画像G190)と、キャラクタAのセリフ3を表す文字(キャラAセリフ3画像G191)と、キャラAアイコン画像G190およびキャラAセリフ3画像G191を囲む枠の画像(枠画像G192)とが含まれる。キャラAアイコン画像G190と、キャラAセリフ3画像G191と、枠画像G192とを含む3つ目の先読みセリフ演出で表示される画像を、第3セリフ画像G194と言う。
【0329】
ここで、第3セリフ画像G194におけるキャラAアイコン画像G190は、第1セリフ画像G94におけるキャラAアイコン画像G90と同じ画像である。また、第3セリフ画像G194における枠画像G192と、第1セリフ画像G94における枠画像G92とは、形状および模様が同じであるものの、色が異なる。具体的には、第1セリフ画像G94における枠画像G92は、枠の色が青色であるが、第3セリフ画像G194における枠画像G192は、枠の色が赤色である。上述したように、先読みセリフ演出は、枠画像の最終態様が青色枠である場合よりも赤色枠である場合の方が、大当たり期待度が高い(図38(B)参照)。図46及び図47に示す演出例は、枠画像の最終態様が赤色枠となる演出例である。
【0330】
第3セリフ画像G194において、キャラAアイコン画像G190は遊技者から見て左側に位置し、キャラAセリフ3画像G191は遊技者から見て右側に位置する。また、第3セリフ画像G194は、特定の表示領域50fにおける左端50flに沿って表示される。第3セリフ画像G194の左右方向の幅寸法は、特定の表示領域50fの左右方向の幅寸法よりも短いため、第3セリフ画像G194の右端は、特定の表示領域50fの右端50frから離れて位置し、キャラAアイコン画像G190は、特定の表示領域50fの左端50flの近くに位置する。これらは、第1セリフ画像G94と同様である。
【0331】
また、この演出例では、キャラクタAがセリフ3として「オレに任せな」というセリフ(メッセージ)を発信する。そして、このセリフ3の表示に伴って、セリフ3に対応する音声(「オレに任せな」という音声)がスピーカ52から出力される。なお、セリフ3は、セリフ2に応答する内容となっている。
【0332】
このようにして、連続する3回の特図変動にわたって、先読みセリフ演出が実行される。最後の先読みセリフ演出(3変動目の先読みセリフ演出)が終了すると、全てのセリフ画像(第1セリフ画像G94、第2セリフ画像G99、第3セリフ画像G194)が非表示とされ、続いて、例えば図47(B)に示すように、リーチが成立するかが煽られる。そして、リーチが成立した場合は、リーチ演出に発展し、リーチが成立しなかった場合は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレ目で停止表示されて、変動演出が終了する。なお本形態では、先読みセリフ演出の実行中は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を表示せずに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のみを表示する構成としているが、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と小図柄KZ1,KZ2,KZ3とを表示する構成としてもよい。
【0333】
なお、3変動目の先読みセリフ演出に係る第3セリフ画像G194が第1の表示領域50xに表示されている時間は、10秒(「第2の時間」の一例)であり、1変動目の先読みセリフ演出に係る第1セリフ画像G94が第1の表示領域50xに表示されている時間や、2変動目の先読みセリフ演出に係る第2セリフ画像G99が第1の表示領域50xに表示されている時間は、3秒(「第1の時間」の一例)である(図45参照)。すなわち、3変動目の先読みセリフ演出に係る第3セリフ画像G194が第1の表示領域50xに表示されている時間は、1変動目の先読みセリフ演出に係る第1セリフ画像G94が第1の表示領域50xに表示されている時間や、2変動目の先読みセリフ演出に係る第2セリフ画像G99が第1の表示領域50xに表示されている時間に比べて長い。これは、3変動目は、ターゲット保留に基づく特図変動であり、1変動目および2変動目は、ターゲット保留よりも前に記憶された特図保留に基づく特図変動であるためである。すなわち本形態では、ターゲット保留に基づく特図変動としては、SPリーチに発展する特図変動パターン(変動時間が比較的長い特図変動パターン)が選択され易く、ターゲット保留よりも前に記憶された特図保留に基づく特図変動としては、リーチが成立することなく終了する特図変動パターン(変動時間が比較的短い特図変動パターン)が選択され易いため(図32図38参照)、図45に示したように、3変動目の先読みセリフ演出に係る第3セリフ画像G194が第1の表示領域50xに表示されている時間は、1変動目の先読みセリフ演出に係る第1セリフ画像G94が第1の表示領域50xに表示されている時間や、2変動目の先読みセリフ演出に係る第2セリフ画像G99が第1の表示領域50xに表示されている時間に比べて長くなり易いと言える。言い換えれば本形態では、セリフ画像が第1の表示領域50xに表示されている時間が長い場合の特図変動の方が、セリフ画像が第1の表示領域50xに表示されている時間が短い場合の特図変動よりも、大当たり期待度が高い変動であると言える。
【0334】
以上説明したように先読みセリフ演出では、先行して表示されたセリフ画像(第1セリフ画像G94や第2セリフ画像G99)が、後続のセリフ画像(第2セリフ画像G99や第3セリフ画像G194)の表示後も、表示位置を変更して特定の表示領域50fに表示され続ける。特に本形態では、特図変動が1回行われる毎に、セリフ画像(第1セリフ画像G94、第2セリフ画像G99、第3セリフ画像G194)が1つずつ増えていく。従って、特図保留の消化が進んでいることを遊技者に認識させ易く、また、実行された先読みセリフ演出が何連続目の演出であるかを遊技者に認識させ易い。
【0335】
また、先読みセリフ演出では、あるキャラクタ(キャラクタA)が発信するセリフ(メッセージ)は、特定の表示領域50fの左端50flに寄せて表示され、別のキャラクタ(キャラクタB)が発信するセリフ(メッセージ)は、特定の表示領域50fの右端50frに寄せて表示される。従って、先行するセリフの発信者と、次のセリフの発信者とが異なることを遊技者に認識させ易い。
【0336】
8.実施形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、複数のキャラクタ(キャラクタA、キャラクタB)が1回ずつセリフを発する横書きセリフ演出(図43)が実行されるだけでなく、複数のキャラクタ(例えばキャラクタA、キャラクタB)が複数回ずつセリフを発生するキャラ移動セリフ演出(図41図42)が実行されることがあるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。
【0337】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、横書きセリフ演出よりもセリフ発生回数が多いキャラ移動セリフ演出の方が、横書きセリフ演出よりも長い時間をかけて実行される(図39(B)(C)参照)。そのため、キャラ移動セリフ演出を遊技者に十分に堪能させることが可能となり、演出による興趣向上が見込める。
【0338】
キャラ移動セリフ演出は横書きセリフ演出と比べて演出時間が長いところ、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラ移動セリフ演出では横書きセリフ演出とは異なりキャラクタが発したセリフが次のセリフの前に消える(図41(C)(D)参照)。そのため、擬似連演出を伴う変動演出の実行中に比較的演出時間の長いキャラ移動セリフ演出が実行されても、その変動演出の邪魔になり難い。よって、演出が全体として煩雑になるのが防止され、演出による興趣を高く維持することが可能である。
【0339】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、セリフを発するキャラクタ(キャラクタA、キャラクタB)が静止している横書きセリフ演出(図43)が実行されるだけでなく、セリフを発生するキャラクタ(例えばキャラクタA、キャラクタB)が移動するキャラ移動セリフ演出が実行されることがあるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。
【0340】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラクタが移動しながらセリフを発するキャラ移動セリフ演出が、キャラクタが静止してセリフを発する横書きセリフ演出よりも長い時間をかけて実行される(図39(B)(C)参照)。そのため、キャラクタが移動する斬新なキャラ移動セリフ演出を遊技者に十分に堪能させることが可能となり、演出による興趣向上が見込める。
【0341】
キャラ移動セリフ演出ではキャラクタが移動しながらセリフを発するところ、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラ移動セリフ演出では横書きセリフ演出とは異なりキャラクタが発したセリフが次のセリフの前に消えるため、変動演出の実行中にキャラクタが移動しながらセリフを発するキャラ移動セリフ演出が実行されても、変動演出の邪魔になり難い。よって、演出が全体として煩雑になるのが防止され、演出による興趣を高く維持することが可能である。なお仮に、キャラクタの移動表示に伴ってセリフも移動表示させる構成としたり、セリフを初めに表示した位置に残す構成としたりすると、表示内容が煩雑になり演出による遊技興趣を低下させる可能性がある。
【0342】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、或るセリフ(キャラAのセリフ)が次のセリフ(キャラBのセリフ)の発生後も残る横書きセリフ演出(図43)が実行されるだけでなく、或るセリフ(例えばキャラAのセリフ1)が次のセリフ(例えばキャラBのセリフ1)の発生までに消えるキャラ移動セリフ演出(図41及び図42)が実行されることがあるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。
【0343】
キャラ移動セリフ演出は横書きセリフ演出と比べて演出時間が長いところ、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラ移動セリフ演出は横書きセリフ演出とは異なりセリフに対応する音声の出力を含まない(図39(B)参照)。そのため、変動演出の実行中に比較的演出時間の長いキャラ移動セリフ演出が実行されても、変動演出に係る所定の演出音(BGMや効果音など、図41および図42参照)が聞き取り難くならない。よって、キャラ移動セリフ演出によって変動演出の興趣が低下してしまうのを防止することが可能である。言い換えれば本形態では、横書きセリフ演出(図43)は比較的演出時間が短くて、キャラクタのセリフに対応する音声の出力を含む一方、キャラ移動セリフ演出(図41及び図42)は比較的演出時間が長いものの、キャラクタのセリフに対応する音声の出力を含まない(図39(B)(C)参照)。そのため、変動演出の実行中にキャラ移動セリフ演出が実行されても、変動演出の演出音が聞き取り難くならない。よって、キャラ移動セリフ演出によって変動演出の興趣が低下してしまうのを防止することが可能である。
【0344】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラクタ(キャラクタA、キャラクタB)のセリフに対応する音声の出力を含む横書きセリフ演出(図43)が実行されるだけでなく、キャラクタ(例えばキャラクタA、キャラクタB)のセリフに対応する音声の出力を含まないキャラ移動セリフ演出(図41及び図42)が実行されることがあるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。
【0345】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラ移動セリフ演出(図41図42)では、キャラクタA(第1のキャラクタ)とキャラクタB(第2のキャラクタ)とのセリフのやりとりが複数回繰り返される。よって、斬新なセリフ演出となり、遊技興趣の向上が見込める。
【0346】
特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラ移動セリフ演出(図41図42)は、擬似連に跨ってセリフのやりとりが継続される。よって、斬新なセリフ演出となり、遊技興趣の向上が見込める。なお、擬似連演出を伴う変動演出には、複数回の図柄変動(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示)が含まれていると言えるものとする。
【0347】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラ移動セリフ演出では、擬似連に跨ってセリフのやりとりが継続されるものの、先行のセリフを非表示としてから、これに続く後続のセリフを表示する(図41図42参照)。よって、一旦表示したセリフをセリフ演出の終了まで表示し続ける構成と比べて、表示内容が煩雑になるのが防止され、演出による興趣が低下するのを抑制可能である。
【0348】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、先行キャラクタのセリフを移動させてから後続キャラクタのセリフを先行キャラクタのセリフを表示していたのと同じ表示領域(第1の表示領域50x)に表示する斬新な態様の先読みセリフ演出(図46及び図47)を実行可能であるため、遊技興趣を向上可能である。また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、新しいセリフの表示位置が特定位置(第1の表示領域50x内)に固定されているため、特定位置に注目していれば全てのセリフの出現を確認できる。よってセリフの見逃しによる興趣低下が生じ難い。なお、新しいセリフが表示される第1の表示領域50xは、第2の表示領域50yや第3の表示領域50zに比べて、当該アイコンTAの表示位置に近くなっており、このことも、新しいセリフを見逃し難くしている。
【0349】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、先読み判定の結果に基づいて、連続する複数回の特図変動にわたって先読みセリフ演出を実行可能である(図45参照)。よって、先読みセリフ演出を複数回の特図変動にわたって遊技者に十分に堪能させることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
【0350】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、先読みセリフ演出は、1回の特図変動毎に1つずつセリフを発するように実行される(図45図47参照)。そして、この先読みセリフ演出においては、後続のセリフが表示される際には先行のセリフが別の位置に移動していく。よって、いわゆる保留消化が進んでいることを遊技者に認識させ易い。
【0351】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、後続キャラクタのセリフが先行キャラクタのセリフとは異なる位置に表示される横書きセリフ演出(図43)を実行可能である上で、先行キャラクタのセリフを移動させて後続キャラクタのセリフを先行キャラクタのセリフを表示していたのと同じ表示領域(第1の表示領域50x)に表示する先読みセリフ演出(図46図47)も実行可能であるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。
【0352】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、先読みセリフ演出(図46図47)では、後続のキャラクタBに係る第2セリフ画像G99(第2の発信演出)が、先行するキャラクタAに係る第1セリフ画像G94(第1の発信演出)とは反対の端部(特定の表示領域50fの右端50fr)に寄って表示される(図46(A)(B)参照)。よって、セリフの発信者がキャラクタA(第1の発信者)とは別のキャラクタB(第2の発信者)に変わったことを遊技者に認識させ易い。よって、先読みセリフ演出(発信演出)がわかり易い演出となり、興趣向上が見込める。
【0353】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、先行する第1セリフ画像G94(第1の発信演出)における枠画像G92のデザインと、後続の第2セリフ画像G99(第2の発信演出)における枠画像G97のデザインとが、左右対称となっている(図46(B)参照)。よって、後続のセリフが、先行するセリフとは異なる発信者によるものであることがわかり易い。
【0354】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、先行する第1セリフ画像G94(第1の発信演出)においてセリフの発信者を表すキャラAアイコン画像G90の表示位置(特定の表示領域50fにおける左端50fl)とは反対の端部(特定の表示領域50fにおける右端50fr)に、後続の第2セリフ画像G99(第2の発信演出)においてセリフの発信者を表すキャラBアイコン画像G95が表示される(図46(B)参照)。すなわち、第1の発信演出と第2の発信演出とで、発信者を示すアイコン画像が表示される位置が反対の端部に変わる。そのため、両発信演出が異なる発信者によるものであることがよりわかり易い。
【0355】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、後続の第2セリフ画像G99(第2の発信演出)の表示後も、先行する第1セリフ画像G94(第1の発信演出)が表示され続ける。そのため、両発信演出が別々の端部(特定の表示領域50fにおける左端50fl、右端50fr)に寄って表示されている状態を遊技者が一度に視認でき(図46(B)参照)、複数の発信者(キャラクタA、キャラクタB)によるセリフ(メッセージ)のやり取りであることがわかり易い。
【0356】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、先読みセリフ演出において新たに表示されたセリフ画像が第1の表示領域50x(特定位置)に表示されている時間が長い場合の変動演出の方が、短い場合の変動演出よりも、大当たり期待度が高い(図32図38図45参照)。よって、新たに表示されたセリフ画像が第1の表示領域50x(特定位置)に表示されている時間の長さに注目させることが可能となり、先読みセリフ演出の興趣を向上可能である。
【0357】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラクタのセリフを表す文字が左右方向(第1方向)に沿って表示される横書きセリフ演出(図43)が実行されるだけでなく、キャラクタのセリフを表す文字が上下方向(第2方向)に沿って表示される縦書きセリフ演出(図44)が実行されることがあるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、横書きセリフ演出と縦書きセリフ演出とでセリフを表す文字の表示方向が異なるため、両セリフ演出が、別種類のセリフ演出であることが遊技者にわかり易い。なお、実際に製造される遊技機にはセリフ演出以外にも多種多様な予告演出が搭載されることが多いため、本形態のように複数種類のセリフ演出を実行可能に構成する場合には、セリフ演出の種類の違いが遊技者に容易に認識されるようにしておくことが望ましい。
【0358】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、横書きセリフ演出ではキャラクタのセリフを表す文字を囲む枠(枠画像G72、枠画像G75)が表示されるが(図43参照)、縦書きセリフ演出ではキャラクタのセリフを表す文字を囲む枠は表示されない(図44参照)。よって、両セリフ演出が、別種類のセリフ演出であることがよりわかり易い。
【0359】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、横書きセリフ演出は縦書きセリフ演出に比べてセリフが長くなっているところ(図40参照)、横書きセリフ演出のセリフは枠(枠画像G72、枠画像G75)で囲まれる(図43参照)。よって、長いセリフであってもセリフの範囲をわかり易く見せることが可能となっている。また、セリフが枠で囲まれない縦書きセリフ演出では、セリフが短くなっている(図40参照)。そのため、セリフを囲む枠の表示がなくても、セリフの範囲がわからなくなり難い(図44参照)。よって本形態では、どちらのセリフ演出でも、セリフの範囲を遊技者に容易に認識させることが可能である。
【0360】
9.変更例
以下、パチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成しても良い。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0361】
上記形態では、各種のセリフ演出を変動演出中に実行される構成としたが、大当たり演出や操作演出など、変動演出以外の演出中に実行される構成としてもよい。この場合、大当たり演出や操作演出などの演出が「他の演出」に相当する。
【0362】
また上記形態では、先読みセリフ演出(図46図47参照)を、連続する複数回の特図変動にわたって実行され得るいわゆる連続予告として実行する構成としたが、先読みセリフ演出(先読みセリフ演出と同じ態様のセリフ演出)を、1回の変動演出内で完結する演出として実行してもよい。つまり、先読み判定ではなく、変動開始時の判定に基づいて実行される演出としてもよい。この場合、擬似連演出を伴う変動演出において単位変動毎に1つのセリフを表示するように実行してもよいし、1回の単位変動内で複数のセリフが表示されるように実行してもよい。なお、単位変動とは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示を開始してから仮停止表示されるまでの変動を言う。擬似連演出を伴う変動演出には、複数回の単位変動が含まれていると言える。
【0363】
また上記形態において、横書きセリフ演出(図43)では、セリフの文字の表示方向(記載方向)が概ね横方向(左右方向)であれば多少斜めに傾いていてもよい。すなわち、斜めに傾いていても「第1方向に沿って表示」に含まれるものとする。また、縦書きセリフ演出(図44)では、セリフの文字の表示方向(記載方向)が概ね縦方向(上下方向)であれば多少斜めに傾いていてもよい。すなわち、斜めに傾いていても「第2方向に沿って表示」に含まれるものとする。
【0364】
また上記形態では、横書きセリフ演出の会話1~3の全てのセリフが、20文字以上と比較的文字数の多いセリフ(長いセリフ)で構成され、縦書きセリフ演出の会話1~3の全てのセリフが、9文字以下と比較的文字数の少ないセリフ(短いセリフ)で構成されていた(図40参照)。これに対して、横書きセリフ演出の方が縦書きセリフ演出よりも長いセリフが選択され易い構成であれば、横書きセリフ演出に、比較的文字数の少ない会話の種類が含まれていたり、縦書きセリフ演出に、比較的文字数の多い会話の種類が含まれていたりしてもよい。また、縦書きセリフ演出で選択され得るセリフの長さと、横書きセリフ演出で選択され得るセリフの長さの傾向に違いを設けなくてもよい。
【0365】
また上記形態では、先読みセリフ演出を、高確時短状態において特図2の変動に伴って実行され得る先読み演出として構成したが、通常遊技状態において実行され得る先読み演出として構成してもよい。この場合、特図1の変動に伴って実行され得る先読み演出として構成してもよい。そしてこのように構成する場合には、先読みセリフ演出の実行中は、変動時セリフ演出(キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出)を実行しない構成とするとよい。複数種類のセリフ演出が同時に実行され得る構成とすると、演出が煩雑になって遊技興趣が低下する可能性があるためである。また、先読みセリフ演出が実行された場合の大当たり期待度が、各変動時セリフ演出(キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出)の大当たり期待度よりも高くなるように構成するとよい。先読みセリフ演出に特別感を持たせることができるからである。なお、先読みセリフ演出が実行された場合の大当たり期待度は、各変動時セリフ演出(キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出)の大当たり期待度と同じでなければ、キャラ移動セリフ演出の大当たり期待度よりも低いが、横書きセリフ演出や縦書きセリフ演出の大当たり期待度よりも高いなど、適宜変更可能である。
【0366】
また上記形態では、キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出のうちの2種類以上が、1回の変動演出中に行われることがない構成としたが、1回の変動演出中に複数種類のセリフ演出が実行され得る構成としてもよい。この場合、変動演出中の各セリフ演出の実行タイミングをずらして、複数種類のセリフ演出が重複して実行される(同時に実行される)ことがないように構成するとよい。
【0367】
また上記形態において、先読みセリフ演出(図46図47)における移動表示後のセリフ画像(例えば、第2の表示領域50yに表示される第1セリフ画像G94など)を、初期表示位置(第1の表示領域50x内)に表示されていたときよりも、遊技者から認識し難い態様で表示する構成としてもよい。言い換えれば、初期表示位置に表示されるセリフ画像が第1移動位置(第2の表示領域50y内)や第2移動位置(第3の表示領域50z内)に表示されるセリフ画像よりも、目立つように表示する構成としてもよい。具体的には例えば、先読みセリフ演出において移動表示後のセリフ画像を、初期表示位置に表示していたときよりも薄く表示してもよい。
【0368】
また上記形態における先読みセリフ演出では、セリフの表示方向を左右方向とし(横書き)、先行するセリフ画像(例えば第1セリフ画像G94)を上方に移動させてから後続のセリフ画像(例えば第2セリフ画像G99)を表示する構成としたが、セリフの表示方向を上下方向とし(縦書き)、先行するセリフ画像を右方あるいは左方へ移動させてから後続のセリフ画像を表示する構成としてもよい。
【0369】
また上記形態では、先読みセリフ演出は最大で3回の連続する特図変動にわたって実行されるように構成したが、先読みセリフ演出の最大連続回数は適宜変更可能である。
【0370】
また、先読みセリフ演出では、枠画像(例えば枠画像G92)がセリフを表す文字(例えばキャラAセリフ1画像G91)だけでなく、キャラクタのアイコン(例えばキャラAアイコン画像G90)も囲む構成としたが、枠画像がセリフを表す文字を囲むが、キャラクタのアイコンを囲まない構成としてもよい。
【0371】
また上記形態では、キャラ移動セリフ演出(図41図42)では、キャラクタAがセリフを発した後にキャラクタBがセリフを発するやりとりを合計3回行う構成としたが、会話を繰り返す回数は、複数回であれば、適宜変更可能である。また、キャラ移動セリフ演出においてキャラクタAとキャラクタBとのセリフのやりとりが必ず複数回行われる構成としたが、複数回行われる場合と、1回だけ行われる場合とがある構成としてもよい。また、複数回行われる場合として、3回だけでなく、2回や4回以上行われる場合があってもよい。
【0372】
また上記形態では、キャラ移動セリフ演出(図41図42)は、擬似連演出を伴う変動演出において擬似連を跨いで実行されるように構成したが、先読み判定に基づく連続演出として、複数回の特図変動にわたって実行されるように構成してもよい。この場合、ターゲット保留に基づく変動演出中に、キャラ移動セリフ演出が終了して、リーチ演出に発展し得る構成とするとよい。
【0373】
また上記形態では、先読みセリフ演出においてセリフ(メッセージ)を発するキャラクタを示すアイコン画像(キャラAアイコン画像G90、キャラBアイコン画像G95など)を表示する構成としたが、先読みセリフ演出において、キャラAアイコン画像G90やキャラBアイコン画像G95などのアイコン画像を表示しない構成としてもよい。この場合、キャラクタAについてのみアイコン画像を表示しない構成としてもよいし、キャラクタBについてのみアイコン画像を表示しない構成としてもよい。また、先読みセリフ演出において、セリフ(メッセージ)を発した時刻を表す時刻画像を、各セリフ画像(第1セリフ画像G94、第2セリフ画像G99、第3セリフ画像G194)に含めて表示する構成としてもよい。このような構成とすれば、セリフ(メッセージ)のやりとりの臨場感を高めることが可能となる。
【0374】
また上記形態において、各種のセリフ演出(キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出、先読みセリフ演出)に係る抽選確率は、実現したい演出効果を害さない範囲で適宜変更可能である。また、各種のセリフ演出の演出内容は、実現したい演出効果を害さない範囲で適宜変更可能である。具体的には例えば、上記形態では、横書きセリフ演出、及び、先読みセリフ演出は、キャラクタAとキャラクタBとが登場する演出としたが、キャラクタCやキャラクタDが登場する場合があるなど、キャラクタAおよびキャラクタB以外のキャラクタがセリフを発するパターンがある演出としてもよい。また上記形態では、縦書きセリフ演出は、キャラクタCとキャラクタDとが登場する演出としたが、キャラクタAやキャラクタBが登場する場合があるなど、キャラクタCおよびキャラクタD以外のキャラクタがセリフを発するパターンがある演出としてもよい。また上記形態では、キャラ移動セリフ演出は、キャラクタAとキャラクタBとが登場する場合とキャラクタCとキャラクタDとが登場する場合とがある演出としたが、両方の場合の何れか一方だけがある演出としてもよい。また、各種のセリフ演出においてどのような態様を設けるかは適宜変更可能である。
【0375】
また上記形態では、各種のセリフ演出は、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチを形成する前に行われる構成としたが、各種のセリフ演出の全部又は一部が、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチを形成した後に、有利遊技状態(大当たり遊技状態など)になることに期待させる演出として実行される構成としてもよい。
【0376】
また上記形態では、図43に示す横書きセリフ演出(第1のセリフ演出)ではセリフを表す文字の表示方向を左右方向(第1方向の一例)としたが、左右方向以外の方向としてもよい。また、図44に示す縦書きセリフ演出(第2のセリフ演出)ではセリフを表す文字の表示方向を上下方向(第2方向の一例)としたが、第1のセリフ演出における文字の表示方向と異なっていれば、上下方向以外の方向としてもよい。
【0377】
また上記形態では、キャラクタAおよびキャラクタBが1回ずつセリフを発する横書きセリフ演出よりも、キャラクタAおよびキャラクタBが各3回ずつセリフを発するキャラ移動セリフ演出の方が、演出時間が長い構成とした。これに対して、キャラクタAおよびキャラクタBが1回ずつセリフを発するセリフ演出の演出時間と、キャラクタAおよびキャラクタBが各3回ずつセリフを発するセリフ演出の演出時間とが、同じになるように構成してもよい。この場合、後者のセリフ演出の方が、前者のセリフ演出よりも会話のテンポが速くなるように構成すればよい。また、キャラクタAおよびキャラクタBが1回ずつセリフを発するセリフ演出の方が、キャラクタAおよびキャラクタBが各3回ずつセリフを発するセリフ演出よりも、演出時間が長い構成としてもよい。
【0378】
また、キャラ移動セリフ演出では先行するセリフを非表示にしてから、後続のセリフを表示する構成としたが、表示内容が煩雑になる点を許容すれば、先行するセリフを表示したまま、後続のセリフを表示する構成としてもよい。
【0379】
また、キャラ移動セリフ演出ではセリフに対応する音声を出力しない構成としたが、変動演出の演出音が聞き取り難くなり得る点を許容すれば、セリフに対応する音声を出力する構成としてもよい。
【0380】
また上記形態では、全4種類のセリフ演出(キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出、先読みセリフ演出)を実行可能に構成したが、実行可能なセリフ演出の種類は、実現したい演出効果に応じて適宜変更可能である。例えば、キャラ移動セリフ演出と横書きセリフ演出の2種類を実行可能に構成したり、横書きセリフ演出と縦書きセリフ演出の2種類を実行可能に構成したり、横書きセリフ演出と先読みセリフ演出の2種類を実行可能に構成したり、キャラ移動セリフ演出のみを実行可能に構成したり、先読みセリフ演出のみを実行可能に構成したりしてもよい。また、全4種類のセリフ演出のうち任意の3種類を実行可能に構成してもよい。
【0381】
また、先読みセリフ演出では、キャラクタAに係る枠画像G92と、キャラクタBに係る枠画像G97とが左右対称のデザインとなるように構成したが、両者のデザインは左右対称ではなく同じであってもよい。
【0382】
また、先読みセリフ演出では、第1セリフ画像G94におけるキャラAアイコン画像G90は特定の表示領域50fにおける左端50fl寄りに表示され、第2セリフ画像G99におけるキャラBアイコン画像G95は特定の表示領域50fにおける右端50fr寄りに表示される構成としたが、両アイコン画像が特定の表示領域50fにおける同一端寄りに表示される構成としてもよい。例えば、後発のキャラクタBに係るセリフ画像として、アイコン画像の右方にセリフが位置するものを採用し、キャラクタAに係るセリフ画像もキャラクタBに係るセリフ画像も、特定の表示領域50fにおける左端50fl寄りに表示される構成としてもよい。
【0383】
また、先読みセリフ演出では、先行して表示したセリフ(メッセージ)に係る画像を、後続のセリフ(メッセージ)を表示する際に移動させることで、斬新なセリフ演出として構成したが、この斬新性を考慮しなければ、先行して表示したセリフを移動させることなく表示し続けたり、後続のセリフの表示に際して非表示としたりしてもよい。
【0384】
また上記形態では、先読みセリフ演出においてセリフ画像が初期表示位置(第1の表示領域50x内)に表示される時間が長い場合の変動演出の方が、短い場合の変動演出よりも、大当たり当選が報知される可能性が高い構成とした。これに対して、先読みセリフ演出においてセリフ画像が初期表示位置(第1の表示領域50x内)に表示される時間が短い場合の変動演出の方が、長い場合の変動演出よりも、大当たり当選が報知される可能性が高くなるように構成してもよいし、先読みセリフ演出においてセリフ画像が初期表示位置(第1の表示領域50x内)に表示される時間が変わらなくても、大当たり期待度が変化するよう構成してもよい。
【0385】
また、縦書きセリフ演出では、キャラクタが発したセリフを囲む枠(あるいは吹き出し)を表示しない構成としたが、横書きセリフ演出と同様、枠で囲む構成としてもよい。
【0386】
また、キャラ移動セリフ演出(図41図42)において、あるキャラクタが連続して複数回のセリフを発し得る構成としてもよい。この場合、セリフを囲む吹き出しの画像を、複数回のセリフにわたって表示し続けてもよい。具体的には例えば、図41(C)に示すように、キャラクタAの1回目のセリフとして、「調子良さそうだな!」のキャラAセリフ1画像G53と、これを囲む吹き出し画像G60を表示し、その後、吹き出し画像G60を表示したままキャラAセリフ1画像G53を非表示として、キャラクタAの2回目のセリフとして、「やる気が伝わってくるぜ!」のセリフ画像を表示する。そして、この「やる気が伝わってくるぜ!」のセリフ画像および吹き出し画像G60を非表示としてから、図41(D)に示すように、キャラクタBの「試合が近いしな!」のセリフ(キャラBセリフ1画像G54)と吹き出し画像G62とを表示する。このように、あるキャラクタについて、セリフを囲む吹き出しの画像(枠の画像)を表示したまま、先行表示したセリフを消して後続のセリフを表示する構成も、「複数回セリフを発する」に含まれるものとする。なお、このことは、キャラ移動セリフ演出以外のセリフ演出についても同様とする。
【0387】
また、先読みセリフ演出(図46図47)において、1回の特図変動中のセリフとして、あるキャラクタが複数回のセリフを発することがあってもよい。具体的には例えば、図47(A)に示すように、ターゲット保留に基づく特図変動中のセリフとして、キャラクタAの「オレに任せな」というセリフ(キャラAセリフ3画像G191)を表示した後、これを非表示として、「絶好調なんだ」というキャラクタAのセリフを、枠画像G192内に表示する構成としてもよい。この場合、「オレに任せな」というセリフの表示と、「絶好調なんだ」というセリフの表示とが、1つの単位発信演出を構成する。
【0388】
また、先読みセリフ演出(図46図47)における枠画像(枠画像G92、枠画像G97、枠画像G192)のデザイン(形状、模様、色、大きさなど)は、適宜変更可能である。具体的には例えば、セリフを囲む枠を楕円形としたり、ドット柄や格子柄、無地としたりしてもよい。
【0389】
なお本明細書において、各セリフ演出は、「第nのセリフ演出」(但し、nは正の整数)の形で適宜表記できるものとする。また、各セリフ演出において表示する各キャラクタ(キャラクタA~Dなど)は、「第nのキャラクタ」(但し、nは正の整数)の形で適宜表現できるものとする。
【0390】
また本明細書では、キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出、及び、先読みセリフ演出は、互いに種類の異なるセリフ演出と言うものとする。また、ある種類のセリフ演出(キャラ移動セリフ演出、横書きセリフ演出、縦書きセリフ演出、又は、先読みセリフ演出の何れか)について、セリフの内容(会話の内容)や、キャラクタの種類、セリフを囲む枠の色、セリフを表す文字の色などが異なる複数のパターンを指す場合、互いに態様が異なると言うものとする。
【0391】
また本明細書では、先読みセリフ演出において先行キャラクタのセリフが表示された位置と、後続キャラクタのセリフが表示された位置とが、完全に一致していなくても、図46及び図47に示すように第1の表示領域50xの範囲内に表示されていれば、各セリフは、「特定位置に表示」されていると言うものとする。すなわち、「特定位置に表示」には、先行キャラクタのセリフが表示された位置と完全に同じ位置に表示されることの他、先行キャラクタのセリフが表示された位置と完全に同じ位置の一部を含んでその近傍の位置に表示されることも含むものとする。
【0392】
また上記形態では、遊技球の入球し易さが変化しない第1始動口11(固定始動口)と、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(可変始動口、電チュー12Dに係る始動口)とを設けたが、いずれか一方のみを設けてもよい。
【0393】
また上記形態では、特図2判定処理が特図1判定処理よりも優先的に行われる(特図2の変動表示が特図1の変動表示よりも優先的に行われる)構成としたが、特図1判定処理が特図2判定処理よりも優先的に行われる(特図1の変動表示が特図2の変動表示よりも優先的に行われる)構成としてもよい。この場合、特図1抽選を特図2抽選よりも有利な大当たりに当選し易い抽選にするとよい。
【0394】
また上記形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。また、本発明をパチンコ遊技機に適用する場合、遊技機のゲーム性は遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。すなわち本発明は、遊技に支障をきたさなければ、いわゆる図柄確変機(当選した図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機)、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)、いわゆる確変ループタイプの遊技機(一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機)、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)、いわゆる1種2種混合機やハネモノタイプの遊技機などに、適宜採用することが可能である。
【0395】
また上記形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特図1と特図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特図1と特図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置50の表示部50aで表示し、サブ制御基板120にその制御を行わせても良い。また、遊技盤1の遊技領域6以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板100またはサブ制御基板120に行わせても良い。
【0396】
また上記形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
【0397】
なお、「遊技者に有利な状態(有利遊技状態、有利状態、又は、特別遊技状態)」と言う場合、全ての大当たり遊技状態がこれに該当する構成でなくてもよい。例えば、その後に高確率状態に制御される予定の大当たり遊技状態が「遊技者に有利な状態」に該当する構成としたり、実質10R等の相対的に多くの賞球を獲得可能な大当たり遊技状態が「遊技者に有利な状態」に該当する構成としたりしてもよい。また、「遊技者に有利な状態」は、大当たり遊技状態のことではなく、高確率状態のことであってもよく、また、高ベース状態(時短状態)のことであってもよい。「遊技者に有利な状態」を高確率状態や高ベース状態(時短状態)のこととする場合には、「遊技者に有利な状態」になることに期待させる種々の演出は、特別図柄の変動表示中の演出に限らず、大当たり遊技中の演出など、他のタイミングで行われる演出であってもよい。
【0398】
10.実施形態及びその変更例に示されている発明
上記した実施形態及びその変更例には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施形態等における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、手段Aは、以下の手段A1~A3の総称である。また手段Bは、以下の手段B1~B3の総称である。また手段Cは、以下の手段C1~C3の総称である。また手段Dは、以下の手段D1~D4の総称である。また手段Eは、以下の手段E1~E5の総称である。また手段Fは、以下の手段F1~F3の総称である。また手段Gは、以下の手段G1~G3の総称である。また手段Hは、以下の手段H1~H2の総称である。
【0399】
手段A1:
キャラクタのセリフを表示する第1のセリフ演出(横書きセリフ演出、図43)と、
前記第1のセリフ演出とは異なる演出であって、キャラクタのセリフを表示する第2のセリフ演出(キャラ移動セリフ演出、図41及び図42)と、を実行可能であり、
前記第1のセリフ演出では、複数のキャラクタがそれぞれ1回ずつセリフを発し、
前記第2のセリフ演出では、複数のキャラクタがそれぞれ複数回(実施形態では3回)セリフを発することを特徴とする遊技機。
【0400】
この構成の遊技機によれば、複数のキャラクタが1回ずつセリフを発する第1のセリフ演出が実行されるだけでなく、複数のキャラクタが複数回ずつセリフを発生する第2のセリフ演出が実行されることがあるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。
【0401】
手段A2:
手段A1に記載の遊技機であって、
前記第2のセリフ演出は、前記第1のセリフ演出よりも演出時間が長い(図39(B)(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0402】
この構成の遊技機によれば、第1のセリフ演出よりもセリフ発生回数が多い第2のセリフ演出が、第1のセリフ演出よりも長い時間をかけて実行されるため、第2のセリフ演出を遊技者に十分に堪能させることが可能となり、演出による興趣向上が見込める。
【0403】
手段A3:
手段A2に記載の遊技機であって、
前記第1のセリフ演出とも前記第2のセリフ演出とも異なる他の演出(変動演出)の実行中に、前記第1のセリフ演出を実行することと、
前記他の演出の実行中に、前記第2のセリフ演出を実行することと、が可能であり、
前記第1のセリフ演出では、或るセリフ(キャラAのセリフ)の次のセリフ(キャラBのセリフ)を表示する場合に当該或るセリフの表示が残り(図43(C)(E)参照)、
前記第2のセリフ演出では、或るセリフ(キャラAのセリフ1)の次のセリフ(キャラBのセリフ1)を表示する場合に当該或るセリフの表示が消える(図41(C)(D)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0404】
第2のセリフ演出は第1のセリフ演出と比べて演出時間が長いところ、この構成の遊技機によれば、第2のセリフ演出では第1のセリフ演出とは異なりキャラクタが発したセリフが次のセリフの前に消えるため、他の演出の実行中に比較的演出時間の長い第2のセリフ演出が実行されても、他の演出の邪魔になり難い。よって、演出が全体として煩雑になるのが防止され、演出による興趣を高く維持することが可能である。
【0405】
手段B1:
キャラクタのセリフを表示する第1のセリフ演出(横書きセリフ演出、図43)と、
前記第1のセリフ演出とは異なる演出であって、キャラクタのセリフを表示する第2のセリフ演出(キャラ移動セリフ演出、図41及び図42)と、を実行可能であり、
前記第1のセリフ演出では、セリフを発するキャラクタが静止しているキャラクタ画像(キャラAアイコン画像G70、キャラBアイコン画像G73、図43参照)を表示し、
前記第2のセリフ演出では、セリフを発するキャラクタが移動しているキャラクタ画像(キャラA画像G50、キャラB画像G52、図41参照)を表示することを特徴とする遊技機。
【0406】
この構成の遊技機によれば、セリフを発するキャラクタが静止している第1のセリフ演出が実行されるだけでなく、セリフを発生するキャラクタが移動する第2のセリフ演出が実行されることがあるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。
【0407】
手段B2:
手段B1に記載の遊技機であって、
前記第2のセリフ演出は、前記第1のセリフ演出よりも演出時間が長い(図39(B)(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0408】
この構成の遊技機によれば、キャラクタが移動しながらセリフを発する第2のセリフ演出が、キャラクタが静止してセリフを発する第1のセリフ演出よりも長い時間をかけて実行されるため、キャラクタが移動する斬新な第2のセリフ演出を遊技者に十分に堪能させることが可能となり、演出による興趣向上が見込める。
【0409】
手段B3:
手段B1又は手段B2に記載の遊技機であって、
前記第1のセリフ演出とも前記第2のセリフ演出とも異なる他の演出(変動演出)の実行中に、前記第1のセリフ演出を実行することと、
前記他の演出の実行中に、前記第2のセリフ演出を実行することと、が可能であり、
前記第1のセリフ演出では、或るセリフ(キャラAのセリフ)の次のセリフ(キャラBのセリフ)を表示する場合に当該或るセリフの表示が残り(図43(C)(E)参照)、
前記第2のセリフ演出では、或るセリフ(キャラAのセリフ1)の次のセリフ(キャラBのセリフ1)を表示する場合に当該或るセリフの表示が消える(図41(C)(D)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0410】
第2のセリフ演出ではキャラクタが移動しながらセリフを発するところ、この構成の遊技機によれば、第2のセリフ演出では第1のセリフ演出とは異なりキャラクタが発したセリフが次のセリフの前に消えるため、他の演出の実行中にキャラクタが移動しながらセリフを発する第2のセリフ演出が実行されても、他の演出の邪魔になり難い。よって、演出が全体として煩雑になるのが防止され、演出による興趣を高く維持することが可能である。
【0411】
手段C1:
キャラクタのセリフを表示する第1のセリフ演出(横書きセリフ演出、図43)と、
前記第1のセリフ演出とは異なる演出であって、キャラクタのセリフを表示する第2のセリフ演出(キャラ移動セリフ演出、図41及び図42)と、を実行可能であり、
前記第1のセリフ演出では、或るセリフ(キャラAのセリフ)の次のセリフ(キャラBのセリフ)を表示する場合に当該或るセリフの表示が残り(図43(C)(E)参照)、
前記第2のセリフ演出では、或るセリフ(キャラAのセリフ1)の次のセリフ(キャラBのセリフ1)を表示する場合に当該或るセリフの表示が消える(図41(C)(D)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0412】
この構成の遊技機によれば、或るセリフが次のセリフの発生後も残る第1のセリフ演出が実行されるだけでなく、或るセリフが次のセリフの発生までに消える第2のセリフ演出が実行されることがあるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。
【0413】
手段C2:
手段C1に記載の遊技機であって、
前記第1のセリフ演出および前記第2のセリフ演出は、前記第1のセリフ演出とも前記第2のセリフ演出とも異なる他の演出(変動演出)の実行中に実行される演出であり、
前記第2のセリフ演出は、前記第1のセリフ演出よりも演出時間が長い(図39(B)(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0414】
この構成の遊技機によれば、第2のセリフ演出は第1のセリフ演出と比べて演出時間が長いものの、第2のセリフ演出では第1のセリフ演出とは異なりキャラクタが発したセリフが次のセリフの前に消えるため、他の演出の実行中に比較的演出時間の長い第2のセリフ演出が実行されても、他の演出の邪魔になり難い。よって、演出が全体として煩雑になるのが防止され、演出による興趣を高く維持することが可能である。
【0415】
手段C3:
手段C2に記載の遊技機であって、
前記他の演出には、所定の演出音(BGMや効果音など、図41参照)が含まれ、
前記第1のセリフ演出は、キャラクタのセリフに対応する音声の出力を含み(図39(C)参照)、
前記第2のセリフ演出は、キャラクタのセリフに対応する音声の出力を含まない(図39(B)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0416】
第2のセリフ演出は第1のセリフ演出と比べて演出時間が長いところ、この構成の遊技機によれば、第2のセリフ演出は第1のセリフ演出とは異なりセリフに対応する音声の出力を含まないため、他の演出の実行中に比較的演出時間の長い第2のセリフ演出が実行されても、他の演出の演出音が聞き取り難くならない。よって、第2のセリフ演出によって他の演出の興趣が低下してしまうのを防止することが可能である。
【0417】
手段D1:
キャラクタのセリフを表示するセリフ演出(先読みセリフ演出、図46及び図47)を実行可能であり、
前記セリフ演出では、先行キャラクタのセリフを第1の表示領域(第1の表示領域50x)に表示した後、当該セリフを前記第1の表示領域とは異なる第2の表示領域(第2の表示領域50y)に移動させて、前記先行キャラクタの次にセリフを発する後続キャラクタのセリフを前記第1の表示領域に表示する(図46(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0418】
この構成の遊技機によれば、先行キャラクタのセリフを移動させてから後続キャラクタのセリフを先行キャラクタのセリフを表示していたのと同じ表示領域に表示する斬新な態様のセリフ演出を実行可能であるため、遊技興趣を向上可能である。またこの構成の遊技機によれば、新しいセリフの表示位置が第1の表示領域に固定されているため、第1の表示領域に注目していれば全てのセリフを確認できる。よってセリフの見逃しによる興趣低下が生じ難い。
【0419】
手段D2:
手段D1に記載の遊技機であって、
演出図柄(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3、若しくは、小図柄KZ1,KZ2,KZ3)を変動表示させる図柄変動(変動演出)を実行可能であり、
前記セリフ演出は、複数回の前記図柄変動にわたって実行されることがあることを特徴とする遊技機。
【0420】
この構成の遊技機によれば、セリフ演出を複数回の図柄変動にわたって遊技者に十分に堪能させることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
【0421】
手段D3:
手段D2に記載の遊技機であって、
所定の取得条件(始動入賞)の成立に基づいて判定情報(特図関係乱数)を取得可能な取得手段(遊技制御用マイコン101による特図関係乱数の取得に関する処理)と、
前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態)にするかの判定を行う判定手段(遊技制御用マイコン101による大当たりの当否判定に関する処理)と、
前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、前記判定手段による判定よりも前に、前記有利遊技状態になるかの先読み判定を行う先読み判定手段(遊技制御用マイコン101による先読み判定に関する処理)と、
前記判定手段による判定を保留可能な保留手段(遊技制御用マイコン101による大当たりの当否判定の実行を保留する処理)と、を備え、
前記判定手段による判定の結果に基づいて、前記図柄変動を実行可能であり、
前記セリフ演出は、前記先読み判定の結果に基づいて実行される演出であり、
前記セリフ演出では、前記取得手段により取得された特定の判定情報(ターゲット保留)に基づく特定の図柄変動よりも前の図柄変動から前記特定の図柄変動までの各図柄変動の度に、少なくとも一のセリフが表示される(図46及び図47参照)ことを特徴とする遊技機。
【0422】
この構成の遊技機によれば、セリフ演出が先読み判定に基づく演出として、特定の図柄変動よりも前の図柄変動から特定の図柄変動までの各図柄変動の度に新たなセリフを発するように実行される。そして、このセリフ演出においては、後続のセリフが表示される際には先行のセリフが別の表示領域に移動していく。よって、ある判定情報に基づく図柄変動が終わって、別の判定情報に基づく新たな図柄変動が行われていること(いわゆる保留消化が進んでいること)を遊技者に認識させ易い。
【0423】
手段D4:
手段D2又は手段D3に記載の遊技機であって、
前記セリフ演出とは異なる演出であって、キャラクタのセリフを表示する他のセリフ演出(横書きセリフ演出、図43)を、1回の前記図柄変動中に実行可能であり、
前記他のセリフ演出では、先行キャラクタのセリフを所定位置(図43(C)におけるキャラAセリフ画像G71の表示位置)に表示した後、当該セリフを前記所定位置に残して、前記先行キャラクタの次にセリフを発する後続キャラクタのセリフを前記所定位置とは異なる位置(図43(E)におけるキャラBセリフ画像G74の表示位置)に表示することを特徴とする遊技機。
【0424】
この構成の遊技機によれば、後続キャラクタのセリフが先行キャラクタのセリフとは異なる位置に表示される「他のセリフ演出」を実行可能である上で、先行キャラクタのセリフを移動させてから後続キャラクタのセリフを先行キャラクタのセリフを表示していたのと同じ表示領域に表示する「セリフ演出」も実行可能であるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。
【0425】
手段E1:
発信者を示すアイコン画像と、前記発信者が発信したメッセージを示すメッセージ画像とを含む発信演出(先読みセリフ演出、図46及び図47)を表示可能であり、
前記発信演出では、
第1の発信者(キャラクタA)を示す第1のアイコン画像(キャラAアイコン画像G90)、及び、前記第1の発信者が発信したメッセージを示す第1のメッセージ画像(キャラAセリフ1画像G91)を含む第1の発信演出(図46(A)に示す1変動目の先読みセリフ演出)に続いて、
前記第1の発信者とは異なる第2の発信者(キャラクタB)を示す第2のアイコン画像(キャラBアイコン画像G95)、及び、前記第2の発信者が発信したメッセージを示す第2のメッセージ画像(キャラBセリフ2画像G96)を含む第2の発信演出(図46(B)に示す2変動目の先読みセリフ演出)を表示することがあり、
前記発信演出が表示される特定の表示領域(特定の表示領域50f)における第1端(左端50fl)側に寄せて前記第1の発信演出は表示され、前記特定の表示領域における前記第1端とは反対の第2端(右端50fr)側に寄せて前記第2の発信演出は表示される(図46(B)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0426】
この構成の遊技機によれば、第2の発信演出が第1の発信演出とは別の端部に寄って表示されることで、発信者が第1の発信者とは異なる者に変わったことを認識させ易い。よって、発信演出がわかり易い演出となり、興趣向上が見込める。
【0427】
手段E2:
手段E1に記載の遊技機であって、
前記発信演出では前記メッセージ画像を囲む枠画像が表示され、
前記第2の発信演出における枠画像(第2セリフ画像G99における枠画像G97)は、前記第1の発信演出における枠画像(第1セリフ画像G94における枠画像G92)と対称に表示される(図46(B)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0428】
この構成の遊技機によれば、第1の発信演出と第2の発信演出とでメッセージ画像を囲む枠画像が対称に表示されるため、両発信演出におけるメッセージが異なる発信者によるものであることがわかり易い。
【0429】
手段E3:
手段E2に記載の遊技機であって、
前記第1の発信演出では前記第1のアイコン画像(キャラAアイコン画像G90)が前記特定の表示領域(特定の表示領域50f)における前記第1端(左端50fl)に沿って表示され、
前記第2の発信演出では前記第2のアイコン画像(キャラBアイコン画像G95)が前記特定の表示領域(特定の表示領域50f)における前記第2端(右端50fr)に沿って表示される(図46(B)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0430】
この構成の遊技機によれば、第1の発信演出と第2の発信演出とで、発信者を示すアイコン画像が表示される位置が反対の端部に変わるため、両発信演出が異なる発信者によるものであることがよりわかり易い。
【0431】
手段E4:
手段E1から手段E3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記発信演出において前記第1の発信演出に続いて前記第2の発信演出を表示する場合、前記第2の発信演出の表示に際して、前記第1の発信演出の表示位置を所定方向(上方)に移動させて、前記第1の発信演出の表示を継続する(図46(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0432】
この構成の遊技機によれば、第2の発信演出の表示後も第1の発信演出が残るため、両発信演出が別々の端部に寄って表示されている状態を遊技者が一度に視認でき、複数の発信者によるメッセージのやり取りであることがわかり易い。
【0433】
手段E5:
手段E4に記載の遊技機であって、
所定の図柄(例えば特別図柄)を変動してから、遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態)になるかの抽選の結果を示す態様で停止させる図柄変動(特図変動)を実行可能であり、
前記発信演出として、前記第1の発信演出及び前記第2の発信演出を含む複数の単位発信演出を、連続する前記図柄変動の各々に応じて1つずつ実行可能であり(図45図47参照)、
前記単位発信演出は、最初に表示される位置である初期表示位置(特定位置、第1の表示領域50x内)に第1の時間(例えば3秒)にわたって表示されるときと、前記第1の時間よりも長い第2の時間(例えば10秒)にわたって表示されるときとがあり(図45参照)、
前記単位発信演出が前記第2の時間にわたって前記初期表示位置に表示されるときの図柄変動(例えば図45に示す3変動目の特図変動、すなわちターゲット保留に基づく変動)の方が、前記第1の時間にわたって前記初期表示位置に表示されるときの図柄変動(例えば図45に示す1変動目や2変動目の特図変動、すなわちターゲット保留よりも前に記憶された特図保留に基づく変動)よりも、前記有利遊技状態になることが示される期待度が高い(図32図38参照)ことを特徴とする遊技機。
【0434】
この構成の遊技機によれば、単位発信演出が初期表示位置に表示され続ける時間の長さに注目させることが可能となり、発信演出の興趣を向上可能である。
【0435】
手段F1:
キャラクタのセリフを表示する第1のセリフ演出(横書きセリフ演出、図43)と、
前記第1のセリフ演出とは異なる演出であって、キャラクタのセリフを表示する第2のセリフ演出(縦書きセリフ演出、図44)と、を実行可能であり、
前記第1のセリフ演出では、キャラクタのセリフを表す文字を第1方向(左右方向)に沿って表示し、
前記第2のセリフ演出では、キャラクタのセリフを表す文字を前記第1方向とは異なる第2方向(上下方向)に沿って表示することを特徴とする遊技機。
【0436】
この構成の遊技機によれば、キャラクタのセリフを表す文字が第1方向に沿って表示される第1のセリフ演出が実行されるだけでなく、キャラクタのセリフを表す文字が第2方向に沿って表示される第2のセリフ演出が実行されることがあるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。またこの構成の遊技機によれば、第1のセリフ演出と第2のセリフ演出とでセリフを表す文字の表示方向が異なるため、別種類のセリフ演出であることが遊技者にわかり易い。
【0437】
手段F2:
手段F1に記載の遊技機であって、
前記第1のセリフ演出(横書きセリフ演出)は、キャラクタのセリフを表す文字の表示(例えばキャラAセリフ画像G71の表示)と、当該文字を囲む枠の表示(例えば枠画像G72の表示)とを含み(図43参照)、
前記第2のセリフ演出(縦書きセリフ演出)は、キャラクタのセリフを表す文字の表示(例えばキャラCセリフ画像G81の表示)を含み、当該文字を囲む枠の表示を含まない(図44参照)ことを特徴とする遊技機。
【0438】
この構成の遊技機によれば、第1のセリフ演出と第2のセリフ演出とでセリフを表す文字を枠で囲むか否かが異なるため、別種類のセリフ演出であることがよりわかり易い。
【0439】
手段F3:
手段F2に記載の遊技機であって、
前記第1のセリフ演出(横書きセリフ演出)におけるセリフは、前記第2のセリフ演出(縦書きセリフ演出)におけるセリフよりも長いセリフであることが多い(図40参照)ことを特徴とする遊技機。
【0440】
この構成の遊技機によれば、長いセリフが比較的多い第1のセリフ演出ではセリフが枠で囲まれるため、セリフの範囲をわかり易く見せることが可能となっている。また、セリフが枠で囲まれない第2のセリフ演出では長いセリフが比較的少なくなっているため、セリフの範囲がわからなくなり難い。よって、どちらのセリフ演出でも、セリフの範囲を遊技者に容易に認識させることが可能である。
【0441】
手段G1:
第1のキャラクタ(キャラクタA)と前記第1のキャラクタのセリフの表示を含む第1演出(図41(C)、図41(E)、図42(A)に示す演出)と、前記第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタ(キャラクタB)と前記第2のキャラクタのセリフの表示を含む第2演出(図41(D)、図41(F)、図42(B)に示す演出)と、を含むセリフ演出(キャラ移動セリフ演出、図41および図42)を実行可能であり、
前記セリフ演出では、第1演出を実行してから第2演出を実行する単位セリフ演出(図41(C)および(D)に示す演出、図41(E)および(F)に示す演出、図42(A)および(B)に示す演出)を、複数回(例えば3回)繰り返すことがあることを特徴とする遊技機。
【0442】
この構成の遊技機によれば、第1のキャラクタと第2のキャラクタとのセリフのやりとりが複数回繰り返されるため、斬新なセリフ演出となり、遊技興趣の向上が見込める。
【0443】
手段G2:
手段G1に記載の遊技機であって、
演出図柄(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3)を変動表示させる図柄変動を実行可能であり、
複数回の図柄変動(擬似連演出を伴う変動演出における初回の変動表示、及び、再変動としての変動表示)にわたって前記セリフ演出が表示され続ける(図39(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0444】
この構成の遊技機によれば、複数回の図柄変動にわたってセリフのやりとりが継続されるため、斬新なセリフ演出となり、遊技興趣の向上が見込める。
【0445】
手段G3:
手段G2に記載の遊技機であって、
前記セリフ演出では、前記第1のキャラクタのセリフを非表示にしてから前記第2のキャラクタのセリフを表示する(図41および図42参照)ことを特徴とする遊技機。
【0446】
この構成の遊技機によれば、セリフ演出は複数回の図柄変動にわたって表示され続けるものの、第1のキャラクタのセリフを非表示としてから、第2のキャラクタのセリフが表示されるため、一旦表示したセリフをセリフ演出の終了まで表示し続ける構成と比べて、表示内容が煩雑になるのが防止され、演出による興趣が低下するのを抑制可能である。
【0447】
手段H1:
キャラクタのセリフを表示する第1のセリフ演出(横書きセリフ演出、図43)と、
前記第1のセリフ演出とは異なる演出であって、キャラクタのセリフを表示する第2のセリフ演出(キャラ移動セリフ演出、図41および図42)と、を実行可能であり、
前記第1のセリフ演出は、キャラクタのセリフを表す文字画像(キャラAセリフ画像G71、キャラBセリフ画像G74)の表示と、当該セリフに対応する音声の出力とを含み、
前記第2のセリフ演出は、キャラクタのセリフを表す文字画像(キャラAセリフ1画像G53、キャラBセリフ1画像G54など)の表示を含み、当該セリフに対応する音声の出力を含まない(図39(B)(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0448】
この構成の遊技機によれば、キャラクタのセリフに対応する音声の出力を含む第1のセリフ演出が実行されるだけでなく、キャラクタのセリフに対応する音声の出力を含まない第2のセリフ演出が実行されることがあるため、演出が多様化して、遊技興趣を向上可能である。
【0449】
手段H2:
手段H1に記載の遊技機であって、
前記第1のセリフ演出および前記第2のセリフ演出は、前記第1のセリフ演出とも前記第2のセリフ演出とも異なる他の演出(変動演出)の実行中に実行される演出であり、
前記他の演出には、所定の演出音(BGMや効果音など、図41参照)が含まれ、
前記第2のセリフ演出は、前記第1のセリフ演出よりも演出時間が長い(図39(B)(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0450】
この構成の遊技機によれば、第2のセリフ演出は第1のセリフ演出と比べて演出時間が長いが、第2のセリフ演出は第1のセリフ演出とは異なりセリフに対応する音声の出力を含まないものとなっているため、他の演出の実行中に比較的演出時間の長い第2のセリフ演出が実行されても、他の演出の演出音が聞き取り難くならない。よって、第2のセリフ演出による興趣の向上と、他の演出の興趣低下の防止とを両立させることが可能である。
【0451】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2018-57883号公報に記載されているように、あるキャラクタが1回セリフ(メッセージ)を発する演出によって、リーチが成立する期待度や大当たり遊技が実行される期待度を示唆する遊技機が知られている。この演出では、キャラクタの主張内容が文字として画像表示装置に表示されるとともに、音声としてスピーカから出力される。しかしながら、特開2018-57883号公報に記載されているようなキャラクタがセリフ(メッセージ)を発する演出は現在ではよく見かけるものとなっており、遊技者に興趣を提供するためには、演出の態様等に改良の余地がある。
【0452】
上記した手段Aは、特開2018-57883号公報に記載の遊技機に対して、「第1のセリフ演出では、複数のキャラクタがそれぞれ1回ずつセリフを発し、第2のセリフ演出では、複数のキャラクタがそれぞれ複数回セリフを発する」という点で相違している。また、上記した手段Bは、特開2018-57883号公報に記載の遊技機に対して、「第1のセリフ演出では、セリフを発するキャラクタが静止しているキャラクタ画像を表示し、第2のセリフ演出では、セリフを発するキャラクタが移動しているキャラクタ画像を表示する」という点で相違している。また、上記した手段Cは、特開2018-57883号公報に記載の遊技機に対して、「第1のセリフ演出では、或るセリフの次のセリフを表示する場合に当該或るセリフの表示が残り、第2のセリフ演出では、或るセリフの次のセリフを表示する場合に当該或るセリフの表示が消える」という点で相違している。また、上記した手段Dは、特開2018-57883号公報に記載の遊技機に対して、「セリフ演出では、先行キャラクタのセリフを第1の表示領域に表示した後、当該セリフを第1の表示領域とは異なる第2の表示領域に移動させて、先行キャラクタの次にセリフを発する後続キャラクタのセリフを第1の表示領域に表示する」という点で相違している。また、上記した手段Eは、特開2018-57883号公報に記載の遊技機に対して、「発信演出では、第1の発信者を示す第1のアイコン画像、及び、第1の発信者が発信したメッセージを示す第1のメッセージ画像を含む第1の発信演出に続いて、第1の発信者とは異なる第2の発信者を示す第2のアイコン画像、及び、第2の発信者が発信したメッセージを示す第2のメッセージ画像を含む第2の発信演出を表示することがあり、発信演出が表示される特定の表示領域における第1端側に寄せて第1の発信演出は表示され、特定の表示領域における第1端とは反対の第2端側に寄せて第2の発信演出は表示される」という点で相違している。また、上記した手段Fは、特開2018-57883号公報に記載の遊技機に対して、「第1のセリフ演出では、キャラクタのセリフを表す文字を第1方向に沿って表示し、第2のセリフ演出では、キャラクタのセリフを表す文字を前記第1方向とは異なる第2方向に沿って表示する」という点で相違している。また、上記した手段Gは、特開2018-57883号公報に記載の遊技機に対して、「セリフ演出では、第1のキャラクタとそのセリフの表示を含む第1演出を実行してから、第2のキャラクタとそのセリフの表示を含む第2演出を実行する単位セリフ演出を、複数回繰り返すことがある」という点で相違している。また、上記した手段Hは、特開2018-57883号公報に記載の遊技機に対して、「第1のセリフ演出は、キャラクタのセリフを表す文字画像の表示と、当該セリフに対応する音声の出力とを含み、第2のセリフ演出は、キャラクタのセリフを表す文字画像の表示を含み、当該セリフに対応する音声の出力を含まない」という点で相違している。これにより、手段A~Hの発明は、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0453】
PY1…パチンコ遊技機
50…画像表示装置
50a…表示部
50f…特定の表示領域
50fl…左端(第1端)
50fr…右端(第2端)
50x…第1の表示領域
50y…第2の表示領域
50z…第3の表示領域
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン
G50…キャラA画像
G52…キャラB画像
G53…キャラAセリフ1画像
G54…キャラBセリフ1画像
G55…キャラAセリフ2画像
G56…キャラBセリフ2画像
G57…キャラAセリフ3画像
G58…キャラBセリフ3画像
G60…吹き出し画像
G62…吹き出し画像
G70…キャラAアイコン画像
G71…キャラAセリフ画像
G72…枠画像
G73…キャラBアイコン画像
G74…キャラBセリフ画像
G75…枠画像
G80…キャラCアイコン画像
G81…キャラCセリフ画像
G82…枠画像
G83…キャラDアイコン画像
G84…キャラDセリフ画像
G85…枠画像
G90…キャラAアイコン画像(第1のアイコン画像)
G91…キャラAセリフ1画像(第1のメッセージ画像)
G92…枠画像
G94…第1セリフ画像
G95…キャラBアイコン画像(第2のアイコン画像)
G96…キャラBセリフ2画像(第2のメッセージ画像)
G97…枠画像
G99…第2セリフ画像
G190…キャラAアイコン画像
G191…キャラAセリフ3画像
G192…枠画像
G194…第3セリフ画像
EZ1…左演出図柄
EZ2…中演出図柄
EZ3…右演出図柄
KZ1…左小図柄(演出図柄)
KZ2…中小図柄(演出図柄)
KZ3…右小図柄(演出図柄)
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