(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173465
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】管理システム、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20231130BHJP
【FI】
G06Q30/02 334
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085744
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】517031339
【氏名又は名称】STOCK POINT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100121669
【弁理士】
【氏名又は名称】本山 泰
(72)【発明者】
【氏名】土屋 清美
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】ポイントを所有する強い動機をユーザに与える。
【解決手段】管理システム10は、ユーザUに付与されたストックポイントの残高を、このストックポイントに予め対応付けられた株式の株価に応じて増減させるポイント管理部30と、特定のイベントに参加できる、特定のサービスを受けることができる、又は、特定の製品を取得できる権利であって前記のストックポイントに関連しておりユーザUが所有可能なユーザ特典を管理する特典管理部40と、を備える。ユーザ特典は、ストックポイントとは別個に譲渡可能である。特典管理部40は、譲渡対象のユーザ特典及び譲渡先を示す譲渡情報を取得したときにユーザ特典の所有者を前記の譲渡先に変更する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに付与されたポイントの残高を、前記ポイントに予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて増減させるポイント管理部と、
特定のイベントに参加できる、特定のサービスを受けることができる、又は、特定の製品を取得できる権利であって前記ポイントに関連しており前記ユーザが所有可能なユーザ特典を管理する特典管理部と、を備え、
前記ユーザ特典は、前記ポイントとは別個に譲渡可能であり、
前記特典管理部は、譲渡対象の前記ユーザ特典及び譲渡先を示す譲渡情報を取得したときに前記ユーザ特典の所有者を前記譲渡先に変更する、
管理システム。
【請求項2】
前記ユーザ特典は、前記ユーザに付与されている前記ポイントとの交換により前記ユーザに所有される、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記ユーザ特典は、前記ユーザが前記ポイントを一定期間以上所有していることを条件として前記第1ユーザに付与される、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記商品は、企業の株式であり、
前記ユーザ特典は、前記企業が開催する前記特定のイベントに参加できる、前記企業が提供する前記特定のサービスを受けることができる、又は、前記企業が提供する前記特定の製品を取得できる権利である、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項5】
前記特典管理部は、前記譲渡を仲介する処理と、当該処理の手数料を課金する処理と、を行う、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項6】
前記特典管理部は、ユーザ特典を識別する特典IDと、当該ユーザ特典の現在の所有者を識別するユーザIDと、が対応付けられて記録された特典管理テーブルにより前記ユーザ特典を管理し、
前記譲渡情報は、前記譲渡対象の前記ユーザ特典を識別する特典IDと、前記譲渡先のユーザを識別する譲渡先ユーザIDと、を少なくとも含み、
前記特典管理部は、前記特典管理テーブルのうち、前記譲渡情報が含む前記特典IDに対応する前記ユーザIDを前記譲渡先ユーザIDに変更することで、前記ユーザ特典の所有者を前記譲渡先のユーザに変更する、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項7】
前記ポイント管理部は、
前記ユーザを識別するユーザIDと、当該ユーザに付与されたポイントの残高と、が対応付けられて記録されたポイント管理テーブルにより当該ユーザが所有するポイントの残高を管理し、
前記ポイント管理テーブルの前記ポイントの残高を、前記ポイントに予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて増減させる、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項8】
コンピュータに、
特定のイベントに参加できる、特定のサービスを受けることができる、又は、特定の製品を取得できる権利であって、予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて増減するポイントに関連しており第1ユーザが所有可能なユーザ特典を管理する特典管理処理を実行させ、
前記ユーザ特典は、前記ポイントとは別個に譲渡可能であり、
前記特典管理処理では、譲渡対象の前記ユーザ特典及び譲渡先を示す譲渡情報が前記コンピュータに取得されたときに前記ユーザ特典の所有者を前記譲渡先に変更する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に付与されたポイントを管理するポイント管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザに付与されたポイントの残高を、このポイントに予め対応付けられた商品(株式)の経時的に変化する価格(株価)に応じて増減させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のポイントサービスでは、ユーザにポイントを所有してみようと思わせる工夫が十分でなく、ポイントを所有する強い動機をユーザに与えることが難しい。
【0005】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、ポイントを所有する強い動機をユーザに与えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明にかかる管理システムは、ユーザに付与されたポイントの残高を、前記ポイントに予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて増減させるポイント管理部と、特定のイベントに参加できる、特定のサービスを受けることができる、又は、特定の製品を取得できる権利であって前記ポイントに関連しており前記ユーザが所有可能なユーザ特典を管理する特典管理部と、を備え、前記ユーザ特典は、前記ポイントとは別個に譲渡可能であり、前記特典管理部は、譲渡対象の前記ユーザ特典及び譲渡先を示す譲渡情報を取得したときに前記ユーザ特典の所有者を前記譲渡先に変更する。
【0007】
一例として、前記ユーザ特典は、前記ユーザに付与されている前記ポイントとの交換により前記ユーザに所有される。
【0008】
一例として、前記ユーザ特典は、前記ユーザが前記ポイントを一定期間以上所有していることを条件として前記第1ユーザに付与される。
【0009】
一例として、前記商品は、企業の株式であり、前記ユーザ特典は、前記企業が開催する前記特定のイベントに参加できる、前記企業が提供する前記特定のサービスを受けることができる、又は、前記企業が提供する前記特定の製品を取得できる権利である。
【0010】
一例として、前記特典管理部は、前記譲渡を仲介する処理と、当該処理の手数料を課金する処理と、を行う。
【0011】
一例として、前記特典管理部は、ユーザ特典を識別する特典IDと、当該ユーザ特典の現在の所有者を識別するユーザIDと、が対応付けられて記録された特典管理テーブルにより前記ユーザ特典を管理し、前記譲渡情報は、前記譲渡対象の前記ユーザ特典を識別する特典IDと、前記譲渡先のユーザを識別する譲渡先ユーザIDと、を少なくとも含み、前記特典管理部は、前記特典管理テーブルのうち、前記譲渡情報が含む前記特典IDに対応する前記ユーザIDを前記譲渡先ユーザIDに変更することで、前記ユーザ特典の所有者を前記譲渡先のユーザに変更する。
【0012】
一例として、前記ポイント管理部は、前記ユーザを識別するユーザIDと、当該ユーザに付与されたポイントの残高と、が対応付けられて記録されたポイント管理テーブルにより当該ユーザが所有するポイントの残高を管理し、前記ポイント管理テーブルの前記ポイントの残高を、前記ポイントに予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて増減させる。
【0013】
本発明にかかるプログラムは、コンピュータに、特定のイベントに参加できる、特定のサービスを受けることができる、又は、特定の製品を取得できる権利であって、予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて増減するポイントに関連しており第1ユーザが所有可能なユーザ特典を管理する特典管理処理を実行させ、前記ユーザ特典は、前記ポイントとは別個に譲渡可能であり、前記特典管理処理では、譲渡対象の前記ユーザ特典及び譲渡先を示す譲渡情報が前記コンピュータに取得されたときに前記ユーザ特典の所有者を前記譲渡先に変更する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ポイントを所有する強い動機が利用者に与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる管理システムの構成を示す構成図である。
【
図2】ストックポイントとユーザ特典を説明する図である。
【
図3】ポイント発行テーブルの構成例を示す図である。
【
図4】ストックポイントの登録処理のフローチャートである。
【
図5】ポイント管理テーブルの構成例を示す図である。
【
図7】ユーザ特典の登録処理のフローチャートである。
【
図8】ユーザ端末に表示される、ストックポイントとユーザ特典との交換のための交換用画像の図である。
【
図10】ストックポイントの更新処理のフローチャートである。
【
図11】売却申込受付処理のフローチャートである。
【
図13】ユーザ特典の譲渡の際のユーザ端末及び特典管理部の動作フローチャートである。
【
図14】ユーザ端末に表示される売却候補のユーザ特典の一覧の画像の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
[管理システムの構成、ポイント、及び、ユーザ特典]
図1に示すように、本実施形態に係る管理システム10は、ポイント・特典発行部20と、ポイント管理部30と、特典管理部40と、を備える。管理システム10は、ユーザUに付与され所有されるポイント及びユーザ特典を発行及び管理するように構成されている。管理システム10は、ポイント及びユーザ特典を用いたサービスを提供するサービス提供者91により運用されている。
【0018】
ポイントは、当該ポイントに予め対応付けられた株式の株価に応じて増減する株価連動型のポイントである。このポイントを、以下、ストックポイント(登録商標)ともいう。
【0019】
ユーザ特典は、ストックポイントに関連して発行されて、ユーザUに付与され所有される。ユーザ特典は、特定のイベントに参加できる、特定のサービスを受けることができる、又は、特定の製品を取得できる権利である。特定のイベント、特定のサービス、及び、特定の製品は、そのユーザ特典に関連するストックポイントに対応した株式の企業などにより提供される。より具体的に、特定のイベント、特定のサービス、及び、特定の製品は、前記の企業により、直接開催又は提供されるか、他企業(サービス提供者91を含む)に開催又は提供を依頼することで当該他企業を介して間接的に開催又は提供される。特定のイベントへの参加、特定のサービスの享受、特定の製品の取得は、無償であっても、有償であってもよい。特定のイベントとしては、例えば、新商品の発表会、又は、企業の社長と会話することが可能なイベントがある。特定のサービスとしては、例えば、通常では受けられない特別なサービスがある。特定の製品としては、例えば、前記の企業が提供する限定商品がある。
【0020】
ストックポイントは、1企業つまり1種類の株式当たり1種類発行され、ユーザ特典は、1企業つまり1種類の株式当たり複数種類発行され得る。ユーザ特典は、ストックポイントとは異なり株価とは連動しない。
図2に示すように、ユーザ特典は、関連するストックポイントとは別個に、かつ、関連するストックポイントに対応する株式とは別個にユーザ間で譲渡することができる(詳細は後述)。
【0021】
図1のポイント・特典発行部20は、サーバコンピュータなどにより構成されており、ストックポイント及びユーザ特典を発行する。ポイント・特典発行部20は、発行対象のストックポイントの情報をポイント発行テーブル(詳細は後述)に登録する。ポイント・特典発行部20は、発行対象のユーザ特典の情報を特典発行テーブル(詳細は後述)に登録する。これら登録により、前記ストックポイント又はユーザ特典がユーザUに付与可能となり、前記ストックポイント又はユーザ特典が発行されたことになる。
【0022】
ポイント管理部30は、サーバコンピュータなどにより構成されており、ユーザに付与されたストックポイントを管理する。特に、ポイント管理部30は、ストックポイントのポイント残高を株価に連動させて増減させる。ポイント管理部30は、各ユーザのストックポイントのポイント残高をポイント管理テーブル(詳細は後述)により管理する。ポイント管理部30は、株式市場の終了後の所定タイミングごとに、その日の株式の終値に応じてストックポイントを増減させるものとする。増減に使用された株価(終値)を、更新時株価ともいう。
【0023】
特典管理部40は、サーバコンピュータなどにより構成されており、ユーザに付与されたユーザ特典を管理する。特に、特典管理部40は、ユーザ特典の所有者がどのユーザであるかつまりユーザ特典の所有者を、特典管理テーブル(詳細は後述)により管理する。特典管理部40は、ユーザ特典の譲渡があった場合、特典管理テーブルで管理されている当該ユーザ特典の所有者を譲渡先のユーザに変更する。譲渡は、ここでは、売買である。
【0024】
各部20~40は、通信ネットワークNWを介して互いに通信可能となっている。各部30及び40は、通信ネットワークNWを介して、ストックポイントを用いたポイントサービスを利用するユーザのユーザ端末U1(スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなど)と通信可能となっている。
【0025】
各部20~40は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ21,31,41と、プロセッサのメインメモリとして動作するRAM(Random Access Memory)22,32,42と、SSD(Solid State Drive)などからなる不揮発性の記憶装置23,33,43と、をそれぞれ備える。各部20~40は、通信ネットワークNWに接続されたNIC(Network Interface Card)24,34,44も備える。
【0026】
ポイント・特典発行部20の記憶装置23には、プログラム、ポイント発行テーブル、及び、特典発行テーブルが記憶されている。プロセッサ21がプログラムを実行することで、ポイント・特典発行部20の動作が実現される。ポイント管理部30の記憶装置33には、プログラム、ポイント管理テーブルが記憶されている。プロセッサ31がプログラムを実行することで、ポイント管理部30の動作が実現される。特典管理部40の記憶装置43には、プログラム、特典管理テーブル、及び、特典譲渡テーブルが記憶されている。プロセッサ41がプログラムを実行することで、特典管理部40の動作が実現される。
【0027】
[ストックポイント及びユーザ特典の発行及び付与]
ストックポイント及びユーザ特典の発行及び付与の方法は、任意の方法により行われる。以下、その一例を説明する。以下、ストックポイントの単位をspとする。
【0028】
(1)ストックポイントの発行
ストックポイントの発行を希望する企業(以下、企業Aともいう)は、サービス提供者91に対して、当該企業Aが発行する株式(以下、株式Aともいう)に対応するストックポイント(以下、ストックポイントAともいう)の発行を依頼する。サービス提供者91は、当該発行に必要な情報(企業名など)をポイント・特典発行部20に入力する。ポイント・特典発行部20は、入力された前記情報に基づいて、企業Aを識別する企業IDと、ストックポイントAを識別するポイントIDと、を発行する。企業IDは、企業名を含むか、企業名に対応付けられるなど、企業名を特定可能に発行される。このようなことは、ポイントIDも同様である。ポイント・特典発行部20は、さらに、不図示の株価提供サーバなどとネットワークNWを介して通信し、株式Aの前日の終値を前日終値として取得する。
【0029】
ポイント・特典発行部20は、発行又は取得したポイントID、企業ID、及び、前日終値を、ポイン発行テーブルに格納する。これにより、株式Aの株価に連動するストックポイントAが発行されたことになる。
図3に示すように、ポイント発行テーブルには、発行されたストックポイントの種類ごと、つまり、株式ごとに、ポイントID、企業ID、及び、前日終値が互いに対応付けられて登録されている。
【0030】
サービス提供者91は、ストックポイントAの発行時に、株式AをストックポイントAの原資として購入及び所有してもよい。サービス提供者91は、後述のストックポイントAのユーザUへの付与直後に、付与した分のストックポイントのポイント数に応じた金額分の株式AをストックポイントAの原資として購入及び所有してもよい。
【0031】
(2)ストックポイントの付与
ストックポイントは、株式の発行企業の商品又はサービスの購入により付与される他、例えば、ユーザUが所有する、ストックポイントとは異なる他ポイントと交換されることで、ユーザに付与されてもよい。他ポイントは、株価によって増減することがない株価非連動型のポイントであって、楽天ポイント、dポイント、マイレージなどのそれ自体が商品又はサービスの購入に使用可能なポイントであればよい。ストックポイントは、当該ストックポイントに対応付けられた株式の発行企業の広告などを視聴したときに付与されてもよい。
【0032】
ユーザUに付与されたストックポイントは、ポイント管理部30が管理しているポイント管理テーブルに登録される。具体的に、ポイント管理部30には、ユーザUに付与されるストックポイントの登録要求が外部からネットワークNWを介して供給される。登録要求には、ユーザUに付与されるストックポイントの付与ポイント数、前記ストックポイントのポイントID、及び、前記ユーザUを識別するユーザIDが含まれる。ポイント管理部30は、登録要求に含まれる付与ポイント数などをポイント管理テーブルに登録する(詳細は後述する)。この付与ポイント数などの登録により、ストックポイントのユーザへの付与が完了する。
【0033】
ストックポイントが商品又はサービスの購入により付与される場合、付与ポイント数は、ポイントIDとともに、例えば二次元コードなどにコード化されて前記商品に付加される又は前記サービスに係る電子メールなどに付加される。ユーザUは、自身のユーザ端末U1により前記コードを読み込む。これにより、ユーザ端末U1は、付与ポイント数と、ストックポイントAを識別するポイントIDとを取得し、ユーザUに付与ポイント数分のストックポイントAが付与されたことになる。ユーザ端末U1は、取得した付与ポイント数及びポイントIDを、予め記憶しているユーザIDとともに、前記登録要求としてポイント管理部30に供給する。
【0034】
ストックポイントが他ポイントとの交換により付与される場合、ユーザUは、自身のユーザ端末U1を操作して、他ポイントとストックポイントとの交換を行う不図示のウェブサーバにアクセスする。他ポイントとストックポイントとの交換レートは予め定められているものとする。ユーザ端末U1は、ユーザUからの操作に基づいて、交換するストックポイントのポイントID、交換に使用する他ポイントのポイント数、及び、自身が記憶しているユーザIDを前記のウェブサーバに送信する。前記のウェブサーバは、送信されてきた情報に基づいて、他ポイントとストックポイントとの交換処理を行う。この交換によるストックポイントの付与ポイント数を、ユーザIDと、ストックポイントAを識別するポイントIDとともに、前記登録要求としてポイント管理部30に供給する。
【0035】
ストックポイントが広告などの視聴により付与される場合、ユーザUは、自身のユーザ端末U1を操作して、前記広告などを提供する不図示のウェブサーバにアクセスし、ユーザ端末U1により前記広告などを視聴する。このとき、ウェブサーバには、ユーザIDが供給される。広告などの視聴後、ウェブサーバは、ストックポイントの付与ポイント数と、ユーザIDと、ストックポイントを識別するポイントIDと、を前記登録要求としてポイント管理部30に供給する。
【0036】
ストックポイントの登録要求を受けるポイント管理部30は、
図4の登録処理を実行する。ポイント管理部30は、ユーザ端末Uから登録要求を受信すると(ステップS11)、自身が管理しているポイント管理テーブルに、登録要求に含まれるユーザID及びポイントIDの組が登録されているかを判別する(ステップS12)。
【0037】
図5に示すように、ポイント管理テーブルには、ユーザID、ポイントID、ポイント残高X(t)、更新時株価P(t)、及び、ポイント所有期間が互いに対応付けられて登録されている。ポイントID及び企業IDは、ユーザIDが識別するユーザUが所有するストックポイント及びそのストックポイントに対応する企業をそれぞれ識別している。ポイント残高X(t)は、ユーザが所有する、ポイントIDが識別するストックポイントの現在の残高である。当該残高は、企業IDが識別する企業の株価に応じて増減するよう、定期的に更新される(詳細は後述)。更新時株価P(t)は、ストックポイントの直近の更新時の株価を示す。ポイント所有期間は、対応するストックポイントをユーザが所有開始してからの経過日時であり、ポイント管理部30により1日ごとに1日加算される。
【0038】
図4に戻り、ポイント管理部30は、ユーザID及びポイントIDの組が登録されていない場合(ステップS12;No)、ポイント・特典発行部20に記憶されているポイント発行テーブルを参照し、登録要求に含まれるポイントID(ここでは、ストックポイントAを識別するポイントID)に対応する前日終値を取得する(ステップS13)。
【0039】
その後、ポイント管理部30は、登録要求に含まれる付与ポイント数をポイント残高X(t)とし、前日終値を更新時株価P(t)とし、現在の日付を登録日とし、これら各情報と、登録要求に含まれるユーザID及びポイントIDと、を互いに対応付けてポイント管理テーブルに登録する(ステップS14)。このようにして、ユーザUに付与され所有されるストックポイントがポイント残高X(t)としてポイント管理テーブルに登録される。
【0040】
登録要求に含まれるユーザID及びポイントIDの組が登録されている場合(ステップS12;Yes)、ポイント管理部30は、ポイント管理テーブルの前記組に対応するポイント残高X(t)に、登録要求に含まれる付与ポイント数を加算する(ステップS14)。
【0041】
以上のような一連の処理により、ユーザUに付与されるストックポイントが新規登録又は従前のポイント残高に加算され、これらにより、ストックポイントの付与が完了する。
【0042】
(3)ユーザ特典の発行
ユーザ特典の発行を希望する企業(以下、企業Aともいう)は、サービス提供者91に対して、ストックポイント(以下、ストックポイントAともいう)の発行と同時、又は発行後の任意のタイミングに応じてユーザ特典(以下、ユーザ特典Aともいう)の発行を依頼する。前記の依頼時、ユーザ特典Aの特典内容、ユーザ特典Aの有効期限、当該ユーザ特典Aに関連するストックポイントA(又は当該ストックポイントAに対応する企業A)、及び、ユーザ特典Aの発行数が指定される。ユーザ特典Aは、後述のように、ユーザUに付与され所有されているストックポイントAの所定のポイント数と交換されることで、ユーザUに付与される。従って、上記依頼時、1のユーザ特典Aとの交換に必要なストックポイントAのポイント数である交換ポイント数も指定される。ユーザ特典Aは、ストックポイントAと交換可能であることで、当該ストックポイントAと関連している。
【0043】
サービス提供者91は、指定された、特典内容、有効期限、ストックポイントAのポイントID(企業IDでもよい。以下、同じ)、発行数、及び、交換ポイント数を含む、ユーザ特典Aの発行に必要な情報をポイント・特典発行部20に入力する。ポイント・特典発行部20は、入力された前記情報に基づいて、特典IDを発行する。
【0044】
ポイント・特典発行部20は、発行した又は入力された、特典ID、特典内容、有効期限、ポイントID、発行数、及び、交換ポイント数を互いに対応付けて特典発行テーブルに格納する。このとき、発行数は、そのユーザ特典の残数(ユーザ特典がユーザUに付与されるたびに1減じられる数)として格納される。
図6に示すように、特典発行テーブルでは、ユーザ特典ごとに、特典ID、特典内容、有効期限、ポイントID、残数、及び、交換ポイント数が対応付けられて格納されている。これら情報の格納により、ユーザ特典Aが発行されたことになる。
【0045】
(4)ユーザ特典の付与
上述のように、ユーザ特典は、ユーザUが所有する、前記ユーザ特典に関連するストックポイントと交換されることで、ユーザUに付与される。ユーザ端末U1は、ユーザUの操作に基づいて、ユーザ特典付与のための通信を特典管理部40と行う。特典管理部40は、この通信を契機として、
図7に示すユーザ特典の登録処理を実行する。
【0046】
特典管理部40は、まず、ユーザ端末U1から当該ユーザ端末U1が記憶するユーザIDを受信する(ステップS21)。その後、特典管理部40は、ポイント管理部30のポイント管理テーブルを参照し、前記で取得したユーザIDに対応する、ポイントID、ポイント残高X(t)を取得する(ステップS22)。特典管理部40は、ポイント・特典発行部20のポイント発行テーブルを参照し、前記で取得したポイントIDに対応する企業IDを取得する(ステップS23)。さらに、特典管理部40は、ポイント・特典発行部20の特典発行テーブルを参照し、前記で取得したポイントIDに対応し、かつ、残数が1以上の特典ID、特典内容、有効期限、交換ポイント数を取得する(ステップS24)。取得される情報は、ユーザ特典及びポイントごとに、複数組取得され得る。
【0047】
特典管理部40は、上記特典IDまで取得された、ユーザ特典及びポイントごとの情報(ポイントID、特典ID、交換ポイント数、ポイント残高X(t)など)の組のうち、交換ポイント数よりもポイント残高X(t)の方が多い組を特定する(ステップS25)。特典管理部40は、特定した各組の、特典ID、企業ID(ここでは、企業IDにより特定される企業名)、特典内容、有効期限、交換ポイント数、ポイントID、及び、ポイント残高X(t)を一覧表示する画像を交換用画像としてユーザ端末U1に表示させる(ステップS26)。当該交換用画象の例を
図8に示す。この交換用画象により、ユーザUがストックポイントと交換可能なユーザ特典の情報がユーザ端末U1に表示される。
【0048】
ユーザUは、ユーザ端末U1に表示された交換用画象を見ながら、交換を希望するユーザ特典を選択する操作をユーザ端末U1に対して行う。当該操作を受け付けたユーザ端末U1は、ユーザIDと、選択されたユーザ特典の特典IDと、当該特典IDに対応するポイントIDと、を交換要求として特典管理部40に送信する。
【0049】
特典管理部40は、ユーザ端末U1からの交換要求を受信すると(ステップS27)、この交換要求に含まれるポイントIDに対応する企業ID及び特典内容と、この交換要求に含まれるユーザIDとを、互いに対応付けて特典管理テーブルに登録する(ステップS28)。
図9に示すように、特典管理テーブルには、特典IDと、特典内容と、ユーザIDと、が対応付けられて格納されている。これにより、ユーザ特典がユーザUに付与されたことになる。ユーザIDは、対応する特典IDが識別するユーザ特典の所有者のユーザを示す。つまり、特典管理テーブルにより、各特典の所有者が管理される。
【0050】
特典管理部40は、その後、ポイント・特典発行部20と通信し、ポイント発行テーブルの残数を1減じる処理を行う(ステップS29)。これにより、新規に付与可能なユーザ特典の付与数が1つ減る。さらに、特典管理部40は、ポイント管理部30と通信し、ポイント管理テーブルの、ユーザ端末U1からのユーザID及びポイントIDに対応するポイント残高X(t)を、上記で選択されたユーザ特典の特典IDに対応する交換ポイント数で減じる処理を行う(ステップS30)。これにより、ユーザ特典とストックポイントとが交換されたことになる。減じられたポイント数分のストックポイントは、任意の目的に使用される。例えば、サービス提供者91の他のサービスの原資又は収益となるか、ユーザ特典の提供企業に還元される。
【0051】
[ストックポイントと株価との連動]
ポイント管理部30は、予め定められた株価連動タイミング(例えば、平日の株式の取引終了後の任意のタイミング)が到来したときに、ポイント管理テーブルに格納されている各ポイント残高X(t)を、当該ポイント残高X(t)に対応する企業IDの企業の株式の株価に応じて増減させる。この処理は、ポイント管理テーブルに記録されているレコード(
図5の1行のデータ)ごとに行われる。
【0052】
図10にポイント残高X(t)を株価に応じて増減させる処理例を示す。ポイント管理部30は、まず、処理対象のレコードの企業IDが識別する企業の株価の最新の終値P(T)を不図示の株価提供サーバなどから取得する(ステップS41)。その後、ポイント管理部30は、取得した終値P(T)と、ポイント管理テーブルに記録されている現在のポイント残高X(t)及び更新時株価P(t)と、に基づき、下記式(1)により新たなポイント残高X(T)を導出する(ステップS42)。
X(T)=X(t)×P(T)/P(t)…(1)
【0053】
その後、ポイント管理部30は、処理対象のレコードのポイント残高X(t)及び更新時株価P(t)を、導出又は取得したポイント残高X(T)及び終値P(T)に更新する(ステップS43)。
【0054】
ポイント管理部30は、各企業IDの終値P(T)を、ポイント発行テーブルにおける、企業IDに対応する前日終値に更新する処理を行ってもよい。ポイント発行テーブルにおける前日終値の更新は、ポイント・特典発行部20により別途行われてもよい。
【0055】
以上のような処理により、各ユーザが所有するストックポイントの残高が株価に連動して定期的(ここでは1日1回など)に自動更新されることになる。
【0056】
[ユーザ特典の譲渡]
上述のように、ユーザ特典は、ユーザ間で譲渡可能となっている。特典管理部40は、当該譲渡の仲介を行う機能も有する。
【0057】
(1)売却の申し込み
あるユーザUが自身の所有するユーザ特典を他のユーザUに売却により譲渡したいと考えたとき、当該あるユーザUは、ユーザ端末U1により売却申込を特典管理部40に送信する。売却申込は、売却対象のユーザ特典の特典IDと、当該あるユーザUのユーザIDと、ユーザ特典の売却金額(売値)と、を含む。
【0058】
特典管理部40は、
図11の売却申込受付処理を実行する。特典管理部40は、ユーザ端末U1から売却申込を受信すると(ステップS46)、ポイント・特典発行部20の特典発行テーブルに登録されている、受信した売却申込に含まれる特典IDに対応する特典内容及びポイントIDを取得し、ポイント発行テーブルに登録されている、取得したポイントIDに対応する企業IDを取得する(ステップS47)。
【0059】
その後、特典管理部40は、特典管理部40から取得した又は売却申込に含まれる、特典ID、ユーザID、企業ID、売却金額、及び、特典内容を、対応付けて特典売買テーブルに登録する(ステップS48)。
図12に示すように、特典売買テーブルには、特典ID、ユーザID、企業ID、売却金額、及び、特典内容が対応付けられて登録されている。
【0060】
(2)ユーザ特典の購入
ユーザUがユーザ特典を購入する際、特典管理部40とユーザ端末U1とが協働して、
図13に示す処理を行う。まず、ユーザ特典の購入を希望するユーザUは、ユーザ端末U1により、現在売りに出されているユーザ特典の情報要求を特典管理部40に行う(ステップS51)。特典管理部40は、特典売買テーブルの各レコード(
図12の各行のデータ)の特典ID、ユーザID、企業ID、売却金額、及び、特典内容をユーザ端末U1に送信する(ステップS52)。ユーザ端末U1は、受信した情報のうち、特典ID、企業ID、売却金額、及び、特典内容の一覧を例えば
図14に示す一覧画像として表示する(ステップS53)。
【0061】
ユーザUは、表示内容を確認し、ユーザ端末U1を操作して、購入したい特典IDなどを選択する。ユーザ端末U1は、選択された特典IDと、これに対応するユーザID(つまり売却元のユーザID)及び売却金額とを、自身のユーザUのユーザID(つまり売却先のユーザID)とともに、購入申込として、特典管理部40に送信する(ステップS54)。なお、同じ特典内容及び同じストックポイントの複数のストックポイントそれぞれで、異なる特典IDが設定している場合、上記売却先のユーザのユーザIDは省略されてもよい。
【0062】
特典管理部40は、購入申込(特典ID、売却先及び売却元の各ユーザID、及び、売却金額)を受信すると、まず、売却先のユーザIDに基づいて、クレジットカードの決済処理、銀行口座などからの引き落としなどにより売却先のユーザUから前記売却金額の金銭を受領する(ステップS55)。特典管理部40は、さらに、売却元のユーザID(購入申込に含まれるか、特典売買テーブルの、前記購入申込に含まれる特典IDに対応するユーザID)に基づいて、前記売却金額の金銭を売却元のユーザUの銀行口座などに振り込む処理を実行する(ステップS55)。特典管理部40は、ステップS55の一部として、前記金銭の一部又は別途の手数料をユーザ特典の売却の手数料として受領することで課金を行う処理を行ってから、前記振込処理を行ってもよい。別途の手数料は、売却先のユーザUが払っても、売却元のユーザUが払ってもよい。なお、売却の金額は、購入を希望する複数のユーザUによるオークション形式により決定されてもよい。この場合、例えば、ユーザ端末U1からの上記購入申込は購入希望金額を含み、特典管理部40は、特典売買テーブルの売却金額を、受信した購入申込に含まれる購入希望金額に更新していく。
【0063】
特典管理部40は、さらに、特典売買テーブルから、特典ID及び売却元のユーザID有する1レコード(
図12の特典売買テーブルの1行のデータ)を削除する(ステップS56)。さらに、特典管理部40は、特典管理テーブルにおける、当該特典ID及び売却元のユーザIDを有する1レコードの売却元のユーザIDを当該売却先のユーザIDに変更する(ステップS57)。この変更により、処理対象の特典IDが識別するユーザ特典の所有者が、売却元のユーザUから売却先のユーザUに変更される。その後、譲渡が完了した旨が特典管理部40からユーザ端末U1に送信される(ステップS58)。ユーザ端末U1は、譲渡完了の旨を受信したとき、当該旨を表示する(ステップS59)。
【0064】
以上のようにして、特典管理部40は、購入申込といった、ユーザ特典のユーザ間の譲渡情報を取得したときに当該取得した譲渡情報に基づいてユーザ特典の所有者を売却元のユーザUから売却先のユーザUに変更する。このようにして、ユーザ特典の譲渡のマッチング及びユーザ特典の譲渡が実現される。
【0065】
[ポイント残高及びユーザ特典の照会]
ユーザUは、ユーザ端末U1を利用して現在のポイント残高及び現在所有しているユーザ特典を照会できる。例えば、ユーザ端末U1は、自身のユーザIDをポイント管理部30に送信する。ポイント管理部30は、ポイント管理テーブルから、受信したユーザIDに対応するポイント残高を取得して、ユーザ端末U1に返信する。ユーザ端末U1は、返信されたポイント残高を表示する。例えば、ユーザ端末U1は、自身のユーザIDを特典管理部40に送信する。特典管理部40は、特典管理テーブルからユーザIDに対応する特典IDを取得するとともに、特典発行テーブルから特典IDに対応する特典内容を取得し、特典ID及び特典内容をユーザ端末U1に返信する。ユーザ端末U1は、返信された特典ID及び特典内容を、ユーザUが現在所有する特典及びその内容として表示する。
【0066】
[ストックポイントの付与及び使用]
ストックポイントの付与の方法は任意であり、ユーザUが所有する他のポイントから交換されてもよい。また、ストックポイントは、商品又はサービスの購入の際に現金の代わりに使用されてもよいし、他のポイントと交換されてもよい。ポイント管理テーブルのポイント残高が0になった場合、そのポイント残高を含む1レコードはポイント管理テーブルから削除されてもよい。
【0067】
[ユーザ特典の管理及び付与]
ユーザ特典が使用された場合、その旨を示す使用情報が特典管理部40に供給される。使用情報には、使用されたユーザ特典の特典ID及び使用時のユーザ特典の所有者のユーザIDが含まれる。使用情報は、例えば、ユーザ端末U1から特典管理部40に供給されるか、ユーザ端末U1と通信してユーザ特典の使用を認識するサーバなどから特典管理部40に供給される。特典管理部40は、供給された使用情報に含まれる特典ID及びユーザIDを含む1レコードを特典管理テーブルから削除する。
【0068】
ポイント・特典発行部20は、特典発行テーブルの有効期限を監視し、有効期限が過ぎたレコードについては特典発行テーブルから削除してもよい。このとき、ポイント・特典発行部20は、特典IDを特典管理部40に通知し、特典管理部40は、当該特典IDを含むレコードを特典管理テーブルから削除してもよい。ユーザ特典の付与方法も任意である。企業は、自身に対応するストックポイントが所定期間以上所有されているユーザに対して任意の方法によりユーザ特典を付与してもよい。この場合には、ポイント管理テーブルの登録日が参照される。
【0069】
[本実施形態による効果など]
本実施形態では、以上のようにして、ポイント管理部30が、ユーザUに付与されたストックポイントの残高を、このストックポイントに予め対応付けられた株式の経時的に変化する価格である株価ここでは終値に応じて増減させる。そして、特典管理部40が、特定のイベントに参加できる、特定のサービスを受けることができる、又は、特定の製品を取得できる権利であってストックポイントに関連しておりユーザUが所有可能なユーザ特典を管理する。そして、ユーザ特典は、ストックポイントとは別個に譲渡可能である。そして、特典管理部40は、譲渡対象のユーザ特典及び譲渡先を示す譲渡情報を取得したときにユーザ特典の所有者を前記の譲渡先に変更する。
【0070】
このような構成によれば、ユーザ特典は、ストックポイントに関連するが、ストックポイントとは別個でユーザ間で譲渡可能となっているため、ユーザUは、ユーザ特典の存在によりストックポイントを所有してみようと考える。従って、上記構成によれば、ストックポイントを所有する強い動機がユーザUに与えられる。本実施形態では、前記譲渡情報を購入申込としているが、譲渡は、任意の方法で行われればよく、前記譲渡情報は、外部から供給される譲渡対象のユーザ特典及び譲渡先のユーザUを示す情報などであってもよい。また、ユーザ特典が売買可能であることによって、ユーザUは、ユーザ特典が値上がりすることを狙って、ストックポイントを所有してみようと考える。従って、ストックポイントを所有する強い動機がユーザUに与えられる。
【0071】
さらに、ユーザ特典は、ユーザUに付与されているストックポイントとの交換によりユーザUに所有されることにより、ユーザUは、ストックポイントを所有してみようと考え、ストックポイントを所有する強い動機がユーザUに与えられる。
【0072】
特典管理部40は、ユーザUがストックポイントを一定期間以上所有していることを条件としてユーザに付与してもよい。例えば、特典管理部40は、ポイント所有期間を監視し、当該期間が所定期間に達した場合、当該ポイント所有期間だけ所有されたストックポイントに関連するユーザ特典を、当該ストックポイントを所有するユーザUに付与する処理を行ってもよい。他の例として、特典管理部40は、ポイント所有期間を監視し、当該期間が所定期間に達したユーザUのストックポイントとユーザ特典とを交換可能としてもよい。
【0073】
ユーザ特典は、ストックポイントと任意の形態で関連すればよい。例えば、ユーザ特典の付与が、上記のようにストックポイントの所有を条件とすることで、両者が関連してもよい。例えば、ユーザ特典の使用が、ストックポイントの所有を条件とすることで、両者が関連してもよい。ユーザ特典が、ストックポイントと一緒にユーザに付与されることで、両者が関連してもよい。
【0074】
ユーザ特典の発行後に、当該ユーザ特典に関連するストックポイントが発行開始されてもよい。ユーザ特典の発行及び付与の方法は、上記以外の方法であってもよい。
【0075】
さらに、本実施形態では、ユーザ特典が、関連するストックポイントに対応する株式の発行企業が開催する特定のイベントに参加できる、前記発行企業が提供する特定のサービスを受けることができる、又は、前記発行企業が提供する前記特定の製品を取得できる権利であるので、ユーザは、当該ユーザ特典及びストックポイントを所有することで、当該発行企業を応援するようになり、当該発行企業のロイヤリティが向上する。
【0076】
また、本実施形態のように、特典管理部40は、前記譲渡を仲介する処理と、当該譲渡の処理の手数料を課金する処理と、を行うとよい。これにより、サービス提供者91に利益がもたらされる。
【0077】
また、本実施形態のように、特典管理部40は、ユーザ特典を識別する特典IDと、当該ユーザ特典の現在の所有者を識別するユーザIDと、が対応付けられて記録された特典管理テーブルによりユーザ特典を管理するとよい。そして、本実施形態のように、前記の譲渡情報は、前記譲渡対象の前記ユーザ特典を識別する特典IDと、前記譲渡先のユーザを識別する譲渡先ユーザIDと、を少なくとも含むとよい。そして、本実施形態のように、特典管理部40は、前記特典管理テーブルのうち、前記譲渡情報が含む前記特典IDに対応する前記ユーザIDを前記譲渡先ユーザIDに変更することで、前記ユーザ特典の所有者を前記譲渡先のユーザに変更するとよい。これにより、ユーザ特典の管理が容易となる。
【0078】
また、本実施形態のように、ポイント管理部30は、ユーザUを識別するユーザIDと、当該ユーザUに付与されたストックポイントの残高と、が対応付けられて記録されたポイント管理テーブルにより当該ユーザUが所有するストックポイントの残高を管理し、ポイント管理テーブルの前記ストックポイントの残高を、前記ストックポイントに予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて増減させるとよい。これにより、ストックポイントの残高の管理が容易となる。
【0079】
[変形例]
上記各部20~40のうちの少なくとも2つは、1のサーバコンピュータにより実現されてもよい。例えば、1のプロセッサがプログラムを実行することで、ポイント管理部30及び特典管理部40として動作してもよい。上記各テーブルの構成は、任意であり、また、その記憶場所も、管理システム10外部のサーバなどであってもよい。プログラムは、不揮発性記憶装置の非一時的な記憶媒体に記憶されればよい。各部20~40のうちの少なくとも一部は、1以上の論理回路により構成されてもよい。論理回路としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。
【0080】
株式の株価とストックポイントとの連動の方法は、上記実施形態以外の方法で行われてもよい。つまり、ポイント残高の更新方法や、ポイント管理テーブルの内容などは、適宜変更可能である。例えば、特許文献1に開示された方法を利用してもよい。ストックポイントは、例えば、所定のイベントなどに参加したことを条件としてユーザUに付与されてもよい。
【0081】
上記各実施形態では、ストックポイントの連動対象を株価としているが、ストックポイントの連動対象は、株価以外の、経時的に価格(より具体的には取引価格)が変化する他の商品のいずれかの前記価格(特に、ポイントサービスの提供国を自国としたときの自国通貨の価格)であってもよい。このような場合でも、株式と同様に、サービス提供者91により、ストックポイントの原資として商品が購入されてもよい。商品としては、金融商品及び金融派生商品などがある。金融商品としては、仮想通貨(暗号資産とも呼ばれる)及び外国通貨(例えば、ポイントサービスの提供国を自国としたときの外国の通貨)などがある。金融商品として、企業の社債が採用されてもよい。金融商品として、日経平均株価の対象となる株式の集合が採用されてもよい(この場合、価格は、日経平均株価である)。ストックポイントのポイント残高は、各商品のいずれかの価格に連動して増減する。金融商品として、株式の一種であるETF(上場投資信託)が採用されてもよい。商品として、各種債権又は投資信託などの他の金融商品が採用されてもよい。ポイントの原資は、企業等からの資金であってもよい。ストックポイントの増減のタイミングは、1日ごとに到来するタイミングに限定されず、1週間、12時間、又は、連動対象の商品の価格の更新間隔(株価の更新間隔)などの所定期間ごとに到来する他のタイミングであってもよい。ストックポイントの増減に使用されるのは、前記所定期間における終値以外の最高値、最安値、平均値などであってもよい。ストックポイントが、連動対象の商品の価格の更新間隔ごとのタイミングで当該商品の価格(例えば、更新後の価格)に連動する場合、ストックポイントは、当該商品の価格(例えば、株価)にリアルタイムに連動して増減することになる。
【0082】
[本発明の範囲]
以上、実施形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。上記実施形態及び変形例の各構成は、矛盾しない範囲で任意に組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0083】
10…管理システム、20…ポイント・特典発行部、30…ポイント管理部、40…特典管理部、U…ユーザ、U1…ユーザ端末、NW…通信ネットワーク。