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特開2023-173471血流モニタ装置、血流モニタリングシステム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173471
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】血流モニタ装置、血流モニタリングシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/026 20060101AFI20231130BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
A61B5/026
A61B5/107 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085754
(22)【出願日】2022-05-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・令和3年6月4日から6月6日までの期間にパシフィコ横浜で開催された第66回日本透析医学会学術集会・総会において、フットチェックシステムのチラシを配布した。 ・令和3年6月25日に、自社のウェブサイトにて本願発明に係る製品について公開した。 ・令和3年7月上旬に、旭化成メディカル株式会社 関東第一支店 関東圏600~650施設に対してダイレクトメールを発送し、その中でフットチェックシステムのチラシを配布した。 ・令和3年7月9日に、自社及び旭化成メディカル営業所の2拠点間行った旭化成メディカル株式会社営業部会でのWeb説明会において、本願発明に係る製品の紹介を行った。 ・令和3年8月22日に自社で行ったWebセミナーにおいて、本願発明に係る製品の紹介を行った。 ・令和3年9月24日に自社で行ったWebセミナーにおいて、本願発明に係る製品の紹介を行った。
(71)【出願人】
【識別番号】000153030
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エム・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】大森 正芳
(72)【発明者】
【氏名】濱野 朋之
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA11
4C017AB10
4C017BC11
4C017BD01
4C017CC02
4C017EE01
4C017FF05
4C038VA04
4C038VB14
(57)【要約】
【課題】所定部位における患者の血流に係る検証を、左右差を含めて可能にするための血流モニタ装置、血流モニタリングシステム及びプログラムを提供する。
【解決手段】血流モニタ装置1は、患者の下肢又は上肢であって左右対称の位置に取り付けたセンサ部41R及び41Lから患者の左右それぞれの血流情報を取得する血流情報取得部15と、血流情報取得部15が取得した左右それぞれの血流情報を並べて表示部36に出力する表示出力部16と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の下肢又は上肢であって左右対称の位置に取り付けた血流センサから前記患者の左右それぞれの血流情報を取得する血流取得手段と、
前記血流取得手段が取得した左右それぞれの前記血流情報を並べて表示装置に出力する表示出力手段と、
を備える、血流モニタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の血流モニタ装置において、
前記表示出力手段は、前記血流取得手段が取得した左右それぞれの前記血流情報の経時的な変化をグラフ化した血流グラフを、前記表示装置にさらに出力する、血流モニタ装置。
【請求項3】
請求項2に記載の血流モニタ装置において、
前記血流取得手段が取得した前記血流情報を、前記患者を識別する患者識別情報に対応付けて記憶装置に記憶する情報登録手段を備える、血流モニタ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の血流モニタ装置において、
前記表示装置に出力された前記血流グラフのうち記録対象にする範囲指定を受け付ける範囲指定受付手段を備え、
前記情報登録手段は、前記範囲指定受付手段が受け付けた前記範囲指定の前記血流グラフに対応する前記血流情報を、前記記憶装置に記憶する、血流モニタ装置。
【請求項5】
請求項3に記載の血流モニタ装置において、
前記患者の状態を示す状態情報を受け付ける状態指定受付手段を備え、
前記情報登録手段は、前記状態指定受付手段が受け付けた前記状態情報を関連付けた前記血流情報を、前記記憶装置に記憶する、血流モニタ装置。
【請求項6】
請求項3から請求項5までのいずれかに記載の血流モニタ装置において、
前記表示出力手段は、前記記憶装置に記憶された前記患者の過去の血流情報に係る過去血流グラフを、前記表示装置にさらに出力する、血流モニタ装置。
【請求項7】
請求項1に記載の血流モニタ装置において、
前記血流情報は、血流量、脈動幅、脈動回数のうち少なくともいずれかを含む、血流モニタ装置。
【請求項8】
請求項1に記載の血流モニタ装置において、
前記血流取得手段が取得した前記血流情報に基づいて、所定の姿勢を前記患者に促すための案内情報を出力する案内出力手段を備える、血流モニタ装置。
【請求項9】
血流モニタ装置と、
前記血流モニタ装置に対して通信可能に接続された複数の血流測定装置と、
を備えた血流モニタリングシステムであって、
前記複数の血流測定装置の各々は、患者の血流を検出する血流センサを備え、
前記複数の血流測定装置のうち一方の前記血流測定装置の前記血流センサは、患者の下肢又は上肢に取り付けられ、
前記複数の血流測定装置のうち他方の前記血流測定装置の前記血流センサは、前記一方の血流センサと同じ前記患者の下肢又は上肢であって、前記一方の血流センサとは左右対称の位置に取り付けられ、
前記血流モニタ装置は、前記複数の血流測定装置から前記患者の左右それぞれの血流情報を取得する血流取得手段を備える、血流モニタリングシステム。
【請求項10】
請求項9に記載の血流モニタリングシステムにおいて、
前記血流モニタ装置は、前記血流取得手段が取得した左右それぞれの前記血流情報を並べて表示装置に出力する表示出力手段を備える、血流モニタリングシステム。
【請求項11】
コンピュータを、
患者の下肢又は上肢であって左右対称の位置に取り付けた血流センサから前記患者の左右それぞれの血流情報を取得する血流取得手段と、
前記血流取得手段が取得した左右それぞれの前記血流情報を並べて表示装置に出力する表示出力手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血流モニタ装置、血流モニタリングシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透析患者における進行性虚血性壊疽の発生率は、健常者に比べて高い。そのため、医療機関等において、透析患者の下肢虚血を把握することが行われている。
例えば、透析患者の足の血流を測定する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような足の血流を測定する装置を用いることで、透析患者の下肢虚血を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-20071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
透析患者における進行性虚血性壊疽は、左右の足において同じように発生するものではない。そのため、左右の足の血流をそれぞれ測定することに加えて、左右差を検証することは、診断に有用である。しかし、左右の足をそれぞれバラバラに測定した場合、患者のちょっとした状態や姿勢により測定値が変わり得る。そのため、左右差の検証には、患者の状態を同じにして、左右の足を同時に測定するのが望ましい。
また、血流の測定による左右差は、足だけではなく、手でも生じ得る。
さらに、血流の測定は、例えば、血管の石灰化を知る指標になるため、透析患者のみならず様々な患者に行うことが有用である。
【0005】
従って、本発明は、所定部位における患者の血流に係る検証を、左右差を含めて可能にするための血流モニタ装置、血流モニタリングシステム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、患者の下肢又は上肢であって左右対称の位置に取り付けた血流センサから前記患者の左右それぞれの血流情報を取得する血流取得手段と、前記血流取得手段が取得した左右それぞれの前記血流情報を並べて表示装置に出力する表示出力手段と、を備える、血流モニタ装置に関する。
【0007】
また、血流モニタ装置において、前記表示出力手段は、前記血流取得手段が取得した左右それぞれの前記血流情報の経時的な変化をグラフ化した血流グラフを、前記表示装置にさらに出力することが好ましい。
【0008】
また、血流モニタ装置において、前記血流取得手段が取得した前記血流情報を、前記患者を識別する患者識別情報に対応付けて記憶装置に記憶する情報登録手段を備えることが好ましい。
【0009】
また、血流モニタ装置において、前記表示装置に出力された前記血流グラフのうち記録対象にする範囲指定を受け付ける範囲指定受付手段を備え、前記情報登録手段は、前記範囲指定受付手段が受け付けた前記範囲指定の前記血流グラフに対応する前記血流情報を、前記記憶装置に記憶することが好ましい。
【0010】
また、血流モニタ装置において、前記患者の状態を示す状態情報を受け付ける状態指定受付手段を備え、前記情報登録手段は、前記状態指定受付手段が受け付けた前記状態情報を関連付けた前記血流情報を、前記記憶装置に記憶することが好ましい。
【0011】
また、血流モニタ装置において、前記表示出力手段は、前記記憶装置に記憶された前記患者の過去の血流情報に係る過去血流グラフを、前記表示装置にさらに出力することが好ましい。
【0012】
また、血流モニタ装置において、前記血流情報は、血流量、脈動幅、脈動回数のうち少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0013】
また、血流モニタ装置において、前記血流取得手段が取得した前記血流情報に基づいて、所定の姿勢を前記患者に促すための案内情報を出力する案内出力手段を備えることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、血流モニタ装置と、前記血流モニタ装置に対して通信可能に接続された複数の血流測定装置と、を備えた血流モニタリングシステムであって、前記複数の血流測定装置の各々は、患者の血流を検出する血流センサを備え、前記複数の血流測定装置のうち一方の前記血流測定装置の前記血流センサは、患者の下肢又は上肢に取り付けられ、前記複数の血流測定装置のうち他方の前記血流測定装置の前記血流センサは、前記一方の血流センサと同じ前記患者の下肢又は上肢であって、前記一方の血流センサとは左右対称の位置に取り付けられ、前記血流モニタ装置は、前記複数の血流測定装置から前記患者の左右それぞれの血流情報を取得する血流取得手段を備える、血流モニタリングシステムに関する。
【0015】
また、血流モニタリングシステムにおいて、前記血流モニタ装置は、前記血流取得手段が取得した左右それぞれの前記血流情報を並べて表示装置に出力する表示出力手段を備えてもよい。
【0016】
また、本発明は、上記の血流モニタ装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定部位における患者の血流に係る検証を、左右差を含めて可能にするための血流モニタ装置、血流モニタリングシステム及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る血流モニタリングシステムの全体構成並びに血流モニタ装置及び血流測定機器の機能ブロックを示す図である。
図2】本実施形態に係る血流モニタ装置の血流モニタ処理を示すフローチャートである。
図3】本実施形態に係る血流モニタ装置の計測処理を示すフローチャートである。
図4】本実施形態に係る血流モニタ装置での表示例を示す図である。
図5】本実施形態に係る血流モニタ装置での他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[血流モニタリングシステム100]
図1は、本実施形態に係る血流モニタリングシステム100の全体構成並びに血流モニタ装置1及び血流測定機器4の機能ブロックを示す図である。
血流モニタリングシステム100は、例えば、医療機関において、透析治療を行う患者の血流状態を確認するために用いられる。
【0020】
図1に示す血流モニタリングシステム100は、血流モニタ装置1と、2つの血流測定機器4R及び4L(血流測定装置)とを備える。
血流モニタ装置1と2つの血流測定機器4R及び4Lとは、例えば、近距離無線通信を介して通信可能に接続される。近距離無線通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標)を用いることができる。
また、2つの血流測定機器4R及び4Lは、同じ装置であり、固定方法も同じであることで測定のバラツキ低減が見込めるため望ましい。図1においては、患者の右足(下肢)に取り付けるものを、血流測定機器4Rとし、患者の左足に取り付けるものを、血流測定機器4Lとして記載している。以降の説明において、血流測定機器4Rと血流測定機器4Lとを区別しない場合には、単に血流測定機器4として説明する。また、血流測定機器4に含まれる各機能部(後述する)も同様である。このとき、2つの血流測定機器4R及び4Lは、異なる装置であってもよく、さらに装置の固定方法についても異なってもよい。
【0021】
[血流モニタ装置1]
血流モニタ装置1は、医療機関において、例えば、透析治療を行う患者の血流情報を受信して、受信した血流情報を表示させる装置である。血流モニタ装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)である。
図1に示すように、血流モニタ装置1は、制御部10と、記憶部30と、表示部36(表示部)と、入力部37と、音声出力部38と、通信部39とを備える。
制御部10は、血流モニタ装置1を制御する中央処理装置(CPU)である。制御部10は、記憶部30に記憶されているオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0022】
制御部10の説明の前に、記憶部30について説明する。
記憶部30は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部30は、プログラム記憶部31と、血流情報記憶部32と、患者情報記憶部33とを備える。
プログラム記憶部31は、後述する制御部10の各種機能を実行するためのプログラム等、各種のプログラムを記憶するための記憶領域である。プログラム記憶部31に記憶されるプログラムは、制御部10の各機能部や、複数の機能部ごとに別プログラムであってもよいし、1つのプログラムであってもよい。
【0023】
血流情報記憶部32は、患者の血流情報を記憶するための記憶領域である。血流情報記憶部32は、血流情報を、例えば、血流情報を受信した日時情報と、患者を識別する患者ID(IDentification)(患者識別情報)とに対応付けて記憶する。血流情報は、例えば、CSV形式のデータである。また、血流情報は、血流量、脈動幅、脈動回数のうち少なくともいずれかを含み、全てを含んでもよい。
血流情報記憶部32は、血流情報に加えて、患者の所定の姿勢における血流量から算出する生体反応(VAR)(後述する)を記憶してもよい。血流情報記憶部32は、さらに血流量と脈動幅とから算出されるBFI(Blood Flow Index)値を記憶してもよい。
【0024】
患者情報記憶部33は、患者情報を記憶する記憶領域である。患者情報記憶部33は、例えば、患者IDに対応付けて、患者の氏名、生年月日といった患者の基本情報等である患者情報を記憶する。
記憶部30には、その他、血流モニタ装置1に対して予め設定する、例えば、血流測定機器4のシリアル番号等の情報等が記憶されている。
【0025】
次に、制御部10について説明する。
制御部10は、患者指定受付部11と、測定部位受付部12と、測定開始受付部13と、ガイダンス出力部14(案内出力手段)と、血流情報取得部15(血流取得手段)と、表示出力部16(表示出力手段)と、指定受付処理部17(範囲指定受付手段、状態指定受付手段)と、情報登録部18(情報登録手段)とを備える。
患者指定受付部11は、血流測定機器4を取り付ける患者の指定を受け付ける。患者指定受付部11は、表示部36を介して、例えば、患者IDを受け付ける。
測定部位受付部12は、血流測定機器4を取り付ける患者の体の部位に関する情報である測定部位の情報を受け付ける。血流測定機器4を足に取り付ける場合には、測定部位として、例えば、足底、足背、前下腿面、後下腿面等が指定可能である。さらに、足底を指定した場合には、測定部位として、例えば、指や足裏の位置等が指定可能である。
【0026】
測定開始受付部13は、入力部37による操作を介して、測定の開始を受け付ける。
ガイダンス出力部14は、音声によるガイダンス(案内情報)を、音声出力部38を介して出力する。ガイダンス出力部14は、例えば、測定メニューに応じたガイダンスを出力する。ここで、測定メニューには、例えば、血流量を測定する「血流測定」と、血流量と脈動幅とを測定する「VAR index測定」とがある。測定メニューと、ガイダンスとの例については、後述する。また、ガイダンス出力部14は、例えば、次に説明する血流情報取得部15が取得した血流情報に基づいて、所定の姿勢を患者に促すためのガイダンスを出力する。
【0027】
血流情報取得部15は、血流測定機器4Rと、血流測定機器4Lとから、それぞれ血流情報を取得する。血流情報取得部15は、血流測定機器4Rと、血流測定機器4Lとから、常に血流情報を取得してもよい。又は、血流情報取得部15は、血流測定機器4Rと、血流測定機器4Lとから、所定の時間間隔(例えば、1秒等)で血流情報を取得してもよい。
【0028】
表示出力部16は、血流情報取得部15が血流測定機器4Rと、血流測定機器4Lとから取得した血流情報を、それぞれ並べて表示部36に出力する。また、表示出力部16は、血流情報取得部15が血流測定機器4Rと、血流測定機器4Lとから取得した血流情報の経時的な変化をグラフ化した血流グラフを、それぞれ並べて表示部36に出力する。
その際、表示出力部16は、所定の時間間隔(例えば、1秒等)で血流情報を更新してもよい。表示出力部16は、さらに血流情報に加えて、患者の所定の姿勢における血流量から算出する生体反応(VAR)又は、血流量と脈動幅とから算出されるBFI値を表示してもよい。
【0029】
指定受付処理部17は、表示部36に出力された血流グラフのうち、記録対象にする範囲指定を受け付ける。操作者が、例えば、血流グラフに対して直接範囲指定に係る操作をすることで、指定受付処理部17は、範囲指定を受け付けてもよい。また、操作者が、範囲指定を数値として入力することで、指定受付処理部17は、範囲指定を受け付けてもよい。
また、指定受付処理部17は、患者の状態を示すマーク(状態情報)を受け付ける。患者の状態とは、例えば、「仰臥位」、「端座位」、「体位変換」といった仰患者の姿勢や変化に関するものや、「気分悪化」、「気分回復」といった患者の気分に関するものや、「温度測定」、「投薬」、「処置」、「マッサージ」といった患者に対する処置的なものを含む。また、患者の状態を示すマークとは、患者の状態を表す小さな絵(アイコン)をいう。
【0030】
情報登録部18は、血流情報取得部15が出力した血流情報を、患者IDに対応付けて血流情報記憶部32に記憶する。また、指定受付処理部17が記録対象にする範囲指定を受け付けた場合には、情報登録部18は、受け付けた範囲指定の血流情報を、患者IDに対応付けて血流情報記憶部32に記憶する。さらに、指定受付処理部17がマークを受け付けた場合には、情報登録部18は、血流情報にマークを関連付けて、血流情報記憶部32に記憶する。
【0031】
表示部36は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置である。
入力部37は、例えば、キーボードやマウス等の入力装置である。
なお、表示部36と入力部37とが一体になったタッチパネルディスプレイであってもよい。さらに、表示部36は、血流モニタ装置1とは別のハード装置であってもよい。
音声出力部38は、音声を外部に送出する、例えば、スピーカ等である。
通信部39は、例えば、Bluetooth(登録商標)によって、血流測定機器4R及び4Lとの間で近距離無線通信を行うためのインタフェースである。通信部39は、Bluetoothの規格により作成されたIC(Integrated Circuit)チップ及びループアンテナを備える。通信部39は、大体10m~100m程度の通信を行うことができる。
【0032】
なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、血流モニタ装置1は、制御部10、記憶部30等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0033】
[血流測定機器4]
血流測定機器4は、血流を測定して血流情報を血流モニタ装置1に送信する装置である。
血流測定機器4は、センサ部41(血流センサ)と、通信部49とを備える。
センサ部41は、例えば、患者の足に取り付けて血流を検出する。
通信部49は、例えば、Bluetoothによって血流モニタ装置1との間で近距離無線通信を行うためのインタフェースである。
なお、血流測定機器4は、図示していないが、制御部や記憶部等を備える。
【0034】
[処理の説明]
続いて、血流モニタ装置1における処理について説明する。
図2は、本実施形態に係る血流モニタ装置1の血流モニタ処理を示すフローチャートである。
図3は、本実施形態に係る血流モニタ装置1の計測処理を示すフローチャートである。
図4は、本実施形態に係る血流モニタ装置1での表示例を示す図である。
図5は、本実施形態に係る血流モニタ装置1での他の表示例を示す図である。
【0035】
血流モニタ処理を行う前提として、まず、医療従事者(例えば、医療機関において血流モニタ装置1を操作する者であり、以下、操作者という。)は、血流モニタ装置1のプログラム記憶部31に記憶された、血流モニタ処理のためのプログラムを実行する。そして、操作者は、血流モニタ装置1と、血流測定機器4R及び4Lとをそれぞれ操作して、血流モニタ装置1と、血流測定機器4R及び4Lとの間の通信を確立させておく。
【0036】
また、操作者は、血流測定機器4のセンサ部41を患者に取り付ける。ここで、センサ部41Rとセンサ部41Lとの取付位置は、左右対称の位置であることが望ましい。そのため、取付位置を、例えば、患者の足のそれぞれの親指等にするとよい。なお、左右対称の位置とは、患者の足のそれぞれの親指等、左右の同一の指であることが望ましい。しかし、透析患者の中には欠損部位のある患者もいる。その際には、左右別の指で測定する必要が出てくるが、左右の指同士であれば、左右対称の位置として問題ない。
さらに、操作者は、血流モニタ装置1を操作して、測定メニューを指定する。以下においては、測定メニューとして「血流測定」が指定された場合を例に説明する。
【0037】
図2のステップS(以下、「ステップS」を単に「S」という。)11において、操作者による血流モニタ装置1への操作によって、制御部10(患者指定受付部11)は、患者IDを受け付ける。この時、制御部10は、患者情報記憶部33に記憶された患者情報をリストとして出力し、該当の患者の患者IDを選択してもよい。また、患者情報記憶部33に記憶されていない患者の場合には、氏名、生年月日等を入力することで、制御部10が、患者IDを付与してもよい。さらに1回のみの患者であれば、操作者が、患者IDの入力欄に「Guest」と入力することで、ゲストとして患者IDを受け付けてもよい。
【0038】
S12において、操作者による血流モニタ装置1への操作によって、制御部10(測定部位受付部12)は、測定部位を受け付ける。ここで、患者には、血流測定機器4Rのセンサ部41R及び血流測定機器4Lのセンサ部41Lが既に取り付けられているので、操作者は、例えば、画面に表示された足の図に対してセンサ部41を取り付けた位置を指定することで、取付位置の測定部位を指定する。
S13において、操作者による血流モニタ装置1への操作によって、制御部10(測定開始受付部13)は、測定開始を受け付ける。例えば、操作者による表示部36に表示されたモニタ画面にある測定開始のためのボタン(後述する)の選択操作によって、制御部10は、測定開始を受け付ける。
S14において、制御部10は、計測処理を行う。
【0039】
ここで、計測処理について、図3に基づき説明する。
図3のS21において、制御部10(ガイダンス出力部14)は、音声によるガイダンスを、音声出力部38を介して出力する。
ガイダンスの内容は、例えば、測定メニューにより異なる。ここでは、「血流測定」の場合を例に説明する。制御部10は、例えば、測定開始時に、測定部位の再確認を促すガイダンスを出力する。
S22において、制御部10(血流情報取得部15)は、血流測定機器4Rと、血流測定機器4Lとから、それぞれ血流情報を取得する。
S23において、制御部10(表示出力部16)は、取得した血流情報を、モニタ画面に出力する。
【0040】
ここで、モニタ画面50について、図4に基づき説明する。
モニタ画面50は、計測した血流情報をほぼリアルタイムに表示する画面である。
モニタ画面50は、機器部51R及び51Lと、血流情報部52aから52cと、グラフ部53と、マーク部54と、ステータス部55と、患者情報部56と、ボタン57とを含む。
機器部51R及び51Lは、血流モニタ装置1と通信可能に接続された血流測定機器4を示し、図4では、血流測定機器4R及び4Lが接続されていることを示す。
【0041】
血流情報部52aから52cまでは、血流測定機器4R及び4Lから取得した血流情報を、更新出力する。血流情報部52aから52cまでで出力される数値は、所定の時間間隔で、血流測定機器4から受信した血流情報に更新される。図4では、血流情報部52aから52cまでは、上段に血流測定機器4Rに対応する値を、下段に血流測定機器4Lに対応する値を、それぞれ出力している。また、血流情報部52aは、血流量に関し、血流情報部52bは、脈動幅に関し、血流情報部52cは、脈動回数に関する。
【0042】
グラフ部53は、血流測定機器4R及び4Lから取得した血流情報の経時的な変化を、血流グラフとして出力する。当該グラフは、時間の経過と共に描画される。図4では、グラフ部53は、血流測定機器4R及び4Lから取得した血流量の経時的な変化を示す。なお、グラフ部53は、脈動幅の経時的な変化を示してもよいし、脈動回数の経時的な変化を示してもよい。
マーク部54は、グラフ部53の血流グラフに挿入して出力させるマークを指定するための領域である。操作者が、例えば、マーク54aを選択操作すると、グラフ部53の該当の時間に対応する位置に、マーク54aが示すマーク53aが挿入される。図4では、約1分が経過したときに、操作者がマーク54aを選択操作したことを示す。また、マーク部54の各マークは、操作者の使用シーンに応じて設定画面(図示せず)から適宜変更ができる。
【0043】
ステータス部55は、現在の計測の状況を示す。図4では、ステータス部55には、測定中である旨が示されている。測定が終了すると、ステータス部55は、測定終了である旨が示される。
患者情報部56は、血流情報を取得する患者情報を出力する。
ボタン57は、操作者が選択するボタンである。ステータス部55が測定中の場合には、ボタン57は、測定終了をするためのものである。操作者がボタン57を選択操作することで、血流モニタ装置1は、血流情報の取得を終了する。また、ステータス部55が測定開始前や、測定終了の場合には、ボタン57は、例えば、測定開始をするためのものである。
【0044】
図4では、グラフ部53には、血流量のみを出力するものであった。
図5に示すモニタ画面60は、グラフ部53に対応するグラフ部63に、血流量と脈動幅との血流グラフを出力するものである。また、グラフ部63は、血流測定機器4Rから取得した血流情報と、血流測定機器4Lから取得した血流情報とを、別グラフとして分けて出力するものである。
このように、血流グラフの表示方法は、パラメータの数に応じて、左右の計測結果を1つのグラフに統合したり別グラフにしたりすることができる。
【0045】
図3のS24において、制御部10(指定受付処理部17)は、マーク選択操作を受け付けたか否かを判断する。操作者が、図4に示すモニタ画面50において、例えば、マーク部54のマーク54aを選択することで、制御部10は、マーク選択操作を受け付ける。マーク選択操作を受け付けた場合(S24:YES)には、制御部10は、処理をS25に移す。他方、マーク選択操作を受け付けていない場合(S24:NO)には、制御部10は、処理をS26に移す。
S25において、制御部10(指定受付処理部17)は、選択操作に対応するマークを、選択操作を受け付けたタイミングの時間位置に挿入する。
【0046】
S26において、制御部10(ガイダンス出力部14)は、ガイダンスを出力するタイミングであるか否かを判断する。
ここで、制御部10は、ガイダンスを出力するタイミングであるか否かを、S22で取得した血流情報の時系列での変化に基づいて行ってもよい。具体的には、血流情報である血流量の変化が激しい場合や、脈動幅の振幅の変動が大きい場合等の不安定な動きをしている場合や、血流量が低めで推移している場合等である。血流情報が不安定な動きをしている場合には、例えば、リラックスを促すメッセージを出力することが想定される。また、血流量が低めで推移している場合には、例えば、マッサージを促すメッセージを出力することが想定される。
【0047】
また、制御部10は、ガイダンスを出力するタイミングであるか否かを、例えば、所定のタイミング(例えば、1分おき等)が到来したか否かにより行ってもよい。
ガイダンスを出力するタイミングである場合(S26:YES)には、制御部10は、処理をS21に移し、ガイダンスを出力する。なお、ガイダンスを出力中であっても、制御部10(血流情報取得部15)は、血流測定機器4R及び4Lからそれぞれ血流情報を取得し、制御部10(表示出力部16)は、取得した血流情報をモニタ画面に出力する処理を行う。他方、ガイダンスを出力するタイミングではない場合(S26:NO)には、制御部10は、処理をS27に移す。
【0048】
S27において、制御部10は、測定を終了するか否かを判断する。例えば、予め設定した測定終了時間(例えば、測定開始から3分間等)になった場合に、制御部10は、測定を終了すると判断する。又は、操作者が測定終了ためのボタン(図4のボタン57)を選択した場合であっても、制御部10は、測定を終了すると判断する。測定を終了する場合(S27:YES)には、制御部10は、処理を図2のS15に移す。他方、測定を終了する判断しない場合(S27:NO)には、制御部10は、処理をS22に移して血流情報を取得し、以降、測定を終了するまで取得した血流情報をモニタ画面に出力する処理を繰り返す。
【0049】
図2のS15において、制御部10(指定受付処理部17)は、範囲指定操作を受け付けたか否かを判断する。ここで、範囲指定操作は、例えば、指定のための別画面を出力し、数値を手入力して行ってもよいし、図4に示すモニタ画面50のグラフ部53に出力されているグラフ上の位置を選択操作することで行ってもよい。範囲指定操作を受け付けた場合(S15:YES)には、制御部10は、処理をS16に移す。他方、範囲指定操作を受け付けない場合(S15:NO)には、制御部10は、処理をS17に移す。
【0050】
S16において、制御部10(情報登録部18)は、受け付けた範囲指定に含まれる血流情報を、患者IDに対応付けて血流情報記憶部32に記憶する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
他方、S17において、制御部10(情報登録部18)は、取得できた全ての範囲における血流情報を、患者IDに対応付けて血流情報記憶部32に記憶する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
なお、図3のS25の処理によってマークが挿入された場合には、制御部10(情報登録部18)は、マークとその位置とをさらに血流情報に対応付けて、血流情報記憶部32に記憶してもよい。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
【0052】
その他として、「VAR index測定」という、患者の姿勢の変化による測定値を検証することで、患者の状態を把握し得る測定方法がある。
「VAR index測定」の場合、制御部10(ガイダンス出力部14)は、初めに、患者に仰臥位の体位を促すガイダンスを出力する。次に、制御部10(ガイダンス出力部14)は、患者にリラックスを促すガイダンスを出力する。そして、例えば、測定開始から1分30秒を経過したときに、制御部10(ガイダンス出力部14)は、患者に端座位の体位を促すガイダンスを出力し、その後、患者にリラックスを促すガイダンスを出力する。
制御部10は、仰臥位と端座位との血流情報に基づいて、VAR値を算出する。
【0053】
VAR値の算出には、血流情報である血流量のうち、仰臥位における安静時皮膚血流量(RBF)と、端座位への体位変換後血流量(SBF)とを用いて、次に示す(式1)によって算出できる。

VAR値=RBF/SBF ・・・(式1)
【0054】
VAR値は、様々な病態の存在有無を調べる指標である。
例えば、VAR値が0.5超である場合に、病的な微小循環が存在すると考えられる。また、仰臥位のRBFが3未満であるか、又は、VAR値が7超である場合には、重症虚血状態を示すと考えられる。
VAR値は、その数値と、その他の患者の状態から、医師が病態を診断する一助になり得る。そのため、「VAR index測定」による測定を行うと、患者の状態をVAR値によっても把握ができて便利である。また、「VAR index測定」を左右(又は2点)で同時に測定することによって、測定時間低減による患者負担の低減を行うことができる。
【0055】
本実施形態においては、血流測定機器を患者の左右の足(の親指)に取り付けるものを例に説明したが、これに限定されない。血流測定機器を、患者の左右の手(上肢)に取り付けてもよい。そのようにしても、手の血流情報を同時に取得できるため、左右差による患者の状態をより正確に確認可能にできる。
【0056】
本実施形態においては、血流モニタ装置の記憶部に各患者の患者情報や血流情報を記憶するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、血流モニタ装置から着脱可能なUSB等の記憶媒体に各患者の患者情報や血流情報を記憶させ、異なる血流モニタ装置を用いた場合であっても、記憶媒体から当該患者の患者情報や血流情報を抽出できるようにしてもよい。又は、血流モニタ装置に対して通信可能に接続されたデータベース等のデータ蓄積装置に、各患者の患者情報や血流情報を記憶させ、血流モニタ装置からデータ蓄積装置にアクセスして、当該患者の患者情報や血流情報を抽出してもよい。又は、データ蓄積装置から直接表示又は閲覧できるようにしてもよい。
【0057】
本実施形態においては、血流測定機器から取得した血流情報をモニタ画面に出力するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、患者の過去の血流情報についても、今回の血流情報と比較可能にモニタ画面に出力してもよい。特に、過去の血流情報として血流グラフを出力してもよい。そのようにすれば、患者の血流情報に係る傾向を把握できる。
【0058】
本実施形態においては、血流グラフとして、患者の左右それぞれの血流情報の経時的な変化を示すように説明したが、これに限定されない。例えば、左右の血流情報の差を常に数値や記号として示してもよい。さらに、予め設定しておいた閾値より左右の血流情報の差が大きくなった時に、音声出力部から警報音が鳴るようにしてもよい。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る血流モニタリングシステム100によれば、以下の効果が奏される。
(1) 血流モニタ装置1が、患者の下肢又は上肢であって左右対称の位置に取り付けたセンサ部41R及び41Lから患者の左右それぞれの血流情報を取得する血流情報取得部15と、血流情報取得部15が取得した左右それぞれの血流情報を並べて表示部36に出力する表示出力部16と、を備える。
これにより、患者の下肢又は上肢であって、左右対称の位置における血流情報を同時に取得して並べて表示するので、左右差を認識しやすいものにできる。そのため、患者の血流に係る検証を、左右差を含めてしやすいものにできる。
【0060】
(2) (1)に記載の血流モニタ装置1において、表示出力部16は、血流情報取得部15が取得した左右それぞれの血流情報の経時的な変化をグラフ化した血流グラフを、表示部36にさらに出力してもよい。
これにより、血流グラフとして、患者の左右それぞれの血流情報の経時的な変化を簡単に確認できる。また、血流グラフにより、左右の血流情報の経時的な変化の比較ができる。
【0061】
(3) (2)に記載の血流モニタ装置1において、血流情報取得部15が取得した血流情報を、患者を識別する患者IDに対応付けて血流情報記憶部32に記憶する情報登録部18を備えてもよい。
これにより、患者の血流情報を蓄積できる。そのため、蓄積した患者の血流情報を比べて、日にちの経過による患者の血流情報の変化を確認するのに用いることができる。
【0062】
(4) (3)に記載の血流モニタ装置1において、表示部36に出力された血流グラフのうち記録対象にする範囲指定を受け付ける指定受付処理部17を備え、情報登録部18は、指定受付処理部17が受け付けた範囲指定の血流グラフに対応する血流情報を、血流情報記憶部32に記憶してもよい。
これにより、血流情報のうち、安静時等の真に取得したい部分を血流情報のみを記憶することができる。
【0063】
(5) (3)に記載の血流モニタ装置1において、患者の状態を示すマークを受け付ける指定受付処理部17を備え、情報登録部18は、指定受付処理部17が受け付けたマークを含む前記血流情報を、血流情報記憶部32に記憶してもよい。
これにより、血流情報に患者の状態を示すマークを含むので、患者の状態と血流情報との関係を確認できる。
【0064】
(6) (3)から(5)に記載の血流モニタ装置1において、表示出力部16は、血流情報記憶部32に記憶された患者の過去の血流情報に係る過去血流グラフを、表示部36にさらに出力してもよい。
これにより、過去の血流情報との比較を、グラフにより行うことができる。
【0065】
(7) (1)から(6)に記載の血流モニタ装置1において、血流情報は、血流量、脈動幅、脈動回数のうち少なくともいずれかを含んでもよい。
これにより、様々な血流に関する情報を用いることができる。
【0066】
(8) (1)から(7)に記載の血流モニタ装置1において、血流情報取得部15が取得した血流情報に基づいて、所定の姿勢を患者に促すためのガイダンスを出力するガイダンス出力部14を備えてもよい。
これにより、患者の状態に応じてガイダンスを出力するので、より正確な血流情報を取得可能である。
【0067】
(9) 血流モニタリングシステム100は、血流モニタ装置1と、血流モニタ装置1に対して通信可能に接続された血流測定機器4R及び4Lと、を備え、血流測定機器4R及び4Lは、患者の血流を検出するセンサ部41R及び41Lを各々備え、血流測定機器4Rのセンサ部41Rは、患者の下肢又は上肢に取り付けられ、血流測定機器4Lのセンサ部41Lは、センサ部41Rと同じ患者の下肢又は上肢であって、センサ部41Rとは左右対称の位置に取り付けられ、血流モニタ装置1は、血流測定機器4R及び4Lから患者の左右それぞれの血流情報を取得する血流情報取得部15を備える。
これにより、血流測定機器4R及び4Lを、患者の下肢又は上肢であって、左右対称の位置に、センサ部41R及び41Lを取り付けることで、血流測定機器4R及び4Lは、取付位置の血流を検出できる。また、血流モニタ装置1は、各血流測定機器4R及び4Lから、患者の下肢又は上肢であって、左右対称の位置における血流情報を同時に取得できるので、取得した血流情報を用いた処理を行うことができる。
【0068】
(10) (9)に記載の血流モニタリングシステム100において、血流モニタ装置1、血流情報取得部15が取得した左右それぞれの血流情報を並べて表示部36に出力する表示出力部16を備える。
これにより、左右それぞれの血流情報を並べて表示するので、左右差を認識しやすいものにできる。そのため、患者の血流に係る検証を、左右差を含めてしやすいものにできる。
【0069】
(11) プログラムは、(1)から(8)までに記載の血流モニタ装置1として機能させる。
これにより、上記の(1)から(8)までの効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 血流モニタ装置
4,4R,4L 血流測定機器
10 制御部
11 患者指定受付部
14 ガイダンス出力部
15 血流情報取得部
16 表示出力部
17 指定受付処理部
18 情報登録部
30 記憶部
31 プログラム記憶部
32 血流情報記憶部
33 患者情報記憶部
36 表示部
37 入力部
38 音声出力部
39,49R,49L 通信部
41R,41L センサ部
50,60 モニタ画面
100 血流モニタリングシステム
図1
図2
図3
図4
図5